cnSGW-C は、eMPS と GTPv2 負荷または過負荷機能との相互作用をサポートします。GTPv2 負荷または過負荷機能での自己保護モード中の eARP コール、APN 緊急コール、または WPS コールの除外をサポートしています。

デフォルトでは、cnSGWc は自己保護モードで着信 GTPC メッセージをスロットルします。cnSGWc が自己保護モードで、過負荷除外プロファイルが構成されている場合、cnSGWc は、着信メッセージのパラメータを構成された DNN、ARP、QCI、およびメッセージの優先順位の値と比較します。

一致した場合、またはセッションが WPS または緊急セッションとして識別された場合、cnSGWc は着信メッセージを処理します。一致しない場合は、そのメッセージを拒否します。

cnSGW-C は、自己保護モードでの着信要求メッセージの拒否から dnn-list、arp-list、および qci-list、message-priority を除外できます。cnSGW-C は、次の方法でこの拒否を除外します。

• サブスクライバ APN 名（NI+OI）が overload-exclude-profile と一致する場合に、任意のコールレベルの手順の拒否から dnn-listを除外します。

• ベアラーの変更または作成を、新しいまたは既存の ARP（優先度レベル）値の拒否から除外します。

• ベアラーの変更または作成を、新規または既存の QCI 値の拒否から除外します。

• overload-exclude-profile の構成に関係なく、削除されたベアラーまたはセッション操作（ベアラー削除要求、セッション削除要求、ベアラー削除コマンドなど）を拒否から除外します。

特定のノースバウンド インターフェイスから着信 GTPC トラフィックを除外するには、「過負荷除外プロファイルの構成」の項を参照してください。

（注）	cnSGW-C は、メッセージスロットリングをサポートしていません。

優先順位により、サーバーがサービスリクエストをキューから取り出す順序が決まります。たとえば、クライアントが個々のサービスに割り当てる優先順位は 0 ～ 15 の値であり、0 が最高の優先順位を表します。

cnSGW では、cnSGW サービスが Priority IPC Stream を使用して、プロセス間通信（IPC）メッセージを Wireless Priority Service（WPS）セッションのプロトコルポッドに送信します。

cnSGW は、メッセージ優先順位プロファイルを作成して、グローバルレベルまたは各インターフェイスレベル（PFCP、GTP）で優先順位を定義します。メッセージの優先順位値は、以下に基づいて選択できます。

• Create Session Request（CSR）、Create Bearer Response（CBR）、および Create Session Response のベアラーコンテキストで受信した ARP および QCI。

• 更新メッセージの優先順位値は、Update Bearer Request（UBR）のベアラーコンテキストで受信した ARP および QCI に基づきます。

cnSGW は次の機能をサポートしています。

• ローミングパートナーごとの WPS セッション。

• 過負荷スロットリングからの WPS セッションの除外。

• cnSGW でのセッションタイプの競合の解決。

• 併置されたサブスクライバの Sxa インターフェイスを介して UPF で処理する WPS セッション。

• WPS セッションモニタリング。

オペレータは WPS ユーザーの S-GW サービス統計をモニターでき、ユーザーはアクティブな WPS セッションの数もモニターできます。

メッセージ優先順位機能

メッセージ優先順位メカニズムの機能は次のとおりです。

• MP（gtp、pfcp）が着信メッセージを処理するために作成されたトランザクションにコピーされ、同じものが子トランザクションにもコピーされます。これらの優先順位の値は、IPC メタデータにもコピーされ、宛先ポッドに送信されます。

• プロトコルポッド（protocol、gtp）は、着信メッセージで使用可能なメッセージの優先順位に基づいて、着信メッセージを WPS メッセージとして検出します。これらのメッセージプロトコルポッドは、サービスポッドに向けて Priority IPC Stream を使用します。

メッセージ優先順位プロファイルの選択のための条件

メッセージ優先順位プロファイルの選択には、次の条件が適用されます。

• サブスクライバポリシーでは、サブスクライバのグループおよび関連するオペレータポリシーを定義する必要があります。

• オペレータポリシーは、関連する DNN ポリシーを定義する必要があります。

• DNN ポリシーは、DNN および関連する DNN プロファイルのリストを定義する必要があります。

• DNN プロファイルには、QoS プロファイル名と WPS プロファイル名が関連付けられている必要があります。

• QoS プロファイルには、message-priority-profile が関連付けられている必要があります。

• message-priority-profile が WPS プロファイルと DNN 用の S-GW QoS プロファイルで設定されている場合、WPS プロファイルで設定された message-priority-profile が優先されます。

• メッセージの優先順位設定が実行時に変更された場合は、新しいコールに適用されます。既存のコールについては、ベアラーが更新されるか、新しいベアラーが追加されたときに新しい構成が適用されます。

• 既存のメッセージの優先順位は、DDN など、セルフトリガーされる発信メッセージに表示されます。

• CSReq、MBReq、DSReq、CBReq、DBReq、UBReq などの PDN レベルの着信 GTP メッセージが有効なメッセージの優先順位とともに受信され、その PDN のいずれかのベアラーで copy-incoming が true に設定されている場合、受信メッセージの優先順位は、その着信メッセージによってトリガーされたすべての発信 GTP/PFCP メッセージにコピーされます。

• HO DSReq、RAB などの UE レベルの着信 GTP メッセージが有効なメッセージの優先順位とともに受信され、その PDN のいずれかのベアラーで copy-incoming が true に設定されている場合、受信メッセージの優先順位は、その着信メッセージによってトリガーされた（その PDN の）すべての発信 GTP/PFCP メッセージにコピーされます。

• セッションレポートなどの着信 PFCP メッセージが有効なメッセージの優先順位とともに受信され、その Sx セッションの Sx ベアラーのいずれかで copy-incoming が true に設定されている場合、受信メッセージの優先順位が発信応答メッセージにコピーされます。

メッセージの優先順位の選択ロジック

• メッセージの優先度の値は、次のロジックに基づいて発信メッセージに表示されます。

  • GTP メッセージ：

    • PDN レベルのメッセージの場合：PDN に WPS としてマークされた複数の（GTP メッセージの優先順位が異なる）ベアラーがある場合、優先順位が最も高い（0 が最高、15 が最低）メッセージが発信 GTP メッセージにコピーされます。

    • UE レベルの GTP メッセージの場合：UE に WPS としてマークされた複数の（GTP メッセージの優先順位が異なる）ベアラーがある場合、優先順位が最も高い（0 が最高、15 が最低）メッセージが発信 GTP メッセージにコピーされます。

  • PFCP メッセージの場合：Sx セッションに WPS としてマークされた複数の（GTP メッセージの優先順位が異なる）ベアラーがある場合、優先順位が最も高い（0 が最高、15 が最低）メッセージが発信 PFCP メッセージにコピーされます。

次に、設定例を示します。

config
   profile wps wp1
     arp 2 message-priority-profile message_priority_name
   end

設定を確認するには、次のコマンドを実行します。

show full-configuration profile wps wps1
profile wps wps1
arp 2 message-priority-profile mp1
exit

次に、設定例を示します。

config
   profile sgw sgw1
     wps-profile wp1
     end

設定を確認するには、次のコマンドを実行します。

show running-config profile sgw
profile sgw sgw1
wps-profile wp1

次に、設定例を示します。

 config
   profile dnn dnn1
   wps-profile wps1
   end

設定を確認するには、次のコマンドを実行します。

show running-config profile dnn 
profile dnn dnn1
wps-profile wps1