DOCSIS ロード バランシング移動
Cisco CMTS は、MTC/MRC モデムの静的ロード バランシングおよび非 MTC および/または非 MRC モデムの動的ロード バランシングをサポートします。ラインカード間のサポートも含まれます。複数のインターフェイス、複数のロード バランシング ポリシー、および複数のロード バランシング パラメータを設定するためのオプションを伴うロード バランシング グループ(LBG)の設定のサポートも含まれます。
Cisco CMTS でロード バランシング ポリシーを ID によるインデックス付きで設定して、ケーブル モデムの移動をロード バランシング グループ(LBG)内に制限することができます。ケーブル モデムは登録要求(REG-REQ)メッセージで TLV43.1 を転送し、その後これは解析されて Cisco CMTS に保存されます。ポリシーにより、ケーブル モデムがそのロード バランシング グループ内で移動可能か、およびいつ移動可能かが定義されます。
動的ロード バランシングの間、ケーブル モデムを移動できるかどうかを決定するために、そのケーブル モデムに指定されたポリシーがチェックされます。
ロード バランシングは動的チャネル変更(DCC)をサポートします。DOCSIS 1.1 の DCC は、ケーブル モデムを強制的にオフラインにしたり、変更後に再登録したりせずに、ケーブル モデムのアップストリームまたはダウンストリームのチャネルを動的に変更します。
ロード バランシングは、アップストリーム チャネル ロードによりダウンストリーム ロード バランシングを同じアップストリーム ロード バランシング グループ内に分散します。これは、ロード バランシングがダウンストリーム チャネル ロード全体に基づいて実施されていた以前のロード バランシング制限より優れています。
ロード バランシングは、ルールとポリシーを使用して、ケーブル モデムの LB グループ内での移動を決定します。これらのポリシーは Cisco CMTS で作成され、REG-REQ の type-length-value(TLV)部分(43.1、ポリシー ID)を使用して CM 単位で選択されます。これらのポリシーは、モデムが移動または制限されることを禁止します。
ポリシーは、一連のルールが含まれています。ポリシーが複数のルールによって定義されている場合、すべてのルールは組み合わせで適用されます。ルールは、[enabled]、[disabled]、または [disabled during time period] に定義できます。それぞれのルールを 1 つまたは複数のポリシーで使用することができます。
DOCSIS 3.0 のモデム数ベース静的ロード バランシングでは、動的ボンディング変更(DBC)を使用して、複数のプライマリ チャネルを変更せずに、Multiple Transmit Channel(MTC)モードまたは Multiple Receive Channel(MRC)モードで DOCSIS 3.0 ケーブル モデムの次のパラメータを変更します。
- 送信チャネル セット(TCS)
- 受信チャネル セット(RCS)
- ダウンストリーム ID(DSID)または DSID 関連の属性
- ダウンストリーム トラフィックを暗号化するためのセキュリティ アソシエーション
Cisco CMTS では、これらのパラメータと追加のロードバランシング方式が サポートされており、このマニュアルで説明されています。このマニュアルでは、インストールされた Cisco IOS リリース、および任意のパラメータに応じた、Cisco CMTS でのロード バランスのあらゆる実装について説明します。
機能情報の確認
ご使用のソフトウェア リリースでは、このモジュールで説明されるすべての機能がサポートされているとは限りません。最新の機能情報と注意事項については、ご使用のプラットフォームとソフトウェア リリースに対応したリリース ノートを参照してください。このモジュールに記載されている機能の詳細を検索し、各機能がサポートされているリリースのリストを確認する場合は、このマニュアルの最後にある機能情報の表を参照してください。
プラットフォームのサポートおよびシスコ ソフトウェア イメージのサポートに関する情報を検索するには、Cisco Feature Navigator を使用します。Cisco Feature Navigator には、http://tools.cisco.com/ITDIT/CFN/ からアクセスできます。http://www.cisco.com/ のアカウントは必要ありません。
Cisco cBR シリーズ ルータに関するハードウェア互換性マトリクス
(注) |
Cisco IOS-XE の特定のリリースで追加されたハードウェア コンポーネントは、特に明記しない限り、以降のすべてのリリースでもサポートされます。
|
表 1 Cisco cBR シリーズ ルータに関するハードウェア互換性マトリクス
Cisco CMTS プラットフォーム
|
プロセッサ エンジン
|
インターフェイス カード
|
Cisco cBR-8 コンバージド ブロードバンド ルータ
|
Cisco IOS-XE リリース 16.5.1 以降のリリース
Cisco cBR-8スーパーバイザ:
-
PID:CBR-CCAP-SUP-160G
-
PID:CBR-CCAP-SUP-60G
-
PID:CBR-SUP-8X10G-PIC
|
Cisco IOS-XE リリース 16.5.1 以降のリリース
Cisco cBR-8 CCAP ライン カード:
-
PID:CBR-LC-8D30-16U30
-
PID:CBR-LC-8D31-16U30
-
PID:CBR-RF-PIC
-
PID:CBR-RF-PROT-PIC
-
PID:CBR-CCAP-LC-40G-R
Cisco cBR-8 ダウンストリーム PHY モジュール:
-
PID:CBR-D30-DS-MOD
-
PID:CBR-D31-DS-MOD
Cisco cBR-8 アップストリーム PHY モジュール:
-
PID:CBR-D30-US-MOD
-
PID:CBR-D31-US-MOD
|
前提条件
ロード バランシングの前提条件
ロード バランシング機能の前提条件は、次のとおりです。
ロード バランシングのための動的チャネル変更の前提条件
-
DCC の対象となるのは、送信元、ターゲット両方のアップストリームまたはダウンストリーム チャネル、あるいはその両チャネルに物理的に接続されたケーブル モデムのみです。
-
同じ物理接続を共有するダウンストリームおよびアップストリーム チャネルの中心周波数は、チャネル幅で区切られた異なる中心周波数である必要があります。
-
送信元とターゲット DCC チャネルの物理層パラメータの差は、目的の DCC 初期化テクニックに必要なしきい値の範囲内である必要があります。
-
モデムが DCC 操作を適切に実行するためには、DOCSIS 1.1 をイネーブルにする必要があります。完全にカバーするために CableLabs DCC ATP テストの拡張が必要なため、すべての DOCSIS 1.1 認定モデムが DCC 対応ではないことに注意してください。
DOCSIS 3.0 のモデム数ベース静的ロード バランシングのための動的ボンディング変更の前提条件
-
初期化テクニック 1 ~ 4 を使用するには、Cisco CMTS で DBC-REQ メッセージにアップストリーム チャネル記述子(UCD)TLV(TLV46.5)を含める必要があります。
-
DBC をサポートするには、ターゲット ボンディング グループに十分な帯域幅があることが必要です。これはアドミッション制御 API によって決まります。
-
DOCSIS 3.0 のモデム数ベース静的ロード バランシングを設定する前に、ファイバ ノードを設定する必要があります。
制限事項
ここでは、ロード バランシング、動的チャネル変更、および動的ボンディング変更機能に適用される制限について説明します。
ロード バランシングの制限事項
ロード バランシング機能には次の制限事項があります。
-
ロード バランシングはラインカード単位でのみ実行できます。つまり、1 つのロード バランシング グループ内のすべてのインターフェイスは同じラインカードから提供される必要があります。
-
1 つのロード バランシング グループ内のダウンストリームおよびアップストリームはすべて、同じケーブル モデム グループへの物理接続を共有する必要があります。同じ RF 物理接続を持つ全ダウンストリーム、または全アップストリームは同じロード バランシング グループのメンバーである必要があります。
-
各ラインカードに最大 256 のロード バランシング グループを作成できます。
-
(noshutdown コマンドを使用して)アップストリーム ポートが動作可能な状態で、使用/接続されていない場合、このポートに登録されているケーブル モデムがなくてもロード バランシングはこのポートを使用しようと試みます。アップストリーム ポートがアップすると、INIT ステートとなり、ロード バランシングにより潜在的ターゲットに含められます。ただし、ロード バランシングでこのアップストリームへの移動を複数回失敗すると DISABLE ステートに設定され、ロード バランシングのその後の過程ではこのポートは除外されます。
-
ロード バランシング アルゴリズムでは、モデム間の使用率は比較的均等に配分されます。1 つのケーブル モデムが 1 つのインターフェイス上に大部分の負荷を生成する状況では、1 つのモデムによって生成される負荷より大きい値にロード バランシングしきい値を設定する必要があります。
-
ロード バランシングで自動的に移動する特定のケーブル モデムを選択することはできませんが、MAC アドレスまたは組織固有識別子(OUI)に基づいて、いくつかのケーブル モデムをまとめてロード バランシング動作から除外することはできます。(手動で特定のケーブル モデムをアップストリーム間で移動するには、testcableload-balance コマンドを使用します。ただし、この操作は通常、ロード バランシング グループの設定をテストする場合に実行します)。
-
アップストリーム共有スペクトル グループが設定されている状態でダウンストリーム ロード バランシングを行う場合、各 MAC ドメイン内のダウンストリームが重複するアップストリーム グループを使用することはできません。たとえば、ある MAC ドメイン内のダウンストリームは 10 ~ 30 MHz のアップストリーム スペクトル帯域を使用し、第 2 の MAC ドメイン内のダウンストリームは 30 ~ 42 MHz のアップストリーム スペクトル帯域を使用することが可能です。ロード バランシング グループに両方の MAC ドメイン用のダウンストリームが含まれるよう、それぞれの MAC ドメインにはそれぞれ固有のアップストリーム共有スペクトル グループが含められます。
-
同じスプリッタから伸びるすべてのアップストリーム ポートは、チャネル幅で区切られた異なる中心周波数を使用する必要があります。たとえば、アップストリームが 3.2 MHz のチャネル幅を使用している場合、すべてのアップストリームの中心周波数は少なくとも 3.2 MHz に区切られる必要があります。
-
動的チャネル変更(DCC)では 4 つの初期化テクニックを使用できます。
-
ロード バランシングを設定している場合、プロビジョニング システムにより DOCSIS コンフィギュレーション ファイルで個々のケーブル モデムに特定のアップストリーム チャネルまたはダウンストリーム周波数を割り当てることはできません。特定のアップストリーム チャネルまたはダウンストリーム周波数を必要とするすべてのケーブル モデムを、ロード バランシング動作から除外する必要があります(cableload-balanceexclude コマンドを使用)。
-
ケーブル モデムの数が少ないケーブル インターフェイスや、インターフェイス負荷の大部分を単一のモデムが担当している場合には、ロード バランシングの使用率による方法を使用しないでください。このような状況では、Cisco CMTS はあるインターフェイスから別のインターフェイスへケーブル モデムを移動し続け、インターフェイスをロード バランシングする試みが終わらなくなる可能性があります。これを避けるには、使用率のしきい値を、単一ケーブル モデムによって発生する可能性のある値よりも大きい値に設定します。
-
チャネル制限機能が導入され、ターゲット アップストリーム チャネルの属性マスクがケーブル モデムの属性マスクと対立する場合、より高い負荷のアップストリームにあるケーブル モデムはロード バランシングの対象になりません。現在のロード バランシングにより、ケーブル モデムはターゲット アップストリームにのみ移動されるためです。ただし、属性マスクが設定されていないケーブル モデムは、そのままロード バランシングの対象である場合があります。ロード バランシング グループを導入する場合は、次のことを考慮してください。ターゲット アップストリームは常に、最も低い負荷を持つアップストリームです。同じ負荷を持つアップストリームが他にある場合、最も低いインデックスを持つアップストリームがターゲット アップストリームとして選択されます。
-
ケーブル モデム コンフィギュレーション ファイル中の TLV はモデムごとの動的ロード バランシングを制限します。
-
DOCSIS ポリシーの最後のルールを削除すると、ポリシー自体が削除されます。
-
Cisco CMTS のロード バランシング機能は、ケーブル モデムが拡張周波数範囲(5 MHz ~ 85 MHz)をサポートするかどうかをチェックせずに、ロード バランシング グループ内のチャネルの負荷に基づいてケーブル モデムを移動します。このため、標準周波数範囲(5 MHz ~ 65 MHz)をサポートするケーブル モデムが拡張周波数範囲が設定されたチャネルに移動される可能性があります。このようなシナリオを克服するため、グループ内のすべてのモデムが拡張周波数をサポートするのでないかぎり、オペレータは、同じロード バランシング グループ内に標準周波数および拡張周波数を持つアップストリームを混在させて設定しないようにする必要があります。
ロード バランシングのための動的チャネル変更の制限事項
-
DCC 初期化 0 が、ロード バランシング DCC のデフォルトのテクニックです。
-
複数のカード間での(カード間)ロード バランシングでは、LB グループにどのテクニックが設定されているか、またはどのカード タイプが使用されているかに関係なく、どんな場合にも DCC 初期化テクニック 0 が使用されます。
-
送信元とターゲットのアップストリームおよびダウンストリームは、DCC トランザクションに望ましいモデムと物理接続を共有する必要があります。
-
個別のダウンストリーム変更はサポートされません。対応するダウンストリーム変更によって MAC ドメインをまたぐアップストリーム変更が起きる必要があります。
-
ロード バランシングに DCC を使用する場合、送信元とターゲットのダウンストリーム インターフェイスは、同じ仮想バンドルおよび同じロード バランシング グループに属している必要があります。
-
DCC 初期化テクニック 1 ~ 4 では、動的チャネル変更要求(DCC-REQ)メッセージのエンコーディングによって明示的に変更された設定変数を除き、ケーブル モデムのすべての設定変数が一定に保持される必要があります。
-
新旧チャネル間の伝搬遅延の差が DOCSIS で定義されている範囲精度要件(たとえば、±0.25 usec(マイクロ秒)プラス ± シンボル時間)を超える場合、DCC 初期化テクニック 2 ~ 4 を使用する必要があります。
たとえば、1.28 Msps のシンボル レートの場合、送信元とターゲットのアップストリーム チャネル間のタイミング オフセット差は、± floor[(0.250 us + 0.5*0.781us)/(1/10.24)] = ± 6 となります。
-
新旧のアップストリーム チャネル間の減衰または周波数応答の差により、Cisco CMTS での受信電力が 6 dB 以上変化します。
-
DCC 初期化テクニック 3 は、テクニック 2 を使用するための条件が満たされていない場合には使用しないでください。
-
DCC 初期化テクニック 4 は、テクニック 2 を使用するための条件が満たされていない場合には使用しないでください。
-
新しいアップストリーム チャネル上の微小反射により、初期設定に設定された事前均等化係数で許容されない BER(1e-8 以上)が発生します。
-
DCC は DOCSIS 1.1 以降の CM の動的ダウンストリーム ロード バランシングのためだけに使用されます。DOCSIS 1.x CM での動的アップストリーム ロード バランシングでは常に、アップストリーム チャネル変更(UCC)が使用されます。DOCSIS 2.x CM では、ucc オプションが設定されている場合、UCC が使用されます。DOCSIS 3.x CM では、ucc オプションが設定されているかに関係なく、DCC が使用されます。
-
DCC により移動されたケーブル モデムがターゲット インターフェイス上の動的マルチキャスト グループにとって最初のケーブル モデムであった場合、マルチキャスト トラフィックの中断が長引くことが予想されます。Internet Group Management Protocol(IGMP)のクエリ間隔が 1 分に設定されている場合、Cisco CMTS IGMP クエリの結果として Cisco CMTS が IGMP Join メッセージを顧客宅内機器(CPE)から受信するまで、ダウンストリーム マルチキャスト サービス フローを再確立することはできません。これは、IGMPv2 の制限です。
-
CPE に静的に割り当てられた複数の IP アドレスを ping することができます。ただし、これを実行できるのは、ケーブル モデムの IP アドレスおよびアップストリーム上の CPE デバイスの検証などのセキュリティ機能、および他のセキュリティ メカニズムがディセーブルになっているときだけです。
-
DOCSIS 3.0 ケーブル モデムに割り当てられる TCS および RCS は、Cisco CMTS で設定されているアップストリームおよびダウンストリーム ボンディング グループにより制限されます。
-
ロード バランシングおよび DCC はレイヤ 2 VPN(L2VPN)サポートがイネーブルになっている CM ではサポートされません。
-
DCC が起きると、ケーブル モデムの US および DS カウンタはリセットされます。US カウンタと DS カウンタには、showcablemodem(mac-address) verbose コマンド出力に示されるデータとスループット、showcablemodem(mac-address)counters コマンド出力に示されるパケットとバイトなどのカウンタが含まれます。
N+1 冗長性とカード間ロード バランシングに関する DCC の制限
DOCSIS 3.0 モデム数ベース静的ロード バランシングの制約事項
-
モデム数ベース静的ロード バランシングは、MTC ケーブル モデムおよび MRC 単独ケーブル モデムでサポートされます。シングル チャネル、ナローバンド ケーブル モデムは、動的ロード バランシングとともに継続してサポートされます。MRC 単独モデムは、アップストリーム チャネルの動的ロード バランシングによりサポートされます。
(注) |
DOCSIS 3.0 静的モデム カウントベース ロード バランシングは、次の環境でサポートされません。
|
-
DOCSIS 3.0 モデム数ベース静的ロード バランシングは、ロード バランシングのサービス フローによる方法をサポートしません。
DOCSIS 3.0 モデム数ベース静的ロード バランシングのための動的ボンディング変更の制約事項
-
Cisco CMTS では、MAC ドメイン内でのモデムの移動に DBC メッセージングのみを使用できます。適用対象はプライマリ ダウンストリームに変更がなく、MTC モードまたは MRC 単独モードで動作しているケーブル モデムのみです。
-
Cisco CMTS は DCC と初期化テクニック 0 を使用するプライマリ チャネル変更によって、MRC 単独のケーブル モデムを移動します。
-
Cisco CMTS は DCC と初期化テクニック 0 のみを使用して、MAC ドメイン間でケーブル モデムを移動します。
-
Cisco CMTS では、ケーブル設備の状態に適した初期化テクニックを考慮する際に、既存の QoS サービスの中断を最小限にすることを確認する必要があります。
(注) |
DOCSIS 3.0 静的ロード バランシングは、初期化テクニック 1 を使用して DBC の移動のためにケーブル モデムを移動します。
|
-
初期化テクニック 1:(ブロードキャスト初期レンジング)長い中断をもたらす可能性がありますが、これは新しいチャネルに QoS リソースを予約することによって軽減されます。Cisco CMTS で新しいチャネルに初期レンジングのより頻繁な機会を提供することに加え、DBC 要求に UCD TLV を追加することにより、サービスの中断をさらに軽減することができます。
-
初期化テクニック 2:(ユニキャスト レンジング)サービスの中断をわずかに抑える可能性を提供します。このテクニックを使用するには、アップストリーム チャネルが変更された場合に Cisco CMTS で DBC メッセージ に UCD TLV を含める必要があります。
-
初期化テクニック 3:(ブロードキャストまたはユニキャスト レンジング)サービスの中断をわずかに抑える可能性を提供します。CM が DBC コマンドをいつ実行するかが不明であり、そのためにステーション メンテナンス スロットが見逃される可能性がある場合、このテクニックを使用します。ただし、テクニック 1 および 2 を 使用するための条件が完全に満たされていない場合、Cisco CMTS はこのテクニックを使用できません。
-
初期化テクニック 4:(新しいチャネルを即使用)サービスの中断が最小になります。
-
DOCSIS 3.0 静的ロード バランシング グループ内にある DOCSIS 3.0 ケーブル モデムでは、マルチキャストの結合は REG-HOLD 時間が経過する前にドロップされます。
MRC 単独ケーブル モデムの制限事項
-
MRC 単独ケーブル モデムでは、単一チャネルの未ボンディングのアップストリーム(ナローバンド(NB)モデムと同様)、およびダウンストリーム上の複数チャネル ボンディング グループを使用します。
(注) |
次の制限事項は MRC 単独モードの DOCSIS 2.0 および DOCSIS 3.0 ケーブル モデムにのみ適用されます。
|
-
ケーブル モデムの移動は、DCC を使用してアップストリーム チャネル間で行われます。
-
プライマリ ダウンストリーム チャネルには変更がなく、アップストリーム チャネルとダウンストリーム チャネル ボンディング グループに変更がある場合、ケーブル モデムは DBC により異なるダウンストリーム チャネルに移動されます。アップストリーム チャネル変更は無視されます。
ただし、プライマリ ダウンストリーム チャネルにも変更がある場合は、DCC と初期化テクニック 0 が使用されて、ケーブル モデムのバランシングが行われます。
-
MRC 単独モデムは MTC モードで動作しているケーブル モデムと同様に処理され、ダウンストリーム チャネル間でモデムが移動されす。アップストリーム チャネルに変更がある場合、MRC 単独ケーブル モデムは単一チャネル NB ケーブル モデムと同様に処理されます。
Cisco CMTS でのロード バランシングに関する情報
ここでは、Cisco CMTS でのロード バランシング機能の動作、概念、および利点について説明します。
機能の概要
Cisco CMTS のロード バランシング機能では、サービス プロバイダーがダウンストリームおよびアップストリームの両方の帯域を最適に使用できます。音声やビデオ サービスなどの新しい高速サービスを導入できます。この機能を使用すると、ケーブル モデムの分配がケーブル ネットワーク全体で不均一であること、および個々の顧客による使用パターンがさまざまであることが原因であるネットワークの輻輳を軽減できます。
デフォルトで Cisco CMTS プラットフォームが使用するロード バランシング形式では、ケーブル モデムの登録時に異なるアップストリームにケーブル モデムを均一に分散させようとします。
この機能は強化され、DOCSIS ポリシーおよびルールを利用してロード バランシング グループ内での移動を制限するようになりました。ポリシーにより、ケーブル モデムがそのロード バランシング グループ内で移動可能か、およびいつ移動可能かが定義されます。
ポリシーは、一連のルールで構成されます。各ルールは、「有効」、「無効」、または「期間中に無効」として定義できます。複数のポリシーで 1 つのルールを共有できます。ただし、ポリシーの最後のルールを削除すると、ポリシーも削除されます。
各ルールは、任意の数のポリシーで使用できます。複数のルールによって定義される場合、すべてのルールは組み合わせて適用されます。各ルールは、特定のケーブル モデムを使用するロード バランシングを禁止したり、1 日のうち特定の時間帯で特定のケーブル モデムを使用するロード バランシングを禁止したりできます。
ルールとポリシーの一般的なガイドラインを以下に示します。
-
ポリシーまたはルールは 32 ビットの ID で認識されます。
-
各ケーブル モデムには 1 つのポリシーのみを設定できます。
-
各ルールは、1 つ以上のポリシーに関連付けることができます。
-
各ポリシーは、少なくとも 1 つのルールで記述されます。そうでない場合は作成できません。
-
ポリシー ID 0 は Cisco CMTS によって予約されていて、「LB 禁止に対して何もしない」ことを示します。
-
ケーブル モデムのコンフィギュレーション ファイルで指定されたポリシー ID が Cisco CMTS 上で設定されていない場合、LB 禁止がその CM に適用されません。ただし、ID が一致するポリシーが設定されると、LB 禁止はすぐに反映されます。
インターフェイスのバランシング時期の判定方法
インターフェイスをどのようにバランシングするか(静的、受動的、または動的タイプのロード バランシングの使用)の選択に加え、インターフェイスをいつバランシングしたらよいかを判定するのに Cisco CMTS が使用する方法を以下から選択することができます。
それぞれの方法の詳細については、以下の項を参照してください。
モデムによる方法
モデムを利用するロード バランシング メソッドでは、インターフェイス上のアクティブなケーブル モデム数を使用して現在の負荷を判定します。これは分散ベース形式のロード バランシングであり、インターフェイスがロード バランシングされているかどうかを判断するのに、モデムの絶対数が使用されます。
この方式では、ケーブル モデムを通過するトラフィックの量は考慮されませんが、システムでは使用されているチャネルの相対帯域幅が考慮されるため、高帯域幅のチャネルには多数のケーブル モデムが割り当てられます。つまり、インターフェイスがそれぞれ異なるチャネル幅または変調プロファイルを使用している場合、システムはロード バランスを実現するためにインターフェイスに異なる数のケーブル モデムを割り当てることができます。次に例を示します。
-
チャネル幅:2 つのアップストリームをロード バランシングする場合に、一方のアップストリームが 1.6 MHz のチャネル幅に設定され、他方のアップストリームは 3.2 MHz のチャネル幅に設定されている場合、後者のケーブル モデムは前者の 2 倍のアップストリーム チャネル幅であるため、Cisco CMTS は後者のアップストリームに 2 倍の数のケーブル モデムを割り当てます。
-
変調プロファイル:一方のダウンストリームが 64-QAM に設定され、他方のダウンストリームが 256-QAM に設定されている場合、バランシングされた負荷を達成するために、Cisco CMTS は後者のダウンストリームに比例してより多くの数のケーブル モデムを割り当てます。
2 つのインターフェイスでチャネル幅と変調プロファイルの両方が 異なるように設定されている場合、システムは、インターフェイスの相対的な帯域幅を決定するための目安として、「重み」値を計算します。
ヒント |
ロード バランシングされたシステムでは、設定されたチャネル幅と変調パラメータがインターフェイス間で同一の場合のみ、それらのインターフェイスには同じ数のケーブル モデムが含まれます。
|
使用率による方法
(注) |
使用率による方法は、ナローバンド ケーブル モデム、複数のダウンストリーム ケーブル モデム、および MRC 単独ケーブル モデムのアップストリームのみで使用されます。
|
使用率による方法では、インターフェイスの現在の使用率を使用して現在の負荷が判断されます。この方法は、インターフェイス上で送信されるトラフィックの量を、使用中の帯域幅合計におけるパーセンテージの形式で使用します。システムでは、各インターフェイスの負荷を評価する際、これらのインターフェイスの(変調プロファイルとチャネル幅によって決定される)相対的なスループットと帯域幅が考慮されます。
たとえば、使用率による方法を使用して 2 つのアップストリームがロード バランシングされ、最初のアップストリームが 2 番目のアップストリームの 2 倍の帯域幅を持つ場合、2 つのアップストリームは、使用率が同じパーセンテージに到達したときにバランシングされていると見なされます。最初のアップストリームはトラフィック用の容量がより大きいため、2 番目のアップストリームよりも多くのトラフィックを転送しますが、使用率のパーセンテージは同じになります。
ワイドバンド インターフェイスの平均使用率とスループット
同じサイズのワイドバンド インターフェイス間の平均使用率と平均スループットは以下によって計算できます。
平均使用率(WB) = ∑ni-1rfch - util(rfi)/n
- n は、ワイドバンド インターフェイスのサイズを表します。
- ∑ni-1rfch - util(rfi) は、ワイドバンド インターフェイス内の QAM チャネルの rfch - util の合計を表します。
平均スループット(WB) = 直近の 30s/∑ni=1BW(rfi) の平均スループット(WB)
(注) |
ワイドバンド インターフェイス間での平均使用率と平均スループットを表示するには、show
cable
load-balance
load
wideband
コマンドを使用します。
|
ロード バランシング パラメータ
ロード バランシング動作にどのケーブル インターフェイスを関与させるかを指定できます。ケーブル インターフェイス上の現在のロードを、次のうちどの方法で判定するかを選択でき、したがって、ケーブル モデムを移動する必要があるかどうかを決定できます。
-
アクティブなケーブル モデムの数
-
チャネル帯域幅の利用率
また、アップストリーム、ダウンストリームの両タイプのロード バランシングのために、Cisco CMTS が新しいケーブル モデムをそれぞれに割り当てる方法を判定するのに使用するしきい値を指定できます。さらに、アクティブな Voice-over-IP(VoIP)コールを伴うケーブル モデムを移動する必要があるかどうかを設定でき、その場合に使用するしきい値を設定できます。また、1 つの形式またはあらゆる形式のロード バランシングから、特定のケーブル モデムを除外することができます。
使用率による方法で構成可能な最小しきい値
使用率による方法では、少なくとも 1 つのインターフェイスの仕様率が最小しきい値に達するまで、ロード バランシングのためにケーブル モデムを移動しません。これは、インターフェイスの使用率が一時的に急増することが原因で、ケーブル モデムの不必要な移動を避けるためです。
最小使用率しきい値は、使用率による方法で構成できます。最小使用率しきい値は 10 ~ 90 パーセントの範囲で構成できます。その結果、インターフェイスで構成された最小使用率しきい値に達したときにケーブル モデムが移動します。
使用率による方法で最小しきい値を設定するには、グローバル コンフィギュレーション モードで cableload-balancemethod-utilizationmin-threshold コマンドを使用します。詳細については、cableload-balancemethod-utilizationmin-threshold コマンド リファレンスを参照してください。
単一チャネルのロード バランシング
チャネル割り当てのエラー処理
チャネルのインターフェイス状態が「administratively down」ではない限り、すべてのチャネルが LBG 割り当てに使用できます。その他のロード バランシング動作(DCC や UCC を使用してモデムを移動するなど)では、チャネルのインターフェイス状態は「initial」、「up」、「suspicious」、または「testing」ステータスである必要があります。
アップストリーム ロード バランシングを使用したダウンストリーム ロード バランシングの分散
ダウンストリーム ロード バランシングは、アップストリーム グループ メンバー間で均等なロード バランシングを提供します。この強化は、「保留中」統計をロード バランシング グループ内のさまざまなケーブル インターフェイス ライン カード間で同期します。その結果、ダウンストリームの合計負荷ではなくアップストリームごとの負荷を利用する、ダウンストリーム ロード バランシングの代替スキームとなります。
この強化では、ダウンストリーム チャネル負荷全体に基づくのではなく、同じアップストリーム ロード バランシング グループにおけるアップストリーム チャネル負荷を考慮してダウンストリーム ロード バランシングを実行します。以前の Cisco IOS リリースでは、個々のアップストリーム チャネル間で均等に、またはダウンストリームとアップストリームを同時に考慮した方法で、分散したケーブル モデムを使用できませんでした。
ロード バランシング強化は、別々のアップストリーム ロード バランシング セグメントを持つヘッドエンド システムでダウンストリーム ロード バランシングが発生するときに適用されます。アップストリーム セグメントは複数のダウンストリーム セグメントに展開されます。
ダウンストリーム ロード バランシングを決定するための設定と動作は、次のように有効になります。
-
ターゲット ダウンストリーム セグメントは、ソース ダウンストリーム セグメントと同じダウンストリーム ロード バランシング グループ内にあります。
-
アップストリーム ロード バランシング グループは、ケーブル モデムがバランスしている該当チャネルに対して設定できます。
-
Cisco CMTS は、ロード バランシング グループのアップストリーム セグメントを自動的に検出し、負荷が最も小さいソース インターフェイスでアップストリーム グループ ステータスを処理します。
-
ターゲット ダウンストリーム セグメントには、アップストリーム ロード バランシング グループで設定したアップストリーム チャネルが必要です。
-
最上位のターゲット アップストリーム セグメントでは、他のインターフェイス上の最上位アップストリーム セグメントなど、他の潜在的なターゲットよりも負荷を少なくする必要があります。
たとえば、複数のアップストリーム セグメントを次のように複数のダウンストリーム セグメント全体で設定できます。
U0 U1 U2 U3 Downstream
3/0 LB10 LB11 LB12 LB13 LB1
4/0 LB10 LB11 LB12 LB13 LB1
5/0 LB10 LB11 LB12 LB13 LB1
6/0 LB10 LB11 LB12 LB13 LB1
この例では、インターフェイス ケーブル 5/0 アップストリーム 2 でオンラインになったケーブル モデムは、次のインターフェイスでオンラインになる可能性があります。
-
ケーブル 3/0 アップストリーム 2
-
ケーブル 4/0 アップストリーム 2
-
ケーブル 6/0 アップストリーム 2
この強化では、次の利点と動作が実現されます。
-
この強化により、「保留中」統計をさまざまなケーブル インターフェイス ライン カードとネットワーク プロセッシング エンジン(NPE)との間で同期するためのサポートが追加され、ケーブル モデムの移動先に関して判断を向上させることができます。この機能は、必要に応じて通常のダウンストリーム ロード バランシングの実装として使用できます。
-
この強化により、アップストリーム リソースを使用してダウンストリーム ロード バランシング グループを設定するための us-groups-across-ds キーワードが cable load-balance
group コマンドに追加されました。
(注) |
DOCSIS 2.0 の動的ダウンストリームおよびアップストリームのロード バランシングを無効にするには、no
cable
load-balance
docsis20-enable
コマンドを使用します。
|
DOCSIS 3.0 ケーブル モデムの単一アップストリーム モードでのアップストリーム ロード バランシング
アップストリーム ロード バランシング機能により、Cisco CMTS ルータは、単一アップストリーム モードのワイドバンドおよびナローバンド ケーブル モデムのアップストリーム トラフィックを、効果的に処理することができます。単一アップストリーム モード(Mx1)とは、モデムが複数のアップストリーム チャネル上のアップストリーム トラフィックを送信できないことを意味します。ワイドバンドまたはナローバンド ケーブル モデムの 1 つのアップストリーム チャネルにトラフィックの過負荷が発生すると、Cisco CMTS ルータは、同じロード バランシング グループ内の別のアップストリーム チャネルにケーブル モデムを自動的に移動します。
(注) |
単一アップストリーム モードで動作しているケーブル モデムは、モデムのプライマリ チャネルに基づいて 1 つのロード バランシング グループに割り当てられます。単一アップストリーム モードのケーブル モデムは、Multiple Receive Channel(MRC)モードまたはナローバンド モードをサポートすることができます。ただし、単一アップストリーム モードのケーブル モデムは、Multiple Transmit Channel(MTC)モードをサポートできません。
|
スペクトル管理とのインタラクション
Cisco ケーブル インターフェイス ラインカードは、チャネル帯域幅を最大化し、ケーブル モデム トラフィックのイングレス ノイズの影響を最小化する多くの機能をサポートします。これらの機能は、ロード バランシング動作に次の影響を及ぼします。
-
周波数ホッピング:周波数ホッピングは、チャネル帯域幅、インターフェイス上のケーブル モデムの数のいずれも変更しないため、ロード バランシング アルゴリズムに影響を及ぼしません。
-
ダイナミック変調の変更:ダイナミック変調機能は、インターフェイス上のノイズ状態に応じて、高帯域幅変調プロファイルから低帯域幅変調プロファイルにインターフェイスを切り替えるため、ロード バランシング アルゴリズムに影響を及ぼします。
たとえば、アップストリームが 16-QAM に設定されている場合、十分なノイズ レベルにより、アップストリームが QPSK 変調プロファイルに切り替わる場合があります。ロード バランシングの設定によっては、この結果、ケーブル モデムが他のチャネルに移動する可能性があります。同様に、ノイズ状態が改善されて変調が元の高帯域幅プロファイルに戻ると、ケーブル モデムはアップストリーム チャネルを再調整するために再び移動する場合があります。
-
チャネル幅の変更:Cisco ケーブル インターフェイス ラインカードはノイズ状態に応じたチャネル幅への自動変更をサポートします。チャネル幅を変更するとチャネルのスループットに影響するため、これもロード バランシング アルゴリズムに影響を及ぼします。
たとえば、ノイズによって現在のチャネル幅を使用不可になると、Cisco ケーブル インターフェイス ラインカードは使用可能なチャネル幅が見つかるまでチャネル幅を減らします。これによりチャネル上の使用可能な帯域幅が減少するので、ロード バランシング アルゴリズムは、アップストリームを再調整するためにケーブル モデムを移動します。
また、ノイズ状態が改善された場合、Cisco ケーブル インターフェイス ラインカードは自動的に元のチャネル幅を回復しません。その代わりに、新たなノイズ状態に応じてさらなる周波数ホッピングが起きた場合、またはオペレータが手動で周波数ホッピングを実行した場合に限り、カードはチャネル幅を変更します。ホッピングが発生するとカードは可能な最大のチャネル幅を検索しますが、これによりチャネルを再調整するためのケーブル モデムの別の移動が発生する可能性があります。
動的チャネル変更の使用
DOCSIS 1.1 の DCC は、ケーブル モデムを強制的にオフラインにしたり、変更後に再登録したりせずに、ケーブル モデムのアップストリームまたはダウンストリームのチャネルを動的に変更します。DCC は 5 つの異なる初期化メソッド(0 ~ 4)をサポートします。
- ロード バランシング手法により、設定可能な初期化テクニックを使用して DCC 搭載のケーブル モデムを移動できます。
- DCC を 0 ~ 4 の範囲の DCC 初期化テクニックとともに使用すると、同じケーブル インターフェイス ライン カード内の個々のダウンストリーム チャネル間でライン カード チャネルを変更できるようになります。
- DCC は、ケーブル モデム状態の情報を発信ダウンストリーム チャネルから対象のダウンストリーム チャネルに転送し、ケーブル インターフェイス ライン カードとネットワーク プロセッシング エンジン(NPE)またはルート プロセッサ(RP)間のケーブル モデム情報の同期化を維持します。
- PacketCable(PC)や PacketCable Multimedia(PCMM)などの遅延に敏感なアプリケーションは、DCC 初期化テクニック 4 を使用し、ケーブル モデムが DCC を実行している間のサービスを維持します。
- チャネルが混合モードまたは ATDMA のみモードの場合、プライマリ サービス ID(SID)を ATDMA のみモードに切り替える必要があります。
(注) |
DOCSIS 2.0 の動的ダウンストリームおよびアップストリームのロード バランシングを無効にするには、no
cable
load-balance
docsis20-enable
コマンドを使用します。
|
複数チャネルのロード バランシング
束ねられたチャネル ケーブル モデムのロード バランシングのアルゴリズム
ケーブル モデムの登録時に、モデム数ベースの方法では各チャネルの現在の負荷を決定するために、許可された RCS 上でアクティブなケーブル モデム数を使用します。モデムに RCS が割り当てられると、トラフィックの状態が変化しても Cisco CMTS はケーブル モデムを移動しません。
ケーブル モデムが登録要求を送信すると、モデム数ベースのロード バランシング メソッドでは、モデム数に基づいて許可された受信チャネル セット(RCS)をランク付けし、CM 数が最小のセットを範囲内にあるケーブル モデムに割り当てます。
DOCSIS 3.0 モデム数ベース静的ロード バランシング
モデム数ベース静的ロード バランシングは、次をサポートします。
-
DOCSIS 汎用/制限付きロード バランシング グループの割り当てにより、MTC モードおよび MRC 単独モードの DOCSIS 3.0 ケーブル モデムを含めます。
(注) |
DOCSIS 3.0 モデム数ベース静的ロード バランシングは、次の環境でサポートされません。
|
-
ロード バランシングにおける DCC および DBC の使用。
-
ダウンストリーム移動中の MRC 単独モデムでの DBC の使用。
-
プライマリ ダウンストリーム チャネルが MRC 単独 CM で変更された場合は、初期化テクニック 0 と DCC の使用。
-
すべてのアップストリームおよびダウンストリーム モデム移動における MTC モードのケーブル モデムでの DBC の使用。
-
NB およびワイドバンド(WB)/アップストリーム ボンディング(UB)CM に別々のカウンタ。詳細については、『Cisco IOS CMTS Cable Command Reference』で showcableload-balancedocsis-group コマンドを参照してください。
-
ロード バランシングのために論理チャネルを物理チャネルへ集約。物理チャネルの負荷は、すべての論理チャネル間の平均ウェイトを使用して計算されます。
-
SPA QAM の使用率が考慮された非プライマリ ダウンストリーム チャネルの負荷。
(注) |
|
(注) |
異なる WB インターフェイス全体の CM 数が事前定義されたしきい値レベル内にあるとき、負荷はバランスが取れているものとして常に考慮され、LB システムによるこれ以上の CM 移動は開始されません。この LB プロセス中、サービス フロー数は、プライマリもセカンダリも考慮されません。
|
(注) |
サービス フロー(SF)の転送インターフェイスのために考慮される属性は、属性マスクおよび使用可能な帯域幅であり、チャネルごとのサービス フロー数ではありません。チャネルが新しい RCS 内にある場合、ナローバンド SF のタイプ(プライマリかセカンダリか、または静的か動的か)に関係なく、SF は現在のチャネルを使用し続けます。
|
(注) |
US PHY モード カウンタ(scdma、atdma、および tdma)は、UB インターフェイスでは 0 のままです。
|
DOCSIS 3.0 モデム数ベース静的ロード バランシングは、レガシーのロード バランシングに基づいており、任意のタイプのチャネルの組み合わせ(アップストリームとダウンストリーム)MxN もサポートします。1x1 の組み合わせはそのサブセットです。
DOCSIS 3.0 モデム数ベース静的ロード バランシングは、登録済み CM で使用されるダウンストリームおよびアップストリーム チャネルへの動的な変更を制御します。次がサポートされています。
DOCSIS 3.0 モデム数ベース静的ロード バランシングは、DOCSIS 1.x、2.0、および 3.0 ケーブル モデムのハイブリッド導入におけるモデム数ベースのロード バランシングをサポートします。
モデム数ベース静的ロード バランシングは、DOCSIS 3.0 CM の場合のみサポートされます。シングル チャネルのナローバンド ケーブル モデムは、動的ロード バランシングで引き続きサポートされます。MRC 単独ケーブル モデムは、アップストリーム チャネルの動的ロード バランシングによりサポートされます。
DOCSIS 3.0 モデム数ベース静的ロード バランシングを使用すると、LBG 内のロード バランシング関連の設定が次のように変更されると、ケーブル モデムが強制的に再登録されます。
-
LBG ドメイン下にあるインターフェイスの部分的シャットダウンまたはシャットダウンなし
-
ケーブル モデムの MRC または MTC モードがオンまたはオフになった
-
GLBG に関するファイバ ノードでの変更
-
ダウンストリーム グループに関するワイドバンド設定の変更
-
アップストリーム ボンディング グループでの変更
ケーブル モデムを強制的に再登録するには、次のコマンドを使用します。
-
clearcablemodemdelete
-
clearcableloadstate
-
clearcableloadcounters
ターゲット RCS のプライマリ チャネル ロード表示
この機能を使用すると、ボンディングされたモデムが登録時に移動され、ターゲットの DS チャネルでロード バランシングが行われる以外に、プライマリ チャネルがプライマリ可能なチャネル間で均等に分散されるようにすることができます。モデムによる方法では、RCS はプライマリ ロードに基づいてランク付けされ、最もプライオリティが低いロード セットが範囲内のケーブル モデムに割り当てられます。
RCS のプライマリ ロードを表示するためのオプション キーワード primary-load が showcableload-balancedocsis-group コマンドに追加されています。詳細については、『Cisco CMTS Command Reference』を参照してください。
モデム カウントベースの方法では、登録時にケーブル モデムは均等に分散されますが、次のような状況が原因でシステムに不均衡が生じる場合があります。
-
計画された(管理上のシャットダウン)または計画外のイベントにより、チャネルまたはチャネル グループに障害が発生する。
-
部分的モードで動作を続けるケーブル モデムもあるが、一部のケーブル モデムは障害が原因で再登録をし、アクティブなチャネルに割り当てられる。
-
障害が発生したチャネルが再び動作を開始しても、ケーブル モデムは再登録せず、システムに不均衡が発生する。
この場合、モデム カウントベースの方法では、オペレータへのアラートとして SNMP トラップが送信されます。オペレータは、MAC ドメインをリセットしてすべてのケーブル モデムを強制的に再登録することにより、ケーブル モデムのバランスを再調整するよう手動で介入することを選択できます。
(注) |
MRC および MTC モードのケーブル モデムの場合、モデム カウントベースのロード バランシング メソッドには、ケーブル モデムの RCS および TCS におけるプライマリ チャネル上のアクティブなモデムとサービス フローの数が考慮されます。
|
(注) |
この機能を無効にするには no
cable
load-balance
docsis30-enable
static
コマンドを使用します。
|
DOCSIS 3.0 ケーブル モデムの動的ロード バランシング
既存のロード バランシング(LB)機能が強化され、マルチサービス オペレータ(MSO)によるダウンストリームおよびアップストリーム チャネルの数の増加に対応したほか、16 チャネル、24 チャネル、および複数ダウンストリーム チャネルのケーブル モデム(CM)の広範な導入に対応しました。この強化により、顧客は使用可能な帯域幅を効率よく使用することができます。既存の LB 機能に対する強化は以下の通りです。
- DOCSIS 3.0 の使用率ベースの動的ダウンストリーム LB
- DOCSIS 3.0 LB 統計のサポート
- DOCSIS 3.0 LB 機能の有効化または無効化
- DOCSIS 3.0 LB の動的移動を行う際に、ターゲット インターフェイスのすべてのプライマリ チャネルで CM を分散します。この機能は、DOCSIS 3.0 LB の動的移動でのみ使用されます。この機能はデフォルトではディセーブルになっています。この機能を有効にするには、DOCSIS ロード バランシング グループ モードで method utilization primary-distributed コマンドを使用します。この機能を無効にするには、このコマンドの no 形式を使用するか、method utilization us-method コマンドを使用します。
(注) |
この機能を有効にするには cable
load-balance
docsis-enable
コマンドを使用します。さらに、DOCSIS 3.0 ケーブル モデムの動的な使用率ベースの動的ダウンストリーム LB を有効にするには、cable
load-balance
docsis30-enable
および cable
load-balance
docsis30-enable
dynamic
downstream
コマンドを使用します。
|
マルチチャネル ロード バランシング動作
CM のロード バランシングは、MRC モードと MTC モードで行われます。これらのモードで動作中の CM をロード バランシングする際、次のルールが適用されます。
-
MRC および MTC モードで動作している CM では、DBC を使用して、同じ MAC ドメイン内にある CM の RCS を変更することによりダウンストリーム間で CM を移動させます。
MRC 単独モードで動作している CM は、DCC 要求のみでアップストリーム間を移動させることができます。ただし、MRC モードで動作している CM のダウンストリーム チャネルを変更している場合、DCC と初期化テクニック 0(MAC ドメインを再初期化)が使用されます。
-
CM の登録中、Cisco CMTS から CM に TCC TLV のエンコーディングを含むようマルチパート登録応答(REG-RSP-MP)メッセージが送信される場合があります。この CM は TCC-capable としてマーキングされます。
MRC、非 MTC、非 TCC-capable モードで動作している CM のロード バランシングでは以下が使用されます。
-
ナローバンド モードで動作している CM では、DCC を使用して CM を MAC ドメイン内、MAC ドメイン間で移動させます。
次の表に、ボンディングされた CM および未ボンディングの CM の移動に使用されるロード バランシング メソッドおよび動作の一覧を示します。
表 2 ボンディングされた CM および未ボンディングの CM を移動するためのロード バランシング メソッド
モデムのモード
|
ロード バランシング メソッド
|
ロード バランシング カウンタ
|
チャネル
|
動的サービスの要求(初期化テクニック)
|
|
|
|
|
MAC ドメイン内
|
MAC ドメイン間
|
DOCSIS 3.0 CM(MTC モード)
|
DOCSIS 3.0 静的モデム カウントベース ロード バランシング(MCBLB)
DOCSIS 3.0 動的ロード バランシング
|
WB/UB
|
DS
|
DBC
(注)
|
DOCSIS 3.0 LB がイネーブル化され、MTC CM が RLBG 外の場合、CM は RLBG 内に移されます。
|
|
DCC init tech 0
|
DOCSIS 3.0 静的モデム カウントベース ロード バランシング(MCBLB)
|
WB/UB
|
US
|
DBC
(注)
|
DOCSIS 3.0 LB がイネーブル化され、MTC CM が RLBG 外の場合、CM は RLBG 内に移されます。
|
|
DCC init tech 0
|
DOCSIS 3.0/D2.x CM(MRC 単独モード)
|
DOCSIS 3.0 静的 MCBLB
DOCSIS 3.0 動的ロード バランシング
|
WB/UB
|
プライマリ DS チャネルの変更なし
|
DBC
(注)
|
DOCSIS 3.0 LB がイネーブル化され、すべての DS を含む CM が RLBG 外の場合、CM は RLBG 内に移されます。
|
|
DCC init tech 0
|
プライマリ DS チャネルに変更
|
DCC init tech 0
(注)
|
RLBG 外のプライマリ DS を含む CM は、DOCSIS 2.0 LB により RLBG 内に移されます。
|
|
DCC init tech 0
|
DOCSIS 3.0 CM(MRC 単独モード)
|
DOCSIS 2.0 の静的および動的 MCBLB、動的使用
|
NB
|
US
|
DCC
(注)
|
RLBG 外の CM は、DOCSIS 2.0 LB により RLBG 内に移されます。
|
|
DCC init tech 0
|
D2.x CM(MRC 単独モード)
|
DOCSIS 2.0 の静的および動的 MCBLB、動的使用
|
NB
|
US
|
DCC/UCC
(注)
|
RLBG 外の CM は、DOCSIS 2.0 LB により RLBG 内に移されます。
|
|
DCC init tech 0
|
DOCSIS 2.0 /DOCSIS 1.1 CM(NB モード)
|
DOCSIS 2.0 の動的 MCBLB、動的使用
|
NB
|
DS
|
DCC
(注)
|
RLBG 外の CM は、DOCSIS 2.0 LB により RLBG 内に移されます。
|
|
DCC init tech 0
|
US
|
UCC
(注)
|
RLBG 外の CM は、DOCSIS 2.0 LB により RLBG 内に移されます。
|
|
UCC
|
DOCSIS 1.0(NB モード)
|
DOCSIS 2.0 の動的 MCBLB、動的使用
|
NB
|
DS
|
CM の再初期化を強制
(注)
|
RLBG 外の CM は、DOCSIS 2.0 LB により RLBG 内に移されます。
|
|
CM の再初期化を強制
|
US
|
UCC
(注)
|
RLBG 外の CM は、DOCSIS 2.0 LB により RLBG 内に移されます。
|
|
UCC
|
表 3 DCC/DBC を使用した、ボンディングされた(および未ボンディングの)ケーブル モデムのロード バランシング
チャネル
|
MRC、MTC モードの CM
|
MRC、非 MTC モードの CM
|
単一の US/DS を含む DOCSIS 1.1/2.0 CM
|
単一の US/DS を含む DOCSIS 1.0 CM
|
アップストリーム(US)
|
DBC
|
DCC
|
DCC
|
UCC
|
ダウンストリーム(DS)
|
DBC(同じ MAC ドメイン内)
|
DBC(同じ MAC ドメイン内)
|
DCC(同じ MAC ドメイン内)
|
CM の再初期化を強制
|
MAC ドメイン間で CM を 移動させる場合は、DCC と初期化テクニック 0
|
MAC ドメイン間で CM を 移動させる場合は、DCC と初期化テクニック 0
|
MAC ドメイン間で CM を 移動させる場合は、DCC と初期化テクニック 0
|
CM の再初期化を強制
|
DBC を使用した DOCSIS 3.0 ロード バランシング移動
DOCSIS 3.0 仕様の一部として、登録後はいつでも Cisco CMTS は DBC コマンドを使用して次の任意の DOCSIS 3.0 CM のパラメータを変更できます。
(注) |
DOCSIS 3.0 静的ロード バランシングには、RCS と TCS のみが使用されます。
|
ロード バランシング処理の現在のリアルタイム統計情報を表示するには、showcableload-balancedocsis-group コマンドを使用します。詳細については、『Cisco IOS CMTS Cable Command Reference』を参照してください。
DBC を使用した受信チャネル セットの変更
Cisco CMTS は、DBC-REQ に RCC を含めることにより、ケーブル モデムの RCS 内のチャネルを追加、削除または変更することができます。
RCS の変更がケーブル モデムのプライマリ ダウンストリーム チャネルに影響を与える場合、ケーブル モデムをアップストリーム チャネルで再登録する必要があります。
RCS からチャネルが削除された場合、Cisco CMTS は削除される必要があるダウンストリーム チャネル上のトラフィックの送信を停止し、これにより、トラフィックの損失が起きる場合があります。Cisco CMTS は、ケーブル モデムから DBC-RSP を受け取るまでは新旧 RCS 上でトラフィックを重複させることにより、パケット損失を最小限にします。
(注) |
MRC 単独モードのケーブル モデムでは、ダウンストリーム チャネルの移動は DBC メッセージによって開始されます。ただし、プライマリ ダウンストリーム チャネルに変更がある場合は、DCC 初期化テクニック 0 が使用されます。
|
DBC を使用した送信チャネル設定の変更
Cisco CMTS は、単一の DBC メッセージ内の TCS で 1 つまたは複数のチャネルを追加、削除、または置換できます。ケーブル モデムの TCS が変化するたびに、CMTS は影響を受けるサービス フローに関連付けられているサービス ID(SID)を変更します。
TCS の変更では、有効な初期化テクニックも実行します。
DBC を使用したダウンストリーム ID の変更
DBC を使用して、Cisco CMTS はダウンストリーム ID(DSID)の次の属性を変更できます。
DBC を使用したダウンストリーム トラフィック暗号化のセキュリティ アソシエーションの変更
-
CMTS は、ダウンストリーム トラフィックの暗号化に使用されるセキュリティ アソシエーション(SA)を追加または削除する DBC トランザクションを開始できます。
-
CMTS は、[Authorized] 状態でないケーブル モデムに DBC 要求を送信できません。
-
CMTS は、ケーブル モデムでサポートされていない暗号スイートを使用する SA により DBC 要求を送信できます。ただし、ケーブル モデムが使用できない SA を含む DBC 要求を受信すると、ケーブル モデムは DBC 要求を拒否します。
DBC を使用したサービス フロー SID クラスタ割り当ての変更
Cisco CMTS では、サービス フロー SID クラスタ割り当ての TLV を DBC 要求で使用して、新しいチャネルをサービス フローに割り当てたり、チャネルをサービス フローから削除したり、サービス フロー用のチャネルを置換することができます。
(注) |
1 つの DBC メッセージで複数のアクションが発生する可能性があります。
|
ロード バランシングの利点
Cisco CMTS のロード バランシング機能では、ケーブル サービス プロバイダーとそのパートナーおよびカスタマーに次の利点があります。
-
特にファイバ ノードあたり複数のアップストリーム チャネルを使用するときに、サービス プロバイダーが効率的な帯域幅利用のために使用できる方法を提供します。
-
サービス プロバイダーは効率的な方法でネットワークを拡張でき、追加の光ファイバ設備を設置したり物理設備のセグメント化を促進するためのコストが回避されます。
-
ダウンストリーム チャネルでのロード バランシングにより、Video over IP や、高帯域幅のリアルタイム ストリームを必要とするその他のサービス フローを有効にするためにファイバ ノードあたり複数のダウンストリーム チャネルを使用するときに、効率的な帯域幅使用を可能にします。
-
アップストリームおよびダウンストリーム チャネルのロード バランシングでは、プロビジョニング サーバや DOCSIS コンフィギュレーション ファイルを変更する必要はありません。
-
アップストリームおよびダウンストリーム チャネルのロード バランシングでは、管理者やユーザの介入(手動でケーブル インターフェイスをリセットしたり、手動でケーブル モデムをリブートしたりなど)は必要ありません。
-
サービス プロバイダーは、すべてのケーブル モデムが同じダウンストリームで登録されないようにするために、ケーブル モデムの登録時にダウンストリームを均等にバランス調整できます。その結果、多数のケーブル モデムが登録に失敗して新しいダウンストリームを探す必要が生じます。
-
ケーブル モデムには、IP アドレスなどのネットワーク パラメータを手作業で変更することなく、ダウンストリーム チャネルおよびアップストリーム チャネル間で移動できます。
-
サービス プロバイダーは、現在の負荷使用状況に動的に対応することで、カスタマーの帯域幅需要を先回りできます。
-
サービス プロバイダー、Voice over IP(VoIP)などの重要なサービスのロード バランシング パラメータを最適化できます。
ロード バランシング グループからのケーブル モデムの除外
ロード バランシング プロセス
ロード バランシング プロセスには 2 つのフェーズがあります。
ロード バランシングからのケーブル モデムの除外
LBG からケーブル モデムを除外するのに使用するオプションは 4 つあります。
-
assignment オプション:
割り当てフェーズでモデムを除外するには、assignment オプションを使用します。モデムは LBG に割り当てられず、LBG ID は show cable modem
verbose コマンドの出力に表示されません。モデムがすでにオンラインである場合は、assignment オプションを使用することはできません。
-
static オプション:
バランシング フェーズでモデムを除外するには、static オプションを使用します。モデムは、LBG ID を使用して LBG に割り当てられます。静的ロード バランシングでモデムを除外するには、static オプションを使用します。
-
enforce オプション:
enforce オプションは static オプションと同様ですが、enforce オプションは動的ロード バランシングの際にモデムを除外するという点が異なります。
assignment オプションを使用してケーブル モデムをロード バランシングから除外した場合、そのケーブル モデムは static または enforce オプションを使用したロード バランシングに使用できなくなります。
ロード バランシングの設定方法
ロード バランシング グループを設定してロード バランシングをイネーブルにする方法については、『DOCSIS Load Balancing Groups』を参照してください。必要に応じて、各作業には、必須または任意のマークが付けられています。
単一チャネルのロード バランシングの有効化
単一チャネルのロード バランシングを設定するには、『DOCSIS Load Balancing Groups guide』を参照してください。
DOCSIS 3.0 静的ロード バランシングの動的ボンディング変更の設定
DOCSIS 3.0 静的ロード バランシングを有効にするには、グローバル コンフィギュレーション モードで cable load-balance docsis30-enabled コマンドを使用します。
(注) |
DOCSIS 3.0 静的ロード バランシングでは、ロード バランシングにモデム カウント方式を常に使用します。
|
はじめる前に
ロード バランシング グループを設定します。詳細については、『DOCSIS Load Balancing Groups guide』を参照してください。
ロード バランシング グループからのケーブル モデムの除外
この設定は任意です。ここでは、静的または動的ロード バランシング動作への登録や、受動的ロード バランシングのためのモデムの任意のマーキングから、特定のケーブル モデムまたは特定のベンダーのすべてのケーブル モデムを除外する方法について説明します。デフォルトでは、インターフェイス上のケーブル モデムは、ロード バランシング動作が設定されたモデムに登録されているため、このタスクは任意です。
(注) |
この手順は、DOCSIS に準拠していないケーブル モデムで必要となる可能性があります。そのようなケーブル モデムは、DOCSIS MAC メッセージを使用してロード バランシングが実行されると、長期間オフラインになります。この場合、そのようなケーブル モデムが DOCSIS 準拠ソフトウェアにアップグレードされるまで、 cable load-balance exclude コマンドを使用し、ロード バランシング動作からケーブル モデムを除外します。
|
ヒント |
特定のアップストリーム チャネルまたはダウンストリーム周波数を必要とするケーブル モデムを除外する必要があります。DOCSIS コンフィギュレーション ファイルでケーブル モデムに特定のチャネルまたは周波数が割り当てられている場合は、ロード バランシングを実行できません。
|
古いデバイスの除外のサポート
セット トップ ボックス(STB)など、ロード バランシングをサポートしない古いケーブル デバイスのロード バランシングは失敗します。showcableload-balancegroup コマンドの出力では、これらのデバイスは「suspicious」と表示され、次に「disabled」と表示されます。これにより、ロード バランシング グループの他のモデムの正常な動作が妨害されます。これらの STB を除外するには、各 STB を除外するように cableload-balanceexclude コマンドを設定します。
(注) |
一致対象の MAC アドレスを使ってコマンドを複数回設定する代わりに、cableload-balanceexclude コマンドを一度設定すれば、ロード バランシングをサポートしないすべての STB を除外できます。また、割り当てフェーズでロード バランシング グループに移動したケーブル モデムも移動できます。
cableload-balanceexclude モデム コマンドが変更され、オプション引数として mask 引数が含まれるようになりました。MAC アドレス マスクによって指定される範囲に属するケーブル モデムの MAC アドレスは、マスクの 1 ビットが一致すると除外されます。mask 引数を使用して新しい範囲ルールを設定すると、同じ範囲の既存のルールは上書きされます。
cableload-balanceexclude モデム コマンドが修正されて、assignment オプションが含まれるようになりました。このオプションにより、割り当てフェーズでロード バランシング グループに移動されたケーブル モデムを除外できます。
|
手順 | コマンドまたはアクション | 目的 |
---|
ステップ 1 | enable
例:
Router> enable
|
特権 EXEC モードをイネーブルにします。パスワードを入力します(要求された場合)。
|
ステップ 2 | configure terminal
例:
Router# configure terminal
|
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。
|
ステップ 3 | cableload-balanceexclude {modem mac-address [mac-mask] | oui oui-value} [assignment | enforce | static | strict]
例:
Router(config)# cable load-balance exclude oui 00:00:0c
|
1 つ以上のケーブル モデムをロード バランシング動作から除外する必要があることを指定します。
デフォルトでは、ケーブル モデムは動的および静的ロード バランシングから除外されますが、受動的ロード バランシングには引き続き登録されます。他ロード バランシングの組み合わせからケーブル モデムを除外するには、次のオプションを使用します。
|
ステップ 4 | exit
例:
Router(config)# exit
|
グローバル コンフィギュレーション モードを終了します。
|
アップストリーム ロード バランシングを使用したダウンストリーム ロード バランシングの分散
Cisco CMTS で分散型ロード バランシングの構成とステータスを設定または表示するには、2 つのコマンドを使用します。
ダウンストリーム ロード バランシングの決定を行うオプション設定は、次のようにイネーブルにします。
-
ターゲット ダウンストリーム セグメントは、ソース ダウンストリーム セグメントと同じダウンストリーム ロード バランシング グループ内にあります。この機能は、送信元と同じアップストリーム グループ内のアップストリームの負荷に基づいてターゲット周波数とインターフェイスを探します。
-
アップストリーム ロード バランシング グループは、ケーブル モデムのバランシングが行われるダウンストリーム チャネルで対応するチャネルに対して設定できます。
-
Cisco CMTS は、ロード バランシング グループのアップストリーム セグメントを自動的に探し、最も負荷の少ない送信元インターフェイスのアップストリーム グループ ステータスを処理します。
-
ターゲット ダウンストリーム セグメントには、アップストリーム ロード バランシング グループで設定したアップストリーム チャネルが必要です。
-
最上位のターゲット アップストリーム セグメントでは、他のインターフェイス上の最上位アップストリーム セグメントなど、他の潜在的なターゲットよりも負荷を少なくする必要があります。
手順 | コマンドまたはアクション | 目的 |
---|
ステップ 1 | enable
例:
Router> enable
|
特権 EXEC モードをイネーブルにします。パスワードを入力します(要求された場合)。
|
ステップ 2 | configure terminal
例:
Router# configure terminal
|
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。
|
ステップ 3 | cableload-balancegroup ds-lb-group-id policy{pcmm | ugs | us-groups-across-ds}
例:
Router(config)# cable load-balance group 1 policy us-groups-across-ds
|
ロード バランシングで使用するサービス フロー ポリシーのタイプを設定します。このコマンドは、ロード バランシング グループ内のさまざまなケーブル インターフェイス ライン カード間にある保留中の統計情報を同期します。その結果、ロード バランシングの決定時のダウンストリームの総負荷よりも、アップストリーム単位の負荷を使用する別のダウンストリーム ロード バランシング方式になります。
|
ステップ 4 | exit
例:
Router(config)# exit
|
グローバル コンフィギュレーション モードを終了します。
|
ステップ 5 | showcableloadall
例:
Router# show cable load all
|
Cisco CMTS のロード バランシングの統計情報およびロード バランシング設定のステータスを表示し、設定時のアップストリームとダウンストリームの分散型ロード バランシングを含めます。
|
ロード バランシングの動的チャネル変更の設定方法
DOCSIS 1.1 の DCC は、ケーブル モデムを強制的にオフラインにしたり、変更後に再登録したりせずに、ケーブル モデムのアップストリームまたはダウンストリームのチャネルを動的に変更します。DCC は、以前の DOCSIS サポートのように 1 つではなく、異なる 5 つの初期化テクニック(0 - 4)をサポートします。
Cisco CMTS での動的チャネル変更(DCC)およびロード バランシングのための DCC は、次の項目をサポートします。
-
ロード バランシング手法により、設定可能な初期化テクニックを使用して DCC 搭載のケーブル モデムを移動できます。
-
DCC を 0 ~ 4 の範囲の DCC 初期化テクニックとともに使用すると、同じケーブル インターフェイス ライン カード内の個々のダウンストリーム チャネル間でライン カード チャネルを変更できるようになります。
-
DCC は、ケーブル モデム状態の情報を発信ダウンストリーム チャネルから対象のダウンストリーム チャネルに転送し、ケーブル インターフェイス ライン カードとネットワーク プロセッシング エンジン(NPE)またはルート プロセッサ(RP)間のケーブル モデム情報の同期化を維持します。
-
PacketCable(PC)や PacketCable Multimedia(PCMM)などの遅延に敏感なアプリケーションは、DCC 初期化テクニック 4 を使用し、ケーブル モデムが DCC を実行している間のサービスを維持します。
-
チャネルが混合モードまたは ATDMA のみモードの場合、プライマリ サービス ID(SID)を ATDMA のみモードに切り替える必要があります。
ロード バランシングの動的チャネル変更の設定
ロード バランシングの DCC 機能を設定するには、次の手順を実行します。表示されている値はサンプルであり、使用する値とは異なる場合があります。
手順 | コマンドまたはアクション | 目的 |
---|
ステップ 1 | enable
例:
Router> enable
|
特権 EXEC モードをイネーブルにします。
パスワードを入力します(要求された場合)。
|
ステップ 2 | configure
terminal
例:
Router# configure terminal
|
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。
|
ステップ 3 | cableload-balancedocsis-enable
例:
Router(config)# cable load-balance docsis-enable
|
Cisco CMTS での DOCSIS ロード バランシングをイネーブルにします。
|
ステップ 4 | cableload-balancedocsis-group docsis-group-id
例:
Router(config)# cable load-balance docsis-group 1
|
次のパラメータを使用して、Cisco CMTS で DOCSIS ロード バランシング グループを作成します。
ルータは、DOCSIS ロード バランシング グループのコンフィギュレーション モードを開始します。
|
ステップ 5 | init-tech-list tech-list [ucc]
例:
Router(config-lb-group)# init-tech-list 1 ucc
|
Cisco CMTS でケーブル モデムをロード バランシングする DCC 初期化テクニックを設置します。
|
ステップ 6 | policy{pcmm | ugs | us-across-ds | pure-ds-load}
例:
Router(config-lb-group)# policy us-across-ds
Router(config-lb-group)# policy ugs
Router(config-lb-group)# policy pure-ds-load
|
バランシングするサービス フロー タイプに基づいてモデムを選択します。
|
ステップ 7 | threshold {load {minimum <1-100> | <1-100>}| pcmm <1-100> | stability <0-100> | ugs <1-100>}
例:
Router(config-lb-group)# threshold load minimum 10
Router(config-lb-group)# threshold pcmm 70
Router(config-lb-group)# threshold load 10
Router(config-lb-group)# threshold stability 50
Router(config-lb-group)# threshold ugs 70
|
ロード バランシングが発生する下限の使用率を選択します。
|
ステップ 8 | end
例:
Router# end
|
特権 EXEC モードに戻ります。
|
次の作業
ロード バランシングの DCC をテストおよび確認するには、次の 2 つのコマンドを使用します。
-
testcabledcc
-
showcontrollerscable
これらのコマンドの説明は、『Cisco CMTS Cable Command Reference』に記載されています。
ロード バランシング動作の確認
ここでは、Cisco CMTS でロード バランシング機能または動的チャネル変更機能の設定と動作を確認するために、特定のテストおよび show コマンドを使用する方法について説明します。
手順 | コマンドまたはアクション | 目的 |
---|
ステップ 1 | enable
例:
Router> enable
|
特権 EXEC モードをイネーブルにします。パスワードを入力します(要求された場合)。
|
ステップ 2 | showcableload-balance [group n] [all | load| pending | statistics| target]
例:
Router# show cable load-balance group 1
|
ロード バランシング 動作の統計情報および動作情報をリアルタイムに表示します。オプションを指定しない場合、このコマンドでは、ロード バランシング グループと各ケーブル インターフェイスの現在の負荷とロード バランシングのステータスに関する情報が表示されます。次のオプションを指定することもできます。
|
ステップ 3 | testcabledcc [mac-addr | ip-addr | cable-if-src sid ] cable-if-target uschan {ranging-tech }
例:
Router# test cable dcc 0000.394e.4e59
|
MAC アドレス、IP アドレス、またはプライマリ サービス ID(SID)値で指定したとおりにターゲット ケーブル モデムを移動し、動的チャネル変更(DCC)をテストします。指定した初期化テクニックを使用して、送信元インターフェイスのケーブル モデムをターゲット ダウンストリーム インターフェイスのアップストリーム チャネルに適用します。
|
例
次に、ロード バランシング操作の結果例を示します。
Router#show cable load all
DOCSIS 2.0 LB Enabled: Yes DOCSIS 3.0 LB Enabled: No
DOCSIS Status Interval DCC mask Policy Method Threshold
Group /UCC DS/US M/E/U/P/S
1 RE 30 0xF8(0)/N 0 m/m 5/10/70/70/50
12345 GE 30 0xF8(0)/N 0 m/m 5/10/70/70/50
12346 RE 30 0xF8(0)/N 0 m/m 5/10/70/70/50
12347 RE 30 0xF8(0)/N 0 m/m 5/10/70/70/50
12348 RE 30 0xF8(0)/N 0 m/m 5/10/70/70/50
12349 RE 30 0xF8(0)/N 0 m/m 5/10/70/70/50
DOCSIS 3.0 General LB
MD FN Group ID S Intv DCC mask Policy Mtd MD-CM-SG Threshold
/UCC D/U M/E/U/P/S
Ca8/0/0 1 2147631104 E 30 0x30(2)/N 0 m/m 0x1200301 5/10/70/70/50
Ca8/0/1 3 2147631618 E 30 0x30(2)/N 0 m/m 0x1210301 5/10/70/70/50
Ca8/0/2 5 2147632132 E 30 0x30(2)/N 0 m/m 0x1220401 5/10/70/70/50
Ca8/0/2 6 2147632133 E 30 0x30(2)/N 0 m/m 0x1220402 5/10/70/70/50
Ca8/0/3 7 2147632646 E 30 0x30(2)/N 0 m/m 0x1230501 5/10/70/70/50
Ca8/0/3 8 2147632647 E 30 0x30(2)/N 0 m/m 0x1230502 5/10/70/70/50
Ca8/0/8 2 2147635201 E 30 0x30(2)/N 0 m/m 0x1280201 5/10/70/70/50
Ca8/0/9 4 2147635715 E 30 0x30(2)/N 0 m/m 0x1290201 5/10/70/70/50
Current load:
DOCSIS load-balancing load
Interface State Group Utilization Rsvd NBCM WB/UB Weight
Total Total
In8/0/0:0(411 MHz) initial 1 0%(0%/0%) 0% 0 11 37
In8/0/0:0(411 MHz) initial 2147631104 0%(0%/0%) 0% 0 11 37
Us8/0/0:0 initial 1 0% 0% 0 31 30.7
Us8/0/0:0 initial 2147631104 0% 0% 0 31 30.7
Us8/0/0:1 initial 1 0% 0% 0 31 30.7
Us8/0/0:1 initial 2147631104 0% 0% 0 31 30.7
Us8/0/0:2 initial 2147631104 0% 0% 0 31 30.7
Us8/0/0:2 initial 1 0% 0% 0 31 30.7
Us8/0/0:3 initial 2147631104 0% 0% 0 31 30.7
Us8/0/0:3 initial 1 0% 0% 0 31 30.7
In8/0/0:4(435 MHz) up 2147635201 0%(0%/0%) 0% 48 11 37
Us8/0/1:0 up 2147635201 0% 0% 15 0 30.7
Us8/0/1:1 up 2147635201 0% 0% 11 0 30.7
Us8/0/1:2 up 2147635201 0% 0% 11 0 30.7
Us8/0/1:3 up 2147635201 0% 0% 11 0 30.7
In8/0/0:8(459 MHz) initial 1 0%(0%/0%) 0% 0 9 37
In8/0/0:8(459 MHz) initial 2147631104 0%(0%/0%) 0% 0 9 37
Us8/0/0:0 initial 1 0% 0% 0 31 30.7
Us8/0/0:0 initial 2147631104 0% 0% 0 31 30.7
Us8/0/0:1 initial 1 0% 0% 0 31 30.7
Us8/0/0:1 initial 2147631104 0% 0% 0 31 30.7
Us8/0/0:2 initial 2147631104 0% 0% 0 31 30.7
Us8/0/0:2 initial 1 0% 0% 0 31 30.7
Us8/0/0:3 initial 2147631104 0% 0% 0 31 30.7
Us8/0/0:3 initial 1 0% 0% 0 31 30.7
In8/0/0:12(483 MHz) down 2147635201 0%(0%/0%) 0% 0 0
In8/0/0:16(507 MHz) initial 2147631104 0%(0%/0%) 0% 0 11 37
In8/0/0:16(507 MHz) initial 1 0%(0%/0%) 0% 0 11 37
Us8/0/0:0 initial 2147631104 0% 0% 0 31 30.7
Us8/0/0:0 initial 1 0% 0% 0 31 30.7
Us8/0/0:1 initial 2147631104 0% 0% 0 31 30.7
Us8/0/0:1 initial 1 0% 0% 0 31 30.7
Us8/0/0:2 initial 2147631104 0% 0% 0 31 30.7
Us8/0/0:2 initial 1 0% 0% 0 31 30.7
Us8/0/0:3 initial 2147631104 0% 0% 0 31 30.7
Us8/0/0:3 initial 1 0% 0% 0 31 30.7
In8/0/0:20(531 MHz) down 2147635201 0%(0%/0%) 0% 0 0
In8/0/1:0(555 MHz) initial 2147631618 0%(0%/0%) 0% 0 12 37
Us8/0/2:0 initial 2147631618 0% 0% 0 19 30.7
Us8/0/2:1 initial 2147631618 0% 0% 0 19 30.7
Us8/0/2:2 initial 2147631618 0% 0% 0 19 30.7
トラブルシューティングのヒント
問題
あるチャネルから別のチャネルにケーブル モデムを移動すると、パケットがドロップされる。
考えられる原因
testcabledcc コマンドを使用し、DCC 初期化テクニック 3 を使って 1 つのチャネルから別のチャネルに移動すると、以下が実行されます。
考えられる原因
testcabledcc コマンドを使用し、DCC 初期化テクニック 4 を使って 1 つのチャネルから別のチャネルに移動すると、以下が実行されます。
例
ロード バランシングに使用されているインターフェイスを表示するには、showcableload-balancetarget コマンドを使用します。ケーブル モデムをインターフェイス間で移動できるかどうかをテストするには testcableload-balance コマンドを使用し、テストの結果を表示するには showcableload-balancestatistics コマンドを使用します。
次の例では、特定のケーブル モデムが UCC 要求とアップストリーム チャネルの上書きに応答し、対応するロード バランシング グループ内にあるアップストリームから別のアップストリームに移動できるかをテストする方法について説明します。
Router# show cable load-balance target
Target assignments:
Interface State Group Target
Cable1/0/0 (669 MHz) up 1
Cable1/0/0/U0 up 1 Cable1/0/0/U1 [enforce]
Cable1/0/0/U1 up 1
Router# show cable load-balance statistics
Statistics:
Target interface State Transfers
Complete Pending Retries Failures
Cable1/0/0 (669 MHz) up 15 0 1 0
Cable1/0/0/U0 up 33 0 1 0
Cable1/0/0/U1 up 22 0 2 0
Router# test cable load-balance 0000.394e.4e59
Sending UCC request: Cable1/0/0/U0 --> U1
Waiting for test completion ........
Test results:
UCC Response: 0.0s
Initial Ranging: 8.5s
Ranging Complete: failed.
Modem replied to DOCSIS ping.
Test summary:
UCC Response: success rate 100% min 0.0s max 0.0s avg 0.0s
Initial Ranging: success rate 100% min 8.5s max 8.5s avg 8.5s
Testing US Channel Override: Cable1/0/0/U1 --> U0
Waiting for test completion ...........
Test results:
Initial Ranging: 8.5s
Ranging Complete: failed.
Modem replied to DOCSIS ping.
Test summary:
UCC Response: success rate 100% min 0.0s max 0.0s avg 0.0s
Initial Ranging: success rate 100% min 8.5s max 8.5s avg 8.5s
Router# show cable load-balance statistics
Statistics:
Target interface State Transfers
Complete Pending Retries Failures
Cable1/0/0 (669 MHz) up 15 0 1 0
Cable1/0/0/U0 up 34 0 1 0
Cable1/0/0/U1 up 23 0 2 0
次の例では、特定のケーブル モデムが UCC 要求に応答し、対応するロード バランシング グループ内にあるアップストリームから別のアップストリームに移動できるかをテストする方法について説明します。
Router# show cable load-balance statistics
Statistics:
Target interface State Transfers
Complete Pending Retries Failures
Cable1/0/0 (669 MHz) up 15 0 1 0
Cable1/0/0/U0 up 34 0 1 0
Cable1/0/0/U1 up 23 0 2 0
Router# test cable load-balance 0007.0e01.4129 ucc 1
Sending UCC request: Cable1/0/0/U0 --> U1
Waiting for test completion ........
Test results:
UCC Response: 0.0s
Initial Ranging: 10.3s
Ranging Complete: 11.2s
Modem replied to DOCSIS ping.
Test summary:
UCC Response: success rate 100% min 0.0s max 0.0s avg 0.0s
Initial Ranging: success rate 100% min 10.3s max 10.3s avg 10.3s
Ranging Complete: success rate 100% min 11.2s max 11.2s avg 11.2s
Router# show cable load-balance statistics
Statistics:
Target interface State Transfers
Complete Pending Retries Failures
Cable1/0/0 (669 MHz) up 15 0 1 0
Cable1/0/0/U0 up 35 0 1 0
Cable1/0/0/U1 up 24 0 2 0
次の例では、DCC 初期化テクニック 1 を使用して、ケーブル モデムを別のアップストリーム チャネルに移動する場合の情報が表示されます。この例では、DCC 初期化テクニック 1 を使用して、インターフェイス c7/1/0 アップストリーム 1 からインターフェイス c7/1/1 アップストリーム 0 にケーブル モデム 0012.17ea.f563 を移動します。
Router# show cable modem
MAC Address IP Address I/F MAC Prim RxPwr Timing Num BPI
State Sid (dB) Offset CPE Enb
State Sid (dB) Offset CPE Enb
0012.17ea.f563 12.0.0.2 C7/1/0/U1 online 4 0.00 2449 0 N
Router# test cable dcc 0012.17ea.f563 c7/1/1 0 1
Router# show cable modem
MAC Address IP Address I/F MAC Prim RxPwr Timing Num BPI
State Sid (dB) Offset CPE Enb
0012.17ea.f563 12.0.0.2 C7/1/1/U0 online 3 0.00 2451 0 N
ロード バランシングの設定例
例:ロード バランシングの動的チャネル変更の設定
次に、DOCSIS 3.0 ケーブル モデムでの動的ロード バランシングの動作プロセスの仕組みについて説明します。
設定の確認:
Router# show cable load-balance docsis-group 1
DOCSIS LB Enabled: Yes
DOCSIS 2.0 LB Enabled: No
DOCSIS 3.0 LB Enabled: Yes
DOCSIS 3.0 Static LB Enabled: No
DOCSIS 3.0 Dynamic Downstream LB Enabled: Yes
DOCSIS Status Interval DCC mask Policy Method Threshold
Group /UCC DS/US M/E/U/P/S
1 RE 60 0x38(2)/N 0 u/u 1/10/70/70/50
チャネル流負荷の確認:
Router# show cable load-balance docsis-group 1 load wideband
DOCSIS load-balancing wide band load
Interface Size Group Throughput(Kbps)/bw(Mbps) Avg-Util
Wi9/0/0:1 8 1 93324/300 36%
Wi9/0/0:2 8 1 37329/300 39%
Wi9/0/0:3 8 1 74659/300 31%
Wi9/0/0:4 8 1 0/300 13%
Wi9/0/0:5 8 1 9332/300 2%
チャネル オーバーロードとターゲットの確認:
Router# show cable load-balance docsis-group 1 target wideband
Interface Bg-Id State Group Target
Wi9/0/0:1 28674 up 1 Wi9/0/0:5 ...
Wi9/0/0:2 28675 up 1 Wi9/0/0:5 ...
Wi9/0/0:3 28676 up 1 Wi9/0/0:5 ...
Wi9/0/0:4 28677 up 1 Wi9/0/0:5
Wi9/0/0:5 28678 up 1
チャネル モデム リストの確認:
Router# show cable load-balance docsis-group 1 modem-list wideband
Codes: M - Multicast, U - UGS, P - PCMM, F - Max-Failures, X - eXcluded
L - L2vpn, R - RSVP
Primary WB MAC Address Primary DS RCC-ID Priority MUPFXLR State
Wi9/0/0:1 (10)
c8fb.26a6.c02c In9/0/0:4 1 0 ------- LB_CM_READY
c8fb.26a6.c62c In9/0/0:4 1 0 ------- LB_CM_READY
c8fb.26a6.c706 In9/0/0:4 1 0 ------- LB_CM_READY
c8fb.26a6.c0dc In9/0/0:4 1 0 ------- LB_CM_READY
c8fb.26a6.c53a In9/0/0:4 1 0 ------- LB_CM_READY
QAM チャネル使用率の確認:
Router# show cable load-balance docsis-group 1 rfch-util
Interface Pstate Pending-In Pending-Out Throughput(Kbps) Util
In9/0/0:4 up No No 6517 17
In9/0/0:5 NA No No 6574 17
In9/0/0:6 NA No No 6520 17
In9/0/0:7 NA No No 6738 17
In9/0/0:8 up No No 8624 22
In9/0/0:9 NA No No 8482 22
In9/0/0:10 NA No No 8353 22
チャネル統計動向の確認:Router# show cable load-balance docsis-group 1 statistics wideband
Target interface State Transfers
Complete Pending Total Failures Disabled
Wi9/0/0:1 up 0 0 0 0 0
Wi9/0/0:2 up 0 0 0 0 0
Wi9/0/0:3 up 3 0 3 0 0
Wi9/0/0:4 up 0 0 0 0 0
Wi9/0/0:5 up 9 0 9 0 0
次の実行コンフィギュレーションの例では、ロード バランシングの DCC について説明します。
Router# show cable load all
*Nov 11 15:42:18.955: %SYS-5-CONFIG_I: Configured from console by conscable load all
Group Interval Method DCC Init Threshold
Technique Minimum Static Enforce Ugs PCMM
1 10 modems 0 5 10% --- --- ---
Current load:
Interface State Group Utilization Reserved Modems Flows Weight
Cable3/0 (0 MHz) initial 1 0%(0%/0%) 0% 0 0 26
Target assignments:
Interface State Group Target
Cable3/0 (0 MHz) initial 1
Statistics:
Target interface State Transfers
Complete Pending Retries Failures
Cable3/0 (0 MHz) initial 0 0 0 0
Pending:
Modem Group Source interface Target interface Retries
次の実行コンフィギュレーションの例では、ロード バランシングの DCC について説明します。
Router# show running configuration
Building configuration...
Current configuration : 11889 bytes
!
version 12.3
no service pad
service timestamps debug datetime msec
service timestamps log datetime msec
no service password-encryption
!
hostname Router
!
boot-start-marker
boot-end-marker
!
enable secret 5 $1$tEvV$8xICVVbFm10hx0hAB7DO90
enable password lab
!
no cable qos permission create
no cable qos permission update
cable qos permission modems
cable load-balance group 1 threshold load 75 enforce
cable load-balance group 1 threshold stability 75
cable load-balance group 1 policy ugs
cable load-balance group 1 threshold ugs 75
cable load-balance group 1 policy pcmm
cable load-balance group 1 threshold pcmm 75
no aaa new-model
ip subnet-zero
!
!
ip cef
no ip domain lookup
!
!
interface GigabitEthernet0/1
ip address 10.14.1.130 255.255.0.0
duplex auto
speed auto
media-type rj45
no negotiation auto
!
interface GigabitEthernet0/2
次の show cable load all コマンドの例では、ロード バランシングの DCC について説明します。
Router# show cable load all
*Nov 11 15:43:39.979: %SYS-5-CONFIG_I: Configured fromconf t
Group Interval Method DCC Init Threshold
Technique Minimum Static Enforce Ugs PCMM
1 10 modems 0 5 75% 75% 75% 75%
Current load:
Interface State Group Utilization Reserved Modems Flows Weight
Cable3/0 (0 MHz) initial 1 0%(0%/0%) 0% 0 0 26
Target assignments:
Interface State Group Target
Cable3/0 (0 MHz) initial 1
Statistics:
Target interface State Transfers
Complete Pending Retries Failures
Cable3/0 (0 MHz) initial 0 0 0 0
Pending:
Modem Group Source interface Target interface Retries
次に、デフォルトの DCC 初期化テクニックを使用した DCC ロード バランシング グループの例を示します。次のコマンドは、ロード バランシング グループ 1 を設定します。
Router(config)# cable load-balance group 1 threshold load 10 enforce
この設定により、次のデフォルト設定で動的ロード バランシング グループが作成されます。
cable load-balance group 1 method modem
cable load-balance group 1 threshold load 10 enforce
cable load-balance group 1 interval 10
cable load-balance group 1 dcc-init-technique 0
次に、この DCC ロード バランシング設定を初期化テクニック 4 に変更する例を示します。
Router# cable load-balance group 1 dcc-init-technique 4
(注) |
デフォルトでは、UGS および PCMM ポリシーが有効ではないため、アクティブな音声コールを持つ CM または PCMM コールがロード バランシングに参加します。
|
その他の参考資料
シスコのテクニカル サポート
説明 |
リンク |
シスコのサポート Web サイトでは、シスコの製品やテクノロジーに関するトラブルシューティングにお役立ていただけるように、マニュアルやツールをはじめとする豊富なオンライン リソースを提供しています。
お使いの製品のセキュリティ情報や技術情報を入手するために、Cisco Notification Service(Field Notice からアクセス)、Cisco Technical Services Newsletter、Really Simple Syndication(RSS)フィードなどの各種サービスに加入できます。
シスコのサポート Web サイトのツールにアクセスする際は、Cisco.com のユーザ ID およびパスワードが必要です。
|
http://www.cisco.com/support
|
DOCSIS ロード バランシング移動に関する機能情報
Cisco Feature Navigator を使用すると、プラットフォームおよびソフトウェア イメージのサポート情報を検索できます。Cisco Feature Navigator を使用すると、ソフトウェア イメージがサポートする特定のソフトウェア リリース、フィーチャ セット、またはプラットフォームを確認できます。Cisco Feature Navigator には、http://www.cisco.com/go/cfn からアクセスします。Cisco.com のアカウントは必要ありません。
(注) |
次の表は、特定のソフトウェア リリース トレインで各機能のサポートが導入されたときのソフトウェア リリースのみを示しています。その機能は、特に断りがない限り、それ以降の一連のソフトウェア リリースでもサポートされます。
|
表 4 DOCSIS ロード バランシング グループに関する機能情報
機能名
|
リリース
|
機能情報
|
DOCSIS ロード バランシング移動
|
Cisco IOS XE Fuji 16.7.1
|
この機能が Cisco cBR シリーズ コンバージド ブロードバンド ルータに統合されました。
|