コントローラ上でアグレッシブ ロード バランシングを有効にすると、ワイヤレス クライアントの負荷を Lightweight アクセス ポイント間で分散することができます。アグレッシブ ロード バランシングはコントローラを使用して有効にできます。
ワイヤレス クライアントが Lightweight アクセス ポイントへのアソシエートを試みると、アソシエーション応答パケットとともに 802.11 応答パケットがクライアントに送信されます。この 802.11 応答パケットの中にステータス コード
17 があります。コード 17 は AP がビジー状態であることを示します。AP のしきい値に達成しなければ、AP からは「success」を示すアソシエーション応答は返りません。AP 使用率のしきい値を超えると、コード 17(AP ビジー)が返り、処理能力に余裕がある別の
AP がクライアント要求を受け取ります。
たとえば、AP1 上のクライアント数が、AP2 のクライアント数とロード バランシング ウィンドウの和を上回っている場合は、AP1 の負荷は AP2 よりも高いと判断されます。クライアントが AP1 にアソシエートしようとすると、ステータス コード
17 が含まれている 802.11 応答パケットがクライアントに送信されます。アクセス ポイントの負荷が高いことがこのステータス コードからわかるので、クライアントは別のアクセス ポイントへのアソシエーションを試みます。
コントローラは、クライアント アソシエーションを 10 回まで拒否するように設定できます(クライアントがアソシエーションを 11 回試みた場合、11 回目の試行時にアソシエーションが許可されます)。また、特定の WLAN 上でロード バランシングを有効にするか、無効にするかも指定できます。これは、特定のクライアント
グループ(遅延に敏感な音声クライアントなど)に対してロード バランシングを無効にする場合に便利です。
(注) |
300 ミリ秒を超えて遅延を設定すると、音声クライアントは認証しません。これを避けるには、中央認証(CCKM による WLAN のローカル スイッチング)を設定し、さらに AP と WLC 間に遅延 600 ms(UP と DOWN それぞれ
300 ms)の Pagent ルータを設定して、音声クライアントをアソシエートします
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アクセス ポイントがサポートできるクライアント アソシエーションの最大数は、次の要因に依存しています。
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Lightweight アクセス ポイントと Autonomous Cisco IOS アクセス ポイントの場合、クライアント アソシエーションの最大数は異なります。
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無線単位の制限と、AP 単位の全体的な制限が存在する場合があります。
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AP ハードウェア(16 MB の AP では、32 MB 以上の AP よりも制限が厳しくなります)
Lightweight アクセス ポイントのクライアント アソシエーションの制限は次のとおりです。
すべての Cisco IOS AP の最大クライアント アソシエーションの制限は、1 無線につき 200 アソシエーションです。
(注) |
32 MB 以上の Lightweight Cisco IOS AP では、無線が 2 つの場合、最大で 200 + 200 = 400 アソシエーションがサポートされます。
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Autonomous Cisco IOS アクセス ポイントあたりの最大クライアント アソシエーションの制限は、AP あたり約 80 ~ 127 クライアントです。この数は、次の要因に応じて変化します。
無線単位の制限は、およそ 200 アソシエーションです。アソシエーションは、多くの場合、AP 単位の制限に先に達します。Cisco Unified Wireless Network とは異なり、Autonomous Cisco IOS では、SSID
単位/AP 単位のアソシエーション制限がサポートされています。この制限は、dot11 SSID の下で、max-associations CLI を使用して設定されます。最大数は 255 アソシエーションです(これはデフォルト値でもあります)。
(注) |
FlexConnect AP の場合は、アソシエーションがローカルに処理されます。ロード バランシングの判断は、Cisco WLC で行われます。FlexConnect AP は、Cisco WLC の計算結果を確認する前に、まず、クライアントに応答を返します。FlexConnect
AP がスタンドアロン モードの場合は、ロード バランシングが適用されません。
FlexConnect AP は、ローカル モードの AP と同様にロード バランシング用のステータス 17 で(再)アソシエーション応答を送信しません。代わりに、ステータス 0(成功)で(再)アソシエーションを送信してから、理由 5 で認証解除を送信します。
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