ソフトウェアの管理

コントローラ ソフトウェアのアップグレード

コントローラ ソフトウェアをアップグレードすると、コントローラにアソシエートされているアクセス ポイントのソフトウェアも自動的にアップグレードされます。アクセス ポイントがソフトウェアをロードしている場合、アクセス ポイントの各 LED は連続して点滅します。


注意    

このプロセスの実行時に、コントローラまたは任意のアクセス ポイントの電源を切らないでください。電源を切ると、ソフトウェア イメージが破損する場合があります。多数のアクセス ポイントを含むコントローラをアップグレードするには、ネットワークのサイズにもよりますが、最大で 30 分かかる場合があります。ただし、コントローラ ソフトウェア リリースでサポートされているアクセス ポイントの同時アップグレード数の増加によって、アップグレードにかかる時間が大幅に短縮されました。アクセス ポイントの電源は入れたままにしておく必要があります。また、アップグレード時にコントローラをリセットしてはなりません。

コントローラ ソフトウェアのアップグレードに関する考慮事項

コントローラ ソフトウェアのアップグレード時に適用される一般的な制限の一部を次に示します。リリース固有の制約事項については、該当するリリース ノートを参照してください。

シスコ ワイヤレス インフラストラクチャ(コントローラ間のモビリティ、AP の互換性を含むがこれらに限定されない)間の適切な相互運用性については、シスコ ワイヤレス ソリューション ソフトウェアの互換性マトリックス [英語] を参照してください。

https://www.cisco.com/c/en/us/td/docs/wireless/compatibility/matrix/compatibility-matrix.html

  • すべてのソフトウェア アップグレードにおいて、コントローラを目的のソフトウェア リリースにアップグレードするために必要な注意事項、考慮事項、または可能な暫定アップグレードについて対応するリリース ノートを参照することをお勧めします。

  • ソフトウェア アップグレード アクティビティを行う前に、外部リポジトリに設定のバックアップを保存することをお勧めします。

  • バックアップする設定ファイルに特殊文字(< または >)が含まれていないことを確認します。いずれかの特殊文字が含まれている場合、バックアップした設定ファイルのダウンロードが失敗します。

  • TFTP、SFTP、または FTP ファイル サーバへの高速接続を使用した、コントローラ ソフトウェアのアップグレード(ソフトウェア転送の開始からコントローラのリブートまで)は約 15 ~ 25 分ほどかかります(同じメンテナンス時間帯のアップグレードに Field Upgrade Software のインストールも含まれている場合、さらに時間がかかることもあります)。関連 AP のアップグレードに必要な時間は、導入固有のさまざまな要因(コントローラと関連付けられている AP の数、特定の AP とコントローラ間のネットワーク接続速度など)により、ネットワークによって異なります。

  • アップグレード プロセス中は、コントローラやコントローラと関連付けられている AP の電源をオフにしないことをお勧めします。

  • コントローラでは、標準の SNMP 管理情報ベース(MIB)ファイルがサポートされています。MIB は Cisco.com の [Download Software] エリアからダウンロードできます。

  • SNMP テーブル bsnAPIfDot11CountersEntry にある bsnAPIfDot11RetryCount、bsnAPIfDot11TransmittedFrameCount などの SNMP MIB 記述ごとのオブジェクトは、AP の 802.3(イーサネット)MAC アドレスとしてインデックスを使用するために定義されています。ただし、コントローラは、AP 無線 MAC アドレスを snmpget、getnext、および getbulk で送信します。これは、snmpwalk は AP イーサネット MAC アドレスではなく、基本無線 MAC アドレスを使用してインデックスを返すためです。

  • 次の操作によってネットワークのダウンタイムを減らすことができます。

    • AP イメージを事前にダウンロードできます。

      AP イメージのプレダウンロードの詳細については、「アクセス ポイントへのイメージのプレダウンロード」のセクションを参照してください。

    • FlexConnect アクセス ポイントの場合は、FlexConnect Efficient AP Upgrade 機能を使用して、コントローラと AP(メイン サイトとブランチ)間のトラフィックを削減することができます。

      FlexConnect AP のアップグレードの設定の詳細については、「FlexConnect AP に対する FlexConnect AP のアップグレードの設定」の章を参照してください。

コントローラ ソフトウェアのアップグレード(GUI)

始める前に

コントローラ ソフトウェアをアップグレードする前に、該当するリリース ノートでリリース固有の制約事項を確認することをお勧めします。

手順


ステップ 1

コントローラ設定ファイルをサーバにアップロードしてバックアップします。

(注)   
コントローラ ソフトウェアをアップグレードする前に、コントローラの設定ファイルをバックアップしておくことを強く推奨します。バックアップを行わなかった場合は、コントローラを手動で再設定する必要があります。
ステップ 2

以下のステップに従って、コントローラ ソフトウェアのイメージを入手します。

  1. http://www.cisco.com/cisco/software/navigator.html にブラウザからアクセスします。

  2. [Wireless] > [Wireless LAN Controller] を選択します。

    [Integrated Controllers and Controller Modules]、[Mobility Express]、および [Standalone Controllers] の各オプションがあります。

  3. 使用しているコントローラのプラットフォームに応じて、これらのオプションのいずれかをクリックします。

  4. コントローラのモデル番号または名前をクリックします。[Download Software] ページが表示されます。

  5. コントローラ ソフトウェア リリースをクリックします。ソフトウェア リリースには、ダウンロードするリリースを判断する際に役立つように、次のようなラベルが付いています。

    [Early Deployment (ED)]:これらのソフトウェア リリースには、新機能、新しいハードウェア プラットフォーム サポート、およびバグ修正ファイルが付属しています。

    [Maintenance Deployment (MD)]:これらのソフトウェア リリースには、バグ修正ファイルおよび現時点のソフトウェア メンテナンスが付属しています。

    [Deferred (DF)]:これらは延期されたソフトウェア リリースです。アップグレードしたリリースに移行することを推奨します。

  6. ソフトウェア リリース番号を選択します。

  7. ファイル名(filename.aes)をクリックします。

  8. [Download] をクリックします。

  9. シスコのエンド ユーザ ソフトウェアのライセンス契約を読み、[Agree] をクリックします。

  10. お使いのハード ドライブにファイルを保存します。

  11. ステップ a から k を繰り返して、他のファイルをダウンロードします。

ステップ 3

コントローラ ソフトウェアのイメージ(filename.aes)を TFTP サーバまたは FTP サーバのデフォルト ディレクトリにコピーします。

(注)   

8.1 以降のリリースでは、HTTP 経由の転送もサポートされています。

(注)   

リリース 8.3、8.4、および 8.5 では、Cisco 2504 WLC、5508 WLC、および WiSM2 に対する Cisco WLC ソフトウェア イメージは 2 つのイメージ(Base Install Image と Supplementary AP Bundle Image)に分割されています。したがって、リリース 8.3、8.4、または 8.5 にアップグレードするには、Base Install Image と Supplementary AP Bundle Image の両方についてステップ 2 からステップ 14 を繰り返す必要があります。

Supplementary AP Bundle Image は、AP80x、Cisco Aironet 1550 シリーズ AP(64 MB のメモリを搭載)、Cisco Aironet 1550 シリーズ AP(128 MB のメモリを搭載)、Cisco Aironet 1570 シリーズ AP、および Cisco Aironet 1600 AP を使用している場合のみダウンロードします。

ステップ 4

(任意)802.11 ネットワークを無効にします。

(注)   
使用率の高いネットワークやコントローラ、または小規模なコントローラ プラットフォームでは、予防措置として 802.11 ネットワークを無効にすることをお勧めします。
ステップ 5

[Commands] > [Download File] の順に選択して、[Download File to Controller] ページを開きます。

ステップ 6

[File Type] ドロップダウン リストから、[Code] を選択します。

ステップ 7

[Transfer Mode] ドロップダウン リストで、次のオプションから選択します。

  • TFTP
  • FTP
  • SFTP(7.4 以降のリリースで利用可能)
  • HTTP(8.1 以降のリリースで利用可能)
ステップ 8

[IP Address] テキスト ボックスに、サーバの IP アドレスを入力します。

ステップ 9

(オプション)TFTP サーバを使用している場合は、[Maximum Retries] テキスト フィールドの 10 回の再試行、および [Timeout] テキスト フィールドの 6 秒というデフォルト値は、調整しなくても適切に機能します。ただし、これらの値は必要に応じて変更できます。変更する場合は、TFTP サーバがソフトウェアのダウンロードを試行する最大回数を [Maximum Retries] テキスト ボックスに入力し、TFTP サーバがソフトウェアのダウンロードを試行する時間(秒単位)を [Timeout] テキスト ボックスに入力します。

ステップ 10

[File Path] テキスト ボックスに、ソフトウェアのディレクトリ パスを入力します。

ステップ 11

[File Name] テキスト ボックスに、コントローラ ソフトウェア ファイルの名前(filename.aes)を入力します。

ステップ 12

FTP サーバを使用している場合は、次の手順に従います。

  1. [Server Login Username] テキスト ボックスに、FTP サーバにログインするためのユーザ名を入力します。

  2. [Server Login Password] テキスト ボックスに、FTP サーバにログインするためのパスワードを入力します。

  3. [Server Port Number] テキスト ボックスに、ダウンロードが発生する FTP サーバのポート番号を入力します。デフォルト値は 21 です。

ステップ 13

[Download] をクリックして、ソフトウェアをコントローラにダウンロードします。ダウンロードのステータスを示すメッセージが表示されます。

(注)   

リリース 8.3、8.4、および 8.5 では、Cisco 2504 WLC、5508 WLC、および WiSM2 に対する Cisco WLC ソフトウェア イメージは 2 つのイメージ(Base Install Image と Supplementary AP Bundle Image)に分割されています。したがって、リリース 8.3、8.4、または 8.5 にアップグレードするには、Base Install Image と Supplementary AP Bundle Image の両方についてステップ 2 からステップ 14 を繰り返す必要があります。

Supplementary AP Bundle Image は、AP80x、Cisco Aironet 1550 シリーズ AP(64 MB のメモリを搭載)、Cisco Aironet 1550 シリーズ AP(128 MB のメモリを搭載)、Cisco Aironet 1570 シリーズ AP、および Cisco Aironet 1600 AP を使用している場合のみダウンロードします。

ステップ 14

(オプション)ダウンロードが完了したら、アクセス ポイントにイメージをプレダウンロードすることができます。詳細については、「アクセス ポイントへのイメージのプレダウンロード」セクションを参照してください。

ステップ 15

[Reboot] をクリックして、コントローラをリブートします。

ステップ 16

変更を保存するように求めるプロンプトが表示されたら、[Save and Reboot] をクリックします。

ステップ 17

[OK] をクリックして確定します。

ステップ 18

コントローラがリブートしたら、ステップ 6 から 16 を繰り返して、残りのファイルをインストールします。

ステップ 19

Cisco WiSM2 の場合は、Catalyst スイッチのコントローラ ポート チャネルを再度有効にします。

ステップ 20

802.11 ネットワークを無効にした場合は、再度有効にします。

ステップ 21

コントローラ ソフトウェアのバージョンを確認するには、コントローラ GUI の [Monitor] を選択して、[Controller Summary] 領域の [Software Version] を参照してください。


コントローラ ソフトウェアのアップグレード(CLI)

始める前に

コントローラ ソフトウェアをアップグレードする前に、該当するリリース ノートでリリース固有の制約事項を確認することをお勧めします。

手順


ステップ 1

コントローラ設定ファイルをサーバにアップロードしてバックアップします。

(注)   
コントローラ ソフトウェアをアップグレードする前に、コントローラの設定ファイルをバックアップしておくことを強く推奨します。バックアップを行わなかった場合は、コントローラを手動で再設定する必要があります。
ステップ 2

以下のステップに従って、コントローラ ソフトウェアのイメージを入手します。

  1. http://www.cisco.com/cisco/software/navigator.html にブラウザからアクセスします。

  2. [Wireless] > [Wireless LAN Controller] を選択します。

    [Integrated Controllers and Controller Modules]、[Mobility Express]、および [Standalone Controllers] の各オプションがあります。

  3. 使用しているコントローラのプラットフォームに応じて、これらのオプションのいずれかをクリックします。

  4. コントローラのモデル番号または名前をクリックします。[Download Software] ページが表示されます。

  5. コントローラ ソフトウェア リリースをクリックします。ソフトウェア リリースには、ダウンロードするリリースを判断する際に役立つように、次のようなラベルが付いています。

    [Early Deployment (ED)]:これらのソフトウェア リリースには、新機能、新しいハードウェア プラットフォーム サポート、およびバグ修正ファイルが付属しています。

    [Maintenance Deployment (MD)]:これらのソフトウェア リリースには、バグ修正ファイルおよび現時点のソフトウェア メンテナンスが付属しています。

    [Deferred (DF)]:これらは延期されたソフトウェア リリースです。アップグレードしたリリースに移行することを推奨します。

  6. ソフトウェア リリース番号を選択します。

  7. ファイル名(filename.aes)をクリックします。

  8. [Download] をクリックします。

  9. シスコのエンド ユーザ ソフトウェアのライセンス契約を読み、[Agree] をクリックします。

  10. お使いのハード ドライブにファイルを保存します。

  11. ステップ a から k を繰り返して、他のファイルをダウンロードします。

ステップ 3

コントローラ ソフトウェアのイメージ(filename.aes)を TFTP サーバまたは FTP サーバのデフォルト ディレクトリにコピーします。

(注)   

リリース 8.3 では、Cisco 2504 WLC、5508 WLC、および WiSM2 に対し、Cisco WLC ソフトウェア イメージが 2 つのイメージ Base Install Image と Supplementary AP Bundle Image に分割されています。したがって、8.3 以降のサポート対象リリースにアップグレードするには、Base Install Image と Supplementary AP Bundle Image の両方についてステップ 2 からステップ 11 を繰り返してインストールを完了する必要があります。

Supplementary AP Bundle Image は、AP80x、Cisco Aironet 1530 シリーズ AP、Cisco Aironet 1550 シリーズ AP(64 MB のメモリを搭載)、Cisco Aironet 1550 シリーズ AP(128 MB のメモリを搭載)、Cisco Aironet 1570 シリーズ AP、および Cisco Aironet 1600 シリーズ AP を使用している場合のみダウンロードします。

ステップ 4

コントローラ CLI にログインします。

ステップ 5

コントローラ CLI で Telnet または SSH を介して ping server-ip-address コマンドを入力して、コントローラが TFTP または FTP サーバと通信できることを確認します。

ステップ 6

(オプション)次のコマンドを入力して、802.11 ネットワークを無効にします。

config 802.11 {a | b } disable network
(注)   
使用率の高いネットワークやコントローラ、または小規模なコントローラ プラットフォームでは、予防措置として 802.11 ネットワークを無効にすることをお勧めします。
ステップ 7

transfer download start コマンドを入力して、現在のダウンロード設定を表示します。プロンプトに n と応答して、現在のダウンロード設定を表示します。

ステップ 8

必要に応じて、次のコマンドを入力して、ダウンロードの設定を変更します。

  • transfer download mode {tftp | ftp | sftp }

  • transfer download datatype code

  • transfer download serverip server-ip-address

  • transfer download filename filename

  • transfer download path server-path-to-file

    (注)   
    TFTP または FTP サーバのパス名は、サーバのデフォルトまたはルート ディレクトリからの相対パスです。たとえば、Solaris TFTP サーバの場合、パスは「/」となります。

(オプション)TFTP サーバを使用している場合は、次のコマンドを入力します。

  • transfer download tftpMaxRetries retries

  • transfer download tftpPktTimeout timeout

    (注)   
    10 回の再試行および 6 秒のタイムアウトというデフォルト値は、調整しなくても適切に機能します。ただし、これらの値は変更できます。値を変更するには、TFTP サーバがソフトウェアのダウンロードを試行する最大回数を retries パラメータ、ソフトウェアのダウンロードを試行する時間の合計(秒単位)を timeout パラメータに入力します。

FTP サーバを使用している場合は、次のコマンドも入力します。

  • transfer download username username

  • transfer download password password

  • (オプション)transfer download port port

    (注)   
    port パラメータのデフォルト値は 21 です。
ステップ 9

transfer download start コマンドを入力して、最新の更新された設定を表示します。プロンプトに y と応答して、現在のダウンロード設定を確認し、ソフトウェアのダウンロードを開始します。

ステップ 10

(オプション)ダウンロードが完了したら、アクセス ポイントにイメージをプレダウンロードすることができます。詳細については、「アクセス ポイントへのイメージのプレダウンロード」セクションを参照してください。

ステップ 11

次のコマンドを入力して、コードのアップデートを不揮発性 RAM(NVRAM)に保存し、コントローラをリブートします。

reset system

コントローラのブートアップ プロセスが完了します。

ステップ 12

コントローラがリブートしたら、ステップ 7 から 11 を繰り返して、残りのファイルをインストールします。

ステップ 13

Cisco WiSM2 の場合は、Catalyst スイッチのコントローラ ポート チャネルを再度有効にします。

ステップ 14

ステップ 6 で 802.11 ネットワークを無効にした場合は、次のコマンドを入力して再度有効にします。

config 802.11 {a | b } enable network
ステップ 15

インストールされているコントローラ ソフトウェアを確認するには、show sysinfo コマンドを入力して製品バージョンを確認します。

ステップ 16

(オプション)コントローラにインストールされている Cisco Unified Wireless Network Controller Boot Software ファイルを確認するには、コントローラの CLI で show sysinfo コマンドを入力して、Recovery Image Version または Emergency Image Version を確認します。

(注)   
Cisco Unified Wireless Network Controller Boot Software ER.aes ファイルがインストールされていない場合は、Recovery Image Version または Emergency Image Version には「N/A」と表示されます。

アクセス ポイントへのイメージのプレダウンロード

ネットワークの停止を最小限に抑えるため、アクセス ポイントをリセットしたり、ネットワーク接続を切断したりせずに、アップグレード イメージを Cisco WLC のアクセス ポイントにダウンロードできるようになりました。以前は、アップグレード イメージをコントローラにダウンロードし、コントローラをリセットすると、アクセス ポイントがディスカバリ モードに移行してしまいました。アクセス ポイントで新しいイメージを含む Cisco WLC が検出されると、新しいイメージがダウンロードされ、アクセス ポイントがリセットされ、ディスカバリ モードに移行し、Cisco WLC に再 join されます。

アップグレード イメージを Cisco WLC にダウンロードしてから、ネットワークを稼働したままで、イメージをアクセス ポイントにダウンロードできるようになりました。さらに、指定の期間のあと、または特定の日時に、Cisco WLC およびアクセス ポイントのリブートをスケジュールすることができます。両方のデバイスが稼働している場合は、アクセス ポイントによって Cisco WLC が検出され、再 join されます。

Cisco WLC から AP イメージへの同時アップグレード

この表は、Cisco WLC と AP イメージの最大同時ダウンロード サポートを示します。

Cisco WLC

サポート対象の最大同時 AP イメージ ダウンロード数

Cisco 2504 WLC

75

Cisco 5508 WLC

500

Cisco 5520 WLC

1000

Cisco Flex 7510 WLC

1000

Cisco 8510 WLC

1000

Cisco 8540 WLC

1000

Cisco WiSM2

500

Cisco vWLC

1000

アクセス ポイントのフラッシュ メモリ要件

この表は、Cisco AP モデルとプレダウンロード プロセスが動作するのに必要な最低限の空きフラッシュ メモリを示します。

Cisco AP

最小限必要な空きフラッシュ メモリ

3700(I/E)

16 MB

3600(I/E)

14 MB

3502(I/E)

14 MB

2700(I/E)

16 MB

2602(I/E)

14 MB

1700(I/E)

16 MB

1602(I/E)

12 MB

1262

14 MB

1142

12 MB


(注)  

  • 必要なフラッシュ メモリは、使用されているアンテナの無線タイプと数に左右される場合があります。

  • このプレダウンロード機能は、1242 および 1131 の Cisco AP モデルではサポートされていません。

  • Cisco AP1142 には合計 32 MB のフラッシュ メモリがあり、プレダウンロード機能をサポートできます。

  • AP へのイメージの事前ダウンロード中、一部の AP には現在使用可能な無線ファームウェアを維持するのに十分なメモリが存在しません。それらの AP では、事前ダウンロードされたイメージはフラッシュ メモリにのみ保存されます。無線ファームウェアの現在のイメージやバージョンをホストするために使用可能なその他のメモリはありません。この制限があるのは次の AP です。Cisco Aironet 700、1140、1260、1520、1530、1550、1600、3500、および 3600 シリーズの AP。

    この制限の詳細については、CSCvg41698 を参照してください。

  • CSCvb75682 の修正の一環として、Cisco Aironet 1700、2700、および 3700 シリーズの AP のフラッシュ メモリが 10 Mb 未満で、リカバリ イメージが存在する場合、それらの AP のバックアップ イメージは削除されます。


アクセス ポイントのプレダウンロードのプロセス

アクセス ポイントのプレダウンロード機能は、次のように動作します。

  • コントローラのイメージがダウンロードされます。

    • (オプション)プライマリ イメージはコントローラのバックアップ イメージになり、ダウンロードされたイメージが新しいプライマリ イメージになります。システム障害が発生した場合にコントローラがその最新の動作イメージでブートするように、config boot backup コマンドを使用して現在のブート イメージをバックアップ イメージに変更します。

    • config ap image predownload primary {all | ap-name} コマンドを入力して、join しているすべての AP または特定の AP の AP イメージの事前ダウンロード手順を開始します。

    • アップグレード イメージが AP にバックアップ イメージとしてダウンロードされます。show ap image all コマンドを使用して、これを確認できます。

    • config boot primary コマンドを使用してブート イメージをプライマリ イメージに手動で変更し、アップグレード イメージをアクティブ化するためにコントローラをリブートします。

      または

    • swap キーワードによってスケジュールされたリブートを実行します。swap キーワードには重要な点があります。切り替えはアクセス ポイント上のプライマリおよびバックアップ イメージと、コントローラ上の現在アクティブなイメージおよびバックアップ イメージに起こります。

    • コントローラをリブートすると、アクセス ポイントのアソシエーションが解除され、最終的にアップグレード イメージで起動します。コントローラがアクセス ポイントから送信されたディスカバリ要求に自身のディスカバリ応答パケットで応答すると、アクセス ポイントから join 要求が送信されます。

  • イメージの実際のアップグレードが実行されます。次の順序で処理が実行されます。

    • 起動時に、アクセス ポイントは join request を送信します。

    • コントローラは、実行しているイメージ バージョンと共に join 応答を返します。

    • アクセス ポイントは、自身が実行しているイメージとコントローラで実行されているイメージを比較します。バージョンが一致する場合は、アクセス ポイントはコントローラに join します。

    • バージョンが一致しない場合は、アクセス ポイントはバックアップ イメージのバージョンと比較します。これが一致した場合は、アクセス ポイントではプライマリ イメージとバックアップ イメージを入れ替え、リロードした後、コントローラに join します。

    • アクセス ポイントのプライマリ イメージがコントローラのイメージと同じである場合、アクセス ポイントはリロードし、コントローラに join します。

    • 上記の条件のいずれにも当てはまらない場合は、アクセス ポイントはコントローラにイメージ データ要求を送信し、最新のイメージをダウンロードしてリロードし、コントローラに join します。


(注)  

通常、AP のイメージをアップグレードする際に、プリイメージ ダウンロード機能を使用して、AP がクライアントに対応できない時間を短縮できます。一方、AP はアップグレード中はクライアントに対応できないため、ダウンタイムも増加します。プリイメージ ダウンロード機能は、このダウンしている時間を短縮するために使用することができます。ただし、ブランチ オフィス セットアップの場合、アップグレード イメージは引き続き WAN リンクを介して各 AP にダウンロードされるので、遅延時間が長くなります。

より効率的な方法は、FlexConnect AP イメージ アップグレード機能を使用する方法です。この機能が有効になっている場合、まずローカル ネットワーク内の各モデルの 1 つの AP が、WAN リンクを介してアップグレード イメージをダウンロードします。FlexConnect AP アップグレードの詳細については、「FlexConnect AP Image Upgrades」章を参照してください。


アクセス ポイントへのイメージのプレダウンロードのガイドラインと制約事項

  • 2600、3500、および 3600 AP モデルは、フラッシュに 1 つのイメージのみ保存できます。(プレダウンロード後にコントローラをリブートせずに)AP をリブートすると、現在のイメージがフラッシュにあるプレダウンロードしたイメージで上書きされるため、コントローラから現在のイメージがダウンロードされます。

  • 同時にプレダウンロードできる最大数は、通常のイメージを同時にダウンロードする数の半分に制限されます。この制限により、イメージのダウンロード中に、新しいアクセス ポイントのコントローラに join が可能になります。

  • プレダウンロードの制限に達すると、イメージを取得できなかったアクセス ポイントは 180 ~ 600 秒間スリープ状態になり、その後、再度プレダウンロードが試行されます。

  • プレダウンロードの前に、コントローラが何らかの理由でリブートした場合に、部分的にダウンロードしたアップグレード イメージではなく以前の実行イメージでバックアップされるように、アクティブなコントローラ ブート イメージをバックアップ イメージに変更する必要があります。

  • このプレダウンロード機能は、1242 および 1131 の Cisco AP モデルではサポートされていません。

  • config time コマンドを使用してシステム時刻を変更すると、スケジュール リセットに設定された時刻が無効になり、スケジュールされたシステム リセットはキャンセルされます。時刻を設定する前にスケジュール リセットをキャンセルするか、スケジュール リセットを保持して時刻を設定しないかを選択できます。

  • すべてのプライマリ、セカンダリ、ターシャリ コントローラで、同じイメージをプライマリ イメージとバックアップ イメージとして実行する必要があります。つまり、3 つのコントローラすべてのプライマリ イメージが X で、3 つのコントローラすべてのセカンダリ イメージが Y である必要があり、そうでない場合、機能は有効になりません。

    プライマリ、セカンダリ、およびターシャリ コントローラで実行しているコントローラ ソフトウェアのバージョンが異なっている場合、 N+1 セットアップで利用可能なその他のコントローラに AP がフェールオーバーおよび join する際に不要な長い遅延が追加されます。これは、AP がセカンダリまたはターシャリ コントローラにフェールオーバーする際に、別のイメージ バージョンのダウンロードが強制され、プライマリ コントローラが利用可能になったときに再度 join するためです。

  • リセット時に、いずれかの AP がコントローラ イメージをダウンロードしている場合、スケジュール リセットはキャンセルされます。次のメッセージが表示され、スケジュールされたリセットがキャンセルされた理由が示されます。
    
    %OSAPI-3-RESETSYSTEM_FAILED: osapi_task.c:4458 System will not reset as software is being upgraded.
    
  • 7.2 以降のバージョンのイメージを Cisco Aironet 1240 のアクセス ポイントにプレダウンロードすることは、コントローラの以前のリリースからアップグレードする場合、サポートされません。Cisco Aironet 1240 のアクセス ポイントへのプレダウンロードが実行されると、AP は切断されます。

  • 1550 Mesh AP に対して、64 MB メモリの 1550 と、128 MB メモリの 1550 の 2 つのイメージがあります。コントローラを 7.6 以降のバージョンへアップグレードする間に AP イメージがダウンロードされ、2 回リブートがあります。

  • 7.5 より前のリリースから 7.6.X 以降のリリースへ直接アップグレードすると、Cisco AP 2600 および AP 3600 上のプレダウンロード プロセスは失敗します。コントローラを 7.6.X 以降のリリースにアップグレードすると、Cisco AP2600 および AP3600 に新しいイメージがロードされます。リリース 7.6.X のイメージへアップグレードした後で、プレダウンロード機能が予想どおりに機能します。プレダウンロードが失敗するのは、1 回だけです。

  • リリース 8.2 から 8.4 にアップグレードすると、Cisco AP1700、AP2700、または AP3700 のプレダウンロード プロセスは失敗し、次のエラー メッセージが表示されます。

    Not enough free space to download.

    コントローラを 8.4 でリロードした後も、バックアップ イメージのバージョンは引き続き 3.0 として表示されます。

  • AP でソフトウェア イメージのダウンロードが行われている場合、コントローラ CLI にはダウンロードのステータスは表示されません。イメージのダウンロード プロセス中は、コントローラ CLI から AP に対して行った設定は適用されません。そのため、AP でイメージのダウンロードが進行中の場合は、コントローラ CLI から AP に対する設定を行わないことをお勧めします。

アクセス ポイントへのイメージのプレダウンロード:グローバル コンフィギュレーション(GUI)

AP にイメージをプレダウンロードするには、コントローラ ソフトウェア イメージのアップグレード後、かつコントローラをリブートして新しいイメージを有効にする前に、次の手順を実行する必要があります。

手順


ステップ 1

アクセス ポイントのイメージのプレダウンロードをグローバルに設定するには、[Wireless] > [Access Points] > [Global Configuration] の順に選択して、[Global Configuration] ページを開きます。

ステップ 2

[AP Image Pre-download] セクションで、次のいずれかを実行します。

  • すべてのアクセス ポイントにプライマリ イメージをコントローラからプレダウンロードするよう指示する場合は、[AP Image Pre-download] で [Download Primary] をクリックします。

  • すべてのアクセス ポイントにプライマリ イメージとバックアップ イメージを切り替えるよう指示する場合は、[Interchange Image] をクリックします。

  • コントローラからイメージをダウンロードし、それをバックアップ イメージとして保存する場合は、[Download Backup] をクリックします。

  • プレダウンロード操作を中止するには、[Abort Predownload] をクリックします。

ステップ 3

[OK] をクリックします。

ステップ 4

[Apply] をクリックします。


アクセス ポイントへのイメージのプレダウンロード(CLI)

AP にイメージをプレダウンロードするには、コントローラ ソフトウェア イメージのアップグレード後、かつコントローラをリブートして新しいイメージを有効にする前に、次の手順を実行する必要があります。

手順


ステップ 1

次のいずれかのコマンドを入力して、プレダウンロード イメージを受信する AP を指定します。

  • プレダウンロード先の AP を指定するには、次のコマンドを入力します。

    config ap image predownload {primary | backup} {ap_name | all}

    プライマリ イメージが新しいイメージ、バックアップ イメージが古いイメージです。AP は常にプライマリ イメージでブートされます。

  • AP のプライマリ イメージとバックアップ イメージを切り替えるには、次のコマンドを入力します。

    config ap image swap {ap_name | all}

  • プレダウンロード先に指定された AP の詳細情報を表示するには、次のコマンドを入力します。

    show ap image {all | ap-name}

出力には、プレダウンロード先に指定された AP がリストされ、AP ごとに、プライマリおよびセカンダリ イメージのバージョン、プレダウンロード イメージのバージョン、プレダウンロードの試行時間(必要な場合)、およびプレダウンロードの試行回数が表示されます。また、出力には、各デバイスのプレダウンロードのステータスも示されます。AP のステータスは次のとおりです。

  • None:プレダウンロード先の AP はスケジュールされていません。

  • Predownloading:AP がイメージをプレダウンロードしています。

  • Not supported:AP(1120、1230、および 1310)がプレダウンロードをサポートしていません。

  • Initiated:同時ダウンロード制限数に達したため、AP はプレダウンロード イメージを取得するために待機しています。

  • Failed:AP はプレダウンロードの試行に 64 回失敗しました。

  • Complete:AP がプレダウンロードを完了しました。

ステップ 2

コントローラおよび AP のリブート時間を設定します。

次のいずれかのコマンドを使用して、コントローラおよび AP のリブートをスケジュールします。

  • 次のコマンドを入力して、デバイスをリブートする前の遅延時間を指定します。

    reset system in HH:MM:SS image {swap | no-swap} reset-aps [save-config]

    (注)   

    reset コマンドで swap オペランドを指定すると、コントローラと AP の両方で、プライマリ イメージとバックアップ イメージが切り替えられ、コントローラの次回リブート時にデフォルト フラグが設定されます。

    コントローラによってリセット メッセージがすべての接続 AP に送信されると、コントローラはリセットされます。

  • 次のコマンドを入力して、デバイスがリブートする日付と時刻を指定します。

    reset system at YYYY-MM-DD HH:MM:SS image {swap | no-swap} reset-aps [save-config]

    コントローラからすべての接続 AP にリセット メッセージが送信されると、コントローラはリセットされます。

    (注)   
    reset コマンドで swap オペランドを指定すると、コントローラと AP の両方で、プライマリ イメージとバックアップ イメージが切り替えられます。
  • (オプション)次のコマンドを入力して、次回のリセットを通知する SNMP トラップ メッセージを設定します。

    reset system notify-time minutes

    リセット前に、通知トラップの設定された分数がコントローラから送信されます。

  • 次のコマンドを入力して、スケジュールされたリブートをキャンセルします。

    reset system cancel

    (注)   
    リセット時間を設定して config time コマンドを使用し、コントローラのシステム時間を変更する場合、任意のスケジュールされたリセット時間はキャンセルされるため、システムの設定後にその時間を設定する必要があることがコントローラによって通知されます。

show reset コマンドを使用して、スケジュールされたリセットを表示します。

以下に類似した情報が表示されます。


System reset is scheduled for Apr 08 01:01:01 2010.
Current local time and date is Apr 07 02:57:44 2010.
A trap will be generated 10 minutes before each scheduled system reset.
Use 'reset system cancel' to cancel the reset.
Configuration will be saved before the system reset.


ブートローダおよび回復イメージ

コントローラのデフォルトでは、2 つのソフトウェア イメージ(プライマリ イメージとバックアップ イメージ)が維持されます。プライマリ イメージはコントローラで使用されているアクティブなイメージで、バックアップ イメージはプライマリ(アクティブ)イメージのバックアップとして使用されます。

コントローラのブートローダ(ppcboot)には、プライマリ(アクティブ)イメージとバックアップ イメージのコピーが保存されています。プライマリ イメージが破損した場合は、ブートローダを使用してバックアップ イメージでブートする必要があります。

次の 2 つの方法のいずれかを使用して、アクティブなイメージを変更できます。

  • コントローラに有効なバックアップ イメージがあると仮定して、コントローラをリブートします。コントローラのブート プロセス中に、Esc キーを押して追加のオプションを確認します。次のオプションの中から選択を求められます。

    1. Run primary image

    2. Run backup image

    3. Manually upgrade primary image

    4. Change active boot image

    5. Clear configuration

    ブート メニューからオプション 4:[Change active boot image] を選択して、バックアップ イメージをアクティブなブート イメージとして設定します。コントローラはリブート時に、新しいアクティブなイメージでブートします。

  • config boot {primary | backup } コマンドを使用して、コントローラのアクティブなブート イメージを手動で変更することもできます。

    各コントローラは、以前にロードされたプライマリ OS イメージ、または事前にロードされたバックアップ OS イメージからブートできます。コントローラのブート オプションを変更するには、config boot コマンドを使用します。デフォルトでは、コントローラのプライマリ イメージがアクティブなイメージとして選択されます。


(注)  

ブートローダ メニューを適切に使用するには、コンソール接続が必要です。


ブート順序の設定(GUI)

手順


ステップ 1

Commands] > [Config Boot] を選択して、[Config Boot Image] ページに移動します。このページには、コントローラで現在使用可能なプライマリ イメージとバックアップ イメージが表示され、現在使用中のイメージも表示されます。

ステップ 2

[Image] ドロップダウン リストから、アクティブなイメージとして使用するイメージを選択します。

ステップ 3

設定を保存して、コントローラをリブートします。


  • コントローラはリブート時に、選択したイメージでブートします。

  • 新しいイメージでコントローラをアップグレードすると、コントローラは新しいイメージをプライマリ イメージとして自動的に書き込み、既存のプライマリ イメージでバックアップ イメージが上書きされます。


    (注)  

    既存のバックアップ イメージは失われます。


  • コントローラの GUI で、コントローラが現在使用しているアクティブなイメージを確認するには、[Monitor] > [Summary] を選択して [Summary] ページに移動して、[Software Version] フィールドを参照します。

    コントローラの CLI で show boot コマンドを使用して、コントローラに存在するプライマリ イメージとバックアップ イメージを表示します。

TFTP を使用したアクセス ポイントの回復

回復イメージによって、イメージのアップグレード時に AP 電源の再投入が発生した場合に使用できるバックアップ イメージが提供されます。AP 回復の必要性を回避するには、システム アップグレード時の AP 電源の再投入を防ぐのが最善の方法です。サイズの大きな AP イメージへのアップグレード中に電源の再投入が発生した場合、次の TFTP 回復手順を使用して AP を回復できます。

手順


ステップ 1

必要な回復イメージを Cisco.com からダウンロードして、TFTP サーバのルート ディレクトリにインストールします。

ステップ 2

TFTP サーバをターゲットのアクセス ポイントと同じサブネットに接続して、アクセス ポイントをパワーサイクリングします。アクセス ポイントは TFTP イメージから起動し、次にコントローラに join してサイズの大きなアクセス ポイントのイメージをダウンロードし、アップグレード手順を完了します。

ステップ 3

アクセス ポイントが回復したら、TFTP サーバを削除できます。