IPv4 IPM ルータ コマンド

この章は、次の項で構成されています。

ip multicast-routing

ルータのすべての IP が有効なインターフェイスで IPv4 マルチキャスト ルーティングを有効にし、マルチキャスト転送を有効にするには、ip multicast-routing コマンドをグローバル コンフィギュレーション モードで使用します。マルチキャスト ルーティングおよび転送を無効にするには、このコマンドの no 形式を使用します。

構文

ip multicast-routing igmp-proxy

no ip multicast-routing

パラメータ

  • igmp-proxy:IGMP プロキシを使用して、マルチキャスト ルーティングを有効にします。

デフォルト設定

マルチキャスト ルーティングが有効になっていません。

コマンド モード

グローバル コンフィギュレーション モード

使用上のガイドライン

ip multicast-routing コマンドを、必要な IP マルチキャスト ルーティング プロトコルを指定するパラメータと使用します。

インターフェイスで IPv4 マルチキャスト パケットを転送するには、IPv4 マルチキャスト転送をグローバルに有効にし、IPMv4 ルーティング プロトコルをインターフェイスで有効にする必要があります。

次の例では、IGMP プロキシを使用して IP マルチキャスト ルーティングを有効にします。

switchxxxxxx(config)# ip multicast-routing igmp-proxy

ip multicast ttl-threshold

インターフェイスから転送されるパケットの存続可能時間(TTL)しきい値を設定するには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで ip multicast ttl-threshold コマンドを使用します。デフォルトの TTL しきい値に戻すには、このコマンドの no 形式を使用します。

構文

ip multicast ttl-threshold ttl-value

no ip multicast ttl-threshold

パラメータ

  • ttl-value:ホップでの存続可能時間の値。値の範囲は 0 ~ 256 です。

デフォルト設定

デフォルトの TTL 値は 0 です。

コマンド モード

インターフェイス コンフィギュレーション モード

使用上のガイドライン

しきい値未満の TTL 値を持つマルチキャスト パケットは、インターフェイスで転送されません。デフォルト値の 0 は、すべてのマルチキャスト パケットがインターフェイスで転送されることを意味します。

256 の値は、インターフェイスでマルチキャスト パケットが転送されないことを意味します。

TTL しきい値は、境界ルータでのみ設定する必要があります。逆に、TTL しきい値を自動的に設定するルータは、境界ルータになります。

次の例では、境界ルータの TTL しきい値を 200 に設定します。

switchxxxxxx(config)# interface vlan 100
switchxxxxxx(config-if)# ip multicast ttl-threshold 200
switchxxxxxx(config-if)# exit

show ip mroute

マルチキャスト ルーティング(mroute)テーブルの内容を表示するには、ユーザ EXEC モードまたは特権 EXEC モードで show ip mroute コマンドを使用します。

構文

show ip mroute [group-address [source-address]] [summary]

パラメータ

  • group-address:宛先マルチキャスト IP アドレス。

  • source-address:送信元 IP アドレス。

  • summary:出力をフィルタして、mroute テーブルの各エントリに対し、1 行の簡略サマリーを表示します。

コマンド モード

ユーザ EXEC モード

特権 EXEC モード

使用上のガイドライン

show ip mroute コマンドを使用して、mroute テーブルの Mroute エンティティに関する情報を表示します。スイッチは、(*,G) エントリから (S,G) エントリを作成することで、マルチキャスト ルーティング テーブルに値を代入します。アスタリスク(*)は、すべての送信元アドレスを示し、「S」は単一ソース アドレスを示し、「G」は宛先マルチキャスト グループ アドレスを示します。(S,G) エントリの作成時に、スイッチはユニキャスト ルーティング テーブルで見つかった(つまり、Reverse Path Forwarding(RPF)によって)、該当する宛先グループへの最適なパスを使用します。

次の例の重要なフィールドの説明

Timers:Uptime/Expires:「Uptime」は、エントリが IP マルチキャスト ルーティング テーブルに格納されていた期間(時間、分、秒)をインターフェイスごとに示します。「Expires」は、IP マルチキャスト ルーティング テーブルからエントリが削除されるまでの期間(時間、分、秒)をインターフェイスごとに示します。

(*, 224.0.255.1) と (192.168.37.100/32, 224.0.255.1):IP マルチキャスト ルーティング テーブルのエントリ。エントリは、送信元ルータの IP アドレスと、それに続くマルチキャスト グループの IP アドレスで構成されます。送信元ルータの位置に置かれたアスタリスク(*)は、すべての送信元を意味します。

最初の形式のエントリは、(*,G) または「スター カンマ G」エントリと呼ばれます。2 番目の形式のエントリは、(S,G) または「S カンマ G」エントリと呼ばれます。(*,G) エントリは、(S,G) エントリを作成するために使用されます。

Incoming interface:送信元からのマルチキャスト パケットが着信する予定のインターフェイス。パケットがこのインターフェイスに着信しなかった場合、廃棄されます。

Outgoing Interface List(OIF):パケット転送時に使用されるインターフェイス。

例 1。次に、show ip mroute コマンドに summary キーワードを指定した場合の出力例を示します。

switchxxxxxx# show ip mroute summary
Timers: Uptime/Expires
IP Multicast Routing Table
(172.16.160.67/32, 224.2.127.254), 00:02:46/00:00:12, OIF count:2
(172.16.244.217/32, 224.2.127.254), 00:02:15/00:00:40, OIF count:
(172.16.8.33/32, 224.2.127.254), 00:00:25/00:02:32, OIF count:2
(172.16.2.62/32, 224.2.127.254), 00:00:51/00:02:03, OIF count:2
(172.16.8.3/32, 224.2.127.254), 00:00:26/00:02:33, OIF count:2
(172.16.60.189/32, 224.2.127.254), 00:03:47/00:00:46, OIF count:2

例 2。次に、show ip mroute コマンドの出力例を示します。

switchxxxxxx# show ip mroute
Timers: Uptime/Expires
IP Multicast Routing Table
(*, 224.0.255.3), 5:29:15/00:03:01
Incoming interface: vlan2
Outgoing interface list:
vlan100, 5:29:15/0:02:57
(192.168.46.0/24, 224.0.255.3), 05:29:15/00:02:59
Incoming interface: vlan2
Outgoing interface list:
vlan5, 05:29:15/00:02:57

show ip multicast

IP マルチキャスト構成に関する一般情報を表示するには、ユーザ EXEC モードまたは特権 EXEC モードで show ip multicast コマンドを使用します。

構文

show ip multicast [interface interface-id]

パラメータ

  • interface:IP マルチキャスト用に設定されたインターフェイスに関する、IP マルチキャスト関連情報を表示します。

  • interface-id:IP マルチキャスト情報を表示するインターフェイス識別子。

コマンド モード

ユーザ EXEC モード

特権 EXEC モード

使用上のガイドライン

show ip multicast コマンドを interface キーワードを指定せずに使用して、ルータの IP マルチキャストの状態に関する一般情報を表示します。

show ip multicast コマンドを interface キーワードを指定して使用して、指定したインターフェイスに関する IP マルチキャスト情報を表示します。

例 1。次に、IP マルチキャスト ルーティング プロトコルが有効でないときに、interface キーワードなしでの show ip multicast コマンドの出力例を示します。

switchxxxxxx# show ip multicast
IP Unicast Forwarding: enabled
IP Multicast Protocol: No

例 2。次に、IGMP プロキシが有効なときに、interface キーワードなしでの show ip multicast コマンドの出力例を示します。

switchxxxxxx# show ip multicast
IP Unicast Forwarding: enabled
IP Multicast Protocol: IGMP Proxy

例 3。次に、指定したインターフェイスに関する show ip multicast コマンドの出力例を示します。IGMP プロキシがインターフェイスで有効になっており、そのインターフェイスは IGMP プロキシ アップストリーム インターフェイスです。

switchxxxxxx# show ip multicast interface vlan 200
IP Unicast Forwarding: enabled
IP Multicast Protocol: IGMP Proxy
vlan 200
TTL-threshold: 0
IGMP Protocol: IGMPv3
IGMP Proxy: Upstream

例 4。次に、指定したインターフェイスに関する show ip multicast コマンドの出力例を示します。IGMP プロキシがインターフェイスで有効になっており、そのインターフェイスは IGMP プロキシ ダウンリンク インターフェイスです。

switchxxxxxx# show ip multicast interface vlan 100
IP Unicast Forwarding: enabled
IP Multicast Protocol: IGP Proxy
vlan 200
TTL-threshold: 0
IGMP Protocol: IGMPv3
IGMP Proxy: DownStream (Upstream: vlan 200)

例 5。次に、指定したインターフェイスに関する show ip multicast コマンドの出力例を示します。IGMP プロキシはインターフェイスで無効です。

switchxxxxxx# show ip multicast interface vlan 100
IP Unicast Forwarding: enabled
IP Multicast Protocol: IGMP Proxy
vlan 200
IP Status: enabled
hop-threshold: 100
IGMP Protocol: IGMPv3
IGMP Proxy: disabled