トラップ マネージャは、トラップを受信して処理する管理ステーションです。トラップは、特定のイベントが発生したときにデバイスが生成するシステム アラートです。デフォルトでは、トラップ マネージャは定義されず、トラップは送信されません。この Cisco IOS Release が稼働しているデバイスでは、トラップ マネージャを無制限に設定できます。
(注) |
コマンド構文で traps というワードを使用するコマンドは多数あります。トラップまたは情報を選択するオプションがコマンドにない限り、キーワード traps はトラップ、情報のいずれか、またはその両方を表します。snmp-server
host グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して、トラップまたは情報として SNMP 通知を送信するかどうかを指定します。
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snmp-server enable traps
グローバル コンフィギュレーション コマンドを snmp-server host
グローバル コンフィギュレーション コマンドと組み合わせて使用すると、次の表に示す通知タイプを特定のホストで受信できます。これらのトラップの一部または全部をイネーブルにして、これを受信するようにトラップ マネージャを設定できます。
(注) |
snmp-server enable
traps コマンドは、デバイスのローカル認証のためのトラップをサポートしていません。
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表 3. デバイスの通知タイプ
通知タイプのキーワード |
説明 |
bridge |
STP ブリッジ MIB トラップを生成します。 |
cluster |
クラスタ設定が変更された場合に、トラップを生成します。 |
config |
SNMP 設定が変更された場合に、トラップを生成します。 |
copy-config |
SNMP コピー設定が変更された場合に、トラップを生成します。 |
cpu threshold |
CPU に関連したトラップをイネーブルにします。 |
entity |
SNMP エンティティが変更された場合に、トラップを生成します。 |
envmon |
環境モニタ トラップを生成します。ファン(fan)、シャットダウン(shutdown)、ステータス(status)、電源(supply)、温度(temperature)の環境トラップのいずれかまたはすべてをイネーブルにできます。 |
flash |
SNMP FLASH 通知を生成します。デバイス スタックでは、オプションとして、フラッシュの追加または削除に関する通知を有効にできます。このようにすると、スタックからデバイスを削除するか、またはスタックにスイッチを追加した場合に(物理的な取り外し、電源の再投入、またはリロードの場合に)、トラップが発行されます。
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fru-ctrl |
エンティティ現場交換可能ユニット(FRU)制御トラップを生成します。デバイス スタックでは、このトラップはスタックにおけるデバイスの挿入/取り外しを意味します。
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hsrp |
ホットスタンバイ ルータ プロトコル(HSRP)が変更された場合に、トラップを生成します。 |
ipmulticast |
IP マルチキャスト ルーティングが変更された場合に、トラップを生成します。 |
mac-notification |
MAC アドレス通知のトラップを生成します。 |
ospf |
Open Shortest Path First(OSPF)が変更された場合に、トラップを生成します。シスコ固有、エラー、リンクステート アドバタイズ、レート制限、再送信、ステート変更に関するトラップを任意にイネーブルにできます。 |
pim |
Protocol-Independent Multicast(PIM)が変更された場合に、トラップを生成します。無効な PIM メッセージ、ネイバー変更、およびランデブー ポイント(RP)マッピングの変更に関するトラップを任意にイネーブルにできます。 |
port-security |
SNMP ポート セキュリティ トラップを生成します。1 秒あたりの最大トラップ速度も設定できます。指定できる範囲は 0 ~ 1000 秒です。デフォルトは 0 秒で、レート制限がないという意味です。
(注)
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通知タイプ port-security を使用してトラップを設定する際に、まずポート セキュリティ トラップを設定して、次に以下のポート セキュリティ トラップ レートを設定します。
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-
snmp-server enable traps port-security
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snmp-server enable traps port-security trap-rate rate
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snmp |
認証、コールド スタート、ウォーム スタート、リンク アップ、またはリンク ダウンについて、SNMP タイプ通知のトラップを生成します。 |
storm-control |
SNMP ストーム制御のトラップを生成します。1 分あたりの最大トラップ速度も設定できます。指定できる範囲は 0 ~ 1000 です。デフォルトは 0 に設定されています(制限なしの状態では、発生ごとにトラップが送信されます)。 |
stpx |
SNMP STP 拡張 MIB トラップを生成します。 |
syslog |
SNMP の Syslog トラップを生成します。 |
tty |
TCP 接続のトラップを生成します。このトラップは、デフォルトでイネーブルに設定されています。 |
vlan-membership |
SNMP VLAN メンバーシップが変更された場合に、トラップを生成します。 |
vlancreate |
SNMP VLAN 作成トラップを生成します。 |
vlandelete |
SNMP VLAN 削除トラップを生成します。 |
vtp |
VLAN トランキング プロトコル(VTP)が変更された場合に、トラップを生成します。 |
ホストにトラップまたは情報を送信するようにデバイスを設定するには、次の手順を実行します。
snmp-server
host コマンドでは、通知を受信するホストを指定します。snmp-server enable
traps コマンドによって、指定された通知方式(トラップおよび情報)がグローバルで有効になります。ホストが情報を受信できるようにするには、そのホストに対応する snmp-server host
informs コマンドを設定しsnmp-server enable
traps コマンドを使用して情報をグローバルに有効にする必要があります。
指定したホストがトラップを受信しないようにするには、no snmp-server host host グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。キーワードを指定しないで no snmp-server
host コマンドを使用すると、ホストへのトラップは無効になりますが、情報は無効になりません。情報を無効にするには、no snmp-server host
informs グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用してください。特定のトラップ タイプを無効にするには、no snmp-server enable
traps notification-types グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。