動的周波数選択

チャネル可用性チェック(CAC)の機能履歴

次の表に、このモジュールで説明する機能のリリースおよび関連情報を示します。

これらの機能は、特に明記されていない限り、導入されたリリース以降のすべてのリリースで使用できます。

表 1. チャネル可用性チェック(CAC)の機能履歴

リリース

機能

機能情報

Cisco IOS XE Bengaluru 17.5.1

チャネル可用性チェック(CAC)

AP 無線に DFS チャネルが選択されている場合、AP 無線はチャネルをスキャンしてレーダー信号をチェックしてから、DFS 周波数でフレームを送信します。このプロセスは、チャネル可用性チェック(CAC)と呼ばれます。

動的周波数選択について

動的周波数選択(DFS)は、レーダー信号を検出し、DFS 対応の 5.0 GHz(802.11a/h)無線の周波数を自動的に設定して、レーダー信号との干渉を回避するプロセスです。規制ドメインで使用するように設定された無線が、レーダー システムに干渉しないようにする必要があります。

通常の DFS では、レーダー信号が 40 MHz または 80 MHz 帯域幅のチャネルのいずれかで検出されると、チャネル全体がブロックされます。Flex DFS を使用すると、セカンダリ チャネルでレーダー信号が検出されていない場合は AP がセカンダリ チャネルに移動され、帯域幅が(通常は半分に)削減されます。

チャネル可用性チェック(CAC)に関する情報

AP 無線に DFS チャネルが選択されている場合、AP 無線はチャネルをスキャンしてレーダー信号をチェックしてから、DFS 周波数でフレームを送信します。このプロセスは、チャネル可用性チェック(CAC)と呼ばれます。


(注)  


CAC は、無線の DFS チャネルを設定する前に実行されます。


レーダーで特定の DFS チャネルが使用されていることを AP が検出すると、AP はそのチャネルを使用不可としてマークし、使用可能なチャネルのリストから除外します。この状態は 30 分間続き、その後 AP はそのチャネルを Wi-Fi 送信に使用できるかどうかを再度チェックします。


(注)  


  • ブートプロセス中に実行される CAC には、国によって 1 ~ 10 分かかります。これが、AP の再起動時に DFS チャネルがすぐに使用できない理由です。

  • ハードウェアにスキャン機能があるため、ETSI ドメイン内の AP はコントローラでサポートされていないチャネルをスキャンします。


DFS の確認

DFS 設定を確認するには、次のコマンドを使用します。

802.11h 設定を表示するには、次のコマンドを使用します。

Device# show wireless dot11h

802.11h 設定の自動 RF 情報を表示するには、次のコマンドを使用します。

Device# show ap auto-rf dot11 5ghz 

Cisco AP の自動 RF 情報を表示するには、次のコマンドを使用します。

Device# show ap name ap1 auto-rf dot11 5gh
 

Cisco AP のチャネルの詳細を表示するには、次のコマンドを使用します。

Device# show ap dot11 5ghz summary
AP Name Mac Address Slot Admin State Oper State Width Txpwr Channel 
-----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
pnp-ap 04eb.409e.b560 1 Enabled Up 40 *8/8 (3 dBm) (52,56) 
BLDG1-9130-RACK-1568 04eb.409f.11a0 1 Disabled Down 40 4/8 (15 dBm) (100,104)# 

(注)  


show コマンドでは、CAC が AP 無線で実行されている場合は常に、チャネルのすぐ隣に # が追加されます。


ゼロ待機動的周波数選択について

アクセスポイント(AP)は、AP が動的周波数選択(DFS)チャネルに移動すると、潜在的なチャネルを 60 秒間モニターしてチャネル可用性チェック(CAC)を実行します。さらに、AP は、ビーコンをアドバタイジングしてクライアントにサービスを提供する前に、同じ周波数範囲で動作しているレーダーがないことを確認します。AP が DFS に移動すると、1 分間のサービス障害が発生します。この障害はさらに長くなり、最大 10 分間まで延長される可能性があります。ゼロ待機動的周波数選択機能は、規制ドメインでのサービス障害を回避するために役立ちます。現在、サポートされているドメインは米国とヨーロッパのみです。

ゼロ待機動的周波数選択のグローバルな設定(CLI)

手順

  コマンドまたはアクション 目的

ステップ 1

configure terminal

例:

Device# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

ap dot11 5ghz rrm channel zero-wait-dfs

例:

Device(config)# ap dot11 5ghz rrm channel zero-wait-dfs

ゼロ待機動的周波数選択機能を有効にします。デフォルトでは、この機能は無効です。

この機能を無効にする場合は、このコマンドの no 形式を使用します。

(注)  

 
ゼロ待機動的周波数選択機能は 5 GHz 無線でのみ利用できます。

ゼロ待機動的周波数選択のグローバルな設定(GUI)

手順


ステップ 1

[Configuration] > [Radio Configurations] > [RRM] を選択します。

ステップ 2

[RRM] ページで、[5 GHz Band] タブをクリックします。

ステップ 3

[DCA] タブをクリックします。

ステップ 4

サービス障害を発生させずに AP を DFS に変更できるようにするには、[Zero Wait DFS] チェックボックスをオンにします。

ステップ 5

[Apply] をクリックします。


RF プロファイルでのゼロ待機動的周波数選択の有効化(CLI)

手順

  コマンドまたはアクション 目的

ステップ 1

configure terminal

例:

Device# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

ap dot11 5ghz rf-profile profile-name

例:

Device(config)# ap dot11 5ghz rf-profile test-dfs

無線周波数(RF)プロファイルを設定し、RF プロファイル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

channel zero-wait-dfs

例:

Device(config-rf-profile)# channel zero-wait-dfs

RF プロファイルのゼロ待機動的周波数選択機能を有効にします。

この機能を無効にする場合は、このコマンドの no 形式を使用します。

RF プロファイルでのゼロ待機動的周波数選択の有効化(GUI)

手順


ステップ 1

[Configuration] > [Tags & Profiles] > [RF/Radio] を選択します。

ステップ 2

[RF] タブで、[Add] をクリックします。

[Add RF Profile] ページが表示されます。

ステップ 3

RF プロファイルの名前を入力します。

ステップ 4

[Radio Band] ドロップダウンリストから [5 GHz] を選択します。

ステップ 5

[RRM] タブをクリックします。

ステップ 6

[DCA] タブをクリックします。

ステップ 7

サービス障害を発生させずに AP を DFS に変更できるようにするには、[Zero Wait DFS] チェックボックスをオンにします。

ステップ 8

[Apply to Device] をクリックします。


ゼロ待機動的周波数選択設定の確認

DFS 設定を確認するには、次のコマンドを使用します。

AP のゼロ待機 DFS 設定を表示するには、次のコマンドを使用します。

Device# show ap name ap1 config slot 1 | inc Zero

  Zero Wait DFS Parameters
    Zero Wait DFS Capable                       : Yes
    CAC Domain                                  : None

ゼロ待機動的周波数選択機能に関連するグローバル設定を表示するには、次のコマンドを使用します。

Device# show ap dot11 5ghz channel | inc Zero

  Zero Wait DFS Parameters
    Zero Wait DFS Capable                       : Yes
    CAC Domain                                  : None

ゼロ待機動的周波数選択機能に関連する RF プロファイル設定を表示するには、次のコマンドを使用します。

Device# show ap rf-profile name test detail | sec Zero

Description                       : 
RF Profile Name                   : test
Band                              : 5 GHz
Transmit Power Threshold v1       : -70 dBm
Min Transmit Power                : -10 dBm
Max Transmit Power                : 30 dBm
.
.
.
Guard Interval                    : default
Zero Wait DFS                     : Enabled