GTPU エラーの表示

機能の概要と変更履歴

要約データ

表 1. 要約データ
該当製品または機能エリア	cnSGW-C
該当プラットフォーム	SMI
機能のデフォルト設定	有効、常時オン
関連資料	該当なし

マニュアルの変更履歴

表 2. マニュアルの変更履歴
改訂の詳細	リリース
信号ピアのサポートが追加されました（エラー表示と構成は信号ピア）	2021.02.3
最初の導入。	2021.02.1

機能説明

cnSGW-C は、セッションレポート要求で UPF によって報告された GTPU エラーをサポートしています。UPF は、PFCP セッションレポート要求メッセージで CP（cnSGW-C）にさまざまな GTPU エラーを報告します。

cnSGW-C は、次のレポート要求をサポートしています。

エラー表示のサポート（ERIR）
グレースフル終了（GTER）
セッションの再配置（SRIR）

機能の仕組み

ここでは、この機能の仕組みを説明します。

エラー表示のサポート

cnSGW-C は、UPF から PFCP セッションレポート要求とともにエラー表示を受信すると、PFCP セッションレポート応答で応答し、構成に従って動作します。

cnSGW-C の場合、シグナリングは設定に基づいています。

S1U：ローカルパージまたは page-ue
S5U：ローカルパージまたはピアシグナリング

表 3. エラー表示サポート（ERIR）レポートタイプ
インターフェイス	設定	TEID	Action
S1U	ローカルパージ	デフォルト	SxSessionDeleteRequest を送信して UPF をクリーンアップするローカルでパージ
		Dedicated	SxModReq の送信（トラフィックエンドポイントの削除）ローカルパージ
		IDFT	SxMod の送信（IDFT トラフィックエンドポイントの削除）：非同期ベアラーをローカルでパージ
	Page-UE	デフォルト/専用	UE をアイドル状態に移行 Sx_Modification の送信 _Request (Set FAR Action=BUFFER)
S5U	ローカルパージ	デフォルト	SxDeleteSession の送信ローカルでパージ
	ローカルパージ	Dedicated	SxMod の送信（トラフィックエンドポイントの削除）ベアラーをローカルでパージ
	シグナルピア	デフォルト	SxMod（ドロップ）DBR/DSR、SxDelete の送信
	シグナルピア	Dedicated	DBR/DBC（非同期）、SxMod（トラフィックエンドポイントの削除）の送信

local-purge として s1u を使用するデフォルトベアラーコールフロー

ここでは、local-purge として s1u を使用するデフォルトベアラーコールフローについて説明します。

表 4. local-purge として s1u を使用するデフォルトベアラーコールフローの説明
ステップ	説明
1、2	初期接続が完了しました。
3、4、5	UPF が、レポートタイプを ERIR および s1u TEID として Sx_Session_Report_Request を送信します。 cnSGW-C が Sx_Session_Report_Response で応答します。
6、7	cnSGW-C は Sx_Session_Report_Request を処理します。 gtpuErrorInd： s1u：local-purge デフォルトベアラーの TEID を受信した場合は、内部トランザクション（T2）がクリーンアップベアラーに送信されます（ピアシグナリングなし）。 Sx_Session_Deletion_Request を送信します。 UPF は Sx_Session_Deletion_Response で応答します。

s1u を local-purge コールフローとして使用する専用ベアラー

このセクションでは、s1u を local-purge コールフローとして使用する専用ベアラーについて説明します。

表 5. s1u を local-purge コールフローの説明として使用する専用ベアラ
ステップ	説明
1、2	初期接続が完了しました。
3、4、5	UPF は、レポートタイプを ERIR および s1u TEID として Sx_Session_Report_Request を送信します。 cnSGW-C が Sx_Session_Report_Response で応答します。
6、7	cnSGW-C は Sx_Session_Report_Request を処理します。 gtpuErrorInd： s1u：local-purge TEID を専用ベアラー用に受信した場合は、内部トランザクション（T2）をクリーンアップベアラー（ピアシグナリングなし）に送信します。 Sx_Session_Modification_Request（Remove Traffic Endpoint）を送信します。 UPF が Sx_Session_Modification_Response で応答します。

s1u を local-purge コールフローとして使用する専用ベアラー（IDFT）

このセクションでは、s1u を local-purge コールフローとして使用する専用ベアラー（IDFT）について説明します。

表 6. s1u を local-purge コールフローとして使用する専用ベアラー（IDFT）の説明
ステップ	説明
1、2	初期接続が完了しました。
3、4、5	UPF が、レポートタイプを ERIR および s1u TEID として Sx_Session_Report_Request を送信します。 cnSGW-C が Sx_Session_Report_Response で応答します。
6、7	cnSGW-C は Sx_Session_Report_Request を処理します。 gtpuErrorInd： s1u：local-purge TEID を専用ベアラー（IDFT）用に受信した場合は、内部トランザクション（T2）をクリーンアップベアラー（ピアシグナリングなし）に送信します。 Sx_Session_Modification_Request（トラフィックエンドポイントの削除）を送信します。 UPF が Sx_Session_Modification_Response で応答します。

s1u を page-ue として使用するデフォルト/専用ベアラーコールフロー

このセクションでは、s1u を page-ue として使用するデフォルト/専用ベアラーコールフローについて説明します。

表 7. s1u を page-ue として使用するデフォルト/専用ベアラーコールフローの説明
ステップ	説明
1、2	SGW-UP が、タイプが ERIR の Sx セッションレポート要求を SGW サービスポッドに送信します。
3、4	SGW サービスポッドが SGW-UPF に Sx セッションレポート応答を送信します。
5、6	PFCP-EP が SGW サービスポッドにすべての PDN の Sx 変更要求を送信します。 PFCP-EP が SGW-UP に Sx セッション変更要求を送信します。
7、8	SGW サービスポッドが S11-GTP-EP にダウンリンクデータ通知要求を送信します。 S11-GTP-EP が MME にダウンリンクデータ通知を転送します。
9、10	SGW-UP が SGW サービスポッドに Sx セッション変更応答を送信します。
11、12、13	MME がダウンリンクデータ通知応答の成功を S11-GTP-EP に送信します。 S11-GTP-EP がダウンリンクデータ通知応答の成功を SGW サービスポッドに転送します。 S-T2 トランザクションが完了すると、SGW サービスポッドが CDL エンドポイントに CDL の更新を送信します。

local-purge/signal-peer として s5u を使用するデフォルトベアラーコールフロー

ここでは、local-purge/signal-peer として s5u を使用するデフォルトベアラーコールフローについて説明します。

表 8. local-purge/signal-peer として s5u を使用するデフォルトベアラーコールフローの説明
ステップ	説明
1、2	初期接続が完了しました。
3、4、5	UPF で GTPU エラーが検出されました。 Sx_Session_Report_Request が cnSGW-C に送信されました。 cnSGW-C は Sx_Session_Resport_Response で応答します。
6 ～ 11	cnSGW-C がセッションレポート要求（ERIR）を処理します。デフォルトベアラーの TEID を受信した場合、内部トランザクションを送信して PDN をクリーンアップします（動作は CLI の構成によって異なります）。 CLI：sgw-profile config gtpuErrorInd の場合： s5u：signal-peer Sx_Session_Report_Request を UPF に送信し、(FAR ACTION=DROP) を設定します。ベアラー削除要求を MME に送信します。セッション削除要求を PGW に送信します。
12	Sx_Session_Delete_Request を UPF に送信します。
13	UPF が Sx_Session_Delete_Response で応答します。

local-purge/signal-peer として s5u を使用する専用ベアラーコールフロー

ここでは、local-purge/signal-peer として s5u を使用する専用ベアラコールフローについて説明します。

表 9. local-purge/signal-peer として s5u を使用する専用ベアラーコールフローの説明
ステップ	説明
1、2	初期接続が完了しました。
3、4、5	UPF で GTPU エラーが検出されました。 Sx_Session_Report_Request が cnSGW-C に送信されました。 cnSGW-C が Sx_Session_Report_Response で応答します。
6、7、8、9	cnSGW-C が Session Report Request（ERIR）を処理します。専用ベアラー（s5u）の TEID を受信した場合は、ベアラーをクリーンアップするために、内部トランザクションを送信します。 CLI：sgw-profile config gtpuErrorInd の場合： s5u：signal-peer Delete Bearer Req を MME に送信します。 Delete Bearer Command を PGW に送信します。
10	Sx_Session_Modification_Request（Remove Traffic Endpoint）を UPF に送信します。
11	UPF が Sx_Session_Modification_Response で応答します。

グレースフル終了

UPF は SR/ICSR のリカバリ中に PDU セッションをリカバリできない場合、タイプをグレースフル終了レポート（GTER）として、PFCP Session Report Request を cnSGW に送信します。

UPF はセッションリカバリ中にセッションをロードできない場合、報告されたセッションに関するすべてのインターフェイスをクリアすることを示す GTER を送信します。

グレースフル終了のコールフロー

ここでは、グレースフル終了フローについて説明します。

表 10. グレースフル終了のコールフローの説明
ステップ	説明
1、2、3	初期接続が完了しました。
4-7	UPF が、レポートタイプを GTER および TEID として Sx_Session_Report_Request を送信します。 cnSGW-C が Sx_Session_Report_Response で応答します。
8-11	cnSGW-C が Sx_Session_Report_Request を処理し、内部トランザクション（T2）を送信して PDN をクリーンアップします。 cnSGW-C が Sx_Session_Modification_Request を送信して、FAR Action=Drop を設定します。 UPF が Sx_Session_Modification_Response で応答します。
12-19	ベアラー削除要求を MME に送信します。セッション削除要求を PGW に送信します。
20-23	Sx_Session_Delete_Request を送信します。 UPF が Sx_Session_Delete_Response で応答します。

セッションの再配置

ピアが同じ GTP-U TEID を割り当てる場合は、セッションの再配置（SRIR）が必要です。

UPF は、同じ TEID を持つ古いセッションを削除するように示す SRIR レポートを送信します。 cnSGW-C は、SRIR 要求処理に GTPU パス障害構成を使用します。

表 11. セッションの再配置
インターフェイス	設定	TEID	Action
S1U/S5U	ローカルパージ	デフォルト	SxDeleteSession の送信ローカルでパージ
	ローカルパージ	Dedicated	SxMod の送信（トラフィックエンドポイントの削除）ベアラーをローカルでパージ
	シグナルピア	デフォルト	SxMod の送信（ドロップ） DBR/DSR SxDelete
	シグナルピア	Dedicated	DBR/DBC の送信（非同期） SxMod（トラフィックエンドポイントの削除）
IDFT	該当なし	該当なし	SxMod の送信（IDFT トラフィックエンドポイントの削除）：非同期ベアラーをローカルでパージ

デフォルトベアラーのセッション置換コールフロー

ここでは、デフォルトベアラーのセッション置換（SRIR）コールフローについて説明します。

表 12. デフォルトベアラーのセッション置換コールフローの説明
ステップ	説明
1、2	初期接続が完了しました。
3、4	UPF がレポートタイプが SRIR および TEID の Sx_Session_Report_Request を送信します。 cnSGW-C が Sx_Session_Report_Response で応答します。
5 ～ 10	cnSGW-C が Sx_Session_Report_Request を処理し、誤ったセッション置換でピアシグナリングまたはローカル消去のために GTPU パス障害 CLI を使用します。デフォルトベアラーの TEID を受信すると、内部トランザクション（T2）を送信して PDN をクリーンアップします。 CLI の場合、`gtpu-path-failure s1u/s5u signal-peer` Sx_Session_Report_Request を UPF に送信し、FAR ACTION=DROP を設定します。 Delete Bearer Req を MME に送信します。セッション削除要求を PGW に送信します。
11、12	Sx_Session_Delete_Request を送信します。 UPF が Sx_Session_Delete_Response で応答します。

専用ベアラーのセッション置換コールフロー

ここでは、専用ベアラーのセッション置換（SRIR）コールフローについて説明します。

表 13. 専用ベアラーのセッション置換コールフローの説明
ステップ	説明
1、2	初期接続が完了しました。
3、4	UPF が、レポートタイプが SRIR および TEID の Sx_Session_Report_Request を送信します。 cnSGW-C が Sx_Session_Report_Response で応答します。
5 ～ 10	cnSGW-C が Sx_Session_Report_Request を処理し、誤ったセッション置換により、ピアシグナリングまたはローカル消去のために GTPU パス障害 CLI が使用されます。専用ベアラーの TEID を受信した場合は、ベアラーをクリーンアップするために、内部トランザクション（T2）を送信します。 CLI の場合、`gtpu-path-failure s1u/s5u signal-peer` Sx_Session_Report_Request を UPF に送信し、FAR ACTION=DROP を設定します。 Delete Bearer Req を MME に送信します。 Delete Session Request を PGW に送信します。
11、12	Sx_Session_Modification_Request（Remove Traffic Endpoint）を送信します。 UPF が Sx_Session_Modification_Response で応答します。

機能設定

ここでは、GTPU エラー表示機能を構成する方法について説明します。

この機能を設定するには、次の構成を使用します。

config 
 profile sgw sgw_profile_name 
  gtpu-error-ind 
   s1u [ local-purge | page-ue ] 
   s5u [ local-purge | signal-peer ] 
   end

注：

s1u ：S1-U インターフェイス。
s5u ：S5-U インターフェイス。
local-purge ：ピアに通知せずに、影響を受けるベアラーまたは PDN をローカルに消去します。
page-ue ：S1 アイドル状態にリセットし、この UE のページングを開始します。
signal-peer：ピアへのシグナリングで影響を受けるベアラーまたは PDN をクリアします。

設定例

次に、設定例を示します。

config
profile sgw sgw1
gtpu-error-ind s1u local-purge
gtpu-error-ind s5u signal-peer s1u local-purge
end

構成の確認

設定を確認するには、次のコマンドを実行します。

show running-config profile sgw gtpu-error-ind s1u local-purge
profile sgw sgw1
gtpu-error-ind s1u local-purge

OAM のサポート

ここでは、この機能の操作、管理、およびメンテナンスに関して説明します。

バルク統計

次に、エラーレポートに起因する PDN クリーンアップの統計を示します。

sgw_pdn_disconnect_stats{app_name="smf",cluster="Local",data_center="DC",instance_id="0", pdn_type="ipv4",rat_type="EUTRAN",reason="s1u_gtpu_error",service_name="sgw-service"} 1

sgw_pdn_disconnect_stats{app_name="smf",cluster="Local",data_center="DC",instance_id="0", pdn_type="ipv4",rat_type="EUTRAN",reason="s5u_gtpu_error",service_name="sgw-service"} 1

sgw_pdn_disconnect_stats{app_name="smf",cluster="Local",data_center="DC",instance_id="0", pdn_type="ipv4",rat_type="EUTRAN",reason="s1u_gtpu_session_replacement",service_name="sgw-service"} 1

sgw_pdn_disconnect_stats{app_name="smf",cluster="Local",data_center="DC",instance_id="0", pdn_type="ipv4",rat_type="EUTRAN",reason="userplane_requested_graceful_termination",service_name="sgw-service"} 1

sgw_service_stats{app_name="smf",cluster="Local",data_center="DC",fail_reason="",gr_instance_id="1", instance_id="0",interface="interface_sgw_egress",reject_cause="",service_name="sgw-service", sgw_procedure_type="s5u_gtpu_error_initiated_bearer_deletion",status="attempted",sub_fail_reason=""} 1

sgw_service_stats{app_name="smf",cluster="Local",data_center="DC",fail_reason="",gr_instance_id="1", instance_id="0",interface="interface_sgw_egress",reject_cause="",service_name="sgw-service", sgw_procedure_type="s5u_gtpu_error_initiated_bearer_deletion",status="success",sub_fail_reason=""} 1

sgw_service_stats{app_name="smf",cluster="Local",data_center="DC",fail_reason="",gr_instance_id="1", instance_id="0",interface="interface_sgw_egress",reject_cause="",service_name="sgw-service", sgw_procedure_type="s5u_gtpu_session_replacement_initiated_bearer_deletion",status="attempted",sub_fail_reason=""} 1

sgw_service_stats{app_name="smf",cluster="Local",data_center="DC",fail_reason="",gr_instance_id="1", instance_id="0",interface="interface_sgw_egress",reject_cause="",service_name="sgw-service",sgw_procedure_type= "s5u_gtpu_session_replacement_initiated_bearer_deletion",status="success",sub_fail_reason=""} 1

sgw_service_stats{app_name="smf",cluster="Local",data_center="DC",fail_reason="",gr_instance_id="1", instance_id="0",interface="interface_sgw_ingress",reject_cause="",service_name="sgw-service",sgw_procedure_type= "s5u_gtpu_error_initiated_bearer_deletion",status="attempted",sub_fail_reason=""} 1

sgw_service_stats{app_name="smf",cluster="Local",data_center="DC",fail_reason="",gr_instance_id="1", instance_id="0",interface="interface_sgw_ingress",reject_cause="",service_name="sgw-service",sgw_procedure_type= "s5u_gtpu_error_initiated_bearer_deletion",status="success",sub_fail_reason=""} 1

sgw_service_stats{app_name="smf",cluster="Local",data_center="DC",fail_reason="",gr_instance_id="1", instance_id="0",interface="interface_sgw_ingress",reject_cause="",service_name="sgw-service",sgw_procedure_type= "s5u_gtpu_session_replacement_initiated_bearer_deletion",status="attempted",sub_fail_reason=""} 1

sgw_service_stats{app_name="smf",cluster="Local",data_center="DC",fail_reason="",gr_instance_id="1", instance_id="0",interface="interface_sgw_ingress",reject_cause="",service_name="sgw-service",sgw_procedure_type= "s5u_gtpu_session_replacement_initiated_bearer_deletion",status="success",sub_fail_reason=""} 1

S1u トンネルでの GTPU エラー表示が原因で開始された DDN に対して、次の SGW ddn_stats_type が追加されます。

sgw_ddn_stats{app_name="smf",cluster="cn",data_center="cn",ddn_stats_type="gtpu_err_ind_triggered", instance_id="0",service_name="sgw-service"} 2

UCC 5G cnSGWc 構成および管理ガイド、リリース 2025.01

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