タイミング リファレンス
この章では、Cisco ONS 15454 のユーザとノード タイミングについて説明します。タイミングのプロビジョニング方法については、『 Cisco ONS 15454 DWDM Procedure Guide 』を参照してください。
(注) 特に指定のない限り、「ONS 15454」は、ANSI と ETSI 両方のシェルフ アセンブリを指します。
この章の内容は、次のとおりです。
• 「ノード タイミングのパラメータ」
• 「ネットワーク タイミング」
• 「同期ステータス メッセージング」
16.1 ノード タイミングのパラメータ
SONET タイミング パラメータは、Cisco ONS 15454 シェルフごとに設定する必要があります。各 ONS 15454 は、次の 3 つのソースの 1 つからタイミング基準を個別に取得します。
• ONS 15454 バックプレーン(ANSI)または MIC-C/T/P 同軸コネクタ(ETSI)の Building Integrated Timing Supply(BITS; ビル内統合タイミング供給源)ピン。
• ONS 15454 に装着した OC-N/STM-N カード。このカードは、BITS ソースからタイミングを受け取るノードに接続されます。
• TCC2/TCC2P/TCC3/TNC/TSC カードの内蔵 ST3 クロック。
ONS 15454 のタイミングを、external、line、mixed の 3 つのモードのうちいずれかに設定できます。タイミングを BITS ソースから受け取る場合、ONS 15454 タイミングを external に設定します。タイミングを OC-N/STM-N カードから受け取る場合、タイミングを line に設定します。Cisco ONS 15454 M6 シェルフの BITS 接続は、External Connection Unit(ECU; 外部接続ユニット)および Cisco ONS 15454 M2 シェルフの電源モジュールを経由して行います。
通常の ONS 15454 ネットワークは次のように設定します。
• 1 つのノードを external に設定します。外部ノードは、BITS バックプレーン ピンからの有線の BITS ソースからタイミングを取得します。BITS ソースは、Stratum 1 クロックまたは Global Positioning Satellite(GPS)信号などの、Primary Reference Source(PRS; プライマリ基準ソース)からタイミングを取得します。
• その他のノードは line に設定されます。ライン ノードは、外部のタイミングがとられたノードから、OC-N/STM-N トランク(スパン)カードを通じてタイミングを取得します。DWDM ノードは、通常、OC-3/STM-1 チャネル内の OSCM または OSC-CSM カードを使用して、ラインからタイミングを取得します。
ONS 15454 ごとに、3 つのタイミング基準を設定できます。通常、最初の 2 つの基準を、2 つの BITS レベル ソースか、BTIS ソースがあるノードに光学的に接続された 2 つのライン レベル ソースになります。3 番めの基準は、通常、すべての ONS 15454 TCC2/TCC2P/TCC3/TNC/TSC カードに用意されている内部クロックに割り当てられます。ただし、3 つすべての基準を他のタイミング ソースに割り当てる場合、内部クロックは常に、バックアップのタイミング基準として使用できます。内部クロックは Stratum 3(ST3)のため、ONS 15454 ノードが切り離されると、タイミングは ST3 レベルで維持されます。
CTC の [Maintenance] > [Timing] > [Report] タブに、タイミング モード、クロック状態とステータス、切り替えタイプ、および基準データなど、ONS 15454 の現在のタイミング情報が表示されます。
注意 mixed タイミングでは、外部およびライン タイミング ソースの両方を選択できます。ただし、タイミング ループが発生する可能性があるため、このモードの使用は推奨しません。このモードの使用に当たっては、十分注意してください。
TNC/TSC カードの OC3 ポートを、タイミング基準として設定できます。ONS 15454 M2 シェルフでは、BITS-2 はサポートされません。
16.2 ネットワーク タイミング
図 16-1 は、ONS 15454 ネットワーク タイミング設定の例です。ノード 1 は、外部タイミングに設定されています。2 つのタイミング基準は BITS に設定されています。これらは、ノード 1 バックプレーン上の、BITS 入力ピンに接続された Stratum 1 タイミング ソースです。3 つめの基準は内部クロックに設定されています。ノード 3 のバックプレーン上の BITS の出力ピンは、デジタル アクセス回線アクセス マルチプレクサなどの外部の機器に対してタイミングを提供するために使用されています。
この例では、スロット 5 と 6 にトランク(スパン)カードがあります。ノード 2、3、4 のタイミングは line に設定されており、タイミング基準は BITS ソースからの距離に基づいてトランク カードに設定されています。基準 1 は、BITS ソースに最も近いトランク カードに設定されています。ノード 2 では、基準 1 は、ノード 1 に接続されているためスロット 5 に設定されています。ノード 4 では、基準 1 は、ノード 1 に接続されているためスロット 6 に設定されています。ノード 3 では、基準 1 は、ノード 1 から同じ距離にあるため、どちらかのトランク カードになります。
図 16-1 ONS 15454 のタイミングの例
16.3 同期ステータス メッセージング
Synchronization Status Messaging(SSM; 同期ステータス メッセージング)は、タイミング ソースの品質に関する情報をやり取りする SDH および SONET プロトコルです。SSM メッセージは、SONET 回線層の S1 バイトまたは SDH セクション オーバーヘッドの S1 バイトで運ばれます。これによって、SONET または SDH のデバイスは、最高品質のタイミング基準を自動的に選択し、タイミング ループを回避できます。
SSM メッセージは Generation 1 または Generation 2 のいずれかです。Generation 1 は最初のバージョンで、最も広く配布されている SSM メッセージ セットです。Generation 2 は新しいバージョンです。ONS 15454 または ONS 15454 SDH に対して SSM をイネーブルにする場合、タイミング基準の資料を参照して、どちらのセットを使用するかを決めます。
表 16-1 に、SDH メッセージ セットを示します。
表 16-1 SDH SSM メッセージ セット
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|
|
G811 |
1 |
Primary Reference Clock |
STU |
2 |
同期トレーサビリティは不明 |
G812T |
3 |
中継ノード クロックはトレース可能 |
G812L |
4 |
ローカル ノード クロックはトレース可能 |
SETS |
5 |
同期装置 |
DUS |
6 |
タイミングの同期には使用しない |
表 16-2 および 表 16-3 に、SONET の Generation 1 および Generation 2 メッセージ セットを示します。
表 16-2 SSM Generation 1 メッセージ セット
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PRS |
1 |
Primary Reference Source:Stratum 1 |
STU |
2 |
同期トレーサビリティは不明 |
ST2 |
3 |
Stratum 2 |
ST3 |
4 |
Stratum 3 |
SMC |
5 |
SONET 最小クロック |
ST4 |
6 |
Stratum 4 |
DUS |
7 |
タイミングの同期には使用しない |
RES |
-- |
予備。ユーザが品質レベルを設定 |
表 16-3 SSM Generation 2 メッセージ セット
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|
|
PRS |
1 |
Primary Reference Source:Stratum 1 |
STU |
2 |
同期トレーサビリティは不明 |
ST2 |
3 |
Stratum 2 |
TNC |
4 |
中継ノード クロック |
ST3E |
5 |
Stratum 3E |
ST3 |
6 |
Stratum 3 |
SMC |
7 |
SONET 最小クロック |
ST4 |
8 |
Stratum 4 |
DUS |
9 |
タイミングの同期には使用しない |
RES |
-- |
予備。ユーザが品質レベルを設定 |