機能説明
S-GW/P-GW は、ユーザーデータグラム パケットと外部 IP パケット(GTP-U トンネル IP ヘッダー)の DSCP 値を変更するための設定制御を提供します。DSCP マーキングは、設定に応じてさまざまなレベルで実行されます。ただし、ページングポリシー差別化(PPD)機能が有効になっている場合、ユーザーデータグラム パケット DSCP(トンネル化 IP パケット)のマーキングは変更されません。
現在、標準規格では、外部 GTP-U ヘッダーの QCI から DSCP へのマーキングのみが規定されています。ユーザーデータグラム パケットの DSCP 値を変更する ECS、P-GW、および S-GW のすべての設定は非標準です。標準ベースの PPD 機能では、P-CSCF または同様の Gi エンティティによって、ユーザーデータグラム パケットの DSCP がマーキングされます。このユーザーデータグラム パケットの DSCP 値は、S-GW によって MME/S4-SGSN に DDN メッセージで送信されます。MME/S4-SGSN は、この DSCP 値を使用してページング優先順位を付けます。
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P-GW と S-GW は、デフォルトと専用の両方のベアラーに PPD 機能を適用する必要があります。仕様に従って、P-GW はユーザーデータグラム パケットを透過的に S-GW に渡します。つまり、PPD 機能が有効になっている場合、通信事業者はデフォルトベアラーと専用ベアラーに異なる動作を適用できません。 |
関係
P-GW/S-GW は非標準ベースの DSCP マーキングをサポートしているため、標準ベースの PPD 機能と非標準ベースのユーザーデータグラム パケットの DSCP 設定がどちらも有効になっている場合、競合が発生します。この競合を回避するために、次の点に注意してください。
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PPD 機能が有効になっている場合、APN およびサービスレベルの設定は無視されます。
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S-GW/P-GW は、PPD 機能が有効になっている場合でも、外部 GTP-U ヘッダーの DSCP 値を変更できます。
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ユーザーデータグラム パケットの DSCP 値は、PPD 機能が有効になっている場合、ECS、P-GW、および S-GW によって変更されません。
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P-GW では、PPD 機能を有効または無効にするための APN レベルの設定が追加されています。
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S-GW では、PPD 機能を有効または無効にするためのサービスレベルの設定が追加されています。これにより、IMS-PDN や Internet-PDN などによってトリガーされたすべての DDN メッセージのページングおよびサービス情報 IE で DSCP が送信されます。
重要
DDN メッセージのページングおよびサービス情報 IE は MME/S4-SGSN によって使用されます。
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システムには分離ページング機能と PPD 機能が共存しています。つまり、両方の機能が有効になっている場合、ページングおよびサービス情報 IE と個別ページング IE の両方が DDN で送信されます。
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現在、P-GW では、コールセットアップ時間中に DSCP 設定がサブセッションレベルで適用されます。そのため、P-GW に対して PPD CLI が有効になっている場合、それが新しいコールに適用されます。
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現在、S-GW では、DSCP 設定が S-GW サービスレベルで適用されます。そのため、S-GW サービスで PPD CLI が有効になっている場合は、それが新しいコールと既存のコールの両方に適用されます。
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PPD CLI は、有効になると、セッションリカバリと ICSR のスイッチオーバーの後にも存在します。
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ページングおよびサービス情報 IE は、ベアラーごとのページングおよびサービス情報を伝送するために使用されます。
ライセンス
PPD はライセンスにより有効となる機能です。P-GW、S-GW、および SAEGW の PPD 機能を有効にするには、S-GW ページング プロファイル ライセンス キーが必要です。
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ライセンスの入手方法の詳細については、シスコのアカウント担当者にお問い合わせください。 |