インターフェイス タイプの概要
ここでは、スイッチによってサポートされる各種インターフェイス タイプについて説明するとともに、これらのインターフェイス タイプの設定に関する詳細情報が記載された章についても言及します。また、インターフェイスの物理特性に応じた設定手順についても説明します。
■UNI、NNI、および ENI の各ポートタイプ
■ポートベースの VLAN
■スイッチ ポート
■ルーテッド ポート
■スイッチ仮想インターフェイス
■EtherChannel ポート グループ
■Power over Ethernet(PoE)ポート
■インターフェイスの接続
UNI、NNI、および ENI の各ポートタイプ
スイッチは、ユーザ ネットワーク インターフェイス(UNI)、ネットワーク ノード インターフェイス(NNI)、および拡張ネットワーク インターフェイス(ENI)をサポートします。UNI は通常、PC や Cisco IP Phone などのホストに接続されます。NNI は通常、ルータまたは別のスイッチに接続されます。ENI は、機能的には UNI と同じですが、設定により Cisco Discovery Protocol(CDP)、スパニングツリー プロトコル(STP)、リンク層検出プロトコル(LLDP)、および EtherChannel のリンク集約制御プロトコル(LACP)またはポート集約プロトコル(PAgP)用のプロトコル制御パケットをサポートできます。
デフォルトでは、すべてのポートが NNI としてイネーブルになっています。
スイッチ上のすべてのポートを UNI または ENI として設定することもできます。
UNI または ENI のデフォルト ステートは、スイッチを設定する場合に無許可のユーザが他のポートにアクセスするのを防止するため、管理上のダウンとなっています。トラフィックはこれらのポート間ではスイッチングされません。また、UNI または ENI に着信するすべてのトラフィックは、ユーザが別のユーザのプライベートネットワークにアクセスするのを防止するため、NNI から発信される必要があります。スイッチ内でトラフィックを 2 つ以上の UNI または ENI により交換するのが適切であれば、この UNI および ENI はコミュニティ VLAN に割り当てられます。コミュニティ VLAN の設定手順については、VLAN の設定を参照してください。
注: UNI または ENI のデフォルトステートがシャットダウンである場合でも、default interface interface-id コマンドを入力すると、ポートはイネーブルステートに変更されます。
NNI のデフォルト ステータスは管理上アップであり、サービス プロバイダーは初期設定時にリモート スイッチへのアクセスを許可されます。
ポートは、UNI から NNI または ENI へ再設定することも、NNI または ENI から UNI へ再設定することも可能です。別のインターフェイス タイプとして再設定されるポートは、現在のインターフェイス タイプの特性をすべて継承します。UNI または ENI であるポートを NNI に再設定した場合、そのポートがアクティブになるためには、あらかじめそのポートをイネーブルにしておく必要があります。
ポート タイプを UNI から ENI に変更しても、そのポートの管理ステートは影響を受けません。ステータスがシャットダウンである UNI は、ENI として再設定しても、そのステータスはシャットダウンのままです。また、非シャットダウン ステートにあるポートは、その非シャットダウン ステートが維持されます。スイッチ上の各ポートは常に、UNI、NNI、ENI のいずれかになります。
ポートベースの VLAN
VLAN は、ユーザの物理的な位置に関係なく、機能、チーム、またはアプリケーションなどで論理的に分割された、スイッチによるネットワークです。ポートで受信したパケットが転送されるのは、その受信ポートと同じ VLAN に属するポートに限られます。異なる VLAN 上のネットワーク デバイスは、VLAN 間でトラフィックをルーティングするレイヤ 3 デバイスがなければ、互いに通信できません。
VLAN に分割することにより、VLAN 内でトラフィック用の堅固なファイアウォールを実現します。また、各 VLAN には固有の MAC アドレス テーブルがあります。VLAN が成立するのは、ローカル ポートが VLAN ID に関連付けられた場合、またはユーザが VLAN ID を作成した場合です。
サービスプロバイダー ネットワークの各カスタマーの VLAN を分離するため、スイッチでは UNI-ENI VLAN が使用されます。UNI-ENI VLAN により、スイッチ上の UNI または ENI と、カスタマーの VLAN に属する UNI または ENI が分離されます。UNI-ENI VLAN には 2 種類あります。
■UNI-ENI 独立 VLAN:これは、スイッチ上で作成されるすべての VLAN のデフォルト VLAN ステートです。同一の UNI-ENI 独立 VLAN に属するスイッチでは、UNI または ENI 間のローカル スイッチングが実行されません。
■UNI-ENI コミュニティ VLAN:同一の UNI コミュニティ VLAN に属するスイッチ上の UNI および ENI 間で、ローカル スイッチングが許可されます。UNI または ENI が同一カスタマーに属する場合に、ポート間でパケットをスイッチングするには、UNI-ENI コミュニティ VLAN として共通の VLAN を設定できます。
注: ローカルスイッチングは、同一コミュニティ VLAN の ENI および UNI との間で行われます。スパニング ツリーは UNI ではなく ENI でイネーブルに設定できるため、同一コミュニティ VLAN で ENI および UNI を設定する場合は注意が必要です。UNI は常に、フォワーディング ステートです。
VLAN を設定するには、 vlan vlan-id グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して、VLAN コンフィギュレーション モードを開始します。VLAN ID 1 ~ 1005 の VLAN 設定は、VLAN データベースに保存されます。拡張範囲 VLAN(VLAN ID が 1006 ~ 4094)は VLAN データベースに追加されません。VLAN の設定はスイッチの実行コンフィギュレーションに保存されます。また、 copy running-config startup-config 特権 EXEC コマンドを実行することにより、スイッチのスタートアップ コンフィギュレーション ファイルにも保存できます。
switchport インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用すると、VLAN にポートが追加されます。
■インターフェイスを特定します。
■トランク ポートには、トランク特性を設定し、必要に応じて、所属できる VLAN を定義します。
■アクセス ポートには、所属する VLAN を設定して定義します。
■トンネル ポートの場合は、カスタマー固有の VLAN タグ用に VLAN ID の設定と定義を行います。
スイッチ ポート
スイッチ ポートは、物理ポートに対応付けられたレイヤ 2 専用インターフェイスです。スイッチ ポートは 1 つまたは複数の VLAN に所属します。スイッチ ポートは、アクセス ポート、トランク ポート、プライベート VLAN ポート、またはトンネル ポートのいずれかになります。各ポートは、アクセス ポートまたはトランク ポートとして設定できます。プライベート VLAN ポートは、プライベート VLAN のプライマリ VLAN またはセカンダリ VLAN に属するホストまたは無差別ポートとして設定しますNNI に限り、混合ポートとして設定できます。IEEE 802.1Q トランク ポートに接続した非対称リンクの一部として、トンネル ポートを手動で設定する必要があります。スイッチ ポートは物理インターフェイスおよび対応レイヤ 2 プロトコルの管理に使用します。ルーティングやブリッジングは処理しません。
スイッチ ポートの設定には、 switchport インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。レイヤ 3 モードのインターフェイスをレイヤ 2 モードにするには、 switchport コマンドと no キーワードを使用します。
注: レイヤ 3 モードのインターフェイスをレイヤ 2 モードにした場合、影響のあるインターフェイスに関連する以前の設定情報が消失する可能性があり、インターフェイスはデフォルト設定に戻ります。
アクセス ポート
各アクセス ポートは、ただ 1 つの VLAN に属し、そのトラフィックを伝送します。トラフィックは、VLAN タグが付いていないネイティブ形式で送受信されます。アクセス ポートに着信したトラフィックは、ポートに割り当てられている VLAN に所属すると見なされます。アクセス ポートが 802.1Q タグ付きパケットを受信した場合、そのパケットはドロップされ、送信元アドレスは学習されません。また、VLAN 割り当てには 802.1x も使用されます。
2 種類のアクセス ポートがサポートされています。
■スタティック アクセス ポートは、手動で VLAN に割り当てます。
■ダイナミック アクセス ポートの VLAN メンバーシップは、着信パケットを通じて学習されます。デフォルトでは、ダイナミック アクセス ポートはどの VLAN のメンバでもなく、ポートとの間での転送はポートの VLAN メンバーシップが検出されたときにだけイネーブルになります。UNI は、イネーブルになるとすぐにパケット転送を開始します。スイッチ上のダイナミック アクセス ポートは、VLAN メンバーシップ ポリシー サーバ(VMPS)によって VLAN に割り当てられます。VMPS のダイナミック アクセス ポートは、UNI および ENI に限りサポートされます。
トランク ポート
802.1Q トランクポートは複数の VLAN のトラフィックを搬送し、デフォルトでは VLAN データベース内のすべての VLAN のメンバーとなります。トランク ポートは、タグ付きトラフィックおよびタグなしトラフィックを同時にサポートします。IEEE 802.1Q トランク ポートにはデフォルトのポート VLAN ID(PVID)が割り当てられ、すべてのタグなしトラフィックはポートのデフォルト PVID 上を流れます。NULL VLAN ID を備えたすべてのタグなしおよびタグ付きトラフィックは、ポートのデフォルト PVID に所属するものと見なされます。発信ポートのデフォルト PVID と等しい VLAN ID を持つパケットは、タグなしで送信されます。残りのトラフィックはすべて、VLAN タグ付きで送信されます。
デフォルトでは、トランク ポートは複数の VLAN のメンバーですが、トランク ポートごとに VLAN の許可リストを設定することで、VLAN メンバーシップを制限できます。許可 VLAN のリストは、その他のポートには影響を与えませんが、対応トランク ポートには影響を与えます。デフォルトでは、使用可能なすべての VLAN(VLAN ID 1 ~ 4094)が許可リストに含まれます。トランク ポートは、VLAN がイネーブル ステートにある場合に限り、VLAN のメンバーとなります。
トランク ポートの詳細については、VLAN の設定を参照してください。
トンネル ポート
トンネルポートは 802.1Q トンネリングで使用され、サービスプロバイダー ネットワークのカスタマーのトラフィックを、同じ VLAN 番号を使用するその他のカスタマーから分離します。サービスプロバイダー エッジ スイッチ上のトンネルポートから、カスタマースイッチ上の 802.1Q トランクポートまで、非対称リンクを設定します。エッジスイッチのトンネルポートに入るパケットには、カスタマーの VLAN ですでに IEEE 802.1Q タグが付いていて、カスタマーごとに 802.1Q タグの別のレイヤ(メトロタグと呼ばれる)でカプセル化され、サービスプロバイダー ネットワークで一意の VLAN ID が含まれます。タグが二重に付いたパケットは、その他のカスタマーのものとは異なる、元のカスタマーの VLAN が維持されてサービスプロバイダー ネットワークを通過します。発信インターフェイス、およびトンネル ポートでは、メトロ タグが削除されてカスタマーのネットワークのオリジナル VLAN 番号が取得されます。
注:IEEE 802.1Q トンネリングは、スイッチが IP Services ライセンスを実行している場合にのみサポートされます。
トンネル ポートは、トランク ポートまたはアクセス ポートにすることができず、それぞれのカスタマーに固有の VLAN に属する必要があります。
ルーテッド ポート
ルーテッド ポートは物理ポートであり、ルータ上にあるポートのように動作しますが、ルータに接続されている必要はありません。ルーテッド ポートは、アクセス ポートとは異なり、特定の VLAN に対応付けられていません。ルーテッド ポートは普通のルータ インターフェイスのように作動します。ただし、VLAN サブインターフェイスをサポートしていません。ルーテッド ポートは、レイヤ 3 ルーティング プロトコルで設定できます。ルーテッド ポートはレイヤ 3 インターフェイス専用で、スパニングツリー プロトコル(STP)などのレイヤ 2 プロトコルはサポートしていません。
ルーテッド ポートを設定するには、 no switchport インターフェイス コンフィギュレーション コマンドでインターフェイスをレイヤ 3 モードにします。次に、ポートに IP アドレスを割り当て、ルーティングをイネーブルにし、ip routing および router protocol グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用してルーティング プロトコルの特性を指定します。
注: no switchport インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを実行すると、インターフェイスがいったんシャットダウンしてから再度イネーブルになります。これにより、インターフェイスが接続しているデバイスに関するメッセージが表示されることがあります。レイヤ 2 モードのインターフェイスをレイヤ 3 モードにした場合、影響のあるインターフェイスに関連する以前の設定が消失する可能性があります。
ソフトウェアに、設定できるルーテッド ポートの個数制限はありません。ただし、ハードウェアには限界があるため、この個数と設定されている他の機能の数との相互関係によって CPU パフォーマンスに影響が及ぶことがあります。ハードウェアのリソース制限に達した際に何が発生するかについては、レイヤ 3 インターフェイスの設定を参照してください。
注: フルレイヤ 3 ルーティングの場合は、スイッチに IP サービスイメージをインストールする必要があります。
スイッチ仮想インターフェイス
スイッチ仮想インターフェイス(SVI)は、スイッチ ポートの VLAN を、システムのルーティング機能またはブリッジング機能に対する 1 つのインターフェイスとして表します。1 つの VLAN に対応付けできるのは 1 つの SVI だけです。VLAN に SVI を設定する必要があるのは、VLAN 間でルーティングする場合、またはスイッチと IP ホストの接続を行う場合に限られます。デフォルトでは、SVI はデフォルト VLAN(VLAN 1)用に作成され、リモート スイッチの管理を可能にします。追加の SVI は明示的に設定する必要があります。
注: インターフェイス VLAN 1 は削除できません。
SVI はシステムにしか IP ホスト接続を行いません。レイヤ 3 モードでは、SVI 全体にルーティングを設定できます。
スイッチは合計 1005 の VLAN(および SVI)をサポートしますが、ハードウェアには限界があるため、SVI とルーテッド ポートの数および設定されている他の機能の数との組み合わせによっては、CPU のパフォーマンスに影響する場合もあります。ハードウェアのリソース制限に達した際に何が発生するかについては、レイヤ 3 インターフェイスの設定を参照してください。
SVI は、VLAN インターフェイスに対して vlan インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを実行した際に初めて作成されます。VLAN は、IEEE802.1Q カプセル化トランク上のデータ フレームに関連付けられた VLAN タグ、あるいはアクセス ポート用に設定された VLAN ID に対応します。トラフィックをルーティングするそれぞれの VLAN に対して VLAN インターフェイスを設定し、IP アドレスを割り当ててください。詳細については、「手動での SVI への IP 情報の割り当て」を参照してください。
注: 物理ポートと関連付けられていない場合、SVI を作成してもアクティブにはなりません。
SVI は、さまざまなルーティング プロトコルをサポートします。
注: ルーテッドポート(または SVI)は、スイッチ上に IP サービスイメージがインストールされている場合に限りサポートされます。
EtherChannel ポート グループ
EtherChannel ポート グループは、複数のスイッチ ポートを 1 つのスイッチ ポートとして扱います。このようなポート グループは、スイッチ間、またはスイッチおよびサーバ間で高帯域接続を行う単一論理ポートとして動作します。EtherChannel は、チャネルのリンク全体でトラフィックの負荷を分散させます。EtherChannel 内のリンクで障害が発生すると、それまでその障害リンクで伝送されていたトラフィックが残りのリンクに切り替えられます。複数のトランク ポートを 1 つの論理トランク ポートに、複数のアクセス ポートを 1 つの論理アクセス ポートに、複数のトンネル ポートを 1 つの論理トンネル ポートに、または複数のルーテッド ポートを 1 つの論理ルーテッド ポートにグループ化できます。ほとんどのプロトコルは単一のまたは集約スイッチ ポートで動作し、ポート グループ内の物理ポートを認識しません。ただし、Cisco Discovery Protocol(CDP)、Link Aggregation Control Protocol(LACP)、およびポート集約プロトコル(PAgP)は例外です。これらのプロトコルは、NNI または ENI の各物理ポート上でしか動作しません。
EtherChannel を設定するとき、ポートチャネル論理インターフェイスを作成し、EtherChannel にインターフェイスを割り当てます。レイヤ 3 インターフェイスの場合は、 interface port-channel グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して手動で論理インターフェイスを作成します。そのあと、 channel-group インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用して、手動で EtherChannel にインターフェイスを割り当てます。レイヤ 2 インターフェイスの場合は、 channel-group インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用して、ポートチャネル論理インターフェイスをダイナミックに作成します。このコマンドは物理および論理ポートをバインドします。詳細については、EtherChannel の設定を参照してください。
Power over Ethernet(PoE)ポート
イーサネット経由の電源供給(PoE)対応スイッチ ポートでは、接続している次のデバイスに電力が自動的に供給されます(回路に電力が供給されていないことをスイッチが感知した場合)。
■シスコの先行標準装置(Cisco IP Phone および Cisco Aironet アクセス ポートなど)
■802.3af/802.3at に準拠した受電デバイス
受電デバイスが PoE スイッチ ポートと AC 電源にだけ接続している場合は、冗長電力を受電できます。
スイッチは受電デバイスの検出後、この装置の電力要件を決定し、装置への電力供給を許可または拒否します。また、スイッチは消費電力をモニタリングおよびポリシングすることで、装置の電力の消費をリアルタイムに検知できます。
ここでは、次の PoE 情報について説明します。
■サポート対象のプロトコルおよび標準
■受電装置の検出および初期電力割り当て
■電力管理モード
サポート対象のプロトコルおよび標準
スイッチは PoE のサポートで次のプロトコルと規格を使用します。
■電力の消費について CDP を使用:受電デバイスは、スイッチに消費している電力量を通知します。スイッチはこの電力消費に関するメッセージに応答しません。スイッチは、PoE ポートに電力を供給するか、このポートへの電力を取り除くだけです。
■シスコのインテリジェントな電力管理:受電デバイスおよびスイッチは、電力ネゴシエーション CDP メッセージによって消費電力レベルを合意するためのネゴシエーションを行います。このネゴシエーションにより、7 W より多くを消費する高電力のシスコ受電デバイスは、最も高い電力モードで動作できるようになります。受電デバイスは、最初に低電力モードでブートして 7 W 未満の電力を消費し、ネゴシエーションを行って高電力モードで動作するための十分な電力を取得します。受電装置が高電力モードに切り替わるのは、スイッチから確認を受信した場合に限られます。
高電力装置は、電力ネゴシエーション CDP をサポートしないスイッチで低電力モードによって動作できます。
シスコのインテリジェントな電力管理の機能には、電力消費に関して CDP との下位互換性があるため、スイッチは、受信する CDP メッセージに従って応答します。CDP はサードパーティの受電デバイスをサポートしません。このため、スイッチは、IEEE 分類を使用して装置の消費電力を判断します。
■IEEE 802.3af/802.3at:この規格の主な機能は、受電デバイスの検出、電力の管理、切断の検出です。オプションとして受電デバイスの電力分類があります。詳細については、この規格を参照してください。
受電装置の検出および初期電力割り当て
スイッチは、PoE 対応ポートがシャットダウンの状態でなく、PoE はイネーブルになっていて(デフォルト)、接続した装置は AC アダプタから電力供給されていない場合、シスコの先行標準受電デバイスまたは IEEE 準拠の受電デバイスを検出します。
装置の検出後、スイッチは、次のように装置のタイプに応じて電力要件を判断します。
■シスコ先行標準の受電デバイスは、スイッチがそのデバイスを検出しても電力要件を提供しないので、スイッチは、電力バジェットの初期割り当てとして 15.4 W を割り当てます。
初期電力割り当ては、受電デバイスが要求する最大電力量です。スイッチは、受電デバイスを検出および電力供給する場合、この電力を最初に割り当てます。スイッチが受電デバイスから CDP メッセージを受信し、受電デバイスが CDP 電力ネゴシエーション メッセージを通じてスイッチと電力レベルをネゴシエートしたときに、初期電力割り当てが調整される場合があります。
■スイッチは検出した IEEE 装置を消費電力クラス内で分類します。スイッチは、電力バジェットに使用可能な電力量に基づいて、ポートに通電できるかどうかを決定します。表 1 に、これらのレベルを示します。
|
|
0(クラス ステータスは不明) |
15.4 W |
1 |
4 W |
2 |
7 W |
3 |
15.4 W |
4(POE+) |
30 W(LLDP が必要) |
注:リリース 15.2(6)E1 より前のリリースでは、ラックがマウントされている場合、2 つの PWR-RGD-AC-DC-250 電源によって給電されていた IE4010 または IE5000 シリーズ スイッチで、 データシート に記載されている正しい合計 PoE バジェット(385 W)が表示されません。スイッチで適切な合計電力バジェットが表示されない場合は、リリース 15.2(6)E1 以降にアップグレードしてください。
スイッチは電力要求をモニタリングおよび追跡して必要な場合にだけ電力供給を許可します。スイッチは自身の電力バジェット(PoE のスイッチで使用可能な電力量)を追跡します。電力の供給許可または拒否がポートで行われると、スイッチはパワーアカウンティング計算を実行し、電力バジェットを最新に保ちます。
電力がポートに適用されると、スイッチは CDP を使用して、接続されたシスコの受電デバイスの 実際の 電力消費要件を確認し、必要に応じて電力バジェットを調整します。これは、サードパーティの PoE 装置には適用されません。スイッチは要件を処理して電力の供給または拒否を行います。要求が許可されると、スイッチは電力バジェットを更新します。要求が拒否された場合は、スイッチはポートの電力がオフに切り替わっていることを確認し、syslog メッセージを生成して LED を更新します。受電デバイスはより多くの電力について、スイッチとのネゴシエーションを行うこともできます。
不足電圧、過電圧、オシレータ障害、または短絡状態による障害をスイッチが検出した場合、ポートへの電源をオフにし、syslog メッセージを生成し、電力バジェットと LED を更新します。
電力管理モード
IE-4000 などの DIN レールスイッチの全体の PoE バジェットを制限するには、グローバル コンフィギュレーション コマンドの power inline wattage max <4-125> を使用します。
注: このコマンドは、IE-4010 や IE-5000 などの、内蔵電源を備えたラックマウントスイッチには適用されません。
スイッチでは、次の PoE モードがサポートされます。
■ auto :接続されている装置で電力が必要であるかどうか、スイッチが自動的に検出します。ポートに接続されている受電デバイスをスイッチが検出し、スイッチに十分な電力がある場合、スイッチは電力を供給して電力バジェットを更新し、先着順でポートの電力をオンに切り替えて LED を更新します。LED の詳細については、ハードウェア インストレーション ガイドを参照してください。
すべての受電デバイス用としてスイッチに十分な電力がある場合は、すべての受電デバイスが起動します。スイッチに接続された受電デバイスすべてに対し十分な電力が利用できる場合、すべての装置に電力を供給します。使用可能な PoE がない場合、または他の装置が電力供給を待機している間に装置の接続が切断されて再接続した場合、どの装置へ電力を供給または拒否されるかが判断できなくなります。
許可された電力がシステムの電力バジェットを超えている場合、スイッチは電力を拒否し、ポートへの電力がオフになっていることを確認したうえで syslog メッセージを生成し、LED を更新します。電力供給が拒否された後、スイッチは定期的に電力バジェットを再確認し、継続して電力要求の許可を試みます。
スイッチにより電力を供給されている装置が、さらに壁面コンセントに接続している場合、スイッチは装置に電力を供給し続ける場合があります。このとき、装置がスイッチから受電しているか、AC 電源から受電しているかにかかわらず、スイッチは引き続き装置へ電力を供給していることを報告し続ける場合があります。
受電デバイスが取り外された場合、スイッチは切断を自動的に検出し、ポートから電力を取り除きます。非受電装置を接続しても、その装置に障害は発生しません。
ポートで許可される最大ワット数を指定できます。受電デバイスの IEEE クラス最大ワット数が設定されている最大値より大きい場合、スイッチはそのポートに電力を供給しません。スイッチが受電デバイスに電力供給したが、受電デバイスが設定の最大値より多くの電力を CDP メッセージによって後で要求した場合、スイッチはポートの電力を取り除きます。その受電デバイスに割り当てられていた電力は、グローバル電力バジェットに送られます。ワット数を指定しない場合、スイッチは最大値の電力を供給します。任意の PoE ポートで auto 設定を使用してください。auto モードがデフォルト設定です。
■ static :スイッチは、受電デバイスが接続されていなくてもポートに電力をあらかじめ割り当て、そのポートで電力が使用できるようにします。スイッチは、設定された最大ワット数をポートに割り当てます。その値は、IEEE クラスまたは受電デバイスからの CDP メッセージによって調節されることはありません。これは、電力があらかじめ割り当てられていることから、最大ワット数以下の電力を使用するすべての受電デバイスが固定ポートに接続されている場合に電力が保証されるためです。ポートはもう先着順方式ではなくなります。
ただし、受電装置の IEEE クラスが最大ワット数を超えると、スイッチは装置に電力を供給しません。受電デバイスが最大ワット数を超えた量を要求していることを CDP メッセージを通じてスイッチが認識すると、その受電デバイスがシャットダウンされます。
ワット数を指定しない場合、スイッチは最大数をあらかじめ割り当てます。スイッチは、受電デバイスを検出した場合に限り、ポートに電力を供給します。優先順位が高いインターフェイスには、 static 設定を使用してください。
■ never :スイッチは受電装置の検出をディセーブルにして、電力が供給されていない装置が接続されても、PoE ポートに電力を供給しません。このモードは、PoE 対応ポートに電力を適用することがなく、そのポートをデータ専用とする場合にだけ使用してください。
PoE ポートの設定の詳細については、PoE ポートの電力管理モードの設定を参照してください。
電力モニタリングおよび電力ポリシング
リアルタイム電力消費のポリシングをイネーブルにした場合、受電デバイスが最大割り当て量( カットオフ電力値 )を超えて電力を消費すると、スイッチはアクションを開始します。
PoE がイネーブルである場合、スイッチは受電デバイスのリアルタイムの電力消費を検知します。接続されている受電デバイスのリアルタイム電力消費をスイッチが監視することを、 電力モニタリング または 電力検知 といいます。また、スイッチは パワー ポリシング 機能を使用して消費電力をポリシングします。
電力モニタリングは、シスコのインテリジェントな電力管理および CDP ベースの消費電力に対して下位互換性があります。電力モニタリングはこれらの機能とともに動作して、PoE ポートが受電デバイスに電力を供給できるようにします。PoE 機能の詳細については、サポート対象のプロトコルおよび標準を参照してください。
スイッチは次のようにして、接続されている装置のリアルタイム電力消費を検知します。
1. スイッチは、個々のポートでリアルタイム消費電力をモニタリングします。
2. スイッチは、ピーク時の電力消費を含め、電力消費を記録します。スイッチは CISCO-POWER-ETHERNET-EXT-MIB を介して情報を報告します。
3. 電力ポリシングがイネーブルの場合、スイッチはリアルタイムの消費電力を装置に割り当てられた最大電力と比較して、消費電力をポリシングします。カットオフ電力とも呼ばれる、PoE ポートでの最大消費電力の詳細については、 PoE ポートでの最大電力割り当て(カットオフ電力)を参照してください。
装置がポートで最大電力割り当てを超える電力を使用すると、スイッチは、スイッチ コンフィギュレーションに基づいて、ポートへの電力をオフにするか、受電装置に電力を供給しながら syslog メッセージを生成して LED(ポート LED はオレンジ色で点滅)を更新することができます。デフォルトでは、すべての PoE ポートで消費電力のポリシングはディセーブルになっています。
PoE の errdisable ステートからのエラー回復がイネーブルの場合、指定の時間の経過後、スイッチは PoE ポートを errdisable ステートから自動的に回復させます。
エラー回復がディセーブルの場合、 shutdown および no shutdown インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用して、手動で PoE ポートをイネーブルにできます。
4. ポリシングがディセーブルの場合、受電デバイスが PoE ポートに割り当てられた最大電力より多くの量を消費し、スイッチに悪影響を与える可能性がある場合でも、アクションは実行されません。
PoE ポートでの最大電力割り当て(カットオフ電力)
電力ポリシングがイネーブルの場合、スイッチは次の順序でいずれかの値を PoE ポートでのカットオフ電力とします。
1. スイッチがポートに対して予定しているユーザ定義電力レベルを設定している場合は、 power inline consumption default wattage グローバル コンフィギュレーション コマンドまたはインターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用して手動で行う。
2. ポートで許可されている電力を制限するユーザ定義電力レベルを設定している場合は、 power inline auto max max-wattage または power inline static max max-wattage インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用して手動で行う。
3. スイッチにおいて受電装置の電力消費が設定されている場合は、CDP 電力ネゴシエーションまたは IEEE 分類を使用して自動的に行われる。
4. スイッチにおいて電力消費がデフォルト値の 15400 mW に設定されている場合は自動的に行われる。
power inline consumption default wattage または power inline [ auto | static max ] max-wattage コマンドを入力することにより、カットオフ電力値を手動で設定するには、前述のリストの 1 番目または 2 番目の方法を使用します。カットオフ電力値を手動で設定しない場合、スイッチは CDP 電力ネゴシエーションまたは受電装置の IEEE 分類を使用して、自動的に値を求めます。これは前述のリストの 3 番めの方法です。スイッチがこれらのいずれかの方法によっても値を求めることができない場合、スイッチはデフォルト値の 15400 mW(前述のリストの 4 番めの方法)を使用します。
電力消費値
ポートの初期電力割り当ておよび最大電力割り当てを設定することができます。ただし、これらの値は、スイッチが PoE ポートの電力をオンまたはオフにするときを指定するために設定する値です。最大電力割り当ては、受電デバイスの実際の電力消費と同じではありません。スイッチによって電力ポリシングに使用される実際のカットオフ電力値は、設定済みの電力値と同等ではありません。
電力ポリシングがイネーブルの場合、スイッチは、 スイッチ ポートで 、受電装置の消費電力を超える消費電力ポリシングを行います。最大電力割り当てを手動で設定する場合、スイッチ ポートと受電デバイス間のケーブルでの電力損失を考慮する必要があります。カットオフ電力とは、受電デバイスの定格消費電力とケーブル上での最悪時の電力損失を合計したものです。
受電デバイスによる PoE ポートでの実際の消費電力量は、カットオフ電力値に較正係数の 500 mW(0.5 W)を加えたものになります。実際のカットオフ値は近似値で、設定値ごとに設定値のパーセンテージという割合で異なります。たとえば、設定済みのカットオフ電力が 12 W の場合、実際のカットオフ値は 11.4 W で、設定値より 5% 小さくなっています。
スイッチの PoE がイネーブルの場合、電力ポリシングをイネーブルにすることを推奨します。たとえば、ポリシングがディセーブルで、 power inline auto max 6300 インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用してカットオフ値を設定すると、PoE ポートに設定される最大電力割り当ては 6.3 W(6300 mW)です。装置が最大で 6.3 W の電力を必要とする場合、スイッチはポートに接続されている装置に電力を供給します。CDP によるパワー ネゴシエーション実施後の値または IEEE 分類値が設定済みカットオフ値を超えると、スイッチは接続されている装置に電力を供給しなくなります。スイッチは PoE ポートで電力をオンにしたあとは、受電装置のリアルタイム電力消費のポリシングを行わないので、受電装置は最大割り当て量を超えて電力を消費できることになり、スイッチと、他の PoE ポートに接続されている受電装置に悪影響を及ぼすことがあります。
スイッチは内部電源装置および Cisco Redundant Power System 2300(RPS 2300)をサポートしており、受電デバイスが利用できる総電力量は電源装置の設定によって異なります。
スイッチは、デュアル電源装置をサポートします。電源装置を取り外したか、装置に障害が発生したときに、スイッチが受電装置に対して十分な電力を供給できない場合、スイッチは、ポート番号の降順で低優先順位ポートへの電力供給を拒否し、次に降順で高優先順位ポートへの電力供給を拒否します。使用可能な PoE 電力の合計は、電源装置ごとに 65 W です。
■電源装置を取り外して、低電力の新しい電源装置に交換すると、スイッチは受電デバイスに対して十分な電力を供給できなくなり、auto モードでポート番号の降順に従って PoE ポートへの電力供給を拒否します。これでも十分な電力を利用できない場合、スイッチは、static モードでポート番号の降順に従って PoE ポートへの電力供給を拒否します。
■新しい電源装置の電力が前の電源装置より大きく、スイッチが大電力を使用できる場合、スイッチは static モードでポート番号の昇順に従って PoE ポートへの電力供給を許可します。これでもまだ使用可能な電力がある場合、スイッチは、ポート番号の昇順に従って auto モードで PoE ポートへの電力供給を許可します。
IE 4000 のデュアルパーパスポート
各デュアルパーパスポートは、デュアルフロントエンド(RJ-45 コネクタおよび SFP モジュールコネクタ)を持つ単一のインターフェイスと見なされます。デュアル フロント エンドは、冗長インターフェイスではありません。スイッチによりアクティブになるのは、このペアの一方のコネクタだけです。
デフォルトでは、デュアルパーパスポートはユーザネットワーク インターフェイス(UNI)、SFP 専用モジュールポートはネットワーク ノード インターフェイス(NNI)です。デフォルトでは、最初にリンクアップするデュアルパーパスポートのメディアタイプは、スイッチによりダイナミックに選択されます。ただし、media-type インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用して、手動で RJ-45 コネクタまたは SFP モジュール コネクタを選択できます。
各デュアルパーパス ポートには 2 つの LED があります。1 つは SFP モジュール ポートのステータスを示し、もう 1 つは RJ-45 ポートのステータスを示します。ポート LED は、いずれかのコネクタがアクティブの際に点灯します。LED の詳細については、ハードウェア インストレーション ガイドを参照してください。
インターフェイスの接続
単一 VLAN 内のデバイスは、スイッチを通じて直接通信できます。異なる VLAN に属すポート間では、ルーティングデバイスを介さなければデータを交換できません。標準のレイヤ 2 スイッチを使用すると、異なる VLAN のポートは、ルータを通じて情報を交換する必要があります。
デフォルトでは、スイッチは UNI または ENI の間で VLAN を分離します。UNI および ENI の間でトラフィックを交換するには、それらの UNI および ENI が NNI に変更されるか、または同じ UNI-ENI コミュニティ VLAN に割り当てられることが必要です。
ルーティングがイネーブルに設定されたスイッチを使用することにより、IP アドレスを割り当てた SVI で VLAN 20 および VLAN 30 の両方を設定すると、外部ルータを使用せずに、スイッチを介してパケットをホスト A からホスト B に直接送信できます(図 1を参照)。
図 1 スイッチと VLAN との接続
IP サービスイメージが稼働しているスイッチ上では、ルーティングをイネーブルにできます。高いパフォーマンスを維持するため、可能な場合は常にスイッチ ハードウェアによって転送を行います。ただし、ハードウェア内をルーティングできるのは、イーサネット II カプセル化機能を備えた IP バージョン 4 パケットだけです。ルーティング機能は、すべての SVI およびルーテッド ポートでイネーブルにできます。スイッチは、IP トラフィックだけをルーティングします。IP ルーティング プロトコル パラメータとアドレス設定が SVI またはルーテッド ポートに追加されると、このポートで受信した IP トラフィックはルーティングされます。
インターフェイス コンフィギュレーション モードの使用方法
スイッチは、次のインターフェイス タイプをサポートします。
■物理ポート:スイッチ ポート、ルーテッド ポート、UNI、NNI、および ENI ポート
■VLAN:スイッチ仮想インターフェイス
■ポート チャネル:EtherChannel インターフェイス
インターフェイス範囲も設定できます(インターフェイス範囲の設定を参照)。
物理インターフェイス(ポート)を設定するには、インターフェイスのタイプ、モジュール番号、およびスイッチポート番号を指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。
■タイプ:10/100/1000 Mbps イーサネットポート、ギガビットイーサネット(gigabitethernet または gi)、TenGigabitEthernet(tengigethernet または te)、または Small Form-Factor Pluggable(SFP)モジュール ギガビット イーサネット インターフェイス。
■モジュール番号:スイッチ上のモジュール番号またはスロット番号。
■ポート番号:スイッチ上のインターフェイス番号。ポート番号は、gigabitethernet 1/1 のように、常に 1 で始まります。スイッチに向かって左のポートから順に番号付けされています。複数のインターフェイスタイプがある場合(10/100 ポートと SFP モジュールポートなど)、ポート番号は 2 番目のインターフェイスタイプから再開され、gigabitethernet 1/1 となります。
スイッチ上のインターフェイスの位置を物理的に確認することで、物理インターフェイスを識別できます。 show 特権 EXEC コマンドを使用して、スイッチ上の特定のインターフェイスまたはすべてのインターフェイスに関する情報を表示することもできます。以降、この章では、主に物理インターフェイスの設定手順について説明します。
インターフェイスの設定手順
次の一般的な手順は、すべてのインターフェイス設定プロセスに当てはまります。
1. 特権 EXEC プロンプトに configure terminal コマンドを入力します。
Switch# configure terminal
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
2. interface グローバル コンフィギュレーション コマンドを入力します。インターフェイス タイプ、およびコネクタの番号を指定します。次の例では、ファスト イーサネット ポート 1 を選択しています。
Switch(config)# interface fastethernet0/1
注: インターフェイスタイプとインターフェイス番号の間には、スペースは不要です。上記の例でいえば、 fastethernet 0/1 、 fastethernet0/1 、 fa 0/1 、 fa0/1 のいずれを指定してもかまいません。
3. UNI または ENI を設定する場合は、no shutdown インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを実行して、インターフェイスをイネーブルにします。
Switch(config-if)# no shutdown
4. 各 interface コマンドの後ろに、インターフェイスに必要なインターフェイス コンフィギュレーション コマンドを続けて入力します。入力するコマンドによって、そのインターフェイスで稼働するプロトコルとアプリケーションが定義されます。別のインターフェイス コマンドまたは end を入力して特権 EXEC モードに戻ると、コマンドが収集されてインターフェイスに適用されます。
また、 interface range または interface range macro グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用すると、一定範囲のインターフェイスを設定することもできます。ある範囲内で設定したインターフェイスは、同じタイプである必要があります。また、同じ機能オプションを指定して設定しなければなりません。
5. インターフェイスを設定してから、インターフェイスのモニタリングおよびメンテナンスに示した show 特権 EXEC コマンドで、そのステータスを確認してください。
show interfaces 特権 EXEC コマンドを使用して、スイッチ上のまたはスイッチ用に設定されたすべてのインターフェイスのリストを表示します。デバイスがサポートする各インターフェイスまたは指定したインターフェイスのレポートが出力されます。
インターフェイス範囲の設定
interface range グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して、同じコンフィギュレーション パラメータを持つ複数のインターフェイスを設定できます。インターフェイス範囲コンフィギュレーション モードを開始すると、このモードを終了するまで、入力されたすべてのコマンド パラメータはその範囲内の全インターフェイスに対するものと見なされます。
同じパラメータでインターフェイス範囲を設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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|
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1. |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
2. |
interface range { port-range } |
設定するインターフェイス(VLAN または物理ポート)の範囲を指定し、インターフェイス範囲コンフィギュレーション モードを開始します。 ■ interface range コマンドを使用すると、最大 5 つのポート範囲または定義済みマクロを 1 つ設定できます。 ■カンマで区切った port-range では、各エントリに対応するインターフェイス タイプを入力し、カンマの前後にスペースを含めます。 ■ハイフンで区切った port-range では、インターフェイス タイプの再入力は不要ですが、ハイフンの前後にスペースを入力する必要があります。 |
3. |
no shutdown |
必要な場合に、ポートをイネーブルにします。デフォルトでは、UNI および ENI はディセーブルに、NNI はイネーブルに設定されています。 |
4. |
|
この時点で、通常のコンフィギュレーション コマンドを使用して、範囲内のすべてのインターフェイスにコンフィギュレーション パラメータを適用します。 |
5. |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
6. |
show interfaces [ interface-id ] |
指定した範囲内のインターフェイスの設定を確認します。 |
7. |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
interface range グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用する際は、次の注意事項に留意してください。
■ port-range の有効なエントリは次のとおりです。
– vlan vlan-ID - vlan-ID (VLAN ID は 1 ~ 4094)
– gigabitethernet module/{ first port } - { last port }(module は常に 1)
– tengigabitethernet module/{ first port } - { last port }(module は常に 1)
– port-channel port-channel-number - port-channel-number ( port-channel-number は 1 ~ 10)
ポートチャネルを指定して interface range コマンドを使用する場合は、先頭および最後のチャネル番号をアクティブなポートチャネルにする必要があります。
■ interface range コマンドが機能するのは、 interface vlan コマンドで設定された VLAN インターフェイスに限られます。 show running-config 特権 EXEC コマンドを使用すると、設定されている VLAN インターフェイスが表示されます。 show running-config コマンドで表示されない VLAN インターフェイスに interface range コマンドを使用することはできません。
■指定された範囲に含まれるインターフェイスはすべて、同じタイプ(すべてがファスト イーサネット ポート、すべてがギガビット イーサネット ポート、すべてが EtherChannel ポート、またはすべてが VLAN)であることが必要ですが、1 つのコマンド内で複数の範囲を組み合わせることはできます。
次の例は、 interface range グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して、ポート 1 および 2 の速度を 100 Mbps に設定したものです。
Switch# configure terminal
Switch(config)# interface range fastethernet0/1 - 2
Switch(config-if-range)# no shutdown
Switch(config-if-range)# speed 100
この例では、カンマを使用して別のインターフェイスタイプ文字列を追加し、ファスト インターネット ポート 1 ~ 3 のすべてと、ギガビット イーサネット ポート 1 および 2 の両方をイネーブルにし、802.3x フロー制御ポーズフレームを受信できるようにしています。
Switch# configure terminal
Switch(config)# interface range fastethernet0/1 - 3, GigabitEthernet1/17 - 2
Switch(config-if-range)# flowcontrol receive on
インターフェイス範囲モードで複数のコンフィギュレーション コマンドを入力すると、各コマンドは入力された時点で実行されます。インターフェイス範囲モードを終了した時点で、コマンドがバッチ処理されるわけではありません。コマンドの実行中にインターフェイス範囲コンフィギュレーション モードを終了すると、一部のコマンドが範囲内のすべてのインターフェイスに対して実行されない場合もあります。コマンド プロンプトが再表示されるのを待ってから、インターフェイス範囲コンフィギュレーション モードを終了してください。
インターフェイス レンジ マクロの設定および使用方法
インターフェイス レンジ マクロを作成すると、設定するインターフェイスの範囲を自動的に選択できます。interface range macro グローバル コンフィギュレーション コマンドで macro キーワードを使用するには、まず define interface-range グローバル コンフィギュレーション コマンドでマクロを定義する必要があります。
インターフェイス レンジ マクロを設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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1. |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
2. |
define interface-range macro_name interface-range |
インターフェイス レンジ マクロを定義して NVRAM(不揮発性 RAM)に保存します。 ■ macro_name は、最大 32 文字の文字列です。 ■マクロには、カンマで区切ったインターフェイスを 5 つまで指定できます。 ■それぞれの interface-range は、同じポート タイプで構成されていなければなりません。 |
3. |
no shutdown |
必要な場合に、ポートをイネーブルにします。デフォルトでは、UNI および ENI はディセーブルに、NNI はイネーブルに設定されています。 |
4. |
interface range macro macro_name |
macro_name の名前でインターフェイス レンジ マクロに保存された値を使用することによって、設定するインターフェイスの範囲を選択します。 ここで、通常のコンフィギュレーション コマンドを使用して、定義したマクロ内のすべてのインターフェイスに設定を適用できます。 |
5. |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
6. |
show running-config | include define |
定義済みのインターフェイス レンジ マクロの設定を表示します。 |
7. |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
マクロを削除するには、 no define interface-range macro_name グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
define interface-range グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用する際は、次の注意事項に留意してください。
■ interface-range の有効なエントリは次のとおりです。
– vlan vlan-ID - vlan-ID (VLAN ID は 1 ~ 4094)
– gigabitethernet module/{ first port } - { last port }(module は常に 1)
– tengigabitethernet module/{ first port } - { last port }(module は常に 1)
– port-channel port-channel-number - port-channel-number ( port-channel-number は 1 ~ 10)
ポート チャネルにインターフェイス範囲を使用する場合、最初と最後のポート チャネル番号はアクティブなポート チャネルの番号でなければなりません。
■ interface-range を入力するときは、最初のインターフェイス番号とハイフンの間にスペースを入れます。たとえば、 GigabitEthernet1 /17 - 18 は有効な範囲ですが、 GigabitEthernet1/17-18 は有効な範囲ではありません。
■VLAN インターフェイスは、 interface vlan コマンドで設定しておく必要があります。 show running-config 特権 EXEC コマンドを使用すると、設定されている VLAN インターフェイスが表示されます。 show running-config コマンドで表示されない VLAN インターフェイスを interface-range として使用することはできません。
■ある範囲内のすべてのインターフェイスは、同じタイプ(すべてがファスト イーサネット ポート、すべてがギガビット イーサネット ポート、すべてが EtherChannel ポート、またはすべてが VLAN)でなければなりません。ただし、1 つのマクロ内で複数のインターフェイス タイプを組み合わせることができます。
次に、 enet_list という名前のインターフェイス範囲マクロを定義して、ポート 1 および 2 を含め、マクロ設定を確認する例を示します。
Switch# configure terminal
Switch(config)# define interface-range enet_list GigabitEthernet1/17 - 2
Switch# show running-config | include define
define interface-range enet_list GigabitEthernet1/17 - 2
次に、macro1 という複数インターフェイスマクロを作成して、範囲内のすべてのインターフェイスを VLAN に割り当てる例を示します。
Switch# configure terminal
Switch(config)# define interface-range macro1 fastethernet0/1 - 2, GigabitEthernet1/17 - 2
Switch(config)# interface range macro macro1
Switch(config-if-range)# switchport access vlan 20
Switch(config-if-range)# no shut
Switch(config-if-range)# end
次に、インターフェイス範囲マクロ enet_list に対するインターフェイス範囲コンフィギュレーション モードを開始する例を示します。
Switch# configure terminal
Switch(config)# interface range macro enet_list
次に、インターフェイス レンジ マクロ enet_list を削除し、処理を確認する例を示します。
Switch# configure terminal
Switch(config)# no define interface-range enet_list
Switch# show run | include define
イーサネット インターフェイスの設定
■イーサネット インターフェイスのデフォルト設定
■ポート タイプの設定
■インターフェイス速度およびデュプレックス モードの設定
■PoE ポートの電力管理モードの設定
■PoE ポートに接続された装置のパワー バジェット
■IEEE 802.3x フロー制御の設定
■インターフェイスでの Auto-MDIX の設定
■インターフェイスに関する記述の追加
イーサネット インターフェイスのデフォルト設定
表 6は NNI に対するイーサネット インターフェイスのデフォルト設定を、表 7は、UNI および ENI に対するイーサネット インターフェイスのデフォルト設定をそれぞれまとめたものです。表に示されている VLAN パラメータの詳細については、次を参照してください。VLAN の設定
注: インターフェイスがレイヤ 3 モードの場合に、レイヤ 2 パラメータを設定するには、パラメータを指定せずに switchport インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを入力し、インターフェイスをレイヤ 2 モードにする必要があります。これにより、インターフェイスがいったんシャットダウンしてから再度イネーブルになり、インターフェイスが接続しているデバイスに関するメッセージが表示されることがあります。レイヤ 3 モードのインターフェイスをレイヤ 2 モードにした場合、影響のあるインターフェイスに関連する以前の設定情報が消失する可能性があり、インターフェイスはデフォルト設定に戻ります。
表 6 NNI に対するイーサネットのデフォルト設定
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動作モード |
レイヤ 2 または スイッチング モード ( switchport コマンド) |
VLAN 許容範囲 |
VLAN 1 ~ 4094 |
デフォルト VLAN(アクセス ポート用) |
VLAN 1(レイヤ 2 インターフェイスだけ) |
ネイティブ VLAN(802.1Q トランク用) |
VLAN 1(レイヤ 2 インターフェイスだけ) |
VLAN トランキング |
スイッチ ポート モード アクセス(レイヤ 2 インターフェイスに限る)。 |
ポート イネーブル ステート |
イネーブル。 |
ポート記述 |
未定義 |
速度 |
自動ネゴシエーション |
デュプレックス モード |
完全(Full) |
802.3x フロー制御 |
フロー制御は receive : off に設定されます。送信パケットでは常にオフです。 |
EtherChannel |
すべてのイーサネット ポートでディセーブル。EtherChannel の設定を参照してください |
ポート ブロッキング(不明マルチキャストおよび不明ユニキャスト トラフィック) |
ディセーブル(ブロッキングされない)(レイヤ 2 インターフェイスに限る)。 |
ブロードキャスト、マルチキャスト、およびユニキャスト ストーム制御 |
ディセーブル。 |
ポート セキュリティ |
ディセーブル(レイヤ 2 インターフェイスに限る)。 |
PortFast |
ディセーブル。 |
Auto-MDIX |
イネーブル。 注:受電デバイスがクロスケーブルでスイッチに接続されている場合、スイッチは、802.3af/802.3at に完全には準拠していない、Cisco IP Phone やアクセスポイントなどの準規格の受電をサポートしていない場合があります。これは、スイッチ ポート上で Automatic Medium-Dependent Interface Crossover(Auto-MIDX)がイネーブルかどうかは関係ありません。 |
Power over Ethernet(PoE) |
イネーブル(auto) |
Cisco Discovery Protocol(CDP) |
イネーブル。 |
VMPS |
設定されていません。 |
表 7 UNI および ENI に対するイーサネットのデフォルト設定
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動作モード |
レイヤ 2 または スイッチング モード ( switchport コマンド) |
VLAN 許容範囲 |
VLAN 1 ~ 4094 |
デフォルト VLAN(アクセス ポート用) |
VLAN 1(レイヤ 2 インターフェイスだけ) |
ネイティブ VLAN(802.1Q トランク用) |
VLAN 1(レイヤ 2 インターフェイスだけ) |
VLAN トランキング |
スイッチ ポート モード アクセス(レイヤ 2 インターフェイスに限る)。 |
ダイナミック VLAN |
イネーブル。 |
ポート イネーブル ステート |
コンフィギュレーション ファイルが存在しない場合はディセーブル。 |
ポート記述 |
未定義 |
速度 |
自動ネゴシエーション |
デュプレックス モード |
自動ネゴシエーション |
802.3x フロー制御 |
フロー制御は receive : off に設定されます。送信パケットでは常にオフです。 |
EtherChannel |
すべてのイーサネット ポートでディセーブル。EtherChannel の設定を参照してください |
ポート ブロッキング(不明マルチキャストおよび不明ユニキャスト トラフィック) |
ディセーブル(ブロッキングされない)(レイヤ 2 インターフェイスに限る)。 |
ブロードキャスト、マルチキャスト、およびユニキャスト ストーム制御 |
ディセーブル。 |
ポート セキュリティ |
ディセーブル(レイヤ 2 インターフェイスに限る)。 |
Auto-MDIX |
有効 |
ポート タイプの設定
デフォルトでは、スイッチ上のすべての 10/100 ポートが UNI として設定され、SFP モジュールポートが NNI として設定されます。
port-type インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用すると、ポートタイプを変更できます。ENI は、機能的には UNI と同じですが、設定により CDP、STP、LLDP、および EtherChannel の LACP および PAgP をサポートできます。
ポートを NNI から UNI または ENI に変更する場合、VLAN に割り当てられた設定(独立モードまたはコミュニティ モード)は継承されます。
ポートを NNI から UNI または ENI に変更した場合、あるいは UNI または ENI から NNI に変更した場合、ポート タイプに特化した機能はすべてデフォルト設定に戻ります。STP、CDP、LLDP などのレイヤ 2 プロトコルでは、UNI および ENI に対するデフォルト設定はディセーブル(ただし ENI に対してはイネーブルにできる)、NNI に対するデフォルト設定はイネーブルです。
注: デフォルトの場合、スイッチは UNI および ENI 上ではキープアライブメッセージを送信し、NNI 上では送信しません。ポート タイプを UNI または ENI から NNI、あるいは NNI から UNI または ENI に変更しても、キープアライブ ステータスに影響はありません。キープアライブステートをデフォルト設定から変更するには、[ no ] keepalive インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを入力します。 keepalive コマンドを引数なしで入力すると、キープアライブパケットはデフォルトの時間間隔(10 秒)およびリトライ数(5)に基づいて送信されます。 no keepalive コマンドを入力すると、インターフェイス上のキープアライブパケットはディセーブルになります。
インターフェイスに対してポート タイプを設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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1. |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
2. |
interface interface-id |
設定するインターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
3. |
no shutdown |
必要な場合に、ポートをイネーブルにします。デフォルトでは、UNI および ENI はディセーブルに、NNI はイネーブルに設定されています。 |
4. |
port-type { eni | nni | uni } |
ポートを ENI、NNI、または UNI に変更します。 |
5. |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
6. |
show interfaces interface-id |
インターフェイスの 802.3x フロー制御設定を確認します。 |
7. |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
no port-type インターフェイス コンフィギュレーション コマンドまたは default port-type インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを入力すると、ポートがデフォルトステート(ファストイーサネットポートの場合は UNI、ギガビット イーサネット ポートの場合は NNI)に戻ります。
次に、ポートを UNI から NNI に変更し、その内容を実行コンフィギュレーションに保存する例を示します。
Switch# configure terminal
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
Switch(config)# interface fastethernet0/1
Switch(config-if)# port-type nni
Switch(config-if)# no shutdown
5d20h: %SYS-5-CONFIG_I: Configured from console by console
Switch# copy running-config startup-config
インターフェイス速度およびデュプレックス モードの設定
スイッチのイーサネット インターフェイスは、10 Mbps、100 Mbps、1000 Mbps のいずれかの速度、および全二重と半二重のどちらかのモードで動作します。全二重モードの場合、2 つのステーションが同時にトラフィックを送受信できます。通常、10 Mbps ポートは半二重モードで動作します。つまり、ステーションはトラフィックの受信または送信のいずれかを交互に行います。
スイッチ モデルの中には、ファスト イーサネット(10/100 Mbps)ポート、ギガビット イーサネット(10/100/1000 Mbps)ポート、および SFP モジュールをサポートする Small Form-Factor Pluggable(SFP)モジュール スロットを組み合わせたものもあります。
ここでは、インターフェイス速度とデュプレックス モードの設定手順について説明します。
■速度とデュプレックス モードの設定時の注意事項
■インターフェイス速度およびデュプレックス パラメータの設定
速度とデュプレックス モードの設定時の注意事項
インターフェイス速度およびデュプレックス モードを設定する際には、次の注意事項に留意してください。
■インターフェイス速度は、ファスト イーサネット(10/100 Mbps)ポートおよびギガビット イーサネット(10/100/1000 Mbps)ポート上で設定できます。ファスト イーサネット ポートは全二重モード、半二重モード、または自動ネゴシエーション モードに設定できます。ギガビット イーサネット ポートは、全二重モードまたは自動ネゴシエーション モードに設定できます。ただし、ギガビット イーサネット ポートは、速度が 10 Mbps または 100 Mbps であれば半二重モードに設定することもできます。半二重モードは、1000 Mbps で動作するギガビット イーサネット ポートではサポートされていません。
■1000BASE-T SFP モジュールが SFP モジュールスロットに挿入されている場合を除き、SFP モジュールポートの速度は設定できませんが、自動ネゴシエーションをサポートしていないデバイスに接続されている場合は、速度を非ネゴシエーション( nonegotiate )に設定できます。
ただし、1000BASE-T SFP モジュールが SFP モジュールスロットに挿入されている場合、速度は 10 Mbps、100 Mbps、1000 Mbps、または auto に設定できますが、 nonegotiate には設定できません。
100BASE-FX SFP モジュール上では、速度を nonegotiate に設定できません。
■SFP モジュール ポートにはデュプレックス モードを設定できません。以下の状況を除いて、それらは全二重モードで動作します。
–Cisco 1000BASE-T SFP モジュールが SFP モジュールスロットに挿入されている場合は、デュプレックスモードを auto または full に設定できます。半二重モードは、 auto 設定の場合にサポートされます。
–Cisco 100BASE-FX SFP モジュールが SFP モジュールスロットに挿入されている場合は、デュプレックスモードを half または full(この SFP モジュールのデフォルト)に設定できます。auto キーワードを使用できる場合でも、100BASE-FX SFP モジュールは自動ネゴシエーションをサポートしないため、インターフェイスは全二重モードになります。
■回線の両側で自動ネゴシエーションがサポートされる場合は、できるだけデフォルトの auto ネゴシエーションを使用してください。
■1 台のデバイスで速度を nonegotiate として設定し、リモートデバイスで auto ネゴシエーションを設定すると、一部のプラットフォームでポートがダウンする可能性があります。IEEE 仕様では、1000BaseX リンクでの自動ネゴシエーションの不一致の予想される動作は定義されていません。リンクが機能する場合も、機能しない場合もあります。
■一方のインターフェイスが自動ネゴシエーションをサポートし、もう一方がサポートしない場合は、両方のインターフェイス上でデュプレックスと速度を設定します。サポートする側で auto 設定を使用しないでください。
■STP がイネーブルの場合にポートを再設定すると、スイッチがループの有無を調べるために最大で 30 秒かかる可能性があります。STP の再設定が行われている間、ポート LED はオレンジに点灯します。
注意: インターフェイス速度とデュプレックスモードの設定を変更すると、再設定中にインターフェイスがシャットダウンし、再びイネーブルになる場合があります。
インターフェイス速度およびデュプレックス パラメータの設定
物理インターフェイスに対して速度およびデュプレックス モードを設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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1. |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
2. |
interface interface-id |
設定する物理インターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
3. |
no shutdown |
必要な場合に、ポートをイネーブルにします。デフォルトでは、UNI および ENI はディセーブルに、NNI はイネーブルに設定されています。 |
4. |
speed { 10 | 100 | 1000 | auto [ 10 | 100 | 1000 ] | nonegotiate } |
インターフェイスに対する適切な速度パラメータを入力します。 ■インターフェイスの速度を指定するには、 10 、 100 、または 1000 を入力します。キーワード 1000 は、10/100/1000 Mbps ポートまたは 1000BASE-T SFP モジュールが挿入された SFP モジュールポートに限り使用できます。 ■インターフェイスに接続されたデバイスと自動ネゴシエーションが行えるようにするには、 auto を入力します。 auto キーワードと一緒に 10 、 100 、または 1000 キーワードを使用した場合、ポートは指定の速度でのみ自動ネゴシエートします。 ■ nonegotiate キーワードを使用できるのは、SFP モジュール ポートに対してだけです。SFP モジュール ポートは 1000 Mbps でだけ稼働しますが、自動ネゴシエーションをサポートしていないデバイスに接続されている場合はネゴシエーションしないように設定できます。 注: Cisco 1000BASE-T SFP モジュールが SFP モジュールスロットに挿入されている場合、その速度は、 10 、 100 、 1000 、 auto のいずれかに設定できますが、 nonegotiate には設定できません。 |
5. |
duplex { auto | full | half } |
インターフェイスのデュプレックス パラメータを入力します。 注: FE SFP モジュールが挿入されている場合、デフォルトのデュプレックスモードは full です。 (10 Mbps または 100 Mbps でだけ動作しているインターフェイスに対して)半二重モードをイネーブルにします。1000 Mbps で動作しているインターフェイスは、半二重モードには設定できません。 デュプレックス設定を行うことができるのは、速度が auto に設定されている場合です。 このコマンドは、次の例外を除き、SFP モジュール ポートでは使用できません。 ■Cisco 1000BASE-T SFP モジュールが挿入されている場合は、デュプレックスを auto または full に設定できます。 ■Cisco 100BASE-FX SFP モジュールが挿入されている場合は、デュプレックスを full または half に設定できます。キーワード auto は使用できますが、インターフェイスは半二重モード(デフォルト)になります。 |
6. |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
7. |
show interfaces interface-id |
インターフェイス速度およびデュプレックス モード設定を表示します。 |
8. |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
インターフェイスをデフォルトの速度およびデュプレックス設定(自動ネゴシエーション)に戻すには、 no speed および no duplex インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。すべてのインターフェイス設定をデフォルトに戻すには、 default interface interface-id インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。
次に、インターフェイス速度を 10 Mbps に、10/100Mbps ポートのデュプレックス モードを半二重に設定する例を示します。
Switch# configure terminal
Switch(config)# interface fasttethernet0/3
Switch(config-if)# no shutdown
Switch(config-if)# speed 10
Switch(config-if)# duplex half
次に、10/100/1000 Mbps ポートでインターフェイス速度を 100 Mbps に設定する例を示します。
Switch# configure terminal
Switch(config)# interface GigabitEthernet1/18
Switch(config-if)# speed 100
PoE ポートの電力管理モードの設定
ほとんどの場合、デフォルトの設定(自動モード)の動作は適切に行われ、プラグアンドプレイ動作が提供されます。それ以上の設定は必要ありません。しかし、PoE ポートの優先順位を上げたり、PoE ポートをデータ専用にしたり、最大ワット数を指定して高電力受電デバイスをポートで禁止したりする場合は、次の手順を実行します。
注: PoE 設定を変更するとき、設定中のポートでは電力が低下します。新しい設定、その他の PoE ポートの状態、電力バジェットの状態により、そのポートの電力は再びアップしない場合があります。たとえば、ポート 1 が自動でオンの状態になっていて、そのポートを固定モードに設定するとします。スイッチはポート 1 から電力を取り除き、受電デバイスを検出してポートに電力を再び供給します。ポート 1 が自動でオンの状態になっていて、最大ワット数を 10 W に設定した場合、スイッチはポートから電力を取り除き、受電デバイスを再び検出します。スイッチは、受電デバイスがクラス 1、クラス 2、またはシスコ専用受電デバイスのいずれかの場合に、ポートに電力を再び供給します。
電力管理モードを PoE 対応ポートで設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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1. |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
2. |
interface interface-id |
設定する物理ポートを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
3. |
power inline { auto [ max max-wattage ] | never | static [ max max-wattage ]} |
ポートに PoE モードを設定します。キーワードの意味は次のとおりです。 ■ auto :受電装置検出をイネーブルにします。十分な電力がある場合は、装置の検出後に PoE ポートに電力を自動的に割り当てます。これがデフォルト設定です。 (任意) max max-wattage:ポートで許可する電力を制限します。指定できる範囲は 4000 ~ 30000 mW です。 デフォルト値は 30000 mW です。 ■ never :装置検出とポートへの電力供給をディセーブルにします。 注: ポートにシスコの受電デバイスが接続されている場合は、 power inline never コマンドでポートを設定しないでください。問題のあるリンクアップが発生し、ポートが errdisable ステートになることがあります。 ■ static :受電装置検出をイネーブルにします。スイッチが受電デバイスを検出する前に、ポートへの電力を事前に割り当てます(確保します)。スイッチは、装置が接続されていなくてもこのポートに電力を予約し、装置の検出時に電力が供給されることを保証します。 スイッチは、自動モードに設定されたポートに電力を割り当てる前に、固定モードに設定されたポートに PoE を割り当てます。 |
4. |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
5. |
show power inline [i nterface-id ] |
スイッチまたは指定したインターフェイスの PoE ステータスを表示します。 |
6. |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
PoE ポートに接続された装置のパワー バジェット
シスコの受電デバイスが PoE ポートに接続されている場合、スイッチは Cisco Discovery Protocol(CDP)を使用して 実際に 装置が消費する電力量を決定して、それに応じて電力バジェットを調整します。CDP プロトコルはシスコの受電デバイスで動作し、IEEE サードパーティの受電デバイスには適用されません。この装置の場合、スイッチが電力要求を許可したときに、受電装置の IEEE 分類に応じて電力バジェットを調整します。受電デバイスが Class 0(クラスステータスは不明)または Class 3 である場合、実際に必要な電力量に関係なく、スイッチはポート用に 30,000 ミリワットの電力を確保します。受電デバイスが実際の電力消費量よりも高いクラスであるか、または電力分類(デフォルトで Class 0)をサポートしない場合、スイッチは IEEE クラス情報を使用してグローバル電力バジェットを追跡するので、少しの装置にしか電力を供給しません。
power inline consumption wattage コンフィギュレーション コマンドを使用することで、IEEE 分類で指定されたデフォルトの電力要件を無効にできます。IEEE 分類で指定された電力と実際に装置が必要とする電力の差は、追加の装置が使用するためグローバル電力バジェットに入れられます。したがって、スイッチの電力バジェットを拡張してもっと効率的に使用できます。
注意: 慎重にスイッチの電力バジェットを計画し、電源がオーバーサブスクライブ状態にならないようにしてください。
注: 手動で電力バジェットを設定する場合、スイッチと受電デバイスの間のケーブルでの電力消失を考慮する必要があります。
power inline consumption default wattage または no power inline consumption default グローバル コンフィギュレーション コマンドを入力する、あるいは power inline consumption wattage または no power inline consumption インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを入力すると、次の注意メッセージが表示されます。
%CAUTION: Interface interface-id: Misconfiguring the 'power inline consumption/allocation' command may cause damage to the switch and void your warranty. Take precaution not to oversubscribe the power supply.
It is recommended to enable power policing if the switch supports it.
電力供給が最大 20% のサブスクライブ過剰になると、スイッチは動作しますが、信頼性が低下します。電力供給 20% を超えてサブスクライブされると、短絡保護回路が始動しスイッチはシャットダウンします。
IEEE 電力分類の詳細については、Power over Ethernet(PoE)ポートを参照してください。
スイッチの各 PoE ポートに接続された受電デバイスへのパワー バジェット量を設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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1. |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
2. |
no cdp run |
(任意)CDP をディセーブルにします。 |
3. |
power inline consumption default wattage |
スイッチの各 PoE ポートに接続された受電デバイスの消費電力を設定します。各受電装置に指定できる範囲は 4,000 ~ 15,400 mW です。デフォルトは 15400 mW です。 |
4. |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
5. |
show power inline consumption |
消費電力のステータスを表示します。 |
6. |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
設定をデフォルトに戻すには、 no power inline consumption default グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
特定の PoE ポートに接続された受電デバイスへのパワー バジェット量を設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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1. |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
2. |
no cdp run |
(任意)CDP をディセーブルにします。 |
3. |
interface interface-id |
設定する物理ポートを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
4. |
power inline consumption wattage |
スイッチの PoE ポートに接続された受電デバイスの消費電力を設定します。各受電装置に指定できる範囲は 4,000 ~ 15,400 mW です。デフォルトは 15400 mW です。 注: このコマンドを使用する場合、電力ポリシングもイネーブルにすることを推奨します。 |
5. |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
6. |
show power inline consumption |
消費電力のステータスを表示します。 |
7. |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
デフォルトの設定に戻すには、 no power inline consumption インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。
特定の PoE ポートに接続された受電デバイスへのパワー バジェット量を設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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1. |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
2. |
no cdp run |
(任意)CDP をディセーブルにします。 |
3. |
interface interface-id |
設定する物理ポートを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
4. |
power inline consumption wattage |
スイッチの PoE ポートに接続された受電デバイスの消費電力を設定します。各受電装置に指定できる範囲は 4000 ~ 15400 mW です。デフォルトは 15400 mW です。 |
5. |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
6. |
show power inline consumption |
消費電力のステータスを表示します。 |
7. |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
デフォルトの設定に戻すには、 no power inline consumption インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。
IEEE 802.3x フロー制御の設定
802.3x フロー制御により、接続しているイーサネットポートは、輻輳しているノードがリンク動作をもう一方の端で一時停止させることで、輻輳時のトラフィックレートを制御できます。あるポートで輻輳が生じ、それ以上はトラフィックを受信できなくなった場合、ポーズ フレームを送信することによって、その状態が解消されるまで送信を中止するように、そのポートから相手ポートに通知します。ポーズ フレームを受信すると、送信側デバイスはデータ パケットの送信を中止するので、輻輳時のデータ パケット損失が防止されます。
注: ポートでは、ポーズフレームを受信できますが、送信はできません。
flowcontrol インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用して、インターフェイスのポーズ フレームを受信( receive )する能力を on 、 off 、または desired に設定します。デフォルトの状態は off です。
desired に設定した場合、インターフェイスはフロー制御パケットの送信を必要とする接続デバイス、または必要ではないがフロー制御パケットを送信できる接続デバイスに対して動作できます。
デバイスの 802.3x フロー制御設定には、次のルールが適用されます。
■ receive on (または desired ):ポートはポーズ フレームを送信できませんが、ポーズ フレームを送信する必要のある、または送信できる接続デバイスと組み合わせて使用できます。ポーズ フレームの受信は可能です。
■ receive off :802.3x フロー制御は、どちらの方向にも動作しません。輻輳が生じても、リンクの相手側に通知はなく、どちら側の装置も休止フレームの送受信を行いません。
インターフェイス上で 802.3x フロー制御を設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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1. |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
2. |
interface interface-id |
設定する物理インターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
3. |
no shutdown |
必要な場合に、ポートをイネーブルにします。デフォルトでは、UNI および ENI はディセーブルに、NNI はイネーブルに設定されています。 |
4. |
flowcontrol { receive } { on | off | desired } |
ポートに 802.3x フロー制御モードを設定します。 |
5. |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
6. |
show interfaces interface-id |
インターフェイスの 802.3x フロー制御設定を確認します。 |
7. |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
802.3x フロー制御をディセーブルにするには、 flowcontrol receive off インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。
次に、ポートで 802.3x フロー制御をイネーブルにする例を示します。
Switch# configure terminal
Switch(config)# interface GigabitEthernet1/17
Switch(config-if)# flowcontrol receive on
インターフェイスでの Auto-MDIX の設定
自動メディア依存型インターフェイス クロスオーバー(MDIX)がイネーブルになっているインターフェイスでは、必要なケーブル接続タイプ(ストレートまたはクロス)が自動的に検出され、接続が適切に設定されます。Auto-MDIX 機能を使用せずにスイッチを接続する場合、サーバ、ワークステーション、またはルータなどのデバイスの接続にはストレート ケーブルを使用し、他のスイッチやリピータの接続にはクロス ケーブルを使用する必要があります。Auto-MDIX がイネーブルの場合、他のデバイスとの接続にはどちらのケーブルでも使用でき、ケーブルが正しくない場合はインターフェイスが自動的に修正を行います。ケーブル接続の詳細については、ハードウェア インストレーション ガイドを参照してください。
Auto-MDIX はデフォルトでイネーブルです。また、自動 MDIX がイネーブルの場合は、この機能を正常に動作させるために、インターフェイスの速度とデュプレックスモードを auto に設定する必要があります。自動 MDIX は、10/100 Mbps インターフェイスおよび 10/100/1000 Mbps インターフェイスのすべてと Cisco 10/100/1000BASE-T/TX SFP モジュール インターフェイス上でサポートされています。1000BASE-SX または LX SFP モジュール インターフェイス上ではサポートされていません。
表 4 に、Auto-MDIX の設定およびケーブル接続ごとのリンクステートを示します。
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オン |
オン |
リンク アップ |
リンク アップ |
オン |
オフ |
リンク アップ |
リンク アップ |
オフ |
オン |
リンク アップ |
リンク アップ |
オフ |
オフ |
リンク アップ |
リンク ダウン |
インターフェイス上で Auto-MDIX を設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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1. |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
2. |
interface interface-id |
設定する物理インターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
3. |
no shutdown |
必要な場合に、ポートをイネーブルにします。デフォルトでは、UNI および ENI はディセーブルに、NNI はイネーブルに設定されています。 |
4. |
speed auto |
接続されたデバイスと速度の自動ネゴシエーションを行うようにインターフェイスを設定します。 |
5. |
duplex auto |
接続されたデバイスとデュプレックス モードの自動ネゴシエーションを行うようにインターフェイスを設定します。 |
6. |
mdix auto |
インターフェイス上で Auto-MDIX をイネーブルにします。 |
7. |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
8. |
show controllers ethernet-controller interface-id phy |
インターフェイスで Auto-MDIX の動作ステートを確認します。 |
9. |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
Auto-MDIX をディセーブルにするには、 no mdix auto インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。
次の例では、ポートの Auto MDIX をイネーブルにする方法を示します。
Switch# configure terminal
Switch(config)# interface GigabitEthernet1/17
Switch(config-if)# no shutdown
Switch(config-if)# speed auto
Switch(config-if)# duplex auto
Switch(config-if)# mdix auto
インターフェイスに関する記述の追加
インターフェイスの機能に関する記述を追加できます。記述は、特権 EXEC コマンド show configuration 、 show running-config 、および show interfaces の出力に表示されます。
インターフェイスに関する記述を追加するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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1. |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
2. |
interface interface-id |
記述を追加するインターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
3. |
description string |
インターフェイスに関する説明を追加します(最大 240 文字)。 |
4. |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
5. |
show interfaces interface-id description または show running-config |
設定を確認します。 |
6. |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
記述を削除するには、 no description インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。
次に、ポートに記述を追加して、その説明を確認する例を示します。
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
Switch(config)# interface GigabitEthernet1/18
Switch(config-if)# description Connects to Marketing
Switch# show interfaces GigabitEthernet1/18 description
Interface Status Protocol Description
Gi 0/2 admin down down Connects to Marketing
レイヤ 3 インターフェイスの設定
レイヤ 3 インターフェイスをサポートするためには、スイッチ上で IP サービスイメージが稼働している必要があります。
■SVI:トラフィックをルーティングする VLAN に対応する SVI を設定する必要があります。SVI は、 interface vlan グローバル コンフィギュレーション コマンドのあとに VLAN ID を入力して作成します。SVI を削除するには、 no interface vlan グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。インターフェイス VLAN 1 は削除できません。
物理ポートと関連付けられていない場合、SVI を作成してもアクティブにはなりません。
■ルーテッド ポート:ルーテッド ポートは、 no switchport インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用してレイヤ 3 モードに設定された物理ポートです。
■レイヤ 3 EtherChannel ポート:EtherChannel インターフェイスは、ルーテッド ポートで構成されます。
スイッチは、各ルーテッド ポートおよび SVI に割り当てられた IP アドレスを持つことができます。
スイッチに設定可能な SVI とルーテッド ポートの数について定義済みの制限はありません。ただし、ハードウェアには限界があるため、SVI およびルーテッド ポートの個数と、設定されている他の機能の個数の組み合わせによっては、CPU 利用率が影響を受けることがあります。スイッチが最大限のハードウェア リソースを使用している場合にルーテッド ポートまたは SVI を作成しようとすると、次のような結果になります。
■新たなルーテッド ポートを作成しようとすると、スイッチは、インターフェイスをルーテッド ポートに変換するための十分なリソースがないことを示すメッセージを表示し、そのインターフェイスはスイッチ ポートのままとなります。
■拡張範囲の VLAN を作成しようとすると、エラー メッセージが生成され、拡張範囲の VLAN は拒否されます。
■スイッチが、ハードウェアのサポート可能な数を超える VLAN とルーテッド ポートが設定されたコンフィギュレーションを使って起動を試みると、VLAN は作成されますが、ルーテッド ポートはシャットダウンされ、スイッチはハードウェア リソースが不十分であるという理由を示すメッセージを送信します。
すべてのレイヤ 3 インターフェイスには、トラフィックをルーティングするための IP アドレスが必要です。次の手順は、レイヤ 3 インターフェイスとしてインターフェイスを設定する方法およびインターフェイスに IP アドレスを割り当てる方法を示します。
注: 物理ポートがレイヤ 2 モードである(デフォルト)場合は、 no switc hport インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを実行してインターフェイスをレイヤ 3 モードにする必要があります。 no switchport コマンドを実行すると、インターフェイスがディセーブルになってから再度イネーブルになります。これにより、インターフェイスが接続しているデバイスに関するメッセージが生成されることがあります。さらに、レイヤ 2 モードのインターフェイスをレイヤ 3 モードにすると、影響を受けたインターフェイスに関連する前の設定情報は失われ、インターフェイスはデフォルト設定に戻る可能性があります。
レイヤ 3 インターフェイスを設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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|
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1. |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
2. |
interface {{ fastethernet | gigabitethernet } interface-id } | { vlan vlan-id } | { port-channel port-channel-number } |
レイヤ 3 インターフェイスとして設定するインターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
3. |
no shutdown |
必要な場合に、ポートをイネーブルにします。デフォルトでは、UNI および ENI はディセーブルに、NNI はイネーブルに設定されています。 |
4. |
no switchport |
物理ポートに限り、レイヤ 3 モードを開始します。 |
5. |
ip address ip_address subnet_mask |
IP アドレスおよび IP サブネットを設定します。 |
6. |
no shutdown |
インターフェイスをイネーブルにします。 |
7. |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
8. |
show interfaces [ interface-id ] show ip interface [ interface-id ] show running-config interface [ interface-id ] |
設定を確認します。 |
9. |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
インターフェイスの IP アドレスを削除するには、 no ip address インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。
次に、ポートをルーテッド ポートとして設定し、IP アドレスを割り当てる例を示します。
Switch# configure terminal
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
Switch(config)# interface GigabitEthernet1/18
Switch(config-if)# no switchport
Switch(config-if)# ip address 192.20.135.21 255.255.255.0
システム MTU の設定
スイッチ上のすべてのインターフェイスで送受信されるフレームのデフォルトの最大伝送単位(MTU)サイズは、1500 バイトです。 system mtu グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用すると、10 Mbps または 100 Mbps で動作するすべてのインターフェイスの MTU サイズを拡張できます。また、 system mtu jumbo グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用すると、すべてのギガビット イーサネット インターフェイス上でジャンボ フレームをサポートするように MTU サイズを増やすことができます。 system mtu routing グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用すると、ルーテッド ポートの MTU サイズを変更できます。
注: システム MTU サイズを超えるルーティング MTU サイズは設定できません。システム MTU サイズを現在設定されているルーティング MTU サイズより小さい値に変更すると、設定変更は受け入れられますが、次にスイッチをリセットするまで適用されません。設定変更が有効になると、ルーティング MTU サイズは自動的にデフォルトの新しいシステム MTU サイズになります。
ギガビット イーサネット ポートは、system mtu コマンドの影響を受けません。ジャンボフレームは、100BASE-FX SFP モジュールおよび 100BASE-BX SFP モジュールを含む 10/100 インターフェイス上ではサポートされないため、ファストイーサネットポートは system mtu jumbo コマンドの影響を受けません。 system mtu jumbo コマンドを設定していない場合、 system mtu コマンドの設定はすべてのギガビット イーサネット インターフェイスに適用されます。
個々のインターフェイスの MTU サイズを設定することはできません。スイッチのすべての 10/100 またはすべてのギガビット イーサネット インターフェイスに対して設定します。システム MTU サイズを変更した場合、新しい設定を有効にするには、スイッチをリセットする必要があります。 system mtu routing コマンドは、スイッチをリセットしなくても有効になります。
注: システム MTU 設定は、NVRAM のスイッチ環境変数に保存され、スイッチをリロードするときに有効になります。system mtu コマンドおよび system mtu jumbo コマンドで入力した MTU 設定は、copy running-config startup-config 特権 EXEC コマンドを入力しても、スイッチ IOS コンフィギュレーション ファイルには保存されません。したがって、TFTP を使用し、バックアップ コンフィギュレーション ファイルで新しいスイッチを設定して、システム MTU をデフォルト以外の値にしたい場合、新しいスイッチ上で system mtu および system mtu jumbo を明示的に設定し、スイッチをリロードする必要があります。
スイッチの CPU が受信できるフレーム サイズは、system mtu または system mtu jumbo コマンドで入力した値に関係なく、1998 バイトに制限されています。通常、転送またはルーティングされたフレームは CPU によって受信されませんが、場合によっては、制御トラフィック、SNMP、Telnet、またはルーティングプロトコルへ送信されたトラフィックなどのパケットが CPU へ送信されることがあります。
スイッチはパケットを分割しないので、次のパケットをドロップします。
■出力インターフェイスでサポートされるパケットサイズより大きい、スイッチドパケット
■ルーティング MTU 値より大きいルーテッド パケット
たとえば、 system mtu 値が 1998 バイトで system mtu jumbo 値が 5000 バイトである場合、1000 Mbps で動作するインターフェイスで受信可能なパケットサイズは、最大 5000 バイトです。ただし、1998 バイトより大きいパケットは、1000 Mbps で動作するインターフェイス上では受信できますが、その宛先インターフェイスが 10 Mbps または 100 Mbps で動作するインターフェイスである場合は廃棄されます。
ルーテッド パケットは、送信ポートで MTU チェックの対象となります。ルーテッドポートで使用される MTU 値は、( system mtu jumbo 値ではなく)設定された system mtu 値から導出されます。つまり、ルーテッド MTU はどの VLAN のシステム MTU よりも大きくなりません。ルーティング プロトコルは、隣接関係とリンクの MTU をネゴシエーションする場合にシステム MTU 値を使用します。たとえば、Open Shortest Path First(OSPF)プロトコルは、ピア ルータとの隣接関係を設定する前にこの MTU 値を使用します。特定の VLAN のルーテッド パケットの MTU 値を表示するには、 show platform port-asic mvid 特権 EXEC コマンドを使用します。
注: レイヤ 2 ギガビット イーサネット インターフェイスが、10/100 インターフェイスより大きいサイズのフレームを受け取るように設定されている場合、レイヤ 2 ギガビット イーサネット インターフェイスに着信するジャンボフレームとレイヤ 2 10/100 インターフェイスで発信されるジャンボフレームはドロップされます。
10/100 インターフェイスまたはギガビット イーサネット インターフェイスすべての MTU サイズを変更するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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1. |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
2. |
system mtu bytes |
(任意)10 Mbps または 100 Mbps で動作するスイッチのすべてのインターフェイスに対する MTU サイズを変更します。指定できる範囲は、1500 ~ 1998 バイトです。デフォルトは 1500 バイトです。 |
3. |
system mtu jumbo bytes |
(任意)スイッチのすべてのギガビット イーサネット インターフェイスに対して MTU サイズを変更します。指定できる範囲は 1500 ~ 9000 バイトです。デフォルトは 1500 バイトです。 |
4. |
system mtu routing bytes |
(任意)ルーテッド ポートのシステム MTU を変更します。指定できる範囲は 1500 ~システム MTU 値で、すべてのポートにルーティング可能な最大 MTU 値です。 これより大きなパケットは受け入れられますが、ルーティングされません。 |
5. |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
6. |
copy running-config startup-config |
コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
7. |
reload |
OS(オペレーティング システム)をリロードします。 |
特定のインターフェイス タイプで許容範囲外の値を入力した場合、その値は受け入れられません。
スイッチのリロード後、show system mtu 特権 EXEC コマンドを入力することによって、設定値を確認できます。
次に、ギガビット イーサネット ポートの最大パケット サイズを 1800 バイトに設定する例を示します。
Switch(config)# system mtu jumbo 1800
次に、ギガビット イーサネット インターフェイスを範囲外の値に設定しようとした場合に表示される応答の例を示します。
Switch(config)# system mtu jumbo 25000
% Invalid input detected at '^' marker.