スイッチ ファブリック機能に関する情報
• 「スイッチ ファブリック機能の概要」
• 「レイヤ 3 スイッチド トラフィックの転送の決定」
スイッチ ファブリック機能の概要
スイッチ ファブリック機能はスーパーバイザ エンジンに組み込まれ、ファブリック対応モジュール間に専用接続を確立し、これらのモジュール間で連続的なフレーム転送を行います。スイッチ ファブリック機能によって提供されるファブリック対応モジュール間の直接接続のほかに、ファブリック対応モジュールは、転送バスへの直接接続も行います。
レイヤ 3 スイッチド トラフィックの転送の決定
PFC または Distributed Feature Card は、次のようにレイヤ 3 スイッチド トラフィックの転送について決定します。
• PFC は、DFC が搭載されていないモジュールから入ってきた各パケットの転送判断をすべて行います。
• DFC は、次の状況で DFC が搭載されたモジュールに入ってきた各パケットの転送判断をすべて行います。
– 出力ポートが入力ポートと同じモジュールにある場合、DFC はパケットをローカルに転送します(パケットはモジュールの外部に送信されません)。
– 出力ポートが別のファブリック対応モジュール上にある場合、DFC はパケットを出力モジュールに送信し、出力ポートから送信します。
– 出力ポートが別のファブリック非対応モジュール上にある場合、DFC はスーパーバイザ エンジンにパケットを送信します。スーパーバイザ エンジンのファブリック インターフェイスはスイッチング バスにパケットを送信します。スイッチング バスでは、パケットは出力モジュールで受信され、出力ポートから送信されます。
スイッチ ファブリック機能のデフォルト設定
モジュール間のトラフィック転送は、次のいずれかのモードで行われます。
• compact モード:スイッチにファブリック対応モジュールだけが搭載されている場合は、すべてのトラフィックに対してこのモードが使用されます。このモードでは、スイッチ ファブリック チャネルを通じて DBus ヘッダーのコンパクト版が転送され、最良のパフォーマンスが得られます。
• truncated モード:スイッチにファブリック対応モジュールとファブリック非対応モジュールが両方とも搭載されている場合は、ファブリック対応モジュール間のトラフィックに対して、このモードが使用されます。このモードでは、スイッチはスイッチ ファブリック チャネルを通じて、切り捨てた形のトラフィック(フレームの最初の 64 バイト)を送信します。
• bus モード(flow-through モード):スイッチは、ファブリック非対応モジュール間のトラフィック、およびファブリック非対応モジュールとファブリック対応モジュール間のトラフィックにこのモードを使用します。このモードでは、すべてのトラフィックがローカル バスとスーパーバイザ エンジン バス間で送受信されます。
表 17-1 に、搭載されているファブリック対応モジュールおよび非対応モジュール別に、使用されるスイッチング モードを示します。
表 17-1 スイッチ ファブリック機能のスイッチング モード
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ファブリック対応モジュール間(ファブリック非対応モジュールが搭載されていない場合) |
compact コマンドを実行すると、DFC を装着したファブリック対応モジュールの場合は dcef モードとして表示され、それ以外のファブリック対応モジュールの場合は fabric モードとして表示されます。 |
ファブリック対応モジュール間(ファブリック非対応モジュールも搭載されている場合) |
truncated コマンドを実行すると、fabric モードとして表示されます。 |
ファブリック対応モジュールとファブリック非対応モジュール間 |
bus |
ファブリック非対応モジュール間 |
bus |
スイッチ ファブリック機能の設定方法
スイッチング モードを設定するには、次の作業を行います。
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Router(config)# [ no ] fabric switching-mode allow { bus-mode | { truncated [{ threshold [ number ]}]} |
スイッチング モードを設定します。 |
スイッチング モードを設定するときには、次の情報に注意してください。
• ファブリック非対応モジュールの使用、またはファブリック対応モジュールで bus モードの使用を可能にするには、 fabric switching-mode allow bus-mode コマンドを入力します。
• ファブリック非対応モジュールの使用、またはファブリック対応モジュールで bus モードの使用を禁止するには、 no fabric switching-mode allow bus-mode コマンドを入力します。
注意
no fabric switching-mode allow bus-mode コマンドを入力すると、スイッチに搭載されたファブリック非対応モジュールへの電力供給が停止します。
• ファブリック対応モジュールで truncated モードの使用を可能にするには、 fabric switching-mode allow truncated コマンドを入力します。
• ファブリック対応モジュールで truncated モードの使用を禁止するには、 no fabric switching-mode allow truncated コマンドを入力します。
• bus モードの代わりに truncated モードを使用する場合に、事前にインストールしなければならないファブリック対応モジュールの数を設定するには、 fabric switching-mode allow truncated threshold number コマンドを入力します。
• デフォルトの truncated モードのしきい値に戻すには、 no fabric switching-mode allow truncated threshold コマンドを入力します。
スイッチ ファブリック機能のモニタ
• 「スイッチ ファブリック冗長ステータスの表示」
• 「ファブリック チャネルのスイッチング モードの表示」
• 「ファブリック ステータスの表示」
• 「ファブリック使用率の表示」
• 「ファブリック エラーの表示」
スイッチ ファブリック冗長ステータスの表示
スイッチ ファブリックの冗長ステータスを表示するには、次の作業を行います。
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Router# show fabric active |
スイッチ ファブリックの冗長ステータスを表示します。 |
Router# show fabric active
Active fabric card in slot 5
No backup fabric card in the system
ファブリック チャネルのスイッチング モードの表示
特定のモジュールまたは全モジュールについて、ファブリック チャネルのスイッチング モードを表示するには、次の作業を行います。
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Router# show fabric switching-mode [ module { slot_number | all ] |
特定のモジュールまたは全モジュールについて、ファブリック チャネルのスイッチング モードを表示します。 |
次に、全モジュールについて、ファブリック チャネルのスイッチング モードを表示する例を示します。
Router# show fabric switching-mode module all
%Truncated mode is allowed
%System is allowed to operate in legacy mode
Module Slot Switching Mode Bus Mode
ファブリック ステータスの表示
特定のスイッチング モジュールまたは全スイッチング モジュールのファブリック ステータスを表示するには、次の作業を行います。
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Router# show fabric status [ slot_number | all ] |
ファブリック ステータスを表示します。 |
次に、全モジュールのファブリック ステータスを表示する例を示します。
Router# show fabric status
slot channel speed module fabric
ファブリック使用率の表示
特定のモジュールまたは全モジュールのファブリック使用率を表示するには、次の作業を行います。
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Router# show fabric utilization [ slot_number | all ] |
ファブリック使用率を表示します。 |
次に、全モジュールのファブリック使用率を表示する例を示します。
Router# show fabric utilization all
Lo% Percentage of Low-priority traffic.
Hi% Percentage of High-priority traffic.
slot channel speed Ingress Lo% Egress Lo% Ingress Hi% Egress Hi%