時間ベースのルールのアクティブ化と非アクティブ化

機能の概要と変更履歴

要約データ

該当製品または機能エリア

P-GW

該当プラットフォーム

ASR 5500

デフォルト設定

無効:設定が必要

このリリースでの関連する変更点

N/A

関連資料

該当なし

マニュアルの変更履歴

改訂の詳細

リリース

このリリースでは、時間ベースのルールのアクティブ化および非アクティブ化機能がサポートされています。

21.10

最初の導入。

21.2 よりも前

機能説明

3GPP 仕様 29.212 では、ポリシーおよび課金ルール機能(PCRF)が、Network Time Protocol(NTP)時間とともに、ポリシーおよび課金制御(PCC)ルールを送信できます。この時間になると、ルールが Rule-Activation-Time AVP を介してアクティブ化されます。以前のリリースでは、StarOS は Rule-Activation-Time が指定された PCC ルールを受け取ったときに、PCC ルールをインストールしていました。StarOS は、必要に応じてネットワークリソースを予約するための専用ベアラーも作成していました。このアプローチでは、ネットワークリソースの無駄が発生し、次のようないくつかのシナリオに対応できませんでした。

  • ポリシーおよび課金ルール機能(PCRF)が PCC ルールを送信した場合。

  • PCC ルールに Rule-Deactivation-Time AVP が設定されている場合、ルールの非アクティブ化時間が完了した後でも、そのルールがインストールされたままになります。

ネットワークリソースの無駄を排除し、必要に応じて利用するために、時間ベースのルールのアクティブ化および非アクティブ化機能が開発されました。この機能の目的は次のとおりです。

  • Rule-Activation-Time の後に時間ベースの PCC ルールをインストールできます。

  • Rule-Activation-Time の後に時間ベースの PCC ルールを削除できます。

  • 事前定義されたルールとダイナミックルールでは、既存の動作が維持されます。

  • セッションリカバリと ICSR がサポートされています。

機能の仕組み

次の項では、時間ベースの PCC ルールのアクティブ化および非アクティブ化機能の概要を示します。

アーキテクチャ

時間ベースの PCC ルールのアクティブ化と非アクティブ化を設定するため、StarOS によって、ルールがアクティブ化されるまでこれらのルールが個別に保存されます。ルールがアクティブ化されると、それらは PCC ルールとして処理されてインストールされます。必要に応じて、専用のベアラーが作成されます。非アクティブ化された PCC ルールは削除され、ベアラーを更新または削除する要求が生成されます。


(注)  


この機能は、後方互換性を維持するために CLI によって制御されます。


ルール変更シナリオ

PCC ルールがルールアクティブ化時間で使用可能な場合、StarOS はこの機能が有効か無効かを確認します。この機能が有効になっている場合、StarOS は PCC ルールをすぐにインストールしません。ルールアクティブ化時間がタイムアウトすると、PCC ルールがインストールされます。

次に、ルール変更のシナリオとそのシナリオにおける StarOS の動作の一部を示します。

  • タイマーが実行中のルールが PCRF によって変更されると、StarOS は、既存のタイマーを停止し、ルールアクティブ化時間を使用して新しいタイマーを開始します。

  • ルール変更に Rule-Activation-Time AVP が含まれていない場合、StarOS はルールをすぐにインストールします。このシナリオでは、Rule-Activation-Time は引き継がれません。

  • 時間ベースルールのルール変更中は、ルールのパラメータはマージされません。これは、最新の定義で受信されたパラメータのみが適用されることを意味します。

    たとえば、料金設定グループが 500、課金 ID が 10、ルールアクティベーション化時間が T1 と定義された時間ベースルールが受信されたとします。しばらくすると(T1 よりも前)、料金設定グループが 400、ルールアクティブ化時間が T2 という新しい定義でルールが変更され、T2 の後、料金設定グループが 400 であるパラメータでルールがインストールされます。ここでは T2 の課金 ID は受信されず、料金設定グループのパラメータには課金 ID がありません。

デフォルトベアラー QoS の変更

サブスクライバには、デフォルトベアラーの QoS が QCI_8 として設定されています。PCRF は QCI_5 と Rule-Activation-Time を T1 にして Rule1 ルールを送信します。T1 が期限切れになる前に、デフォルトのベアラー QoS が QCI_5 に変更されます。T1 の期限が切れると、Rule1 ルールをインストールするために、ベアラー更新要求がデフォルトのベアラーに送信されます。

コール フロー

次のコールフローは、Rule-Activation-Time と Rule-Deactivation-Time の処理を示しています。

ルールアクティブ化時間の設定

次のコールフローは、ルールアクティブ化時間の処理を示しています。

このコールフローでは、QCI_1 QoS クラス ID を持つベアラーは使用できません。QCI_1 を持つベアラーが使用できる場合、T1 タイマーが期限切れになった後に、ベアラー更新要求が想定されます。

ルールの非アクティブ化時間の設定

次のコールフローは、ルールの非アクティブ化時間の処理を示しています。

このコールフローでは、QCI_1 QoS-Class-Identifier を持つベアラーに、ルール 1 だけがあります。ベアラーに複数のルールがある場合、T1 タイマーが期限切れになった後に、ベアラー更新要求が想定されます。

時間ベースルールのアクティブ化と非アクティブ化の設定

ここでは、時間ベースの PCC ルールをアクティブ化および非アクティブ化する CLI コマンド の設定について説明します。

時間ベースの PCC ルールの設定

時間ベースの PCC ルールを設定するには、次のコンフィギュレーション コマンドを使用します。

configure 
   require active-charging 
   [ default | no ] policy-control time-based-pcc-rule install-on-activation-time remove-on-deactivation-time 
      end 

注:

  • default :コマンドをデフォルト設定の [Disabled] にリセットします。

  • no :PCC ルールの時間ベースのアクティブ化または非アクティブ化を無効にします。

  • policy-control :ACS ポリシー制御を設定します。

  • time-based-pcc-rule :アクティブ化または非アクティブ化時間を使用して PCC ルールを設定します。

  • install-on-activation-time :アクティブ化時間にのみ PCC ルールをインストールします。

  • remove-on-deactivation-time :非アクティブ化時間に PCC ルールを削除します。

モニタリングおよびトラブルシューティング

コマンドや出力の表示

ここでは、時間ベースの PCC ルールアクティブ化/非アクティブ化をサポートするために導入された show コマンドとフィールドについて説明します。

show active-charging sessions full callid callid

この show コマンドの出力が変更され、時間ベースの PCC ルールの次のフィールドが表示されるようになりました。

  • Installs Deferred

  • 時間ベースの保留中の PCC ルールの合計

show active-charging service statistics

この show コマンドの出力は、次のフィールドを表示するように変更されました。

  • 時間ベースの PCC ルール統計

    • ダイナミック ルール

      • Activation-Time Received

      • Deactivation-Time Received

      • Removed received before Activation

      • Removed due to Deactivation

    • 定義済みルール

      • Activation-Time Received

      • Deactivation-Time Received

      • Removed received before Activation

      • Removed due to Deactivation

show active-charging subscribers callid callid pending-pcc-rules

この show コマンドの出力は、次のフィールドを表示するように変更されました。

  • CALLID

  • Dynamic Charging Rule Definition(s) Configured

    • 名前

    • Prior

    • Content-Id

    • Chrg-Type

    • Rule Parameters

  • ステータス

  • Service Identifier

  • QoS クラス識別子

  • ARP Priority Level

  • Reporting Level

  • Metering Method

  • アップリンク MBR

  • ダウンリンク MBR

  • アップリンク GBR

  • ダウンリンク GBR

  • Rule Activation Time

  • Rule De-activation Time

  • Filter 1

  • 方向

  • プロトコル

  • Dst Addr

  • Filter 2

  • 方向

  • プロトコル

  • Src Addr

  • Predefined Rules Enabled List