この製品のマニュアルセットは、偏向のない言語を使用するように配慮されています。このマニュアルセットでの偏向のない言語とは、年齢、障害、性別、人種的アイデンティティ、民族的アイデンティティ、性的指向、社会経済的地位、およびインターセクショナリティに基づく差別を意味しない言語として定義されています。製品ソフトウェアのユーザーインターフェイスにハードコードされている言語、RFP のドキュメントに基づいて使用されている言語、または参照されているサードパーティ製品で使用されている言語によりドキュメントに例外が存在する場合があります。シスコのインクルーシブランゲージに対する取り組みの詳細は、こちらをご覧ください。
このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
コール録音は、Cisco Unified Communications Manager の機能の 1 つで、録音サーバがエージェントの会話を記録できるようにします。コール録音は、コール センターや金融機関などの企業には不可欠な機能の 1 つです。コール録音機能は、エージェントと顧客の RTP メディア ストリームのコピーを SIP トランクを介して録音サーバに送信します。幅広い音声分析アプリケーションに適切に対応できるように、各メディア ストリームは個別に送信されます。
Cisco Unified Communications Manager は IP フォン ベースの録音やネットワークベースの録音機能を提供しています。
Cisco Unified Communications Manager は単一クラスタと複数クラスタの両方の環境でのコールの録音をサポートしており、以下の 3 つの異なる録音モードを提供しています。
自動サイレント録音:自動サイレント録音は、ライン アピアランスのすべてのコールを自動的に録音します。Cisco Unified Communications Manager は、アクティブな録音セッションが確立されたことを示す視覚的な表示を電話機上に出さずに自動的に録音セッションを起動します。
選択的サイレント録音:スーパーバイザは CTI 対応デスクトップを介して録音セッションを開始または停止できます。また、レコーディング サーバは、事前に定義済みのビジネス ルールとイベントに基づいてセッションを起動できます。アクティブな録音セッションが確立されたことを示す視覚的な表示は電話機上に出ません。
選択的ユーザ コールの録音:エージェントがどのコールを録音するかを選択できます。エージェントは CTI 対応デスクトップ経由か、ソフトキーまたはプログラム可能な回線キーを使用して録音セッションを起動します。選択的ユーザ録音を使用すると、Cisco IP Phone 上に録音セッションのステータス メッセージが表示されます。
ネットワークベースの録音を設定すると、エージェントの電話回線の録音メディアの優先ソースとして電話またはゲートウェイを設定する必要があります。ただし、導入方法によっては、Cisco Unified Communications Manager は、録音メディア ソースとしてユーザの望む選択肢を選ばない可能性があります。次の表に、Cisco Unified Communications Manager が録音メディア ソースを選択するために使用するロジックを表示します。
優先メディア ソース |
メディア タイプ(Media Type) |
コール パスのゲートウェイか? |
選択された優先メディア ソース |
---|---|---|---|
ゲートウェイ |
非セキュア(RTP) |
[はい(Yes)] |
ゲートウェイ |
[いいえ(No)] |
電話 |
||
セキュア(sRTP) |
[はい(Yes)] |
電話 |
|
[いいえ(No)] |
電話 |
||
電話 |
非セキュア(RTP) |
[はい(Yes)] |
電話 |
[いいえ(No)] |
電話 |
||
セキュア(sRTP) |
[はい(Yes)] |
電話 |
|
[いいえ(No)] |
電話 |
Cisco Unified Communications Manager が選択する録音メディア ソースが利用できない場合、Cisco Unified Communications Manager は代替ソースの利用を試行します。次の表に、Cisco Unified Communications Manager が録音メディアの代替ソースを選択するために使用するロジックを表示します。
選択された優先メディア ソース |
ゲートウェイを優先 |
電話を優先 |
---|---|---|
最初の試行 |
コール パスの最初のゲートウェイ |
電話 |
2 番目の試行 |
コール パスの最後のゲートウェイ |
コール パスの最初のゲートウェイ |
3 番目の試行 |
電話 |
コール パスの最後のゲートウェイ |
Cisco IP Phone の対応機種:録音に対応している Cisco Unified IP Phone の一覧を表示するには、Cisco Unified Reporting にログインし、[Unified CM Phone 機能一覧(Unified CM Phone Feature List)] のレポートを実行して機能に [録音(Record)] を選択します。詳細な手順については、電話機能一覧の生成を参照してください。
ゲートウェイの対応機種:録音に対応しているゲートウェイの詳細については、https://developer.cisco.com/web/sip/wiki/-/wiki/Main/Unified+CM+Recording+Gateway+Requirementsを参照してください。
コマンドまたはアクション | 目的 | |||
---|---|---|---|---|
ステップ 1 | 録音プロファイルの作成 | 録音プロファイルを作成します。 | ||
ステップ 2 | これはオプションです。 録音のための会議ブリッジ ID を使用した SIP プロファイルの設定 | レコーダーに会議ブリッジ ID を提供する場合は、SIP プロファイルを設定します。 | ||
ステップ 3 | 録音に使用する SIP トランクの設定 | レコーダーを SIP トランク デバイスとして設定します。 | ||
ステップ 4 | 録音のルート パターンの設定 | レコーダーにルーティングするルート パターンを作成します。 | ||
ステップ 5 | 録音のためのエージェント プロファイル回線の設定 | 録音用のエージェント電話回線を設定します。 | ||
ステップ 6 | エージェントの電話のビルトイン ブリッジを有効にします。次のいずれかのタスクを実行して、録音用のビルトイン ブリッジを有効にします。 | エージェントの電話を録音メディアのソースとして使用するには、電話のビルトイン ブリッジを録音用に有効にする必要があります。サービス パラメータを使用して、ビルトイン ブリッジのデフォルトをクラスタ全体に設定したり、個々の電話のビルトイン ブリッジを有効にしたりできます。
| ||
ステップ 7 | 録音向けのゲートウェイの有効化 | ゲートウェイにユニファイド コミュニケーションのサービスを設定します。 | ||
ステップ 8 | 録音通知トーンの設定 | 通話の録音時に、通知音を再生するかどうかを設定します。 | ||
ステップ 9 | これはオプションです。 ルート グループを使用した録音の冗長性の設定 | レコーディング サーバの冗長性を設定します。レコーディング サーバの冗長性を設定する方法は多数あります。導入内容に適した冗長方式については、ベンダーに確認してください。 | ||
ステップ 10 | 電話で機能ボタンを使用するか、ソフトキーを使用するかに応じて、次のいずれかの手順を実行します。 | 電話の [録音(Record)] 機能ボタンまたはソフトキーを設定します。 |
Cisco Unified Communications Manager で会議ブリッジ ID をレコーダーに配信する場合は、次の手順を実行して SIP プロファイルを設定します。
次の手順を実行して、[SIP トランク設定(SIP Trunk Configuration)] ウィンドウでレコーディング サーバ情報を指定します。
メインのレコーディング サーバを設定しているか、あるいは、冗長性のために複数のレコーディング サーバを設定しているかによって、次の手順のいずれかを実行してください。
この手順では、録音専用のルート パターンの設定について説明します。録音サーバにルートするルート パターンを設定する必要があります。
次のいずれかの手順を実行して、電話のビルトイン ブリッジを有効にします。
クラスタ全体のサービス パラメータ [組み込み型ブリッジ(Built-in-Bridge)] を有効にすると、クラスタ内のすべての電話で [組み込み型ブリッジ(Built-in-Bridge)] のデフォルト設定が有効になります。ただし、個々の電話の [電話の設定(Phone Configuration)] ウィンドウでの [組み込み型ブリッジ(Built-in-Bridge)] の設定は、該当する電話でデフォルト オプションが選択されていない場合、クラスタ全体のサービス パラメータ設定を上書きします。
個々の電話の組み込みブリッジを設定するには、次を参照してください。 電話での組み込みブリッジの有効化
あるいは、次を参照してください。 録音向けのゲートウェイの有効化
個々の電話機で組み込みブリッジを有効にするには、次の手順を使用します。デフォルトのオプションが選択されていない場合、[電話機の設定(Phone Configuration)] ウィンドウの [組み込みブリッジ設定(Built in Bridge setting)] がクラスタ全体のサービス パラメータを上書きします。
次の情報を参照してください。 録音のためのエージェント プロファイル回線の設定
必要に応じて、サービス パラメータを使用して、クラスタ全体での組み込みブリッジのデフォルトを設定します。詳細の参照先: クラスタでの組み込みブリッジの有効化
録音用にゲートウェイを設定するには、ユニファイド コミュニケーション ゲートウェイ サービスを有効にする必要があります。次のタスク フローには、ユニファイド コミュニケーション ゲートウェイ サービスを有効にするためのプロセスの概要が含まれています。
例を含む詳細な設定手順については、次のいずれかのドキュメントの「Cisco Unified Communications ゲートウェイ サービス」の章を参照してください。
ASR ルータについては、『 Cisco Unified Border Element (Enterprise) Protocol-Independent Features and Setup Configuration Guide』を参照してください。http://www.cisco.com/c/en/us/td/docs/ios-xml/ios/voice/cube_proto/configuration/xe-3s/cube-proto-xe-3s-book/voi-cube-uc-gateway-services.htmlにある『Cisco IOS XE Release 35』
ISR ルータについては、http://www.cisco.com/c/en/us/td/docs/ios-xml/ios/voice/cube_proto/configuration/15-mt/cube-proto-15-mt-book/voi-cube-uc-gateway-services.htmlにある『Cisco Unified Border Element Protocol-Independent Features and Setup Configuration Guide, Cisco IOS Release 15M&T』を参照してください。
法的なコンプライアンスのため、周期的なトーンの形で明確な通知をエージェント、発信者、またはその両方に聴覚的に伝達し、録音セッションが進行中であることを示すことができます。このトーンを無効にすることもできます。
(注) | 録音トーンとモニタリング トーンの両方の設定が同じコールに対して有効になっている場合、録音トーンの設定は、モニタリング トーンの設定を上書きします。 |
これはオプションです。 ルート グループを使用した録音の冗長性の設定
このタスク フローでは、ルート グループを使用して録音の冗長性を設定する方法について説明します。導入での録音の冗長性を設定する方法については、ベンダーにお問い合わせください。
コマンドまたはアクション | 目的 | |
---|---|---|
ステップ 1 | 録音に使用する SIP トランクの設定 | 各録音サーバに個別の SIP トランクを設定します。 |
ステップ 2 | ルート グループへの録音サーバの追加 | 録音 SIP トランクをルート グループに追加します。 |
ステップ 3 | ルート リストへのルート グループの追加 | 録音ルート グループをルート リストに追加します。 |
ステップ 4 | 録音のルート パターンの設定 | そのルート リストに録音コールをルーティングするルート パターンを設定します。 |
電話機に機能ボタンがある場合、電話機に録音機能ボタンを割り当てるには、次の手順を使用します。
コマンドまたはアクション | 目的 | |
---|---|---|
ステップ 1 | 録音の電話ボタン テンプレートの設定 | [録音(Record)] ボタンを含む電話ボタン テンプレートを設定します。 |
ステップ 2 | 電話と電話ボタン テンプレートの関連付け | 録音用に作成した電話ボタン テンプレートを電話に関連付けます。 |
録音機能ボタンを含む電話ボタン テンプレートを作成します。
[録音(Record)] ボタン用に作成した電話ボタン テンプレートを電話に関連付けます。
電話機でソフトキーを使用する場合、次のタスクを実行して、電話機に [録音(Record)] ソフトキーを追加します。[録音(Record)] ソフトキーは機能ハードキー テンプレートを備えた Cisco Chaperone Phone に接続されたコールの状態にのみ使用できます。
コマンドまたはアクション | 目的 | |
---|---|---|
ステップ 1 | 録音のソフトキー テンプレートの設定 | [録音(Record)] ソフトキーが含まれたソフトキー テンプレートを設定します。 |
ステップ 2 | 次のいずれかの手順を実行します。 | ソフトキー テンプレートを電話に直接、または共通デバイス設定に関連付けます。そのあとに、共通デバイス設定を電話機のグループに関連付けることができます。 |
次のいずれかの作業を実行します。
[録音(Record)] ソフトキーが含まれているソフトキー テンプレートを電話機と直接関連付けることで、電話機に [録音(Record)] ソフトキーを割り当てることができます。
ステップ 1 | [Cisco Unified CM の管理(Cisco Unified CM Administration)] から、 [電話の検索と一覧表示(Find and List Phones)] を選択します。 ウィンドウが表示されます。 |
ステップ 2 | ソフトキー テンプレートを追加する電話機を選択します。 [電話機の設定(Phone Configuration)] ウィンドウが表示されます。 |
ステップ 3 | [ソフトキー テンプレート(Softkey Template)] ドロップダウン リストから、新しいソフトキーが含まれているテンプレートを選択します。 |
ステップ 4 | [保存(Save)] をクリックします。 |
ステップ 5 | [リセット(Reset)] を押して、電話機の設定を更新します。 |
このタスク フローは、共通デバイス設定にソフトキー テンプレートを関連付けることにより、電話に [録音(Record)] ソフトキーを追加する方法を説明します。
コマンドまたはアクション | 目的 | |
---|---|---|
ステップ 1 | 共通デバイス設定へのソフトキー テンプレートの追加 | |
ステップ 2 | 電話機と共通デバイス設定の関連付け |
ステップ 1 | Cisco Unified CM の管理で、 [共通デバイス設定の検索と一覧表示(Find and List Common Device Configuration)] を選択します。 ウィンドウが表示されます。 |
ステップ 2 | 新しい共通デバイス設定を作成し、それにソフトキー テンプレートを関連付けるには、以下の手順を実行します。それ以外の場合は、次のステップに進みます。 |
ステップ 3 | 既存の共通デバイス設定にソフトキー テンプレートを追加するには、以下の手順を実行します。 [共通デバイス設定(Common Device Configuration)] ウィンドウが表示されます。 |
ステップ 4 | [ソフトキー テンプレート(Softkey Template)] ドロップダウン リストで、使用可能にするソフトキーが含まれているソフトキー テンプレートを選択します。 |
ステップ 5 | [保存(Save)] をクリックします。 |
ステップ 6 | 次のいずれかの作業を実行します。 |
ステップ 1 | [Cisco Unified CM の管理(Cisco Unified CM Administration)] から、 [電話の検索と一覧表示(Find and List Phones)] を選択します。 ウィンドウが表示されます。 |
ステップ 2 | ソフトキー テンプレートを追加する電話機を検索します。 |
ステップ 3 | [共通デバイス設定(Common Device Configuration)] ドロップダウン リストから、新しいソフトキー テンプレートが含まれている共通デバイス設定を選択します。 |
ステップ 4 | [保存(Save)] をクリックします。 |
ステップ 5 | [リセット(Reset)] をクリックして、電話機の設定を更新します。 |
機能 |
連携動作と制限事項 |
---|---|
モニタリング トーン(Monitoring Tones) |
録音およびモニタリングされるコールに関しては、録音トーンがモニタリング トーンよりも優先されます。両方が設定されていて、コールの録音およびモニタリングの両方が行われる場合、録音トーンが再生されます。 |
Multilevel Precedence and Preemption |
また、Multilevel Precedence and Preemption(MLPP)も設定している場合、録音を行うエージェント電話回線の [ビジー トリガー(Busy Trigger)] の設定は少なくとも 3 に設定する必要があります。 |
セキュア トーン |
セキュア トーンが設定されている場合、録音トーンが設定されているかどうかに関わらず、通話の両側でセキュア コールの最初にセキュア トーンが再生されます。 セキュア トーンと録音トーンの両方が設定されていてコールがセキュアである場合、コールの最初にセキュア トーンが 1 回再生され、続いて録音トーンが再生されます。 セキュア トーン、録音トーン、モリタリング トーンのすべてが設定されており、コールがセキュアで録音とモニタリングが行われる場合、セキュア トーンが 1 回再生され、続いて録音トーンが再生されます。モニタリング トーンは再生されません。 |
Customer Voice Portal |
エージェント:Customer Voice Portal を経由してルーティングされる顧客のコールは、エージェントの電話機を録音ソースとして使用して録音できます。 |
SIP プロキシ サーバ |
ゲートウェイを録音ソースとして使用している場合、Cisco Unified Communications Manager とゲートウェイ間に SIP プロキシ サーバを配置することはできません。 |
Busy Hour Call Completion レート(Busy Hour Call Completion Rate) |
録音のセッションはそれぞれ Busy Hour Call Completion(BHCC)のレートに 2 コールを追加し、CTI リソースへの影響を最小限に抑えます。 |
Media Sense を使用した選択的な録音 |
選択的な録音が設定されている場合、Media Sense サーバでは転送中のコンサルト コールは録音されません。たとえば、エージェントと顧客間のコールが録音中であり、エージェントが次のエージェントにコールの転送を開始した場合、コールが転送される前にこの 2 つのエージェント間で発生するコンサルト コールは録音されません。 コンサルト コールが必ず録音されるようにするには、エージェントはコンサルト コールの開始時に [録音(Record)] ソフトキーを押す必要があります。 |