デュアル スタック IPv6 の設定

デュアル スタック アドレッシングの概要

SIP 導入に IPv6 アドレッシングが必要な場合は、デュアル スタック IPv4 および IPv6 アドレッシングをサポートするように、Cisco Unified Communications Manager を設定できます。デフォルトでは、Cisco Unified Communications Manager は IPv4 アドレッシングに対して有効になっています。システムは引き続き IPv4 のみをサポートするデバイスとやり取りする必要があるため、システム レベルで IPv6 のみをサポートするように Cisco Unified Communications Manager を設定することはできません。ただし、IPv6 アドレッシングが必要な場合は、デュアル スタック トランクとデバイスを設定できます。

システム レベルでのデュアル スタック IPv6

Cisco Unified Communications Manager がデュアル スタック アドレッシング対応として設定されている場合、システムは次のシナリオのコールを設定できます。

  • コール内の全デバイスが IPv4 のみをサポートしている

  • コール内の全デバイスが IPv6 のみをサポートしている

  • コール内の全デバイスがデュアル スタック モードである:このシナリオでは、システムはシグナリング イベントの [シグナリングの IP アドレッシング モード設定(IP Addressing Mode Preference for Signaling)] 設定とメディア イベントの [メディアの IP アドレッシング モード設定(IP Addressing Mode Preference for Media)] エンタープライズ パラメータを設定することで、IP アドレスのタイプを判別します。

  • 一方のデバイスが IPv4 のみをサポートし、他方は IPv6 のみをサポートしている:このシナリオでは、Cisco Unified Communications Manager は MTP をコール パスに挿入し、2 つのアドレッシング タイプの間でシグナリングを変換します。

Cisco Unified Communications Manager は、SIP 環境でのみ IPv6 アドレスをサポートします。H.323 導入の場合、IPv4 デバイスと IPv6 デバイスが通信できるように、システムは MTP をコール パスに挿入します。

デバイスのデュアル スタック IPv6

デバイス レベルでは、電話、ゲートウェイ、会議ブリッジなどの多数のデバイスとメディア リソースを設定できます。それらは、IPv4 アドレッシングのみ、IPv6 アドレッシングのみ、またはデュアル スタックを使用するように設定できます。シグナリングとメディア イベントの両方に対して優先されるアドレッシング方式を設定できます。

SIP デバイスの場合、Alternate Network Address Type(ANAT)機能を設定することもできます。この機能によって、登録済みの SIP デバイスは、IPv4 アドレスと IPv6 アドレスを同時に保持できます。デバイスはいずれかのアドレス タイプを使用して通信できるため、IPv4 ネットワークと IPv6 ネットワークの両方でシームレスに相互運用できます。デバイスに割り当てられた SIP プロファイルで ANAT を有効にすることで、SIP デバイスの ANAT を有効化できます。

デュアル スタック IPv6 の前提条件

Cisco Unified Communications Manager にデュアル スタック IPv6 サポートを設定する前に、IPv6 をサポートするように、次のネットワーク サーバとデバイスを設定する必要があります。詳細については、デバイスのユーザ ドキュメントを参照してください。

  • DHCP および DNS サーバに IPv6 サポートをプロビジョニングします。Cisco Network Registrar サーバは、DHCP および DNS 対応の IPv6 をサポートします。

  • ゲートウェイ、ルータ、MTP などのネットワーク デバイスの IOS に IPv6 サポートを設定します。

  • IPv6 を実行するための TFTP サーバを設定します。

デュアル スタック IPv6 設定のタスク フロー

システムのデュアル スタック IPv6 を設定するには、次のタスクを実行します。

手順
     コマンドまたはアクション目的
    ステップ 1オペレーティング システムでの IPv6 の設定
     

    IPv6 アドレスをサポートするオペレーティング システムを設定します。

     
    ステップ 2IPv6 のサーバの設定
     

    IPv6 アドレスを使用して、クラスタのサーバを設定します。

     
    ステップ 3IPv6 の有効化
     

    IPv6 のシステムを有効にするエンタープライズ パラメータを設定します。

     
    ステップ 4IP アドレッシングの優先順位の設定
     

    IP アドレッシング方式が推奨されるクラスタ設定を設定します。

     
    ステップ 5サービスの再起動
     

    次のネットワーク サービスを再起動します。

    • Cisco CallManager

    • Cisco CTIManager

    • Cisco IP Voice Media Streaming App

    • Cisco Certificate Authority Proxy Function

     
    次の作業

    デュアル スタックのトランクを設定する方法については、SIP トランクの設定の章を参照してください。

    SIP デバイスのデュアル スタックを設定する方法については、設定する SIP デバイスのセクションを参照してください。

    オペレーティング システムでの IPv6 の設定

    Cisco Unified OS の管理でイーサネット IPv6 をセットアップするには、次の手順を実行します。

    手順
      ステップ 1   [Cisco Unified OS の管理(Cisco Unified OS Administration)] で、[設定(Settings)] > [IPv6] > [イーサネット(Ethernet)].を選択します。
      ステップ 2   [IPv6 を有効にする(Enable IPv6)] チェックボックスをオンにします。
      ステップ 3   [アドレス ソース(Address Source)] ドロップダウン リスト ボックスから、システムが IPv6 アドレスを取得する方法を設定します。
      • [ルータ アドバタイズメント(Router Advertisement)]:システムが IPv6 アドレスを取得するためにステートレス自動設定を使用します。
      • [DHCP]:システムが DHCP サーバから IPv6 アドレスを取得します。
      • [手動入力(Manual Entry)]:IPv6 アドレスを手動で入力する場合は、このオプションを選択します。
      ステップ 4   IPv6 アドレスの取得方法として手動入力を設定した場合は、次のフィールドに入力します。
      • [IPv6 アドレス(IPv6 Address)] を入力します。例:fd62:6:96:2le:bff:fecc:2e3a
      • [IPv6 マスク(IPv6 Mask)] を入力します。例:64
      ステップ 5   保存した後でシステムを再起動するには、[再起動後に更新(Update with Reboot)] チェック ボックスをオンにします。
      ステップ 6   [保存(Save)] をクリックします。

      次の作業

      IPv6 のサーバの設定

      IPv6 のサーバの設定

      IPv6 アドレスを使用して、クラスタのサーバを設定します。

      手順
        ステップ 1   Cisco Unified CM の管理から、[システム(System)] > [サーバ(Server)] を選択します。
        ステップ 2   [IPv6名(IPv6 Name)] フィールドで、次のいずれかの値を選択します。
        • DNS 設定済みで、DNS サーバが IPv6 対応の場合は、サーバのホスト名を入力します。
        • それ以外の場合は、非リンク ローカル IPv6 アドレスを入力します。
        ステップ 3   [保存(Save)] をクリックします。
        ステップ 4   各クラスタ ノードで上記の手順を繰り返します。

        次の作業

        IPv6 の有効化

        IPv6 の有効化

        システムで IPv6 サポートを設定する場合、システムで IPv6 デバイスをサポートできるようにする必要があります。

        手順
          ステップ 1   Cisco Unified CM の管理から、[システム(System)] > [エンタープライズ パラメータ(Enterprise Parameters)] の順に選択します。
          ステップ 2   [IPv6 を有効化(Enable IPv6)] エンタープライズ パラメータの値を [True(True)] に設定します。
          ステップ 3   [保存(Save)] をクリックします。

          次の作業

          IP アドレッシングの優先順位の設定

          IP アドレッシングの優先順位の設定

          IP アドレスの優先順位を含む共通デバイス設定を実行し、その設定をトランクやデバイスに適用することで、個別のトランクや SIP デバイスに対して IP アドレッシングの優先順位を設定できます。

          手順
             コマンドまたはアクション目的
            ステップ 1クラスタの IP アドレッシングの設定
             

            クラスタ全体のエンタープライズ パラメータを使用して、システム レベルの IP アドレスの優先順位を設定します。この設定は、クラスタ内のすべての SIP デバイスとトランクに適用されます。ただし、共通デバイス設定によってトランクやデバイスが上書きされる場合は除きます。

             
            ステップ 2デバイス用 IP アドレッシング モードの優先順位の設定
             

            共通デバイス設定で IP アドレッシングの優先順位を設定します。SIP トランク、SIP 電話、会議ブリッジ、トランスコーダなどのデュアルスタック デバイスに設定を適用できます。

            (注)     

            共通デバイス設定の IP アドレッシングの優先順位設定は、共通デバイス設定を使用するデバイスに対するクラスタ全体のエンタープライズ パラメータ設定を上書きします。

             

            クラスタの IP アドレッシングの設定

            デュアル スタック IPv6 でクラスタ全体の IP アドレッシング モードの優先順位を設定するには、この手順でエンタープライズ パラメータを使用します。変更中の共通デバイス設定が特定のトランクまたはデバイスに適用されている場合を除き、システムは、その設定をすべての SIP トランクおよびデバイスに適用します。

            手順
              ステップ 1   Cisco Unified CM の管理から、[システム(System)] > [エンタープライズ パラメータ(Enterprise Parameters)] の順に選択します。
              ステップ 2   [メディア用のIPアドレッシングモード設定(IP Addressing Mode Preference for Media)] のエンタープライズ パラメータの値を [IPv4(IPv4)] または [IPv6(IPv6)] に設定します。
              ステップ 3   [シグナリング用のIPアドレッシングモード設定(IP Addressing Mode Preference for Media)] のエンタープライズ パラメータの値を [IPv4(IPv4)] または [IPv6(IPv6)] に設定します。
              ステップ 4   [保存(Save)] をクリックします。

              次の作業

              共通デバイス設定を使用して、IP アドレスの設定を特定の SIP デバイスに適用します。詳細は、IP アドレッシングの優先順位の設定を参照してください。

              デバイス用 IP アドレッシング モードの優先順位の設定

              共通デバイス設定で優先順位を設定することで、個々のデバイスに IP アドレッシング モードの優先順位を設定できます。トランク、電話機、会議ブリッジ、トランスコーダなどの IPv6 アドレッシングをサポートする SIP デバイスに共通デバイス設定を適用できます。


              (注)  


              共通デバイス設定の IP アドレスの設定は、その共通デバイス設定を使用するデバイスのクラスタ全体のエンタープライズ パラメータ設定をオーバーライドします。
              手順
                ステップ 1   Cisco Unified CM の管理から、[デバイス(Device)] > [デバイスの設定(Device Settings)] > [共通デバイス設定(Common Device Configuration)] を選択します。
                ステップ 2   [新規追加(Add New)] をクリックします。
                ステップ 3   [共通デバイス設定(Common Device Configuration)] ウィンドウで各フィールドを設定します。フィールドとその説明については、オンライン ヘルプを参照してください。
                ステップ 4   SIP トランクまたは SCCP 電話機では、[IP アドレッシング モード(IP Addressing Mode)] ドロップダウン リスト ボックスの値を選択してください。
                • [IPv4 のみ(IPv4 Only)] —デバイスはメディアやシグナリングに IPv4 アドレスだけを使用します。
                • [IPv6 のみ(IPv6 Only)] —デバイスはメディアやシグナリングに IPv6 アドレスだけを使用します。
                • [IPv4 および IPv6(IPv4 and IPv6)] —(デフォルト)デバイスはデュアルスタック デバイスで、利用できる IP アドレスのタイプを使用します。両方の IP アドレスのタイプがデバイスに設定されている場合、デバイスのシグナリングには、[シグナリグ用 IP アドレッシング モード優先設定(IP Addressing Mode Preference for Signaling)] 設定を使用し、メディア デバイスには、[メディア用 IP アドレッシング モード優先設定(IP Addressing Mode Preference for Media)] エンタープライズ パラメータの設定を使用します。
                ステップ 5   デュアル スタックの電話やトランクでは、[シグナリグ用 IP アドレッシング モード優先設定(IP Addressing Mode Preference for Signaling)] ドロップダウン リスト ボックスで次の IP アドレッシング モード優先設定を入力します。
                • [IPv4(IPv4)]—デュアル スタック デバイスでシグナリングに IPv4 アドレスを優先して使用します。
                • [IPv6(IPv6)]—デュアル スタック デバイスでシグナリングに IPv6 アドレスを優先して使用します。
                • [システム デフォルトを使用(Use System Default)]—デバイスは、[シグナリグ用 IP アドレッシング モード優先設定(IP Addressing Mode Preference for Signaling)] エンタープライズ パラメータの設定を使用します。
                ステップ 6   [保存(Save)] をクリックします。

                次の作業

                IPv6 設定が完了したら、サービスの再起動

                サービスの再起動

                システムの IPv6 設定したら、基本的なサービスを再起動します。

                手順
                  ステップ 1   Cisco Unified Serviceability にログインして、[ツール(Tools)] > [コントロール センター - 機能サービス(Control Center - Feature Services)] を選択します。
                  ステップ 2   次のそれぞれのサービスに対応するチェックボックスをオンにします。
                  • Cisco CallManager
                  • Cisco CTIManager
                  • Cisco Certificate Authority Proxy Function
                  • Cisco IP Voice Media Streaming App
                  ステップ 3   [再起動(Restart)] をクリックします。
                  ステップ 4   [OK] をクリックします。