トラステッド リレー ポイントの設定

トラステッド リレー ポイントの概要

トラステッド リレー ポイント(TRP)はメディア ストリームに挿入可能なデバイスで、そのストリームのコントロール ポイントとして機能します。TRP を使用すると、そのストリームにさらに処理を加えることができます。また、ストリームが特定のパスを通るようにする手段として TRP を使用することも可能です。TRP の機能には 2 つのコンポーネントがあります。
  • Cisco Unified Communications Manager が TRP を呼び出すために使用するロジック。

  • コールのアンカー ポイントとして呼び出される実際のデバイス。たとえば、メディア ターミネーション ポイント(MTP)デバイスは、そのようなアンカー ポイントとして機能できます。

Cisco Unified Communications Manager は、個々の電話デバイスに設定パラメータを提供します。このパラメータにより、その電話機から発信される、または電話機に着信するすべてのコールで TRP が呼び出されます。TRP リソースの管理には、メディア リソース プール メカニズムが利用されます。その電話機のメディア リソース プールには、TRP として呼び出し可能なデバイスが含まれている必要があります。

トラステッド リレー ポイントのタスク フロー

手順
     コマンドまたはアクション目的
    ステップ 1デバイスのトラステッド リレー ポイントの設定. 

    メディアが終端する 1 つ以上のデバイスにトラステッド リレー ポイント(TRP)を設定し、TRP を Cisco Unified Communications Manager に挿入します。

     
    ステップ 2メディア ターミネーション ポイントのトラステッド リレー ポイントの設定. 
    デバイスをトラステッド リレー ポイントとして使用できるように、メディア ターミネーション ポイント(MTP)を設定します。
    (注)      Cisco Unified Communications Manager に TRP として設定されているデバイスが、TRP とコールに関与するエンドポイントとの間に適切なネットワーク接続と設定を保持していることを確認します。
     
    ステップ 3トランスコーダに対するトラステッド リレー ポイントの設定. 

    デバイスをトラステッド リレー ポイントとして使用できるように、トランスコーダを設定します。

    (注)      Cisco Unified Communications Manager に TRP として設定されているデバイスが、TRP とコールに関与するエンドポイントとの間に適切なネットワーク接続と設定を保持していることを確認します。
     
    ステップ 4トラステッド リレー ポイントのサービス パラメータの有効化. 

    TRP リソースが使用できない場合に、TRP を必要とするコールのさらなる処理を許可するかどうかを決定するには、TRP サービス パラメータを有効にします。

     

    デバイスのトラステッド リレー ポイントの設定

    メディアの終端である 1 つまたは複数のデバイスのトラステッド リレー ポイント(TRP)を設定したり、Cisco Unified Communications Manager に TRP を挿入できます。デバイスの TRP を設定することによって、デバイスは、そのストリームでさらに処理を実行したり、ストリームが特定のパスをたどっていることを確認できます。

    手順
      ステップ 1   Cisco Unified CM の管理から、[デバイス(Device)] > [デバイスの設定(Device Settings)] > [共通デバイス設定(Common Device Configuration)] の順に選択します。
      ステップ 2   既存デバイスのトラステッド リレー ポイントを設定するには、[共通デバイス設定の検索と一覧表示(Find and List Common Device Configurations)] ウィンドウから、適切なフィルタを指定して [検索(Find)] をクリックします。
      ステップ 3   新規デバイスのトラステッド リレー ポイントを設定するには、[共通デバイス設定(Common Device Configuration)] ウィンドウから、[新規追加(Add New)] をクリックします。
      ステップ 4   [共通デバイス設定(Common Device Configuration)] ウィンドウのフィールドを設定します。フィールドとその設定オプションの詳細については、オンライン ヘルプを参照してください。
      ステップ 5   [共通デバイス設定情報(Common Device Configuration Information)] セクションで、[トラステッド リレー ポイントを使用(Use Trusted Relay Point)] チェック ボックスをクリックします。
      ステップ 6   [保存(Save)] をクリックします。

      次の作業

      メディア ターミネーション ポイントのトラステッド リレー ポイントの設定.

      メディア ターミネーション ポイントのトラステッド リレー ポイントの設定

      デバイスをトラステッド リレー ポイント(TRP)として利用できるようにメディア ターミネーション ポイント(MTP)を設定できます。

      はじめる前に

      デバイスのトラステッド リレー ポイントの設定.

      手順
        ステップ 1   Cisco Unified CM の管理で、[メディア リソース(Media Resources)] > [メディア ターミネーション ポイント(Media Termination Point)] を選択します。
        ステップ 2   既存のメディア ターミネーション ポイントに TRP を設定するには、[メディアターミネーションポイントの検索と一覧表示(Find and List Media Termination Points)] ウィンドウから、該当するフィルタを指定し、[検索(Find)] をクリックします。
        ステップ 3   新しいメディア ターミネーション ポイントに TRP を設定するには、[新規追加(Add New)] をクリックします。
        ステップ 4   [メディア ターミネーション ポイントの設定(Media Termination Point Configuration)] ウィンドウで各フィールドを設定します。フィールドとその設定オプションの詳細については、オンライン ヘルプを参照してください。
        ステップ 5   [メディア ターミネーション ポイント情報(Media Termination Point Information)] セクションで、[トラステッド リレー ポイントを使用(Use Trusted Relay Point)] チェックボックスをオンにします。
        ステップ 6   [保存(Save)] をクリックします。

        次の作業

        トランスコーダに対するトラステッド リレー ポイントの設定.

        トランスコーダに対するトラステッド リレー ポイントの設定

        トラステッド リレー ポイント(TRP)としてデバイスを使用できるようにトランスコーダを設定できます。

        はじめる前に

        メディア ターミネーション ポイントのトラステッド リレー ポイントの設定.

        手順
          ステップ 1   Cisco Unified CM の管理で、[メディア リソース(Media Resources)] > [トランスコーダ(Transcoder)] の順に選択します。
          ステップ 2   既存のトランスコーダに対する TRP を設定するには、[トランスコーダの検索と一覧表示(Find and List Trancoder)] ウィンドウから、該当するフィルタを指定し、[検索(Find)] をクリックします。
          ステップ 3   新しいトランスコーダに対して TRP を設定するには、[新規追加(Add New)] をクリックします。
          ステップ 4   [トランスコーダの設定(Transcoder Configuration)] ウィンドウで各フィールドを設定します。フィールドとその設定オプションの詳細については、オンライン ヘルプを参照してください。
          ステップ 5   [メディア サーバ トランスコーダ情報(Media Server Transcoder Info)] セクションで、[トラステッド リレーポイントを使用(Use Trusted Relay Point)] チェックボックスをオンにします。
          ステップ 6   [保存(Save)] をクリックします。

          次の作業

          トラステッド リレー ポイントのサービス パラメータの有効化.

          トラステッド リレー ポイントのサービス パラメータの有効化

          TRP サービス パラメータを有効にすると、TRP リソースが使用できない場合に、TRP を必要とするコールの続行を許可するかどうかを決定できます。

          はじめる前に

          トランスコーダに対するトラステッド リレー ポイントの設定.

          手順
            ステップ 1   Cisco Unified CM の管理から、[システム(System)] > [サービス パラメータ(Service Parameters)] の順に選択します。

            [サーバ(Server)] ドロップダウン リストのみが表示されます。

            ステップ 2   [サービス パラメータ設定(Service Parameter Configuration)] ウィンドウで、[サーバ(Server)] ドロップダウン リストからサーバを選択します。 [サービス(Service)] ドロップダウン リストが表示されます。
            ステップ 3   [サーバ(Server)] ドロップダウン リストから、Cisco Unified Communications Manager サーバを選択します。 選択されたサーバおよびサービスに基づいて、サービス パラメータが表示されます。
            ステップ 4   [クラスタ全体のパラメータ(デバイス - 全般)(Clusterwide Parameters (Device - General))] セクションから、[トラステッド リレー ポイントの割り当てが失敗するとコールは失敗する(Fail Call If Trusted Relay Point Allocation Fails)] ドロップダウン リストの [True(True)] を選択します。フィールドとその設定オプションについては、「関連項目」の項を参照してください。
            ステップ 5   [クラスタ全体のパラメータ(デバイス - H323)(Clusterwide Parameters (Device - H323))] セクションから、[MTP の割り当てが失敗するとコールは失敗する(Fail Call If MTP Allocation Fails)] ドロップダウン リストの [True(True)] を選択します。フィールドとその設定オプションについては、「関連項目」の項を参照してください。
            ステップ 6   [保存(Save)] をクリックします。

            関連資料
            MTP および TRP サービス パラメータを選択したときのコール ステータス
            MTP と TRP サービス パラメータが選択されない場合のコール ステータス

            MTP および TRP サービス パラメータを選択したときのコール ステータス

            エンドポイントの [メディア ターミネーション ポイントが必要(Media Termination Point Required)] および [信頼されるリレー ポイントを使用(Use Trusted Relay Point)] の両方のチェックボックスをオンにすると、Cisco Unified Communications Manager は、トラステッド リレー ポイント(TRP)でもあるメディア ターミネーション ポイント(MTP)を割り当てます。管理者がこのような MTP または TRP の割り当てに失敗すると、コール ステータスが表示されます。

            次の表は、コールが失敗したときに [トラステッド リレー ポイントの割り当て失敗時にコールが失敗(Fail Call If Trusted Relay Point Allocation Fails)] および [MTP の割り当て失敗時にコールが失敗(Fail Call if MTP Allocation Fails)] のサービス パラメータ値を備えたコール ステータスを示します。

            [TRP の割り当て失敗時にコール失敗(Fail Call If TRP Allocation Fails)]

            [MTP の割り当て失敗時にコール失敗(Fail Call If MTP Allocation Fails)]

            コール失敗?

            [はい(True)]

            [はい(True)]

            [はい(True)]

            いいえ(False)

            いいえ(False)

            [はい(True)]

            [MTP が H.323 エンドポイントで必要な場合、はい(Yes, if MTP is required for H.323 endpoint)][MTP が SIP エンドポイントで必要な場合、いいえ(No, if MTP is required for SIP endpoint)]

            いいえ(False)

            いいえ(False)

            なし

            MTP と TRP サービス パラメータが選択されない場合のコール ステータス

            [トラステッド リレー ポイントの割り当てに失敗した場合コールを失敗させる(Fail Call If Trusted Relay Point Allocation Fails)] サービス パラメータ、および [MTP の割り当てに失敗した場合コールを失敗させる(Fail Call If MTP Allocation Fails)] サービス パラメータの両方が、False に設定されている場合に、MTP が必要かどうか、[トラステッド リレー ポイントを使用(Use Trusted Relay Point)] の設定、およびリソースの割り当て状況に関係するコールの動作を、次の表に示します。

            MTP が必要かどうか

            TRP の使用

            リソースの割り当て状況

            コールの動作

            Y

            Y

            TRP の割り当てあり

            パススルー サポートがないため音声通話のみです。

            Y

            [Y] または [N]

            MTP のみ

            音声通話のみです。TRP のサポートはありません。

            Y

            [Y] または [N]

            割り当てなし

            H.323 エンドポイントで MTP を必要とする設定にしている場合、補足サービスは無効になります。

            N

            Y

            TRP の割り当てあり

            エンドポイントの機能、またはコール アドミッション制御(CAC)に応じて、音声またはビデオ通話のどちらかになります。補足サービスは動作します。

            N

            Y

            割り当てなし

            音声またはビデオ通話。補足サービスは動作しますが、TRP のサポートはありません。

            トラステッド リレー ポイントの連携動作と制約事項

            トラステッド リレー ポイントの連携動作

            機能

            データのやり取り

            リソース予約プロトコル(RSVP)

            RSVP がコールに対して有効な場合、Cisco Unified Communications Manager は最初に TRP としてもラベル付けされている RSVPAgent の割り当てを試みます。それ以外の場合は、別の TRP デバイスが RSVPAgent とエンドポイントの間に挿入されます。

            コール用のトランスコーダ

            コールにトランスコーダが必要で、TRP を必要とするエンドポイントと同じ側にトランスコードを割り当てる必要がある場合、Cisco Unified Communications Manager は最初に TRP としてもラベル付けされたトランスコードの割り当てを試みます。それ以外の場合は、別の TRP デバイスがトランスコーダとエンドポイントの間に挿入されます。

            トラステッド リレー ポイントの制限事項

            表 1 トラステッド リレー ポイントの制限事項

            制約事項

            説明

            エンドポイント向けトラステッド リレー ポイントの挿入

            エンドポイントまたはデバイスに関連付けられているデバイス プールのいずれかで、[トラステッド リレー ポイントを使用(Use Trusted Relay Point)] チェックボックスをオンにした場合、Cisco Unified Communications Manager はそのエンドポイント向けに TRP を挿入する必要があります。[トラステッドリレーポイントの割り当てに失敗した場合コールを失敗させる(Fail Call If Trusted Relay Point Allocation Fails)] サービス パラメータが、True に設定されている場合、Cisco Unified Communications Manager が TRP の割り当てに失敗すると、コールが失敗することがあります。

            エンドポイント向けメディア ターミネーション ポイントの割り当て

            エンドポイント向けに、[メディア ターミネーション ポイントが必須(Media Termination Point Required)] チェックボックスおよび [トラステッド リレー ポイントを使用(Use Trusted Relay Point)] チェックボックスをオンにすると、Cisco Unified Communications Manager は、TRP を兼ねる MTP を割り当てます。管理者がそのような MTP または TRP の割り当てに失敗すると、コールの状態が表示されます。

            トラステッド リレー ポイントの割り当て

            ほとんどのインスタンスでは、ユーザがコールに応答した後に、TRP が割り当てられるため、TRP の割り当ての失敗によりコールが失敗する場合、ユーザがコールに応答すると短い間隔の話中音を受信する可能性があります(MTP が必要な SIP アウトバウンド レッグ、つまり H.323 アウトバウンド FastStart は例外です)。