- Cisco Industrial Ethernet 4000、4010、および 5000 スイッチ ソフトウェア コンフィギュレーション ガイド
- Contents
- はじめに
- 設定の概要
- コマンドライン インターフェイスの使用
- インターフェイスの設定
- スイッチ アラームの設定
- スイッチ セットアップの設定
- Cisco IOS Configuration Engine の設定
- スイッチ クラスタの設定
- スイッチ管理の実行
- PTP の設定
- PROFINET の設定
- CIP の設定
- SDM テンプレートの設定
- スイッチ ベース認証の設定
- IEEE 802.1x ポートベース認証の設定
- MACsec
- Web ベース認証の設定
- SmartPort マクロの設定
- SGACL モニタモードおよび SGACL ロギングの設定
- SGT 交換プロトコル over TCP(SXP)およびレイヤ 3 トランスポートの設定
- VLAN の設定
- VTP の設定
- 音声 VLAN の設定
- STP の設定
- MSTP の設定
- オプションのスパニングツリー機能の設定
- Resilient Ethernet Protocol の設定
- FlexLink および MAC アドレス テーブル移動更新の設定
- DHCP の設定
- ダイナミック ARP インスペクション(DAI)の設定
- IP ソース ガードの設定
- IGMP スヌーピングおよび MVR の設定
- ポート単位のトラフィック制御の設定
- SPAN および RSPAN の設定
- LLDP、LLDP-MED、およびワイヤード ロケーション サービスの設定
- レイヤ 2 NAT の設定
- CDP の設定
- UDLD の設定
- RMON の設定
- システム メッセージ ロギングの設定
- SNMP の設定
- ACL によるネットワーク セキュリティの設定
- QoS の設定
- スタティック IP ユニキャスト ルーティングの設定
- IPv6 ホスト機能の設定
- リンク ステート トラッキングの設定
- IP マルチキャスト ルーティングの設定
- MSDP の設定
- IPv6 MLD スヌーピングの設定
- HSRP および VRRP の設定
- IPv6 ACL の設定
- Embedded Event Manager の設定
- IP ユニキャスト ルーティングの設定
- IPv6 ユニキャスト ルーティングの設定
- ユニキャストの概要
- Cisco IOS IP SLA 動作の設定
- Dying Gasp
- 拡張オブジェクト トラッキングの設定
- MODBUS TCP の設定
- イーサネット CFM
- Cisco IOS ファイル システム、コンフィギュレーション ファイル、およびソフトウェア イメージの操作
- EtherChannel の設定
- トラブルシューティング
- SD カードの使用
SD カードの使用
このマニュアルでは、Secure Digital(SD)フラッシュメモリモジュール(SD カード)を使用する方法について説明します。
■概要
概要
SD カードをスイッチの内部フラッシュ メモリの代わりに使用して、設定を更新したり復元したりすることができます。また、SD カードを使用してスイッチを起動することもできます。PC またはスイッチから SD カードへ IOS ソフトウェアおよびスイッチの設定をコピーして、このソフトウェアおよび設定を他のスイッチへコピーすることもできます。
スイッチ上で SD カードをフォーマットすると、カードは Disk Operating System Filing System(DOSFS)でフォーマットされます。これはプラットフォームに依存しない業界標準のファイル システムで、シスコのさまざまなスイッチおよびルータでサポートされています。
スイッチは、サードパーティの SD カードまたは SD High Capacity(SDHC)カードをサポートしていません。サポートされていないカードでスイッチを実行しようとすると、次のメッセージが表示されます。
severely degrade performance of the system.
Please use supported SD flash cards only.
SD カードの書き込み保護スイッチがロックの位置にある場合、スイッチはカード データの読み込み、およびカードからの起動はできますが、アップデートおよびファイルをカードに書き込むことはできません。
SD カードの挿入と取り出し
SD カードをスイッチに挿入するには、カードの向きが正しいことを確認し、カードが固定されるまで、スイッチの SD カード スロットに差し込みます。カードを取り出すには、カードを押して固定を解除してから、スロットから引き抜きます。
SD カードはホットスワップ可能ですが、ブート プロセス中、または sdflash の書き込み中にスイッチから取り出してはなりません。
SD カードを挿入すると、以下のような syslog メッセージが記録されます。
SD カードを取り出すと、以下のような syslog メッセージが記録されます。
SD カードの操作
SD カードは、スイッチのブート ローダー、または IOS のいずれかでアクセスできます。以降のセクションでは、制御ソフトウェアで実行できる操作について説明します。
ブート ローダーの動作
SD カードで以下のブート ローダー コマンドを実行できます。
■boot:実行可能な IOS イメージをロードして起動します
■sd_init:sd フラッシュ ファイル システムを初期化します
重要: スイッチは、内部フラッシュ メモリ、または SD カードから起動することができます。SD カードは、内部フラッシュ メモリよりも優先されます。スイッチに SD カードが挿入されている場合、スイッチは次の順序で起動しようとします。
1. SD カードのシステム ブート パスに指定されている IOS イメージから
IOS の動作
IOS の実行中に、SD カードの挿入、または取り出しが可能です。IOS の実行中に、サポートされている Cisco SD カードを挿入すると、スイッチは、Product Name(PNM)フィールドにシスコによって埋め込まれている文字列を確認し、SD カードの製品番号とフラッシュ容量を表示します。IOS の実行中に SD カードを取り出すと、SD カードが取り出されたことを通知するために、スイッチによって警告メッセージが出されます。
また、syslog が有効になっている場合は、SD カードが挿入または取り出されたときにシステムによってメッセージが送信されます。
SD カードがスイッチに挿入されている場合、次に示すように IOS コマンドが動作します。
■ write コマンド:実行中の設定を保存します。SD カードからシステムを起動して write コマンドを実行すると、カードがまだ挿入されている場合、システムは実行中の設定を SD カードに保存します。SD カードが取り出されている場合、システムは、実行中の設定を内部フラッシュ メモリに保存して次のメッセージを表示します。
システムが内部フラッシュ メモリから起動された後で SD カードを挿入し、 write コマンドを実行した場合、システムは、実行中の設定を内部フラッシュ メモリに保存します。
■ boot コマンド:システムの boot パラメータを変更します。
システムが SD カードから起動されている場合に boot コマンドを実行すると、次のように動作します。
–SD カードが挿入されていて、システム ブート パスまたはコンフィギュレーション ファイル パスが SD カードを指している場合、システム ブート パスまたはコンフィギュレーション ファイル パスは SD カードに保存されます。
–SD カードが挿入されていて、システム ブート パスまたはコンフィギュレーション ファイル パスが内部フラッシュ メモリを指している場合、システム ブート パスまたはコンフィギュレーション ファイル パスは内部フラッシュ メモリに保存されます。
–SD カードが取り出されていて、システム ブート パスまたはコンフィギュレーション ファイル パスが SD カードを指している場合、システム ブート パスまたはコンフィギュレーション ファイル パスは保存されず、次のメッセージが表示されます。
WARNING: The BOOT/config file path points to the
SD flash card and the SD flash card is not present.
The environment variable(s) is not saved.
NOTE: This warning message is displayed only once.
システムが内部フラッシュ メモリから起動された後で SD カードを挿入し、 boot コマンドを実行した場合、次のように動作します。
–システム ブート パスまたはコンフィギュレーション ファイル パスが内部フラッシュ メモリを指している場合、システム ブート パスまたはコンフィギュレーション ファイル パスは内部フラッシュ メモリに保存されます。
–システム ブート パスまたはコンフィギュレーション ファイル パスが SD カードを指している場合、システム ブート パスまたはコンフィギュレーション ファイル パスは SD カードに保存され、次のメッセージが表示されます。
WARNING: The BOOT/config file path points to the
SD flash card. The environment variable(s) is
saved onto the SD flash card.
NOTE: This warning message is displayed only once.
— SD カードが取り出されていて、システム ブート パスまたはコンフィギュレーション ファイル パスが SD カードを指している場合、システム ブート パスまたはコンフィギュレーション ファイル パスは保存されず、次のメッセージが表示されます。
WARNING: The BOOT/config file path points to the
SD flash card and the SD flash card is not present.
The environment variable(s) is not saved.
NOTE: This warning message is displayed only once.
n sync コマンド:IOS イメージ ディレクトリ(IOS イメージ ファイル、FPGA イメージ ファイル、デバイス マネージャ ファイル、Profinet/CIP コンフィギュレーション ファイルが含まれている)、config.text IOS コンフィギュレーション ファイル、vlan.dat VLAN コンフィギュレーション ファイル、IOS ブート パラメータを、内部フラッシュ メモリから SD カードへ、または SD カードから内部フラッシュ メモリへコピーします。このコマンドは、スイッチ モデルに対して IOS イメージが適切であること、および同期先に十分なフラッシュ メモリが存在することを確認し、潜在的な問題が検出された場合は同期プロセスを中断します。 sync コマンドは、 sync コマンドに指定されている同期元フラッシュ デバイスの IOS ブート パラメータから、同期元 IOS イメージ ディレクトリ パスおよび同期元 IOS コンフィギュレーション ファイル パスを取得します。デフォルトでは、このコマンドは同期先 IOS イメージ ディレクトリおよび IOS コンフィギュレーション ファイルを上書きします。save-old-files オプションを使用すると、このデフォルトの動作をオーバーライドできます。実行中の設定を保存していない場合に sync コマンドを実行すると、スイッチでは、コマンドを実行する前に実行中の設定を保存するかどうかの確認が示されます。
–Switch# sync flash: sdflash: :IOS イメージ ディレクトリ、コンフィギュレーション ファイル、ブート パラメータを内部フラッシュ メモリから SD カードへ同期します。
–Switch# sync sdflash: flash: :IOS イメージ ディレクトリ、コンフィギュレーション ファイル、ブート パラメータを SD カードから内部フラッシュ メモリへ同期します。
–Switch# sync flash: sdflash: ios-image-name IOS_image_path :指定された IOS イメージ ディレクトリ、コンフィギュレーション ファイル、ブート パラメータを内部フラッシュ メモリから SD カードへ同期します。たとえば、 IOS_image_path は flash:/ie2000-universalk9-mz.150-2.EA1/ie2000-universalk9-mz.150-2.EA1.bin のようになります。
–Switch# sync sdflash: flash: ios-image-name IOS_image_path :指定された IOS イメージ ディレクトリ、コンフィギュレーション ファイル、ブート パラメータを SD カードから内部フラッシュ メモリへ同期します。たとえば、 IOS_image_path は flash:/ie2000-universalk9-mz.150-2.EA1/ie2000-universalk9-mz.150-2.EA1.bin のようになります。
–Switch# sync flash: sdflash: skip config.text vlan.dat :IOS イメージ ディレクトリのみを内部フラッシュ メモリから SD カードへ同期します。
–Switch# sync sdflash: flash: skip config.text vlan.dat :IOS イメージ ディレクトリのみを SD カードから内部フラッシュ メモリへ同期します。
–Switch# sync flash: sdflash: skip ios-image :IOS コンフィギュレーション ファイルのみを内部フラッシュ メモリから SD カードへ同期します。
–Switch# sync sdflash: flash: skip ios-image :IOS コンフィギュレーション ファイルのみを SD カードから内部フラッシュ メモリへ同期します。
SD カード アラーム
スイッチは、SD カードについて次のアラームをサポートしています。
■SD Card Alarm:このアラームは SD カードが取り出されたときに有効になり、SD カードが挿入されたときに解除されます
■SD Card Unsupported Alarm:サポートされていない SD カードが検出されたときに有効になります
■SD Card Corrupt Alarm:SD カードおよび DOSFS の破損が検出されたときに有効になります
■SD Card Files Corrupt Alarm:SD カードのシステム ブート パスに指定されている IOS イメージが破損したときに有効になります
SD カードが挿入された、または取り出された後でアラーム リレー(LED 出力)をトリガーするのに約 2 分かかります。
SD カードのアラームに関連付けられているアラームおよびトラップが、syslog および SNMP サーバへ送信されるよう設定することもできます。
SD カード アラームの有効化
アラームを使用するには、 alarm facility sd-card enable グローバル コンフィギュレーション コマンドを入力してアラームを有効にして、次に示す alarm facility sd-card グローバル コンフィギュレーション コマンドを入力して、アラームをリレーに関連付けます。
Switch(config)# alarm facility sd-card enable
Switch(config)# alarm facility sd-card notifies
Switch(config)# alarm facility sd-card sysm