WLAN について
この機能により、Lightweight アクセス ポイント全体に対して、最大 の WLAN を制御できます。各 WLAN には識別子である WLAN ID、プロファイル名、および WLAN SSID があります。すべてのdevicesは接続している各アクセス ポイントに対して最大 16 の WLAN を公開しますが、管理しやすくするため、サポートされる最大数の WLAN を作成し、これらの WLAN を異なるアクセス ポイントに選択的に公開する(アクセス ポイント グループを使用)ことができます。
異なる SSID または同じ SSID で WLAN を設定できます。SSID は、deviceがアクセスする必要がある特定の無線ネットワークを識別します。
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no configure max-user-identity response コマンドが設定されている場合でも、wireless client max-user-login concurrent コマンドは意図したとおりに機能します。 |
バンドの選択
帯域選択によって、デュアルバンド(2.4 GHz および 5 GHz)動作が可能なクライアントの無線を、輻輳の少ない 5 GHz アクセス ポイントに移動できます。2.4 GHz 帯域は、混雑していることがあります。この帯域のクライアントは一般に、Bluetooth デバイス、電子レンジ、およびコードレス電話機からの干渉を受けるだけでなく、他のアクセス ポイントからの同一チャネル干渉も受けます。これは、802.11b/g では、重複しないチャネルの数が 3 つに制限されているためです。このような干渉源を防ぎ、ネットワーク全体のパフォーマンスを向上させるには、deviceで帯域選択を設定します。
オフチャネル スキャンの保留
通常の動作状態では、Lightweight アクセス ポイントは定期的にオフ チャネルになり、別のチャネルをスキャンします。これは、次のような RRM 動作を実行するためのものです。
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他の AP を使用した NDP パケットの送受信
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不正 AP とクライアントの検出
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ノイズと干渉の測定
オフ チャネル期間は通常は約 70 ミリ秒で、この期間は AP は対応するチャネル上でデータの送受信ができません。したがって、パフォーマンスに若干の影響が及び、一部のクライアント送信がドロップされることがあります。
重要なデータを AP が送受信している間はオフチャネル スキャンを保留するように設定して、AP がオフチャネルにならず、通常動作に影響を与えないようにすることができます。オフチャネル スキャンの保留は、指定した時間しきい値(ミリ秒単位)で WMM UP クラス単位で WLAN ごとに設定できます。AP が指定されたしきい値内の所定の UP クラスでマークされたデータ フレームを特定の WLAN 上で送受信している場合、その AP は次の RRM オフチャネル スキャンを保留します。たとえば、デフォルトでは、オフチャネル スキャンの保留は UP クラス 4、5、および 6 に対して 100 ミリ秒の時間しきい値で有効になります。したがって、RRM がオフチャネル スキャンを実行しようとしているときに直近の 100 ミリ秒内に UP 4、5、または 6 でマークされたデータ フレームを受信すると、RRM はオフチャネルになるのを保留します。音声サンプルを送受信し、UP 6 としてマークされている音声コールが 20 ミリ秒ごとにアクティブになる場合は、AP 無線はオフチャネルになりません。
オフチャネル スキャンの保留ではトレードオフが生じます。オフチャネル スキャンは、設定やトラフィック パターンなどに応じて 2% 以上の影響をスループットに与える可能性があります。すべてのトラフィック クラスに対してオフチャネル スキャンの保留を有効にし、時間しきい値を引き上げると、スループットが若干改善する可能性があります。ただし、オフチャネルにならないようにすることによって、RRM は AP ネイバーや不正を識別できず、セキュリティ、DCA、TPC、および 802.11k メッセージに悪影響が及びます。
デフォルトのオフチャネル スキャンの保留設定を変更しないことを推奨します。
DTIM 期間
802.11 ネットワークでは、Lightweight アクセス ポイントは、Delivery Traffic Indication Map (DTIM) と一致するビーコンを定期的に送信します。アクセス ポイントでビーコンがブロードキャストされると、DTIM 期間で設定した値に基づいて、バッファされたブロードキャスト フレームおよびマルチキャスト フレームが送信されます。この機能により、ブロードキャスト データやマルチキャスト データが予想されると、適切なタイミングで省電力クライアントを再起動できます。
通常、DTIM の値は 1(ブロードキャスト フレームおよびマルチキャスト フレームはビーコンのたびに送信)または 2(ビーコン 1 回おきに送信)のいずれかに設定されます。たとえば、802.11 ネットワークのビーコン間隔が 100 ミリ秒で DTIM 値が 1 に設定されている場合、アクセス ポイントは、バッファされたブロードキャスト フレームおよびマルチキャスト フレームを毎秒 10 回送信します。ビーコン期間が 100ms で DTIM 値が 2 に設定されていると、アクセス ポイントは、バッファされたブロードキャスト フレームおよびマルチキャスト フレームを毎秒 5 回送信します。これらの設定はいずれも、ブロードキャスト フレームおよびマルチキャスト フレームの頻度を想定する、Voice over IP(VoIP)を含むアプリケーションに適しています。
ただし、DTIM 値は、802.11 のすべてのクライアントで省電力モードがイネーブルである場合、255 まで設定できます(255 回のビーコンごとにブロードキャスト フレームおよびマルチキャスト フレームを送信します)。クライアントは DTIM 期間に達したときのみリッスンする必要があるため、ブロードキャストとマルチキャストをリッスンする頻度を少なく設定することで、結果的にバッテリー寿命を長くできます。たとえば、ビーコン期間が 100 ms、DTIM 値を 100 に設定すると、アクセス ポイントは、バッファされたブロードキャスト フレームおよびマルチキャスト フレームを 10 秒ごとに 1 回送信します。このレートにより省電力クライアントで、ブロードキャストとマルチキャストをリッスンし、ウェイク アップするまでのスリープ状態が長くなり、バッテリ寿命を長くできます。
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ビーコン期間は、deviceでミリ秒単位で指定され、ソフトウェアによって、802.11 の時間単位(TU)(1 TU = 1.024 ミリ秒)に、内部的に変換されます。Cisco の 802.11n アクセス ポイントでは、この値は直近の 17 TU の倍数に丸められます。たとえば、100 ミリ秒に設定されたビーコン間隔は 104 ミリ秒の実際のビーコン間隔の結果です。 |
多くのアプリケーションでは、ブロードキャスト メッセージとマルチキャスト メッセージとの間隔を長くすると、プロトコルとアプリケーションのパフォーマンスが低下します。このようなクライアントをサポートする 802.11 ネットワークでは、低い DTIM 値を推奨します。
セッション タイムアウト
WLAN にセッション タイムアウトを設定できます。セッション タイムアウトとは、クライアント セッションが再認証を要求することなくアクティブである最大時間を指します。
Cisco Client Extensions
Cisco Client Extensions(CCX)ソフトウェアは、サードパーティ製クライアント デバイスの製造業者およびベンダーに対してライセンスされます。これらのクライアント上の CCX コードにより、サードパーティ製クライアント デバイスは、シスコ製のアクセス ポイントと無線で通信できるようになり、セキュリティの強化、パフォーマンスの向上、高速ローミング、電源管理などの、他のクライアント デバイスがサポートしていないシスコの機能もサポートできるようになります。
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ソフトウェアは、CCX バージョン 1 ~ 5 をサポートします。これによって、devicesとそのアクセス ポイントは、CCX をサポートするサードパーティ製クライアント デバイスと無線で通信できます。CCX サポートは、device上の各 WLAN に対して自動的に有効になり、無効にすることはできません。ただし、Aironet Information Element(IE)を設定できます。
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Aironet IE のサポートが有効になっている場合、アクセス ポイントは、Aironet IE 0x85(アクセス ポイント名、ロード、アソシエートされたクライアントの数などを含む)をこの WLAN のビーコンやプローブ応答に格納して送信します。また、アクセス ポイントが再アソシエーション要求内の Aironet IE 0x85 を受信する場合、deviceは、Aironet IEs 0x85 および 0x95(deviceの管理 IP アドレスおよびアクセス ポイントの IP アドレスを含む)を再アソシエーション応答に格納して送信します。
ピアツーピア ブロッキング
ピアツーピア ブロッキングは個別の WLAN に対して適用され、各クライアントが、アソシエート先の WLAN のピアツーピア ブロッキング設定を継承します。ピア ツー ピアにより、トラフィックをリダイレクトする方法を制御できます。たとえば、トラフィックがdevice内でローカルにブリッジされたり、deviceによってドロップされたり、またはアップストリーム VLAN に転送されるように選択することができます。
ローカル スイッチングの WLAN にアソシエートしたクライアントに対して、ピアツーピアブロッキングはサポートされています。
診断チャネル
クライアントの WLAN による通信で問題が生じる理由についてトラブルシューティングする診断チャネルを選択できます。クライアントで発生している問題を識別し、ネットワーク上でクライアントを動作させるための修正措置を講じるために、クライアントとアクセス ポイントをテストできます。診断チャネルを有効にするには、deviceの GUI または CLI を使用します。また、診断テストを実行するには、deviceの CLI を使用します。
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診断チャネル機能は、管理インターフェイスを使用するアンカーされていない SSID に対してのみ有効にすることをお勧めします。CCX 診断機能は Cisco ADU カードを持つクライアントでのみテストされています。 |