モビリティ グループ

モビリティ グループについて

モビリティ グループは、同じモビリティ グループ名で定義されるコントローラのセットで、ワイヤレス クライアントのローミングをシームレスに行う範囲を定義します。モビリティ グループを作成すると、ネットワーク内で複数のコントローラを有効にして、コントローラ間またはサブネット間のローミングが発生した際に、動的に情報を共有してデータ トラフィックを転送できるようになります。同じモビリティ グループ内のコントローラは、相互のアクセス ポイントを不正なデバイスとして認識しないように、クライアント デバイスのコンテキストと状態およびアクセス ポイントのリストを共有できます。この情報を使用して、ネットワークはコントローラ間無線 LAN ローミングとコントローラの冗長性をサポートできます。


(注)  

AP が 1 つの Cisco WLC から別の Cisco WLC に移動すると(両方の Cisco WLC がモビリティ ピアにある場合)、移動前に最初の WLC に関連付けられていたクライアントは移動後も元の WLC に固定されたままになります。このような状況を防ぐには、WLC のモビリティ ピア設定を削除します。



(注)  

1 つのモビリティ グループのメンバとなるコントローラは、同じモデルである必要はありません。モビリティ グループは、コントローラ プラットフォームの任意の組み合わせで構成できます。


図 1. 単一のモビリティ グループの例

図示したように、各コントローラはモビリティ グループの別メンバーのリストを使用して設定されています。新たなクライアントがコントローラに join されると、コントローラはユニキャスト メッセージ(または、モビリティ マルチキャストが設定されている場合はマルチキャスト メッセージ)をそのモビリティ グループの全コントローラに送信します。クライアントが以前に接続されていたコントローラは、クライアントのステータスを送信します。

たとえば、コントローラが 6000 個のアクセス ポイントをサポートする場合に、24 個のこのようなコントローラで構成されているモビリティ グループは、最大 144,000 個のアクセス ポイント(24 * 6000 = 144,000 アクセス ポイント)をサポートします。

異なるモビリティ グループ名を同じ無線ネットワーク内の異なるコントローラに割り当てると、モビリティ グループによって、1 つの企業内の異なるフロア、ビルディング、キャンパス間でのローミングを制限できます。

モビリティ グループには IPv4 と IPv6 の両方のマルチキャスト アドレスを設定できます。両方のアドレス形式が次のように設定されている場合:

  • モビリティ グループに含まれているのが IPv4 モビリティ グループ メンバのみの場合は、IPv4 マルチキャスト グループがモビリティ概要情報に表示されます。

  • モビリティ グループに含まれているのが IPv6 モビリティ グループ メンバのみ場合は、IPv6 マルチキャスト グループがモビリティ概要情報に表示されます。

  • モビリティ グループに IPv4 マルチキャストが設定されている場合は、IPv4 モビリティ グループ メンバが存在しなければ、IPv4 マルチキャスト アドレスがモビリティ概要情報に表示されません。

  • モビリティ グループに IPv6 マルチキャストが設定されている場合は、IPv6 モビリティ グループ メンバが存在しなければ、IPv6 マルチキャスト アドレスがモビリティ概要情報に表示されません。

図 2. 2 つのモビリティ グループ. 次の図には、2 つのコントローラ グループに異なるモビリティ グループ名を作成した結果が示されています。

ABC モビリティ グループのコントローラは、相互にアクセス ポイントとクライアント情報を共有します。ABC モビリティ グループのコントローラは、異なるモビリティ グループの XYZ コントローラとアクセスポイントとクライアントの情報を共有しません。同様に、XYZ モビリティ グループのコントローラは、ABC モビリティ グループのコントローラとアクセスポイントとクライアントの情報を共有しません。この機能により、ネットワークでのモビリティ グループの切り離しが確実に行われます。

各コントローラはモビリティ リストのピア コントローラに関する情報を保持します。コントローラ同士が相互のモビリティ リストに含まれている場合は、モビリティ グループ間でコントローラが通信を行うことができ、クライアントは異なるモビリティ グループのアクセス ポイント間でローミングを行うことができます。次の例のコントローラ 1 はコントローラ 2 または 3 と通信できますが、コントローラ 2 およびコントローラ 3 はコントローラ 1 だけと通信し、相互には通信できません。クライアントは同様に、コントローラ 1 とコントローラ 2 の間またはコントローラ 1 とコントローラ 3 の間はローミングを行うことができますが、コントローラ 2 とコントローラ 3 の間でローミングを行うことはできません。

表 1.
コントローラ 1

モビリティ グループ:A

モビリティ リスト:

コントローラ 1(A グループ)

コントローラ 2(A グループ)

コントローラ 3(C グループ)?

コントローラ 2

モビリティ グループ:A

モビリティ リスト:

コントローラ 1(A グループ)

コントローラ 2(A グループ)

コントローラ 3

モビリティ グループ:C

モビリティ リスト:

コントローラ 1(A グループ)

コントローラ 3(C グループ)

モビリティ リストでは、モビリティ グループとメンバの次の組み合わせを使用できます。

  • メンバが 24 人ずつの 3 のモビリティ グループ

  • メンバが 6 人ずつの 12 のモビリティ グループ

  • メンバが 3 人ずつの 24 のモビリティ グループ

  • メンバが 1 人ずつの 72 のモビリティ グループ

コントローラでは、複数のモビリティ グループ間でのシームレスなローミングがサポートされています。シームレスなローミングでは、クライアントはすべてのモビリティ グループ間で IP アドレスを維持します。ただし、Cisco Centralized Key Management(CCKM)およびプロアクティブ キー キャッシング(PKC)は、モビリティ グループ間ローミングでのみサポートされています。ローミング中にモビリティ グループの境界を越える場合、クライアントは完全に認証されますが、IP アドレスは維持され、レイヤ 3 ローミングのモビリティ トンネリングが開始されます。


(注)  

コントローラをモビリティ グループに追加すると、一部の AP(ローカル モードで動作中)は、更新された全コントローラのリストを取得せず、同じモビリティ グループ内のコントローラに接続されます。AP 内のコントローラ リストは、"show capwap client config" AP-NAME コマンドを使用して表示できます。たとえば、19 のコントローラからなるモビリティ グループに 2 つのコントローラを追加した場合、AP のリストには 21 ではなく 19 のコントローラが表示されます。この問題を解決するためには、AP をリブートするか、同じモビリティ グループに属している別のコントローラに移動することによって、コントローラ リストを更新する必要があります。この問題は、コード 7.6.120.0 を実行している複数の Cisco 5508 WLC に接続された AP1242 で確認されています。

(注)  

クライアントが外部の固定された SSID から固定されていない SSID に移動すると、外部に古いエントリが残ります。これは、マルチキャスト モバイル アナウンスが何らかの理由で外部からゲスト アンカーに到達しなかったときに発生します。そのため、サービスは影響を受けず、設定は通知されないまま、GA で MSCB がサイレント リークされます。デバッグ メッセージやエラー メッセージは表示されず、GA ではクライアントごとのクリーンアップ タイマーが実行されません。タイマーがないので、外部からアンカーに HandoffEnd を送信する必要があります。


モビリティ グループ間のメッセージング

コントローラでは、モビリティ メッセージを他のメンバ コントローラに送信することにより、クライアントにサブネット間モビリティが提供されます。

  • コントローラは、新しいクライアントがアソシエートされるたびに、モビリティ リスト内のメンバに Mobile Announce メッセージを送信します。コントローラは自分と同じグループ(ローカル グループ)に属するメンバに対してのみメッセージを送信し、その後、再試行を送信する際に他のメンバをすべて加えます。

  • マルチキャストを使用して Mobile Announce メッセージを送信するように、コントローラを設定できます。これにより、コントローラからネットワークに送られるメッセージは 1 コピーのみになります。このコピーはモビリティ メンバすべてを含むマルチキャスト グループに宛てて送られます。マルチキャスト メッセージングを最大限生かすには、グループ メンバすべてに対してこの機能を有効化することを推奨します。

NAT デバイスでのモビリティ グループの使用

モビリティ メッセージのペイロードは、ソース コントローラに関する IP アドレス情報を伝達します。この IP アドレスは、IP ヘッダーのソース IP アドレスで検証されます。ネットワークに NAT デバイスを導入すると、IP ヘッダーの送信元 IP アドレスが変更されるため、この動作に問題があります。ゲスト WLAN 機能では、NAT デバイス経由でルーティングされているモビリティ パケットは、IP アドレスの不一致によりドロップされます。

モビリティ グループの検索は、ソース コントローラの MAC アドレスを使用します。NAT デバイスのマッピングに従ってソース IP アドレスが変更されるため、要求元のコントローラの IP アドレスを取得するために応答が送信される前に、モビリティ グループのデータベースが検索されます。このプロセスは、要求元のコントローラの MAC アドレスを使用して実行されます。

NAT が有効になっているネットワークのモビリティ グループを設定する際に、コントローラの管理インターフェイス IP アドレスではなく、NAT デバイスからコントローラに送信される IP アドレスを入力します。さらに、PIX などのファイアウォールを使用している場合には、ファイアウォールで次のポートが開いていることを確認します。

  • UDP 16666:トンネル コントロール トラフィック用

  • IP プロトコル 97:ユーザのデータ トラフィック用

  • UDP 161 および 162:SNMP


(注)  

コントローラ間のクライアント モビリティは、自動アンカー モビリティ(ゲスト トンネリングとも呼ばれる)が有効になっている場合にのみ機能します。これらのモビリティ オプションの詳細については、「自動アンカー モビリティの設定」、および「モビリティ トンネリング」のセクションを参照してください。


モビリティ グループの不正検出動作

RRM から見たモビリティ グループの不正検出動作は次のとおりです。

  • RF ドメイン名が同じ場合、AP は別の RF を有効な RF ネイバーとして認識します。

  • AP は情報を WLC に送信します。

  • WLC は AP の情報を使用して他の有効な WLC との接続を確立し、リーダーまたはメンバーとして自動モード RF グループ(RRM)を形成する前に、各 WLC はこのときに一連のチェック(国の照合、バージョン、階層、拡大縮小の制限、その他)を行います。

  • この RF グループに含まれていないすべての AP は、外部 AP と見なされます(不正 AP と同等)。

  • ネットワーク上で Rogue Detector AP 経由で検出された不正は、不正を無線で確認している AP を使用して含まれます。

AP が相互通信できる場合に異なる RF グループ名が存在するシナリオは次のとおりです。

  • RF グループ名が通常 1 つの導入において一貫している。

  • 認識できないネイバー パケットまたは誤ったエントリがある AP は不正と見なされる。

  • 2 種類の RF グループがある Cisco AP がある場合。これらの AP は相互通信しますが、RF ネイバー リストの他の AP にデータは入力されません。(この RF のリストは、上記のように詳しく分析するため WLC に送信されます)

  • 通常 2 つのローカル近隣に大幅に異なる RF 特性がある場合、ネットワーク管理者は 2 つの RF グループ名を適用して 2 つの RF 近隣を区別するか、2 種類のネットワークに属することができます。

  • AP の近隣が RF グループ化(auto モード)/不正の分類などを決定し、その逆はない。

モビリティ グループを設定するための前提条件

コントローラをモビリティ グループに追加する前に、グループに追加するコントローラすべてについて、次の要件が満たされていることを確認する必要があります。

  • すべてのコントローラの管理インターフェイス間に IP 接続が存在する必要があります。


    (注)  

    コントローラに対し Ping することで、IP 接続を確認できます。



    (注)  

    モビリティ制御パケットは、ルーティング テーブルに基づいて、任意のインターフェイス アドレスをソースとして使用できます。モビリティ グループのすべてのコントローラには、同一のサブネットの管理インターフェイスを必ず備えることを推奨します。1 つのコントローラの管理インターフェイスと他のコントローラの動的インターフェイスが同じサブネット上にあるトポロジは、シームレス モビリティには推奨しません。


  • モビリティ リスト内のコントローラが異なるソフトウェア バージョンを使用している場合、レイヤ 2 またはレイヤ 3 のクライアントのローミング サポートは制限されます。レイヤ 2 またはレイヤ 3 クライアント ローミングは、同じバージョンを使用する、またはバージョン 7.X.X を実行するコントローラ間でのみサポートされます。


    (注)  

    異なるソフトウェア リリースが実行されているフェールオーバー コントローラを誤って設定すると、アクセス ポイントがフェールオーバー コントローラに join するのに長い時間がかかることがあります。アクセス ポイントが検出プロセスを CAPWAP で開始してから、LWAPP 検出に変更するからです。


  • すべてのコントローラは、同じ仮想インターフェイス IP アドレスで設定する必要があります。


    (注)  

    必要に応じて、仮想インターフェイス IP アドレスを変更するには、[Controller] > [Interfaces] ページで仮想インターフェイス名を編集します。



    (注)  

    モビリティ グループ内のすべてのコントローラが同じ仮想インターフェイスを使用していない場合、コントローラ間ローミングが動作しているように見えても、ハンドオフが完了せず、クライアントの接続はしばらくの間切断されます。


  • モビリティ グループに追加するコントローラごとに、MAC アドレスと IP アドレスを収集しておく必要があります。この情報が必要となるのは、他の全モビリティ グループ メンバの MAC アドレスと IP アドレスを使用してすべてのコントローラを設定するからです。


    (注)  

    モビリティ グループに追加する他のコントローラの MAC アドレスと IP アドレスは、各コントローラの GUI の [Controller > Mobility Groups] ページにあります。


  • サード パーティのファイアウォール、たとえば、Cisco PIX または Cisco ASA を使用してモビリティ グループを設定する際は、ポート 16666 および IP プロトコル 97 を開く必要があります。

  • コントローラ間 CAPWAP データおよびコントロール トラフィックでは、ポート 5247 および 5246 を開く必要があります。

次の表に、管理および操作目的で使用する必要があるプロトコルおよびポート番号を示します。

表 2. プロトコル/サービスとポート番号

プロトコル/サービス

ポート番号

SSH/Telnet

TCP ポート 22 または 29

TFTP

UDP ポート 69

NTP/SNTP

UDP ポート 123

SNMP

取得および設定では UDP ポート 161、トラップでは UDP ポート 162。

HTTPS/HTTP

HTTPS の TCP ポート 443、および HTTP のポート 80

Syslog

TCP ポート 514

Radius Auth/Account

UDP ポート 1812 および 1813


(注)  

ソフトウェア バージョンが異なるコントローラ間のモビリティ サポートに関する情報については、http://www.cisco.com/c/en/us/td/docs/wireless/compatibility/matrix/compatibility-matrix.html [英語] を参照してください。。



(注)  

ファイアウォール上ではポート アドレス変換(PAT)は実行できません。1 対 1 のネットワーク アドレス変換(NAT)を設定する必要があります。


モビリティ グループの設定(GUI)

手順


ステップ 1

[Controller] > [Mobility Management] > [Mobility Groups] の順に選択して、[Static Mobility Group Members] ページを開きます。

このページでは、[Default Mobility Group] テキスト ボックスにモビリティ グループ名が表示され、現在モビリティ グループのメンバである各コントローラの MAC アドレスと IPv4/IPv6 アドレスが示されます。最初のエントリはローカル コントローラで、これを削除することはできません。

(注)   
モビリティ グループからいずれかのリモート コントローラを削除するには、そのコントローラの青いドロップダウンの矢印の上にカーソルを置いて、[Remove] を選択します。
ステップ 2

次のいずれかを実行して、コントローラをモビリティ グループに追加します。

  • コントローラを 1 つだけ追加する場合、または複数のコントローラを個別に追加する場合は、[New] をクリックします。

    または

  • 複数のコントローラを一括で追加する場合は、[EditAll] をクリックします。

(注)   
[EditAll] オプションを使用すると、現在のモビリティ グループ メンバのすべての MAC アドレスと IPv4/IPv6 アドレスを入力した後で、すべてのエントリをモビリティ グループの 1 つのコントローラから別のコントローラにコピーして貼り付けることができます。
ステップ 3

[New] をクリックして、[Mobility Group Member] > [New] ページを開きます。

ステップ 4

次の手順でコントローラをモビリティ グループに追加します。

  1. [Member IPv4/IPv6 Address] テキスト ボックスに、追加するコントローラの管理インターフェイスの IP アドレスを入力します。

    (注)   
    ネットワーク アドレス変換(NAT)が有効になっているネットワークのモビリティ グループを設定する際に、コントローラの管理インターフェイス IPv4/IPv6 アドレスではなく、NAT デバイスからコントローラに送信される IPv4/IPv6 アドレスを入力します。そうしないと、モビリティ グループ内のコントローラ間でモビリティが失敗します。
  2. [メンバーの MAC アドレス(Member MAC Address)] テキスト ボックスに、追加するコントローラの MAC アドレスを入力します。

  3. [グループ名(Group Name)] テキスト ボックスに、モビリティ グループ名を入力します。

    (注)   
    モビリティ グループ名では、大文字と小文字が区別されます。
  4. [Hash] テキスト ボックスに、ピア モビリティ コントローラのハッシュ キーを入力します。ピア モビリティ コントローラは、同じドメイン内の仮想コントローラである必要があります。

    ピアのモビリティ コントローラが同じドメイン内の仮想コントローラである場合にだけ、ハッシュを設定する必要があります。

    (注)   
    ハッシュは IPv6 メンバではサポートされません。
  5. [Apply] をクリックして、変更を確定します。新しいコントローラが、[Static Mobility Group Members] ページのモビリティ グループ メンバーのリストに追加されます。

  6. [Save Configuration] をクリックします。

  7. ステップ aステップ e を繰り返して、すべてのコントローラをモビリティ グループに追加します。

  8. モビリティ グループに追加するすべてのコントローラごとに、この手順を繰り返します。モビリティ グループ内のすべてのコントローラでは、他のすべてのモビリティ グループ メンバの MAC アドレスと IPv4/IPv6 アドレスを設定する必要があります。

[Mobility Group Members] > [EditAll] ページに現在モビリティ グループにあるすべてのコントローラの MAC アドレス、IPv4/IPv6 アドレス、およびモビリティ グループ名(任意)が表示されます。コントローラのリストは、先頭にローカルのコントローラが表示され、1 行に 1 つずつ表示されます。

(注)   
必要に応じて、リストのコントローラを編集または削除できます。
ステップ 5

次の手順で、さらにコントローラをモビリティ グループに追加します。

  1. 編集ボックス内をクリックして、新たな行を開始します。

  2. MAC アドレス、管理インターフェイスの IPv4/IPv6 アドレス、および追加するコントローラのモビリティ グループ名を入力します。

    (注)   
    これらの値は 1 行に入力し、1 つまたは 2 つのスペースで区切ってください。
    (注)   
    モビリティ グループ名では、大文字と小文字が区別されます。
  3. モビリティ グループに追加するコントローラごとに、ステップ a およびステップ b を繰り返します。

  4. 編集ボックス内のエントリ全体を強調表示して、コピーします。

  5. [Apply] をクリックして、変更を確定します。新しいコントローラが、[Static Mobility Group Members] ページのモビリティ グループ メンバーのリストに追加されます。

  6. [Save Configuration] をクリックして変更を保存します。

  7. リストをモビリティ グループ内の他のすべてのコントローラの [Mobility Group Members > Edit All] ページにあるテキスト ボックスに貼り付けて、[Apply] と [Save Configuration] をクリックします。

ステップ 6

[Mobility Management] > [Multicast Messaging] を選択して、[Mobility Multicast Messaging] ページを開きます。

現在、設定されているモビリティ グループすべての名前がページの中央に表示されます。

ステップ 7

[Mobility Multicast Messaging] ページで、[Enable Multicast Messaging] チェックボックスをオンにすると、コントローラはマルチキャスト モードを使用して、Mobile Announce メッセージをモビリティ メンバーに送信できるようになります。このチェックボックスをオフのままにすると、ユニキャスト モードで Mobile Announce メッセージが送信されます。デフォルト値はオフです。

ステップ 8

前の手順でマルチキャスト メッセージングを有効にした場合は、[Local Group Multicast IPv4 Address] テキスト ボックスに、ローカル モビリティ グループのマルチキャスト グループ IPv4 アドレスを入力します。このアドレスは、マルチキャスト モビリティ メッセージングに使用されます。

(注)   
マルチキャスト メッセージングを使用するには、ローカル モビリティ グループの IPv4 アドレスを設定する必要があります。
(注)   
リリース 8.0 では、モビリティ マルチキャストで IPv6 はサポートされません。
ステップ 9

[Apply] をクリックして、変更を確定します。

ステップ 10

必要に応じて、モビリティ リスト内にあるローカル以外のグループのマルチキャスト グループ IPv4 アドレスを設定することもできます。このためには、ローカル以外のモビリティ グループの名前をクリックして、[Mobility Multicast Messaging > Edit] ページを開き、[Multicast IPv4 Address] テキスト ボックスにローカル以外のモビリティ グループのマルチキャスト グループ IP アドレスを入力します。

(注)   
ローカル以外のグループにマルチキャスト IPv4 アドレスが設定されていない場合、コントローラはこのグループのメンバに対して、ユニキャスト モードでモビリティ メッセージを送信します。
ステップ 11

[Apply] をクリックします。

ステップ 12

[Save Configuration] をクリックします。


モビリティ グループの設定(CLI)

手順


ステップ 1

このコマンドを入力して現在のモビリティ設定を確認します。

show mobility summary

ステップ 2

次のコマンドを入力して、新しいモビリティ グループを作成します。

config mobility group domain domain_name

(注)   

グループ名には、最大 31 文字の ASCII 文字列を使用できます。大文字と小文字が区別されます。モビリティ グループ名には、スペースは使用できません。

ステップ 3

グループ メンバを追加するには、次のコマンドを入力します。

config mobility group member add mac_address ip_address

(注)   
ネットワーク アドレス変換(NAT)が有効になっているネットワークのモビリティ グループを設定する際に、コントローラの管理インターフェイス IP アドレスではなく、NAT デバイスからコントローラに送信される IP アドレスを入力します。そうしないと、モビリティ グループ内のコントローラ間でモビリティが失敗します。
(注)   

グループ メンバーを削除する場合は、config mobility group member delete mac_address コマンドを入力します。

ステップ 4

同じドメイン内の仮想コントローラであるピア モビリティ コントローラのハッシュ キーを設定するには、次のコマンドを入力します。

config mobility group member hash peer-ip-address key

ステップ 5

次のコマンドを入力して、マルチキャスト モビリティ モードを有効または無効にします。

config mobility multicast-mode {enable | disable } local_group_multicast_address

ここで、local_group_multicast_address は、ローカル モビリティ グループのマルチキャスト グループ IPv4 アドレスです。このアドレスは、マルチキャスト モビリティ メッセージングに使用されます。

(注)   
マルチキャスト メッセージングを使用するには、ローカル モビリティ グループの IPv4 アドレスを設定する必要があります。
(注)   
リリース 8.0 では、モビリティ マルチキャストで IPv6 はサポートされません。

マルチキャスト モビリティ モードを有効にした場合、Mobile Announce メッセージはマルチキャスト モードでローカル グループに送信されます。マルチキャスト モビリティ モードを無効にした場合、Mobile Announce メッセージはユニキャスト モードでローカル グループに送信されます。デフォルト値は [disabled] です。

ステップ 6

(任意)モビリティ リスト内にあるローカル以外のグループのマルチキャスト グループ IPv4 アドレスを設定することもできます。そのためには、次のコマンドを入力します。

config mobility group multicast-address group_name IP_address

ローカル以外のグループにマルチキャスト IPv4 アドレスが設定されていない場合、コントローラはこのグループのメンバに対して、ユニキャスト モードでモビリティ メッセージを送信します。

ステップ 7

モビリティ設定を確認するには、次のコマンドを入力します。

show mobility summary

ステップ 8

同じドメイン内のモビリティ グループ メンバのハッシュ キーを表示するには、次のコマンドを入力します。

show mobility group member hash

ステップ 9

次のコマンドを入力して、変更を保存します。

save config

ステップ 10

モビリティ グループに追加するすべてのコントローラごとに、この手順を繰り返します。モビリティ グループ内のすべてのコントローラでは、他のすべてのモビリティ グループ メンバの MAC アドレスと IP アドレスを設定する必要があります。

ステップ 11

モビリティ メッセージのマルチキャスト使用のデバッグを有効または無効にするには、次のコマンドを入力します。

debug mobility multicast {enable | disable }


モビリティ グループの統計の表示

モビリティ グループの統計の表示(GUI)

手順


ステップ 1

[Monitor] > [Statistics] > [Mobility Statistics] の順に選択して、[Mobility Statistics] ページを開きます。

ここでは、次の内容について説明します。

  • Global Mobility Statistics

    • [Rx Errors]:短すぎるパケットや不正な形式などの、一般的なプロトコル パケット受信エラー。

    • [Tx Errors]:パケット送信失敗など、一般的なプロトコル パケット送信エラー。

    • [Responses Retransmitted]:モビリティ プロトコルは UDP を使用し、応答が受信されない場合には、複数回にわたって要求が再送信されます。ネットワークの遅延または処理の遅延のため、応答側が最初に要求に応答した後に、1 回以上の再試行要求を受信する場合があります。このテキスト ボックスには、応答が再送信された回数が表示されます。

    • [Handoff Requests Received]:ハンドオフ要求が受信、無視または応答された合計回数。

    • [Handoff End Requests Received]:ハンドオフ終了要求が受信された合計回数。これらの要求は、クライアント セッションの終了について通知するために、アンカー コントローラまたは外部コントローラによって送信されます。

    • [State Transitions Disallowed]:ポリシー施行モジュール(PEM)がクライアントの状態の遷移を拒否しました。通常、その結果としてハンドオフが中断されます。

    • [Resource Unavailable]:バッファなどの必要なリソースが使用できませんでした。その結果としてハンドオフが中断されます。

  • Mobility Initiator Statistics

    • [Handoff Requests Sent]:コントローラにアソシエートされ、モビリティ グループに通知されているクライアントの数。

    • [Handoff Replies Received]:送信された要求に応答して受信されている、ハンドオフ応答の数。

    • [Handoff as Local Received]:クライアント セッション全体が転送されているハンドオフの数。

    • [Handoff as Foreign Received]:クライアント セッションが別の場所でアンカーされたハンドオフの数。

    • [Handoff Denys Received]:拒否されたハンドオフの数。

    • [Anchor Request Sent]:スリーパーティ(外部から外部)ハンドオフ用に送信されたアンカー要求の数。ハンドオフが別の外部コントローラから受信され、新しいコントローラがクライアントを移動させるためのアンカーを要求しています。

    • [Anchor Deny Received]:現在のアンカーによって拒否されたアンカー要求の数。

    • [Anchor Grant Received]:現在のアンカーによって許可されたアンカー要求の数。

    • [Anchor Transfer Received]:現在のアンカー上でセッションを閉じ、要求元にアンカーを送り返したアンカー要求の数。

  • Mobility Responder Statistics

    • [Handoff Requests Ignored]:コントローラにクライアントが認識されていなかったために無視された、ハンドオフ要求またはクライアント通知の数。

    • [Ping Pong Handoff Requests Dropped]:ハンドオフ期間が短すぎた(3 秒)ために拒否されたハンドオフ要求の数。

    • [Handoff Requests Dropped]:クライアントについての認識が不完全であるか、パケットの問題が原因でドロップされたハンドオフ要求の数。

    • [Handoff Requests Denied]:拒否されたハンドオフ要求の数。

    • [Client Handoff as Local]:クライアントがローカル ロールにある間に送信されたハンドオフ応答の数。

    • [Client Handoff as Foreign]:クライアントが外部ロールにある間に送信されたハンドオフ応答の数。

    • [Anchor Requests Received]:受信したアンカー要求の数。

    • [Anchor Requests Denied]:拒否されたハンドオフ要求の数。

    • [Anchor Requests Granted]:許可されたアンカー要求の数。

    • [Anchor Transferred]:クライアントが外部コントローラから現在のアンカーとして同じサブネット上のコントローラに移動したために、転送されたアンカーの数。

ステップ 2

現在のモビリティ統計をクリアする場合は、[Clear Stats] をクリックします。


モビリティ グループの統計の表示(CLI)

手順


ステップ 1

次のコマンドを入力して、モビリティ グループの統計を表示します。

show mobility statistics

ステップ 2

次のコマンドを入力して、現在のモビリティの統計をクリアします。

clear stats mobility