100 万の S1-U ピアツーピア接続のサポート

この章では、100 万の S1-U ピアツーピア接続機能に対する StarOS のサポートについて説明します。

機能説明

実稼働予測により、StarOS のサポートが強化され、1 つの S-GW で 100 万の S1-U 接続に対応できるようになりました。

S1-U インターフェイスは、端末から受信したユーザーデータを eNodeB と S-GW の間で伝送するユーザー プレーン インターフェイスです。StarOS では、VPN コンテキストごとに S1-U ピアの数を 100 万まで拡張できるようになりました。

CLI コマンドを使用して、オペレータは統計を収集する S1-U ピアの数を設定できます。StarOS のメモリ制限により、100 万ピア(128k)未満で設定する必要があります。

機能の仕組み

gtpumgr は次のガイドラインに従って、ピアを割り当てます。

  • セッションインストールがセッションマネージャから実行されると、ピアが作成されます。統計情報がセッションマネージャで維持管理されている場合、gtpumgr は統計情報を含むピアレコードも作成します。

  • ピアレコードはサービス単位で保持されます。

  • ピアの数は、gtpumgr インスタンスレベルで維持されます。S1-U ピアの数の上限は gtpumgr インスタンスごとに 100 万です。

  • 上限の 100 万ピアを超えると、ピアの作成に失敗します。これにより、gtpumgr ではコールのインストールに失敗し、監査がトリガーされると監査に失敗します。

機能の変更は、gtpu-service including GGSN/S4-SGSN/S-GW/P-GW/SAEGW/ePDG/SaMOG/HNB-GW/HeNB-GW を使用する次のインターフェイス/サービスのすべてに影響します。

  • General Packet Radio Service(GPRS)の Gn および Gp インターフェイス

  • UMTS システムの Iu、Gn、および Gp インターフェイス

  • Evolved Packet System(EPS)の S1-U、S2a、S2b、S4、S5、S8、および S12 インターフェイス。

リカバリ/ICSR の考慮事項

  • セッションマネージャ/gtpumgr のリカバリ後、または ICSR スイッチオーバー後に、統計情報の収集用に設定された一連のピアが回復されます。

    • セッション数が 0 で統計情報がないピアは回復されません。

    • セッション数が 0 で統計情報があるピアは回復されます。

    • 拡張ヘッダーのサポートが無効になっているピアは回復されます。

  • 以前のリリースからアップグレードする場合は、新しいリリースのシャーシ gtpu peer statistics threshold が以前のリリース以上であることを確認してください。このようにして、GTPU ピアの統計情報がアップグレード時に保持されます。たとえば、StarOS リリース 19.0 から 20.2 にアップグレードする場合、StarOS 19.0 システムに 17,000 の GTPU セッションがある場合は、StarOS 20.2 システムのしきい値も 17,000 に設定します。

設定と制約事項

  • StarOS に接続される GTP-U エンティティの数が多いため、GTP-U パス管理機能を無効にすることを推奨します。

  • 分散型のシステムであるため、統計情報の割り当てに関して設定するしきい値に厳しい上限はありません。統計情報を含む GTP-U ピアの合計数が、設定されたしきい値を若干超える可能性があります。

  • 100 万個のピアすべてがポイントツーポイントでノードに接続されているわけではないことを前提としています。ピアはルータを介して接続されます。

  • StarOS がこの機能をサポートするために ARP のテーブルサイズが変更されることはありません。

機能の設定

この項では、100 万の S1-U ピア接続機能のサポートを設定する方法について説明します。

gtpu peer statistics threshold

この新しいコマンドが コンテキスト コンフィギュレーション モード に追加され、StarOS が統計を維持する S1-U ピアの数を指定できるようになりました。

この機能を設定するには、次の例を使用します。

configure 
   context context_name 
      gtpu peer statistics threshold value 
      end 

注記:

  • value は、統計が維持される S1-U ピアの数を示します。有効なエントリは 16000 ~ 128000 です。デフォルト設定は 16000 です。

  • しきい値を現在の値よりも低い値に設定することはできません。

show コマンドの出力

この項では、100 万の S1-U ピア機能をサポートするために行われた show コマンド出力の変更ついて説明します。

clear gtpu statistics peer-address

all キーワードがこのコマンドに追加され、通信事業者は統計情報が保持されているすべての S1-U ピアで統計情報をクリアできるようになりました。

clear gtpu statistics peer-address all 

show gtpu statistics

このコマンドの出力が強化され、GTPU ピアの合計数と、統計収集用に設定された GTPU ピアの合計数が表示されるようになりました。

  • 合計 GTPU ピア

  • 統計を使用した合計 GTPU ピア

show session subsystem facility sessmgr

このコマンドの出力が強化され、統計収集用に設定された S1-U(GTP-U)ピアの合計数が表示されるようになりました。

  • 統計を使用した合計 GTPU ピア