13.1.1 管理ステートとサービス ステート
OCHCC、OCH トレール、および OCHNC は、3 つの異なる光レイヤを占有します。各 OCH 回線には、独自の管理ステートとサービス ステートがあります。OCHCC の場合は、クライアント カード ポートの管理ステートに対して実施可能な変更に関する追加の制限があります。
OCHCC サービス ステートは、OCHCC サービス ステートと OCH トレール サービス ステートを合わせたものです。OCHCC 回線を構築するときに、送信元ポートと宛先ポートのステートを含む、OCHCC レイヤと OCH トレール レイヤの両方に関する初期ステートを指定することができます。OCHCC の回線および接続に関する ANSI/ETSI 管理ステートは次のとおりです。
• IS/Unlocked
• IS,AINS/Unlocked,AutomaticInService
• OOS,DSBLD/Locked,disabled
OCHCC サービス ステートと、送信元ポートと宛先ポートのステートは、個別に変更することができます。すべてのトラフィック状態においてクライアント カード ポート ステートを手動で修正することができます。OCHCC 回線を OOS,DSBLD/Locked,disabled ステートに設定しても、OCHCC クライアント カード ポートには影響しません。
OCH トレールは、OCHCC を構築すると自動的に構築されます。OCH トレールは、OCH-10G カードと、Layer 2 Over DWDM モードでプロビジョニングされた GE_XP と 10GE_XP 間で個別に構築することができます。OCH トレールの ANSI/ETSI 管理ステートは次のとおりです。
• IS/Unlocked
• IS,AINS/Unlocked,automaticInService
• OOS,DSBLD/Locked,disabled
OCH トレール回線ステートは、[Edit Circuit] ウィンドウから修正することができます。OCH トレールを OOS,DSBLD/Locked,disabled にすると、次のようなステート変化が起きます。
• OCH トレール ポートのステートが OOS,DSBLD/Locked,disabled に変化します。
• OCHNC ステートが OOS,DSBLD/Locked,disabled に変化します。
OCH トレール ステートを IS,AINS/Unlocked,automaticInService に変更すると、次のようなステート変化が起きます。
• OCH トレール トランク ポートのステートが IS/Unlocked に変化します。
• OCHNC ステートが IS,AINS/Unlocked,automaticInService に変化します。
OCH トレール サービス ステートは、OCHCC トランク ポート ステートと OCHNC(該当する場合)ステートを合わせたものです。OCH トレール ステートが IS/Unlocked の場合にクライアント カードのトランク ポートを OOS,DSBLD/Locked,disabled に変更すると、OCH トレール ステートが OOS,DSBLD/Locked,disabled になり、そのステータスが Partial に変更されます。
OCHNC 回線ステートと OCHCC 回線ステートには関連性がありません。OCHNC 回線レイヤに関する管理ステートは次のとおりです。
• IS,AINS/Unlocked,AutomaticInService
• OOS,DSBLD/Locked,disabled
OCHNC を構築するときに、対象の OCHNC 回線ステートを IS/Unlocked または OOS,DSBLD/Locked,disabled に設定することができます。OCHNC の送信元ポートと宛先ポートが OOS,MT/Locked,maintenance の場合でも、OCHNC を構築することができます。OCHNC 回線ステートは、ポート メンテナンス ステートが解除されるまで OOS-AU,AINS/Unlocked-disabled,automaticInService のままになります。メンテナンス中またはレーザー遮断中は、次の動作が発生します。
• OCHCC 回線に対するユーザ メンテナンス作業(Optical Transport Section(OTS; 光転送セクション)ポートを OOS,DSBLD/Locked,disabled に変更するなど)のために、OCHNC またはそのエンド ポートが AINS/AutomaticInService ステートに遷移した場合は、Cisco Transport Controller(CTC)が、TXP、MXP、GE_XP、10GE_XP、または ITU-T ラインカード トランク ポート上の Loss Of Service(LOS; サービス損失)アラームを抑制し、トレール信号障害状態を発生させます。ただし、ラインカード トランク ポートのアラームは変更されません。
• TXP クライアント ポートまたはトランク ポートが OOS,DSBLD/Locked,disabled ステート(レーザーがオフになっているなど)に設定され、OCH トランク ポートと OCH フィルタ ポートが同じノード内に存在する場合は、トレール信号障害状態により OCH フィルタ LOS アラームが降格されます。
OCHCC はクライアント カード エンド ポートに関連付けられています。そのため、このポート上で OCHCC を伝送中は、次のポート パラメータを変更することができません。
• 波長
• サービス(またはペイロード タイプ)
• スプリッタ保護
• ITU-T G.709
• Forward Error Correction(FEC; 前方誤り訂正)
• マッピング
特定の OCHCC パラメータ(サービス タイプ、サービス サイズ、OCHNC 波長など)は、OCHCC を削除して再構築することによってのみ修正できます。OCHCC に MXP エンド ポートがある場合は、OCHCC に割り当てられていないクライアント ポートに関するサービスとパラメータを修正できます。一部のクライアント ポート パラメータ(イーサネット フレーム サイズや距離延長など)は、OCHCC の一部ではないため、ポート ステートにより制限されていないかぎり、修正できます。管理ステートおよびサービス ステートの詳細については、 付録 B「管理ステートとサービス ステート」 を参照してください。