10.7 MXP_2.5G_10G カード
(Cisco ONS 15454 のみ)
MXP_2.5G_10G カードは、4 つの 2.5 Gbps 信号(クライアント側)を 1 つの 10 Gbps、100 GHz DWDM 信号(トランク側)に多重化/逆多重化します。また、トランク側では、カード単位で 1 つの拡張長距離 STM-64/OC-192 ポート(ITU-T G.707、ITU-T G.709、ITU-T G.957、および Telcordia GR-253-CORE に準拠)を提供し、クライアント側では、カード単位で 4 つの中距離または短距離 OC-48/STM-16 ポートを提供します。このポートは、C-SMF や、損失/分散(またはその両方)で制限された分散補償ファイバなどのさまざまなファイバを使用して、最大 80 km(50 マイル)の非増幅距離にわたって、9.95328 Gbps で動作します。
MXP_2.5G_10G カードのクライアント ポートは、Telcordia GR-253-CORE で定義された SONET OC-1(STS-1)光ファイバ信号と相互運用することもできます。1 つの OC-1 信号は、光ファイバ上で伝送される 1 つの DS-3 チャネルと同等です。米国では、主に、OC-1 が電話スイッチへのトランク インターフェイスに使用されています。SONET OC-1 に相当する SDH は存在しません。
MXP_2.5G_10G カードは、1550 nm、ITU-100 GHz レンジの隣接する 2 つの波長にわたって調整できます。このカードには 16 種類のバージョンがあり、それぞれが 2 つの波長をカバーし、合計 32 の 1550 nm レンジの波長をカバーします。
(注) ITU-T G.709 は、「ラッパー」方式を使用する FEC の形式を規定しています。デジタル ラッパーを使用すれば、クライアント側で透過的に信号を取り込み、それをフレームでラップすることによって、元の形式に復元できます。FEC では、距離に伴う光信号の減衰によって発生したエラーが訂正されるため、ファイバ リンクの距離を延ばすことができます。
ポートは、ITU-T G.709 デジタル ラッパー/FEC モードでは 10.70923 Gbps で動作することもできます。
注意 トランスポンダにはペイロードを調べて回線を検出する機能がないため、MXP_2.5G_10G カードのカード ビューには回線が表示されません。
注意 トランク ポート上のループバック内で MXP_2.5G_10G カードを使用するときは、20 dB のファイバ減衰器(15 ~ 25 dB)を使用する必要があります。MXP_2.5G_10G カードでは、ダイレクト ファイバ ループバックを使用しないでください。ダイレクト ファイバ ループバックを使用すると、MXP_2.5G_10G カードに回復不能な損傷を与えます。
MXP_2.5G_10G カードは、スロット 1 ~ 6 と 12 ~ 17 に実装できます。
注意 DS3/EC1-48 カードがスロット 1 または 2 に実装されている場合は、MXP_2.5G_10G カードをスロット 3 に実装しないでください。同様に、DS3/EC1-48 カードがスロット 15 または 16 に実装されている場合は、MXP_2.5G_10G カードをスロット 17 に実装しないでください。実装した場合は、カード同士が競合して DS-3 ビット エラーが発生します。
これらのカードは線形設定でプロビジョニングできます。MXP_2.5G_10G カードは、BLSR/MS-SPRing、パス保護/SNCP、またはリジェネレータとしてプロビジョニングできません。これらのカードを BLSR/MS-SPRing または 1+1 スパンの中間で使用できるのは、カードをトランスペアレント終端モードに設定した場合だけです。
MXP_2.5G_10G カードは、トランク ポート上の 1550 nm レーザーとクライアント ポート上の 1310 nm レーザーを特徴とし、前面プレートに 5 つの送受信コネクタのペア(ラベル付き)が取り付けられています。このカードには、光ケーブル終端用として、トランク側のデュアル LC コネクタと、クライアント側の SFP コネクタが使用されています。
(注) 4xOC-48 OCHCC 回線を構築する場合は、G.709 オプションと同期オプションを選択する必要があります。4xOC-48 OCHCC 回線は G.709 モードと同期モードでサポートされます。この操作は、4xOC-48 OCHCC 回線をプロビジョニングするために必要です。
図 10-16 に、MXP_2.5G_10G の前面プレートを示します。
図 10-16 MXP_2.5G_10G の前面プレート
カードの安全性ラベルの詳細については、「クラス 1 レーザー製品カード」を参照してください。
図 10-17 に、MXP_2.5G_10G カードのブロック図を示します。
図 10-17 MXP_2.5G_10G カードのブロック図
10.7.1 タイミング同期
MXP_2.5G_10G カードは、通常状態で TCC2/TCC2P/TCC3 クロックに同期しており、このクロックを使用して ITU-T G.709 フレームを送信します。TCC2/TCC2P/TCC3 カードは、外部の Building Integrated Timing Supply(BITS)クロック、内部の Stratum 3 クロック、または 4 つの有効なクライアント クロックのいずれかから再生されたクロックで動作できます。TCC2/TCC2P/TCC3 カードのどのクロックも使用できない場合は、MXP_2.5G_10G カードが、自動的に(エラーを伴う、ヒットレスではない)、SONET クロック要件を満たしていない内部の 19.44 MHz クロックに切り替えます。この結果、クロック アラームが発生します。
10.7.2 自動レーザー遮断
ALS 手順は、クライアント インターフェイスとトランク インターフェイスの両方でサポートされています。クライアント インターフェイス上では、ALS が ITU-T G.664(6/99)に準拠しています。データ アプリケーションおよびトランク インターフェイス上では、スイッチ オン/オフのパルス幅が 60 秒を超えます。このオン/オフのパルス幅はユーザが設定できます。MXP_2.5G_10G カードの ALS プロビジョニングの詳細については、『Cisco ONS 15454 DWDM Procedure Guide』を参照してください。
10.7.3 MXP_2.5G_10G のカードレベル インジケータ
表 10-13 に、MXP_2.5G_10G カード上の 3 つのカードレベル LED を示します。
表 10-13 MXP_2.5G_10G のカードレベル インジケータ
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レッドの FAIL LED |
レッドの FAIL LED は、カードのプロセッサの準備ができていないことを示します。この LED はリセット中に点灯し、ブート プロセス中に点滅します。レッドの FAIL LED が消えない場合は、カードを交換してください。 |
ACT/STBY LED グリーン(アクティブ) オレンジ(スタンバイ) |
ACT/STBY LED がグリーンの場合は、カードが稼動状態(1 つ以上のポートがアクティブ)で、トラフィックの伝送準備ができています。ACT/STBY LED がオレンジの場合は、カードが稼動状態であり、スタンバイ(保護)モードになっていることを示します。 |
オレンジの SF LED |
オレンジの SF LED は、カードの 1 つ以上のポートで、LOS、LOF、高 BER などの信号障害または信号状態が発生していることを示します。このオレンジの SF LED は、送信ファイバと受信ファイバが正しく接続されていない場合にも点灯します。ファイバが正しく接続されリンクが稼動している場合は点灯しません。 |
10.7.3.1 MXP_2.5G_10G のポートレベル インジケータ
表 10-14 に、MXP_2.5G_10G カード上の 4 つのポートレベル LED を示します。
表 10-14 MXP_2.5G_10G のポートレベル インジケータ
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グリーンのクライアント LED (4 つの LED) |
グリーンのクライアント LED は、クライアント ポートが稼動中であり、認識された信号を受信していることを示します。カードには 4 つのクライアント ポートが取り付けられているため、4 つのクライアント LED があります。 |
グリーンの DWDM LED |
グリーンの DWDM LED は、DWDM ポートが稼動中であり、認識された信号を受信していることを示します。 |
グリーンの波長 1 LED |
各ポートは、DWDM 側で 2 つの波長をサポートします。各波長 LED は、どちらかの波長に対応します。この LED は、カードが波長 1 用に設定されていることを示します。 |
グリーンの波長 2 LED |
各ポートは、DWDM 側で 2 つの波長をサポートします。各波長 LED は、どちらかの波長に対応します。この LED は、カードが波長 2 用に設定されていることを示します。 |
10.7.4 MXP_2.5G_10E カード
カードの前面プレートには "4x2.5G 10E MXP" と表記されています。MXP_2.5G_10E カードは、クライアント側で完全なトランスペアレント終端をサポートする ONS 15454 プラットフォーム用の DWDM マックスポンダです。このカードは、4 つの 2.5 Gbps クライアント信号(4×OC48/STM-16 SFP)をトランク側の 1 つの 10 Gbps DWDM 光信号に多重化します。MXP_2.5G_10E は、4 つの着信 2.5 Gbps クライアント インターフェイスに対して、波長伝送サービスを提供します。MXP_2.5G_10E マックスポンダは、すべての SONET/SDH オーバーヘッド バイトを透過的に通過させます。
デジタル ラッパー機能(ITU-T G.709 準拠)は、DWDM 波長を整形して、データ通信用の Generic Communication Channel(GCC)のセットアップ、FEC のイネーブル化、またはパフォーマンス モニタリングの促進に使用できるようにします。
MXP_2.5G_10E は、ITU-T G.709 で定義された Optical Transport Network(OTN)デバイスと連動します。このカードは、SONET/SDH ペイロードをデジタル的にラップされたエンベロープに非同期マッピングするための業界標準方式である ODU1 から OTU2 への多重化をサポートします。「多重化機能」を参照してください。
MXP_2.5G_10E カードは、完全なトランスペアレント終端をサポートしない MXP_2.5G_10G カードとの互換性がありません。また、MXP_2.5G_10E カードは、スロット 1 ~ 6 と 12 ~ 17 に実装できます。さらに、このカードは、線形設定で、BLSR/MS-SPRing、パス保護/SNCP、またはリジェネレータとしてプロビジョニングできます。このカードを BLSR/MS-SPRing または 1+1 スパンの中間で使用できるのは、カードをトランスペアレント終端モードに設定した場合だけです。
MXP_2.5G_10G は、トランク ポート上の 1550 nm レーザーとクライアント ポート上の 1310 nm レーザーを特徴とし、前面プレートに 5 つの送受信コネクタのペア(ラベル付き)が取り付けられています。このカードには、光ケーブル終端用として、トランク上のデュアル LC コネクタと、クライアント上の SFP モジュールが使用されています。SFP 着脱可能モジュールは、Short Reach(SR; 短距離)または Intermediate Reach(IR; 中距離)で、LC ファイバ コネクタをサポートします。
(注) 4xOC-48 OCHCC 回線を構築する場合は、G.709 オプションと同期オプションを選択する必要があります。4xOC-48 OCHCC 回線は G.709 モードと同期モードでサポートされます。この操作は、4xOC-48 OCHCC 回線をプロビジョニングするために必要です。
10.7.4.1 主な特徴
MXP_2.5G_10E カードは、次のハイレベルな特徴を備えています。
• 4 つの 2.5 Gbps クライアント インターフェイス(OC-48/STM-16)と 1 つの 10 Gbps トランク。標準の ITU-T G.709 多重化を使用して、4 つの OC-48 信号が 1 つの ITU-T G.709 OTU2 信号にマッピングされます。
• オンボード E-FEC プロセッサ:このプロセッサは、標準の Reed-Solomon(RS)(ITU-T G.709 で規定)と E-FEC の両方をサポートします。E-FEC を使用すると、トランク インターフェイス上のゲインが増加し、伝送距離が延長されます。E-FEC 機能は、トランスポンダの訂正能力を高めてパフォーマンスを改善するため、標準の RS(237,255)訂正アルゴリズムよりも低い OSNR で動作できます。E-FEC に実装された新しい Block Code(BCH; ブロック コード)アルゴリズムでは、入力 BER のリカバリを最大 1E-3 にできます。
• 着脱可能クライアント インターフェイス光モジュール:MXP_2.5G_10E カードは、モジュラ インターフェイスを備えています。2 種類の光モジュールをカードに接続できます。これらのモジュールは、公称距離が 7 km(4.3 マイル)の OC-48/STM 16 SR-1 インターフェイス(短距離アプリケーションやオフィス内アプリケーション用)と、距離が 40 km(24.9 マイル)以下の IR-1 インターフェイスを備えています。SR-1 は、Telcordia GR-253-CORE と I-16(ITU-T G.957)で定義されています。IR-1 は、Telcordia GR-253-CORE と S-16-1(ITU-T G.957)で定義されています。
• ハイレベル プロビジョニング サポート:MXP_2.5G_10E カードは、最初に、Cisco TransportPlanner ソフトウェアを使用してプロビジョニングされます。それ以降は、CTC ソフトウェアを使用して、カードをモニタおよびプロビジョニングできます。
• リンクのモニタリングと管理:MXP_2.5G_10E カードは、標準の OC-48 OH(オーバーヘッド)バイトを使用して、着信インターフェイスをモニタおよび管理します。このカードは、着信 SDH/SONET データ ストリームとそのオーバーヘッド バイトを透過的に通過させます。
• 階層型 SONET/SDH 転送オーバーヘッドの制御:このカードは、リジェネレータ セクション オーバーヘッドを終端するようにプロビジョニングできます。これは、不要なレイヤ オーバーヘッドの転送を排除するために使用されます。これにより、アラーム数が削減され、ネットワーク障害の分離が容易になります。
• 自動タイミング ソース同期:MXP_2.5G_10E は、通常状態で TCC2/TCC2P/TCC3/TNC/TSC カードと同期します。メンテナンス作業やアップグレード作業などの何らかの理由で TCC2/TCC2P/TCC3/TNC/TSC が使用できない場合は、MXP_2.5G_10E が自動的に入力クライアント インターフェイス クロックの 1 つと同期します。
• 設定可能なスケルチ ポリシー :DWDM レシーバーの LOS またはリモート障害が発生した場合に、クライアント インターフェイス出力をスケルチするようにカードを設定できます。リモート障害発生時は、カードが Multiplex Section Alarm Indication Signal(MS-AIS; 多重化セクション アラーム表示信号)の挿入を管理します。
10.7.5 前面プレート
図 10-18 に、MXP_2.5G_10E の前面プレートを示します。
図 10-18 MXP_2.5G_10E の前面プレート
カードの安全性ラベルの詳細については、「クラス 1 レーザー製品カード」を参照してください。
図 10-19 に、MXP_2.5G_10E カードのブロック図を示します。
図 10-19 MXP_2.5G_10E のブロック図
10.7.6 クライアント インターフェイス
MXP_2.5G_10E は、クライアント側で、カード単位に 4 つの中距離または短距離 OC-48/STM-16 ポートを提供します。SR-1 光モジュールと IR-1 光モジュールの両方をサポートでき、ポートには SFP コネクタが使用されています。クライアント インターフェイスでは、1310 nm、ITU 100 MHz 間隔のチャネル グリッドで、4 つの波長が使用されます。
10.7.6.1 DWDM インターフェイス
MXP_2.5G_10E は OTN マルチプレクサとして機能し、ODU1 に対して非同期的に、4 つの OC-48 チャネルを 1 つの 10 Gbps トランクに透過的にマッピングします。DWDM トランクは、1550 nm、ITU-100 GHz 間隔のチャネル グリッドで、4 つの波長にわたる伝送に対して調整できます。
注意 トランク ポート上のループバック内で MXP_2.5G_10E カードを使用するときは、20 dB のファイバ減衰器(15 ~ 25 dB)を使用する必要があります。MXP_2.5G_10E カードでは、ダイレクト ファイバ ループバックを使用しないでください。ダイレクト ファイバ ループバックを使用すると、MXP_2.5G_10E カードに回復不能な損傷を与えます。
10.7.7 多重化機能
マックスポンダは、Reconfigurable Optical Add/Drop Multiplexer(ROADM; 再設定可能光アド/ドロップ マルチプレクサ)ネットワークに不可欠な要素です。MXP_2.5G_10E の主な機能は、4 つの OC-48/STM16 信号を 1 つの ITU-T G.709 OTU2 光信号(DWDM 伝送)に多重化することです。この多重化メカニズムを使用すれば、別の MXP_2.5G_10E カードを使用して、遠端ノードで信号を終端できます。
マックスポンダ上の終端モード透過性は、OTUx バイトと ODUx OH バイトを使用して設定されます。ITU-T G.709 仕様は、フレーム アライメント、FEC モード、セクション モニタリング、タンデム接続モニタリング、および終端モード透過性の構成、設定、およびモニタリングに使用される OH バイト形式を定義しています。
MXP_2.5G_10E カードは、ITU-T G.709 の定義に従って、ODU から OTU への多重化を実行します。ODU は、MXP_2.5G_10E 上の SONET/SDH クライアント インターフェイスのいずれかに着信するデータ ペイロードの定義に使用されるフレーミング構造とバイト定義(ITU-T G.709 デジタル ラッパー)です。ODU1 は、2.5 Gbps の回線レートで動作する ODU を意味します。MXP_2.5G_10E 上には、4 つのクライアント インターフェイスがあり、これらは、ITU-T G.709 デジタル ラッパーをアサートすることによって、ODU1 フレーミング構造と形式を使用して定義できます。
マックスポンダの出力は、OTU2 を使用して定義された単一の 10 Gbps DWDM トランク インターフェイスです。これは OTU2 フレーミング構造内に存在し、そこに FEC または E-FEC 情報が付加されることによって、エラーのチェックと訂正が可能になります。
10.7.8 タイミング同期
MXP_2.5G_10E カードは、通常状態で TCC2/TCC2P/TCC3/TNC/TSC クロックに同期しており、このクロックを使用して ITU-T G.709 フレームを送信します。ホールドオーバー機能は実装されていません。TCC2/TCC2P/TCC3/TNC/TSC クロックのいずれも使用できない場合は、MXP_2.5G_10E が、自動的に(ヒットレス)、4 つの有効なクライアント クロックの最初のクロックに切り替えます。このクロックでの実行に時間制限はありません。MXP_2.5G_10E が TCC2/TCC2P/TCC3/TNC/TSC カードのモニタを継続します。TCC2/TCC2P/TCC3/TNC/TSC カードが動作可能な状態に戻ると、MXP_2.5G_10E が TCC2/TCC2P/TCC3/TNC/TSC クロックを使用する通常の動作モードに復帰します。有効な TCC2/TCC2P/TCC3/TNC/TSC クロックが存在せず、すべてのクライアント チャネルが無効になっている場合、このカードは、TCC2/TCC2P/TCC3/TNC/TSC カードのいずれかから有効なクロックが供給されるまで待機します(有効なフレーム処理は行われません)。また、アクティブで有効なクライアント チャネルからの再生クロックを選択して、そのクロックを TCC2/TCC2P/TCC3/TNC/TSC カードに供給することもできます。
10.7.9 Enhanced FEC(E-FEC)機能
MXP_2.5G_10E は、NO FEC、FEC、および E-FEC の 3 つのモードで FEC を設定できます。出力ビット レートは、ITU-T G.709 で定義されているように、常に 10.7092 Gbps ですが、エラー コーディング性能は次のようにプロビジョニングできます。
• NO FEC:FEC なし
• FEC:標準の ITU-T G.975 Reed-Solomon アルゴリズム
• E-FEC:標準の ITU-T G.975.1、2 つの直交連結された BCH スーパー FEC コード。この FEC 方式には、2 つの直交インターリーブされた BCH と同じ方式の 3 つのパラメータ化が含まれます。作成されたコードを反復的にデコードして、予想性能を達成します。
10.7.10 FEC モードと E-FEC モード
MXP_2.5G_10E カードを通過するクライアント側トラフィックは、FEC モードまたは E-FEC モードのエラー訂正を使用して(または全くエラー訂正を使用せずに)デジタル的にラップできます。FEC モード設定では、E-FEC モード設定よりも低いレベルのエラー検出および訂正しか行われません。そのため、E-FEC モードを使用した場合は、FEC モードに比べて、BER を低くして、感度を高める(OSNR を下げる)ことができます。E-FEC では、FEC を使用した場合よりも長い距離のトランク側伝送が可能になります。
E-FEC 機能は、3 つある FEC 動作の基本モードの 1 つです。FEC をオフにする、FEC をオンにする、または E-FEC をオンにすることによって、距離の延長と BER の削減を実現できます。デフォルト モードは、FEC がオンで、E-FEC がオフです。E-FEC は CTC を使用してプロビジョニングされます。
10.7.11 SONET/SDH オーバーヘッド バイト処理
このカードは、着信 SDH/SONET データ ストリームとそのクライアント信号用オーバーヘッド バイトを透過的に通過させます。また、リジェネレータ セクション オーバーヘッドを終端するようにプロビジョニングできます。これは、不要なレイヤ オーバーヘッドの転送を排除するために使用されます。これにより、アラーム数が削減され、ネットワーク障害の分離が容易になります。
10.7.12 クライアント インターフェイスのモニタリング
次のパラメータが、MXP_2.5G_10E カード上でモニタされます。
• レーザー バイアス電流が PM パラメータとして測定される
• LOS が検出され伝達される
• 送信(TX)電力と受信(RX)電力がモニタされる
次のパラメータが、リアルタイム モード(1 秒)でモニタされます。
• 送信光パワー(クライアント)
• 受信光パワー(クライアント)
DWDM レシーバーの Loss of Communication(LOC)または遠端 LOS が発生した場合のクライアント インターフェイス動作を設定できます。AIS を呼び出すことも、クライアント信号をスケルチすることもできます。
10.7.13 波長識別
このカードは、波長が固定されたトランク レーザーを使用します。これにより、トランク トランスミッタが ITU グリッド上で効率的に動作できます。 表 10-15 に、必要なトランク送信レーザー波長を示します。レーザーは、50 GHz 間隔で配置された 8 つの波長または 100 GHz 間隔で配置された 4 つの波長にわたって調整できます。
表 10-15 MXP_2.5G_10E のトランク波長
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30.3 |
1530.33 |
30.3 |
1531.12 |
30.3 |
1531.90 |
30.3 |
1532.68 |
34.2 |
1534.25 |
34.2 |
1535.04 |
34.2 |
1535.82 |
34.2 |
1536.61 |
38.1 |
1538.19 |
38.1 |
1538.98 |
38.1 |
1539.77 |
38.1 |
1540.56 |
42.1 |
1542.14 |
42.1 |
1542.94 |
42.1 |
1543.73 |
42.1 |
1544.53 |
46.1 |
1546.12 |
46.1 |
1546.92 |
46.1 |
1547.72 |
46.1 |
1548.51 |
50.1 |
1550.12 |
50.1 |
1550.92 |
50.1 |
1551.72 |
50.1 |
1552.52 |
54.1 |
1554.13 |
54.1 |
1554.94 |
54.1 |
1555.75 |
54.1 |
1556.55 |
58.1 |
1558.17 |
58.1 |
1558.98 |
58.1 |
1559.79 |
58.1 |
1560.61 |
10.7.14 自動レーザー遮断
ALS 手順は、クライアント インターフェイスとトランク インターフェイスの両方でサポートされています。クライアント インターフェイス上では、ALS が ITU-T G.664(6/99)に準拠しています。データ アプリケーションおよびトランク インターフェイス上では、スイッチ オン/オフのパルス幅が 60 秒を超えます。このオン/オフのパルス幅はユーザが設定できます。MXP_2.5G_10E カードの ALS プロビジョニングの詳細については、『 Cisco ONS 15454 DWDM Procedure Guide』を参照してください。
10.7.15 ジッター
MXP_2.5G_10E カードは、SONET 信号と SDH 信号のジッター発生、ジッター許容値、およびジッター転送に関して、Telecordia GR-253-CORE、ITU-T G.825、および ITU-T G.873 に準拠しています。詳細については、「ジッターに関する留意事項」を参照してください。
10.7.16 ランプ テスト
MXP_2.5G_10E カードは、ランプ テスト機能をサポートしています。この機能は、ONS 15454 の前面パネルまたは CTC からアクティブにして、すべての LED が機能するかどうかを確認します。
10.7.17 オンボード トラフィック生成
MXP_2.5G_10E カードは、Pseudo-Random Bit Sequence(PRBS)、SONET/SDH、または ITU-T G.709 に従ったテスト目的で、内部トラフィックを生成できます。
10.7.18 MXP_2.5G_10E のカードレベル インジケータ
表 10-16 に、MXP_2.5G_10E カード上の 3 つのカードレベル LED を示します。
表 10-16 MXP_2.5G_10E のカードレベル インジケータ
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レッドの FAIL LED |
レッドの FAIL LED は、カードのプロセッサの準備ができていないことを示します。この LED はリセット中に点灯し、ブート プロセス中に点滅します。レッドの FAIL LED が消えない場合は、カードを交換してください。 |
ACT/STBY LED グリーン(アクティブ) オレンジ(スタンバイ) |
ACT/STBY LED がグリーンの場合は、カードが稼動状態(1 つ以上のポートがアクティブ)で、トラフィックの伝送準備ができています。ACT/STBY LED がオレンジの場合は、カードが稼動状態であり、スタンバイ(保護)モードになっていることを示します。 |
オレンジの SF LED |
オレンジの SF LED は、カードの 1 つ以上のポートで、LOS、LOF、高 BER などの信号障害または信号状態が発生していることを示します。このオレンジの SF LED は、送信ファイバと受信ファイバが正しく接続されていない場合にも点灯します。ファイバが正しく接続されリンクが稼動している場合は点灯しません。 |
10.7.19 MXP_2.5G_10E のポートレベル インジケータ
表 10-17 に、MXP_2.5G_10E カード上のポートレベル LED を示します。
表 10-17 MXP_2.5G_10E のポートレベル インジケータ
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グリーンのクライアント LED (4 つの LED) |
グリーンのクライアント LED は、クライアント ポートが稼動中であり、認識された信号を受信していることを示します。カードには 4 つのクライアント ポートが取り付けられているため、4 つのクライアント LED があります。 |
グリーンの DWDM LED |
グリーンの DWDM LED は、DWDM ポートが稼動中であり、認識された信号を受信していることを示します。 |
10.10 MXP_MR_10DME_C カードと MXP_MR_10DME_L カード
MXP_MR_10DME_L:(Cisco ONS 15454 のみ)
MXP_MR_10DME_C カードと MXP_MR_10DME_L カードは、クライアント SAN サービス クライアント入力(GE、FICON、およびファイバ チャネル)の組み合わせを、トランク側の 1 つの 10.0 Gbps STM-64/OC-192 DWDM 信号に集約します。また、カード単位で 1 つの長距離 STM-64/OC-192 ポートを提供し、Telcordia GR-253-CORE と ITU-T G.957 に準拠しています。
これらのカードは、次の信号タイプのアグリゲーションをサポートします。
• 1 ギガビット ファイバ チャネル
• 2 ギガビット ファイバ チャネル
• 4 ギガビット ファイバ チャネル
• 1 ギガビット イーサネット
• 1 ギガビット ISC 互換(ISC-1)
• 2 ギガビット ISC ピア(ISC-3)
(注) MXP_MR_10DME_C カードと MXP_MR_10DME_L カードの前面プレートに、それぞれ、10DME_C と 10DME_L が表示されています。
注意 カードは、落下した場合に破損する可能性があります。安全に取り扱ってください。
MXP_MR_10DME_C マックスポンダと MXP_MR_10DME_L マックスポンダは、すべての SONET/SDH オーバーヘッド バイトを透過的に通過させます。
デジタル ラッパー機能(ITU-T G.709 準拠)は、DWDM 波長を整形して、データ通信用の GCC のセットアップ、FEC のイネーブル化、または PM の促進に使用できるようにします。MXP_MR_10DME_C カードと MXP_MR_10DME_L カードは、ITU-T G.709 で定義された OTN デバイスと連動します。これらのカードは、SONET/SDH ペイロードをデジタル的にラップされたエンベロープに非同期マッピングするための業界標準方式である ODU1 から OTU2 への多重化をサポートしています。「多重化機能」を参照してください。
(注) クライアント ペイロードはトランクをオーバーサブスクライブできないため、受け入れ可能なクライアント信号の組み合わせは上限の 10 Gbps までです。
MXP_MR_10DME_C カードと MXP_MR_10DME_L カードは、スロット 1 ~ 6 と 12 ~ 17 に実装できます。
(注) MXP_MR_10DME_C カードと MXP_MR_10DME_L カードは、トランスペアレント終端モードをサポートしていない MXP_2.5G_10G カードとの互換性がありません。
MXP_MR_10DME_C カードは、トランク ポート上の調整可能な 1550 nm C バンド レーザーを特徴とします。レーザーは、ITU グリッド上に 50 GHz 間隔で配置された 82 の波長で調整できます。MXP_MR_10DME_L カードは、トランク ポート上の調整可能な 1580 nm L バンド レーザーを特徴とします。レーザーは、ITU グリッド上に 50 GHz 間隔で配置された 80 の波長で調整できます。各カードは、クライアント ポート上の 4 つの 1310 nm レーザーを特徴とし、前面プレートに 5 つの送受信コネクタ ペア(ラベル付き)が取り付けられています。各カードには、光ケーブル終端用として、トランク側のデュアル LC コネクタと、クライアント側の SFP モジュールが使用されています。SFP 着脱可能モジュールは、SR または IR で、LC ファイバ コネクタをサポートします。
表 10-27 に、各クライアント インターフェイスの入力データ レートとカプセル化方式を示します。GFP-T G.7041 の最新バージョンは、ギガビット イーサネット、ファイバ チャネル、ISC、FICON などの、8B/10B ブロック コード プロトコルの透過的マッピングをサポートします。
GFP マッピングのほかに、高速 SERDES のポート 1 またはポート 2 上の 1 Gbps トラフィックが、STS-24c チャネルにマッピングされます。2 つの 1 Gbps クライアント信号が高速 SERDES のポート 1 とポート 2 に現れた場合は、ポート 1 の信号が最初の STS-24c チャネルに、ポート 2 の信号が 2 つめの STS-24c チャネルに、それぞれマッピングされます。その後で、この 2 つのチャネルが、1 つの OC-48 トランク チャネルにマッピングされます。
表 10-27 MXP_MR_10DME_C と MXP_MR_10DME_L のクライアント インターフェイスのデータ レートとカプセル化
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2G FC |
2.125 Gbps |
あり |
1G FC |
1.06 Gbps |
あり |
2G FICON/2G ISC 互換(ISC-1)/ 2G ISC ピア(ISC-3) |
2.125 Gbps |
あり |
1G FICON/1G ISC 互換(ISC-1)/ 1G ISC ピア(ISC-3) |
1.06 Gbps |
あり |
ギガビット イーサネット |
1.25 Gbps |
あり |
MXP_MR_10DME_C と MXP_MR_10DME_L のそれぞれに 2 つの FPGA があり、4 つのポート グループが各 FPGA にマッピングされます。グループ 1 はポート 1 ~ 4 で構成され、グループ 2 はポート 5 ~ 8 で構成されます。 表 10-28 に、ポート 1 ~ 4 とポート 5 ~ 8 に関するさまざまなクライアント データ レートの組み合わせを示します。○は、データ レートがそのポートでサポートされていることを示します。
表 10-28 ポート 1 ~ 4 とポート 5 ~ 8 でサポートされているクライアント データ レート
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1 |
5 |
○ |
○ |
○ |
○ |
2 |
6 |
○ |
○ |
-- |
-- |
3 |
7 |
○ |
○ |
○ |
-- |
4 |
8 |
○ |
○ |
-- |
-- |
GFP-T PM は、RMON を介して利用できます。また、トランク PM は、Telcordia GR-253-CORE と ITU G.783/826 に従って管理されます。クライアント PM は、FC と GE の RMON を通して実現されます。
バッファ間クレジット管理方式では、FC フロー制御が可能です。この機能をイネーブルにすると、送信者が送信を停止して "ready" 通知の受信を待機する必要が生じる前に、ポートに受信可能なフレーム数(バッファ クレジット)が表示されます。MXP_MR_10DME_C カードと MXP_MR_10DME_L カードは、1G FC の場合の最大 1600 km(994.1 マイル)、2G FC の場合の最大 800 km(497.1 マイル)、4G FC の場合の最大 400 km(248.5 マイル)までバッファ間クレジットを延長可能な FC クレジット ベースのフロー制御をサポートします。この機能は、イネーブルまたはディセーブルにできます。
MXP_MR_10DME_C カードと MXP_MR_10DME_L カードは、トランク/回線ポート用の 1550 nm レーザーと、クライアント ポート用の 1310 nm または 850 nm レーザー(SFP による)を特徴とします。これらのカードには、クライアント インターフェイス用の 12.5 度下方に傾斜した 8 つの SFP モジュールが搭載されています。光終端用として、SFP ごとに 2 つずつの LC コネクタが使用されており、前面パネルには、TX と RX というラベルが付けられています。トランク ポートは、45 度下方に傾斜したデュアル LC コネクタです。
MXP_MR_10DME_C カードと MXP_MR_10DME_L カードのスループットは、次のパラメータの影響を受けます。
• 距離延長:カード上で距離延長がイネーブルになっている場合は、スループットが増えますが、遅延も大きくなります。カード上で距離延長がディセーブルになっている場合は、ストレージ スイッチ上のバッファ間クレジットがスループットに影響を与えます。バッファ間クレジットが高いほど、スループットが高くなります。
(注) すべてのリンクが最大スループットで動作するためには、リンク先のデバイス上で最小数のバッファ クレジットが使用できる必要があります。必要なバッファ クレジット数は、ストレージ スイッチの拡張ポート間の距離とリンク帯域幅、つまり、1G、2G、または 4G によって決まります。このバッファ クレジットは、ストレージ スイッチ単体(距離延長がディセーブルの場合)と、ストレージ スイッチとカードの両方(距離延長がイネーブルの場合)から提供されます。
• Forward Error Correction(FEC; 前方誤り訂正):カードのトランク ポート上で Enhanced FEC(E-FEC)がイネーブルになっている場合は、スループットが、トランク ポート上で設定されている標準 FEC と比べて、大幅に減少します。
(注) カード上で距離延長がイネーブルになっている場合は、通常、カードのスループットが FEC ステータスの影響を受けません。
• ペイロード サイズ:ペイロード サイズが減少するとカードのスループットも減少します。
結果的に、カードのスループットは上記パラメータを組み合わせた影響を受けます。
10.10.1 主な特徴
MXP_MR_10DME_C カードと MXP_MR_10DME_L カードは、次のハイレベルな特徴を備えています。
• オンボード E-FEC プロセッサ:このプロセッサは、標準の RS(ITU-T G.709 で規定)と E-FEC の両方をサポートします。E-FEC を使用すると、トランク インターフェイス上のゲインが増加し、伝送距離が延長されます。E-FEC 機能は、トランスポンダの訂正能力を高めてパフォーマンスを改善するため、標準の RS(237,255)訂正アルゴリズムよりも低い OSNR で動作できます。E-FEC に実装された新しい BCH アルゴリズムでは、入力 BER のリカバリを最大 1E-3 にできます。
• 着脱可能クライアント インターフェイス光モジュール:MXP_MR_10DME_C カードと MXP_MR_10DME_L カードは、モジュラ インターフェイスを備えています。2 種類の光モジュールをカードに接続できます。これらのモジュールは、公称距離が 7 km(4.3 マイル)の OC-48/STM 16 SR-1 インターフェイス(短距離アプリケーションやオフィス内アプリケーション用)と、距離が 40 km(24.9 マイル)以下の IR-1 インターフェイスを備えています。SR-1 は、Telcordia GR-253-CORE と I-16(ITU-T G.957)で定義されています。IR-1 は、Telcordia GR-253-CORE と S-16-1(ITU-T G.957)で定義されています。
• Y 字型ケーブル保護:ポート番号と信号レートが同じポート上で、同じカード タイプ間のみの Y 字型ケーブル保護をサポートします。詳細については、「Y 字型ケーブル保護」を参照してください。
• ハイレベル プロビジョニング サポート:これらのカードは、最初に、Cisco TransportPlanner ソフトウェアを使用してプロビジョニングされます。それ以降は、CTC ソフトウェアを使用して、カードをモニタおよびプロビジョニングできます。
• ALS:ファイバ切断時に使用される安全機構。MXP_MR_10DME_C カードと MXP_MR_10DME_L カードの ALS プロビジョニングの詳細については、『 Cisco ONS 15454 DWDM Procedure Guide』を参照してください。
• リンクのモニタリングと管理:これらのカードは、標準の OC-48 OH バイトを使用して、着信インターフェイスをモニタおよび管理します。また、着信 SDH/SONET データ ストリームとその OH バイトを透過的に通過させます。
• 階層型 SONET/SDH 転送オーバーヘッドの制御:これらのカードは、リジェネレータ セクション オーバーヘッドを終端するようにプロビジョニングできます。これは、不要なレイヤ オーバーヘッドの転送を排除するために使用されます。これにより、アラーム数が削減され、ネットワーク障害の分離が容易になります。
• 自動タイミング ソース同期:MXP_MR_10DME_C カードと MXP_MR_10DME_L カードは、通常状態で TCC2/TCC2P/TCC3 カードと同期します。メンテナンス作業やアップグレード作業などの何らかの理由で TCC2/TCC2P/TCC3 が使用できない場合は、カードが自動的に入力クライアント インターフェイス クロックの 1 つと同期します。
(注) MXP_MR_10DME_C カードと MXP_MR_10DME_L カードは回線タイミングに使用できません。
• 設定可能なスケルチ ポリシー :DWDM レシーバーの LOS またはリモート障害が発生した場合に、クライアント インターフェイス出力をスケルチするようにカードを設定できます。リモート障害の場合は、カードが MS-AIS 挿入を管理します。
• カードはフル C バンド(MXP_MR_10DME_C)またはフル L バンド(MXP_MR_10DME_L)で調整可能なため、帯域内の特定の波長に対して波長可変性を提供するためにカードごとに異なるバージョンを使用する必要がありません。
• MXP_MR_10DME_C カードと MXP_MR_10DME_L カード上のファイバ チャネル/FICON インターフェイスごとに 1 つの文字列(ポート名)をプロビジョニングできます。これにより、MDS Fabric Manager で、カードの SAN ポートと Cisco MDS 9000 スイッチ上の SAN ポート間にリンク接続を構築できます。
• ソフトウェア リリース 9.0 以降は、MXP_MR_10DME_C カードと MXP_MR_10DME_L カードの高速スイッチ機能と、MDS スイッチのバッファ間クレジット リカバリ機能によって、Y 字型ケーブル スイッチオーバー中の ISL リンクの再初期化が回避されます。
10.10.2 前面プレート
図 10-23 に、MXP_MR_10DME_C と MXP_MR_10DME_L の前面プレートとブロック図を示します。
図 10-23 MXP_MR_10DME_C と MXP_MR_10DME_L の前面プレートとブロック図
カードの安全性ラベルの詳細については、「クラス 1M レーザー製品カード」を参照してください。
注意 カードをトランク ポート上のループバック内で使用する場合は、20 dB のファイバ減衰器(15 ~ 25 dB)を使用する必要があります。これらのカードでは、ダイレクト ファイバ ループバックを使用しないでください。ダイレクト ファイバ ループバックを使用すると、MXP_MR_10DME_C カードと MXP_MR_10DME_L カードに回復不能な損傷を与えます。
10.10.3 波長識別
これらのカードは、波長が固定されたトランク レーザーを使用します。これにより、トランク トランスミッタが ITU グリッド上で効率的に動作できます。MXP_MR_10DME_C カードと MXP_MR_10DME_L カードの両方に UT2 モジュールが実装されています。MXP_MR_10DME_C カードは C バンド バージョンの UT2 を使用し、MXP_MR_10DME_L カードは L バンドバージョンを使用します。
表 10-29 に、MXP_MR_10DME_C カードに必要なトランク送信レーザー波長を示します。レーザーは、ITU グリッド上に 50 GHz 間隔で配置された C バンド内の 82 の波長にわたって調整できます。
表 10-29 MXP_MR_10DME_C のトランク波長
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|
|
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1 |
196.00 |
1529.55 |
42 |
193.95 |
1545.72 |
2 |
195.95 |
1529.94 |
43 |
193.90 |
1546.119 |
3 |
195.90 |
1530.334 |
44 |
193.85 |
1546.518 |
4 |
195.85 |
1530.725 |
45 |
193.80 |
1546.917 |
5 |
195.80 |
1531.116 |
46 |
193.75 |
1547.316 |
6 |
195.75 |
1531.507 |
47 |
193.70 |
1547.715 |
7 |
195.70 |
1531.898 |
48 |
193.65 |
1548.115 |
8 |
195.65 |
1532.290 |
49 |
193.60 |
1548.515 |
9 |
195.60 |
1532.681 |
50 |
193.55 |
1548.915 |
10 |
195.55 |
1533.073 |
51 |
193.50 |
1549.32 |
11 |
195.50 |
1533.47 |
52 |
193.45 |
1549.71 |
12 |
195.45 |
1533.86 |
53 |
193.40 |
1550.116 |
13 |
195.40 |
1534.250 |
54 |
193.35 |
1550.517 |
14 |
195.35 |
1534.643 |
55 |
193.30 |
1550.918 |
15 |
195.30 |
1535.036 |
56 |
193.25 |
1551.319 |
16 |
195.25 |
1535.429 |
57 |
193.20 |
1551.721 |
17 |
195.20 |
1535.822 |
58 |
193.15 |
1552.122 |
18 |
195.15 |
1536.216 |
59 |
193.10 |
1552.524 |
19 |
195.10 |
1536.609 |
60 |
193.05 |
1552.926 |
20 |
195.05 |
1537.003 |
61 |
193.00 |
1553.33 |
21 |
195.00 |
1537.40 |
62 |
192.95 |
1553.73 |
22 |
194.95 |
1537.79 |
63 |
192.90 |
1554.134 |
23 |
194.90 |
1538.186 |
64 |
192.85 |
1554.537 |
24 |
194.85 |
1538.581 |
65 |
192.80 |
1554.940 |
25 |
194.80 |
1538.976 |
66 |
192.75 |
1555.343 |
26 |
194.75 |
1539.371 |
67 |
192.70 |
1555.747 |
27 |
194.70 |
1539.766 |
68 |
192.65 |
1556.151 |
28 |
194.65 |
1540.162 |
69 |
192.60 |
1556.555 |
29 |
194.60 |
1540.557 |
70 |
192.55 |
1556.959 |
30 |
194.55 |
1540.953 |
71 |
192.50 |
1557.36 |
31 |
194.50 |
1541.35 |
72 |
192.45 |
1557.77 |
32 |
194.45 |
1541.75 |
73 |
192.40 |
1558.173 |
33 |
194.40 |
1542.142 |
74 |
192.35 |
1558.578 |
34 |
194.35 |
1542.539 |
75 |
192.30 |
1558.983 |
35 |
194.30 |
1542.936 |
76 |
192.25 |
1559.389 |
36 |
194.25 |
1543.333 |
77 |
192.20 |
1559.794 |
37 |
194.20 |
1543.730 |
78 |
192.15 |
1560.200 |
38 |
194.15 |
1544.128 |
79 |
192.10 |
1560.606 |
39 |
194.10 |
1544.526 |
80 |
192.05 |
1561.013 |
40 |
194.05 |
1544.924 |
81 |
192.00 |
1561.42 |
41 |
194.00 |
1545.32 |
82 |
191.95 |
1561.83 |
表 10-30 に、MXP_MR_10DME_L カードに必要なトランク送信レーザー波長を示します。レーザーは、ITU グリッド上に 50 GHz 間隔で配置された L バンド内の 80 の波長にわたって調整できます。
表 10-30 MXP_MR_10DME_L のトランク波長
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|
|
|
|
|
1 |
190.85 |
1570.83 |
41 |
188.85 |
1587.46 |
2 |
190.8 |
1571.24 |
42 |
188.8 |
1587.88 |
3 |
190.75 |
1571.65 |
43 |
188.75 |
1588.30 |
4 |
190.7 |
1572.06 |
44 |
188.7 |
1588.73 |
5 |
190.65 |
1572.48 |
45 |
188.65 |
1589.15 |
6 |
190.6 |
1572.89 |
46 |
188.6 |
1589.57 |
7 |
190.55 |
1573.30 |
47 |
188.55 |
1589.99 |
8 |
190.5 |
1573.71 |
48 |
188.5 |
1590.41 |
9 |
190.45 |
1574.13 |
49 |
188.45 |
1590.83 |
10 |
190.4 |
1574.54 |
50 |
188.4 |
1591.26 |
11 |
190.35 |
1574.95 |
51 |
188.35 |
1591.68 |
12 |
190.3 |
1575.37 |
52 |
188.3 |
1592.10 |
13 |
190.25 |
1575.78 |
53 |
188.25 |
1592.52 |
14 |
190.2 |
1576.20 |
54 |
188.2 |
1592.95 |
15 |
190.15 |
1576.61 |
55 |
188.15 |
1593.37 |
16 |
190.1 |
1577.03 |
56 |
188.1 |
1593.79 |
17 |
190.05 |
1577.44 |
57 |
188.05 |
1594.22 |
18 |
190 |
1577.86 |
58 |
188 |
1594.64 |
19 |
189.95 |
1578.27 |
59 |
187.95 |
1595.06 |
20 |
189.9 |
1578.69 |
60 |
187.9 |
1595.49 |
21 |
189.85 |
1579.10 |
61 |
187.85 |
1595.91 |
22 |
189.8 |
1579.52 |
62 |
187.8 |
1596.34 |
23 |
189.75 |
1579.93 |
63 |
187.75 |
1596.76 |
24 |
189.7 |
1580.35 |
64 |
187.7 |
1597.19 |
25 |
189.65 |
1580.77 |
65 |
187.65 |
1597.62 |
26 |
189.6 |
1581.18 |
66 |
187.6 |
1598.04 |
27 |
189.55 |
1581.60 |
67 |
187.55 |
1598.47 |
28 |
189.5 |
1582.02 |
68 |
187.5 |
1598.89 |
29 |
189.45 |
1582.44 |
69 |
187.45 |
1599.32 |
30 |
189.4 |
1582.85 |
70 |
187.4 |
1599.75 |
31 |
189.35 |
1583.27 |
71 |
187.35 |
1600.17 |
32 |
189.3 |
1583.69 |
72 |
187.3 |
1600.60 |
33 |
189.25 |
1584.11 |
73 |
187.25 |
1601.03 |
34 |
189.2 |
1584.53 |
74 |
187.2 |
1601.46 |
35 |
189.15 |
1584.95 |
75 |
187.15 |
1601.88 |
36 |
189.1 |
1585.36 |
76 |
187.1 |
1602.31 |
37 |
189.05 |
1585.78 |
77 |
187.05 |
1602.74 |
38 |
189 |
1586.20 |
78 |
187 |
1603.17 |
39 |
188.95 |
1586.62 |
79 |
186.95 |
1603.60 |
40 |
188.9 |
1587.04 |
80 |
186.9 |
1604.03 |
10.10.4 MXP_MR_10DME_C と MXP_MR_10DME_L のカードレベル インジケータ
表 10-31 に、MXP_MR_10DME_C カードと MXP_MR_10DME_L カード上の 3 つのカードレベル LED を示します。
表 10-31 MXP_MR_10DME_C と MXP_MR_10DME_L のカードレベル インジケータ
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レッドの FAIL LED |
レッドの FAIL LED は、カードのプロセッサの準備ができていないことを示します。この LED はリセット中に点灯し、ブート プロセス中に点滅します。レッドの FAIL LED が消えない場合は、カードを交換してください。 |
ACT/STBY LED グリーン(アクティブ) オレンジ(スタンバイ) |
ACT/STBY LED がグリーンの場合は、カードが稼動状態(1 つ以上のポートがアクティブ)で、トラフィックの伝送準備ができています。ACT/STBY LED がオレンジの場合は、カードが稼動状態であり、スタンバイ(保護)モードになっていることを示します。 |
オレンジの SF LED |
オレンジの SF LED は、カードの 1 つ以上のポートで、LOS、LOF、高 BER などの信号障害または信号状態が発生していることを示します。このオレンジの SF LED は、送信ファイバと受信ファイバが正しく接続されていない場合にも点灯します。ファイバが正しく接続されリンクが稼動している場合は点灯しません。 |
10.10.5 MXP_MR_10DME_C と MXP_MR_10DME_L のポートレベル インジケータ
表 10-32 に、MXP_MR_10DME_C カードと MXP_MR_10DME_L カード上のポートレベル LED を示します。
表 10-32 MXP_MR_10DME_C と MXP_MR_10DME_L のポートレベル インジケータ
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ポート LED (8 つの LED、各グループ用の 4 つと各 SFP 用の 1 つ) グリーン/レッド/オレンジ/消灯 |
ポート LED がグリーンの場合は、ポートが稼動中であり、認識された信号を受信している(つまり、信号障害なし)、または、Out of Service and Maintenance(OOS,MT または locked,maintenance)状態で信号障害やアラームが無視されていることを示します。 ポート LED がレッドの場合は、クライアント ポートが稼動中だが、信号障害(LOS)が発生していることを示します。 ポート LED がオレンジの場合は、ポートがプロビジョニングされ、スタンバイ状態にあることを示します。 ポート LED が消灯している場合は、SFP がプロビジョニングされていない、停止中、適切に実装されていない、または SFP ハードウェアで障害が発生していることを示します。 |
グリーンの DWDM LED |
グリーンの DWDM LED は、DWDM ポートが稼動中であり、認識された信号を受信していることを示します。 |
10.12 GE_XP、10GE_XP、GE_XPE、および 10GE_XPE カード
GE_XP、10GE_XP、GE_XPE、および 10GE_XPE カードは、ONS 15454 ANSI プラットフォームと ETSI プラットフォーム用のギガビット イーサネット X ポンダです。
(注) GE_XPE カードは、GE_XP カードの拡張バージョンで、10GE_XPE カードは 10GE_XP カードの拡張バージョンです。
これらのカードは、100 GHz グリッドで動作する C バンド トランク ポート上で転送するためにクライアント ポートで受信されたイーサネット パケットを集約します。トランク ポートは ITU-T G.709 フレーミングと FEC または E-FEC のどちらかを使用して動作します。GE_XP カードと 10GE_XP カードは、Video-on-Demand(VOD; ビデオ オンデマンド)用の 10GE LAN PHY 波長にわたる一括ポイントツーポイント転送、または、保護 10GE LAN PHY 波長にわたるブロードキャスト ビデオ用に設計されています。GE_XPE カードと 10GE_XPE カードは、VOD 用の 10GE LAN PHY 波長にわたる一括 GE_XPE または 10GE_XPE ポイントツーポイント、ポイントツーマルチポイント、マルチポイントツーマルチポイント転送、または、保護 10GE LAN PHY 波長にわたるブロード帯域ビデオ用に設計されています。
GE_XP カードと GE_XPE カードは、次の場所に線形設定で実装してプロビジョニングできます。
• ONS 15454 DWDM シャーシ内のスロット 1 ~ 5 と 12 ~ 16
• ONS 15454 M2 シャーシ内のスロット 2
• ONS 15454 M6 シャーシ内のスロット 2 ~ 6
10GE_XP カードと 10GE_XPE カードは、スロット 1 ~ 6 または 12 ~ 17 に実装できます。GE_XP と GE_XPE は、20 のギガビット イーサネット クライアント ポートと 2 つの 10 ギガビット イーサネット トランク ポートを備えたダブルスロット カードです。10GE_XP と 10GE_XPE は、2 つの 10 ギガビット イーサネット クライアント ポートと 2 つの 10 ギガビット イーサネット トランク ポートを備えたシングルスロット カードです。クライアント ポートは、SX、LX SFP と ZX SFP、および SR XFP と 10GBASE-LR XFP に対応しています(LR2 XFP には対応していません)。トランク ポートは DWDM XFP に対応しています。
注意 ファントレイ アセンブリ(ETSI シェルフ用の 15454E-CC-FTA または ANSI シェルフ用の 15454-CC-FTA)は、GE_XP、10GE_XP、GE_XPE、または 10GE_XPE カードが実装されたシェルフに取り付ける必要があります。
GE_XP、10GE_XP、GE_XPE、および 10GE_XPE カードは、ギガビット イーサネット転送で別々の役割を果たすようにプロビジョニングできます。すべてのカードがレイヤ 2 イーサネット スイッチとして動作できます。ただし、10GE_XP カードと 10GE_XPE カードは、10 ギガビット イーサネット トランスポンダ(10GE TXP モード)としても動作でき、GE_XP と GE_XPE は、10 ギガビット イーサネットまたは 20 ギガビット イーサネット マックスポンダ(10GE MXP または 20GE MXP モード)としても動作できます。 表 10-38 に、カード単位でサポートされるカード モードを示します。
(注) GE_XP、10GE_XP、GE_XPE、または 10GE_XPE カード モードを変更するには、ポートを OOS-DSBL(ANSI)または Locked-disabled(ETSI)サービス ステートにする必要があります。また、モードの変更中は、カード上で回線をプロビジョニングできません。
表 10-38 GE_XP、10GE_XP、GE_XPE、および 10GE_XPE カード モード
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レイヤ 2 イーサネット スイッチ |
GE_XP 10GE_XP GE_XPE 10GE_XPE |
クライアント ポートかトランク ポートかに関係なく、任意の 2 つのポートを切り替えられるようにします。サポートされているイーサネット プロトコルとサービスには、1+1 保護、Quality of Service(QoS)、Class of Service(CoS; サービス クラス)、QinQ、MAC ラーニング、MAC アドレス検索、Service Provider VLAN(SVLAN)、IGMP スヌーピングと Multicast VLAN Registration(MVR; マルチキャスト VLAN レジストレーション)、リンク完全性、およびその他のイーサネット スイッチ サービスが含まれます。 |
10GE TXP |
10GE_XP 10GE_XPE |
1 つの 10 ギガビット イーサネット クライアント ポートが 1 つの 10 ギガビット イーサネット トランク ポートにマッピングされるポイントツーポイント アプリケーションを提供します。 |
10GE MXP 20GE MXP |
GE_XP GE_XPE |
カード上の 20 のギガビット イーサネット クライアント ポートを片方または両方の 10 ギガビット イーサネット トランク ポートに多重化できるようにします。カードは、20 のギガビット イーサネット クライアント ポートが 1 つのトランク ポート(ポート 21)にマッピングされた 1 つの MXP として、または、10 のギガビット イーサネット クライアント ポートが 1 つのトランク ポートにマッピングされた(ポート 1 ~ 10 がポート 21 にマッピングされ、ポート 11 ~ 20 がポート 22 にマッピングされる)2 つの MXP としてプロビジョニングできます。 |
10.12.1 主な特徴
GE_XP、10GE_XP、GE_XPE、および 10GE_XPE カードは、次のハイレベルな特徴を備えています。
• 複数の物理ポートをまとめて 1 つの論理チャネルに加工する Link Aggregation Control Protocol(LACP; リンク アグリゲーション制御プロトコル)
• 予防的接続モニタリング、障害検証、および障害分離を促進する Ethernet Connectivity Fault Management(CFM; イーサネット接続障害管理)プロトコル
• リンク モニタリング、リモート障害表示、およびリモート ループバックを促進する Ethernet Operations, Administration, and Maintenance(OAM)プロトコル
• ネットワーク ループを制御し、リンク障害を処理し、コンバージェンス時間を短縮する Resilient Ethernet Protocol(REP; レジリエント イーサネット プロトコル)
• 設定可能な Service VLAN(SVLAN)と Customer VLAN(CVLAN)
• SVLAN と CVLAN の両方に適用される入力レート制限。SVLAN プロファイルと CVLAN プロファイルを作成して、SVLAN プロファイルを UNI ポートと NNI ポートの両方に関連付けることができます。ただし、CVLAN プロファイルは UNI ポートにしか関連付けることができません。
• 選択的追加モードの QinQ サービスに対してサポートされる CVLAN レート制限
• ポート単位で設定可能な Differentiated Services Code Point(DSCP)から CoS へのマッピング。着信 DSCP ビットに基づいて外部 VLAN の CoS を設定できます。この機能は、GE_XPE カードと 10GE_XPE カードでのみサポートされます。
• レイヤ 2 スイッチ モードのポートを Network-to-Network Interface(NNI; ネットワーク間インターフェイス)または User-Network Interface(UNI; ユーザ/ネットワーク間インターフェイス)としてプロビジョニングすることによって、サービス プロバイダーと顧客間のトラフィック管理を容易にできます。
• VOD およびブロードキャスト ビデオ アプリケーション向けのブロードキャスト drop-and-continue 機能
• ONS 15454 DWDM プラットフォーム上でのギガビット イーサネット MXP、TXP、およびレイヤ 2 スイッチ機能
• ONS 15454 ANSI 高密度シェルフ アセンブリ、ONS 15454 ETSI シェルフ アセンブリ、ONS 15454 ETSI 高密度シェルフ アセンブリ、ONS 15454 M2 シェルフ アセンブリ、および ONS 15454 M6 シェルフ アセンブリとの互換性があります。TCC2、TCC2P、TCC3、TNC、および TSC カードとの互換性があります。
• リリース 8.52 以降で銅 SFP 上でサポートされている Far-End Laser Control(FELC; 遠端レーザー制御)。FELC の詳細については、「遠端レーザー制御」を参照してください。
• VLAN 変換、QinQ、入力 CoS、出力 QoS、ファスト イーサネット保護スイッチング、およびその他のレイヤ 2 イーサネット サービスを提供するレイヤ 2 スイッチ モード
• TXP_MR_10E カードや TXP_MR_10E_C カードと同時に使用できます。また、Cisco Catalyst 6500 と Cisco 7600 シリーズ ギガビット イーサネット、10 GE インターフェイス、および CRS-1 10GE インターフェイスと同時に使用できます。
• GE_XP カードと GE_XPE カードには、20 のギガビット イーサネット クライアント ポートと 2 つの 10 ギガビット イーサネット トランク ポートが取り付けられています。10GE_XP カードと 10GE_XPE カードには、2 つの 10 ギガビット イーサネット クライアント ポートと 2 つの 10 ギガビット イーサネット トランク ポートが取り付けられています。MXP モード(10GE MXP または 20GE MXP)のいずれかに設定されている場合は、標準の ITU-T G.709 多重化を使用して、複数のクライアント ギガビット イーサネット信号が 1 つの ITU-T G.709 OTU2 信号にマッピングされます。
• 標準の Reed-Soloman(RS)(255,237)FEC を使用した ITU-T G.709 フレーミング。パフォーマンス モニタリングと ITU-T G.709 Optical Data Unit(ODU)同期/非同期マッピング。ITU-T G.709 ODU を使用した E-FEC とコーディング ゲインが 8 dB を上回る 2.7 Gbps。
• 10 ギガビット イーサネット インターフェイス用にサポートされている IEEE 802.3 フレーム形式。最小フレーム サイズは 64 バイトです。最大フレーム サイズはユーザがプロビジョニングできます。
• レイヤ 2 スイッチ モードでの MAC ラーニング機能
• L2-over-DWDM モードでプロビジョニングされたカード内の MAC アドレス検索
• ポートが UNI モードになっている場合は、タギングを透過的または選択的に設定できます。トランスペアレント モードでは、ノードの VLAN データベース内の SVLAN しか設定できません。選択モードでは、CVLAN と SVLAN の関係を定義できます。
• カードを複数のギガビット イーサネット TXP と MXP として設定可能にするレイヤ 2 VLAN ポート マッピング
• Y 字型ケーブル保護は TXP モードと MXP モードで設定できます。
• レイヤ 2 モードでは、2 つの保護スキームを使用できます。その内容は次のとおりです。
– 1+1 保護:クライアント ポートに関するカード、ポート、またはシェルフの障害を解決するための保護スキーム
– 高速自動保護:トランク ポートに関するカード、ポート、またはシェルフの障害を解決するための保護スキーム
• エンドツーエンド イーサネット リンク完全性
• 着脱可能クライアント インターフェイス光モジュール(SFP と XFP):クライアント ポートはトライレート SX、LX、ZX SFP、および 10 Gbps SR1 XFP をサポートします。
• 着脱可能トランク インターフェイス光モジュール:トランク ポートは DWDM XFP をサポートします。
• マルチキャスト トラフィックをマルチキャスト デバイスが接続されたインターフェイスに転送することによってマルチキャスト トラフィックのフラッディングを抑制する Internet Group Management Protocol(IGMP; インターネット グループ管理プロトコル)スヌーピング
• マルチキャスト トラフィックをイーサネット リング ベースのサービス プロバイダー ネットワーク全体で広域展開するアプリケーション向けの MVR
• ポートに 0(最高)~ 7(最低)の CoS 値を割り当て、着信フレームの CoS を受け取る入力 CoS
• 出力ポートの QoS 機能を定義する出力 QoS
• スイッチ処理を容易にする MAC アドレス ラーニング
• ポートを通過するパケット数を制限するストーム制御。ブロードキャスト、マルチキャスト、およびユニキャストのトラフィック タイプに対して秒単位で許可する最大パケット数を定義できます。しきい値はトラフィック タイプごとに異なります。各トラフィック タイプに対して秒単位に許可される最大パケット数は 16777215 です。
10.12.2 プロトコル互換性リスト
表 10-39 に、GE_XP、10GE_XP、GE_XPE、および 10GE_XPE カードのプロトコル互換性を示します。
表 10-39 GE_XP、10GE_XP、GE_XPE、および 10GE_XPE カードのプロトコル互換性
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10.12.3 前面プレートとブロック図
図 10-26 に、GE_XP の前面プレートとブロック図を示します。GE_XPE の前面プレートとブロック図も同様です。
図 10-26 GE_XP と GE_XPE の前面プレートとブロック図
図 10-27 に、10GE_XP の前面プレートとブロック図を示します。10 GE_XPE の前面プレートとブロック図も同様です。
図 10-27 10GE_XP と 10GE_XPE の前面プレートとブロック図
カードの安全性ラベルの詳細については、「クラス 1M レーザー製品カード」を参照してください。
注意 カードをトランク ポート上のループバック内で使用する場合は、20 dB のファイバ減衰器(15 ~ 25 dB)を使用する必要があります。これらのカードでは、ダイレクト ファイバ ループバックを使用しないでください。ダイレクト ファイバ ループバックを使用すると、GE_XP、10GE_XP、GE_XPE、および 10GE_XPE カードに回復不能な損傷を与えます。
10.12.4 クライアント インターフェイス
クライアント インターフェイスは、別売りの SFP モジュールまたは XFP モジュールと一緒に実装されます。このインターフェイスは、次のデュアル LC コネクタとマルチモード ファイバを使用するトライレート SFP と XFP をサポートします。
• SFP - GE/1G-FC/2G-FC - 850 nm - MM - LC(PID ONS-SE-G2F-SX)
• SFP - GE/1G-FC/2G-FC - 1300 nm - SM - LC(PID ONS-SE-G2F-LX)
• SFP - GE/1G-FC/2G-FC - 1300 nm - SM - LC(PID ONS-SE-G2F-ZX)
• SFP - 10/100/1000Base-T - Copper(PID ONS-SE-ZE-EL)Intra office up to 100
ケーブル:RJ45 STP CAT5、CAT5E、および CAT6
• SFP - 1000Base BX D/Gigabit Ethernet 1550 nm - SM - LC(PID ONS-SE-GE-BXD)
• SFP - 1000Base BX U/Gigabit Ethernet 1550 nm - SM - LC(PID ONS-SE-GE-BXU)
• SFP - Fast Ethernet 1310 nm - SM - LC(PID ONS-SI-100-LX10)
• SFP - Fast Ethernet 1310 nm - MM - LC(PID ONS-SI-100-FX)
• SFP - Fast Ethernet over DS1/E1 - SM - LC(PID ONS-SC-EOP1)(GE_XPE のみ)
• SFP - Fast Ethernet over DS3/E3 - SM - LC(PID ONS-SC-EOP3)(GE_XPE のみ)
• SFP - E1/DS1 over Fast Ethernet - SM - LC(PID ONS-SC-E1-T1-PW)(GE_XPE のみ)
• SFP - E3/DS3 PDH over Fast Ethernet - SM - LC(PID ONS-SC-E3-T3-PW)(GE_XPE のみ)
(注) ONS-SC-E1-T1-PW SFP と ONS-SC-E3-T3-PW SFP を使用する場合の推奨トポロジを図 10-28 に示します。
図 10-28 ONS-SC-E1-T1-PW SFP と ONS -SC-E3-T3-PW SFP を使用する場合の推奨トポロジ
クライアント インターフェイスは、次のデュアル LC コネクタとシングルモード ファイバを使用するデュアルレート XFP をサポートします。
• XFP - OC-192/STM-64/10GE/10-FC/OTU2 - 1310 SR - SM LC(PID:ONS-XC-10G-S1)
• XFP - 10GE - 1550 nm - SM - LC(PID ONS-XC-10G-L2)
• XFP - 10GE - 1550 nm - SM - LC(PID ONS-XC-10G-C)
(注) ONS-XC-10G-C XFP が GE_XP、10GE_XP、GE_XPE、および 10GE_XPE カードのクライアント ポート 1 で使用されている場合は、システムが正常に動作する最高温度は +45 ºCです。
クライアント インターフェイスは、次のデュアル LC コネクタとマルチモード ファイバを使用するマルチモード XFP をサポートします。
• XFP - OC-192/10GFC/10GE - 850 nm - MM - LC(PID ONS-XC-10G-SR-MM)
10.12.5 GE_XP、10GE_XP、GE_XPE、および 10GE_XPE のカードレベル インジケータ
表 10-40 に、GE_XP、10GE_XP、GE_XPE、および 10GE_XPE カード上の 3 つのカードレベル LED を示します。
表 10-40 GE_XP、10GE_XP、GE_XPE、および 10GE_XPE のカードレベル インジケータ
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レッドの FAIL LED |
レッドの FAIL LED は、カードのプロセッサの準備ができていないことを示します。この LED はリセット中に点灯し、ブート プロセス中に点滅します。レッドの FAIL LED が消えない場合は、カードを交換してください。 |
ACT LED グリーン(アクティブ) |
ACT LED がグリーンの場合は、カードが稼動状態(1 つ以上のポートがアクティブ)であり、トラフィックを伝送する準備ができています。 |
オレンジの SF LED |
オレンジの SF LED は、カードの 1 つ以上のポートで、LOS、LOF、高 BER などの信号障害または信号状態が発生していることを示します。このオレンジの SF LED は、送信ファイバと受信ファイバが正しく接続されていない場合にも点灯します。ファイバが正しく接続されリンクが稼動している場合は点灯しません。 |
10.12.6 GE_XP、10GE_XP、GE_XPE、および 10GE_XPE のポートレベル インジケータ
表 10-41 に、GE_XP、10GE_XP、GE_XPE、および 10GE_XPE カード上のポートレベル LED を示します。
表 10-41 GE_XP、10GE_XP、GE_XPE、および 10GE_XPE のポートレベル インジケータ
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ポート LED グリーン/レッド/オレンジ/消灯 |
グリーン:クライアント ポートが、稼動中で認識された信号を受信している(つまり、信号障害なし)か、信号障害やアラームが無視される Out of Service and Maintenance(OOS,MT または locked,maintenance)状態になっています。 レッド:クライアント ポートが稼動中だが、信号障害(LOS)が発生しています。 オレンジ:ポートがプロビジョニングされ、スタンバイ状態になっています。 消灯:SFP が、プロビジョニングされた、停止中、適切に実装されていない、SFP ハードウェアで障害が発生しているのいずれかの状態です。 |
グリーンの DWDM LED |
グリーン:グリーンの DWDM LED は、DWDM ポートが、稼動中で認識された信号を受信している(つまり、信号障害なし)か、信号障害やアラームが無視される Out of Service and Maintenance(OOS,MT または locked,maintenance)状態になっていることを示します。 レッド:クライアント ポートが稼動中だが、信号障害(LOS)が発生しています。 オレンジ:ポートがプロビジョニングされ、スタンバイ状態になっています。 消灯:SFP が、プロビジョニングされた、停止中、適切に実装されていない、SFP ハードウェアで障害が発生しているのいずれかの状態です。 |
10.12.7 DWDM トランク インターフェイス
GE_XP、10GE_XP、GE_XPE、および 10GE_XPE カードには、10 ギガビット イーサネット(10.3125 Gbps)または OTU2 への 10 ギガビット イーサネット(非標準 11.0957 Gbps)で動作する 2 つの 10 ギガビット イーサネット トランク ポートが取り付けられています。これらのポートは、ITU-T G.707、ITU-T G.709、および Telcordia GR-253-CORE 標準に準拠しています。また、DWDM XFP の挿入を通して、C バンド波長と L バンド波長を伝送できます。1550 nm C バンド 100 GHz ITU グリッドと L バンドのそれぞれで 40 チャネルを使用できます。
光増幅またはリジェネレータを使用しないフィルタレス アプリケーションの最大システム距離は、名目上、C-SMF ファイバ上で 23 dB(定格)です。この定格は、製品仕様ではなく、情報提供を目的としたものであり、変更される可能性があります。
10.12.8 設定管理
GE_XP、10GE_XP、GE_XPE、および 10GE_XPE カードは、次の設定管理パラメータをサポートします。
• ポート名:ユーザが割り当てたテキスト文字列
• 管理ステート/サービス ステート:ポート ステータスを管理および表示するための管理ステートとサービス ステート
• MTU:ポート上で許容されるフレーム単位の最大バイト数を設定するためのプロビジョニング可能な Maximum Transfer Unit(MTU; 最大転送単位)
• モード:プロビジョニング可能なポート モード。自動ネゴシエーションとポート速度のどちらか。
• フロー制御:IEEE 802.1x ポーズ フレーム仕様に基づくフロー制御を TX ポートと RX ポートに対してイネーブルまたはディセーブルにできます。
• 帯域幅:ポート上で許容されるプロビジョニング可能な最大帯域幅
• 入力 CoS:ポートに 0(最高)~ 7(最低)の CoS 値を割り当て、着信フレームの CoS を受け取ります。
• 出力 QoS:出力ポートの QoS 機能を定義します。
• NIM:Metro Ethernet Forum 仕様に基づいてポート ネットワーク インターフェイス管理タイプを定義します。ポートは UNI または NNI として定義できます。
• MAC ラーニング:スイッチ処理を容易にする MAC アドレス ラーニング
• IEEE 802.1Q 標準に従って提供される VLAN タギング
(注) GE_XP、10GE_XP、GE_XPE、および 10GE_XPE カードを MXP モードまたは TXP モードでプロビジョニングした場合は、ポート名、ステート、MTU、モード、フロー制御、および帯域幅のパラメータしか使用できません。
10.12.9 セキュリティ
GE_XP、10GE_XP、GE_XPE、および 10GE_XPE カードのポートは、ユーザが定義した MAC アドレス セットからのトラフィックをブロックするようにプロビジョニングできます。その他のトラフィックは正常に切り替えられます。ポート単位でブロックする MAC アドレスを手動で設定できます。カードの各ポートは、事前に定義された一部の MAC アドレスからのトラフィックを受信できます。その他のトラフィックはドロップされます。この機能は Cisco IOS の「ポート セキュリティ」機能のサブセットです。
10.12.10 カード保護
以降のセクションで、GE_XP、10GE_XP、GE_XPE、および 10GE_XPE カードに対して使用可能なさまざまなカード保護スキームについて説明します。
10.12.10.1 1+1 保護
GE_XP、10GE_XP、GE_XPE、および 10GE_XPE カードの 1+1 保護は、クライアント ポートやカードを障害から保護するために、レイヤ 2(L2)カード モードで提供されます。
1+1 保護は、シングル シェルフ セットアップとマルチシェルフ セットアップの両方でサポートされます。これは、現用カードをマルチシェルフ セットアップのあるシェルフに実装し、保護カードを別のシェルフに実装できることを意味します。この 2 枚のカード間の通信は、10 ギガビット イーサネット相互接続インターフェイス経由でイーサネット パケットを使用して行われます。両方のカード上で Inter LinK(ILK)トランクまたは内部パスコードをプロビジョニングする必要があります。このリンクは、保護スイッチング メッセージとデータの転送に使用されます。ILK または内部パッチコードのプロビジョニング方法については、『 Cisco ONS 15454 DWDM Procedure Guide 』を参照してください。
(注) 1+1 保護メカニズムを使用した場合の銅 SFP のスイッチ時間は 1 秒です。
1+1 保護を使用すれば、保護カード上のポートを、現用カード上の対応するポートを保護するために割り当てることができます。現用カードは、タイプとポート数が同じ保護カードとペアにする必要があります。保護はポート レベルで実施されます。また、現用カード上の対応するポートを保護するために割り当てることができる保護カード上のポート数に制限はありません。
1+1 保護スキームを完全冗長にするには、VLAN リング全体に対して L2 保護をイネーブルにします。これにより、Fast Automatic Protection Switch(FAPS)が可能になります。1+1 ポート上に設定する VLAN は、保護 SVLAN として設定する必要があります。FAPS をイネーブルにする方法については、『 Cisco ONS 15454 DWDM Procedure Guide 』を参照してください。
1+1 保護は、リバーティブと非リバーティブのどちらかにできます。非リバーティブの 1+1 保護を使用した場合は、障害が発生して信号が現用カードから保護カードに切り替わると、手動で変更するまで信号は保護カードで受信されます。リバーティブの 1+1 保護は、現用カードがオンラインに戻ると、自動的に、信号を現用カードに切り替えます。1+1 保護では、現用カードと保護カード間の制御トラフィックの送信にトランク ポートが使用されます。このトランク ポート接続は、ILK トランク ポートと呼ばれ、CTC 経由でプロビジョニングできます。ILK リンクのプロビジョニング方法については、『 Cisco ONS 15454 DWDM Procedure Guide 』の「DLP-G460 Provision an ILK Link」を参照してください。
スタンバイ ポートはオンまたはオフに設定できますが、スタンバイ ポートで送受信されるトラフィックはダウンします。スタンバイ ポート上でレーザーがオンになっている場合は、並列接続内の他のエンド ポート(トラフィックが発信される)はダウンしません。トラフィックはスタンバイ ポート上でブロックされます。
1+1 保護は、デフォルトで双方向かつ非リバーティブに設定されます。リバーティブ スイッチングは CTC を使用してプロビジョニングできます。カードのプロビジョニング方法については、『 Cisco ONS 15454 DWDM Procedure Guide 』を参照してください。
10.12.10.2 Y 字型ケーブル保護
GE_XP カードと GE_XPE カードは、10 ギガビット イーサネットまたは 20 ギガビット イーサネット MXP カード モードでプロビジョニングされた場合に、Y 字型ケーブル保護をサポートします。10GE_XP カードと 10GE_XPE カードは、10GE TXP カード モードでプロビジョニングされた場合に、Y 字型ケーブル保護をサポートします。2 枚のカードを Y 字型ケーブル保護グループに加えることができます。このとき、一方のカードを現用カードに、もう一方のカードを保護カードに割り当てます。この保護メカニズムは、冗長な双方向パスを提供します。詳細については、「Y 字型ケーブル保護」を参照してください。Y 字型保護メカニズムはプロビジョニング可能で、オンまたはオフに設定できます(オフがデフォルト モード)。信号障害(ITU-T G.709 モードの場合は、DWDM レシーバー ポート上の LOS、LOF、SD、または SF)が検出されると、保護メカニズム ソフトウェアが自動的にパスを切り替えます。Y 字型ケーブル保護は、リバーティブ モードと非リバーティブ モードもサポートします。
10.12.10.3 Layer 2 Over DWDM 保護
GE_XP、10GE_XP、GE_XPE、または 10GE_XPE カードが L2-over-DWDM カード モードになっている場合は、保護がハードウェアのレイヤ 1 およびレイヤ 2 レベルで処理されます。障害検出と障害伝播は、ITU-T G.709 フレームのオーバーヘッド バイト経由で通知されます。保護 VLAN の場合は、トラフィックが 10 ギガビット イーサネット DWDM リングを中心にしてフラッディングします。レイヤ 2 保護をセットアップするには、カード ビューの [Provisioning] > [Protection] タブで、VLAN リングのマスター ノードとポートとして機能するノードと GE_XP、10GE_XP、GE_XPE、または 10GE_XPE ポートを特定します。障害が発生した場合は、このノードとポートが VLAN ループの開閉を担当します。
(注) [Protection] ドロップダウン リスト内の [Forced] オプションは、SVLAN データベース内の SVLAN 保護設定に関係なく、すべての SVLAN を保護 SVLAN に変換します。これは、ポイントツーポイント線形トポロジに適用されます。SVLAN 保護は、プロビジョニングされた SVLAN 属性に関係なく、保護 SVLAN と非保護 SVLAN を含むすべての SVLAN を保護パスに移動するように強制する必要があります。
次のような障害シナリオで FAPS スイッチオーバーが発生します。
• ファイバ切断による DWDM 回線障害
• ファイバ切断による DWDM ネットワーク内の単方向障害
• マスター カードのトランク ポート上でのファイバ引き抜きに続くマスター カード上のハード リセット
• マスター カード上のハード リセット
• スレーブ カード上のハード リセット
• OTN 障害(ITU-T G.709 モードの場合は、DWDM レシーバ ポート上での LOS、OTUK-LOF、OTUK-LOM、OTUK-LOM、OTUK-SF、または OTUK-BDI)が検出された場合
• トランク ポートが OOS,DSBLD(Locked,disabled)状態に遷移した場合
• 誤って XFP を取り外した場合
FAPS スイッチオーバーは、次のようなシナリオでは発生しません。
• スレーブ カード トランク ポートの OOS,DSBLD(Locked,disabled)状態への遷移に続くスレーブ カード上でのハード リセット
• スレーブ カード トランク ポート上での OTN アラームの発生に続くスレーブ カード上でのハード リセット
10.12.11 IGMP スヌーピング
ネットワークの規模が大きくなるほど、マルチキャスト トラフィックに必要なセグメントとそうでないセグメントを判別する手段としてのマルチキャスト ルーティングの重要性が高まります。IP マルチキャスティングは、IP トラフィックを、1 つの送信元から複数の宛先に、または、複数の送信元から複数の宛先に伝播させることができます。1 つのパケットが各宛先に送信されるのではなく、1 つのパケットが 1 つの IP 宛先グループ アドレスで識別されるマルチキャスト グループに送信されます。GE_XP、10GE_XP、GE_XPE、および 10GE_XPE カードは、最大 1024 マルチキャスト グループまで学習できます。これには、すべての VLAN 上のグループが含まれます。
IGMP スヌーピングは、マルチキャスト トラフィックをマルチキャスト デバイスが接続されたインターフェイスに転送することによってマルチキャスト トラフィックのフラッディングを抑制します。
GE_XP、10GE_XP、GE_XPE、または 10GE_XPE カードは、ホストから IGMP リーブ グループ メッセージを受信すると、そのホスト ポート上には他に特定のグループに関係するホストが存在しないことを保証するためのグループ固有クエリーを生成してから、マルチキャスト転送テーブルからそのポートを削除します。このカードは、「リーブ」メッセージを受信しなかった場合でも、グループ テーブルを最新の情報で更新するためのタイムアウト メカニズムを備えています。また、マルチキャスト ルータからの IGMP クエリーを中継後は、マルチキャスト クライアントから IGMP メンバーシップ レポートを受信しないかぎり、定期的にエントリを削除します。
マルチキャスト ルータでは、VLAN 上で Protocol Independent Multicast(PIM)がイネーブルになっていれば、汎用クエリーが VLAN 上に送出されます。GE_XP、10GE_XP、GE_XPE、または 10GE_XPE カードは、クエリーを VLAN に属しているすべてのポートに転送します。このマルチキャスト トラフィックに関係するすべてのホストが、ジョイン要求を送信して、転送テーブル エントリに追加されます。ジョイン要求はルータ ポートにのみ転送されます。デフォルトで、このようなルータ ポートは動的に学習されます。ただし、これらのポートは、静的設定によって動的学習が上書きされるポート レベルで静的に設定することもできます。
IGMP と他のプロトコルの相互作用については、 プロトコル互換性リストを参照してください。
10.12.11.1 IGMP スヌーピングに関する指針と制限
次の指針と制限が GE_XP、10GE_XP、GE_XPE、および 10GE_XPE カード上の IGMP スヌーピングに適用されます。
• IGMP スヌーピング V2 は RFC 4541 の規定どおりにサポートされます。
• IGMP スヌーピング V3 はサポートされないため、SVLAN 上にパケットがフラッディングします。
• レイヤ 2 マルチキャスト グループは IGMP スヌーピングを通して動的に学習されます。
• GE_XP カードと 10GE_XP カードは、128 のスタック型 VLAN 上の IGMP スヌーピングをサポートし、GE_XPE カードと 10GE_XPE カードはイネーブルにされた最大 256 のスタック型 VLAN をサポートします。
• IGMP スヌーピングは、SVLAN または CVLAN 単位に設定できます。デフォルトで、IGMP スヌーピングはすべての SVLAN と CVLAN に対してディセーブルになっています。
• CVLAN 上の IGMP スヌーピングがイネーブルになる条件は次のとおりです。
– MVR がイネーブルになっている。
– UNI ポートが選択的追加モードと選択的変換モードになっている。UNI ポートごとに、イネーブルにする IGMP スヌーピング用の CVLAN を指定する必要があります。
• IGMP スヌーピングはポートごとに 1 つの CVLAN 上でしかイネーブルにできません。CVLAN 上で IGMP スヌーピングをイネーブルにした場合は、関連する SVLAN 上で IGMP スヌーピングをイネーブルにできません。逆も同じです。IGMP スヌーピング用にイネーブルにする VLAN の数は 128 以下にする必要があります。
• IGMP スヌーピングが二重タグ付きパケットに対してイネーブルになっている場合は、同じ SVLAN に接続されたすべてのポート上で CVLAN を統一する必要があります。
• リング ベースのセットアップ内で IGMP スヌーピングと Fast Automatic Protection Switch(FAPS)が連動している場合は、すべての NNI ポートを静的ルータ ポートとして設定することを推奨します。これにより、FAPS スイッチオーバー発生時のマルチキャスト トラフィック ヒットが最小限に抑えられます。
カード上の IGMP スヌーピングの結果、次のような状態が発生します。
• MCAST-MAC-TABLE-FULL:この状態は、マルチキャスト テーブルがいっぱいのときに、新しいジョイン要求が受信された場合に発生します。このテーブルは、アラーム発生後にマルチキャスト テーブルの 1 つ以上のエントリが消去された場合に消去されます。
• MCAST-MAC-ALIASING:この状態は、複数の L3 アドレスが VLAN 上の同じ L2 アドレスにマッピングされた場合に発生します。これは非定常状態です。
これらの状態の重要度とこれらのアラームの解除手順については、『 Cisco ONS 15454 Troubleshooting Guide 』を参照してください。
10.12.11.2 高速脱退処理
(注) 高速脱退処理は、即時脱退とも呼ばれています。
IGMP スヌーピング高速脱退処理を使用すれば、GE_XP、10GE_XP、GE_XPE、または 10GE_XPE で、グループ固有クエリーをインターフェイスに送信しなくても、転送テーブルからリーブ メッセージを送信するインターフェイスを削除できます。IGMP 高速脱退処理がイネーブルになっている場合は、カードが、ポート上で IGMP バージョン 2(IGMPv2)リーブ メッセージを検出したらすぐにそのポートを IP マルチキャスト グループから削除します。
10.12.11.3 静的ルータ ポート設定
マルチキャスト対応ポートは、すべての IP マルチキャスト エントリの転送テーブルに追加されます。カードはこのようなポートを PIM 方式を通して学習します。
10.12.11.4 レポート抑制
レポート抑制は、IGMP クエリーに対する応答のストームを回避するために使用されます。この機能がイネーブルになっている場合は、1 つのクエリーに対する応答として、1 つの IGMP レポートが各マルチキャスト グループに送信されます。IGMP スヌーピング レポートの受信時に、レポート抑制タイマーが作動中であれば、必ず、レポート抑制が実施されます。レポート抑制タイマーは、通常のクエリーに関する最初のレポートが受信されたときに開始されます。その後で、この時刻が通常のクエリーで指定された応答時刻に設定されます。
10.12.11.5 IGMP 統計情報とカウンタ
カウンタ内のエントリには、IGMP スヌーピング対応 GE_XP、10GE_XP、GE_XPE、または 10GE_XPE カードに関するマルチキャスティング統計情報が格納されています。このエントリは、送受信された IGMP メッセージに関する統計情報を提供します。IGMP 統計情報とカウンタは、CTC の [Performance] > [Ether Ports] > [Statistics] タブで確認できます。
この情報は次のカウンタに保存できます。
• cisTxGeneralQueries:インターフェイス経由で送信された汎用クエリーの数
• cisTxGroupSpecificQueries:インターフェイス経由で送信されたグループ固有クエリーの総数
• cisTxReports:インターフェイス経由で送信されたメンバーシップ レポートの総数
• cisTxLeaves:インターフェイス経由で送信されたリーブ メッセージの総数
• cisRxGeneralQueries:インターフェイスで受信された汎用クエリーの総数
• cisRxGroupSpecificQueries:インターフェイスで受信されたグループ固有クエリーの総数
• cisRxReports:インターフェイスで受信されたメンバーシップ レポートの総数
• cisRxLeaves:インターフェイスで受信されたリーブ メッセージの総数
• cisRxValidPackets:インターフェイスで受信された有効な IGMP パケットの総数
• cisRxInvalidPackets:インターフェイスで受信された有効な IGMP メッセージではないパケットの総数
10.12.12 マルチキャスト VLAN レジストレーション
Multicast VLAN Registration(MVR; マルチキャスト VLAN レジストレーション)は、イーサネット リング ベースのサービス プロバイダー ネットワーク上でマルチキャスト トラフィックの広範囲展開を使用するアプリケーション(サービス プロバイダー ネットワーク上の複数の TV チャネルのブロードキャストなど)用に設計されています。MVR を使用すれば、ポート上の加入者が、ネットワーク全体のマルチキャスト VLAN 上で、マルチキャスト ストリームに加入したり、そこから脱退したりできます。また、ネットワーク上で 1 つのマルチキャスト VLAN を共有しながら、加入者が別の VLAN に接続できます。MVR は、マルチキャスト VLAN 上でマルチキャスト ストリームを連続送信できるようにしますが、帯域幅とセキュリティ上の理由から、加入者の VLAN からストリームが分離されます。
MVR では、加入者ポートが、IGMP ジョイン メッセージとリーブ メッセージの送信を通して、これらのマルチキャスト ストリームに対する加入および脱退(「ジョイン」および「リーブ」)を実施することが想定されています。これらのメッセージは、イーサネット接続を備えた IGMP バージョン 2 互換ホストから発信できます。MVR は、IGMP スヌーピングの基になるメカニズムに基づいて動作します。また、IGMP スヌーピングがイネーブルになっている場合にのみ動作します。
カードは、MVR IP マルチキャスト ストリームとカード転送テーブル内の関連する IP マルチキャスト グループを識別したり、IGMP メッセージを代行受信したり、受信側が送信元と異なる VLAN 上に存在している場合でもマルチキャスト ストリームの受信側として加入者を追加または削除するように転送テーブルを変更したりします。この転送動作により、選択的に、複数の VLAN 間でトラフィックを転送できます。
(注) MVR が設定されている場合は、ルータ側のポートを NNI として設定して、ルータでマルチキャスト ストリームを生成したり、SVLAN 経由でホストに送信したりできます。ルータ ポートが UNI として設定されている場合は、MVR が正しく動作しません。
10.12.13 MAC アドレス ラーニング
GE_XPE カードと 10 GE_XPE カードは、32K MAC アドレスをサポートします。MAC アドレス ラーニングは、GE_XPE カードと 10 GE_XPE カード上で SVLAN 単位にイネーブルまたはディセーブルにできます。これらのカードは、各ポートで受信されたパケットの MAC アドレスを学習し、その MAC アドレスと関連するポート番号を MAC アドレス ラーニング テーブルに追加します。ネットワーク上でステーションが追加または削除されるたびに、GE_XPE カードと 10 GE_XPE カードが、新しいダイナミック アドレスを追加したり、未使用のアドレスを削除したりすることによって、MAC アドレス ラーニング テーブルを更新します。
MAC アドレス ラーニングは SVLAN 単位にイネーブルまたはディセーブルにできます。この設定がイネーブルからディセーブルに変更された場合は、関連するすべての MAC アドレスが消去されます。次の条件が適用されます。
• MAC アドレス ラーニングがポート単位でイネーブルになっている場合は、MAC アドレス ラーニングがイネーブルになっている VLAN 以外のすべての VLAN 上で MAC アドレス ラーニングがディセーブルになります。
• ポート単位の MAC アドレス ラーニングがディセーブルになっている場合は、ポートでサポートされている一部の VLAN 上で MAC アドレス ラーニングがイネーブルになっていたとしても、すべての VLAN 上で MAC アドレス ラーニングがディセーブルになります。
• GE-XP カードと 10 GE-XP カード上でポート単位の MAC アドレス ラーニングが設定されている場合は、GE-XPE カードまたは 10 GE-XPE カードにアップグレードする前に、SVLAN 単位の MAC アドレス ラーニングをイネーブルにします。この操作に失敗した場合は、MAC アドレス ラーニングがディセーブルになります。
10.12.14 MAC アドレス検索
学習された MAC アドレスは、L2-over-DWDM モードでプロビジョニングされた GE_XP、10GE_XP、GE_XPE、および 10GE_XPE カード上で検索または消去できます。MAC アドレスは CTC または TL1 インターフェイスを使用して検索できます。
GE_XPE カードと 10GE_XPE カードは 32K MAC アドレスをサポートし、GE_XP カードと 10GE_XP カードは 16K MAC アドレスをサポートします。要求の処理を遅延させないために、学習された MAC アドレスは SVLAN 範囲を使用して検索されます。有効な SVLAN 範囲は 1 ~ 4093 です。
GE_XP、10GE_XP、GE_XPE、および 10GE_XPE カードの MAC アドレスも検索できます。カードの MAC アドレスは静的で、トラブルシューティング作業で使用されます。GE_XP、10GE_XP、GE_XPE、または 10GE_XPE カードのクライアント ポート、トランク ポート、および CPU ポートごとに 1 つずつの MAC アドレスが割り当てられます。これらの内部 MAC アドレスは、遠端ノードで受信されたパケットが GE_XP、10GE_XP、GE_XPE、および 10GE_XPE カードで生成されたかどうかの判断に使用できます。
MAC アドレス検索に関して、次のような条件が適用されます。
• カードは L2-over-DWDM モードでプロビジョニングする必要があります。
• GE_XPE カードまたは 10 GE_XPE カード上では、MAC アドレス ラーニングを SVLAN 単位でイネーブルにする必要があります。
• GE_XP カードまたは 10 GE_XP カード上では、MAC アドレス ラーニングをポート単位でイネーブルにする必要があります。
学習された MAC アドレスの検索または消去方法については、『 Cisco ONS 15454 DWDM Procedure Guide 』の「Provision Transponder and Muxponder Cards」の章を参照してください。
10.12.15 リンク完全性
GE_XP、10GE_XP、GE_XPE、および 10GE_XPE カードは、エンドツーエンド イーサネット リンク完全性をサポートします。この機能は、イーサネット専用線サービスの提供と、接続されたイーサネット デバイス上でのレイヤ 2 プロトコルとレイヤ 3 プロトコルの正しい動作に不可欠です。
リンク完全性機能は、遠端クライアント インターフェイスをスケルチするために、トランク障害を、影響を受けるすべての SVLAN 回線上に伝播させます。Ethernet-Advanced IP Service(E-AIS)パケットがポート/SVLAN 単位で生成されます。E-AIS 形式は ITU Y.1731 に準拠しています。
(注) E-AIS パケットは、7 の CoS 値(.1p ビットとも呼ばれる)で識別されます。ネットワークが過負荷状態になっておらず、このキュー用の帯域幅がパケット ドロップを避けるのに十分であることを確認してください。
リンク完全性がポート/SVLAN 単位でイネーブルになっている場合は、次のアラームの発生時に E-AIS パケットが生成されます。
• LOS-P
• OTUKLOF/LOM
• SIGLOSS
• SYNCHLOSS
• OOS
• PPM が存在しない
リンク完全性がイネーブルになっている場合は、GE_XP カードと 10 GE_XP カードが最大 128 の SVLAN をサポートし、GE_XPE カードと 10 GE_XPE カードが最大 256 の SVLAN をサポートできます。
10.12.16 入力 CoS
入力 CoS 機能は、GE_XPE カードと 10GE_XPE カード上での差別化サービスを可能にします。転送トラフィックごとに適用するサービス クラスを指定することによって、さまざまなネットワーキング要件をプロビジョニングできます。
CVLAN が入力 CoS として設定されている場合は、ポート単位設定が考慮されません。最大 128 の CVLAN と CoS の関係を設定できます。
10.12.17 CVLAN レート制限
CVLAN レート制限が GE_XP、10GE_XP、GE_XPE、および 10GE_XPE カード上でサポートされます。また、選択的追加モードの QinQ サービスに対してサポートされます。次のような制限と制約が CVLAN レート制限に適用されます。
• CVLAN レート制限は次のようなサービス タイプに対してサポートされません。
– 選択的変換モード
– トランスペアレント モード
– 選択的二重追加モード
– 選択的変換追加モード
– タグなしパケット
– CVLAN 範囲
– チャネル グループに関連付けられたサービス
• CVLAN レート制限と SVLAN レート制限は同じサービス インスタンスに適用できません。
• Pseudo-IOS Command Line Interface(PCLI; 疑似 IOS コマンド ライン インターフェイス)は CVLAN レート制限に対してサポートされません。
• リンク完全性オプションがイネーブルになっている VLAN プロファイルは CVLAN レート制限の実行に使用できません。
• GE_XP カードと 10 GE_XP カード上では、CVLAN レート制限を最大 128 のサービスに適用できます。ただし、プロビジョニング可能な CVLAN レート制限サービス インスタンス数は、192 から、カード上に存在する SVLAN レート制限サービス インスタンス数を引いた差に相当します(多くの場合、最小の 64 の CVLAN レート制限サービス インスタンス数になります)。
• GE_XPE カードと 10 GE_XPE カード上では、CVLAN レート制限を最大 256 のサービスに適用できます。ただし、プロビジョニング可能な CVLAN レート制限サービス インスタンス数は、384 から、カード上に存在する SVLAN レート制限サービス インスタンス数を引いた差に相当します(多くの場合、最小の 128 の CVLAN レート制限サービス インスタンス数になります)。
10.12.18 DSCP から CoS へのマッピング
DSCP から CoS へのマッピングはポートごとに設定できます。着信 DSCP ビットに基づいて外部 VLAN の CoS を設定できます。この機能は、GE_XPE カードと 10GE_XPE カードでのみサポートされます。PCLI は DSCP から CoS へのマッピングに対してサポートされていません。
DSCP から CoS へのマッピングは次のサービス タイプに対してサポートされています。
– 選択的追加モード
– 選択的変換モード
– トランスペアレント モード
– 選択的二重追加モード
– 選択的変換追加モード
– タグなしパケット
– CVLAN 範囲
– チャネル グループに関連付けられたサービス
10.12.19 リンク アグリゲーション制御プロトコル
Link Aggregation Control Protocol(LACP; リンク アグリゲーション制御プロトコル)は、IEEE802.3ad 標準に含まれており、複数の物理ポートをまとめて 1 つの論理チャネルにできます。LACP は、スイッチなどのネットワーク デバイスで、LACP パケットをピア デバイスに送信することによってリンクの自動帯域リングのネゴシエートを可能にします。
LACP を使用すれば、複数のイーサネット リンクから 1 つのレイヤ 2 リンクを自動的に形成できます。このプロトコルは、イーサネット リンクの両端が、機能しており、リンクがアグリゲーション グループに追加される前に、グループのメンバーになることに合意していることを保証します。LACP を機能させるには、リンクの両端でイネーブルにする必要があります。
LACP の詳細については、IEEE802.3ad 標準を参照してください。LACP と他のプロトコルの相互作用については、 プロトコル互換性リストを参照してください。
10.12.19.1 LACP の利点
LACP には次のような利点があります。
• 1 つのポートまたはデバイスよりも多くのデータを転送する高速ネットワーク
• 高い信頼性と冗長性。あるポートで障害が発生した場合は、他のポートでトラフィックが継続されます。
• 束ねられたポートに対してロード バランシング ポリシーを提供可能にするハッシュ アルゴリズム
10.12.19.2 LACP の機能
LACP は、システム内で次の機能を実行します。
• アグリゲーションを制御するための設定情報を維持します。
• 他のピア デバイスと設定情報を交換します。
• 交換する設定情報に基づいて、リンク アグリゲーション グループに対してポートを追加または削除します。
• アグリゲーション グループの両側が同期している場合にデータ フローをイネーブルにします。
10.12.19.3 LACP のモード
LACP は次のモードで設定できます。
• オン:デフォルト。このモードでは、ポートとパートナー ポートの間で LACP パケットが交換されません。
• アクティブ:このモードでは、ポートから LACP パケットが定期的にパートナー ポートに送信されます。
• パッシブ:このモードでは、パートナーから LACP パケットが送信されるまで、ポートから LACP パケットが送信されません。パートナー ポートから LACP パケットが受信されてから、ポートから LACP パケットが送信されます。
10.12.19.4 LACP のパラメータ
LACP は次のパラメータを使用してアグリゲーションを制御します。
• システム識別子:システムごとに割り当てられる固有識別情報。これは、システム優先順位とグローバルに管理されている個別の MAC アドレスを連結したものです。
• ポート ID:システム内の物理ポートごとの固有識別情報。これは、ポート優先順位とポート番号を連結したものです。
• ポート機能 ID:別のポートと集約するポートの機能を識別するキーと呼ばれる整数。次の 2 種類のキーがあります。
– 管理キー:ネットワーク管理者がこのキーを設定します。
– 運用キー:LACP がこのキーをアグリゲーション機能に基づいてポートに割り当てます。
• アグリゲーション識別子:アグリゲータごとに割り当てられる一意の整数で、システム内部の ID として使用されます。
10.12.19.5 ユニキャスト ハッシング スキーム
LACP は次のユニキャスト ハッシング スキームをサポートします。
• Ucast SA VLAN 着信ポート
• Ucast DA VLAN 着信ポート
• Ucast SA DA VLAN 着信ポート
• Ucast Src IP TCP UDP
• Ucast Dst IP TCP UDP
• Ucast Src Dst IP TCP UDP
(注) ユニキャスト ハッシング スキームは、宛先 MAC アドレスがすでにカードで学習されている場合にのみ、ユニキャスト トラフィック ストリームに適用されます。そのため、MAC ラーニングをイネーブルにして、設定されたハッシング スキームに基づくロード バランシングをサポートする必要があります。宛先 MAC アドレスが学習されていない場合のハッシング スキームは Ucast Src Dst IP TCP UDP です。
10.12.19.6 サポートされている LACP 機能
GE_XP、10GE_XP、GE_XPE、および 10GE_XPE カードは、IEEE802.3ad 標準に従って次の LACP 機能をサポートします。
• DLP-G611 CTC を使用したチャネル グループの作成
• DLP-G612 CTC を使用したチャネル グループのパラメータの変更
• DLP-G613 CTC を使用した既存のチャネル グループに対するポートの追加または削除
• DLP-G614 CTC を使用したチャネル グループの削除
これらの手順の詳細については、『 Cisco ONS 15454 DWDM Procedure Guide 』を参照してください。
10.12.19.7 LACP の制限と制約
GE_XP、10GE_XP、GE_XPE、および 10GE_XPE カード上の LACP には、次のような制限と制約があります。
• ホット スタンバイ リンク状態がチャネル グループに対してサポートされません。
• マーカー プロトコル ジェネレータがサポートされません。
• ALS をチャネル グループに対して設定できません。
• ループバック設定をチャネル グループに適用できません。
10.12.20 イーサネット接続障害管理
イーサネット Connectivity Fault Management(CFM; 接続障害管理)は IEEE 802.1ag 標準の一部です。イーサネット CFM は、イーサネット レイヤ Operations, Administration, and Management(OAM)プロトコルをサポートするエンドツーエンド サービス単位インスタンスです。これには、大規模イーサネット Metropolitan-Area Network(MAN; メトロポリタン エリア ネットワーク)および WAN 向けの予防的接続モニタリング、サービス単位の経路探索、障害検証、および障害分離が含まれます。
CFM は、デフォルトでカード上でディセーブルになっています。また、デフォルトですべてのポート上でイネーブルになっています。
CFM の詳細については、IEEE.802.1ag 標準を参照してください。CFM と他のプロトコルの相互作用については、 プロトコル互換性リストを参照してください。以降のセクションで、イーサネット CFM に関する概念的情報を提供します。
10.12.20.1 メンテナンス ドメイン
メンテナンス ドメインは、ネットワークを管理する管理ドメインの 1 つです。一意のメンテナンス レベル(0 ~ 7)を割り当てて、ドメイン間の上下関係を定義できます。ドメインが大きいほど、そのドメインのメンテナンス レベルが高くなります。たとえば、サービス プロバイダー ドメインの方がオペレータ ドメインより大きく、そのメンテナンス レベルが 6 の場合は、オペレータ ドメインのメンテナンス レベルは 3 または 4 になります。
メンテナンス ドメインは、それを管理するためのエンティティが複数必要であり、それが許可されていないため、交差またはオーバーラップさせることができません。ドメインは、外側のドメインがネストされたドメインよりもメンテナンス レベルが高い場合は、隣接またはネストさせることができます。ネストするドメインのメンテナンス レベルを管理組織間で決める必要があります。たとえば、1 つのアプローチとして、メンテナンス レベルをオペレータに割り当てるようにサービス プロバイダーに依頼する方法があります。
CFM プロトコルは、GE_XP、10GE_XP、GE_XPE、および 10GE_XPE カード上で最大 8 つのメンテナンス ドメインをサポートします。
10.12.20.2 メンテナンス アソシエーション
メンテナンス アソシエーションは、メンテナンス ドメイン内部のサービスを識別します。メンテナンス ドメインごとに任意の数のメンテナンス アソシエーションを含めることができます。CFM プロトコルは、GE_XP、10GE_XP、GE_XPE、および 10GE_XPE カード上で最大 1500 のメンテナンス アソシエーションをサポートします。
(注) 1 つのメンテナンス アソシエーションが 1 つのメンテナンス ドメインにマッピングされます。このマッピングは、Maintenance End Point(MEP; メンテナンス エンド ポイント)を設定するために実施されます。CFM プロトコルは、GE_XP、10GE_XP、GE_XPE、および 10GE_XPE カード上で最大 1000 のマッピングをサポートします。
10.12.20.3 メンテナンス エンド ポイント
Maintenance End Point(MEP; メンテナンス エンド ポイント)は、メンテナンス ドメイン境界に存在する、イーサネット CFM のアクティブ要素です。MEP は、定期的に連続性チェック メッセージを送信し、ドメイン内の他の MEP から同様のメッセージを受信します。また、管理者の要求に応じて、ループバック メッセージと経路探索メッセージも送信します。さらに、CFM メッセージをメンテナンス レベルを通してメンテナンス ドメイン境界内部に制限します。次の 2 種類の MEP があります。
• アップ(内向き、ブリッジ側)
• ダウン(外向き、回線側)
GE_XP カードと 10GE_XP カード上では、合わせて最大 255 の MEP と MIP を作成できます。GE_XPE カードと 10GE_XPE カード上では、合わせて最大 500 の MEP と MIP を作成できます。
MEP Continuity Check DataBase(CCDB; 連続性チェック データベース)には、メンテナンス ドメイン内の他の MEP から送られてきた情報が保存されています。カードは、最大 4000 の MEP CCDB エントリを保存できます。
10.12.20.4 メンテナンス中間ポイント
Maintenance Intermediate Point(MIP; メンテナンス中間ポイント)は、メンテナンス ドメイン内部に存在する、イーサネット CFM のパッシブ要素です。MIP は、MEP から送られてきた情報を保存したり、経路探索またはループバック CFM メッセージに応答したりします。また、MEP や他の MIP から送られてきた CFM フレームを転送したり、下位レベルの CFM フレームをドロップしたり、上位レベルの CFM フレームを転送したりします。
GE_XP カードと 10GE_XP カード上では、合わせて最大 255 の MEP と MIP を作成できます。GE_XPE カードと 10GE_XPE カード上では、合わせて最大 500 の MEP と MIP を作成できます。
MIP CCDB には、メンテナンス ドメイン内のすべての MEP から送られてきた情報が保存されています。カードは、最大 4000 の MIP CCDB エントリを保存できます。
10.12.20.5 CFM メッセージ
GE_XP、10GE_XP、GE_XPE、および 10GE_XPE カード上のイーサネット CFM は、次のメッセージをサポートします。
• 連続性チェック:このメッセージは MEP 間で定期的に交換されます。このメッセージによって、MEP は、ドメイン内で他の MEP を発見したり、MIP に MEP の発見を許可したりできます。このメッセージはドメイン内に制限されます。
• ループバック:このメッセージは、MEP が管理者の要求に応じて特定のメンテナンス ポイントへの接続を確認するために送信するユニキャスト メッセージです。ループバック メッセージに対する応答は、宛先が到達可能かどうかを示します。
• 経路探索:このメッセージは、MEP が管理者の要求に応じて宛先 MEP へのパスを追跡するために送信するマルチキャスト メッセージです。
10.12.20.6 サポートされている CFM 機能
GE_XP、10GE_XP、GE_XPE、および 10GE_XPE カードは、IEEE 802.1ag 標準に従って次のイーサネット CFM 機能をサポートします。
• DLP-G621 CTC を使用したカード上の CFM のイネーブル化またはディセーブル化
• DLP-G622 CTC を使用したポートごとの CFM のイネーブル化またはディセーブル化
• DLP-G623 CTC を使用したメンテナンス ドメイン プロファイルの作成
• DLP-G625 CTC を使用したメンテナンス アソシエーション プロファイルの作成
• DLP-G628 CTC を使用したメンテナンス アソシエーション プロファイルからメンテナンス ドメイン プロファイルへのマッピング
• DLP-G629 CTC を使用した MEP の作成
• DLP-G631 CTC を使用した MIP の作成
• DLP-G633 CTC を使用した MEP の ping
• DLP-G634 CTC を使用した MEP の経路探索
これらの手順の詳細については、『 Cisco ONS 15454 DWDM Procedure Guide 』を参照してください。
10.12.20.7 CFM の制限と制約
GE_XP、10GE_XP、GE_XPE、および 10GE_XPE カード上の CFM には、次のような制限と制約があります。
• CFM はチャネル グループに対してサポートされません。
• CFM は REP、FAPS、および 1+1 を実行している保護ポート上でイネーブルになりません。
• AIS、LCK、パフォーマンス モニタリングなどの Y.1731 機能強化と CFM の組み合わせがサポートされません。
• IEEE CFM MIB がサポートされません。
• L1 と CFM は、同じ MAC アドレスを使用するため、SVLAN 上で共存させることができません。
• MAC セキュリティと CFM は、ハードウェア リソース制約により、カード上で共存させることができません。
10.12.21 イーサネット OAM
イーサネット OAM プロトコルは、IEEE 802.3ah 標準の一部であり、イーサネット MAN とイーサネット WAN の設置、モニタリング、およびトラブルシューティングに使用されます。このプロトコルでは、OSI モデルのデータ リンク レイヤ内のオプション サブレイヤが使用されます。イーサネット OAM プロトコルは、First Mile(EFM)アプリケーション内のイーサネット用に策定されました。イーサネット OAM と EFM は、ほとんど同じ意味で使用されています。
通常のリンク動作には、イーサネット OAM は必要ありません。イーサネット OAM は、ネットワークまたはネットワークの一部(特定のインターフェイス)の全二重ポイントツーポイント イーサネット リンクまたは疑似ポイントツーポイント イーサネット リンク上に実装できます。OAM Protocol Data Unit(OAM PDU; OAM プロトコル データ ユニット)と呼ばれる OAM フレームは、低速プロトコル宛先 MAC アドレス(0180.c200.0002)を使用します。OAM PDU は、MAC サブレイヤで代行受信されますが、イーサネット ネットワーク内の 1 つのホップにしか伝播できません。
イーサネット OAM は、デフォルトですべてのインターフェイス上でディセーブルになっています。イーサネット OAM がインターフェイス上でイネーブルになっている場合は、リンク モニタリングが自動的にオンになります。
イーサネット OAM プロトコルの詳細については、IEEE 802.3ah 標準を参照してください。OAM と他のプロトコルの相互作用については、 プロトコル互換性リストを参照してください。
10.12.21.1 イーサネット OAM のコンポーネント
イーサネット OAM は、OAM クライアントと OAM サブレイヤという 2 つの主要コンポーネントで構成されています。
10.12.21.1.1 OAM クライアント
OAM クライアントは、リンク上でイーサネット OAM を確立して管理します。また、OAM サブレイヤをイネーブルにして設定します。OAM クライアントは、OAM ディスカバリ フェーズで、リモート ピアから送られてくる OAM PDU をモニタして、OAM 機能をイネーブルにします。ディスカバリ フェーズ後は、OAM PDU に対する応答のルールと OAM リモート ループバック モードを管理します。
10.12.21.1.2 OAM サブレイヤ
OAM サブレイヤは、2 つの標準 IEEE 802.3 MAC サービス インターフェイスを提供します。
• 一方のインターフェイスは、MAC クライアント(またはリンク アグリゲーション)を含む上位サブレイヤに向けられています。
• もう一方のインターフェイスは、下位 MAC 制御サブレイヤに向けられています。
OAM サブレイヤは、OAM 制御情報と OAM PDU をクライアントとやり取りするための専用インターフェイスを提供します。
10.12.21.2 イーサネット OAM の利点
イーサネット OAM には、次のような利点があります。
• サービス プロバイダーの競争優位性
• リンクの動作状態をモニタして診断を実行するための標準化されたメカニズム
10.12.21.3 イーサネット OAM の機能
イーサネット OAM プロトコルは、次の OAM 機能を備えています。
• ディスカバリ:ネットワーク内のデバイスとその OAM 機能を識別します。ディスカバリ機能は、OAM PDU を定期的に使用して、OAM モード、設定、および機能をアドバタイズします。オプション フェーズを使用すれば、ローカル ステーションでピア OAM エンティティの設定を許可または拒否できます。
• リンク モニタリング:さまざまな条件下でリンク障害を検出して表示します。リンク上の問題を検出すると、イベント通知 OAM PDU を使用してリモート OAM デバイスに通知します。
• リモート障害表示:OAM エンティティで OAM PDU 内の特定のフラグを通して障害状態をピアに伝達できます。
• リモート ループバック:設置またはトラブルシューティング時にリモート ピアとのリンク品質を確認します。
10.12.21.4 サポートされているイーサネット OAM 機能
GE_XP、10GE_XP、GE_XPE、および 10GE_XPE カードは、IEEE.802.3ad 標準に従って次のイーサネット OAM 機能をサポートします。
• DLP-G639 CTC を使用したポートごとの EFM のイネーブル化またはディセーブル化
• DLP-G640 CTC を使用した EFM パラメータの設定
• DLP-G641 CTC を使用した EFM リンク モニタリング パラメータの設定
• DLP-G642 CTC を使用したポートごとのリモート ループバックのイネーブル化
これらの手順の詳細については、『 Cisco ONS 15454 DWDM Procedure Guide 』を参照してください。
10.12.21.5 イーサネット OAM の制限と制約
GE_XP、10GE_XP、GE_XPE、および 10GE_XPE カード上のイーサネット OAM には、次のような制限と制約があります。
• CFM、REP、リンク完全性、LACP、FAPS、SVLAN 上の IGMP、および L2 1+1 保護が EFM と一緒にサポートされません。
• IEEE EFM MIB がサポートされません。
• EFM はカード レベルでイネーブルまたはディセーブルにできません。
• 単方向機能がサポートされません。
• エラー シンボル期間、受信 CRC エラー、送信 CRC エラーがサポートされません。
• OAM PDU が 1 秒当たり 1 フレームに制限されます。
• Dying Gasp とクリティカル イベントがサポートされません。
(注) GE_XP、10GE_XP、GE_XPE、および 10GE_XPE カード上で Dying Gasp RFI が生成されません。ただし、ピア デバイスが Dying Gasp RFI を送信した場合は、カードがそれを検出してアラームを発生させます。
10.12.22 レジリエント イーサネット プロトコル
Resilient Ethernet Protocol(REP; レジリエント イーサネット プロトコル)は、ネットワーク ループの制御、リンク障害の対処、およびコンバージェンス時間の改善に使用されるプロトコルです。
REP は次のタスクを実行します。
• 1 つのセグメント内で接続されたポートのグループを制御します。
• セグメントでブリッジング ループが形成されないようにします。
• セグメント内のリンク障害に対処します。
• VLAN ロード バランシングをサポートします。
REP と他のプロトコルの相互作用については、 プロトコル互換性リストを参照してください。
10.12.22.1 REP セグメント
REP セグメントは、相互接続されたポートのチェーンで、セグメント ID が設定されます。各セグメントは、標準セグメント ポートと 2 つのエッジ ポートで構成されます。GE_XP、10GE_XP、GE_XPE、または 10GE_XPE カードには、同じセグメントに属している最大 2 つのポートを取り付けることができ、セグメント ポートごとに 1 つずつの外部ネイバー ポートを付加できます。
セグメントは、1 つのリンク障害に対してのみ保護されます。セグメント内で複数の障害が発生した場合は、接続が失われます。
10.12.22.2 REP セグメントの特徴
REP セグメントには、次のような特徴があります。
• セグメント内のすべてのポートが作動可能な場合は、1 つのポートが各 VLAN のトラフィックをブロックします。VLAN ロード バランシングが設定されている場合は、セグメント内の 2 つのポートが VLAN のブロック ステートを制御します。
• セグメント内のどのポートも作動しない場合は、他の作動可能なポートがすべての VALN 上のトラフィックを転送することによって、接続が保証されます。
• リンク障害時は、ただちに代替ポートがブロック解除されます。障害リンクが復旧すると、ネットワークの中断を最小限に抑えるように VLAN 単位で論理的にブロックされたポートが選択されます。
10.12.22.3 REP ポート ステート
REP セグメント内のポートは、3 つの役割またはステート(障害、オープン、または代替)のいずれかになります。
• 標準セグメント ポートとして設定されたポートは、障害ポートとして起動します。
• ネイバーとの隣接関係が特定されると、このポートが、インターフェイス上のすべての VLAN をブロックする代替ポート ステートに遷移します。ブロックされたポートのネゴシエーションが実施され、セグメントが安定すると、1 つのブロックされたポートが代替ロールに留まり、他のすべてのポートがオープン ポートになります。
• リンク内で障害が発生すると、すべてのポートが障害ステートに遷移します。代替ポートは、障害通知を受信すると、すべての VLAN を転送するオープン ステートに遷移します。
10.12.22.4 リンク隣接関係
セグメント ポートごとに、直近のネイバーとの隣接関係が構築されます。リンク障害が検出されると、ローカルに対処されます。ポートがネイバーに伴う問題を検出すると、それ自体を作動不能として宣言し、REP が新しいトポロジに収束します。
REP Link Status Layer(LSL; リンク ステータス レイヤ)が、ネイバー ポートを検出して、セグメント内部の接続を確立します。ネイバー ポートが特定されるまで、インターフェイス上ですべての VLAN がブロックされます。ネイバー ポートが特定されると、代替ポートになるべきネイバー ポートとトラフィックを転送すべきポートを REP が決定します。
セグメント内のポートごとに、一意のポート ID が割り当てられます。セグメント ポートが起動すると、LSL レイヤがセグメント ID とポート ID を含むパケットを送信します。
次の条件が満たされた場合は、セグメント ポートが作動可能になりません。
• どのネイバー ポートにも同じセグメント ID が割り当てられていてはならないが、複数のネイバー ポートに同じセグメント ID が割り当てられている。
• ネイバー ポートがローカル ポートをピアとして認識しない。
10.12.22.5 高速リコンバージェンス
REP は、物理リンク上で動作しますが、VLAN 単位では動作しません。すべての VLAN に対して 1 つの hello メッセージしか必要ないため、プロトコル上の負荷が軽減されます。
REP Hardware Flood Layer(HFL; ハードウェア フラッド レイヤ)は、管理 VLAN 上のハードウェア内でパケットをフラッディングさせる送信メカニズムです。HFL では、ソフトウェアでメッセージを中継したときのような遅延が発生しません。HFL は、50 ~ 200 ミリ秒の高速リコンバージェンスに使用されます。
10.12.22.6 VLAN ロード バランシング
セグメント内の 2 つのエッジ ポートを VLAN ロード バランシング用に設定する必要があります。REP セグメント内の一方のエッジ ポートがプライマリ エッジ ポートとして機能し、もう一方のエッジ ポートがセカンダリ エッジ ポートとして機能します。プライマリ エッジ ポートは、常時、セグメント内の VLAN ロード バランシングに参加します。VLAN ロード バランシングは、設定された代替ポートで特定の VLAN をブロックし、プライマリ エッジ ポートで他の VLAN をブロックすることによって実現されます。
10.12.22.7 REP 設定順序
REP を設定するには、次のタスクを順番に実行する必要があります。
• REP 管理 VLAN を設定するか、デフォルトの VLAN 1 を使用します。REP 管理 VLAN の範囲は 1 ~ 4093 です。VLAN 4094 は許可されません。
• インターフェイス コンフィギュレーション モードでセグメントにポートを追加します。
• ポート上で REP をイネーブルにして、それにセグメント ID を割り当てます。デフォルトで、REP はすべてのポート上でディセーブルになっています。セグメント ID の範囲は 1 ~ 1024 です。
• セグメント内で 2 つのエッジ ポートを設定します。一方のポートをプライマリ エッジ ポートに、もう一方のポートをセカンダリ エッジ ポートに設定します。
• セグメント内の 2 つのポート、たとえば、別々のスイッチ上のポートがプライマリ エッジ ポートとして設定された場合は、REP がポートの優先順位に基づいてプライマリ エッジ ポートとして機能すべきポートを選択します。プライマリ オプションは、エッジ ポート上でのみイネーブルになります。
• Segment Topology Change Notification(STCN; セグメント トポロジ変更通知)と VLAN ロード バランシングを別のポートまたは他のセグメントに送信するようにプライマリ エッジ ポートを設定します。STCN と VLAN ロード バランシングの設定は、エッジ ポートに対してのみイネーブルになります。
(注) ポートは、1 つのセグメントにだけ属することができます。同じセグメントに属することができるポートは 2 つだけです。両方のポートを標準ポートとエッジ ポートのどちらかにする必要があります。ただし、どのネイバー ポートも設定されていない場合は、一方のポートをエッジ ポートに、もう一方のポートを標準ポートにすることができます。
10.12.22.8 REP がサポートするインターフェイス
REP は次のインターフェイスをサポートします。
• REP は、クライアント(UNI)ポートとトランク(NNI)ポート上でサポートされます。
• クライアント ポート上で REP をイネーブルにすると、カードが L2 ネットワークに接続されている場合に、アクセス レイヤまたはアグリゲーション レイヤでの保護が可能になります。
• トランク ポート上で REP をイネーブルにすると、カードがリングに接続されている場合に、エッジ レイヤでの保護が可能になります。
10.12.22.9 REP の制限と制約
GE_XP、10GE_XP、GE_XPE、および 10GE_XPE カード上の REP には、次のような制限と制約があります。
• 高速リコンバージェンスと VLAN ロード バランシングがトランスペアレント モードの UNI ポート上でサポートされません。
• ネイティブ VLAN がサポートされません。
• CFM、EFM、リンク完全性、LACP、FAPS、および L2 1+1 保護が、REP セグメントの一部として設定されたポート上でサポートされません。逆も同じです。
• NNI ポートは、アクセス レイヤまたはアグリゲーション レイヤでプライマリ エッジ ポートまたはブロッキング ポートとして設定できません。
• GE_XP、10GE_XP、GE_XPE、および 10GE_XPE カード上で設定できる REP セグメントは 3 つだけです。
• 次の設定を考えてみます。
複数の REP クローズド セグメントが GE_XP、10GE_XP、GE_XPE、および 10GE_XPE カード上で設定されており、同じ HFL 管理 VLAN がスイッチ上でイネーブルになっています。
複数の共通スイッチ上で 2 つの異なるセグメントが設定されている場合は次のような現象が発生します。
– レイヤ 1 ループ
– 1 つの REP セグメントで障害が発生すると、セグメント全体で HFL パケットがフラッディングする
– セグメントで障害が発生しない場合でも LSL タイムアウトが原因でセグメントがダウンする
したがって、複数の共通スイッチ上で 2 つの異なるセグメントを設定しないように推奨します。
• 次の設定を考えてみます。
– VLAN ロード バランシングは、VLB プリエンプト遅延を指定することによって、GE_XP、10GE_XP、GE_XPE、および 10GE_XPE カード上で設定されます。
– プライマリ エッジ ポートとセカンダリ エッジ ポートは同じスイッチ上で設定されます。
– HFL または LSL がアクティブにされます。
この設定は、手動プリエンプション、VLB アクティベーション、およびデアクティベーション中に、高コンバージェンス時間(400 ~ 700 ミリ秒)をもたらします。
10.13 ADM-10G カード
ADM-10G カードは ONS 15454 SONET、ONS 15454 SDH、ONS 15454 M2、ONS 15454 M6、および DWDM ネットワーク上で動作し、転送用の DWDM 波長にわたって光信号とギガビット イーサネット信号を転送します。このカードは、より低いビット レートのクライアント SONET 信号または SDH 信号(OC-3/STM-1、OC-12/STM-4、OC-48/STM-16、またはギガビット イーサネット)を、より高い OC-192/STM-64 レートで動作する C バンド調整可能 DWDM トランクに集約します。DWDM ネットワークでは、ADM-10G カードが、複数の保護オプションを使用してギガビット イーサネットと SONET または SDH 回線を同じ波長にマッピングすることによって、DWDM 上でトラフィックを転送します。
ADM-10G カードは、次の場所に線形設定で実装してプロビジョニングできます。
• 標準および高密度 ONS 15454 ANSI シェルフ(15454-SA-ANSI または 15454-SA-HD)、ETSI ONS 15454 標準シェルフ アセンブリ、または ONS 15454 ETSI 高密度シェルフ アセンブリ内のスロット 1 ~ 5 と 12 ~ 16
• ONS 15454 M2 シャーシ内のスロット 2
• ONS 15454 M6 シャーシ内のスロット 2 ~ 6
注意 ファン トレイ アセンブリ 15454E-CC-FTA(ETSI シェルフ)/15454-CC-FTA(ANSI シェルフ)は、ADM-10G カードが実装されているシェルフに取り付ける必要があります。
このカードは SDH 信号に関する ITU-T G.825 と ITU-T G.783 に準拠しています。また、ITU-T G.707 の規定に従って、連結および非連結 AU-4 マップド STM-1、STM-4、および STM-16 信号をサポートします。さらに、Telcordia GR-253-CORE の Section 5.6 に準拠しており、この標準に従って Synchronous Transport Signal(STS; 同期転送信号)マップド OC-3、OC-12、および OC-48 信号をサポートします。
クライアント SFP とトランク XFP は、Telcordia GR-253-CORE、ITU-T G.957 または ITU-T G.959.1、および IEEE 802.3 内のインターフェイス要件に準拠しています。
10.13.1 主な特徴
ADM-10G カードは、次のハイレベルな特徴を備えています。
• TCC2、TCC2P、TCC3、TNC、または TSC と連動します。
• TXP_MR_10E、TXP_MR_10E_C、TXP_MR_10EX_C、および OTU2_XP カードと相互運用できます。
• クライアント、トランク、および STS 相互接続を含む OC-192/STM-64 アド/ドロップ多重化機能が内蔵されています。
• シングルカード設定とダブルカード(ADM-10G ピア グループ)設定の両方をサポートします。
• シングルカード設定とダブルカード設定の両方に対して、クライアント ポートとトランク ポート上でのパス保護/SNCP をサポートします。カードは、クライアント ポートとトランク ポート間のパス保護/SNCP をサポートしません。パス保護/SNCP は 2 つのクライアント ポート間または 2 つのトランク ポート間でのみサポートされます。
• ダブルカード設定の場合にのみ、クライアント ポート上で 1+1 保護をサポートします。
• クライアント SFP 上で SONET、SDH、およびギガビット イーサネット プロトコルをサポートします。
• XFP DWDM トランク インターフェイスの単一波長をサポートします。
• TCC2/TCC2P/TCC3/TNC/TSC カードがアクティブからスタンバイに切り替わった場合、または、強制保護スイッチが実施された場合に、ゼロ ビット エラーを返します。
• 16 SFP ベースのクライアント インターフェイス(グレー、カラード、Coarse Wavelength Division Multiplexing(CWDM; 低密度波長分割多重)、および使用可能な DWDM 光モジュール)を備えています。
• STM1、STM4、STM16、およびギガビット イーサネット クライアント信号(最大 8 ギガビット イーサネット)をサポートします。
• ダブルカード設定の場合に、E-FEC/FEC と ITU-T G.709 をサポートする 1 つの XFP ベース トランク インターフェイスを備えています。
• シングルカード設定の場合に、E-FEC/FEC と ITU-T G.709 をサポートする 2 つの XFP ベース トランク インターフェイスを備えています。
• ダブルカード設定の場合に、保護ボードとパススルー トラフィックとの冗長接続をサポートする 2 つの SR XFP インターリンク インターフェイスを備えています。
• Ethernet over SONET または SDH に対して Frame-mapped Generic Framing Procedure(GFP-F)と LEX マッピングをサポートします。
• ギガビット イーサネット インターフェイスに対して 1000BASE-X 自動ネゴシエーションをサポートします。
• シェルフ内の他のサービス カードに影響を与えることなく、任意のスロットに実装したり、運用から切り離したりできます。
• シングルカード設定とダブルカード設定の両方に対して、クライアント間ヘアピニング、つまり、2 つのクライアント ポート間の回線構築をサポートします。詳細については、「回線プロビジョニング」を参照してください。
10.13.2 ADM-10G POS カプセル化、フレーミング、および CRC
ADM-10G カードは、シングルカード設定とダブルカード(ADM-10G ピア グループ)設定の両方において、8 GigE ポート(ポート 1 ~ 8)に対応する 8 POS ポート上の Cisco EoS LEX(LEX)と Generic Framing Procedure Framing(GFP-F)カプセル化をサポートします。
ADM-10G カード上のフレーミングをデフォルト GFP-F または LEX フレーミングのどちらかとしてプロビジョニングできます。GFP-F フレーミングを使用すれば、32 ビット Cyclic Redundancy Check(CRC; 巡回冗長検査)またはなし(CRC なし)(デフォルト)を設定できます。LEX フレーミングは 16 ビットまたは 32 ビット CRC 設定をサポートします。ポート上に回線が通っている場合は、フレーミング タイプを変更できません。
CTC 上で、カード ビューに移動して、[Provisioning] > [Line] > [Ethernet] タブをクリックします。イーサネット ポート上で設定可能なパラメータを確認するには、[CTC Display of ethernet Port Provisioning Status] を参照します。管理ステート、サービス ステート、フレーミング タイプ、CRC、MTU、ポートのソーク時間などのパラメータを設定できます。
さまざまな種類のカプセル化をサポートする機器(一方の側が LEX でもう一方の側が GFP-F など)間でエンドツーエンド回線を構築できます ただし、このような環境下では、トラフィックが通過しないため、不一致が起きたときにアラームが発生します。
10.13.2.1 POS の概要
イーサネット データ パケットは、フレーミングして SONET/SDH フレームにカプセル化しなくても SONET/SDH ネットワーク上で転送できます。このフレーミングおよびとカプセル化プロセスは、Packet Over SONET/SDH(POS)と呼ばれています。
イーサネット フレームは、ADM-10G カードの標準ギガビット イーサネット ポートに送信され、カードのフレーミング メカニズムを通して処理され、POS フレームにカプセル化されます。POS フレームが存在する場合は、ADM-10G カードが POS 回線内にあり、この回線が ONS ノード内の他の SONET 回線(STS)または SDH 回線(VC)として扱われます。この回線は、相互接続されており、SONET/SDH 信号を光カードのポートから SONET/SDH ネットワークに送出します。
POS 回線の宛先は、POS インターフェイスをサポートするカードまたはデバイスです。宛先カード フレーム内のデータ パケットが除外され、イーサネット フレームに加工されます。その後で、イーサネット フレームがカードの標準イーサネット ポートに送信され、イーサネット ネットワーク上に転送されます。
10.13.2.2 POS フレーミング モード
POS フレーミング モードは、データ パケットをフレーミングして POS 信号にカプセル化するために ADM-10G カードで採用されたフレーミング メカニズムの一種です。このデータ パケットは、元々、ADM-10G カードの標準ギガビット イーサネット インターフェイスに到着したときにイーサネット フレームにカプセル化されたものです。
10.13.2.2.1 GFP-F フレーミング
GFP-F フレーミングは、ITU-T G.7041 に従ってマッピングされた標準の Ethernet over GFP-F を表します。GFP-F は、さまざまな種類のサービスから SONET/SDH への標準ベースのマッピングを定義します。また、1 つの可変長データ パケットを 1 つの GFP パケットにマッピングします。さらに、共通関数とペイロード固有関数で構成されています。共通関数は、すべてのペイロードで共有される関数です。ペイロード固有関数は、ペイロード タイプによって異なります。GFP-F の詳細は、ITU 勧告 G.7041 に記載されています。
10.13.2.2.2 LEX フレーミング
LEX カプセル化は、HDLC フレーム ベースのシスコ独自のプロトコルで、フィールドが Internet Engineering Task Force(IETF)RFC 1841 で規定された値に設定されます。HDLC は、最も一般的なレイヤ 2 プロトコルの 1 つです。HDLC フレームでは、ゼロ挿入/削除プロセス(ビット スタッフィングとして広く知られている)を使用して、デリミタ フラグのビット パターンがフラグ間のフィールド内に出現しないことが保証されます。HDLC フレームは、同期しているため、物理レイヤを使用してフレームの送受信をクロッキングおよび同期化する手段を提供します。HDLC フレーミング メカニズムの詳細は、IETF RFC 1662 の「PPP in HDLC-like Framing」に記載されています。
10.13.2.3 GFP の相互運用性
ADM-10G カードは、デフォルトで ITU-T G.7041 に準拠した GFP-F カプセル化に設定されています。このモードでは、ADM-10G カードが ONS 15310-CL、ONS 15310-MA、ONS 15310-MA SDH、または ONS 15454 データ カード(ONS 15454 CE100T-8 カードや ML1000-2 カードなど)と連動できます。GFP カプセル化を使用すれば、ADM-10G カードは、ITU-T G.7041 標準に準拠した他のベンダーのギガビット イーサネット インターフェイスと相互運用することもできます。
10.13.2.4 LEX の相互運用性
LEX カプセル化は RFC 1841 に準拠しています。このモードでは、ADM-10G カードが ONS 15310-CL、ONS 15310-MA、ONS 15310-MA SDH、または ONS 15454 データ カード(G1000-4/G1K-4、CE-1000-4、ONS 15454 CE100T-8、ML1000-2 カードなど)と連動できます。
10.13.3 前面プレート
図 10-29 に、ADM-10G カードの前面プレートを示します。
図 10-29 ADM-10G カードの前面プレートとブロック図
10.13.4 ポート設定ルール
図 10-30 に、ADM-10G カードのクライアント ポートとトランク ポートの容量を示します。
図 10-30 ADM-10G カードのポート容量
ポート 17 は、シングルカード設定またはダブルカード設定に基づいて、trunk2 インターフェイスまたは ILK1 インターフェイスとして機能します。
10.13.5 クライアント インターフェイス
図 10-30 に示すように、ADM-10G カードは LC 光ポート コネクタを使用し、OC-N/STM-N トラフィックに使用可能な最大 16 の SFP をサポートします。8 つの SFP をギガビット イーサネットに使用できます。このインターフェイスは、OC-3/STM-1、OC-12/STM-4、OC-48/STM-16、さまざまな距離(SX、LX、ZX、SR、IR、または LR)のギガビット イーサネットの組み合わせをサポートします。また、次の容量をサポートします。
• 4 x OC-48/STM-16
• 16 x OC-12/STM-4
• 16 x OC-3/STM-1
• 8 x GE
サポートされているクライアント SFP と XFP は次のとおりです。
• グレー SFP
– 1000Base-SX SFP 850 nm(ONS-SE-G2F-SX=)
– 1000Base-LX SFP 1310 nm(ONS-SE-G2F-LX=)
– OC48/STM16 IR1、OC12/STM4 SR1、OC3/STM1 SR1、GE-LX マルチレート SFP 1310 nm(ONS-SE-Z1=)
– OC3/STM1 IR1、OC12/STM4 IR1 マルチレート SFP 1310 nm(ONS-SI-622-I1=)
– OC48/STM16 SR1 SFP 1310 nm(ONS-SI-2G-S1=)
– OC48/STM16 IR1 SFP 1310 nm(ONS-SI-2G-I1=)
– OC48/STM16、1550 LR2、SM LC(ONS-SE-2G-L2=)
• カラード DWDM SFP
– 1000Base-ZX SFP 1550 nm(ONS-SI-GE-ZX=)
– OC3/STM1 LR2 SFP 1550 nm(ONS-SI-155-L2=)
– OC48/STM16 LR2 SFP 1550 nm(ONS-SI-2G-L2=)
– OC48/STM16 SFP(ONS-SC-2G-xx.x)
(注) xx.x = 28.7 ~ 60.6 ONS-SC-2G-28.7、ONS-SC-2G-33.4、ONS-SC-2G-41.3、ONS-SC-2G-49.3、および ONS-SC-2G-57.3 が、リリース 8.5 以降でサポートされています。
• CWDM SFP
– OC48/STM16/GE CWDM SFP(ONS-SC-Z3-xxxx)
• XFP
– OC-192/STM-64/10GE XFP 1550 nm(ONS-XC-10G-I2)
10.13.6 インターリンク インターフェイス
ILK1(ポート 17)と ILK2(ポート 18)という名前の 2 つの 2R インターリンク インターフェイスが、ダブルカード設定で ADM-10G ピア グループを作成するために提供されています。シングルカード設定では、ポート 17(OC-192/STM-64)とポート 18(OC-192/STM-64 または OTU2 ペイロード)をトランク インターフェイスとして設定する必要があります。ダブルカード設定(ADM-10G ピア グループ)では、ポート 17 とポート 18 を、それぞれ、ILK1 インターフェイスと ILK2 インターフェイスとして設定する必要があります。同じシェルフ上に実装された 2 つの ADM-10G カード間でこれらのポートを物理的にケーブルで接続すれば、それらを ADM-10G ピア グループとして設定できます。ILK ポートは、それぞれ 10 Gb のトラフィックを伝送します。
インターリンク インターフェイスは STM64 SR1(ONS-XC-10G-S1=)XFP をサポートします。
10.13.7 DWDM トランク インターフェイス
ADM-10G カードは、ITU-T G.709 標準に従って、OC-192/STM-64 信号転送と ITU-T G.709 デジタル ラッピングをサポートします。また、ADM-10G カードは、次の 3 つのトランク XFP をサポートします。
• シングルカード設定内の 2 つの DWDM トランクと 1 つのトランク インターフェイス
• ダブルカード設定内の 1 つの DWDM トランク XFP
サポートされている DWDM トランク XFP は次のとおりです。
• 10G DWDM(ONS-XC-10G-xx.x=)(カラード XFP)
• STM64 SR1(ONS-XC-10G-S1=)(グレー XFP)
10.13.8 設定管理
OC-48/STM-16 トラフィックを使用している場合は、表 10-42 に示す一部の連続ポート設定がハードウェア制限によって使用できません。この制限は、ギガビット イーサネット ペイロードに影響を与えません。
(注) ADM-10G カードは、SONET または SDH 相互接続カードと一緒に使用できません。
表 10-42 OC-48/STM-16 設定の制限
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ポート 13 上の OC-48/STM-16 |
ポート 1 ~ 3 上の OC-N/STM-N は不可 |
ポート 14 上の OC-48/STM-16 |
ポート 4 ~ 6 上の OC-N/STM-N は不可 |
ポート 15 上の OC-48/STM-16 |
ポート 7 ~ 9 上の OC-N/STM-N は不可 |
ポート 16 上の OC-48/STM-16 |
ポート 10 ~ 12 上の OC-N/STM-N は不可 |
(注) トランクごとの総トラフィック レートは、各 ADM-10G カード上で、または、ADM-10G ピア グループごとに OC-192/STM-64 を超えることができません。
(注) ギガビット イーサネットはポート 1 ~ 8 上でサポートされます。ポート 9 ~ 12 は OC-3/STM-1 または OC-12/STM-4 にしか対応していません。
加えて、次の指針が ADM-10G カードに適用されます。
• トランク ポート 17 は OC-192/STM-64 に対応しています。
• トランク ポート 18 と 19 は OC-192/STM-64 と OTU2 に対応しています。
• インターリンク ポートは OC-192/STM-64 に対応しています。
• 最大 6 枚の ADM-10G カードを 1 つのシェルフに実装できます。
• カードが 1 つのシェルフに実装されているか、複数のシェルフに実装されているかに関係なく、最大 24 枚の ADM-10G カードを Network Element(NE; ネットワーク要素)ごとに実装できます。
• カードは、すべての 15454-SA-ANSI シェルフと 15454-SA-HD シェルフだけでなく、ETSI ONS 15454 の標準シェルフと高密度シェルフで使用できます。
• ランプ テスト機能は、CTC からアクティブにして、すべての LED が機能するかどうかを確認できます。
• カードは、現用保護カードまたは現用非保護カードとして動作できます。
• 冗長設定では、アクティブ カードのハードウェアまたはソフトウェア障害によって、スタンバイ カードに切り替えられます。このスイッチは、10 ms 以内に検出され、50 ms 以内に完了します。
• ADM-10G カードは、MTU サイズが 64 ~ 9,216 バイト(最大が 9,216 バイト)のジャンボ フレームをサポートします。
• リンク障害またはパス障害の発生後に、ADM-10G カードは、ダウンストリーム ギガビット イーサネット ポートのみをシャットダウンできます。
(注) ADM-10G カードでは、ギガビット イーサネット ポートがフロー制御をサポートしません。
10.13.9 セキュリティ
SFP または XFP が接続された ADM-10G カードには、ベンダー ID とシリアル番号をキーとして使用する Cisco Standard Security Code Check Algorithm が実装されています。
Pluggable Port Module(PPM; 着脱可能ポート モジュール)がカード上のポートに接続されていても、それがシスコ PPM でないという理由でセキュリティ コード チェックに合格しなかった場合は、マイナー NON-CISCO-PPM アラームが発生します。
非認定製品 ID の PPM がこのカード上のポートに接続されている場合、つまり、PPM がシスコ PPM としてセキュリティ コード チェックに合格しているが、ADM-10G カードでの使用に適していない場合は、マイナー UNQUAL-PPM アラームが発生します。
10.13.10 保護
ADM-10G カードは、Telcordia GR-253-CORE、Telcordia GR-1400-CORE、および ITU-T G.841 仕様に準拠した 1+1 および SONET パス保護アーキテクチャと SDH SNCP 保護アーキテクチャをサポートします。
10.13.10.1 回線保護スキーム
ADM-10G カードは、パス保護/SNCP 回線を STS/VC4(上位)レベルでサポートしており、信号劣化計算に基づいて切り替えるように設定できます。このカードは、シングルカード設定とダブルカード設定の両方に対して、クライアント ポートとトランク ポート上のパス保護/SNCP をサポートします。
(注) ADM-10G カードは、クライアント ポートとトランク ポート 17 間のパス保護/SNCP をサポートします。このカードは、クライアント ポートとトランク ポート 18 または 19 間のパス保護/SNCP をサポートしません。また、ポート 17 とトランク ポート 18 または 19 間のパス保護/SNCP をサポートしません。
このカードは、他のベンダー機器を組み込んだオープンエンド パス保護/SNCP 設定を可能にします。オープンエンド パス保護/SNCP では、1 つのソース ポイントと 2 つの可能性のあるエンドポイント(または、2 つの可能性のあるソース ポイントと 1 つのエンドポイント)を指定でき、途中に他のベンダーの機器を含めることができます。ソースとエンドポイントは、CTC で検出されるネットワークの一部です。
パス保護設定と SNCP の詳細については、『 Cisco ONS 15454 Reference Manual 』を参照してください。
10.13.10.2 ポート保護スキーム
ADM-10G カードは、ダブルカード設定(ADM-10G ピア グループ)の場合にのみ、クライアント ポート上での単方向および双方向 1+1 APS 保護スキームをサポートします。1+1 APS 保護スキームは、シングルカード設定でサポートされません。1+1 光クライアント ポート保護の場合は、ADM-10G ピア グループの別々のカード上に存在する同様のファシリティ インターフェイスのペアを使用するようにシステムを設定できます。光ポート保護の詳細については、『 Cisco ONS 15454 Reference Manual 』を参照してください。
10.13.10.3 柔軟な保護メカニズム
ADM-10G カードは、トランク側とクライアント側の両方で Unidirectional Path Switched Ring(UPSR; 単方向パス スイッチ型リング)または Subnetwork Connection Protection(SNCP; サブネットワーク接続保護)としてプロビジョニングできます。UPSR または SNCP はシングルカード設定とダブルカード設定の両方でサポートされます。ADM-10G カードは、カード単位で、最大 288 の非保護 High-Order(HO; 上位)相互接続回線と最大 192 の保護(UPSR または SNCP)をサポートします。シェルフ単位では、1728/1152 の HO 相互接続回線になります。HO 相互接続回線は、STS-1、STS-3c、STS-9c、STS-12c、STS-24c(CCAT または VCAT)などの STS レベル接続に対するグルーミング機能を STS1 レベルの精度で提供します。標準のセントラル オフィス ベイ アセンブリに実装されたシェルフは、最大 5178/3456 の HO 双方向相互接続回線をサポートできます。
10.13.11 回線プロビジョニング
ADM-10G カードは、シングルカード設定とダブルカード(ADM-10G ピア グループ)設定の両方で STS 回線プロビジョニングをサポートします。このカードを使用すれば、次の場所で STS 回線を構築できます。
• クライアント ポートとトランク ポート間
• 2 つのトランク ポート間
• 2 つのクライアント ポート間(クライアント間ヘアピニング)
(注) 2 つのトランク ポート間の回線は、パススルー回線と呼ばれています。
シングルカード設定の ADM-10G カードで、2 つのクライアント ポート間に STS 回線を構築する場合は、次の制限を考慮する必要があります。
• ギガビット イーサネット間接続はサポートされません。
ADM-10G ピア グループの一部である ADM-10G カードで、2 つのクライアント ポート間またはクライアント ポートとトランク ポート間に STS 回線を構築する場合は、次の制限を考慮する必要があります。
• ギガビット イーサネット間接続はサポートされません。
• 2 枚のピア グループ カード間での Optical Channel(OC; 光チャネル)間接続、OC とギガビット イーサネット間接続、およびギガビット イーサネットと OC 間接続はサポートされません。ピア グループ接続はインターリンク ポート帯域幅を使用するため、インターリンク ポート帯域幅の可用性/断片化によっては、ギガビット イーサネット/OC クライアント ポートからピア カード トランク ポートまでの STS 接続が構築できない可能性があります。これは、回線を構築するには、連続 STS(つまり、STS-3c、STS-12c、STS-24c など)をインターリンク ポート上で使用可能にする必要があるためです。
(注) 2 つのトランク ポート間で構築する STS 回線に制限はありません。
10.13.12 ADM-10G CCAT と VCAT の特徴
ADM-10G カードは、シングルカード設定とダブルカード(ADM-10G ピア グループ)設定の両方において、8 つの GigE ポート(ポート 1 ~ 8)上で HO Contiguous ConcATenation(CCAT)回線と HO Virtual ConcATenation(VCAT)回線をサポートします。
サード パーティ ネットワークを横断する VCAT 回線内のエンドツーエンド接続をイネーブルにするために、オープンエンド VCAT 回線構築を利用できます。詳細については、『 Cisco ONS 15454 Procedure Guide 』の「Create Circuits and Provisionable Patchcords」の章を参照してください。
ADM-10G カードは、柔軟な非 LCAS VCAT Group(VCG)をサポートします。柔軟な VCG を使用すれば、ADM-10G で次のような処理を実行できます。
• グループに対してメンバーを追加または削除する
• サービスに対してメンバーを追加または削除し、グループに対してもメンバーを追加または削除する
• VCG に対して相互接続回線を追加または削除する
VCG メンバーに対するすべての処理(VCG に対するメンバーの追加または削除など)がサービスに影響します。関連するメンバーがグループに属していない場合の相互接続回線の追加または削除はサービスに影響しません。
ADM-10G カードでは、VCAT 回線のメンバー単位でルーティングと保護を設定できます。完全に保護されている、保護されていない、または Protection Channel Access(PCA; 保護チャネル アクセス)を使用する(PCA が使用可能な場合)VCAT 回線の容量を制御することもできます。メンバー単位だけでなく、Virtual Concatenation Group(VCG; 仮想連結グループ)単位でもアラームがサポートされます。
ADM-10G カードは、VCAT 回線の自動ルーティングと手動ルーティングの両方、つまり、手動または自動でルーティングされるすべてのメンバーをサポートします。双方向 VCAT 回線は左右対称です。これは、両方向で同数のメンバーが伝送されることを意味します。自動ルーティングを使用した場合は、個別のメンバーに制限を設定できます。手動ルーティングを使用した場合は、メンバーごとに異なるスパンを選択できます。VCAT メンバーに対して、共通ファイバ ルーティングとスプリット ルーティングの 2 種類の自動ルーティングと手動ルーティングを使用できます。
ADM-10G カードは、VCAT 共通ファイバ ルーティングと VCAT スプリット ファイバ(ダイバース)ルーティングをサポートします。VCAT スプリット ファイバ ルーティングを使用すれば、CCAT や VCAT 共通ファイバ ルーティングで要求されているように、同じパスをたどらなくても、SONET、SDH、または DWDM ネットワークを通してメンバー単位でルーティングできます。これにより、ネットワーク帯域幅が効率的に使用されるようになりますが、パス長や遅延の違いによって、VCG のメンバーによって到着時間に若干の差が出る場合があります。VCAT 遅延差は、VCG のメンバー間のこの相対的な到着時間差です。ADM-10G カードの最大許容 VCAT スプリット ファイバ ルーティング遅延差は約 55 ミリ秒です。サポートされている最大遅延差を超えた場合は、調整不足アラームが発生します。
CTC 回線設定プロセスでスプリット ファイバ ルーティングを選択すると、遅延差補正機能が自動的にイネーブルになります。CCAT と VCAT 共通ファイバ ルーティングでは、遅延差サポートが必要ないため、イネーブルになりません。
注意 遅延差補正機能がイネーブルの場合は、スイッチング時間が 60 ミリ秒未満の保護スイッチが保証されません。スイッチング時間に補正時間が加算されます。
(注) TL1 の場合は、ENT-VCG コマンド内の EXPBUFFERS パラメータを ON に設定して、スプリット ファイバ ルーティングのサポートをイネーブルにする必要があります。
使用可能な回線規模
表 10-43 と 表 10-44 に、ADM-10G カードに使用可能な回線規模を示します。
表 10-43 ONS 15454 に実装された ADM-10G カードでサポートされる SONET 回線規模
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STS-1 |
STS-1-1 n V( n= 1 ~ 21) |
STS-3c |
STS-3c- m v( m = 1 ~ 7) |
STS-6c |
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STS-9c |
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STS-12c |
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STS-24c |
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表 10-44 ONS 15454 SDH に実装された ADM-10G カードでサポートされる SDH 回線規模
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VC-4 |
VC-4- m v( m = 1 ~ 7) |
VC-4-2c |
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VC-4-3c |
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VC-4-4c |
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VC-4-8c |
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10.13.13 自動レーザー遮断
ALS 手順は、クライアント インターフェイスとトランク インターフェイスの両方でサポートされています。クライアント インターフェイス上では、ALS が ITU-T G.664(6/99)に準拠しています。データ アプリケーションおよびトランク インターフェイス上では、スイッチ オン/オフのパルス幅が 60 秒を超えます。このオン/オフのパルス幅はユーザが設定できます。カードの ALS プロビジョニングの詳細については、『 Cisco ONS 15454 DWDM Procedure Guide 』を参照してください。
中間パス パフォーマンス モニタリング
Intermediate Path Performance Monitoring(IPPM; 中間パス パフォーマンス モニタリング)を使用すれば、ノードで着信伝送信号の成分チャネルをモニタできます。ADM-10G カードの OCn ポートとトランク ポート上で STS/VC-4s ペイロードに対する IPPM をイネーブルにできます。IPPM は GR253/G.826 に準拠しています。
ソフトウェア リリース 9.2 以降では、ADM-10G カードで IPPM をイネーブルにすることによって、個別の STS/VC-4 ペイロード上の近端と遠端の PM データをモニタできます。カード上で IPPM をプロビジョニングすれば、サービス プロバイダーは、中間ノードを通して大量の STS/VC-4 トラフィックをモニタすることによって、トラブルシューティング作業とメンテナンス作業の効率性を高めることができます。IPPM は、IPPM がイネーブルになっている STS/VC-4 パスに対してのみ実施され、TCA は、選択された IPPM パス上の PM パラメータに対してのみ発生します。
CCAT 回線の場合は、連結グループの最初の STS/VC-4 に対してのみ IPPM をイネーブルにできます。VCAT 回線の場合は、連結グループのメンバー STS/VC-4 単位で IPPM をイネーブルにできます。
ポインタ位置調整カウント パフォーマンス モニタリング
ポインタは、周波数と位相変化を補うために使用されます。ポインタ位置調整カウントは、SONET ネットワーク上のタイミング エラーの回数を表します。ネットワークの同期が外れると、転送信号上でジッターやワンダーが発生します。過剰なワンダーは終端デバイスのスリップを引き起こす可能性があります。
スリップが発生すると、サービスにさまざまな影響が出ます。音声サービスでは、クリック音が断続的に発生します。圧縮音声技術では、ショート伝送エラーやコールのドロップが発生します。FAX 機では、走査線が欠落したり、コールのドロップが発生したりします。デジタル ビデオ伝送では、画像が歪んだり、フレームがフリーズしたりします。暗号化サービスでは、暗号キーが失われてデータの再送信が必要になります。
ポインタは、STS と VC4 ペイロード内の位相変動を調整する手段を提供します。STS ペイロード ポインタは、回線オーバーヘッドの H1 バイトと H2 バイトに配置されます。クロッキング差は、ポインタから STS Synchronous Payload Envelope(SPE; 同期ペイロード エンベロープ)の最初のバイト(J1 バイトと呼ばれる)までのオフセットから算出されます。クロッキング差が正常範囲の 0 ~ 782 を超えると、データ損失が発生する可能性があります。
ポインタ位置調整カウント パラメータには、Positive Pointer Justification Count(PPJC; 正のポインタ位置調整カウント)と Negative Pointer Justification Count(NPJC; 負のポインタ位置調整カウント)があります。PPJC は、パス検出された正のポインタ位置調整(PPJC-PDET-P)またはパス生成された正のポインタ位置調整(PPJC-PGEN-P)のカウントです。NPJC は、特定の PM 名に基づく、パス検出された負のポインタ位置調整(NPJC-Pdet)またはパス生成された負のポインタ位置調整(NPJC-Pgen)のカウントです。PJCDIFF は、検出されたポインタ位置調整カウント総数と生成されたポインタ位置調整カウント総数の差の絶対値です。PJCS-PDET-P は、1 つ以上の PPJC-PDET または NPJC-PDET を含む 1 秒間隔のカウントです。PJCS-PGEN-P は、1 つ以上の PPJC-PGEN または NPJC-PGEN を含む 1 秒間隔のカウントです。
一定のポインタ位置調整カウントは、ノード間のクロック同期の問題を示しています。カウント間の差は、オリジナルのポインタ位置調整を送信しているノードと、このカウントを検出して送信しているノードの間でタイミングが変化したことを意味します。正のポインタ調整は、SPE のフレーム レートが STS-1 のレートに比べて遅すぎるときに発生します。
ADM-10G カードの場合は、PPJC および NPJC パフォーマンス モニタリング パラメータをイネーブルにする必要があります。CTC では、PPJC と NPJC PM に関するカウント フィールドは、カード ビューの [Provisioning] タブでそれらをイネーブルにしないかぎり、空白で表示されます。
パフォーマンス モニタリング パラメータの定義
ここでは、ADM-10G カードでサポートされる STS パスと VC-4 パスのパフォーマンス モニタリング パラメータについて説明します。
表 10-45 に、STS 近端パス パフォーマンス モニタリング パラメータを示します。
表 10-45 STS 近端パス パフォーマンス モニタリング パラメータ
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CV-P |
Near-End STS Path Coding Violations(CV-P; 近端 STS パス符号違反)は、STS パス レイヤで(つまり、B3 バイトを使用して)検出された BIP エラーのカウントです。フレーム当たり最大 8 つの BIP エラーを検出できます。エラーごとに現在の CV-P 第 2 レジスタがインクリメントされます。 |
ES-P |
Near-End STS Path Errored Seconds(ES-P; 近端 STS パス エラー秒数)は、1 つ以上の STS パス BIP エラーが検出された秒数です。AIS Path(AIS-P; AIS パス)障害(または下位レイヤ、トラフィック関連、近端障害)または Loss of Pointer Path(LOP-P; ポインタ損失パス)障害も ES-P を引き起こす可能性があります。 |
SES-P |
Near-End STS Path Severely Errored Seconds(SES-P; 近端 STS 重大エラー秒数)は、K(2400)以上の STS path BIP エラーが検出された秒数です。AIS-P 障害(または下位レイヤ、トラフィック関連、近端障害)または LOP-P 障害も SES-P を引き起こす可能性があります。 |
UAS-P |
Near-End STS Path Unavailable Seconds(UAS-P; 近端 STS パス使用不能秒数)は、STS パスが使用できなかった秒数です。STS パスは、SES-P と見なされる状態が 10 秒間続いたときに使用不能になり、SES-P ではないと見なされる状態が 10 秒間続いたら使用可能に戻ります。 |
FC-P |
Near-End STS Path Failure Counts(FC-P; 近端 STS パス障害カウント)は、近端 STS パス障害イベントの発生回数です。障害イベントは、AIS-P 障害、LOP-P 障害、UNEQ-P 障害、または Section Trace Identifier Mismatch Path(TIM-P; セクション トレース ID 不一致パス)障害が検出されたときに開始します。また、パスをモニタしている STS PTE が、そのパスの Three-Bit(Enhanced)Remote Failure Indication Path Connectivity(ERFI-P-CONN; 3 ビット(拡張)リモート障害表示パス接続)をサポートしている場合にも開始します。この障害イベントは、障害が解消されたときに終了します。 |
PPJC-PDET-P |
Positive Pointer Justification Count, STS Path Detected(PPJC-PDET-P; 正のポインタ位置調整カウント、STS パス検出)は、着信 SONET 信号内の特定のパスで検出された正のポインタ位置調整のカウントです。 |
PPJC-PGEN-P |
Positive Pointer Justification Count, STS Path Generated(PPJC-PGEN-P; 正のポインタ位置調整カウント、STS パス生成)は、ローカル クロックを使用している SPE の周波数を調整するために特定のパスに対して生成された正のポインタ位置調整のカウントです。 |
NPJC-PDET-P |
Negative Pointer Justification Count, STS Path Detected(NPJC-PDET-P; 負のポインタ位置調整カウント、STS パス検出)は、着信 SONET 信号内の特定のパスで検出された負のポインタ位置調整のカウントです。 |
NPJC-PGEN-P |
Negative Pointer Justification Count, STS Path Generated(NPJC-PGEN-P; 負のポインタ位置調整カウント、STS パス生成)は、ローカル クロックを使用している SPE の周波数を調整するために特定のパスに対して生成された負のポインタ位置調整のカウントです。 |
PJCDIFF-P |
Pointer Justification Count Difference, STS Path(PJCDIFF-P; ポインタ位置調整カウント差、STS パス)は、検出されたポインタ位置調整カウント総数と生成されたポインタ位置調整カウント総数の差の絶対値です。つまり、PJCDiff-P は (PPJC-PGEN-P - NPJC-PGEN-P) - (PPJC-PDET-P - NPJC-PDET-P) に相当します。 |
PJCS-PDET-P |
Pointer Justification Count Seconds, STS Path Detect(NPJCS-PDET-P; ポインタ位置調整カウント秒数、STS パス検出)は、1 つ以上の PPJC-PDET または NPJC-PDET を含む 1 秒間隔のカウントです。 |
PJCS-PGEN-P |
Pointer Justification Count Seconds, STS Path Generate(PJCS-PGEN-P; ポインタ位置調整カウント秒数、STS パス生成)は、1 つ以上の PPJC-PGEN または NPJC-PGEN を含む 1 秒間隔のカウントです。 |
表 10-46 に、ADM-10G カードでサポートされる VC-4 近端パス パフォーマンス モニタリング パラメータ定義を示します。
表 10-46 VC-4 近端パス パフォーマンス モニタリング パラメータ
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HP-EB |
High-Order Path Errored Block(HP-EB; 上位パス エラー ブロック)は、1 つ以上のビットがブロック内のエラーに含まれていることを示します。 |
HP-BBE |
High-Order Path Background Block Error(HP-BBE; 上位パス バックグラウンド ブロック エラー)は、SES の一部として出現しないエラー ブロックです。 |
HP-ES |
High-Order Path Errored Second(HP-ES; 上位パス エラー秒数)は、1 つ以上のエラー ブロックまたは 1 つ以上の障害が続いた秒数です。 |
HP-SES |
High-Order Path Severely Errored Seconds(HP-SES)は、30% 以上のエラー ブロックまたは 1 つ以上の障害が続いた秒数です。SES は ES のサブセットです。 |
HP-UAS |
High-Order Path Unavailable Seconds(HP-UAS)は、VC パスが使用できなかった秒数です。上位パスは、HP-SES と見なされる状態が 10 秒間続いたときに使用不能になり、SES-P ではないと見なされる状態が 10 秒間続いたら使用可能に戻ります。 |
HP-BBER |
High-Order Path Background Block Error Ratio(HP-BBER; 上位パス バックグラウンド ブロック エラー率)は、固定測定間隔期間の使用可能時間内の総ブロック数に対する BBE の割合です。総ブロック数には、SES 期間のブロックは含まれません。 |
HP-ESR |
High-Order Path Errored Second Ratio(HP-ESR; 上位パス エラー秒数率)は、固定測定間隔期間の使用可能時間内の総秒数に対するエラー秒数の割合です。 |
HP-SESR |
High-Order Path Severely Errored Second Ratio(HP-SESR; 上位パス重要エラー秒数率)は、固定測定間隔期間の使用可能時間内の総秒数に対する SES の割合です。 |
HP-PPJC-PDET |
High-Order, Positive Pointer Justification Count, Path Detected(HP-PPJC-Pdet; 上位、正のポインタ位置調整カウント、パス検出)は、着信 SDH 信号上の特定のパスで検出された正のポインタ位置調整のカウントです。 |
HP-NPJC-PDET |
High-Order, Negative Pointer Justification Count, Path Detected(HP-NPJC-Pdet; 上位、負のポインタ位置調整カウント、パス検出)は、着信 SDH 信号上の特定のパスで検出された負のポインタ位置調整のカウントです。 |
HP-PPJC-PGEN |
High-Order, Positive Pointer Justification Count, Path Generated(HP-PPJC-Pgen; 上位、正のポインタ位置調整カウント、パス生成)は、特定のパスに対して生成された正のポインタ位置調整のカウントです。 |
HP-NPJC-PGEN |
High-Order, Negative Pointer Justification Count, Path Generated(HP-NPJC-Pgen; 上位、負のポインタ位置調整カウント、パス生成)は、特定のパスに対して生成された負のポインタ位置調整のカウントです。 |
HP-PJCDIFF |
High-Order Path Pointer Justification Count Difference(HP-PJCDiff; 上位パス ポインタ位置調整カウント差)は、検出されたポインタ位置調整カウント総数と生成されたポインタ位置調整カウント総数の差の絶対値です。つまり、HP-PJCDiff は、(HP-PPJC-PGen - HP-NPJC-PGen) - (HP-PPJC-PDet - HP-NPJC-PDet) に相当します。 |
HP-PJCS-PDET |
High-Order Path Pointer Justification Count Seconds(HP-PJCS-PDet; 上位パス ポインタ位置調整カウント秒数)は、1 つ以上の HP-PPJC-PDet または HP-NPJC-PDet を含む 1 秒間隔のカウントです。 |
HP-PJCS-PGEN |
High-Order Path Pointer Justification Count Seconds(HP-PJCS-PGen; 上位パス ポインタ位置調整カウント秒数)は、1 つ以上の HP-PPJC-PGen または HP-NPJC-PGen を含む 1 秒間隔のカウントです。 |
10.13.14 ADM-10G のカードレベル インジケータ
表 10-47 に、ADM-10G カード上のカードレベル LED を示します。
表 10-47 ADM-10G のカードレベル インジケータ
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ACT LED グリーン(アクティブ) オレンジ(スタンバイ) |
グリーンは、カードが稼動状態(片方または両方のポートがアクティブ)で、トラフィックの伝送準備ができていることを示します。 オレンジは、カードが稼動状態で、スタンバイ(保護)モードになっていることを示します。 |
レッドの FAIL LED |
レッドの FAIL LED は、カードのプロセッサの準備ができていないことを示します。この LED はリセット中に点灯し、ブート プロセス中に点滅します。カードが別のカード用に事前にプロビジョニングされたスロットに挿入された場合は、Missing Equipment Attribute(MEA)状態になるまでこの LED が点滅します。レッドの FAIL LED が消えない場合はカードの交換が必要になることがあります。 |
オレンジの SF LED |
オレンジの SF LED は、カードの 1 つ以上のポートで、LOS、LOF、高 BER エラーなどの信号障害または信号状態が発生していることを示します。このオレンジの SF LED は、送信ファイバと受信ファイバが正しく接続されていない場合にも点灯します。ファイバが正しく接続されリンクが稼動している場合は点灯しません。 |
10.13.15 ADM-10G のポートレベル インジケータ
表 10-48 に、ADM-10G カード上のポートレベル LED を示します。
(注) 各クライアント ポートまたはトランク ポートは、特定の保護タイプに関連するセクションの定義に従って、アクティブ モードまたはスタンバイ モードになります。たとえば、ファイバ スイッチ型保護はアクティブ トランク ポートまたはスタンバイ トランク ポートを使用します。1+1 APS 保護はアクティブ クライアント ポートまたはスタンバイ クライアント ポートを使用します。クライアント 1+1 保護はアクティブ ポートまたはスタンバイ ポートを使用しません。
表 10-48 ADM-10G カードのポートレベル LED 表示
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ポートレベル LED がアクティブで非保護の場合 |
• ポートが何らかの理由で OOS/locked ステートにある場合は、LED が消灯します。 • ポートが IS/Unlocked ステートにあり、PPM が事前にプロビジョニングされているか、物理的に取り付けられていてアラームが発生していない場合は、LED がグリーンで点灯します。 • ポートが IS ステートにあり、PPM が物理的に取り付けられているがアラームが発生している場合は、LED がレッドで点灯します。 |
ポートレベル LED がスタンバイの状態 |
• ポートが何らかの理由で OOS/locked ステートにある場合は、LED が消灯します。 • ポートが IS/Unlocked ステートにあり、PPM が事前にプロビジョニングされているか、物理的に取り付けられていてアラームが発生していない場合は、LED がオレンジで点灯します。 • ポートが IS ステートにあり、物理的に取り付けられているがアラームが発生している場合は、LED がレッドで点灯します。 |
10.14 OTU2_XP カード
OTU2_XP カードは、NS 15454 ANSI プラットフォームと ETSI プラットフォーム用の XFP ベースのマルチレート(OC-192/STM-64、10GE、10G FC)X ポンダ付きの 4 つのポートを備えたシングルスロット カードです。OTU2_XP カードは複数の設定をサポートします。
表 10-49 に、OTU2_XP カードでサポートされるさまざまな設定とそれらの設定に使用すべきポートを示します。
表 10-49 OTU2_XP カードの設定とポート
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2 x 10G トランスポンダ |
クライアント ポート 1 |
クライアント ポート 2 |
トランク ポート 1 |
トランク ポート 2 |
2 x 10G 標準リジェネレータ(1 つのポートだけが Enhanced FEC(E-FEC)) |
トランク ポート 1 |
トランク ポート 2 |
トランク ポート 1 |
トランク ポート 2 |
10 GE LAN Phy ~ WAN Phy |
クライアント ポート |
トランスポンダ設定内のクライアント ポートまたはリジェネレータ設定内のトランク ポート |
トランク ポート |
トランスポンダ設定またはリジェネレータ設定内のトランク ポート |
1 x 10G E-FEC リジェネレータ (2 つのポートが E-FEC) |
未使用 |
未使用 |
トランク ポート |
トランク ポート |
1 x 10G スプリッタ保護トランスポンダ |
クライアント ポート |
未使用 |
トランク ポート(現用) |
トランク ポート(保護) |
4 つすべてのポートが、ITU-T G.709 に準拠しており、C バンド(つまり、1530.33 nm ~ 1561.42 nm の波長範囲)内の 100 GHz チャネル間隔で 40 チャネル(波長)をサポートします。
OTU2_XP カードは、スロット 1 ~ 6 または 12 ~ 17 に実装できます。OTU2_XP カードは、SONET SR1、IR2、および LR2 XFP、10GE BASE SR、SW、LR、LW、ER、EW、および ZR XFP、および 10G FC MX-SN-I と SM-LL-L XFP をサポートします。
注意 ファン トレイ アセンブリ 15454E-CC-FTA(ETSI シェルフ)/15454-CC-FTA(ANSI シェルフ)は、OTU2_XP カードが実装されているシェルフに取り付ける必要があります。
10.14.1 主な特徴
OTU2_XP カードは、次のハイレベルな特徴を備えています。
• ONS 15454 DWDM プラットフォーム上の 10G トランスポンダ、リジェネレータ、およびスプリッタ保護
• ONS 15454 ANSI 高密度シェルフ アセンブリ、ETSI ONS 15454 シェルフ アセンブリ、および ETSI ONS 15454 高密度シェルフ アセンブリとの互換性があります。TCC2/TCC2P/ TCC3/TNC/TSC カードとの互換性があります。
• TXP_MR_10E カードや TXP_MR_10E_C カードと同時に使用できます。
• 4 ポート マルチレート(OC-192/STM-64、10G イーサネット WAN Phy、10G イーサネット LAN Phy、10G ファイバ チャネル)クライアント インターフェイス。クライアント信号は、標準の ITU-T G.709 多重化を使用して、1 つの ITU-T G.709 OTU2 信号にマッピングされます。
• 標準の Reed-Soloman(RS)(255,237)FEC を使用した ITU-T G.709 フレーミング パフォーマンス モニタリングと ITU-T G.709 Optical Data Unit(ODU)同期マッピング コーディング ゲインが 8 dB を超える ITU-T G.709 ODU を使用した Enhanced FEC(E-FEC)
• トランク レートはすべての FEC 設定で同じです。エラー コーディング パフォーマンスは次のようにプロビジョニングできます。
– FEC:標準の ITU-T G.709
– E-FEC:標準の ITU-T G.975.1(従属節 I.7)
• 10 ギガビット イーサネット インターフェイス用にサポートされている IEEE 802.3 フレーム形式。最小フレーム サイズは 64 バイトです。最大フレーム サイズはユーザがプロビジョニングできます。
• 10G イーサネット LAN Phy 信号用の固定/不定スタッフ マッピング(スタッフィング バイトの挿入)をサポートします(トランスポンダ設定のみ)。
• ポート 1(クライアント ポート)とポート 3(トランク ポート)上での 10G イーサネット LAN Phy/10G イーサネット WAN Phy 変換をサポートします。
• CTC と TL1 を使用した 10G イーサネット LAN Phy/WAN Phy 変換をサポートします。OTU2_XP カード上でイネーブルになっている場合は、最初のチャネル(ポート 1 と 3)が LAN/WAN 変換をサポートします。2 つめのチャネルが、通常の 10GE、10G FC、および OC192/STM64 トラフィックを伝送します。
• LAN Phy/WAN Phy 変換は、IEEE802.3ae(IEEE Std 802.3ae-2002、CSMA/CD の修正)で定義されている WAN Interface Sublayer(WIS; WAN インターフェイス サブレイヤ)メカニズムに従って機能します。
• デフォルト設定は、トランク ポートが ITU-T G.709 標準 FEC として設定されたトランスポンダです。
• トランスポンダ設定またはリジェネレータ設定では、1 つのポートを設定すると、自動的に対応するポートが作成されます。
• リジェネレータ設定では、ポート 3 と 4 のみを E-FEC として設定できます。ポート 1 と 2 は、標準 FEC を使用してのみ設定できます。
• ポートのペア 1-3 または 2-4 がリジェネレータとして設定されている(つまり、カード モードが標準リジェネレータ)の場合は、ポート 3 と 4 上のデフォルト設定が自動的に標準 FEC に設定されます。
• ポート 3 と 4 がリジェネレータとして設定されている(つまり、カード モードが E-FEC リジェネレータ)の場合は、両ポート上のデフォルト設定が自動的に E-FEC に設定されます。
• スプリッタ保護トランスポンダ設定では、トランク ポート(ポート 3 と 4)が ITU-T G.709 標準 FEC または E-FEC として設定されます。
• Y 字型ケーブル保護スキームによる保護をサポートします。
(注) イネーブルの場合は、10G イーサネット LAN Phy/WAN Phy 変換機能が、LAN/WAN インターフェイス(ポート 1 と 3)上の Y 字型ケーブル保護をサポートしません。
• クライアント ポートは、SONET SR1、IR2、および LR2 XFP、10GE BASE SR、SW、LR、LW、ER、EW、および ZR XFP、および 10G FC MX-SN-I と SM-LL-L XFP をサポートします。
• OTU2_XP トランク ポート上でサポートされる OTU2 リンク レートを以下に示します。
– クライアントが SONET(10G イーサネット WAN PHY を含む)(9.95328 Gbps)としてプロビジョニングされている場合の標準 G.709(10.70923 Gbps)
– ITU-T G の定義に従って 10GE を転送するためにクロックアップされた G.709 クライアントが、不定スタッフがイネーブルになっている 10G イーサネット LAN Phy(10.3125 Gbps)としてプロビジョニングされた場合の Sup43 第 7.2 項(11.0491 Gbps)
– ITU-T G の定義に従って 10GE を転送するためにクロックアップされた G.709 クライアントが、不定スタッフがディセーブルになっている 10G イーサネット LAN Phy(10.3125 Gbps)としてプロビジョニングされた場合の Sup43 第 7.1 項(11.0957 Gbps)
– クライアントが 10G ファイバ チャネル(10.518 Gbps)としてプロビジョニングされた場合の 10G FC を転送するための G.709 独自仕様オーバークロッキング モード(11.3168 Gbps)
– クライアントが IB_5G としてプロビジョニングされた場合のトランクでの独自仕様レート
10.14.2 前面プレートとブロック図
図 10-31 に、OTU2_XP カードの前面プレートとブロック図を示します。
図 10-31 OTU2_XP カードの前面プレートとブロック図
(注) OTU2_XP カード上で LAN Phy/WAN Phy 変換機能がイネーブルになっている場合は、Swan FPGA が自動的にロードされます。OTU2_XP カード上で LAN Phy/WAN Phy 変換機能がディセーブルになっている場合は、Barile FPGA が自動的にロードされます。
10.14.3 OTU2_XP のカードレベル インジケータ
表 10-50 に、OTU2_XP カード上のカードレベル LED を示します。
表 10-50 OTU2_XP のカードレベル インジケータ
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レッドの FAIL LED |
レッドの FAIL LED は、カードのプロセッサの準備ができていないことを示します。この LED はリセット中に点灯し、ブート プロセス中に点滅します。カードが別のカード用に事前にプロビジョニングされたスロットに挿入された場合は、Missing Equipment Attribute(MEA)状態になるまでこの LED が点滅します。レッドの FAIL LED が消えない場合はカードの交換が必要になることがあります。 |
ACT LED グリーン(アクティブ) |
ACT LED がグリーンの場合は、カードが稼動状態(1 つ以上のポートがアクティブ)であり、トラフィックを伝送する準備ができています。 |
オレンジの SF LED |
オレンジの SF LED は、カードの 1 つ以上のポートで、LOS、LOF、高 BER エラーなどの信号障害または信号状態が発生していることを示します。このオレンジの SF LED は、送信ファイバと受信ファイバが正しく接続されていない場合にも点灯します。ファイバが正しく接続されリンクが稼動している場合は点灯しません。 |
10.14.4 OTU2_XP のポートレベル インジケータ
表 10-51 に、OTU2_XP カード上のクライアント ポートとトランク ポートの両方に関する PPM ポートレベル LED を示します。
(注) 各クライアント ポートまたはトランク ポートは、特定の保護タイプに関連するセクションの定義に従って、アクティブ モードまたはスタンバイ モードになります。たとえば、ファイバ スイッチ型保護はアクティブ トランク ポートまたはスタンバイ トランク ポートを使用します。1+1 APS 保護はアクティブ クライアント ポートまたはスタンバイ クライアント ポートを使用します。クライアント 1+1 保護はアクティブ ポートまたはスタンバイ ポートを使用しません。
表 10-51 OTU2_XP PPM のポートレベル インジケータ
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ポートレベル LED がアクティブで非保護の場合 |
• ポートが何らかの理由で OOS/locked ステートにある場合は、LED が消灯します。 • ポートが IS/Unlocked ステートにあり、PPM が事前にプロビジョニングされているか、物理的に取り付けられていてアラームが発生していない場合は、LED がグリーンで点灯します。 • ポートが IS ステートにあり、PPM が物理的に取り付けられているがアラームが発生している場合は、LED がレッドで点灯します。 |
ポートレベル LED がスタンバイの状態 |
• ポートが何らかの理由で OOS/locked ステートにある場合は、LED が消灯します。 • ポートが IS/Unlocked ステートにあり、PPM が事前にプロビジョニングされているか、物理的に取り付けられていてアラームが発生していない場合は、LED がオレンジで点灯します。 • ポートが IS ステートにあり、物理的に取り付けられているがアラームが発生している場合は、LED がレッドで点灯します。 |
10.14.5 OTU2_XP カードのインターフェイス
OTU2_XP カードは、トランスポンダ、標準リジェネレータ、E-FEC リジェネレータ、10G イーサネット LAN Phy/WAN Phy 変換モードなどのさまざまな設定で動作する多機能カードです。10G イーサネット LAN Phy/WAN Phy がスプリッタ保護トランスポンダ コンフィギュレーション モードになっている場合は、OTU2_XP カードが保護トランスポンダとして機能します。
OTU2_XP カードの設定によって、ポートがクライアント ポートまたはトランク ポートとして機能します( 表 10-49 を参照)。以降のセクションで、さまざまなカード設定の OTU2_XP カードでサポートされるクライアント レートとトランク レートについて説明します。
10.14.5.1 クライアント インターフェイス
トランスポンダ カード設定と 10G イーサネット LAN Phy/WAN Phy カード設定では、ポート 1 と 2 がクライアント ポートとして機能し、スプリッタ保護トランスポンダ設定では、ポート 1 がクライアント ポートとして機能します。これらのカード設定でサポートされるクライアント レートは次のとおりです。
• OC-192/STM-64
• 10G イーサネット WAN Phy
• 10G イーサネット LAN Phy
• 10G ファイバ チャネル
10.14.5.2 トランク インターフェイス
トランスポンダ カード設定、10G イーサネット LAN Phy/WAN Phy カード設定、およびスプリッタ保護トランスポンダ カード設定では、ポート 3 と 4 がトランク ポートとして機能します。これらのカード設定でサポートされるトランク レートは次のとおりです。
• OC-192/STM-64
• 10G イーサネット WAN Phy
• 10G イーサネット LAN Phy
• 10G ファイバ チャネル
• OTU2 G.709
標準リジェネレータ カード設定では、4 つすべてのポートがトランク ポートとして機能し、E-FEC リジェネレータ設定では、ポート 3 と 4 がトランク ポートとして機能します。これらのカード設定でサポートされるトランク レートは OTU2 G.709 です。
(注) 上述した OTU2 信号は、OTU2 G.709 フレームにパッケージ化された OC-192/STM-64、10G イーサネット WAN Phy、10G イーサネット LAN Phy、または 10G ファイバ チャネル信号にする必要があります。加えて、標準リジェネレータ設定と E-FEC リジェネレータ設定は、4 つの ODU1 信号を多重化することによって生成された OTU2 信号をサポートします。
10.14.6 設定管理
OTU2_XP カードは、次の設定管理パラメータをサポートします。
• カード設定:プロビジョニング可能なカード設定(トランスポンダ、標準リジェネレータ、Enhanced FEC、混合、または 10G イーサネット LAN Phy/WAN Phy)
• ポート モード:カード設定が混合の場合にプロビジョニング可能なポート モード。ポート モードは、ポート ペア(1-3 と 2-4)ごとに、トランスポンダと標準リジェネレータのどちらかとして選択できます。混合以外のカード設定の場合は、CTC が自動的に、選択されたカード設定に基づいて、ポート モードを設定します。10G イーサネット LAN Phy/WAN Phy モードの場合は、CTC が自動的にポート ペア(1-3)を 10G イーサネット LAN Phy/WAN Phy として選択します。10G イーサネット LAN Phy/WAN Phy モードでは、ポート ペア(2-4)がトランスポンダまたは標準リジェネレータとして選択されます。
• 終端モード:カード設定がトランスポンダと混合のどちらかに設定されている場合にプロビジョニング可能な終端モード。終端モードは、トランスペアレント、セクション、または回線として選択できます。標準リジェネレータ カード設定と Enhanced FEC カード設定の場合は、CTC が自動的に終端モードをトランスペアレントに設定します。10G イーサネット LAN Phy/WAN Phy モードの場合は、CTC が自動的にポート ペア(1-3)の終端モードを回線として選択します。終端モード パラメータはプロビジョニングできません。
• AIS/スケルチ:カード設定がトランスポンダと混合のどちらかに設定されている場合にプロビジョニング可能な終端モード設定。終端モード設定は、AIS またはスケルチとして選択できません。標準リジェネレータ カード設定と Enhanced FEC カード設定の場合は、CTC が自動的に終端モード設定を AIS に設定します。10G イーサネット LAN Phy/WAN Phy モードの場合は、CTC が自動的にポート ペア(1-3)の AIS/スケルチをスケルチとして選択します。AIS/スケルチ パラメータはプロビジョニングできません。
(注) 10G イーサネット LAN Phy/WAN Phy 変換を選択した場合は、終端モードが自動的に回線に設定されます。ポート 1 と 3 に関して、AIS/スケルチはスケルチに設定され、ODU 透過性はシスコ拡張使用に設定されます。
• 再生回線名:再生回線名としてユーザが割り当てたテキスト文字列
• ODU 透過性:プロビジョニング可能な ODU オーバーヘッド バイト設定(透過標準使用またはシスコ拡張使用)詳細については、「ODU 透過性」を参照してください。10G イーサネット LAN Phy/WAN Phy モードの場合は、CTC が自動的に ODU 透過性をシスコ拡張使用として選択します。ODU 透過性パラメータはプロビジョニングできません。
• ポート名:ユーザが割り当てたテキスト文字列
• 管理ステート/サービス ステート:ポート ステータスを管理および表示するための管理ステートとサービス ステート
• ALS モード:プロビジョニング可能な ALS 機能
• 距離:プロビジョニング可能なポートの光到達距離
• 波長:プロビジョニング可能なポートの波長
• AINS ソーク:プロビジョニング可能な自動インサービス ソーク期間
10.14.7 OTU2_XP カード設定ルール
次のルールが OTU2_XP カード設定に適用されます。
• カードをプロビジョニングすると、ポート ペア 1-3 と 2-4 がデフォルトのトランスポンダ設定で起動します。
• ポート ペア 1-3 と 2-4 は、カード設定が混合の場合にのみ別のモードで設定できます。カード設定が混合の場合は、ポート ペア 1-3 と 2-4 に対して別々のモードを選択する必要があります(つまり、一方のポート ペアがトランスポンダ モードで、もう一方のポート ペアが標準リジェネレータ モードになるようにします)。
• カードがトランスポンダ設定の場合は、設定を標準リジェネレータまたは Enhanced FEC に変更できます。
• カードが標準リジェネレータ設定で、1 つのポート ペアしか設定されていない場合は、他のポート ペアのペイロード レートを設定すると、自動的に、カード設定が混合に変更され、新しいペアがトランスポンダ モードになります。
• カードが標準リジェネレータ設定の場合は、設定を直接 Enhanced FEC に変更できません。トランスポンダ設定に変更してから、カードを Enhanced FEC として設定する必要があります。
• カードが Enhanced FEC 設定の場合は、ポート 1 と 2 がディセーブルになります。そのため、設定を直接標準リジェネレータまたは混合に変更できません。カードをトランスポンダ設定に移行させることによって Enhanced FEC グループを削除し、ポート 1 と 2 上で PPM をプロビジョニングしてから、カード設定を標準リジェネレータまたは混合に変更する必要があります。
• カードが標準リジェネレータ設定または Enhanced FEC 設定の場合は、ポート ペアのペイロード レートを変更できません。設定をトランスポンダに変更して、ペイロード レートを変更してから、カード設定を標準リジェネレータまたは Enhanced FEC に戻す必要があります。
• 影響を受けるポートのいずれかが IS(ANSI)ステートまたは Unlocked-enabled(ETSI)ステートにある場合は、カード設定を変更できません。
• カードが 10G イーサネット LAN Phy/WAN Phy に変更された場合は、最初の PPM ポートが削除され、10G イーサネット ポートに置き換えられます。また、3 つめの PPM ポートが削除され、自動的に、OC192/STM64(SONET/SDH)ポートに置き換えられます。さらに、3 つめの PPM ポートが自動的に削除され、3 つめの PPM ポートが OC192/STM64(SONET/SDH)で置き換えられます。
表 10-52 に、OTU2_XP カード設定に関して可能な遷移の概要を示します。
表 10-52 カード設定遷移の概要
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10G イーサネット LAN Phy/WAN Phy
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可 |
可 |
可 |
可 |
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可 |
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不可 |
可 |
可 |
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可 |
不可 |
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不可 |
不可 |
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可 |
可 |
不可 |
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可 |
10G イーサネット LAN Phy/WAN Phy
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可 |
可 |
不可 |
10G イーサネット LAN Phy/WAN Phy から混合への遷移は、ポート ペア 1-3 がトランスポンダとして選択されている場合にサポートされます。 10G イーサネット LAN Phy/WAN Phy から混合への遷移は、ポート ペア 1-3 が標準リジェネレータとして選択されている場合にサポートされません。 |
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10.14.8 セキュリティ
OTU2_XP カードに XFP が接続されている場合は、ベンダー ID とシリアル番号をキーとして使用する Cisco Standard Security Code Check Algorithm が実装されています。
PPM がカード上のポートに接続されていても、それがシスコ PPM でないという理由でセキュリティ コード チェックに合格しなかった場合は、NON-CISCO-PPM Not Reported(NR)状態が発生します。
非認定製品 ID の PPM がこのカード上のポートに接続されている場合、つまり、PPM がシスコ PPM としてセキュリティ コード チェックに合格しているが、OTU2_XP カードでの使用に適していない場合は、UNQUAL-PPM NR 状態が発生します。
10.14.9 自動レーザー遮断
ALS 手順は、クライアント インターフェイスとトランク インターフェイスの両方でサポートされています。クライアント インターフェイス上では、ALS が ITU-T G.664(6/99)に準拠しています。データ アプリケーションおよびトランク インターフェイス上では、スイッチ オン/オフのパルス幅が 60 秒を超えます。このオン/オフのパルス幅はユーザが設定できます。カードの ALS プロビジョニングの詳細については、『 Cisco ONS 15454 DWDM Procedure Guide 』を参照してください。
10.14.10 ODU 透過性
OTU2_XP カードの重要な機能は、ODU 透過性パラメータを使用して ODU オーバーヘッド バイト(EXP バイトと RES バイト 1 と 2)を設定できる能力です。このパラメータに対して次の 2 つのオプションを使用できます。
• 透過標準使用:ODU オーバーヘッド バイトがカード上を透過的に通過します。このオプションを使用すれば、OTU2_XP カードが 2 つのトランク ポート間で透過的に機能できます(カードが標準リジェネレータまたは Enhanced FEC に設定されている場合)。
• シスコ拡張使用:ODU オーバーヘッド バイトが、リジェネレータ グループの両方のポート上で終端され、再生成されます。
ODU 透過性パラメータは、標準リジェネレータ カード設定と Enhanced FEC カード設定の場合にのみ設定できます。トランスポンダ カード設定の場合は、このパラメータがデフォルトでシスコ拡張使用に設定され、変更できません。
(注) 透過標準使用が選択された場合は、OTU2_XP カード上で FEC Mismatch(FEC-MISM; FEC 不一致)アラームが発生しません。
10.14.11 保護
OTU2_XP カードは Y 字型ケーブル保護とスプリッタ保護をサポートします。Y 字型ケーブル保護は、クライアント ポート レベルで提供されます。スプリッタ保護は、トランク ポート レベルで提供されます。
10.14.11.1 Y 字型ケーブル保護
OTU2_XP カードは、トランスポンダ カード設定でプロビジョニングされたときに、クライアント ポート上の Y 字型ケーブル保護をサポートします。2 枚のカードを Y 字型ケーブル保護グループに加えることができます。このとき、一方のカードを現用カードに、もう一方のカードを保護カードに割り当てます。この保護メカニズムは、冗長な双方向パスを提供します。詳細については、「Y 字型ケーブル保護」を参照してください。信号障害(ITU-T G.709 モードの場合は、DWDM レシーバー ポート上の LOS、LOF、SD、または SF)が検出されると、保護メカニズム ソフトウェアが自動的にパスを切り替えます。
(注) 10G イーサネット LAN Phy/WAN Phy 変換機能がイネーブルの場合は、LAN/WAN インターフェイス(ポート 1 と 3)上の Y 字型ケーブル保護がサポートされません。
10.14.11.2 スプリッタ保護
OTU2_XP カードは、リジェネレータ グループに属していないトランク ポート上のスプリッタ保護をサポートします(ポートの詳細については、 表 10-49 を参照してください)。OTU2_XP カードで、スプリッタ保護グループを作成または削除できます。スプリッタ保護方式では、クライアントが 1 つの信号をクライアント RX ポートに入力します。その後で、カード内部の光スプリッタが、その信号を 2 つの信号に分離して、2 つのトランク TX ポートに転送します。詳細については、「スプリッタ保護」を参照してください。
スプリッタ保護 10G イーサネット LAN Phy/WAN Phy モードでは、既存のスイッチング条件に加えて、AIS-P と LOP-P が保護スイッチのトリガーとして機能します(G.709 がイネーブルになっている場合)。
SF/SD しきい値、パス PM しきい値、経路探索などの STS パラメータが、現用パス(ポート 3)に対して設定されます。同じパラメータを保護パス(ポート 4)に対しても適用できます。