機能説明
ここでは、3GPP R12 の GTP-C 負荷および過負荷制御機能について説明します。
![]() 重要 |
3GPP R12 の負荷および過負荷制御機能を使用するには、有効なライセンスキーがインストールされている必要があります。ライセンスの入手方法の詳細については、シスコのアカウントまたはサポート担当者にお問い合わせください。 |
3GPP R12 の GTP-C 負荷および過負荷制御機能はライセンス方式のオプション機能です。この機能により、GTP コントロールプレーンノードはピアの GTP コントロールプレーンノードに負荷情報を送信できます。受信側の GTP コントロールプレーン ピア ノードは、この情報を使用して P-GW と S-GW の既存の GW 選択プロシージャを強化します。負荷情報には、発信元の GTP コントロールプレーンノードのリソースの動作ステータスが反映されます。
GTP コントロールプレーンのシグナリングを使用するノードは、ピアノードで実行されるアクションを通じてノードの過負荷状態を軽減するために、過負荷制御情報の通信をサポートする場合があります。この機能は、GTPv2 コントロール プレーン プロトコルを介して S4、S11、S5、S8 インターフェイスでサポートされます。
GTP-C ノードが公称容量を超えて動作している場合に、そのノードは過負荷状態になっていると見なされ、結果としてパフォーマンスが低下します(着信トラフィックや発信トラフィック処理への影響もあります)。過負荷制御情報には、発信元ノードがそのような状況に達した日時が示されます。この情報が GTP-C ノード間で送信されると、これらのノード間の GTP-C シグナリングトラフィック量を削減またはスロットリングするために使用できます。このように過負荷制御情報によって、受信ノードが適切なアクションを決定するためのガイダンスが提供されるため、情報の送信側の負荷軽減につながります。
負荷制御と過負荷制御の概要は、次のように説明されます。
- 負荷制御:負荷制御により、GTP-C エンティティ(P-GW、SAEGW、S-GW など)は負荷情報を GTP-C ピア(MME、SGSN、ePDG、TWAN など)に送信できます。これにより、同じ機能をサポートするエンティティ(S-GW クラスタなど)間で、有効な負荷に応じてセッション負荷を適宜分散させることができます。負荷情報には、GTP-C エンティティリソースの動作ステータスが反映されます。
- 過負荷制御:過負荷制御により、過負荷状態または過負荷状態になりつつある GTP-C エンティティで着信シグナリングの負荷を軽減できます。トラフィックを正常に処理するために使用できるシグナリング容量に従って、送信トラフィックを減らすように GTP-C ピアに指示します。GTP-C エンティティがそのシグナリング容量を超えて動作すると過負荷状態になり、パフォーマンスが低下します(着信トラフィックや発信トラフィック処理への影響もあります)。
負荷および過負荷係数の計算機能の拡張
キャパシティテストおよびお客様のご利用環境において、sessmgr カードの CPU 使用率が高い場合でも、3GPP R12 の負荷および過負荷サポート機能が誤ったシャーシの負荷係数値を提供することが確認されました。根本原因は、sessmgr カードと demux カードの CPU 使用率の平均を取得して負荷係数が計算される際、demux カードの CPU 使用率が sessmgr カードの CPU 使用率を上回らないためです。そのため、sessmgr カードの CPU 使用率が高くても、システムは過負荷状態に移行しませんでした。
3GPP R12 負荷/過負荷制御プロファイル機能が強化され、CPU 負荷とメモリでは、同タイプのカードの大きいほうの値に基づいて負荷係数が計算されるようになりました。demux カードの CPU 使用率の値が sessmgr カードの CPU 使用率の値よりも高い場合、負荷係数の計算には demux カードの CPU 使用率の値が使用されます。
リソースマネージャに複数のポーリング間隔を設定するための新しい CLI コマンド gtpc-system-param-poll interval が導入されました。これにより、demuxmgr はさまざまなシステム要件に基づいて負荷係数を計算できます。
他の機能との関係
GTPP R12 GTP-C 負荷および過負荷制御機能を設定する前に、次の点に注意してください。
- GTP-C 負荷および過負荷制御を設定する前に、次のいずれかのサービスをノードで設定する必要があります。
- P-GW
- SAEGW
- S-GW
- 設定が完了したら、ネットワークで正しく機能するように、GTP-C 負荷および過負荷制御プロファイルを P-GW、SAEGW、または S-GW サービスに関連付ける必要があります。