QoS

ワイヤレス QoS について

ワイヤレス QoS の概要

Quality of Service（QoS）では、特定のトラフィックを他のトラフィックタイプよりも優先的に処理することで、トラフィックに優先順位を付けることができます。QoS を設定しない場合、デバイスはパケットの内容やサイズに関係なく、各パケットにベストエフォート型のサービスを提供します。デバイスは信頼性、遅延限界、スループットを保証せずにパケットを送信します。

ターゲットは、ポリシーが適用されるエンティティです。SSID およびクライアントに対するワイヤレス QoS ポリシーは、ダウンストリーム方向で適用されます。つまり、トラフィックがデバイスからワイヤレスクライアントに流れているときに適用されます。有線ソースからワイヤレスターゲットへのトラフィックフローは、ダウンストリームトラフィックと呼ばれます。ワイヤレスソースから有線ターゲットへのトラフィックフローは、アップストリームトラフィックと呼ばれます。

次は、ワイヤレス QoS によって提供される特定の機能の一部です。

ワイヤレス QoS ターゲットに対する SSID ポリシーおよびクライアントポリシー
ワイヤレストラフィックのポリシング
Approximate Fair Drop（AFD）
QoS のモビリティサポート
Cisco Unified Wireless Controller で使用可能な貴金属 QoS ポリシーとの互換性

ワイヤレス QoS ターゲット

ここでは、デバイスで使用可能なさまざまなワイヤレス QoS ターゲットについて説明します。

SSID ポリシー

入力と出力の両方向で SSID の QoS ポリシーを作成できます。デフォルトでは、SSID ポリシーはありません。ポリシーは、BSSID 単位で適用できます。

SSID のポリシングポリシーとマーキングポリシーを設定できます。

クライアントポリシー

クライアントポリシーは、入力方向と出力方向に適用できます。クライアントではポリシングポリシーおよびマーキングポリシーを設定できます。デバイスのワイヤレス制御モジュールは、WMM クライアントでアドミッションコントロールが有効になっている場合に、デフォルトクライアントポリシーを適用します。

次の方法を使用して、クライアントポリシーを設定できます。

Cisco IOS MQC CLI
AAA オーバーライド

ワイヤレスターゲットでサポートされる QoS 機能

次の表に、ワイヤレスターゲットで使用可能なさまざまな機能について説明します。

表 1. ワイヤレスターゲットで使用可能な QoS 機能
Target	機能	Traffic	ポリシーが適用される方向
SSID	Set ポリシングドロップ	非リアルタイム、リアルタイム	アップストリームおよびダウンストリーム
クライアント	Set ポリシングドロップ	非リアルタイム、リアルタイム	アップストリームおよびダウンストリーム

ワイヤレス QoS モビリティ

ワイヤレス QoS モビリティによって、ネットワーク内のどの場所でも同じサービスが提供されるように QoS ポリシーを設定することができます。ワイヤレスクライアントは 1 つの場所から別の場所にローミングできるため、異なるデバイスに関連付けられた別のアクセスポイントにクライアントを関連付けることができます。ワイヤレスクライアントのローミングは、次の 2 つのタイプに分類できます。

デバイス内ローミング
デバイス間ローミング

（注）

外部 WLC では、クライアントの統計情報は表示されません。

（注）

クライアントポリシーは、モビリティグループ内のすべてのデバイスで使用できる必要があります。クライアントに一貫した操作ができるように、同じ SSID ポリシーをモビリティグループのすべてのデバイスに適用する必要があります。

ワイヤレス QoS の貴金属ポリシー

貴金属ポリシーは、コントローラで使用可能なシステム定義のポリシーです。

次のポリシーを使用できます。

プラチナ：VoIP クライアントに使用されます。
ゴールド：ビデオクライアントに使用されます。
シルバー：ベストエフォートであると考えられるトラフィックに使用されます。
ブロンズ：NRT トラフィックに使用されます。

これらのポリシー（プロファイルとも呼ばれる）は、トラフィックに基づいてポリシープロファイルに適用できます。Cisco IOS MQC 設定を使用した設定を推奨します。ポリシーは、必要な貴金属ポリシーに基づくシステムで利用可能です。SSID の入力および出力ポリシーに対してのみ貴金属ポリシーを設定できます。

クライアントのメタルポリシーは、AAA を使用してプッシュできます。

適用されたポリシーに基づいて、パケット内の 802.11e（WMM）および DSCP フィールドが影響を受けます。

ワイヤレス QoS の前提条件

ワイヤレス QoS を設定する前に、次の事項を十分に理解しておく必要があります。

ワイヤレスの概念とネットワークトポロジ。
QoS 実装について。
モジュラ QoS CLI（MQC）
使用するアプリケーションのタイプおよびネットワークのトラフィックパターン
ネットワークの帯域幅要件および速度

ワイヤレスターゲットの QoS に関する制約事項

一般的な制約事項

ターゲットとは、ポリシーが適用されるエンティティです。有線またはワイヤレスターゲットにポリシーを適用できます。有線ターゲットには、ポートまたは VLAN を指定できます。ワイヤレスターゲットには、ポート、無線、SSID、またはクライアントを設定できます。ユーザは、ポート、SSID、およびクライアントポリシーだけを設定できます。ユーザは、無線ポリシングを設定できません。ポート、無線、SSID、クライアントの QoS ポリシーはダウンストリーム方向に適用されます。アップストリーム方向では、SSID およびクライアントターゲットだけがサポートされます。ダウンストリームは、トラフィックがdeviceからワイヤレスクライアントに流れていることを示します。アップストリームは、トラフィックがワイヤレスクライアントからdeviceに流れていることを示します。

ポート、SSID、および（AAA および Cisco IOS コマンドラインインターフェイスを使用する）クライアントポリシーのみがユーザ設定可能です。無線ポリシーはワイヤレス制御モジュールで設定されるため、ユーザ設定できません。
ポートおよび無線ポリシーは、出力方向にのみ適用できます。
SSID およびクライアントターゲットには、マーキングおよびポリシングポリシーのみを設定できます。
方向単位ターゲットあたり 1 つのポリシーがサポートされています。
出力 class-default SSID ポリシーの場合、平均シェーピングレートを設定した後にキューバッファの割合を 0 に設定する必要があります。
WLAN グループや QoS ポリシーは削除できません。

SSID に対するワイヤレス QoS の制約事項

次に、SSID で QoS 機能を適用するときの制約事項を示します。

入力ポリシーでは 1 つのテーブルマップがサポートされます。

テーブルマップは、親 class-default でのみサポートされます。最大 2 つのテーブルマップが出力方向でサポートされ、QoS グループが関係する場合、3 つのテーブルマップを設定できます。

（注）

テーブルマップは、クライアントターゲットではサポートされません。

プライオリティのないポリシングは出力方向でサポートされません。
SSID レベルのプライオリティ設定は、RT1 および RT2 ポリサー（ポリサー用 AFD）を設定する目的でのみ使用されます。プライオリティの設定にシェーピングレートは含まれません。そのため、プライオリティはポリシングのない SSID ポリシーに対して制限されます。
DSCP2DSCP および COS2COS テーブルでのマッピングは、ポートレベルポリシーの音声およびビデオクラスの分類機能に基づいている必要があります。
子ポリシーの class-default ではアクションは許可されません。
SSID の入力ポリシーでは、UP および DSCP フィルタ（一致基準）のみがサポートされます。ACL およびプロトコルの一致基準はサポートされません。

クライアントのワイヤレス QoS の制約事項

次に、クライアントターゲットでの QoS ポリシーの適用に関する制約事項を示します。

デフォルトのクライアントポリシーは、ACM イネーブルの WMM クライアント上でのみイネーブルにされます。
キューイングはサポートされていません。
イネーブル状態の WLAN では、クライアントポリシーの付加、削除また変更はサポートされません。ポリシーを適用、削除、または変更するには、WLAN をシャットダウンする必要があります。
テーブルマップ設定は、ターゲットクライアントでサポートされていません。
class-default で一緒に設定されたポリシングとセットは、出力方向でブロックされます。
```
policy-map foo
class class-default
police X
set dscp Y
```
親ポリシーが他のユーザ定義クラスマップを含む場合、子ポリシーは class-default でサポートされません。
フラットな出力クライアントポリシーでは、class-default 内のポリシングおよび他のクラス内のマーキングアクションはサポートされません。

クライアントポリシーのポリシーマップクラスのフィルタすべてに、同じ属性が必要です。IPv4 または IPv6 アドレスなどのプロトコル固有の属性で一致するフィルタは、異なる属性セットと見なされます。

ACL で一致するフィルタでは、アクセスリストのすべての ACE（アクセスコントロールエントリ）に同じ種類と同じ数の属性が必要です。
クライアント出力ポリシーでは、マーキング属性で一致するフィルタにおいて、policy-map 内のすべてのフィルタが同じマーキング属性で一致する必要があります。たとえば、フィルタが DSCP で一致する場合、ポリシー内のすべてのフィルタが DSCP で一致する必要があります。

ワイヤレス QoS の設定方法

クラスマップの設定（GUI）

手順

ステップ 1

[Configuration] > [Services] > [QoS] を選択します。

ステップ 2

[Add] をクリックして、[Add QoS] ウィンドウを表示します。

ステップ 3

[Add Class-Maps] をクリックします。

ステップ 4

[AVC/User Defined] ドロップダウンリストから [AVC] を選択し、次のように設定します。

[Match Any] または [Match All] のいずれかを選択します。
必要な [Mark Type] を選択し、適切な [Mark Value] を指定します。
必要な [Mark Type] を選択します。[DSCP] を選択した場合は、適切な [Mark Value] を指定する必要があります。

特定の送信元からのトラフィックをドロップするには、[Drop] チェックボックスをオンにします。

（注）

[Drop] が有効になっている場合、[Mark Type] および [Police(kbps)] オプションは無効になります。

選択した一致タイプに基づいて、[Available Protocol(s)] リストから必要なプロトコルを選択し、[Selected Protocol(s)] リストに移動します。選択したこれらのプロトコルによってトラフィックがドロップされます。
[Save] をクリックします。

ステップ 5

[User Defined] を選択してユーザ定義の QoS ポリシーを有効化し、次のように設定します。

[Match Any] または [Match All] のいずれかを選択します。
必要な [Match Type] を選択し、適切な [Match Value] を指定します。
必要な [Mark Type] を選択してマークラベルに関連付けます。[DSCP] を選択した場合は、適切な [Mark Value] を指定する必要があります。

特定の送信元からのトラフィックをドロップするには、[Drop] チェックボックスをオンにします。

（注）

[Drop] が有効になっている場合、[Mark Type] および [Police(kbps)] オプションは無効になります。

[Save] をクリックします。

ステップ 6

[Save & Apply to Device] をクリックします。

クラスマップの設定（CLI）

音声およびビデオトラフィックのクラスマップを設定するには、次の手順に従います。

手順

コマンドまたはアクション目的

ステップ 1

configure terminal

例:


Device# configure terminal

グローバルコンフィギュレーションモードを開始します。

ステップ 2

class-map class-map-name

例:

Device(config)# class-map test

クラスマップを作成します。

ステップ 3

match dscp dscp-value

例:

Device(config-cmap)# match dscp 46

IPv4 および IPv6 パケットの DSCP 値を照合します。

（注）

クラスマップのデフォルトでは、値は match-all です。

WLAN の貴金属ポリシーの設定（GUI）

始める前に

ポリシープロファイルが設定されていることを確認します。プロファイルポリシー単位で貴金属 QoS ポリシーを設定できます。

手順

ステップ 1

[Configuration] > [Tags & Profiles] > [Policy] > > を選択します。

ステップ 2

[Policy Profile] ページでポリシープロファイルの名前をクリックします。

ステップ 3

[Edit Policy Profile] ウィンドウで [QoS and AVC] タブをクリックします。

ステップ 4

[QoS SSID Policy] で、WLAN の適切な [Ingress] および [Egress] ポリシーを選択します。

プラチナ
Gold
Silver
ブロンズ

（注）

入力ポリシーを出力ポリシーと区別するには、サフィックス -up を使用します。たとえば、Platinum 入力ポリシーは platinum-up という名前になります。

ステップ 5

[Update & Apply to Device] をクリックします。

WLAN の貴金属ポリシーの設定（CLI）

プロファイルポリシー単位で貴金属 QoS ポリシーを設定できます。

手順

コマンドまたはアクション目的

ステップ 1

configure terminal

例:

Device# configure terminal

グローバルコンフィギュレーションモードを開始します。

ステップ 2

wireless policy profile policy-name

例:

Devicewireless policy profile pp1

ワイヤレスポリシープロファイルコンフィギュレーションサブモードを開始します。

ステップ 3

shutdown

例:

Deviceshutdown

ワイヤレスポリシープロファイルを無効にします。

ステップ 4

service-policy { input | output} policy-name

例:


Device(config-wlan)# service-policy output platinum

例:


Device(config-wlan)# service-policy input platinum-up

ポリシープロファイルに QoS ポリシーを設定します。貴金属ポリシーを設定するには、platinum、gold、silver、または bronze のいずれかのキーワードを入力する必要があります。この例に示すように、アップストリームポリシーは platinum-up キーワードを使って指定します。

（注）

アップストリームポリシーは、ダウンストリームポリシーと異なります。アップストリームポリシーには -up サフィックスがあります。

ステップ 5

[no] shutdown

例:

Deviceno shutdown

ワイヤレスポリシープロファイルを有効にします。

ステップ 6

end

例:

Device(config)# end

特権 EXEC モードに戻ります。また、Ctrl+Z キーを押しても、グローバルコンフィギュレーションモードを終了できます。

ポリシーマップの設定（CLI）

音声およびビデオトラフィックのクラスマップを設定するには、次の手順に従います。

手順

	コマンドまたはアクション	目的
ステップ 1	configure terminal 例: `Device# configure terminal`	グローバルコンフィギュレーションモードを開始します。
ステップ 2	policy-map `policy-map-name` 例: `Device(config)# policy-map testpolicy`	ポリシーマップを作成します。
ステップ 3	class `class-map-name` 例: `Device(config-pmap)# class testmap`	ポリシー基準を作成します。
ステップ 4	set dscp `value` 例: `Device(config-pmap)# set dscp 45`	パケットに新しい DSCP 値を設定して、IP トラフィックを分類します。
ステップ 5	police `bit_rate_value` 例: `Device(config-pmap)# police 2M`	ビットレートにポリサーを追加します。

ポリシーマップの設定（GUI）

手順

ステップ 1	[Configuration] > [Security] > [Local Policy] を選択します。
ステップ 2	[Local Policies] ページで [Policy Map] タブをクリックします。
ステップ 3	[Policy Map] タブで [Add] をクリックします。
ステップ 4	表示される [Create Policy Map Configuration] ウィンドウで、ポリシーマップの名前を入力します。
ステップ 5	[Match Criteria List] セクションで [Add] をクリックします。
ステップ 6	[Service Template] ドロップダウンリストから、ポリシーにマッピングするサービステンプレートを選択します。
ステップ 7	[Device Type] ドロップダウンリストから、デバイスタイプを選択します。デバイスタイプの一致基準は、選択したデバイスタイプに合わせて eq、not-eq、または regex にすることができます。
ステップ 8	[User Role] ドロップダウンリストから一致基準を選択し、ユーザロールを入力します。ユーザロールの一致基準には、eq、not-eq、または regex を使用できます。
ステップ 9	[User Name] ドロップダウンリストから一致基準を選択し、ユーザ名を入力します。ユーザ名の一致基準には、eq、not-eq、または regex を使用できます。
ステップ 10	[OUI] ドロップダウンリストから OUI を選択します。
ステップ 11	[MAC Address] ドロップダウンリストから一致基準を選択し、MAC アドレスを入力します。一致基準には eq または not-eq を使用できます。
ステップ 12	[Add Criteria] をクリックして一致基準を追加します。
ステップ 13	[Save & Apply to Device] をクリックします。

QoS プロファイルポリシーの設定（GUI）

手順

ステップ 1

[Configuration] > [Tags & Profiles] > [Policy] > > を選択します。

ステップ 2

[Policy Profile] ページでポリシープロファイルの名前をクリックします。

ステップ 3

[Edit Policy Profile] ウィンドウで [QoS and AVC] タブをクリックします。

ステップ 4

[QoS SSID Policy] で、WLAN の適切な [Ingress] および [Egress] ポリシーを選択します。

プラチナ
Gold
Silver
ブロンズ

（注）

入力ポリシーを出力ポリシーと区別するには、サフィックス -up を使用します。たとえば、Platinum 入力ポリシーは platinum-up という名前になります。

ステップ 5

[QoS Client Policy] で、クライアントの適切な [Ingress] および [Egress] ポリシーを選択します。

ステップ 6

[Update & Apply to Device] をクリックします。

QoS プロファイルポリシーの設定（CLI）

手順

	コマンドまたはアクション	目的
ステップ 1	configure terminal 例: `Device# configure terminal`	グローバルコンフィギュレーションモードを開始します。
ステップ 2	wireless profile policy `profile-policy` 例: `Device(config)# wireless profile policy qostest`	WLAN ポリシープロファイルを設定し、ワイヤレスポリシーコンフィギュレーションモードを開始します。
ステップ 3	service-policy client `{` input `\|` output`}` `policy-name` 例: `Device(config-wireless-policy)# service-policy client input policy-map-client`	ポリシーを適用します。選択できるオプションは、次のとおりです。 input：クライアントポリシーをポリシープロファイルの入力方向に割り当てます。 output：クライアントポリシーをポリシープロファイルの出力方向に割り当てます。
ステップ 4	service-policy `{` input `\|` output`}` `policy-name` 例: `Device(config-wireless-policy)# service-policy input policy-map-ssid`	ポリシーを適用します。選択できるオプションは、次のとおりです。 input：WLAN のすべてのクライアントにポリシーマップを割り当てます。 output：WLAN のすべてのクライアントにポリシーマップを割り当てます。
ステップ 5	no shutdown 例: `Device(config-wireless-policy)# no shutdown`	設定を保存します。

QoS ポリシータグの設定（GUI）

手順

ステップ 1	[Configuration] > [Tags & Profiles] > [Tags] > > を選択します。
ステップ 2	[Manage Tags] ページの [Policy] タブで [Add] をクリックします。
ステップ 3	表示される [Add Policy Tag] ウィンドウに、ポリシータグの名前と説明を入力します。
ステップ 4	必要な WLAN ID および WLAN プロファイルを適切なポリシープロファイルにマッピングします。
ステップ 5	[Update & Apply to Device] をクリックします。

QoS ポリシータグの設定（CLI）

手順

コマンドまたはアクション目的

ステップ 1

configure terminal

例:


Device# configure terminal

グローバルコンフィギュレーションモードを開始します。

ステップ 2

wireless tag policy policy-tag-name

例:

Device(config-policy-tag)# wireless tag policy qostag

ポリシータグを設定し、ポリシータグコンフィギュレーションモードを開始します。

ステップ 3

wlan wlan-name policy profile-policy-name

例:

Device(config-policy-tag)# wlan test policy qostest

ポリシープロファイルを WLAN プロファイルにマッピングします。

ステップ 4

end

例:

Device(config-policy-tag)# end

設定を保存し、コンフィギュレーションモードを終了して、特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 5

show wireless tag policy summary

例:

Device# show wireless tag policy summary

設定されたポリシータグを表示します。

（注）

ポリシータグの詳細情報を表示するには、show wireless tag policy detailed policy-tag-name コマンドを使用します。

AP へのポリシータグの付加

手順

	コマンドまたはアクション	目的
ステップ 1	configure terminal 例: `Device# configure terminal`	グローバルコンフィギュレーションモードを開始します。
ステップ 2	ap `mac-address` 例: `Device(config)# ap F866.F267.7DFB`	Cisco AP を設定し、AP プロファイルコンフィギュレーションモードを開始します。
ステップ 3	policy-tag `policy-tag-name` 例: `Device(config-ap-tag)# policy-tag qostag`	ポリシータグを AP にマッピングします。
ステップ 4	end 例: `Device(config-ap-tag)# end`	設定を保存し、コンフィギュレーションモードを終了して、特権 EXEC モードに戻ります。
ステップ 5	show ap tag summary 例: `Device# show ap tag summary`	AP の詳細と AP に関連付けられているタグを表示します。

SIP コールアドミッション制御（CAC）

コールアドミッション制御（CAC）は音声トラフィックのみに適用される概念で、データトラフィックには適用されません。CAC を実装する場合、クライアントは帯域幅を予約するためにトラフィック仕様（TSPEC）を送信する必要があります。SIP CAC 機能は、SIP コールをサポートするために CAC を有効にします。使用可能な SIP 電話機のほとんどには、TSPEC が実装されていません。CAC を呼び出して帯域幅を予約するには、TSPEC が必要です。

この機能を使用すると、特定の SIP コールに帯域幅パラメータを手動で設定し、その設定を使用して、新しいコールを受信するたびに帯域幅を予約できます。

（注）

クライアントが SIP と TSPEC の両方をサポートしている場合は、TSPEC を使用した帯域幅予約が優先されます。

制約事項と制限

コントローラで SIP コールスヌープが有効になっている場合にのみ、SIP CAC を有効化できます。

SIP CAC の設定

SIP CAC は、実行できる SIP 呼び出しの総数を制御します。

手順

コマンドまたはアクション目的

ステップ 1

Configure Terminal

例:

Device# configure terminal

グローバルコンフィギュレーションモードを開始します。

ステップ 2

wireless profile policy <policy-name>

例:

Device(config)# wireless profile policy policy-name

WLAN ポリシープロファイルを設定し、ワイヤレスポリシーコンフィギュレーションモードを開始します。

ステップ 3

shutdown

例:

Device(config)# Shutdown

ワイヤレスポリシープロファイルを無効にします。

ステップ 4

service-policy { input | output} policy-name

例:


Device(config-wireless-policy)# service-policy input platinum-up

Device(Config-wireless-policy)# service-policy output platinum

ポリシープロファイルに Platinum メタル QoS ポリシーを設定します。この例に示されるように、platinum-up キーワードでアップストリームポリシーが指定されます。

（注）

アップストリームポリシーは、ダウンストリームポリシーと異なります。アップストリームポリシーには -up サフィックスがあります。

（注）

コールスヌープが有効になっている場合は、Platinum で SSID ポリシーを設定する必要があります。

ステップ 5

call-snoop

例:

Device(config-wireless-policy)# call-snoop

WLAN のコールスヌーピングを有効にします。

ステップ 6

[no] shutdown

例:

Device(config-wireless-policy)# no shutdown

ワイヤレスポリシープロファイルを有効にします。

ステップ 7

ap dot11 { 5ghz | 24ghz} cac { voice | video} acm

例:


Device(config-wireless-policy)#ap dot11 5ghz cac voice acm

無線の静的 ACM をイネーブルにします。SIP スヌーピングをイネーブルにする場合、静的 CAC ではなく、負荷ベースの CAC を使用します。

ステップ 8

ap dot11 { 5ghz | 24ghz} cac voice sip

例:


Device(config)#ap dot11 5ghz cac voice sip

SIP-Based CAC を設定します。

ステップ 9

ap dot11 { 5ghz | 24ghz} cac voice sipbandwidth <bandwidth> sample-interval <interval-value>

例:


Device(config)#ap dot11 24ghz cac voice sip bandwidth <8-64> sample-interval <10-80>

（任意）帯域幅と間隔値を設定します。

たとえば、帯域幅を <8-64> と入力します（G729 の 8 kbps と G711 の 64 kbps）。間隔値として、パケット化間隔 10 ～ 80 ミリ秒（G711 または G729 コーデックの 10、20、30、40、80 ミリ秒。デフォルトは 20）を意味する <10-80> を入力します。

ステップ 10

end

例:


Device(config)#end

特権 EXEC モードに戻ります。また、Ctrl+Z キーを押しても、グローバルコンフィギュレーションモードを終了できます。

SIP CAC の確認

SIP CAC 機能を確認するには、次の Show コマンドを使用します。

Device # show ap cac voice 
AP Name: AP5897.bdd0.61d4
Slot#   Radio       Calls   BW-Max  BW-Alloc    BW-InUse
--------------------------------------------------------
0       802.11b/g   1       23437         765         3              


AP Name: AP70DF.2FA2.39E0
Slot#   Radio       Calls   BW-Max  BW-Alloc    BW-InUse
--------------------------------------------------------


AP Name: APA023.9F11.C6DC
Slot#   Radio       Calls   BW-Max  BW-Alloc    BW-InUse
--------------------------------------------------------
0       802.11b/g   1       23437   765         3

SIP 音声コールスヌーピング

この機能により、アクセスポイントは Session Initiation Protocol（SIP）コールの確立、終了、および失敗を検出し、コントローラにレポートできます。各 WLAN に対して、SIP スヌーピングおよびレポートを有効または無効にできます。VoIP Media Session Aware（MSA）スヌーピングを有効にすると、この WLAN をアドバタイズするアクセスポイント無線は SIP 音声パケットを検索します。

ポート番号 5060（標準の SIP シグナリングポート）を宛先または送信元とする SIP パケットは、追加インスペクションの対象と見なされます。アクセスポイントでは、Wi-Fi Multimedia（WMM）クライアントと非 WMM クライアントがコールを確立している段階、コールがアクティブになった段階、コールの終了処理の段階を追跡します。両方のクライアントタイプのアップストリームパケット分類は、アクセスポイントで行われます。ダウンストリームパケット分類は、WMM クライアントはコントローラで、非 WMM クライアントはアクセスポイントで行われます。アクセスポイントは、コールの確立、終了、失敗など、主要なコールイベントをコントローラに通知します。

（注）

この機能は、中央スイッチングモード、IOS および ClickOS AP、メッシュ AP ブリッジモードでサポートされますが、ファブリックではサポートされません。

（注）

L3 ローミングを使用して SIP コールを実行する場合は、コントローラが NTP サーバと同期している必要があります。または、その時刻が同じである必要があります。

SIP 音声コールスヌーピングの設定

始める前に

コールスヌープを有効にするには、BSSID Platinum ポリシーを最初に設定する必要があります。

手順

コマンドまたはアクション目的

ステップ 1

Configure Terminal

例:

Device# configure terminal

グローバルコンフィギュレーションモードを開始します。

ステップ 2

wireless profile policy <policy-name>

例:

Device(config)# wireless profile policy policy-name

WLAN ポリシープロファイルを設定し、ワイヤレスポリシーコンフィギュレーションモードを開始します。

ステップ 3

shutdown

例:

Device(config)# Shutdown

ワイヤレスポリシープロファイルを無効にします。

ステップ 4

service-policy { input | output} policy-name

例:


Device(config-wireless-policy)# service-policy input platinum-up

Device(Config-wireless-policy)# service-policy output platinum

ポリシープロファイルに Platinum メタル QoS ポリシーを設定します。例に示すように、アップストリームポリシーは platinum-up キーワードで指定されます。

（注）

アップストリームポリシーは、ダウンストリームポリシーと異なります。アップストリームポリシーには -up サフィックスがあります。

（注）

コールスヌープが有効になっている場合は、Platinum で SSID ポリシーを設定する必要があります。

ステップ 5

call-snoop

例:

Device(config-wireless-policy)# call-snoop

WLAN のコールスヌーピングを有効にします。

ステップ 6

[no] shutdown

例:

Device(config-wireless-policy)# no shutdown

ワイヤレスポリシープロファイルを有効にします。

ステップ 7

end

例:


Device(config)#end

特権 EXEC モードに戻ります。また、Ctrl+Z キーを押しても、グローバルコンフィギュレーションモードを終了できます。

SIP 音声コールスヌーピングの確認

call-snoop コマンドが有効になっているかどうかを確認するには、次のコマンドを使用します。

Device# sh wireless profile policy detailed <policy-name>
Classmap name for Reanchoring
  Reanchoring Classmap Name   : Not Configured
QOS per SSID
  Ingress Service Name        : platinum-up
  Egress Service Name         : platinum
QOS per Client
  Ingress Service Name        : voice-client
  Egress Service Name         : voice-client
Umbrella information
  Ciso Umbrella Parameter Map : Not Configured
Autoqos Mode                  : None
Call Snooping                 : Enabled
Fabric Profile
  Profile Name                : Not Configured
Accounting list

QoS 耐障害性

ここでは、QoS の耐障害性（FT）設定について説明します。耐障害性はフレックスモードにのみ適用されます。

アクセスポイント（AP）がスタンドアロンモードになると、クライアントは AP に接続したままになります。BSSID およびクライアントに適用されているすべての QoS ポリシーは変更されることなく、通常どおり機能します。

AP がコントローラに再接続すると、AP は接続モードに戻ってクライアントが AP に参加したままになります。BSSID およびクライアントの既存のポリシーは消去されます。コントローラは、BSSID およびクライアントのポリシーを送信します。これらのポリシーは AP に適用されます。

QoS 耐障害性の設定

手順

	コマンドまたはアクション	目的
ステップ 1	Configure Terminal 例: `Device# configure terminal`	グローバルコンフィギュレーションモードを開始します。
ステップ 2	wireless profile policy `<policy-name>` 例: `Device(config)# wireless profile policy policy-name`	WLAN ポリシープロファイルを設定し、ワイヤレスポリシーコンフィギュレーションモードを開始します。
ステップ 3	shutdown 例: `Device(config)# Shutdown`	ワイヤレスポリシープロファイルを無効にします。
ステップ 4	service-policy client `{` input `\|` output`}` `policy-name` 例: `Device(config-wireless-policy)# service-policy client input policy-map-client`	ポリシーを適用します。選択できるオプションは、次のとおりです。 input：クライアントポリシーをクライアントの入力方向に割り当てます。 output：クライアントポリシーをクライアントの出力方向に割り当てます。
ステップ 5	service-policy `{` input `\|` output`}` `policy-name` 例: `Device(config-wireless-policy)# service-policy input policy-map-ssid`	ポリシーを適用します。選択できるオプションは、次のとおりです。 input：WLAN のすべてのクライアントにポリシーマップを割り当てます。 output：WLAN のすべてのクライアントにポリシーマップを割り当てます。
ステップ 6	vlan `vlan-id` 例: `Device(config-wireless-policy)# vlan 24`	VLAN 名または VLAN ID を設定します。
ステップ 7	[no] shutdown 例: `Device(config-wireless-policy)# no shutdown`	設定を保存します。
ステップ 8	wireless tag site `site-name` 例: `Device(config)# wireless tag site rr-xyz-site`	サイトタグを設定し、サイトタグコンフィギュレーションモードを開始します。
ステップ 9	no local-site 例: `Device(config-site-tag)# no local-site`	このサイトをローカルサイトとして設定します。
ステップ 10	exit 例: `Device(config-site-tag)# exit`	サイトタグコンフィギュレーションモードを終了します。
ステップ 11	wireless tag policy `policy-tag-name` 例: `Device(config)# wireless tag policy rr-xyz-policy-tag`	ポリシータグを設定し、ポリシータグコンフィギュレーションモードを開始します。
ステップ 12	wlan `wlan-profile-name` policy `policy-name` 例: `Device(config-policy-tag) # wlan qos-ft policy flex-policy`	ポリシープロファイルを WLAN プロファイルにマッピングします。
ステップ 13	wlan `wlan-profile-name` `wlan-identifier` `ssid-network-name` 例: `Device(config) # wlan qos-ft 2 qos-ft`	WLAN と SSID を設定します。SSID（ネットワーク名）には、最大 32 文字の英数字を使用できます。
ステップ 14	no security wpa 例: `Device(config-wlan)# no security wpa`	WPA セキュリティを無効にします。
ステップ 15	no security wpa akm dot1x 例: `Device(config-wlan)# no security wpa akm dot1x`	dot1x に対するセキュリティの AKM をディセーブルにします。
ステップ 16	no security wpa wpa2 例: `Device(config-wlan)# no security wpa wpa2`	WPA2 セキュリティを無効にします。
ステップ 17	no security wpa wpa2 ciphers aes 例: `Device(config-wlan)# no security wpa wpa2 ciphers aes`	AES の WPA2 暗号化をディセーブルにします。
ステップ 18	no shutdown 例: `Device(config-wlan)# no shutdown`	設定を保存します。
ステップ 19	exit 例: `Device(config-wlan)# exit`	WLAN コンフィギュレーションモードを終了します。
ステップ 20	ap `Ethernet-ap-mac-address` 例: `Device(config)#ap A123.1F2B.12B0`	AP コンフィギュレーションモードを開始します。
ステップ 21	policy-tag `policy-tag-name` 例: `Device(config-ap-tag)#policy-tag flex-tag`	AP にポリシータグを関連付けます。
ステップ 22	site-tag `site-tag-name` 例: `Device(config-ap-tag)# site-tag site-flex`	AP にサイトタグを関連付けます。
ステップ 23	end 例: `Device(config-ap-tag)# end`	特権 EXEC モードに戻ります。
ステップ 24	show ap summary 例: `Device# show ap summary`	入力内容を確認します。

Cisco Catalyst 9800 シリーズ ワイヤレス コントローラ（Cisco IOS XE Gibraltar 16.10.x）ソフトウェア コンフィギュレーション ガイド

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章のタイトル： QoS

QoS

ワイヤレス QoS の概要

ワイヤレス QoS ターゲット

SSID ポリシー

クライアント ポリシー

ワイヤレス ターゲットでサポートされる QoS 機能

ワイヤレス QoS モビリティ

ワイヤレス QoS の貴金属ポリシー

ワイヤレス QoS の前提条件

ワイヤレス ターゲットの QoS に関する制約事項

一般的な制約事項

SSID に対するワイヤレス QoS の制約事項

クライアントのワイヤレス QoS の制約事項

クラス マップの設定（GUI）

手順

クラス マップの設定（CLI）

手順

例:

例:

例:

WLAN の貴金属ポリシーの設定（GUI）

始める前に

手順

WLAN の貴金属ポリシーの設定（CLI）

手順

例:

例:

例:

例:

例:

例:

例:

ポリシー マップの設定（CLI）

手順

例:

例:

例:

例:

例:

ポリシー マップの設定（GUI）

手順

QoS プロファイル ポリシーの設定（GUI）

手順

QoS プロファイル ポリシーの設定（CLI）

手順

例:

例:

例:

例:

例:

QoS ポリシー タグの設定（GUI）

手順

QoS ポリシー タグの設定（CLI）

手順

例:

例:

例:

例:

例:

AP へのポリシー タグの付加

手順

例:

例:

例:

例:

例:

SIP コール アドミッション制御（CAC）

制約事項と制限

SIP CAC の設定

手順

例:

例:

例:

例:

例:

Cisco Catalyst 9800 シリーズワイヤレスコントローラ（Cisco IOS XE Gibraltar 16.10.x）ソフトウェアコンフィギュレーションガイド

クライアントポリシー

ワイヤレスターゲットでサポートされる QoS 機能

ワイヤレスターゲットの QoS に関する制約事項

クラスマップの設定（GUI）

クラスマップの設定（CLI）

ポリシーマップの設定（CLI）

ポリシーマップの設定（GUI）

QoS プロファイルポリシーの設定（GUI）

QoS プロファイルポリシーの設定（CLI）

QoS ポリシータグの設定（GUI）

QoS ポリシータグの設定（CLI）

AP へのポリシータグの付加

SIP コールアドミッション制御（CAC）

SIP 音声コールスヌーピング

SIP 音声コールスヌーピングの設定

SIP 音声コールスヌーピングの確認