DTIM 期間について
802.11 ネットワークでは、Lightweight アクセス ポイントは、Delivery Traffic Indication Map (DTIM) と一致するビーコンを定期的に送信します。アクセス ポイントでビーコンがブロードキャストされると、DTIM 期間で設定した値に基づいて、バッファされたブロードキャスト フレームおよびマルチキャスト フレームが送信されます。この機能により、ブロードキャスト データやマルチキャスト データが予想されると、適切なタイミングで省電力クライアントを再起動できます。
通常、DTIM の値は 1(ブロードキャスト フレームおよびマルチキャスト フレームはビーコンのたびに送信)または 2(ビーコン 1 回おきに送信)のいずれかに設定されます。たとえば、802.11 ネットワークのビーコン間隔が 100 ミリ秒で DTIM 値が 1 に設定されている場合、アクセス ポイントは、バッファされたブロードキャスト フレームおよびマルチキャスト フレームを毎秒 10 回送信します。ビーコン期間が 100ms で DTIM 値が 2 に設定されていると、アクセス ポイントは、バッファされたブロードキャスト フレームおよびマルチキャスト フレームを毎秒 5 回送信します。これらの設定はいずれも、ブロードキャスト フレームおよびマルチキャスト フレームの頻度を想定する、Voice over IP(VoIP)を含むアプリケーションに適しています。
ただし、DTIM 値は、802.11 のすべてのクライアントで省電力モードがイネーブルである場合、255 まで設定できます(255 回のビーコンごとにブロードキャスト フレームおよびマルチキャスト フレームを送信します)。クライアントは DTIM 期間に達したときのみリッスンする必要があるため、ブロードキャストとマルチキャストをリッスンする頻度を少なく設定することで、結果的にバッテリー寿命を長くできます。たとえば、ビーコン期間が 100 ms、DTIM 値を 100 に設定すると、アクセス ポイントは、バッファされたブロードキャスト フレームおよびマルチキャスト フレームを 10 秒ごとに 1 回送信します。このレートにより省電力クライアントで、ブロードキャストとマルチキャストをリッスンし、ウェイク アップするまでのスリープ状態が長くなり、バッテリ寿命を長くできます。
(注) |
ビーコン期間は、controllerでミリ秒単位で指定され、ソフトウェアによって、802.11 の時間単位(TU)(1 TU = 1.024 ミリ秒)に、内部的に変換されます。Cisco の 802.11n アクセス ポイントでは、この値は直近の 17 TU の倍数に丸められます。たとえば、100 ミリ秒に設定されたビーコン間隔は 104 ミリ秒の実際のビーコン間隔の結果です。 |
多くのアプリケーションでは、ブロードキャスト メッセージとマルチキャスト メッセージとの間隔を長くすると、プロトコルとアプリケーションのパフォーマンスが低下します。このようなクライアントをサポートする 802.11 ネットワークでは、低い DTIM 値を推奨します。
特定の WLAN で 802.11 無線ネットワークの DTIM 期間を設定できます。たとえば、音声 WLAN とデータ WLAN に異なる DTIM 値を設定できます。