デバイスは、PoE 対応ポートがシャットダウンの状態でなく、PoE はイネーブルになっていて(デフォルト)、接続した装置は AC アダプタから電力供給されていない場合、シスコの先行標準受電装置または IEEE 準拠の受電装置を検出します。
装置の検出後、デバイスは、次のように装置のタイプに応じて電力要件を判断します。
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初期電力割り当ては、受電デバイスが要求する最大電力量です。デバイスは、受電装置を検出および電力供給する場合、この電力を最初に割り当てます。デバイスが受電装置から CDP メッセージを受信し、受電装置が CDP 電力ネゴシエーション メッセージを通じてデバイスと電力レベルをネゴシエートしたときに、初期電力割り当てが調整される場合があります。
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デバイスは検出した IEEE 装置を消費電力クラス内で分類します。デバイスは、電力バジェットに使用可能な電力量に基づいて、ポートに通電できるかどうかを決定します。 表 1 に、各種レベルの一覧を示します。
表 1. IEEE 電力分類
クラス
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デバイスから要求される最大電力レベル
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0(クラス ステータスは不明)
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15.4 W
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1
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4 W
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2
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7 W
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3
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15.4 W
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4
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30 W(IEEE 802.3at タイプ 2 準拠の受電デバイスの場合)
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デバイスは電力要求をモニタリングおよび追跡して必要な場合にだけ電力供給を許可します。デバイスは自身の電力バジェット(PoE のデバイスで使用可能な電力量)を追跡します。電力の供給許可または拒否がポートで行われると、デバイスはパワーアカウンティング計算を実行し、電力バジェットを最新に保ちます。
電力がポートに適用されたあとで、デバイスは CDP を使用して、接続されたシスコ受電装置の CDP 固有の電力消費要件を調べます。この要件は、CDP メッセージに基づいて割り当てられる電力量です。これに従って、デバイスは電力バジェットを調整します。これは、サードパーティの PoE 装置には適用されません。デバイスは要件を処理して電力の供給を許可または拒否します。要求が許可されると、デバイスは電力バジェットを更新します。要求が拒否された場合は、デバイスはポートの電力がオフに切り替わっていることを確認し、syslog メッセージを生成して LED を更新します。受電装置はより多くの電力について、デバイスとのネゴシエーションを行うこともできます。
PoE+ では、受電装置が最大 30 W の電力ネゴシエーションのために、Media Dependent Interface(MDI)の Type, Length, and Value description(TLV)、Power-via-MDI
TLV で IEEE 802.3at および LLDP 電源を使用します。シスコの先行標準受電装置および IEEE 受電装置では、CDP または IEEE 802.3at power-via-MDI 電力ネゴシエーション メカニズムにより最大
30 W の電力レベルを要求できます。
(注) |
クラス 0、クラス 3、およびクラス 4 の受電装置の初期割り当ては 15.4 W です。装置が起動し、CDP または LLDP を使用して 15.4 W を超える要求を送信する場合、最大 30 W を割り当てることができます。
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(注) |
ソフトウェア コンフィギュレーション ガイドおよびコマンド リファレンスでは、CDP 固有の電力消費要件を実際電力消費要件と呼んでいます。
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不足電圧、過電圧、オシレータ障害、または短絡状態による障害をデバイスが検出した場合、ポートへの電源をオフにし、syslog メッセージを生成し、電力バジェットと LED を更新します。
PoE 機能は、デバイスがスタック メンバーであるかどうかに関係なく、同じように動作します。電力バジェットはデバイスごとであり、スタックの他のデバイスとは無関係です。新しいアクティブ デバイスの選択は、PoE の動作に影響を与えません。アクティブ デバイスは、スタック内のすべてのデバイスおよびポートの PoE のステータスを追跡し続け、出力表示にそのステータスを含めます。
スタック可能なデバイスでは、StackPower もサポートされます。これによって、電源スタック ケーブルでデバイスを接続する場合、スタック内の複数のシステムの電源モジュールで負荷を分担できます。最大 4 つのスタック メンバーの電源モジュールを 1 つの大規模な電源モジュールとして管理できます。