コンテキスト置換のサポート

機能の概要と変更履歴

要約データ

表 1. 要約データ

該当製品または機能エリア

cnSGW-C

該当プラットフォーム

SMI

機能のデフォルト設定

有効、常時オン

関連資料

該当なし

マニュアルの変更履歴

表 2. マニュアルの変更履歴

改訂の詳細

リリース

部分的なコンテキスト置換のサポートが導入されました。

2021.02.0

最初の導入。

2020.01.0

機能説明

cnSGW-C は、既存の EBI を使用して Create Session Request（CSReq）を受信する場合、コンテキスト置換をサポートします。MME ノードと cnSGW-C が同期されていない場合、セッションは MME でローカルに終了します。MME は、cnSGW-C にすでに存在する EBI を使用して CSReq を送信します。CSReq に値がゼロ以外の TEID が含まれている場合、cnSGW-C はコンテキストを部分的に置き換えます。TEID がゼロの場合、cnSGW-C は完全なコンテキスト置換を実行します。

機能の仕組み

ここでは、この機能の仕組みを説明します。

コール フロー

ここでは、この機能の主要なコールフローについて説明します。

完全なコンテキスト置換コールフロー

ここでは、完全なコンテキスト置換コールフローについて説明します。

セッション作成要求のコールフロー

このセクションでは、セッション作成要求のコールフローについて説明します。

図 1. セッション作成要求（コンテキスト置換 - シングルまたはマルチ PDN サブスクライバ）コールフロー
表 3. セッション作成要求（コンテキスト置換 - シングルまたはマルチ PDN サブスクライバ）コールフローの説明

ステップ

説明

1

 MME が、C-TEID がゼロのセッション作成要求を GTPC-EP 入力に送信します。

2

GTPC-EP 入力が、セッション作成要求を SGW-SVC に転送します。

次の処理が行われます。

  • App Infra が GetKey() メソッドを呼び出し、プライマリキー（IMSI）を使用して既存のサブスクライバを見つけてロードします。

  • 非同期 IPC を使用してすべての PDN の Sx セッション削除要求を実行します。

  • SYNC IPC を使用してリソース管理要求（IdReq：IdReqType_ID_REQ_REL）を実行します。

3、5

SGW サービスポッドが、PDN 1 - N のセッション削除要求を PFCP-EP に送信します。

4、6

PFCP-EP が、PDN 1 - N のセッション削除要求を UPF に転送します。

7、9

PFCP-EP が UPF から PDN 1 から N のセッション削除応答を受信します。

8、10

PFCP-EP が、PDN 1 - N のセッション削除応答を SGW サービスポッドに転送します。

11

SGW サービスポッドが、要求 ID タイプを要求 REL として RMMgr にリソース管理要求を送信します。

12

SGW サービスポッドが、RMMgr からリソース管理応答を要求 ID タイプ（要求 REL）とともに受信します。

SGW サービスポッドでは、次の機能が実行されます。

  • すべてのセッション CDL キーの削除（RemoveAllSessionKeys(txn) を使用）

  • アフィニティキーの削除（RemoveSubscriberAllKey() を使用）

  • ローカルデータベース（サブスクライバ/PDN）のクリーンアップ

（注）  

UPF からの削除応答の未処理イベントは無視できます。

部分コンテキスト置換のコールフロー

ここでは、部分コンテキスト置換のコールフローについて説明します。

cnSGW-C が既存の EBI と TEID が ゼロ以外である CSReq を受信すると、cnSGW-C は次のコールフローを呼び出すことによって部分的なコンテキスト置換を実行します。

  • CSReq で受信した EBI は、既存のデフォルトベアラー用です。

  • CSReq で受信した EBI は、既存の専用ベアラー用です。

デフォルトのベアラー EBI コールフローを使用したセッション作成要求

このセクションでは、デフォルトのベアラー EBI コールフローを使用したセッション作成要求について説明します。

図 2. デフォルトのベアラー EBI を使用した CSReq コールフロー
表 4. デフォルトのベアラー EBI を使用した CSReq コールフローの説明

ステップ

説明

1

MME が TIED 値がゼロのセッション作成要求を GTPC-EP（S11）に送信します。

2

GTPC-EP（S11）が TIED 値が 0 の Create Session Request を SGW-SVC に転送します。

3

MME と PGW が デフォルトの EBI-5 プロセスを使用して初期接続 PDN-1 を処理します。

4

MME が TIED=0x80002002、EBI-6 を含むセッション作成リクエストを GTPC-EP に送信します。

5

GTPC-EP が TIED=0x80002002、EBI-6 を含むセッション作成リクエストを SGW-SVC に転送します。

6

MME と PGW が、デフォルトの EBI-6 接続を使用して PDN-2 を確立します。

7

MME と PGW が EBI-7 プロセスを使用して専用ベアラー作成を完了します。

8

SGW と MME が同期していない場合、MME が SGW 内に存在する EBI-6 を使用してセッション作成要求を送信します。

9

GTPC-EP が CSReq TIED= 0x80002002 と EBI-6 を SGW に送信します。

10

セッション作成要求を受信すると、SGW-SVC は次の処理を実行します。

  • デフォルトの EBI=6 で PDN をクリーンアップします。

  • Sx シグナリングを UPF に送信してセッションをクリアします。

  • 新しい PDN セットアップとしてセッション作成要求を実行します。

SGW が PDN-2 の Sx セッション削除応答を Protocol-SXA に送信します。

11

Protocol-SXA が Sx セッション削除要求を SGW-UPF に転送します。

12

SGW がセッション確立要求を Protocol-SXA に送信します。

13

Protocol-SXA が Sx セッション確立要求を SGW-UPF に転送します。

14

SGW-UPF が Sx セッション確立応答で Protocol-SXA に応答します。

15

Protocol-SXA は SGW-SVC に Sx セッション確立応答を送信します。

16

SGW-SVC が TIED=0x80002002、EBI-6 を含むセッション作成リクエストを GTPC-EP に送信します。

17

GTPC-EP が TIED=0x80002002、EBI-6 を含むセッション作成リクエストを PGW に送信します。

18

PGW がセッション作成応答を GTPC-EP に送信します。

19

GTPC-EP がセッション作成応答で SGW-SVC に応答します。

20

SGW-SVC がその応答を GTPC-EP に転送します。

21

GTPC-EP がセッション作成応答を MME に送信します。
専用ベアラー EBI を使用した Create Session Request コールフロー

ここでは、専用ベアラー EBI を使用した Create Session Request コールフローについて説明します。

図 3. 専用ベアラー EBI を使用した CSReq コールフロー
表 5. 専用ベアラー EBI を使用した CSReq コールフローの説明

ステップ

説明

1

MME が TIED 値がゼロの Create Session Request を GTPC-EP（S11）に送信します。

2

GTPC-EP（S11）が TIED 値がゼロの Create Session Request を SGW-SVC に転送します。

3

MME と PGW が EBI-5 プロセスを使用して初期接続 PDN を処理します。

4

MME が EBI-6 を使用して Create Session Request を GTPC-EP に送信します。

5

GTPC-EP が EBI-6 を使用して Create Session Request を SGW-SVC に転送します。

6

MME と PGW が EBI-6 接続を使用して PDN を確立します。

7

MME と PGW が EBI-7 プロセスを使用して Create Dedicated Bearer を完了します。

8

SGW と MME が同期していない場合、MME が SGW 内に存在する EBI-6 を使用して Create Session Request を送信します。

9

GTPC-EP が EBI-7 を使用して CSReq を SGW に送信します。

10

Create Session Request を受信後、SGW-SVC が以下を実行します。

  • デフォルトの EBI=6 を使用して PDN をクリーンアップします。

  • Sx シグナリングを UPF に送信してセッションをクリアします。

  • 新しい PDN セットアップとして Create Session Request を実行します。

SGW が PDN-2 の Sx Session Deletion Request を Protocol-SXA に送信します。

11

Protocol-SXA が Sx Session Deletion Request を SGW-UPF に転送します。

12

SGW が Session Establishment Request を Protocol-SXA に送信します。

13

Protocol-SXA が Sx Session Establishment Request を SGW-UPF に転送します。

14

SGW-UPF が Sx Session Establishment Response で Protocol-SXA に応答します。

15

Protocol-SXA が Sx Session Establishment Response を SGW-SVC に送信します。

16

SGW-SVC が TIED=0x80002002、EBI-7 を含む Create Session Request を GTPC-EP に送信します。

17

GTPC-EP が TIED=0x80002002、EBI-7 を含む Create Session Request を PGW に送信します。

18

PGW が Create Session Response を GTPC-EP に送信します。

19

GTPC-EP が Create Session Response で SGW-SVC に応答します。

20

SGW-SVC がその応答を GTPC-EP に転送します。

21

GTPC-EP が Create Session Response を MME に送信します。

OAM サポート

ここでは、この機能の操作、管理、およびメンテナンスサポートに関して説明します。

バルク統計

部分的なコンテキスト置換機能では、次の統計情報がサポートされています。

  • sgw_pdn_disconnect_stats：切断ステータスの SGW PDN の総数をキャプチャします。

    Prometheus クエリの例：

    sgw_pdn_disconnect_stats{app_name="smf",cluster="cn",data_center=\ "cn",instance_id="0",pdn_type="ipv4",rat_type="EUTRAN",reason="context_replacement",\ service_name="sgw-service"} 1