マルチキャスト/ブロードキャストの設定

マルチキャスト モードの設定

マルチキャスト/ブロードキャスト モードについて

ネットワークがパケット マルチキャストをサポートしている場合は、コントローラで使用されるマルチキャストの方法を設定できます。コントローラは次の 2 つのモードでマルチキャストを実行します。

  • ユニキャスト モード:コントローラにアソシエートしているすべてのアクセス ポイントに、すべてのマルチキャスト パケットがユニキャストされます。このモードは非効率的ですが、マルチキャストをサポートしないネットワークでは必要な場合があります。

  • マルチキャスト モード:マルチキャスト パケットは CAPWAP マルチキャスト グループに送信されます。この方法では、コントローラ プロセッサのオーバーヘッドが軽減され、パケット レプリケーションの作業はネットワークに移されます。これは、ユニキャストを使った方法より、はるかに効率的です。

マルチキャスト モードが有効な場合に、コントローラがマルチキャスト パケットを有線 LAN から受信すると、コントローラは CAPWAP を使用してパケットをカプセル化し、CAPWAP マルチキャスト グループ アドレスへ転送します。コントローラは、必ず管理インターフェイスを使用してマルチキャスト パケットを送信します。マルチキャスト グループのアクセス ポイントはパケットを受け取り、クライアントがマルチキャスト トラフィックを受信するインターフェイスにマップされたすべての BSSID にこれを転送します。アクセス ポイントからは、マルチキャストはすべての SSID に対するブロードキャストのように見えます。

(注)  

リリース 7.5 まで、CAPWAP マルチキャストに使用するポート番号は 12224 でした。リリース 7.6 から、CAPWAP に使用するポート番号が 5247 に変更されました。

コントローラは、IPv6 マルチキャスト用にマルチキャスト リスナー検出(MLD)v1 スヌーピングをサポートします。この機能により、IPv6 マルチキャスト フローが追跡され、フローを要求したクライアントにそれらが配信されます。IPv6 マルチキャストをサポートするには、グローバル マルチキャスト モードを有効にする必要があります。


(注)  

グローバル マルチキャスト モードを無効にしても、ルータの通知や DHCPv6 要求などの IPv6 ICMP メッセージは IPv6 が機能するために必要であるため、コントローラはそれらを転送します。このため、コントローラでグローバル マルチキャスト モードを有効にしても、ICMPv6 と DHCPv6 のメッセージに影響は及ぼされません。これらのメッセージは、グローバル マルチキャスト モードが有効であるかどうかにかかわらず、常に転送されます。


マルチキャスト パケットのダイレクトを向上させるために、Internet Group Management Protocol(IGMP)スヌーピングを使用できます。この機能が有効になっている場合、コントローラは IGMP レポートをクライアントから収集して処理し、レイヤ 3 マルチキャスト アドレスと VLAN 番号を選択した後に IGMP レポートから一意なマルチキャスト グループ ID(MGID)を作成し、その IGMP レポートをインフラストラクチャ スイッチへ送信します。コントローラから送信されるレポートの送信元アドレスには、コントローラがレポートをクライアントから受信したインターフェイスのアドレスが使用されます。次に、コントローラは、アクセス ポイント上のアクセス ポイント MGID テーブルを、クライアント MAC アドレスを使用して更新します。コントローラが特定のマルチキャスト グループのマルチキャスト トラフィックを受信した場合、それをすべてのアクセス ポイントに転送します。ただし、アクティブなクライアントでリッスンしているアクセス ポイント、またはそのマルチキャスト グループへ加入しているアクセス ポイントだけは、その特定の WLAN 上でマルチキャスト トラフィックを送信します。IP パケットは、入力 VLAN および宛先マルチキャスト グループの一意の MGID を使用して転送されます。レイヤ 2 マルチキャスト パケットは、入力インターフェイスの一意の MGID を使用して転送されます。

IGMP スヌーピングが無効になっている場合は、次のようになります。

  • コントローラは、マルチキャスト データをアクセス ポイントへ送信する際は必ずレイヤ 2 MGID を使用します。作成された各インターフェイスは、1 つのレイヤ 2 MGID を割り当てられます。たとえば、管理インターフェイスの MGID は 0 となります。また、作成された 1 つ目の動的インターフェイスに割り当てられる MGID は 8 となり、動的インターフェイスが作成されるにつれて 1 増えます。

  • クライアントからの IGMP パケットはルータへ転送されます。それにより、ルータの IGMP テーブルは、最後のレポータとしてクライアントの IP アドレスで更新されます。

IGMP スヌーピングが有効になっている場合は、次のようになります。

  • コントローラは、アクセス ポイントへ送信されるすべてのレイヤ 3 マルチキャスト トラフィックに必ずレイヤ 3 MGID を使用します。すべてのレイヤ 2 マルチキャスト トラフィックについては、引き続きレイヤ 2 MGID を使用します。

  • ワイヤレス クライアントからの IGMP レポート パケットは、クライアントに対するクエリーを生成するコントローラによって消費または吸収されます。ルータによって IGMP クエリーが送信されると、コントローラによって IGMP レポートが送信されます。このレポートでは、コントローラのインターフェイス IP アドレスがマルチキャスト グループのリスナー IP アドレスとして設定されています。それにより、ルータの IGMP テーブルは、マルチキャスト リスナーとしてコントローラ IP アドレスで更新されます。

  • マルチキャスト グループをリッスンしているクライアントが、あるコントローラから別のコントローラへローミングしたときは、リッスンしているクライアント用のすべてのマルチキャスト グループ情報が、最初のコントローラから 2 番目のコントローラへ送信されます。それにより、2 番目のコントローラは、クライアント用のマルチキャスト グループ情報をただちに作成できます。2 番目のコントローラでは、クライアントがリッスンしていた全マルチキャスト グループのネットワークに IGMP レポートが送信されます。このプロセスは、クライアントへのマルチキャスト データのシームレスな転送に役立ちます。

  • リッスンしているクライアントが、別のサブネットのコントローラにローミングした場合は、マルチキャスト パケットは、Reverse Path Filtering(RPF; 逆方向パス転送)のチェックを避けるために、クライアントのアンカー コントローラへトンネリングされます。アンカーは、マルチキャスト パケットをインフラストラクチャ スイッチへ転送します。


    (注)  

    MGID はコントローラ固有です。2 つの異なるコントローラの同一 VLAN から送られて来る同一マルチキャスト グループのパケットは、2 つの異なる MGID へマップされる可能性があります。



    (注)  

    レイヤ 2 マルチキャストが有効になっている場合は、同じインターフェイスから送信されるすべてのマルチキャスト アドレスに単一の MGID が割り当てられます。



    (注)  

    Cisco WLC の VLAN ごとにサポートされるマルチキャスト アドレス数は 100 です。

マルチキャスト モードの設定の制約事項

  • シスコ ワイヤレス ソリューションでは、特定の目的に対して次の IP アドレス範囲の一部を使用します。マルチキャスト グループの設定時には、この範囲を覚えておく必要があります。

    • 224.0.0.0 ~ 224.0.0.255:予約済みリンクのローカル アドレス

    • 224.0.1.0 ~ 238.255.255.255:グローバル スコープのアドレス

    • 239.0.0.0 ~ 239.255.x.y /16:限定スコープのアドレス

  • Cisco WLC でマルチキャスト モードを有効にする場合は、CAPWAP マルチキャスト グループ アドレスも設定する必要があります。AP は、IGMP を使用して CAPWAP マルチキャスト グループに加入します。

  • Cisco アクセス ポイント 1100、1130、1200、1230、および 1240 は、IGMP バージョン 1、2、および 3 を使用します。

  • モニタ モード、スニファ モード、または不正検出モードの AP は、CAPWAP マルチキャスト グループ アドレスには参加しません。

  • コントローラ上で設定されている CAPWAP マルチキャスト グループは、コントローラごとに異なっている必要があります。

  • Lightweight AP は、最も高く設定された必須データ レートでマルチキャスト パケットを送信します。

    マルチキャスト フレームは MAC レイヤで再送信されないため、セルの端のクライアントはマルチキャスト フレームを正常に受信できない場合があります。信頼性の高い受信が目的の場合、マルチキャスト フレームを低いデータ レートで送信する必要があります。高いデータ レートのマルチキャスト フレームをサポートする必要がある場合、セル サイズを縮小して低いデータ レートをすべて無効にすることが役立つ場合があります。

    要件に応じて、次の処置が可能です。

    • 信頼性を最大限に高めてマルチキャスト データを送信する必要があって、マルチキャストの帯域幅は大きくする必要がない場合、単一の Basic レートを設定し、無線セルの端に到達するために十分な低さにします。

    • 特定のスループットを達成するために特定のデータ レートでマルチキャスト データを送信する必要がある場合、そのレートを最高の Basic レートとして設定できます。また、マルチキャスト以外のクライアントのカバレッジのために、低い Basic レートを設定することも可能です。

  • マルチキャスト モードは、ゲスト トンネリングなどのサブネット間のモビリティ イベントでは動作しません。ただし、RADIUS を使用したインターフェイスの上書き(IGMP スヌーピングが有効になっている場合のみ)またはサイト専用の VLAN(アクセス ポイント グループ VLAN)では動作します。

  • LWAPP では、コントローラは UDP 制御ポート 12223 に送信されたマルチキャスト パケットをドロップします。CAPWAP では、コントローラは UDP 制御ポート 5246 とデータ ポート 5247 に送信されたマルチキャスト パケットをドロップします。したがって、これらのポート番号をネットワーク上のマルチキャスト アプリケーションで使用しないようにしてください。

  • ネットワーク上のマルチキャスト アプリケーションには、コントローラ上で CAPWAP マルチキャスト グループ アドレスとして設定されたマルチキャスト アドレスを使用しないことをお勧めします。

  • Cisco 2504 WLC 上でマルチキャストが機能するためには、マルチキャスト IP アドレスを設定する必要があります。

  • マルチキャスト モードは Cisco Flex 7500 シリーズ WLC ではサポートされません。

  • IGMP および MLD スヌーピングは Cisco Flex 7510 WLC ではサポートされません。

  • Cisco 8510 WLC の場合:

    • 中央スイッチングのクライアントを備えた FlexConnect AP で IPv6 サポートが必要な場合は、マルチキャスト-ユニキャストを有効にする必要があります。

    • グローバル マルチキャストが無効な場合のみ、マルチキャスト モードからマルチキャスト-ユニキャスト モードへ変更することができます。これは、IGMP または MLD スヌーピングがサポートされていないことを意味します。

    • FlexConnect AP は、マルチキャスト-マルチキャスト グループと関連しません。

    • IGMP または MLD スヌーピングは、FlexConnect AP ではサポートされません。IGMP および MLD スヌーピングは、マルチキャスト-マルチキャスト モードのローカル モード AP に対してのみ許可されます。

    • VideoStream では IGMP または MLD スヌーピングが必要なため、マルチキャスト-マルチキャスト モードおよびスヌーピングが有効な場合は、ローカル モードでのみ VideoStream 機能が動作します。

  • マルチキャスト グループでは、マルチキャスト音声が開始されると、受信者にはマルチキャスト音声の最初の 2 秒が聞こえません。回避策としては、Cisco AP を小規模導入向けの FlexConnect + ローカル スイッチング モードに設定することをお勧めします。

  • 参加の遅延を抑えるには、Cisco WLC で IPv6 を無効にすることをお勧めします。

  • マルチキャスト モードがマルチキャスト-マルチキャストで、CAPWAP に IPv4 および IPv6 がある場合、FlexConnect AP はマルチキャスト グループに参加しません。Cisco 5508 および 8510 WLC の場合は、マルチキャスト-マルチキャスト モードを無効にして、マルチキャスト-ユニキャスト モードを有効にできます。Cisco Flex 7510 WLC の場合は、マルチキャスト-マルチキャスト構成は存在しません。中央のスイッチング クライアントに参加しているマルチキャスト-マルチキャスト モードの FlexConnect AP では、データ スループットが 0 ~ 13 % 削減されます。

  • 50 を超える AP がまとめて接続されている Cisco WLC セットアップでは、ブロードキャスト-ユニキャストまたはマルチキャスト-ユニキャスト モードを使用しないことをお勧めします。

    Cisco WLC セットアップで AP が 50 を超える場合、各マルチキャストまたはブロードキャスト トラフィックが AP それぞれに複製されるため、Cisco WLC と AP 間の CAPWAP 制御メッセージは遅延する可能性があります。CAPWAP 制御メッセージの遅延により、クライアント アソシエーションまたは 802.1X 認証は 1 ~ 3 秒間遅延します。この結果、クライアントに認証プロンプトまたはエラー メッセージが繰り返し表示されます。

  • ローカルおよび FlexConnect AP モードを使用している場合、Cisco WLC のマルチキャスト サポートはプラットフォームによって異なります。

    マルチキャスト転送に影響のあるパラメータは次のとおりです。

    • Cisco WLC プラットフォーム。

    • Cisco WLC のグローバル AP マルチキャスト モード設定。

    • AP のモード:ローカル、FlexConnect 中央スイッチング。

    • ローカル スイッチングについては、Cisco WLC 間でパケットは送受信されないため、Cisco WLC に設定されているマルチキャスト モードは問題になりません。


      (注)  

      FlexConnect モード AP は、Cisco WLC で設定されているマルチキャスト グループ アドレスに参加できません。そのため、FlexConnect モード AP は Cisco WLC によって送信されるマルチキャスト パケットを受信できません(FlexConnect 中央スイッチングによって送信されるマルチキャスト パケットはローカル モード AP で受信されます)。マルチキャストを FlexConnect 中央スイッチングに転送する必要がある場合は、AP モードをマルチキャスト-ユニキャストに設定する必要があります。この設定は、ローカル モード AP に適用可能なためグローバルです。


  • マルチキャストおよび IP アドレスの検証はリリース 8.2.100.0 で導入されて有効になっているため、Cisco WLC から一部の古い設定をダウンロードすることはできません。グローバル マルチキャストおよびマルチキャスト モードのプラットフォームのサポートについては、次の表を参照してください。

    表 1. グローバル マルチキャストおよびマルチキャスト モードのプラットフォームのサポート

    プラットフォーム

    グローバル マルチキャスト

    マルチキャスト モード

    サポートあり

    Cisco 5520、8510、および 8540 WLC

    イネーブル

    ユニキャスト

    いいえ

    イネーブル

    マルチキャスト

    Yes

    ディセーブル

    ユニキャスト

    マルチキャストのサポートなし(設定はサポート)

    無効

    マルチキャスト

    マルチキャストのサポートなし(設定はサポート)

    Cisco Flex 7510 WLC

    グローバル マルチキャストを有効にすることはできません。ユニキャスト モードのみがサポートされます。また、AP マルチキャスト モードをマルチキャスト-マルチキャストに変更することはできません。

    Cisco 2504 WLC

    マルチキャスト モードのみサポートされます。

    Cisco vWLC

    マルチキャストはサポートされていません。ユニキャスト モードのみサポートされます。

    Cisco 3504 WLC および Cisco 5508 WLC

    イネーブル

    ユニキャスト

    Yes

    イネーブル

    マルチキャスト

    Yes

    ディセーブル

    ユニキャスト

    Yes

    ディセーブル

    マルチキャスト

    なし

マルチキャスト モードの有効化(GUI)

手順


ステップ 1

[Controller] > [Multicast] の順に選択して [Multicast] ページを開きます。

ステップ 2

[Enable Global Multicast Mode] チェックボックスをオンにして、マルチキャスト パケットの送信を設定します。デフォルト値は [disabled] です。

(注)   

FlexConnect では、ユニキャスト モードのみがサポートされています。

ステップ 3

IGMP スヌーピングを有効にする場合は、[Enable IGMP Snooping] チェックボックスをオンにします。IGMP スヌーピングを無効にする場合は、チェックボックスをオフのままにします。デフォルト値は [disabled] です。

ステップ 4

IGMP タイムアウトを設定するには、30 ~ 7200 秒の範囲内の値を [IGMP Timeout] テキスト ボックスに入力します。特定のマルチキャスト グループに対してクライアントが存在するかどうかを確認するために、コントローラから、1 つのタイムアウト値につき 3 つのクエリーが timeout/3 の間隔で送信されます。クライアントから、IGMP レポートを通じて応答を受け取らなかった場合、コントローラはこのクライアントのエントリを MGID テーブルからタイムアウトします。特定のマルチキャスト グループに対するクライアントが残されていない場合、クライアントは IGMP タイムアウト値が経過するまで待ってから、コントローラから MGID エントリを削除します。一般的な IGMP クエリー(つまり、宛先アドレス 224.0.0.1)がコントローラによって必ず生成され、MGID 値 1 を使用してすべての WLAN 上で送信されます。

ステップ 5

IGMP クエリー間隔(秒数)を入力します。

ステップ 6

[Enable MLD Snooping] チェックボックスをオンにして、IPv6 の転送先の決定をサポートします。

(注)   

MLD スヌーピングを有効にするには、コントローラのグローバル マルチキャスト モードを有効にする必要があります。

ステップ 7

[MLD Timeout] テキスト ボックスで、30 ~ 7200 秒の範囲内の値を入力して MLD タイムアウトを設定します。

ステップ 8

[MLD Query Interval](秒数)を入力します。有効な範囲は、15 ~ 2400 秒です。

ステップ 9

[Apply] をクリックします。

ステップ 10

[Save Configuration] をクリックします。


マルチキャスト モードの有効化(CLI)

手順


ステップ 1

次のコマンドを入力して、コントローラ上でマルチキャストを有効または無効にします。

config network multicast global {enable | disable }

デフォルト値は [disabled] です。

(注)   

config network broadcast {enable | disable } コマンドを使用すると、マルチキャスティングを有効または無効にすることなく、ブロードキャスティングを有効または無効にすることができます。このコマンドは、現在コントローラで使用されているマルチキャスト モードを使用して動作します。

ステップ 2

次のいずれかを実行します。

  1. 次のコマンドを入力して、マルチキャスト パケットを送信するために、ユニキャスト方式を使用するようにコントローラを設定します。

    config network multicast mode unicast

  2. 次のコマンドを入力して、マルチキャスト パケットを CAPWAP マルチキャスト グループに送信するために、マルチキャスト方式を使用するようにコントローラを設定します。

    config network multicast mode multicast multicast_group_ip_address

ステップ 3

次のコマンドを入力して、IGMP スヌーピングを有効または無効にします。

config network multicast igmp snooping {enable | disable }

デフォルト値は [disabled] です。

ステップ 4

次のコマンドを入力して、IGMP タイムアウト値を設定します。

config network multicast igmp timeout timeout

timeout には、30 ~ 7200 秒の値を入力できます。特定のマルチキャスト グループに対してクライアントが存在するかどうかを確認するために、コントローラから、1 つのタイムアウト値につき 3 つのクエリが timeout /3 の間隔で送信されます。クライアントから、IGMP レポートを通じて応答を受け取らなかった場合、コントローラはこのクライアントのエントリを MGID テーブルからタイムアウトします。特定のマルチキャスト グループに対するクライアントが残されていない場合、クライアントは IGMP タイムアウト値が経過するまで待ってから、コントローラから MGID エントリを削除します。一般的な IGMP クエリー(つまり、宛先アドレス 224.0.0.1)がコントローラによって必ず生成され、MGID 値 1 を使用してすべての WLAN 上で送信されます。

ステップ 5

次のコマンドを入力して、レイヤ 2 マルチキャストを有効または無効にします。

config network multicast l2mcast {enable {all | interface-name} | disable }
ステップ 6

次のコマンドを入力して、MLD スヌーピングを有効または無効にします。

config network multicast mld snooping {enable | disable }

デフォルト値は [disabled] です。

(注)   

MLD スヌーピングを有効にするには、コントローラのグローバル マルチキャスト モードを有効にする必要があります。

ステップ 7

次のコマンドを入力して、MLD タイムアウト値を設定します。

config network multicast mld timeout timeout

[MLD Query Interval](秒数)を入力します。有効な範囲は、15 ~ 2400 秒です。

ステップ 8

次のコマンドを入力して、変更を保存します。

save config

マルチキャスト グループの表示(GUI)

手順


ステップ 1

[Monitor] > [Multicast] の順に選択します。[Multicast Groups] ページが表示されます。

このページには、すべてのマルチキャスト グループとそれらに対応する MGID が表示されます。

ステップ 2

特定の MGID(MGID 550 など)のリンクをクリックすると、その MGID のマルチキャスト グループに接続されているすべてのクライアントの一覧が表示されます。


マルチキャスト グループの表示(CLI)

手順


ステップ 1

次のコマンドを入力して、すべてのマルチキャスト グループとそれらに対応する MGID を表示します。

show network multicast mgid summary

以下に類似した情報が表示されます。


Layer2 MGID Mapping:
-------------------
InterfaceName                    vlanId   MGID
-------------------------------- ------   ----
management                       0        0
test                             0        9
wired                            20       8

Layer3 MGID Mapping:
-------------------
Number of Layer3 MGIDs........................... 1

 Group address    Vlan  MGID
 ---------------  ----  ----
 239.255.255.250  0     550

ステップ 2

次のコマンドを入力して、特定の MGID のマルチキャスト グループに接続されているすべてのクライアントを表示します。

show network multicast mgid detail mgid_value

mgid_value パラメータは、550 ~ 4095 の数値です。

以下に類似した情報が表示されます。


Mgid........................................ 550
Multicast Group Address..................... 239.255.255.250
Vlan........................................ 0
Rx Packet Count............................. 807399588
No of clients............................... 1
Client List.................................
        Client MAC             Expire Time (mm:ss)
        00:13:02:23:82:ad      0:20

アクセス ポイントのマルチキャスト クライアント テーブルの表示(CLI)

ローミング イベントのトラブルシューティングに役立つ、アクセス ポイントのマルチキャスト クライアント テーブルを表示するには、アクセス ポイントのリモート デバッグをコントローラから実行します。

手順


ステップ 1

次のコマンドを入力して、アクセス ポイントのリモート デバッグを開始します。

debug ap enable Cisco_AP

ステップ 2

次のコマンドを入力して、アクセス ポイント上のすべての MGID の一覧と、WLAN ごとのクライアント数を表示します。

debug ap command “show capwap mcast mgid all” Cisco_AP

ステップ 3

次のコマンドを入力して、アクセス ポイント上の MGID ごとのクライアント一覧と、WLAN ごとのクライアント数を表示します。

debug ap command “show capwap mcast mgid id mgid_value Cisco_AP


メディア ストリーム

VideoStream について

IEEE 802.11 ワイヤレス マルチキャスト配信メカニズムには、パケットの消失や破損を認識するための、信頼できる方法がありません。結果として、無線配信中にマルチキャスト パケットが消失しても再送されないため、IP マルチキャスト ストリームが表示できなくなることがあります。

VideoStream 機能では、マルチキャスト フレームをユニキャスト ストリームにワイヤレスで変換することで、IP マルチキャスト ストリームのワイヤレス配信を信頼できるものにします。VideoStream クライアントは、それぞれビデオ IP マルチキャスト ストリームの受信を認識します。

VideoStream の前提条件

マルチキャスト機能が有効であることを確認します。コントローラ上の IP マルチキャストは multicast-multicast モードで設定することをお勧めします。

クライアント マシン上の IP アドレスを確認します。マシンには、それぞれの VLAN の IP アドレスが必要です。

アクセス ポイントがコントローラに join していることを確認します。

クライアントが 802.11n の速度で設定された WLAN に関連づけられることを確認します。

VideoStream の設定に関する制限

VideoStream は、7.0.98.0 以降のコントローラ ソフトウェア リリースでサポートされています。

Cisco OEAP-600 は VideoStream をサポートしません。他のすべてのアクセス ポイントは VideoStream をサポートします。

VideoStream の設定(GUI)

手順


ステップ 1

次の手順に従って、マルチキャスト機能を設定します。

  1. [Wireless] > [MediaStream] > [General] を選択します。

  2. [Multicast Direct feature] チェックボックスをオンまたはオフにします。デフォルト値は [disabled] です。

    (注)   

    マルチキャスト ダイレクト機能をイネーブルにしても、既存のクライアントの状態は自動的にリセットされません。コントローラでマルチキャスト ダイレクト機能を有効にした後、ワイヤレス クライアントはマルチキャスト ストリームを再 join する必要があります。

  3. [Session Message Config] 領域で、[Session announcement State] チェックボックスをオンにしてセッション通知メカニズムを有効にします。セッション通知の状態が有効になっている場合、コントローラがクライアントにマルチキャスト ダイレクト データを提供できない場合は常にクライアントに通知されます。

  4. [Session announcement URL] テキスト ボックスには、マルチキャスト メディア ストリーム伝送中にエラーが発生した場合にクライアントが詳細情報を見つけられる URL を入力します。

  5. [Session announcement e-mail] テキスト ボックスには、連絡が可能な人物の電子メール アドレスを入力します。

  6. [Session announcement Phone] テキスト ボックスには、連絡が可能な人物の電話番号を入力します。

  7. [Session announcement Note] テキスト ボックスには、特定のクライアントにマルチキャスト メディアを提供できない理由を入力します。

  8. [Apply] をクリックします。

ステップ 2

次の手順に従って、メディア ストリームを追加します。

  1. [Wireless] > [Media Stream] > [Streams] を選択して [Media Stream] ページを開きます。

  2. 新しいメディア ストリームを設定するには、[Add New] をクリックします。[Media Stream > New] ページが表示されます。

    (注)   

    [Stream Name]、[Multicast Destination Start IP Address (IPv4 or IPv6)]、および [Multicast Destination End IP Address (IPv4 or IPv6)] テキスト ボックスは必須です。これらのテキスト ボックスに情報を入力する必要があります。

  3. [Stream Name] テキスト ボックスに、メディア ストリーム名を入力します。ストリーム名には最大 64 文字を使用できます。

  4. [Multicast Destination Start IP Address (IPv4 or IPv6)] テキスト ボックスに、マルチキャスト メディア ストリームの開始 IPv4 アドレスまたは IPv6 アドレスを入力します。

  5. [Multicast Destination End IP Address(IPv4 or IPv6)] テキスト ボックスに、マルチキャスト メディア ストリームの終了 IPv4 アドレスまたは IPv6 アドレスを入力します。

    (注)   

    マルチキャスト宛先の開始 IP と終了 IP のアドレスが同じタイプであることを確認します。つまり、両方のアドレスが IPv4 または IPv6 タイプのいずれかである必要があります。

  6. [Maximum Expected Bandwidth] テキスト ボックスに、メディア ストリームに割り当てる、予想される最大帯域幅を入力します。値は 1 ~ 35000 kbps の範囲で指定できます。

    (注)   

    コントローラにメディア ストリームを追加するには、テンプレートを使用することをお勧めします。

  7. [Resource Reservation Control (RRC) Parameters] の下の [Select from Predefined Templates] ドロップダウン リストから次のオプションの 1 つを選択して、リソース予約コントロールの詳細を指定します。

    • Very Coarse(300 kbps 以下)

    • Coarse(500 kbps 以下)

    • Ordinary(750 kbps 以下)

    • Low(1 Mbps 以下)

    • Medium(3 Mbps 以下)

    • High(5 Mbps 以下)

      (注)   

      ドロップダウン リストから事前定義済みのテンプレートを選択すると、[Resource Reservation Control (RRC) Parameters] の下の次のテキスト ボックスにテンプレートで割り当てるデフォルト値がリスト表示されます。

    • [Average Packet Size (100-1500 bytes)]:平均パケット サイズを指定します。値の範囲は 100 ~ 1500 バイトです。デフォルト値は 1200 です。

    • [RRC Periodic update]:RRC(Resource Reservation Control Check)の定期的な更新をイネーブルにします。デフォルトで、このオプションは有効になっています。RRC は正しいチャネル ロードに従って許可されたストリームのアドミッション決定を定期的に更新します。結果として、特定の優先順位の低い許可されたストリームの要求が拒否される場合があります。

    • [RRC Priority (1-8)]:メディア ストリーム内の優先順位ビットを指定します。優先順位は 1 ~ 8 の間の任意の数値に設定できます。値が大きくなるほど、優先順位が高くなります。たとえば、1 が最低値で、8 が最高値です。デフォルトのプライオリティは 4 です。優先順位の低いストリームは RRC 定期更新で拒否される場合があります。

    • [Traffic Profile Violation]:再 RRC 後に違反した場合に実行される動作を指定します。ドロップダウン リストから動作を選択します。表示される値は次のとおりです。

      [Drop]:定期的な再評価でストリームがドロップされるように指定します。

      [Fallback]:定期的な再評価でストリームがベスト エフォート クラスに降格されるよう指定します。

      デフォルト値は [Drop] です。

  8. [Apply] をクリックします。

ステップ 3

次の手順に従って、メディア ストリームのマルチキャスト ダイレクトを有効にします。

  1. [WLANs] > [WLAN ID] の順に選択して、[WLANs > Edit] ページを開きます。

  2. [QoS] タブをクリックして [Quality of Service (QoS)] ドロップダウン リストから [Gold (Video)] を選択します。

  3. [Apply] をクリックします。

ステップ 4

次の手順に従って、EDCA パラメータを設定して、音声とビデオを最適化します(任意)。

  1. [Wireless] > [802.11a/n/ac] または [802.11b/g/n] > [EDCA Parameters] の順に選択します。

  2. [EDCA Profile] ドロップダウン リストで、[Voice and Video Optimized] オプションを選択します。

  3. [Apply] をクリックします。

ステップ 5

次の手順に従って、ビデオの帯域でアドミッション コントロールをイネーブルにします(任意)。

(注)   

パフォーマンスを上げるために、音声の帯域割り当ては最低のままにしてください。

  1. [Wireless] > [802.11a/n/ac] または [802.11b/g/n] > [Media] の順に選択して、[802.11a/n (5 GHZ)(または 802.11b/g/n) > Media] ページを開きます。

  2. [Video] タブをクリックします。

  3. この無線帯域で帯域幅ベースの CAC を有効にするには、[Admission Control (ACM)] チェックボックスをオンにします。デフォルト値は [disabled] です。

  4. [Apply] をクリックします。

ステップ 6

次の手順に従って、ビデオ帯域幅を設定します。

(注)   

メディア ストリームに対して設定するテンプレート帯域幅は、メディア ストリームのソースの帯域幅より大きくする必要があります。

(注)   

音声の設定はオプションです。パフォーマンスを上げるために、音声の帯域割り当ては最低のままにしてください。

  1. すべての WMM WLAN をディセーブルにします。

  2. [Wireless] > [802.11a/n/ac] または [802.11b/g/n] > [Media] の順に選択して、[802.11a/n/ac (5 GHZ)(または 802.11b/g/n) > Media] ページを開きます。

  3. [Video] タブをクリックします。

  4. この無線帯域でビデオの CAC を有効にするには、[Admission Control (ACM)] チェックボックスをオンにします。デフォルト値は [disabled] です。

  5. [Max RF Bandwidth] フィールドに、この無線帯域でビデオ アプリケーション用にクライアントに割り当てられる最大帯域幅の割合を入力します。指定された値に達すると、アクセス ポイントはこの無線帯域での新しい要求を拒否します。

  6. 範囲は 5 ~ 85 % です。

  7. デフォルト値は 9 % です。

  8. [Apply] をクリックします。

  9. すべての WMM WLAN を有効にし、[Apply] をクリックします。

ステップ 7

次の手順に従って、メディア帯域幅を設定します。

  1. [Wireless] > [802.11a/n/ac] または [802.11b/g/n] > [Media] の順に選択して、[802.11a(または 802.11b) > Media > Parameters] ページを開きます。

  2. [Media] タブをクリックして、[Media] ページを開きます。

  3. [Unicast Video Redirect] チェックボックスをオンにして、ユニキャスト ビデオ リダイレクトを有効にします。デフォルト値は [disabled] です。

  4. [Maximum Media Bandwidth (0-85%)] テキスト ボックスに、この無線帯域でメディア アプリケーション用に割り当てられる最大帯域幅の割合を入力します。クライアントが指定値に達すると、この無線帯域上での新しいコールはアクセス ポイントで拒否されます。

  5. デフォルト値は 85 % です。有効な値は 0 ~ 85 % です。

  6. [Client Minimum Phy Rate] テキスト ボックスに、クライアントへの最小伝送データ レートを入力します。伝送データ レートが PHY レートを下回ると、ビデオが開始されないか、クライアントが不良クライアントとして分類される場合があります。不良クライアント ビデオは、より良いエフォートの QoS のために降格されたり、拒否される可能性があります。

  7. [Maximum Retry Percent (0-100%)] テキスト ボックスに、許可される最大再試行の割合を入力します。デフォルト値は 80 です。80 を超えると、ビデオが開始されないか、クライアントが不良クライアントとして分類される場合があります。不良クライアント ビデオは、より良いエフォートの QoS のために降格されたり、拒否される可能性があります。

  8. [Multicast Direct Enable] フィールドを有効にするには、[Multicast Direct Enable] チェックボックスをオンにします。デフォルト値はイネーブルです。

  9. [Max Streams per Radio] ドロップダウン リストで無線ごとに許可されるストリームの最大数を 0 ~ 20 の範囲から選択します。デフォルト値は [No-limit] に設定されています。[No-limit] を選択した場合、クライアント サブスクリプションの数に制限はありません。

  10. [Max Streams per Client] ドロップダウン リストでクライアントごとに許可されるストリームの最大数を 0 ~ 20 の範囲から選択します。デフォルト値は [No-limit] に設定されています。[No-limit] を選択した場合、クライアント サブスクリプションの数に制限はありません。

  11. ベスト エフォート Quality Of Service アドミッションをイネーブルにするには、[Best Effort QoS Admission] チェックボックスをオンにします。

  12. [Apply] をクリックします。

ステップ 8

次の手順に従って、WLAN を有効にします。

  1. [WLANS] > [WLAN ID] の順に選択します。[WLANs] > [Edit] ページが表示されます。

  2. [Status] チェックボックスをオンにします。

  3. [Apply] をクリックします。

ステップ 9

次の手順に従って、802.11a/n/ac または 802.11b/g/n ネットワークを有効にします。

  1. [Wireless] > [802.11a/n/ac] または [802.11b/g/n] > [Network] の順に選択します。

  2. [802.11a(または 802.11b/g)Network Status] チェックボックスをオンにして、ネットワーク ステータスを有効にします。

  3. [Apply] をクリックします。

ステップ 10

次の手順に従って、クライアントがマルチキャスト グループおよびグループ ID に関連付けられていることを確認します。

  1. [Monitor] > [Clients] を選択します。[Clients] ページが表示されます。

  2. 802.11a/n/ac または 802.11b/g/n ネットワーク クライアントに関連付けられたアクセス ポイントがあるかどうかを確認します。

  3. [Monitor] > [Multicast] の順に選択します。[Multicast Groups] ページが表示されます。

  4. クライアントへの VideoStream のための [MGID] チェックボックスをオンにします。

  5. [MGID] をクリックします。[Multicast Group Detail] ページが表示されます。マルチキャスト ステータスの詳細を確認します。


VideoStream の設定(CLI)

手順


ステップ 1

次のコマンドを入力して、WLAN メディア ストリーム上でマルチキャストダイレクト機能を設定します。

config wlan media-stream multicast-direct {wlan_id | all } {enable | disable }

ステップ 2

次のコマンドを入力して、マルチキャスト機能を有効または無効にします。

config media-stream multicast-direct {enable | disable }

ステップ 3

次のコマンドを入力して、さまざまなメッセージ設定パラメータを設定します。

config media-stream message {state [enable | disable ] | url url | email email | phone phone _number | note note}

ステップ 4

次のコマンドを入力して、変更を保存します。

save config

ステップ 5

次のコマンドを入力して、さまざまなグローバル メディア ストリーム設定を行います。

config media-stream add multicast-direct stream-name media_stream_name start_IP end_IP [template {very-coarse | coarse | ordinary | low-resolution | med-resolution | high-resolution } | detail { Max_bandwidth bandwidth | packet size packet_size | Re-evaluation re-evaluation {periodic | initial}} video video priority {drop | fallback }

  • テンプレートに割り当てられた値に基づいて、Resource Reservation Control(RRC)パラメータが事前定義済みの値と共に割り当てられます。

  • RRC パラメータをメディア ストリームに割り当てるために、次のテンプレートを使用します。

    • Very Coarse(3000 kbps 以下)

    • Coarse(500 kbps 以下)

    • Ordinary(750 kbps 以下)

    • Low Resolution(1 mbps 以下)

    • Medium Resolution(3 mbps 以下)

    • High Resolution(5 mbps 以下)

ステップ 6

次のコマンドを入力して、メディア ストリームを削除します。

config media-stream delete media_stream_name

ステップ 7

次のコマンドを入力して、特定の Enhanced Distributed Channel Access(EDC)プロファイルを有効にします。

config advanced { 801.11a | 802.11b } edca-parameters optimized-video-voice

ステップ 8

次のコマンドを入力して、目的の帯域幅のアドミッション コントロールを有効にします。

  • 次のコマンドを入力して、802.11a または 802.11b/g ネットワークの帯域幅ベースの音声 CAC を有効にします。

    config {802.11a | 802.11b } cac voice acm enable

  • 次のコマンドを入力して、802.11a または 802.11b/g ネットワーク上で音声アプリケーション用にクライアントに割り当てられた最大帯域幅の割合を設定します。

    config {802.11a | 802.11b } cac voice max-bandwidth bandwidth

  • 次のコマンドを入力して、802.11a または 802.11b/g ネットワーク上でローミングする音声クライアント用に予約された最大割り当て帯域幅の割合を設定します。

    config {802.11a | 802.11b } cac voice roam-bandwidth bandwidth

(注)   

ビデオ通話用の TSpec ベースおよび SIP ベースの CAC の場合は、静的な方式のみがサポートされます。

ステップ 9

次のコマンドを入力して、無線および/またはクライアントごとのストリームの最大数を設定します。

  • 次のコマンドを入力して、無線ごとのマルチキャスト ストリーム数の最大制限値を設定します。

    config {802.11a | 802.11b } media-stream multicast-direct radio-maximum [value | no-limit ]

  • 次のコマンドを入力して、クライアントごとのマルチキャスト ストリームの最大数を設定します。

    config {802.11a | 802.11b } media-stream multicast-direct client-maximum [value | no-limit ]

ステップ 10

次のコマンドを入力して、変更を保存します。

save config


メディア ストリームの表示とデバッグ

手順


ステップ 1

次のコマンドを入力して、設定されたメディア ストリームを参照します。

show wlan wlan_id

ステップ 2

次のコマンドを入力して、メディア ストリーム名の詳細を参照します。

show 802.11{a | b | h} media-stream media-stream_name

ステップ 3

次のコマンドを入力して、メディア ストリームのクライアントを参照します。

show 802.11a media-stream client media-stream-name

ステップ 4

次のコマンドを入力して、メディア ストリームとクライアント情報のサマリーを参照します。

show media-stream group summary

ステップ 5

次のコマンドを入力して、特定のメディア ストリーム グループについての詳細を参照します。

show media-stream group detail media_stream_name

ステップ 6

次のコマンドを入力して、802.11a または 802.11b メディア リソース予約設定の詳細を参照します。

show {802.11a | 802.11b} media-stream rrc

ステップ 7

次のコマンドを入力して、メディア ストリーム履歴のデバッグを有効にします。

debug media-stream history {enable | disable}


マルチキャスト ドメイン ネーム システムの設定

マルチキャスト ドメイン ネーム システムについて

マルチキャスト ドメイン ネーム システム(mDNS)サービス ディスカバリは、ローカル ネットワークでサービスを通知し、検出する手段を提供します。mDNS サービス ディスカバリを使用すれば、ワイヤレス クライアントは、別のレイヤ 3 ネットワーク上でアドバタイズされた Apple プリンタや Apple TV などの Apple サービスにアクセスすることができます。mDNS は IP マルチキャスト経由で DNS クエリを実行します。また、mDNS は 0 設定 IP ネットワーキングをサポートします。通常どおり、mDNS は宛先アドレスとしてマルチキャスト IP アドレス 224.0.0.251 を使用し、UDP 宛先ポートとして 5353 を使用します。

Location Specific Services(ロケーション固有サービス)

mDNS サービス アドバタイズメントの処理および mDNS クエリー パケットは、ロケーション固有サービス(LSS)をサポートしています。コントローラが受信するすべての有効な mDNS サービス アドバタイズメントは、新しいエントリをサービス プロバイダーのデータベースに挿入する際に、サービス プロバイダーからのサービス アドバタイズメントに関連付けられた AP の MAC アドレスにタグ付けされます。クライアント クエリーに対する応答記述では、クエリー送信するクライアントに関連付けられた AP の MAC アドレスを使用して SP-DB のワイヤレス エントリをフィルタリングします。ワイヤレス サービス プロバイダーのデータベース エントリは、LSS がサービスに対して有効になっている場合、AP-NEIGHBOR-LIST に基づいてフィルタリングされます。LSS がサービスに対して無効になっている場合、ワイヤレス サービス プロバイダーのデータベース エントリは、そのサービスに対するワイヤレス クライアントからのクエリに応答する場合、フィルタリング対象ではありません。

LSS は、ワイヤレス サービス プロバイダーのデータベース エントリだけに適用されます。有線サービス プロバイダー デバイスのロケーションは認識されません。

LSS の状態は、ORIGIN が有線に設定されているサービスに対して有効にすることはできません。この逆も同じです。

mDNS AP

mDNS AP 機能により、コントローラは、表示されない VLAN 上の有線サービス プロバイダーに対する可視性を獲得できます。mDNS AP として AP を設定し、AP がコントローラに mDNS パケットを転送するようにできます。コントローラの VLAN の可視性は、AP が mDNS アドバタイズメントをコントローラに転送することで実現されます。AP とコントローラ間の mDNS パケットは、ワイヤレス クライアントからの mDNS パケットと同様に、Control and Provisioning of Wireless Access Points(CAPWAP)データ トンネルで転送されます。CAPWAPv4 トンネルだけがサポートされています。AP をアクセス ポートまたはトランク ポートに設置して有線側からの mDNS パケットを学習し、コントローラに転送することができます。

特定の AP からの mDNS パケット転送を開始または停止する際、コントローラで提供される設定可能なノブを使用できます。また、この設定を使用して、AP が有線側から mDNS アドバタイズメントをスヌープする必要のある VLAN を指定できます。AP がスヌープできる VLAN の最大数は 10 です。

AP がアクセス ポートに設置されている場合、スヌープするように AP の VLAN を設定しないでください。クエリーが送信されると、AP はタグ付けされていないパケットを送信します。mDNS アドバタイズメントが mDNS AP によって受信されると、VLAN 情報はコントローラに渡されません。mDNS AP のアクセス VLAN 経由で学習されるサービス プロバイダーの VLAN は、コントローラで 0 として保持されます。

デフォルトでは、mDNS AP はネイティブ VLAN でスヌープします。mDNS AP が有効な場合、ネイティブ VLAN のスヌーピングはデフォルトで有効になっており、VLAN 情報はネイティブ VLAN で受信したアドバタイズメントに対して 0 として渡されます。

mDNS AP 機能は、ローカル モードとモニタ モードの AP でのみサポートされます。

mDNS AP 設定は、グローバル mDNs スヌーピングを無効にしてもそれぞれの mDNS AP で保持されます。


(注)  

同じサービスの同じトラフィックを複製している 2 つの mDNS AP がないことを保証するための検査はありません。ただし、同じ VLAN に対しては、そのようなチェックが行われます。


mDNS AP がリセットされるか、同じコントローラまたは別のコントローラに関連付けられている場合は、次のいずれかが発生します。

  • グローバル スヌーピングがコントローラで無効になっている場合、ペイロードが AP に送信されて mDNS スヌーピングは無効になります。

  • グローバル スヌーピングがコントローラで有効になっている場合、リセットまたはアソシエーションの手順より前の AP の設定が保持されます。

mDNS AP 機能のプロセス フローは次のとおりです。

  • アップリンク(有線インフラストラクチャ - AP - コントローラ)

    1. 設定された VLAN で mDNS 802.3 パケットを受信します。

    2. 受信した mDNS パケットをCAPWAP を介して転送します。

    3. 受信した VLAN に基づいてマルチキャスト グループ ID (MGID)を入力します。

  • ダウンリンク(コントローラ - AP - 有線インフラストラクチャ)

    1. コントローラから CAPWAP を介して mDNS クエリーを受信します。

    2. 有線インフラストラクチャに 802.3 パケットとしてクエリーを転送します。

    3. VLAN は専用 MGID で識別されます。

サービスごとの SP カウント制限

次のリストに、グローバル サービス プロバイダーの制限をコントローラ モデルごとに示します。

  • Cisco 8510 WLC:16000

  • Cisco Flex 7510 WLC:16000

  • Cisco 5508 WLC:6400

  • Cisco 2504 WLC:6400

すべてのサービスのサービス プロバイダーの総数が指定制限内である場合、サービスが他のサービスを学習または検出できる数に制限はありません。サービスごとの条件または制限がなく、すべてのサービスで他のサービスに関してより多くのサービス プロバイダーに柔軟に対応できます。

プライオリティ MAC サポート

サービスごとに最大 50 の MAC アドレスを設定できます。これらの MAC アドレスは、プライオリティを必要とするサービス プロバイダーの MAC アドレスです。これによって、サービス プロバイダーのデータベースがフルであっても、サービス プロバイダー数が最多であるサービスから最新の非プライオリティ サービス プロバイダーを削除することによって、設定されたサービスの MAC アドレスから発信されるあらゆるサービス アドバタイズメントが学習されることが保証されます。サービスのプライオリティ MAC アドレスを設定する場合は、ap-group と呼ばれるオプションのパラメータがあります。これは有線サービス プロバイダーにのみ適用され、有線サービス プロバイダー デバイスにロケーションの特定を関連付けます。クライアントの mDNS クエリーがこの ap-group から発信されると、プライオリティ MAC および ap-group による有線エントリが検索されて、集約応答の最初に表示されます。

Origin-Based Service Discovery

発信元(有線または無線)に基づいて着信トラフィックをフィルタするようにサービスを設定できます。mDNS AP から学習されたすべてのサービスは有線として扱われます。認識元が有線である場合、LSS は無線サービスにのみ適用されるため、LSS サービスに対して有効にすることはできません。

LSS ステータスがサービスに対して有効である場合、LSS は無線サービス プロバイダーのデータベースのみに適用されるため、発信元が無線に設定されたサービスを有線に変更することはできません。発信元を有線と無線で変更した場合、変更前の発信元タイプを持つサービス プロバイダーのデータベース エントリは削除されます。

マルチキャスト DNS の設定の制限

  • IPv6 を介した mDNS はサポートされません。

  • ローカル側で切り替えられた WLAN およびメッシュ アクセス ポイントでは、FlexConnect モードのアクセス ポイントで mDNS はサポートされていません。

  • mDNS はリモート LAN ではサポートされません。

  • mDNS は Cisco AP1240 および Cisco AP1130 ではサポートされていません。

  • サードパーティの mDNS サーバまたはアプリケーションは mDNS 機能を使用する Cisco WLC ではサポートされていません。サードパーティ サーバまたはアプリケーションによってアドバタイズされるデバイスは、Cisco WLC で mDNS のサービスまたはデバイス テーブルに正しく入力されません。

  • レイヤ 2 ネットワークで、Apple のサーバとクライアントが同じサブネット内に存在する場合は、Cisco WLC 上で mDNS スヌーピングの必要がありません。ただし、これはスイッチング ネットワークの動作に依存します。mDNS スヌーピングと予期したとおりに連動しないスイッチを使用している場合は、Cisco WLC 上で mDNS を有効にする必要があります。

  • ビデオは、WMM が有効な状態の Apple iOS 6 ではサポートされていません。

  • mDNS AP は同じサービスまたは VLAN に対して同じトラフィックを複製することはできません。

  • LSS フィルタリングはワイヤレス サービスのみに制限されます。

  • LSS、mDNS AP、プライオリティ MAC アドレスおよび送信元ベースの検出機能は、コントローラの GUI を使用して設定できません。

  • mDNS AP 機能は CAPWAP V6 ではサポートされません。

  • ISE ダイナミック mDNS ポリシーのモビリティはサポートされません。

  • mDNS のユーザ プロファイル モビリティは、ゲスト アンカーではサポートされません。

  • モビリティ:外部コントローラに ISE ダイナミック mDNS ポリシーを作成すると、不整合が生じます。

  • iPad、iPhone などの Apple デバイスは、Bluetooth を使用して Apple TV を検出できます。このため、Apple TV がエンド ユーザに表示されることがあります。mDNS のアクセス ポリシーでは Apple TV をサポートしていないため、Apple TV では Bluetooth を無効にすることをお推奨します。

マルチキャスト DNS の設定(GUI)

手順


ステップ 1

次の手順に従って、グローバル mDNS パラメータおよびマスター サービス データベースを設定します。

  1. [Controller] > [mDNS] > [General] を選択します。

  2. [mDNS Global Snooping] チェックボックスをオンまたはオフにすることで、mDNS パケットのスヌーピングを有効または無効にします。

  3. 分単位で mDNS クエリー間隔を入力します。クエリー間隔はコントローラがサービスを検索する頻度です。

  4. [Select Service] ドロップダウン リストからサービスを選択します。

    (注)   

    mDNS がサポートされた新しいサービスをリストに追加するには、[Other] を選択します。サービス名およびサービス ストリングを指定します。コントローラは、マスター サービス データベースで mDNS サービスが利用できる場合にのみ、このサービスのアドバタイズメントをスヌーピングおよび学習します。コントローラは、最大 64 のサービスをスヌープおよび学習できます。

  5. [Query Status] チェックボックスをオンまたはオフにすることで、サービスの mDNS クエリーを有効または無効にします。

  6. [Add] をクリックします。

  7. [Apply] をクリックします。

  8. mDNS サービスの詳細を確認するには、そのサービスの青いドロップダウン矢印の上にカーソルを置いて、[Details] を選択します。

ステップ 2

次の手順に従って、mDNS プロファイルを設定します。

  1. [Controller] > [mDNS] > [Profiles] を選択します。

    コントローラにはデフォルトの mDNS プロファイルがあります。これは、デフォルトの mdns プロファイルです。デフォルト プロファイルを削除することはできません。

  2. 新しいプロファイルを作成するには、[New] をクリックして、プロファイル名を入力し、[Apply] をクリックします。

  3. プロファイルを編集するには、[mDNS Profiles] ページでプロファイル名をクリックして、[Service Name] ドロップダウン リストからプロファイルに関連付けるサービスを選択し、[Apply] をクリックします。

    プロファイルには複数のサービスを追加できます。

ステップ 3

[Save Configuration] をクリックします。


次のタスク

新しいプロファイルを作成した後、インターフェイス グループ、インターフェイス、または WLAN にプロファイルをマッピングする必要があります。クライアントはプロファイルに関連付けられたサービスだけのサービス アドバタイズメントを受信します。インターフェイス グループに関連付けられたプロファイルに最高の優先順位が与えられます。次にインターフェイス プロファイル、WLAN プロファイルが続きます。各クライアントは、優先順位に従ってプロファイルにマップされます。

  • 次の手順に従って、インターフェイス グループに mDNS プロファイルをマッピングします。
    1. [Controller] > [Interface Groups] を選択します。

    2. 対応するインターフェイス グループ名をクリックします。

      [Interface Groups > Edit] ページが表示されます。

    3. [mDNS Profile] ドロップダウン リストから、プロファイルを選択します。

  • 次の手順に従って、インターフェイスに mDNS プロファイルをマッピングします。
    1. [Controller] > [Interfaces] を選択します。

    2. 対応するインターフェイス名をクリックします。

      [Interfaces > Edit] ページが表示されます。

    3. [mDNS Profile] ドロップダウン リストから、プロファイルを選択します。

  • 次の手順に従って、WLAN に mDNS プロファイルをマッピングします。
    1. [WLANs] を選択し、[WLAN ID] をクリックして、[WLANs > Edit] ページを開きます。

    2. 対応する WLAN ID をクリックします。

      [WLANs > Edit] ページが表示されます。

    3. [Advanced] タブをクリックします。

    4. [mDNS Snooping] チェックボックスをオンにします。

    5. [mDNS Profile] ドロップダウン リストから、プロファイルを選択します。


(注)  

ワイヤレス コントローラは、次の場合に VLAN 経由で学習した有線デバイス(Apple TV など)からサービスをアドバタイズします。
  • [WLAN Advanced] オプションで mDNS スヌーピングが有効になっている。

  • mDNS プロファイルがインターフェイス グループ(存在する場合)、インターフェイス、または WLAN のいずれかで有効になっている。


マルチキャスト DNS の設定(CLI)

  • 次のコマンドを入力して、mDNS スヌーピングを設定します。

    config mdns snooping {enable | disable }

  • 次のコマンドを入力して、複数の mDNS サービスを設定します。

    config mdns service {{ create service-name service-string origin {wireless | wired | all } lss {enable | disable } [query ] [enable | disable ]} | delete service-name}

  • 次のコマンドを入力して、mDNS サービスのクエリーを設定します。

    config mdns service query {enable | disable } service-name

  • 次のコマンドを入力して、mDNS サービスに対するクエリー間隔を設定します。

    config mdns query interval value-in-minutes

  • 次のコマンドを入力して、mDNS プロファイルを設定します。

    config mdns profile {create | delete } profile-name

    (注)  

    インターフェイス グループ、インターフェイス、または WLAN にすでに関連付けられている mDNS プロファイルを削除しようとすると、エラー メッセージが表示されます。


  • 次のコマンドを入力して、プロファイルに mDNS サービスを設定します。

    config mdns profile service {add | delete } profile-name service-name

  • 次のコマンドを入力して、インターフェイス グループに mDNS プロファイルをマッピングします。

    config interface group mdns-profile {interface-group-name | all } {mdns-profile-name | none }

    (注)  

    mDNS プロファイル名が none である場合、インターフェイス グループにプロファイルは関連付けられません。関連付けられている既存のプロファイルがすべて削除されます。


  • 次のコマンドを入力して、インターフェイス グループに関連付けられた mDNS プロファイルに関する情報を表示します。

    show interface group detailed interface-group-name

  • 次のコマンドを入力して、インターフェイスに mDNS プロファイルをマッピングします。

    config interface mdns-profile {management | {interface-name | all }} {mdns-profile-name | none }

  • 次のコマンドを入力して、インターフェイスに関連付けられた mDNS プロファイルに関する情報を表示します。

    show interface detailed interface-name

  • 次のコマンドを入力して、WLAN に対して mDNS を設定します。

    config wlan mdns {enable | disable } {wlan-id | all }

  • 次のコマンドを入力して、WLAN に mDNS プロファイルをマッピングします。

    config wlan mdns profile {wlan-id | all } {mdns-profile-name | none }

  • 次のコマンドを入力して、WLAN に関連付けられた mDNS プロファイルに関する情報を表示します。

    show wlan wlan-id

  • 次のコマンドを入力して、すべての mDNS プロファイルまたは特定の mDNS プロファイルに関する情報を表示します。

    show mdns profile {summary | detailed mdns-profile-name}

  • 次のコマンドを入力して、すべての mDNS サービスまたは特定の mDNS サービスに関する情報を表示します。

    show mdns service {summary | detailed mdns-service-name}

  • 次のコマンドを入力して、学習済みの mDNS ドメイン名に関する情報を表示します。

    show mdns domain-name-ip summary

  • 次のコマンドを入力して、クライアントの mDNS プロファイルを表示します。

    show client detail client-mac-address

  • 次のコマンドを入力して、ネットワークの mDNS の詳細を表示します。

    show network summary

  • 次のコマンドを入力して、mDNS サービス データベースを消去します。

    clear mdns service-database {all | service-name}

  • 次のコマンドを入力して、mDNS に関連するイベントを表示します。

    debug mdns message {enable | disable }

  • 次のコマンドを入力して、イベントの mDNS の詳細を表示します。

    debug mdns detail {enable | disable }

  • 次のコマンドを入力して、mDNS 処理に関連するエラーを表示します。

    debug mdns error {enable | disable }

  • 次のコマンドを入力して、すべての mDNS 詳細のデバッグを設定します。

    debug mdns all {enable | disable }

手順

  • ロケーション固有サービス関連のコマンド

    • 次のコマンドを入力して、特定の mDNS サービスまたはすべての mDNS サービスのロケーション固有サービスを有効または無効にします。

      config mdns service lss {enable | disable } {service-name | all }


      (注)  

      デフォルトでは、LSS は無効の状態です。

      高可用性への影響:スタンバイ コントローラと同期する必要があります。


    • 次のコマンドを入力して、LSS のステータスを表示します。

      概要:show mdns service summary

      詳細:show mdns service detailed service-name

    • 次のコマンドを入力して、HA 関連 mDNS のトラブルシューティングを設定します。

      debug mdns ha {enable | disable }

  • 発信元ベースのサービス検出関連のコマンド:

    • 次のコマンドを入力して、有線、無線、または両方からのサービスの学習を設定します。

      config mdns service origin {Wireless | Wired | All } {service-name | all }

      LSS が有効である場合は有線サービスを設定することはできません。逆に、有線サービスが設定されている場合に LSS を有効にすることもできません。有線のみのサービス認識元に対して、LSS を有効にすることはできません。

      高可用性への影響:スタンバイ コントローラと同期する必要があります。

    • 次のコマンドを入力して、発信元ベースのサービス検出のステータスを表示します。

      概要:show mdns service summary

      詳細:show mdns service detailed service-name

    • 次のコマンドを入力して、サービスの学習の制限により、コントローラに存在していても検出されなかったすべてのサービス アドバタイズメントを表示します。

      show mdns service not-learnt

      学習されないすべての VLAN と発信元タイプ間のサービス アドバタイズメントが表示されます。

  • プライオリティ MAC アドレス関連のコマンド:

    • 次のコマンドを入力して、サービス提供デバイスのサービスごとの MAC アドレスを設定し、サービス プロバイダーのデータベースがフルでも、スヌープおよび検出されることを確認します。

      config mdns service priority-mac {add | delete } priority-mac-addr service-name ap-group ap-group-name

      場所の特定のためにオプションの AP グループを有線サービス プロバイダーのデバイスにのみ適用できます。これらのサービス プロバイダーは、他の有線デバイスより優先度が高くなります。

    • 次のコマンドを入力して、プライオリティ MAC アドレスのステータスを表示します。

      詳細:show mdns service detailed service-name

  • mDNS AP 関連のコマンド:

    • 次のコマンドを入力して、コントローラに関連付けられた AP 上の mDNS 転送を有効または無効にします。

      config mdns ap {enable | disable } {ap-name | all } vlan vlan-id

      デフォルトの mDNS AP はありません。VLAN ID はオプション ノードです。

      高可用性への影響:静的設定がスタンバイ コントローラに同期されます。

    • 次のコマンドを入力して、AP が mDNS パケットのスヌープおよび転送を実行する VLAN を設定します。

      config mdns ap vlan {add | delete } vlan-id ap-name

    • 次のコマンドを入力して、mDNS 転送が有効になっているすべての AP を表示します。

      show mdns ap summary

アクセス ポリシーに基づいた Bonjour ゲートウェイ

7.4 リリースから WLC 自体で Bonjour ゲートウェイ機能をサポートするようになったため、コントローラ上でマルチキャストを有効にする必要はありません。WLC は、すべての Bonjour ディスカバリ パケットを検証し、それらを AIR ネットワークまたはインフラ ネットワークで転送しません。

Bonjour は、Zeroconf の Apple 版で、ドメイン ネーム システム サービス ディスカバリ(DNS-SD)を使用したマルチキャスト ドメイン ネーム システム(mDNS)です。Apple デバイスは同時に IPv4 と IPv6 を経由してサービスをアドバタイズします(IPv6 リンク ローカルとグローバル一意)。この問題を解決するために、Cisco WLC が Bonjour ゲートウェイとして機能します。WLC は Bonjour サービスをリッスンしながら、AppleTV などのソース/ホストからの Bonjour アドバタイズメント(AirPlay や AirPrint など)をキャッシュすることによって、サービスを依頼/要求した Bonjour クライアントに応答します。

Bonjour ゲートウェイの機能では、照会中のクライアントのクレデンシャルとそのロケーションに基づいてキャッシュされた有線またはワイヤレス サービス インスタンスをフィルタすることができません。

現時点の制限は次のとおりです。

  • ロケーション固有サービス(LSS)がワイヤレス サービス インスタンスをフィルタするのは、ワイヤレス クライアントからのクエリーに応答する場合のみです。フィルタリングは照会中のクライアントの無線ネイバーフッドに基づきます。

  • LSS は、ロケーションを認識しないため、有線サービス インスタンスをフィルタできません。

  • LSS フィルタリングは、クライアント単位ではなく、サービス タイプ単位です。これは、LSS がサービス タイプに対して有効になっており、クライアントがこの動作をオーバーライドできなければ、ロケーション ベースでフィルタリングされた応答がすべてのクライアントに送られることを意味します。

  • クライアント ロールまたはユーザ ID に基づくその他のフィルタリング メカニズムはありません。

要件は、設定をサービス インスタンス単位で保持することです。

サービス インスタンス共有の 3 つの基準は次のとおりです。

  • ユーザ ID

  • クライアント ロール

  • クライアント ロケーション

設定は、有線サービス インスタンスとワイヤレス サービス インスタンスに適用できます。どのクエリーに対する応答も、サービス インスタンスごとに設定されたポリシーに基づきます。この応答が、ロケーション、ユーザ ID、またはロールに基づくサービス インスタンスの選択的共有を可能にします。

ほとんどのサービス公開デバイスが有線で接続されているため、設定によってワイヤレス サービス インスタンスと同等の有線サービスのフィルタリングが可能になります。

クライアント クエリーのフィルタリングには次の 2 つのレベルがあります。

  1. mDNS プロファイルを使用するサービス タイプ レベル

  2. サービスに関連付けられたアクセス ポリシーを使用するサービス インスタンス レベル

アクセス ポリシーに基づく Bonjour ゲートウェイの制約事項

  • 作成できるポリシーの総数は、プラットフォームでサポートされるサービス インスタンスの数と同じです。サポートできるポリシーは 100 個で、99 個のポリシーと 1 個のデフォルト ポリシーです。

  • 1 つのポリシーあたりのルールの数は 1 つに制限されています。

  • ポリシーとルールは、サービス インスタンスに関係なく作成できます。ポリシーは、ポリシーが完全な場合、およびターゲット サービス インスタンスを検出した場合のみ適用されます。

  • 1 つのサービス インスタンスは、最大 5 個のポリシーに関連付けることができます。

  • 5 個のサービス グループを 1 つの MAC アドレスに割り当てることができます。

Prime Infrastructure を介した Bonjour アクセス ポリシーの作成

管理ユーザは、Prime Infrastructure(PI)の GUI を使用して、Bonjour アクセス ポリシーを作成できます。

手順


ステップ 1

管理者クレデンシャルを使用して Cisco Prime Infrastructure にログインします。

ステップ 2

[Administration] > [AAA] > [Users] > [Add User] の順に選択します。

ステップ 3

[mDNS Policy Admin] を選択します。

ステップ 4

mDNS デバイス フィルタのデバイスを追加または削除します。[Save] をクリックします。

ステップ 5

[Users] リスト ダイアログ ボックスで、デバイスのユーザを追加します。[Save] をクリックします。

(注)   

詳細については、『Cisco Prime Infrastructure Administrator Guide for the release 2.2』を参照してください。


mDNS サービス グループの設定(GUI)

手順


ステップ 1

[Controller] > [mDNS] > [mDNS Policies] を選択します。

ステップ 2

グループ名のリストからサービス グループを選択します。

ステップ 3

サービス インスタンス リストで次の手順を実行します。

  1. [MAC address] にサービス プロバイダーの MAC アドレスを入力します。

  2. [Name] にサービス プロバイダーの名前を入力します。[Add] をクリックします。

  3. [Location Type] ドロップダウン リストから、ロケーションのタイプを選択します。

(注)   

ロケーションとして「Any」が選択されている場合、ロケーション属性に対するポリシー チェックは実行されません。

mDNS ポリシーが AP グループでフィルタ処理されている場合、design はサブストリング照合されます。ポリシーは最初に一致したサブストリングに適用されます。

(注)   

サービス グループに関連付けられている現在のサービス インスタンスのリストが表に表示されます。

ステップ 4

[Policy / Rule] で、ポリシー適用基準としてロール名とユーザ名を入力します。


mDNS サービス グループの設定(CLI)

手順


ステップ 1

次のコマンドを入力して、mDNS ポリシーを有効または無効にします。onfig mdns policy enable | disable

ステップ 2

次のコマンドを入力して、mDNS ポリシー サービスを作成または削除します。config mdns policy service-group create | delete <service-group-name>

ステップ 3

次のコマンドを入力して、サービス グループのパラメータを設定します。config mdns policy service-group device-mac add <service-group-name> <mac-addr> <device name> location-type [<AP_LOCATION | AP_NAME | AP_GROUP>] device-location [<location string | any | same>]

ステップ 4

次のコマンドを入力して、サービス グループのユーザ ロールを設定します。config mdns policy service-group user-role add | delete <service-group-name> <user-role-name>

ステップ 5

次のコマンドを入力して、サービス グループのユーザ名を設定します。config mdns policy service-group user-name add | delete <service-group-name> <user-name>