VRF のサポート
VRF サポートを設定するための前提条件
VRF サポートの設定に関する制限
VRF サポートに関する情報
- VRF 対応 Cisco Unified CME
  - SCCP 電話機向け VRF 対応 Cisco Unified CME
  - SIP 電話機向け Cisco Unified CME でのマルチ VRF サポート
VRF サポートを設定する
VRF サポートの設定の設定例
VRF サポートの機能情報

VRF のサポート

仮想ルート転送 (VRF) は、物理ルーターを複数の論理ルーターに分割し、各論理ルーターには独自のインターフェイスとルーティングおよび転送テーブルのセットが与えられます。音声ネットワークの VRF サポートを使用すると、Cisco Unified Communications Manager Express (Cisco Unified CME) を、SIP および SCCP エンドポイントと、PC 上の TAPI ベースのクライアントアプリケーションおよびソフトフォン用の複数の仮想システムに分割できます。

VRF サポートを設定するための前提条件

SIP 電話機でのマルチ VRF サポートには、Cisco Unified CME バージョンが 10.5 以降である必要があります。
SCCP 電話機でマルチ VRF をサポートするには、Cisco ルータで Cisco Unified CME 7.0 (1) 以降のバージョンを設定する必要があります。
Cisco Unified CME ルータでは、次の内容を含め、VRF 対応 H.323 および SIP を設定する必要があります。
- ip vrf コマンドを使用して、Cisco Unified CME ルータに最大 5 つの VRF を設定する必要があります。設定情報については、「 VRF 対応 H.323 および SIP による音声ゲートウェイ」を参照してください。
- voice vrf コマンドを使用して、グループの 1 つをグローバル音声 VRF (SIP トランク) として指定する必要があります。設定情報については、「 VRF 対応 H.323 および SIP による音声ゲートウェイ」を参照してください。
  
  例:
```
voice vrf voice-vrf
ip vrf data-vrf1
 rd 801:1
 route-target export 801:1
 route-target import 1000:1
!
ip vrf data-vrf2
 rd 802:1
 route-target export 802:1
 route-target import 1000:1
!
ip vrf voice-vrf
 rd 1000:1
 route-target export 1000:1
 route-target import 801:1
 route-target import 802:1
!
```

ルータ上のインターフェイスは、 ip vrf forwarding コマンドを使用して VRF 用に設定する必要があります。

（注）

SIP トランクではグローバル音声 VRF のみがサポートされます。

例:


interface GigabitEthernet0/0.301
 encapsulation dot1Q 301
 ip vrf forwarding data-vrf1
 ip address 10.1.10.1 255.255.255.0
!
interface GigabitEthernet0/0.302
 encapsulation dot1Q 302
 ip vrf forwarding data-vrf1
 ip address 10.2.10.1 255.255.255.0
!
interface GigabitEthernet0/0.303
 encapsulation dot1Q 303
 ip vrf forwarding voice-vrf
 ip address 10.3.10.1 255.255.255.0

VRF は、DHCP を使用して IP アドレスにマッピングする必要があります。設定情報については、 DHCP サービスを参照してください。

例:


!<=== no ip dhcp command required only if “ip vrf forward” is specified under ip dhcp
no ip dhcp use vrf connected pool===>
!<=== Associate subnets with VRFs. Overlapping IP addresses are NOT supported.===>
ip dhcp pool vcme1
   network 10.1.10.0 255.255.255.0
   default-router 10.1.10.1 
   option 150 ip 10.1.10.1 
   class vcme1
      address range 10.1.10.10 10.1.10.250
!         
ip dhcp pool vcme2
   network 10.2.10.0 255.255.255.0
   default-router 10.2.10.1 
   option 150 ip 10.2.10.1 
   class vcme2
      address range 10.2.10.10 10.2.10.250

詳細な構成例については、 DHCP を使用して IP アドレス範囲を VRF にマッピングする例を参照してください。

H323 および SIP トランクのダイヤルピアは、グローバル音声 VRF を介してルーティングする必要があります。

（注）

ダイヤルピアは、音声 VRF に属するグローバルリソースであり、任意の VRF で共有され、任意の VRF からアクセスできます。個々の VRF ごとにダイヤルピアを設定する必要はありません。

VRF サポートの設定に関する制限

Unified CME の Cisco 4000 シリーズサービス統合型ルータでは、マルチ VRF はサポートされません。
Cisco Unified CME の SIP 電話機の場合: SIP プロキシとレジストラは同じ VRF に存在する必要があります。
VRF 間の IP アドレスの重複はサポートされていません。
クロス VRF ビデオはサポートされていません。
次の通話タイプは音声 VRF ではサポートされていません。
- 同じルータ上に構成された IP-to-IP ゲートウェイとゲートキーパー。
- 1 つのコールレッグに VRF が設定され、別のコールレッグには VRF が設定されていない IP-to-IP ゲートウェイ。
- H.323 コールレッグ用に 1 つの VRF が設定され、SIP コールレッグ用に別の VRF が設定された IP-to-IP ゲートウェイ。
- H.323 通話の場合、TCP のみがサポートされます。 H.323 UDP シグナリングはサポートされていません。 SIP 通話は TCP と UDP の両方のシグナリングをサポートします。
次の機能は VRF ではサポートされません。
- コールフォールバックおよび RSVP 機能。
- H.323 Annex E の呼び出し。
- 音声対応アクセスルータの AAA および DNS コンポーネント。これらのルータは、デフォルトのルーティングテーブルを使用して AAA および DNS と通信します。
グローバル音声 VRF が設定されていない場合、シグナリングパケットとメディアパケットはデフォルトのルーティングテーブルを使用して送信されます。
SIP トランクではグローバル音声 VRF のみがサポートされます。
Cisco Unified CME ルータ上の Cisco Unity Express は、グローバル音声 VRF に属している必要があります。
Unified SIP CME の場合、セカンダリソースアドレスを VRF グループの下に設定することはできません。したがって、VRF グループでは冗長性はサポートされません。

（注）

Service-Engine Service-Engine 1/0 セッションコマンドは非 VRF 対応 Cisco Unified CME 専用であるため、グローバル音声 VRF 上の Cisco Unity Express へのアクセスには Telnet が使用されます。グローバル音声 VRF でボイスメールユーザを定義するために Cisco Unity Express モジュールにアクセスするには、グローバル音声 VRF 経由で Telnet を実行します。例：telnet 10.10.10.5 2066 /vrf vrf。詳細については、Cisco Unity Express Administrator Guide for Cisco Unified CME の「Installing Cisco Unity Express Software」の章を参照してください。

VRF サポートに関する情報

VRF 対応 Cisco Unified CME

VRF 実装により、音声通信を 1 つの論理的に分割されたネットワークに統合し、統合マルチメディアネットワーク上で音声通信とデータ通信を分離できるようになります。

SCCP 電話機向け VRF 対応 Cisco Unified CME

Cisco Unified CME 7.0 (1) 以降のバージョンでは、音声ネットワークの VRF を使用して、要件が異なる複数のクローズドユーザグループ間で Cisco Unified CME を共有できます。実際のコール処理ルールは、VRF ごとに音声トラフィックに対して適用できます。各 VRF 上の仮想 Cisco Unified CME は、VRF を介して Cisco Unified CME に登録する VRF グループ内の電話機の集合です。 Cisco Unified CME に接続されたすべての SCCP および SIP 電話機は、グローバル音声 VRF を通じて登録されます。 PC 上の TAPI ベースのクライアントアプリケーションとソフトフォンは、データ VRF を介して登録する必要があり、音声 VRF 上の電話機と通信できます。

Cisco Unified CME の VRF サポートは、音声ゲートウェイ機能の VRF 対応 H.323 および SIP に次の拡張機能を提供します。

最大 5 つの VRF のライン側サポート。
H323 または SIP トランク上のグローバル音声 VRF と相互運用します。
ラインサイド VRF はグローバル音声 VRF にすることができます。
VRF は電話機レベルごとに割り当てられます。
クロス VRF 共有回線のサポート。

構成情報については、VRF サポートを設定するを参照してください。

SIP 電話機向け Cisco Unified CME でのマルチ VRF サポート

SIP 電話機用の Cisco Unified CME のマルチ VRF サポートでは、次の機能強化が提供されます。

音声レジスタグローバルの SIP 回線側では、最大 5 つの VRF グループを設定できます。
音声レジスタプールでは、電話機が関連付けられる VRF グループを設定できます。
CME と電話機間のすべての SIP シグナリングおよびメディアトラフィックは、指定された VRF 上でルーティングされます。

VRF サポートを設定する

SCCP 電話機の VRF グループの作成

Cisco Unified CME でユーザと電話機に対して最大 5 つの VRF グループを設定するには、設定するグループごとに次の手順を実行します。

手順の概要

有効化
configure terminal
telephony-service
group group-tag [ vrf vrfname ]
ip source-address ip-address [ port port ]
url { authentication | directories | idle | information | messages | proxy-server | services } url
サービス電話ウェブアクセス 0
終わり

手順の詳細

	コマンドまたはアクション	目的
ステップ 1	有効化例: `Router> enable`	特権 EXEC モードを有効にします。プロンプトが表示されたらパスワードを入力してください。
ステップ 2	configure terminal 例: `Router# configure terminal`	グローバルコンフィギュレーションモードに入ります。
ステップ 3	telephony-service 例: `Router(config)# telephony-service`	テレフォニーサービス設定モードに移行します。
ステップ 4	group `group-tag` `[` vrf vrf`name` `]` 例: `Router(config-telephony)# group 1`	Cisco Unified CME ユーザおよび電話機の VRF グループを作成します。 `group-tag` ：設定する VRF グループの一意の識別子。範囲は 1 ～ 5 です（オプション） vrf `vrfname` ：このグループが関連付けられている、以前に設定された VRF の名前。デフォルトでは、 vrf`vrfname` キーワードと引数の組み合わせを使用して特に指定しない限り、VRF グループはグローバル音声 VRF に関連付けられます。
ステップ 5	ip source-address `ip-address` `[` port `port` `]` 例: `Router(conf-tele-group)# ip source-address 10.1.10.1 port 2000`	VRF グループを Cisco Unified CME に関連付けます。 `Cisco Unified IP 電話が Cisco Unified CME と通信するときに使用する IP アドレス` とポート。
ステップ 6	url `{` authentication `\|` directories `\|` idle `\|` information `\|` messages `\|` proxy-server `\|` services `}` `url` 例: `Router(conf-tele-group)# url directories http://10.1.10.1/localdirectory`	Cisco Unified CME に接続された Cisco Unified IP Phone の Uniform Resource Locator (URL) をプロビジョニングします。
ステップ 7	サービス電話ウェブアクセス 0 例: `Router(conf-tele-group)# service phone webAccess 0`	IP 電話の webAccess を有効にします。ウェブサーバはデフォルトで無効になっているため、9.x ファームウェアではこれが必要です。 8.x ファームウェア以前では、Web サーバはデフォルトで有効になっていました。
ステップ 8	終わり例: `Router(conf-tele-group)# end`	特権 EXEC モードに戻ります。

例

次の show running-config コマンドの部分出力は、Cisco Unified CME の 3 つの VRF グループを定義する方法を示しています。グループ 1 はグローバル音声 VRF 上にあり、他の 2 つのグループはデータ VRF 上にあります。


telephony-service
 sdspfarm conference mute-on # mute-off #
 sdspfarm units 4
 sdspfarm transcode sessions 10
 sdspfarm tag 1 xcode101
 sdspfarm tag 2 conf103
 group  1 
  ip source-address 10.1.10.1 port 2000
  url directories http://10.1.10.1/localdirectory
 !
 group  2 vrf data-vrf1
  ip source-address 10.2.10.1 port 2000
 !
 group  3 vrf data-vrf2
  ip source-address 10.3.10.1 port 2000

SIP 電話機の VRF グループを作成する

Cisco Unified CME 10.5 リリースでは、SIP 電話機の VRF サポートが追加されました。音声レジスタグローバルの SIP 回線側では、最大 5 つの VRF グループを設定できます。音声レジスタプールでは、電話機が関連付けられる VRF グループを設定できます。 VRF サポートを設定するには、次の手順を実行します。

手順の概要

有効化
configure terminal
voice register global
グループ グループタグ [ vrfvrfname]
送信元アドレス IP アドレス
url { 認証 | ディレクトリ | サービス} url
出口

手順の詳細

コマンドまたはアクション目的

ステップ 1

有効化

例:

Router> enable

特権 EXEC モードを有効にします。

プロンプトが表示されたらパスワードを入力してください。

ステップ 2

configure terminal

例:

Router# configure terminal

グローバルコンフィギュレーションモードに入ります。

ステップ 3

voice register global

例:

Router(config)# voice register global

音声レジスタのグローバルコンフィギュレーションモードを開始します。

ステップ 4

グループ グループタグ [ vrfvrfname]

例:

Router(config-register-global)# group 1

Cisco Unified CME ユーザおよび電話機の VRF グループを作成します。

group-tag ：設定する VRF グループの一意の識別子。範囲は 1 ～ 5 です
（オプション） vrf vrfname ：このグループが関連付けられている、以前に設定された VRF の名前。
デフォルトでは、 vrf vrfname キーワードと引数の組み合わせを使用して特に指定しない限り、このグループはどの VRF にも関連付けられていません。

1 から 5 までの一意の識別子のグループを定義し、それを個々のプールに適用できます。

（注）

他のグループに影響を与えずにグループを一時的にシャットダウンするには、shutdown コマンドを使用します。グループを有効にするには、コマンドの no 形式を使用します。

デフォルトの動作は、no shut です。

ステップ 5

送信元アドレス IP アドレス

例:

Router(config-voice-register-group)# source-address 10.1.10.1

VRF グループを Cisco Unified CME に関連付けます。

Cisco Unified IP Phone が Cisco Unified CME と通信するために使用する IP アドレス 。

ステップ 6

url { 認証 | ディレクトリ | サービス} url

例:

Router(config-voice-register-group)# url directory http://10.1.10.1/localdirectory

Cisco Unified CME に接続された Cisco Unified IP Phone の Uniform Resource Locator (URL) をプロビジョニングします。

ステップ 7

出口

例:

Router(config-voice-register-group)# exit

特権 EXEC モードに移行します。

例

次の出力例は、送信元アドレスをグループの下にプロビジョニングすることによって VRF の SIP CME サポートを設定する方法を示しています。


voice register global or 
voice register dn
or 
voice register pool
 mode  cme
 max-dn 100
 max-pool 100

 group 1 vrf voice-vrf1
  source-address 8.0.0.1

Cisco Unified CME SCCP 電話機を VRF グループに追加する

SCCP Cisco Unified IP Phone、TAPI ベースのクライアント、または Cisco Unified CME のソフトフォンを VRF グループに追加するには、追加する電話機ごとに次の手順を実行します。

制約事項

Cisco Unified CME 内のすべての SCCP 電話機は、グローバル音声 VRF を介して登録する必要があり、グローバル音声 VRF 上の VRF グループにのみ追加される必要があります。
IOS ゲートウェイの FXS ポートに接続されたアナログ電話は、グローバル音声 VRF を介して登録する必要があり、グローバル音声 VRF 上の VRF グループにのみ追加される必要があります。
PC 上の TAPI ベースのクライアントアプリケーションとソフトフォンは、データ VRF を介して登録する必要があり、データ VRF 上の VRF グループにのみ追加する必要があります。
VRF グループは、同一の IP アドレスまたは共有回線をサポートしません。

始める前に

VRF グループに含めるすべての ephone 設定は、Cisco Unified CME ですでに設定されている必要があります。設定情報については、基本的な通話を行うための電話の設定を参照してください。

手順の概要

有効化
configure terminal
ephone phone-tag
description string
MAC アドレス [ MAC アドレス ]
group phone group-tag [ tapigroup-tag ]
終わり

手順の詳細

	コマンドまたはアクション	目的
ステップ 1	有効化例: `Router> enable`	特権 EXEC モードを有効にします。プロンプトが表示されたらパスワードを入力してください。
ステップ 2	configure terminal 例: `Router# configure terminal`	グローバルコンフィギュレーションモードに入ります。
ステップ 3	ephone `phone-tag` 例: `Router(config)# ephone 11`	Cisco Unified IP Phone の ephone 設定モードに入ります。
ステップ 4	description `string` 例: `Router(config-ephone)# description cme-2801 srst`	(オプション) インターフェースに関する説明テキストが含まれます。
ステップ 5	MAC アドレス `[` `MAC アドレス` `]` 例: `Router(config-ephone)# mac-address 0012.8055.d2EE`	Cisco Unified IP Phone の MAC アドレスを ephone 設定に関連付けます。
ステップ 6	group phone `group-tag` `[` tapi`group-tag` `]` 例: `Router(config-ephone)# group phone 1`	電話、TAPI ベースのクライアント、またはソフトフォンを VRF グループに追加します。 `group-tag` ：テレフォニーサービス設定モードで group コマンドを使用して以前に設定された VRF グループの一意の識別子。範囲は 1 ～ 5 ですこのコマンドは、ephone テンプレート設定モードで設定し、1 台以上の電話機に適用することもできます。 ephone 設定は ephone-template 設定よりも優先されます。
ステップ 7	終わり例: `Router(config-ephone)# end`	特権 EXEC モードに戻ります。

例

次の例は、VRF グループに電話機を追加する方法を示しています。電話機 1 と 3 は、グローバル音声 VRF の VRF グループ 1 にあります。電話機 1 TAPI クライアントとソフトフォン 3 は、データ VRF2 のグループ 1 にあります。電話 3 TAPI クライアントとソフトフォン 4 は、データ VRF 2 のグループ 3 にあります。


		telephony-service 
		 sdspfarm conference mute-on # mute-off # 
		 sdspfarm units 4 
		 sdspfarm transcode sessions 10 
		 sdspfarm tag 1 xcode101 
		 sdspfarm tag 2 conf103 
		 group  1 vrf voice-vrf 
		  ip source-address 10.1.10.1 port 2000 
		  url directories http://10.1.10.1/localdirectory 
		 ! 
		 group  2 vrf data-vrf1 
		  ip source-address 10.2.10.1 port 2000 
		 ! 
		group  3 vrf data-vrf2 
		  ip source-address 10.3.10.1 port 2000 
		 ! 
		. 
		. 
		ephone-template 1 
		 group phone 1 tapi 2 
		ephone-template 2 
		 group phone 2 
		... 
		ephone 1 
		 ephone-template 1 
		ephone 2 
		 ephone-template 2 
		ephone 3 
		 group phone 1 tapi 3 
		ephone 4 
		 group phone 3 
		ephone  201 
		 group phone 1 
		 type anl

Cisco Unified CME SIP 電話機を VRF グループに追加する

SIP Cisco Unified IP Phone または Cisco Unified CME のソフトフォンを VRF グループに追加するには、追加する電話機ごとに次の手順を実行します。

始める前に

VRF グループに含めるすべての音声レジスタプール設定は、Cisco Unified CME ですでに設定されている必要があります。構成情報については、基本的な通話を行うための電話の設定を参照してください。

手順の概要

有効化
configure terminal
音声レジスタプール プールタグ
id mac [ mac-address]
group group-tag
終わり

手順の詳細

	コマンドまたはアクション	目的
ステップ 1	有効化例: `Router> enable`	特権 EXEC モードを有効にします。プロンプトが表示されたらパスワードを入力してください。
ステップ 2	configure terminal 例: `Router# configure terminal`	グローバルコンフィギュレーションモードに入ります。
ステップ 3	音声レジスタプール `プールタグ` 例: `Router(config-register-pool)# group`	Cisco Unified IP Phone の音声レジスタプール設定モードを開始します。
ステップ 4	id mac `[` `mac-address]` 例: `Router(config-regoster-pool)# id mac 0012.8055.d2EE`	Cisco Unified IP Phone の MAC アドレスを音声レジスタプール設定に関連付けます。
ステップ 5	group `group-tag` 例: `Router(config-register pool)# group 1`	電話機またはソフトフォンを VRF グループに追加します。 `group-tag` ：音声レジスタグローバルコンフィギュレーションモードで group コマンドを使用して以前に設定された VRF グループの一意の識別子。範囲は 1 ～ 5 です
ステップ 6	終わり例: `Router(config-register-pool)# end`	特権 EXEC モードに戻ります。

例

次の例は、SIP 電話を VRF グループに追加する方法を示しています。

voice register global 
		 mode  cme
		 max-dn 100
		 max-pool 100 
		 authenticate realm ccmsipline 
		 voicemail 24001
		 phone-mode phone-only
		 tftp-path flash: 
		 create profile sync 0000443960010126
		 conference hardware 
		 group 1 vrf voice-vrf1 
		  source-address 8.0.0.1 
		 ! 
		 group 2 vrf data-vrf1 
		  url authentication http://7.0.0.1/CCMCIP/authenticate.asp
		  source-address 7.0.0.1 
		 ! 
		 group 3 vrf data-vrf1 
		  source-address 10.104.45.142 
		 ! 
		 group 4 vrf voice-vrf1 
		  source-address 9.42.29.101 
		 ! 
		! 
		voice register pool  1 
		 id mac A40C.C395.7B5C 
		 session-transport tcp
		 type 9971 
		 number 1 dn 1 
		 group 1 
		 template 1 
		 dtmf-relay rtp-nte 
		 username 14001 password 14001 
		 codec g711ulaw 
		 paging-dn 99 
		!

VRF サポートの設定の設定例

DHCP を使用して IP アドレス範囲を VRF にマッピングする例

（注）

VRF の指定の有無にかかわらず、重複した IP アドレスは Cisco Unified CME 7.0 (1) ではサポートされません。

DHCP アドレスを割り当てるには、グローバルアドレス割り当て、VRF プール、または個別のホストの 3 つの方法があります。

グローバルアドレス割り当て方式では、 no ip dhcp use vrf connected コマンドを使用する必要があります。


no ip dhcp use vrf connected
!
ip dhcp pool vcme1
   network 209.165.201.10 255.255.255.224
   option 150 ip 209.165.201.9 
   default-router 209.165.201.9 
   class vcme1
      address range 209.165.201.1 209.165.201.30
!

次の例は、VRF プール vcme1 からアドレスを割り当てる方法を示しています。


ip dhcp use vrf connected
!
ip dhcp pool vcme1
   vrf data-vrf1
   network 209.165.201.10 255.255.255.224
   option 150 ip 209.165.201.9
   default-router 209.165.201.9 
   class vcme1
      address range 209.165.201.1 209.165.201.30
!

次の例は、個々のホストによってアドレスを割り当てる方法を示します。ホスト MAC アドレスの最初の 2 つの 16 進数字を 01 に置き換える必要があります。


ip dhcp pool phone3
   host 209.165.201.15 255.255.255.224
   client-identifier 0100.0ed7.4ce6.3d
   default-router 209.165.201.11 
   option 150 ip 209.165.201.11 
!

VRF 対応ハードウェア会議の設定例

内部 DSP ファームを備えたハードウェアによる会議

内部 DSPFarm は、ローカルループバックインターフェイスを介して登録する必要があります。
ループバックにより、Cisco Unified CME はグローバルルーティングテーブル内のメディアパスにアクセスできるようになります。

次の設定例の太字のコマンドは、シグナリングパスとメディアパスがグローバルルーティングテーブルを介してアクセスされ、ループバックインターフェイスがデフォルトのルーティングテーブルにあることを示しています。

インターフェース Loopback5  IP アドレス 12.5.10.1 255.255.255.255 
		!
		sccp local Loopback5 
		sccp ccm 12.5.10.1 identifier 2 version 4.1
		sccp
		!
		sccp ccm group 2
		 バインドインターフェース Loopback5 
		 associate ccm 2 priority 1
		 associate profile 103 register conf103
		 associate profile 101 register xcode101
		!
		telephony-service
		 sdspfarm conference mute-on # mute-off #
		 sdspfarm units 4
		 sdspfarm transcode sessions 10
		 sdspfarm tag 1 xcode101
		 sdspfarm tag 2 conf103
		 group  1 vrf vrf1
		 ip source-address 10.1.10.1 port 2000
		!
		 group  2 vrf vrf2
		  ip source-address 10.2.10.1 port 2000
		!
		group  3 vrf vrf3
		  ip source-address 10.3.10.1 port 2000
		!
		group  4 vrf vrf4
		  ip source-address 10.4.10.1 port 2000
		!
		 グループ 5   IP 送信元アドレス 12.5.10.1 ポート 2000 
		!
		conference hardware
		max-ephones 240
		max-dn 480
		voicemail 7710
		max-conferences 8 gain -6

外部 DSP ファームを使用したハードウェア会議

Cisco ルータで DSP ファームを通常どおり設定します。
外部 DSP ファームは、グローバル音声 VRF に割り当てられたインターフェイスまたはサブインターフェイスを通じて Cisco Unified CME に登録する必要があります。接続パスが音声 VRF を介して入ってくることを確認します。
外部 DSP ファームが設定されているルータは、VRF 対応である必要はありません。

DSP ファームの設定についての詳細は、トランスコーディングリソースを構成するを参照してください。

グローバル音声 VRF での Cisco Unity Express の設定例


		  voice vrf vrf2 
		   ip vrf data-vrf2 
		   rd 100:2  
		   route-target export 100:2  
		   route-target import 100:2 
		  ! 
		  Interface loop back 0 
		  ip vrf forwarding data-vrf2 
		  Ip address 21.10.10.2 
		  !<==The following config puts CUE in the voice vrf. Service-engine interface and service-module must have an IP address.===> 
		  ! 
		  interface Service-Engine1/0  
		   ip vrf forwarding voice-vrf3 ip address 21.10.10.5 255.255.255.0 
		   service-module ip address 21.10.10.6 255.255.255.0 
		   service-module ip default-gateway 21.10.10.2! 
		   ip route 21.10.10.6 255.255.255.255 Service-Engine1/0 
		  … 
		  line 66  
		  no activation-character

内部 DSP ファームを備えたハードウェア会議

内部 DSPFarm は、ローカルループバックインターフェイスを介して登録する必要があります。
ループバックにより、Cisco Unified CME はグローバルルーティングテーブル内のメディアパスにアクセスできるようになります。

インターフェース Loopback5  
		   IP アドレス 12.5.10.1 255.255.255.255  
		  ! 
		  sccp local Loopback5  
		  sccp ccm 12.5.10.1 identifier 2 version 4.1 
		  sccp 
		  ! 
		  sccp ccm group 2 
		   bind interface Loopback5  
		   associate ccm 2 priority 1 
		   associate profile 103 register conf103 
		   associate profile 101 register xcode101 
		  ! 
		  telephony-service 
		   sdspfarm conference mute-on # mute-off # 
		   sdspfarm units 4 
		   sdspfarm transcode sessions 10 
		   sdspfarm tag 1 xcode101 
		   sdspfarm tag 2 conf103 
		   group  1 vrf vrf1 
		    ip source-address 10.1.10.1 port 2000 
		  ! 
		   group  2 vrf vrf2 
		    ip source-address 10.2.10.1 port 2000 
		  ! 
		  group  3 vrf vrf3 
		    ip source-address 10.3.10.1 port 2000 
		  ! 
		  group  4 vrf vrf4 
		    ip source-address 10.4.10.1 port 2000 
		  ! 
		   グループ 5  IP 送信元アドレス 12.5.10.1 ポート 2000  
		  ! 
		  conference hardware 
		  max-ephones 240 
		  max-dn 480 
		  voicemail 7710 
		  max-conferences 8 gain -6

外部 DSP ファームを使用したハードウェア会議

Cisco ルータで DSP ファームを通常どおり設定します。
外部 DSP ファームは、グローバル音声 VRF に割り当てられたインターフェイスまたはサブインターフェイスを通じて Cisco Unified CME に登録する必要があります。接続パスが音声 VRF を介して入ってくることを確認します。
外部 DSP ファームが設定されているルータは、VRF 対応である必要はありません。

DSP ファームの設定についての詳細は、トランスコーディングリソースを構成するを参照してください。

Cisco Unified CME SIP 電話機のマルチ VRF サポートの設定例

次の出力例は、ユーザが複数の VRF からの登録を受け入れることができるようにする CME 設定を示しています。


		voice register global
		 mode  cme
		 max-dn 100
		 max-pool 100
		 authenticate realm ccmsipline
		 voicemail 24001
		 phone-mode phone-only
		 tftp-path flash:
		 create profile sync 0000443960010126
		 conference hardware
		 group 1 vrf voice-vrf1
		  source-address 8.0.0.1
		 !
		 group 2 vrf data-vrf1
		  url authentication http://7.0.0.1/CCMCIP/authenticate.asp
		  source-address 7.0.0.1
		 !
		 group 3 vrf data-vrf1
		  source-address 10.104.45.142
		 !
		 group 4 vrf voice-vrf1
		  source-address 9.42.29.101
		 !
		!
		voice register dn  1
		 number 14001
		 name voicevrf-ph1
		!
		voice register dn  2
		 number 14002
		 allow watch
		 name datavrf-ph1
		!
		voice register dn  3
		 number 14003
		 allow watch
		 name voicevrf-ph2
		!
		voice register dn  4
		 voice-hunt-groups login
		 number 14004
		 name Jabber-Win
		!
		voice register dn  5
		 number 14005
		 name Jabber-Android
		!
		voice register dn  6
		 number 14006
		 allow watch
		 mobility
		 snr 24001 delay 5 timeout 50
		!
		voice register dn  7
		 number 14007
		 name voicevrf-7841
		!
		voice register dn  8
		 number 14008
		 name jabbed-android-2
		!
		voice register dn  10
		 number 14010
		 allow watch
		 name intervrf-shared-line
		 shared-line max-calls 8
		!
		voice register dn  11
		 number 14011
		 shared-line
		!
		voice register dn  12
		 number 15002
		 name em-logged-in
		!
		voice register dn  21
		 number 1101
		 name CME1-Phone1
		!
		voice register dn  22
		 number 1102
		 name CME1-Phone2
		!
		voice register template  1
		 softkeys idle  Newcall Pickup Redial Cfwdall DND
		 softkeys ringIn  Answer DND iDivert
		 softkeys connected  Endcall Hold Mobility iDivert Park
		!
		voice register pool  1
		 id mac A40C.C395.7B5C
		 session-transport tcp
		 type 9971
		 number 1 dn 1
		 group 1
		 template 1
		 dtmf-relay rtp-nte
		 username 14001 password 14001
		 codec g711ulaw
		 paging-dn 99
		!
		voice register pool  2
		 fastdial 1 14003 name voice-vrf1-ph1
		 id mac ACA0.16FC.9742
		 type 9971
		 number 1 dn 2
		 number 2 dn 10
		 group 2
		 template 1
		 presence call-list
		 dtmf-relay rtp-nte
		 codec g711ulaw
		 paging-dn 99
		 blf-speed-dial 1 13001 label "13001"
		 blf-speed-dial 2 14006 label "14006"
		!
		voice register pool  3
		 fastdial 1 14002 name datavrf,ph1
		 id mac 2893.FEA3.2557
		 type 9951
		 number 1 dn 3
		 number 2 dn 10
		 group 1
		 template 1
		 dtmf-relay rtp-nte
		 username 14003 password 14003
		 codec g711ulaw
		 blf-speed-dial 1 14002 label "14002"
		 blf-speed-dial 2 14006 label "14006"
		 blf-speed-dial 3 13001 label "13001"
		!
		voice register pool  4
		 id device-id-name arunsrin
		 type Jabber-CSF-Client
		 number 1 dn 4
		 group 3
		 dtmf-relay rtp-nte
		 username arunsrin password cisco
		 codec g711ulaw
		!
		voice register pool  5
		 registration-timer max 720 min 660
		 id mac 980C.821B.26CD
		 session-transport tcp
		 type Jabber-Android
		 number 1 dn 5
		 group 3
		 dtmf-relay rtp-nte
		 username frodo password cisco
		 codec g711ulaw
		!
		voice register pool  6
		 busy-trigger-per-button 40
		 id mac 6C41.6A36.900D
		 type 7821
		 number 1 dn 6
		 group 1
		 template 1
		 presence call-list
		 dtmf-relay rtp-nte
		 codec g711ulaw
		 paging-dn 99
		!
		voice register pool  7
		 busy-trigger-per-button 40
		 id mac 6C41.6A36.9110
		 session-transport tcp
		 type 7841
		 number 1 dn 7
		 group 2
		 dtmf-relay rtp-nte
		 codec g711ulaw
		 paging-dn 99
		!
		voice register pool  8
		 registration-timer max 720 min 660
		 id mac 980C.821A.5D28
		 session-transport tcp
		 type Jabber-Android
		 number 1 dn 8
		 group 3
		 dtmf-relay rtp-nte
		 username pippin password cisco
		 codec g711ulaw
		!
		voice register pool  21
		 id mac 1000.1000.1101
		 type 7970
		 number 1 dn 21
		 group 4
		 username 1101 password 1101
		 codec g711ulaw
		!
		voice register pool  22
		 id mac 1000.1000.1102
		 type 7970
		 number 1 dn 21
		 group 4
		 username 1102 password 1102
		 codec g711ulaw
		!
		voice hunt-group 1 parallel
		 phone-display
		 final 13002
		 list 14001,14002,14003
		 timeout 3 
		 pilot 14999 
		!
		!
		voice hunt-group 2 parallel
		 final 14001
		 list 14004,*,14002
		 timeout 5 
		 pilot 14998 
		 name test-vhg
		!
		!
		voice logout-profile 1
		 pin 1234
		 user 14002 password 14002
		 number 14002 type normal
		 speed-dial 1 13002 label "ephone2" 
		!
		voice user-profile 1
		 user me password me
		 number 15002 type normal
		!
		!
		!
		voice translation-rule 217351
		 rule 1 /^24/ /9924\1/
		!
		!
		voice translation-profile 217351

VRF サポートの機能情報

次の表は、このモジュールで説明されている機能に関するリリース情報を示しています。この表には、特定のソフトウェアリリーストレインで特定の機能のサポートを導入したソフトウェアリリースのみが記載されています。特に明記されていない限り、そのソフトウェアリリーストレインの後続リリースでもその機能がサポートされます。

Cisco Feature Navigator を使用して、プラットフォームのサポートと Cisco ソフトウェアイメージのサポートに関する情報を検索します。 Cisco Feature Navigator にアクセスするには、https://cfnng.cisco.com/に進みます。 Cisco.com のアカウントは必要ありません。

表 1. 仮想ルート転送の機能情報
機能名	Cisco Unified CME バージョン	機能情報
Cisco Unified CME での VRF サポート	7.0(1)	VRF は、Cisco Unified CME、会議、トランスコーディング、および RSVP コンポーネントをサポートします。 VRF では、データ VRF リソース内のソフトフォンが VRF 音声ゲートウェイ内のフォンと通信することもできます。

Cisco Unified Communications Manager Express システム管理者ガイド

偏向のない言語

翻訳について

検索結果

章のタイトル： VRF のサポート

VRF のサポート

VRF サポートを設定するための前提条件

VRF サポートの設定に関する制限

VRF サポートに関する情報

VRF 対応 Cisco Unified CME

SCCP 電話機向け VRF 対応 Cisco Unified CME

SIP 電話機向け Cisco Unified CME でのマルチ VRF サポート

VRF サポートを設定する

SCCP 電話機の VRF グループの作成

手順の概要

手順の詳細

例:

例:

例:

例:

例:

例:

例:

例:

例

SIP 電話機の VRF グループを作成する

手順の概要

手順の詳細

例:

例:

例:

例:

例:

例:

例:

例

Cisco Unified CME SCCP 電話機を VRF グループに追加する

始める前に

手順の概要

手順の詳細

例:

例:

例:

例:

例:

例:

例:

例

Cisco Unified CME SIP 電話機を VRF グループに追加する

始める前に

手順の概要

手順の詳細

例:

例:

例:

例:

例:

例:

例

VRF サポートの設定の設定例

DHCP を使用して IP アドレス範囲を VRF にマッピングする例

VRF 対応ハードウェア会議の設定例

内部 DSP ファームを備えたハードウェアによる会議

外部 DSP ファームを使用したハードウェア会議

グローバル音声 VRF での Cisco Unity Express の設定例

Cisco Unified CME SIP 電話機のマルチ VRF サポートの設定例

VRF サポートの機能情報

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