DNS クライアント コマンド

この章は、次の項で構成されています。

clear host

DNS クライアントの名前/アドレス キャッシュからダイナミックなホストの名前/アドレス マッピングのエントリを削除するには、特権 EXEC モードで clear host コマンドを使用します。

構文

clear host {hostname | *}

パラメータ

  • hostname:DNS クライアントの名前/アドレス キャッシュからホストの名前/アドレス マッピングが削除されるホストの名前。

  • *:DNS クライアントの名前/アドレス キャッシュからすべてのダイナミックなホストの名前/アドレス マッピングを削除することを指定します。

デフォルト設定

DNS クライアントの名前/アドレス キャッシュからホストの名前/アドレス マッピングのエントリは削除されません。

コマンド モード

特権 EXEC モード

使用上のガイドライン

単一のホスト名のマッピング情報を提供するダイナミック エントリを削除するには、hostname 引数を使用します。すべてのダイナミック エントリを削除するには、* キーワードを使用します。

DNS ホスト名キャッシュにスタティックなホストの名前/アドレス マッピングを定義するには、ip host コマンドを使用します。

DNS ホスト名キャッシュのスタティックなホストの名前/アドレス マッピングを削除するには、no ip host コマンドを使用します。

次の例では、DNS クライアントの名前/アドレス キャッシュからすべてのダイナミック エントリを削除しています。

switchxxxxxx# clear host *

ip domain lookup

IP ドメイン ネーム システム(DNS)ベースのホスト名からアドレスへの変換を有効にするには、グローバル コンフィギュレーション モードで ip domain lookup コマンドを使用します。

DNS を無効にするには、このコマンドの no 形式を使用します。

構文

ip domain lookup

no ip domain lookup

デフォルト設定

有効

コマンド モード

グローバル コンフィギュレーション モード

次の例では、DNS ベースのホスト名からアドレスへの変換を有効にしています。

switchxxxxxx(config)# ip domain lookup

ip domain name

未修飾のホスト名(ドット付き 10 進表記のドメイン名を持たない名前)を完成させるためにスイッチが使用するデフォルトのドメイン名を定義するには、グローバル コンフィギュレーション モードで ip domain name コマンドを使用します。

スタティックに定義されたデフォルト ドメイン名を削除するには、このコマンドの no 形式を使用します。

構文

ip domain name name

no ip domain name

パラメータ

name:未修飾のホスト名を完成させるために使用されるデフォルトのドメイン名。ドメイン名を未修飾の名前から区切るために使用される最初のピリオドは入れないでください。長さは 1 ~ 158 文字です。各ドメイン レベルの最大ラベル長は 63 文字です。

デフォルト設定

デフォルトのドメイン名は定義されていません。

コマンド モード

グローバル コンフィギュレーション モード

使用上のガイドライン

ドメイン名を含まない IP ホスト名(つまりドットのない名前)にはドットとデフォルトのドメイン名が追加され、その後でホスト テーブルに追加されます。

ドメイン名とホスト名は、A ~ Z の ASCII 文字(大文字と小文字を区別しない)、0 ~ 9 の数字、アンダースコア、およびハイフンに制限されています。ピリオド(.)は、ラベルを区切るために使用されます。

各ドメイン レベルの最大サイズは 63 文字です。名前の最大サイズは 158 バイトです。

次の例では、デフォルトのドメイン名を「www.website.com」と定義しています。

switchxxxxxx(config)# ip domain name website.com

ip domain polling-interval

ポーリング間隔を指定するには、グローバル コンフィギュレーション モードで ip domain polling-interval コマンドを使用します。

デフォルトの動作に戻すには、このコマンドの no 形式を使用します。

構文

ip domain polling-interval seconds

no ip domain polling-interval

パラメータ

seconds:ポーリング間隔(秒)。範囲は(2*(R+1)*T)~ 3600 です。

デフォルト設定

デフォルト値は 2 *(R+1)* T です。ここで、

  • R は ip domain retry コマンドにより設定された値です。

  • T は ip domain timeout コマンドにより設定された値です。

コマンド モード

グローバル コンフィギュレーション モード

使用上のガイドライン

一部のアプリケーションは、指定された IP アドレスと継続的に通信します。IP アドレスの解決を受信しなかったり、固定回数の再送信を使用して DNS サーバを検出しなかったこのようなアプリケーションの DNS クライアントは、アプリケーションにエラーを返し、ポーリング間隔を使用して IP アドレスに DNS 要求メッセージを送信し続けます。

次の例では、ポーリング間隔を 100 秒に設定する方法を示しています。

switchxxxxxx(config)# ip domain polling-interval 100

ip domain retry

応答がない場合にデバイスがドメイン ネーム システム(DNS)クエリを送信する回数を指定するには、グローバル コンフィギュレーション モードで ip domain retry コマンドを使用します。

デフォルトの動作に戻すには、このコマンドの no 形式を使用します。

構文

ip domain retry number

no ip domain retry

パラメータ

number:DNS サーバへの DNS クエリの送信を再試行する回数。指定できる範囲は 0 ~ 16 です。

デフォルト設定

デフォルト値は 1 です。

コマンド モード

グローバル コンフィギュレーション モード

使用上のガイドライン

number 引数は、DNS サーバが存在しないとスイッチが判断するまでに、DNS サーバに DNS クエリが送信される回数を指定します。

次の例では、諦める前に DNS クエリを 10 回送信するようにスイッチを設定する方法を示しています。

switchxxxxxx(config)# ip domain retry 10

ip domain timeout

DNS クエリへの応答を待機する時間を指定するには、グローバル コンフィギュレーション モードで ip domain timeout コマンドを使用します。

デフォルトの動作に戻すには、このコマンドの no 形式を使用します。

構文

ip domain timeout seconds

no ip domain timeout

パラメータ

seconds:DNS クエリへの応答を待機する時間(秒)。指定できる範囲は 1 ~ 60 です。

デフォルト設定

デフォルト値は 2 秒です。

コマンド モード

グローバル コンフィギュレーション モード

使用上のガイドライン

デフォルトのタイムアウト値を変更するには、このコマンドを使用します。デフォルトのタイムアウト値に戻すには、このコマンドの no 形式を使用します。

次の例では、DNS クエリへの応答を 50 秒間待機するようにスイッチを設定する方法を示しています。

switchxxxxxx(config)# ip domain timeout 50

ip host

DNS ホスト名キャッシュのスタティックなホストの名前/アドレス マッピングを定義するには、ip host グローバル コンフィギュレーション モード コマンドを使用します。

スタティックなホストの名前/アドレス マッピングを削除するには、このコマンドの no 形式を使用します。

構文

ip host hostname address1 [address2...address8]

no ip host hostname [address1...address8]

パラメータ

  • hostname:ホストの名前。(長さ:1 ~ 158 文字、各ドメイン レベルのラベルの最大長は 63 文字です)。

  • address1:関連付けられるホスト IP アドレス(IPv4、または IPv6 スタックがサポートされている場合には IPv6)。

  • address2...address8:単一のスペースで区切られた、最大で 7 つの追加で関連付けられる IP アドレス(IPv4、または IPv6 スタックがサポートされている場合には IPv6)。

デフォルト設定

ホストは定義されていません。

コマンド モード

グローバル コンフィギュレーション モード

使用上のガイドライン

ホスト名は、A ~ Z の ASCII 文字(大文字と小文字を区別しない)、0 ~ 9 の数字、アンダースコア、およびハイフンに制限されています。ピリオド(.)は、ラベルを区切るために使用されます。

IP アプリケーションは、次の順序で IP アドレスを受信します。

  1. このコマンドにより指定された順序の IPv6 アドレス。

  2. このコマンドにより指定された順序の IPv4 アドレス。

指定したアドレスを削除するには、address1...address8 引数を使用してこのコマンドの no 形式を使用します。すべてのアドレスが削除されると、そのエントリは削除されます。

次の例では、スタティックなホストの名前/アドレス マッピングをホスト キャッシュに定義しています。

switchxxxxxx(config)# ip host accounting.website.com 176.10.23.1

ip name-server

名前とアドレスの解決に使用する 1 つ以上のネーム サーバのアドレスを指定するには、グローバル コンフィギュレーション モードで ip name-server コマンドを使用します。

スタティックに指定されたアドレスを削除するには、このコマンドの no 形式を使用します。

構文

ip name-server server1-address [server-address2...erver-address8]

no ip name-server [server-address1...server-address8]

パラメータ

  • server-address1:単一のネーム サーバの IPv4 または IPv6 アドレス。

  • server-address2...server-address8:追加のネームサーバの IPv4 または IPv6 アドレス。

デフォルト設定

ネーム サーバの IP アドレスは定義されていません。

コマンド モード

グローバル コンフィギュレーション モード

使用上のガイドライン

サーバの優先順位は、入力された順序によって決まります。

ip name-server コマンドは、前のコマンドで定義された設定を置き換えます(存在する場合)。

次の例では、ネーム サーバとして IPv4 ホスト 172.16.1.111、172.16.1.2、および IPv6 ホスト 2001:0DB8::3 を指定する方法を示しています。

switchxxxxxx(config)# ip name-server 172.16.1.111 172.16.1.2 2001:0DB8::3

show hosts

デフォルト ドメイン名、名前検索サービスのスタイル、ネーム サーバ ホストの一覧、およびキャッシュ内にあるホスト名とアドレスの一覧を表示するには、特権 EXEC モードで show hosts コマンドを使用します。

構文

show hosts [all | hostname]

パラメータ

  • all:指定されたホスト名のキャッシュ情報が、設定されたすべての DNS ビューについて表示されます。これはデフォルトです。

  • hostname:表示される指定されたホスト名のキャッシュ情報が、特定のホスト名のエントリに限定されます。

コマンド モード

特権 EXEC モード

デフォルト設定

デフォルトは all です。

使用上のガイドライン

このコマンドは、デフォルト ドメイン名、ネーム サーバ ホストの一覧、およびキャッシュ内にあるホスト名とアドレスの一覧を表示します。

次に、パラメータを指定しない場合の出力例を示します。

switchxxxxxx# show hosts
Name/address lookup is enabled
Domain Timeout: 3 seconds
Domain Retry: 4 times
Domain Polling Interval: 10 seconds
Default Domain Table
Source  Interface Preference Domain
static                       website.com
dhcpv6  vlan 100      1      qqtca.com
dhcpv6  vlan 100      2      company.com
dhcpv6  vlan 1100     1      pptca.com
Name Server Table
Source  Interface Preference  IP Address
static               1        192.0.2.204
static               2        192.0.2.205
static               3        192.0.2.105
DHCPv6      vlan 100 1        2002:0:22AC::11:231A:0BB4
DHCPv4      vlan 1   1        192.1.122.20
DHCPv4      vlan 1   2        154.1.122.20
Casche Table
Flags: (static/dynamic, OK/Ne/??)
OK - Okay, Ne - Negative Cache, ?? - No Response
Host Flag Address;Age...in preference order
example1.company.com (dynamic, OK) 2002:0:130F::0A0:1504:0BB4;1 112.0.2.10 176.16.8.8;123 124 173.0.2.30;39
example2.company.com (dynamic, ??)
example3.company.com (static, OK) 120.0.2.27
example4.company.com (dynamic, OK) 24 173.0.2.30;15
example5.company.com (dynamic, Ne); 12