Cisco cBR コンバージド ブロードバンド ルータ DOCSIS ソフトウェア コンフィギュレーション ガイド（Cisco IOS XE Fuji 16.7.x 用）

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翻訳について

このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。

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Cisco cBR コンバージド ブロードバンド ルータ DOCSIS ソフトウェア コンフィギュレーション ガイド（Cisco IOS XE Fuji 16.7.x 用）

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DOCSIS 3.0 マルチキャスト サポート

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2018年2月17日

章のタイトル： DOCSIS 3.0 マルチキャスト サポート

DOCSIS 3.0 マルチキャスト サポート

Cisco cBR シリーズ ルータは、Data-over-Cable Service Interface Specifications（DOCSIS）3.0 に基づくマルチキャストの改良をサポートします。DOCSIS 3.0 マルチキャスト サポートにより、帯域幅の効率が向上し、サービス プロバイダーはトラフィックの種類に応じて異なる Quality of Service を提供することができます。

機能情報の確認

ご使用のソフトウェア リリースでは、このモジュールで説明されるすべての機能がサポートされているとは限りません。最新の機能情報と注意事項については、ご使用のプラットフォームとソフトウェア リリースに対応したリリース ノートを参照してください。このモジュールに記載されている機能の詳細を検索し、各機能がサポートされているリリースのリストを確認する場合は、このマニュアルの最後にある機能情報の表を参照してください。

プラットフォームのサポートおよびシスコ ソフトウェア イメージのサポートに関する情報を検索するには、Cisco Feature Navigator を使用します。Cisco Feature Navigator には、http:/​/​tools.cisco.com/​ITDIT/​CFN/​ からアクセスできます。http:/​/​www.cisco.com/​ のアカウントは必要ありません。

目次

Cisco cBR シリーズ ルータに関するハードウェア互換性マトリクス


（注）  

Cisco IOS-XE の特定のリリースで追加されたハードウェア コンポーネントは、特に明記しない限り、以降のすべてのリリースでもサポートされます。

表 1 Cisco cBR シリーズ ルータに関するハードウェア互換性マトリクス

Cisco CMTS プラットフォーム

プロセッサ エンジン

インターフェイス カード

Cisco cBR-8 コンバージド ブロードバンド ルータ

Cisco IOS-XE リリース 16.5.1 以降のリリース

Cisco cBR-8スーパーバイザ：

  • PID：CBR-CCAP-SUP-160G

  • PID：CBR-CCAP-SUP-60G

  • PID：CBR-SUP-8X10G-PIC

Cisco IOS-XE リリース 16.5.1 以降のリリース

Cisco cBR-8 CCAP ライン カード：

  • PID：CBR-LC-8D30-16U30

  • PID：CBR-LC-8D31-16U30

  • PID：CBR-RF-PIC

  • PID：CBR-RF-PROT-PIC

  • PID：CBR-CCAP-LC-40G-R

Cisco cBR-8 ダウンストリーム PHY モジュール：

  • PID：CBR-D30-DS-MOD

  • PID：CBR-D31-DS-MOD

Cisco cBR-8 アップストリーム PHY モジュール：

  • PID：CBR-D30-US-MOD

  • PID：CBR-D31-US-MOD

DOCSIS 3.0 マルチキャスト サポートの前提条件

  • DOCSIS 3.0 対応の Cisco CMTS と、DOCSIS 3.0 イネーブルのケーブル モデムが必要です。

  • Cisco CMTS はデフォルトで MDF イネーブルである必要があります。

  • サービス品質（QoS）パラメータは、さまざまなマルチキャスト セッション用に設定されている必要があります。

DOCSIS 3.0 マルチキャスト サポートの制約事項

  • 明示的トラッキングはディセーブルにできません。

  • マルチキャスト QoS のために、3 つのオブジェクトおよびテンプレート、サービス クラス、Group-QoS-Config（GQC）、および Group-Config を定義し、それらを特定のバンドルまたは転送インターフェイスに関連付ける必要があります。

  • オブジェクトとテンプレートを定義する前に、デフォルトのサービス クラスと GQC を定義する必要があります。

  • 静的マルチキャスト機能は常にイネーブルであり、ディセーブルにすることはできません。

  • グループ設定がデフォルトの転送インターフェイスで設定されている場合、サービス フロー属性ベースの選択は無視されます。

  • マルチキャスト DSID 機能は DOCSIS 3.0 準拠のケーブル モデムでのみサポートされます。

  • cable multicast mdf-disable wb-incapable-cm コマンドは、ケーブル モデムのマルチキャスト ダウンストリーム サービス ID（DSID）転送機能を無効にします。これにより、Cisco CMTS とケーブル モデム間の DSID 機能が影響を受けます。

  • CPE へのマルチキャスト トラフィックは、アクティブ セッション中にマルチキャスト QoS 設定やサービス フロー属性を変更した後、2 倍に増大します。トラフィックの複製は、デフォルトのセッション タイムアウト期間（180 秒）まで続きます。セッション タイムアウト後、マルチキャスト DSID は Cisco CMTS と CM から削除され、通常のマルチキャスト トラフィック フローが再開されます。

  • DOCSIS 3.0 マルチキャスト サポート機能が正しく機能するには、CPE と CM が同じ Virtual Routing and Forwarding（VRF）インターフェイス上にある必要があります。

DOCSIS 3.0 マルチキャスト サポートに関する情報

ネットワーク アプリケーション内蔵のテクノロジーである IP マルチキャストは、複数の受信者に同じ情報を転送します。ケーブル ネットワークを含むネットワーク アプリケーションはいずれも、マルチキャスト テクノロジーの帯域幅の効率化を利用することができます。2 つの新しいテクノロジー、チャネル ボンディングと Single Source Multicast（SSM）により、マルチキャストの導入が大幅に加速されることが予想されます。

チャネル ボンディングと SSM テクノロジーにより、既存の光同軸ハイブリッド（HFC）ネットワークの運用効率が劇的に向上します。ケーブル オペレータはマルチキャストの改良を使用して、ビデオ オン デマンド（VoD）、インターネット プロトコル テレビジョン（IPTV）などの高度なサービスをシームレスに提供したり、インタラクティブなビデオと音声、およびデータ サービスを促進することができます。

次の項では、DOCSIS 3.0 マルチキャスト サポートの利点について説明します。

マルチキャスト DSID 転送

DOCSIS 3.0 マルチキャスト サポートにより、幅広いマルチキャスト プロトコルをサポートする柔軟性と拡張性を提供するための集中制御が Cisco CMTS に実装されています。これは、DOCSIS 1.1 および 2.0 モデルに含まれていた Internet Group Management Protocol（IGMP）バージョン 2 スヌーピング インフラストラクチャに代わるものです。ここで Cisco CMTS は、すべてのマルチキャスト ストリームを特定するために、一意のダウンストリーム サービス ID（DSID）を割り当てます。これらの DSID は CM に送信され、マルチキャスト トラフィックのフィルタリングおよび CPE への転送に使用されます。

マルチキャスト DSID 転送（MDF）には次の利点があります。

  • MAC ドメイン内のボンディング グループにわたって、パケット ストリームを一意に認識します。
  • マルチキャスト チャネルごとに、Any-Source Multicast（ASM）または Source Specific Multicast（SSM）のいずれかにパケット ストリームを指定します。
  • マルチキャスト DSID 管理はルート プロセッサ（RP）上に実装されているため、スタンドアロンで動作します。
  • Cisco CMTS による全アップストリーム信号制御パケットのスヌーピングにより、マルチキャスト DSID 転送（MDF）イネーブルの CM 上の顧客宅内機器（CPE）を検出し、プールから DSID が割り当てられます。
  • 割り当てられた DSID は、Dynamic Bonding Change（DBC）メッセージにより CM に送信されます。
  • マルチキャスト セッションを組み合わせて、同ボンディング グループ内の他の MDF イネーブル CM で DSID を再利用します。
  • マルチキャスト セッションがイベントを終了すると、Cisco CMTS による DBC メッセージによって DSID は CM から削除されます。
  • 最後のメンバーがボンディング グループを離れると、Cisco CMTS により DSID はプールに解放されます。
  • 次の DSID は各プライマリ ダウンストリーム（モジュラおよび組み込みケーブル インターフェイス）に事前に割り当てられており、一般クエリ メッセージを転送します。これらの DSID はマルチキャスト グループのシグナリング プロトコルの一部を形成します。他のマルチキャスト グループはこれらの DSID を使用しません。
    • IGMPv2 一般クエリ（IPv4）
    • IGMPv3 一般クエリ（IPv4）
    • MLDv1 一般クエリ（IPv6）
    • MLDv2 一般クエリ（IPv6）
    • DSID（IPv6）の事前登録
  • DSID の割り当てにより、DOCSIS 3.0 の MDF イネーブル CM でのバーチャル プライベート ネットワーク（VPN）間トラフィック分離が保証されます。たとえば、同じマルチキャストを組み合わせた 2 つの VPN からの 2 つのクライアントは、2 つの個別の DSID を取得します。

ボンディングされた CM でのマルチキャスト転送

DOCSIS 3.0 イネーブル CM へのマルチキャスト パケットは、セカンダリ マルチキャスト ボンディング グループがディセーブルの場合、プライマリ ボンディング グループに DSID 拡張ヘッダーを含むボンディング パケットとして送信されます。MDF ディセーブルまたは DOCSIS 3.0 以前の CM へのマルチキャスト パケットは、DSID 拡張ヘッダーを含まない未ボンディング状態で送信されます。この機能の詳細については、マルチキャスト セカンダリ ボンディング グループを参照してください。

MDF イネーブル CM のみ、または MDF ディセーブル CM のみが存在するネットワークでは、トラフィックはフィールド タイプを使用して分離されます。MDF イネーブル CM はフィールド タイプを持つフレームを転送しますが、MDF ディセーブル CM はこれをドロップします。DSID のラベル付けにより、MDF イネーブル CM はマルチキャスト セッションのコピーを確実に取得して「クロス トーク」を回避します。

フィールド タイプ転送をサポートしないハイブリッド CM（MDF イネーブル CM と MDF ディセーブル CM）では、トラフィックを確実に分離するには、暗号化またはセキュリティ アソシエーション ID（SAID）による分離をセッションごとに設定する必要があります。DOCSIS 3.0 では、ハイブリッド CM がフィールド タイプのフレームの転送に失敗した場合、Cisco CMTS はマルチキャスト セキュリティ アソシエーション ID（MSAID）による分離を使用することになっています。この分離は、一方をボンディングされた CM に、他方を未ボンディングの CM またはハイブリッド CM にというように、異なる MSAID を各複製に割り当てることで達成されます。これにより、CM が重複するトラフィックを受信することを回避できます。

TLV の静的転送

DOCSIS 3.0 仕様により、Cisco CMTS は静的マルチキャストをサポートする必要があります。CM が Cisco CMTS に登録を試みると、Cisco CMTS は静的マルチキャスト エンコーディングが CM コンフィギュレーション ファイルに存在するかどうかをチェックします。静的マルチキャスト エンコーディングが存在する場合、Cisco CMTS は、登録応答（REG-RSP）メッセージで各静的マルチキャスト チャネルに対応する DSID を送信します。

マルチキャスト DSID 管理はスーパーバイザに置かれています。インターフェイス カードは、適切な DSID 割り当てを得るためにはに問い合わせる必要があります。また、後続の静的マルチキャスト エンコーディングでスーパーバイザと通信する必要を省くために、インターフェイス カードはスーパーバイザからの応答をキャッシュします。

明示的なトラッキング

Cisco CMTS は、IGMPv3 サポートを使用して明示的なトラッキングを実行できます。IGMPv3 は IGMPv2 仕様に関連するレポート抑制機能を排除するため、Cisco CMTS がセッション情報およびホスト情報の詳細を取得できるようになります。これは、CM ごとの IGMP 高速脱退処理と DSID 管理に役立ちます。

特定のマルチキャスト セッションに参加するホスト（IP/MAC）を追跡するには、ホストまたはセッション データベースを使用します。ホストから、SID とケーブル ダウンストリーム インターフェイスに基づいて CM を追跡できます。また、このデータベースは、マルチキャスト セッションが終了したときに Cisco CMTS が特定の CM から DSID を削除する必要があるかどうかを判断するのにも役立ちます。

マルチキャスト サービス品質の拡張

DOCSIS 3.0 では、CMTS はセッション制限を超えるフローを許可しません。現行のマルチキャスト QoS（MQoS）のセッション制限はセッションは許可しますが、セッション制限を超えたセッションに QoS を提供しません。


（注）  
マルチキャスト QoS 機能がディセーブルの場合は、デフォルトのグループ サービス フロー（GSF）がマルチキャスト パケットの送信に使用されます。

マルチキャスト QoS の DOCSIS 3.0 要件として、Group Classifier Rules（GCR）のサポートがあります。Cisco CMTS は、セッション範囲がマルチキャスト グループ アドレスに一致している一連のグループ コンフィギュレーション（GC）を決定します。SSM の場合は、一致する GC を特定するために、送信元アドレスも使用されます。一致する GC にはそれぞれ 1 つの GCR が作成され、GCR はマルチキャスト セッションに関連付けられます。また、GCR には一意の ID、SAID、およびグループ サービス フロー（GSF）が割り当てられます。

GC エントリの選択には、次の条件が使用されます。

  • 複数の GC エントリが一致する場合、最高ルール プライオリティを持つ GC が選択されます。
  • 複数の GC が同じ最高ルール プライオリティを持つ場合、すべての一致する GC エントリが選択されます。

GCR 分類は、タイプ オブ サービス（TOS）フィールドに基づいて行われます。複数の GCR が単一のマルチキャスト セッションに一致している場合、GCR 中の TOS 指定子の使用により、正しい GCR が選択されます。


（注）  
2 つのマルチキャスト グループ コンフィギュレーション（GC）のセッション範囲とコンフィギュレーションが（グローバルまたはバンドル コンフィギュレーションで）同じである場合は、同じ転送インターフェイスの選択は保証されません。

非 IP マルチキャストおよびブロードキャスト パケットは GSF を使用します。これらは個々のサービス フローに似ており、同じ GCR に一致する特定のデジタル コマンド シグナル（DCS）についてすべての CM により共有されます。単一の GSF は、同様の GQC の集合を使用して異なる GC に一致するマルチキャスト セッションで使用されます。

マルチキャスト セカンダリ ボンディング グループ

DOCSIS 3.0 対応 CM は、CMTS の MDF サポートを使用して非プライマリ（またはボンディングされた）チャネルからマルチキャスト パケットを受信できます。

マルチキャスト セカンダリ ボンディング グループは、光分割によって 1 つ以上のファイバ ノードにフィードする共有ボンディング グループまたは RF チャネル として定義されます。これにより、異なるプライマリ ボンディング グループおよびチャネルの CM は、1 つまたは複数の共有セットをリスニングできるようになります。マルチキャスト パケットは共有ダウンストリーム チャネル セットにのみ複製され、そのためダウンストリーム帯域幅が節約されます。

DOCSIS 3.0 は属性ベースのサービス フロー作成を定義しています。これにより、Cisco CMTS は、ユニキャストおよびマルチキャスト転送のためのボンディング グループまたは個々のチャネルの選択において、より「インテリジェント」な決定ができます。

マルチキャスト セカンダリ ボンディング グループには次の利点があります。

  • マルチキャスト セカンダリ ボンディング グループ用の、新しい MQoS および属性ベース転送。
  • プライマリ ダウンストリーム インターフェイスはナローバンド CM に対して転送インターフェイスとして機能します。
  • ワイドバンド CM の転送インターフェイスを選択するために、以下のアルゴリズムが使用されます。
    • セッションに一致する group-config がプライマリ ボンディング グループに存在する場合、そのプライマリ ボンディング グループが選択されます。MQoS パラメータは group-config から取得されます。
    • group-config がバンドル レベルでもグローバル レベルでも存在しない場合、プライマリ ボンディング グループが選択されます。
    • バンドル レベルまたはグローバル レベルで検索された group-config を使用して、Group-QoS-Config（GQC）、さらには属性および禁止されたビット マスクが検索され、次いでそれらを使用してインターフェイスが検索されます。
    • バンドル レベルの group-config またはグローバル レベルの group-config が設定されている場合、バンドル内のすべてのワイドバンド ケーブル モデム（WCM）は同一のセカンダリ ボンディング グループを使用します。
  • 特定の送信元アドレスが一致するインターフェイスが見つからなかった場合、IGMP レポートは送信元を無視します。
    • 一致するインターフェイスが見つかると、そのインターフェイスが転送に使用され、転送インターフェイス、バンドル インターフェイス、またはグローバル レベルの一致する group-config から MQoS パラメータが取得されます。
    • 一致するインターフェイスが見つからない場合、IGMP レポートは無視されます。
  • 静的結合の場合は、属性ベースの転送はサポートされず、プライマリ ダウンストリームだけが使用されます。

ロード バランシング

ロード バランシング機能では、特定の CM でマルチキャスト ストリームが配信されている間、その CM はロードバランシングの対象になりません。この機能には明示的トラッキング データベースが使用され、これを達成するのに必要な CM 加入に関する全情報がそこに保持されます。

マルチキャスト DSID 転送ディセーブル モード

ケーブル モデムが IGMP スヌーピングを実行する必要があるアプリケーションでは、そのケーブル モデムの MDF をディセーブルにする必要があります。Cisco CMTS により MDF イネーブル モードで登録されているケーブル モデムは、MDF 転送が DSID フィルタリングに基づくため、IGMP スヌーピングを実行しません。cablemulticastmdf-disable コマンドは、ケーブル モデムの MDF 機能を無効にします。

このコマンドはルート プロセッサに設定され、コンフィギュレーション更新によってケーブル ラインカードにダウンロードされます。この設定により、Cisco CMTS 転送のメカニズムや DSID 割り当てが変更することはありません。Cisco CMTS により DSID が割り当てられ、マルチキャスト パケットが DSID ヘッダーでカプセル化されます。これは、MDF ディセーブルのケーブル モデム上のトラフィック転送には影響しません。DOCSIS 3.0 仕様により、DOCSIS 2.0 以前または MDF ディセーブルのケーブル モデムは、DSID ヘッダーを無視し、IGMP スヌーピング グループからの Group Media Access Control（GMAC）に基づいてマルチキャスト転送を継続します。ケーブル モデムが MDF ディセーブル モードで動作しているときは IGMPv2 のみがサポートされ、IGMPv3 および MLD メッセージはドロップされます。

IGMP SSM マッピングが使用されている場合、BPI+ に基づくマルチキャスト暗号化は、非 MDF ケーブル モデムではサポートされません。非 MDF ケーブル モデムとは、DOCSIS 3.0 以前のケーブル モデム、または MDF ディセーブル モードで動作している DOCSIS 3.0 ケーブル モデムです。

DOCSIS 2.0 ハイブリッド ケーブル モデムの MDF1 サポート

Cisco CMTS ルータは、DOCSIS 2.0 ハイブリッド ケーブル モデム、IPv6、および MDF 機能をアドバタイズして IPv6 パケット転送を可能にする他のケーブル モデムで MDF 機能をイネーブルにします。cable multicast mdf-disable コマンドにおける wb-incapable-cm キーワードは、DOCSIS Set-Top Gateway（DSG）ハイブリッド組み込みケーブル モデムを含むすべての DOCSIS 2.0 ハイブリッド ケーブル モデムで MDF を無効にして、IGMP スヌーピングをサポートします。

ハイブリッド STB の DSG 無効化

wb-incapable-cm キーワードを指定した cablemulticastmdf-disable コマンドは、MDF サポートを無効にするだけでなく、すべての DOCSIS 2.0 DSG 組み込みケーブル モデムが DSG マルチキャスト トラフィックを受信することを防止します。

wb-incapable-cm キーワードによって非 DSG DOCSIS 2.0 ハイブリッド ケーブル モデムでのみ MDF 機能が無効になります。すべての DSG 組み込みケーブル モデム（DOCSIS 3.0 DSG および DOCSIS 2.0 DSG ハイブリッド）で MDF 機能を無効にするために、新しいキーワード DSG が導入されました。


（注）  
MDF 機能を無効にした後で、clearcablemodemreset コマンドを実行し、すべての DSG 組み込みケーブル モデムをオンラインにする必要があります。

MDF1 サポートの利点

  • 異なる既知のケーブル モデムのファームウェアで IPv6 をサポートします。
  • Cisco CMTS での MDF 機能を無効にします。
  • インサービス ソフトウェア アップグレード（ISSU）とライン カードの高可用性をサポートします。

動的マルチキャスト レプリケーション セッション

ユーザがパフォーマンスを向上させるために Cisco cBR ルータで IPTV サービスを有効にすると、Cisco cBR で次の機能がサポートされるようになります。

  • バンドル インターフェイスごとに 8000 個の SID をサポートします。

    それぞれの MQoS はマルチキャスト セッションごとに 1 つの SID を必要とするので、Cisco cBR はバンドルごとに 8000 個の SID をサポートします。

  • IP Communicator メッセージを高速化かつ効率化します。

  • マルチキャスト転送を高速化します。

  • 動的マルチキャスト セッションのキャッシングを有効にします。

マルチキャスト レプリケーション セッションのキャッシュ

新しいマルチキャスト レプリケーション セッションを作成する場合、使用される CPU サイクルは、既存のマルチキャスト レプリケーション セッションに参加する場合よりも大幅に増えます。セッションが終了した後、マルチキャスト レプリケーション セッションに関連するリソースの大部分をキャッシュすることができます。

したがって、後で新しい IGMP 参加要求を受け取ったときに、これらのリソースを再利用できます。

マルチキャストレプリケーション セッションのキャッシュは、アクティブな SUP でのみ有効です。SUPSO が発生すると、キャッシュされたすべてのセッションが失われ、IGMP/MLD 参加要求の受信時に新しいアクティブ SUP でセッションが再作成されます。

LCSO が発生すると、この LC のキャッシュされたすべてのセッションがクリアされ、IGMP/MLD 参加要求の受信時に新しいアクティブ LC でセッションが再作成されます。

DOCSIS 3.0 マルチキャスト サポートの設定方法

ここでは、Cisco CMTS ルータに DOCSIS 3.0 マルチキャスト サポートを導入するために必要な次のタスクについて説明します。

基本的なマルチキャスト転送の設定

DOCSIS 3.0 マルチキャスト設定に適用できる基本的なマルチキャスト転送プロファイルを設定するには、ipmulticast-routing コマンドを使用します。マルチキャスト グループの作業を続行する前に、マルチキャスト ルーティングのプロファイルを設定します。

手順
     コマンドまたはアクション目的
    ステップ 1enable


    例： 
    Router> enable
     

    特権 EXEC モードをイネーブルにします。

    • パスワードを入力します（要求された場合）。
     
    ステップ 2configure terminal


    例： 
    Router# configure terminal
     

    グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

     
    ステップ 3IPmulticast-routing[vrf]

    例： 
    Router(config)# IP multicast-routing vrf
     

    グローバルに、または特定の Virtual Routing and Forwarding（VRF）インターフェイスでマルチキャスト ルーティングを有効にします。

     
    ステップ 4interfacebundle number


    例： 
    Router(config)# interface bundle 1
     

    インターフェイス バンドルを設定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

     
    ステップ 5IPpimsparse-mode


    例： 
    Router(config-if)# IP pim sparse-mode
     

    スパース動作モードを設定します。

    （注）      Cisco CMTS ルータは、PIM スパース モード用に設定した Protocol Independent Multicast（PIM）のランデブー ポイント（RP）が必要です。スーパーバイザは、 ip pim rp-address コマンドまたは Auto-スーパーバイザ 設定プロトコルを使用して設定されます。
     
    ステップ 6IPpimsparse-dense-mode


    例： 
    Router(config-if)# IP pim sparse-dense-mode
     

    マルチキャスト グループが動作するモードに応じて、スパース動作モードまたはデンス動作モードのいずれかのインターフェイスを設定します。

     
    ステップ 7IPigmpversionversion-number


    例： 
    Router(config-if)# IP igmp version 3
     

    IGMP バージョン 3 を使用できるようにインターフェイスを設定します。

     
    ステップ 8IPigmpv3-query-max-response-time response_time


    例： 
    Router(config-if)# IP igmp v3-query-max-response-time 500
     

    IGMP バージョン 3 の最大クエリ応答時間を設定します。

     

    マルチキャスト DSID 転送の設定

    マルチキャスト DSID 転送機能は、デフォルトでイネーブルになっています。この機能は設定できません。

    明示的なトラッキングの設定

    明示的なトラッキング機能は、デフォルトで有効になっています。ユーザが構成することはできません。

    マルチキャスト QoS の設定

    DOCSIS 3.0 設定に適用できるマルチキャスト QoS プロファイルを設定するには、cablemulticastgroup-qos コマンドを使用します。マルチキャスト QoS プロファイルを QoS マルチキャスト グループに追加するには、マルチキャスト QoS プロファイルを設定する必要があります。

    手順
       コマンドまたはアクション目的
      ステップ 1enable


      例： 
      Router> enable
       

      特権 EXEC モードをイネーブルにします。

      • パスワードを入力します（要求された場合）。
       
      ステップ 2configureterminal


      例： 
      Router# configure terminal
       

      グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

       
      ステップ 3cableserviceclass class-indexname service-class-name


      例： 
      Router(config)# cable service class 1 name MQOS_DEFAULT
       

      ケーブル サービス クラスの名前を設定します。

       
      ステップ 4cableserviceclass class-indexdownstream


      例： 
      Router(config)# cable service class 1 downstream
       

      ケーブル サービス クラスのダウンストリームを設定します。

       
      ステップ 5cableserviceclass class-indexmax-rate maximum-bandwidth-allowed


      例： 
      Router(config)# cable service class 1 max-rate 10000000
       

      ケーブル サービス クラスの最大許容帯域幅を設定します。

       
      ステップ 6cableserviceclass class-indexmin-rate cir


      例： 
      Router(config)# cable service class 1 min-rate 1000000
       

      ケーブル サービス クラスの最小認定情報レートを設定します。

       
      ステップ 7cablemulticastgroup-qosdefaultscn service-class-nameaggregate


      例： 
      Router(config)# cable multicast group-qos default scn MQOS_DEFAULT aggregate
       

      QoS プロファイルのデフォルトのサービス クラス名を指定します。

       
      ステップ 8cablemulticastqosgroup numberpriority value


      例： 
      Router(config)# cable multicast qos group 20 priority 1
       

      マルチキャスト QoS グループを設定し、マルチキャスト QoS コンフィギュレーション モードを開始して、ケーブル マルチキャスト QoS グループのプライオリティを指定します。

       
      ステップ 9application-id app-id


      例： 
      Router(config-mqos)# application-id 10
       

      マルチキャスト QoS グループのアプリケーション ID 番号を指定します。マルチキャスト QoS グループに対してアドミッション制御を有効にするように、この値を設定します。

       
      ステップ 10session-rangeip-addressip-mask


      例： 
      Router(config-mqos)# session-range 230.0.0.0 255.0.0.0
       

      マルチキャスト QoS グループの IP アドレスと IP マスクのセッション範囲を指定します。複数のセッション範囲を設定できます。

       
      ステップ 11cablemulticastqosgroup number priority value [global]


      例： 
      Router(config)#cable multicast qos group 20 priority 63 global
       

      マルチキャスト QoS グループ ID を指定します。

       

      サービス フロー属性ベースの転送インターフェイスの選択

      サービス フロー属性機能により、ボンディングされた CM は、複数のボンディング グループをリスニングし、インターフェイス固有のビット マスクを使用して、マルチキャスト トラフィックを受信する最適なルートを選択できます。

      サービス フロー属性機能を使用すると、「サービス フロー属性マスク」と名付けられた DOCSIS 3.0 構造に基づいて転送インターフェイスを選択できます。すべてのインターフェイスには、そのインターフェイスの属性を表す属性ビット マスクがあります。グループ QoS 設定で指定したマルチキャスト サービス クラスには、必須属性と禁止属性のビット マスクが含まれます。ボンディングされた CM が複数のボンディング グループ（ワイドバンド インターフェイス）をリスニングする場合、サービス クラスとボンディング グループの固有のビット マスクを使用して、マルチキャスト トラフィックの転送用にこれらのボンディング グループのいずれかを選択できます。

      手順
         コマンドまたはアクション目的
        ステップ 1enable


        例： 
        Router> enable
         

        特権 EXEC モードをイネーブルにします。

        • パスワードを入力します（要求された場合）。
         
        ステップ 2configure terminal


        例： 
        Router# configure terminal
         

        グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

         
        ステップ 3cableserviceclass class-indexname name


        例： 
        Router(config)# cable service class 10 name mcast10
         

        サービス クラス名を設定します。

         
        ステップ 4cableserviceclass class-indexdownstream


        例： 
        Router(config)# cable service class 10 downstream
         

        選択したサービス クラスのダウンストリームを設定します。

         
        ステップ 5cableserviceclass class-indexmax-rate maximum-rate


        例： 
        Router(config)# cable service class 10 max-rate 1000000
         

        選択したサービス クラスの最大レートを設定します。

         
        ステップ 6cableserviceclass class-indexmin-rate minimum-rate


        例： 
        Router(config)#  cable service class 10 min-rate 100000
         

        選択したサービス クラスの最小レートを設定します。

         
        ステップ 7cableserviceclass class-indexreq-attr-mask required-attribute-mask


        例： 
        Router(config)# cable service class 10 req-attr-mask 8000000F
         

        選択したサービス クラスの必須属性マスクを設定します。

         
        ステップ 8cableserviceclass class-indexforb-attr-mask forbidden-attribute-mask


        例： 
        Router(config)# cable service class 10 forb-attr-mask 7FFFFFF0
         

        選択したサービス クラス名の禁止属性マスクを設定します。

         
        ステップ 9cablemulticastgroup-qos numberscn service-class-nameaggregate


        例： 
        Router(config)# cable multicast group-qos 1 scn 10 mcast10 aggregate
         

        ケーブル マルチキャスト グループ QoS ID、サービス クラス名、およびマルチキャスト値を設定します。

         
        ステップ 10cablemulticastqosgroup grouppriority priority


        例： 
        Router(config)# cable multicast qos group 1 priority 1
         

        ケーブル MQoS グループを設定し、MQoS コンフィギュレーション モードを開始します。

         
        ステップ 11session-range session-range mask


        例： 
        Router(config-mqos)# session-range 230.1.1.1 255.255.255.255
         

        セッション範囲を指定します。

         
        ステップ 12group-qos qos


        例： 
        Router(config-mqos)# group-qos 1
         

        グループ QoS を指定します。

         
        ステップ 13exit


        例： 
        Router(config-mqos)# exit
         

        グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。

         
        ステップ 14interfacebundle number
        • ipaddress ip mask
        • ippimsparse-mode
        • iphelper-address helper-address
        • cablemulticast-qosgroup group


        例： 
        Router(config)# interface Bundle1
Router(config-if)#ip address 40.1.1.1 255.255.255.0
Router(config-if)#ip pim sparse-mode
Router(config-if)#ip helper-address 2.39.16.1
Router(config-if)#cable multicast-qos group 1
         

        IP アドレス、ヘルパー アドレス、および MQoS グループを指定したインターフェイス バンドルを設定します。

         
        ステップ 15exit


        例： 
        Router(config-if)# exit
         

        グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。

         
        ステップ 16interfacewideband-cable slot/subslot/port:wideband-channel
        • description description
        • cablebundle number
        • cable rf-channel channel-list grouplistbandwidth-percent bw-percent
        • cabledownstreamattribute-maskattribute-mask


        例： 
        Router(config)# interface Wideband-Cable1/0/0:0
Router(config-if)# description cable rf-channels channel-list 0-7 bandwidth-percent 20
Router(config-if)# cable bundle 1
Router(config-if)# cable rf-channels channel-list 0-7 bandwidth-percent 20
Router(config-if)# cable downstream attribute-mask 8000000F
         

        サービス クラスおよびワイドバンド インターフェイスで指定したビット マスクに基づいて転送するインターフェイスを選択します。

         
        ステップ 17end


        例： 
        Router(config-if)# end
         

        特権 EXEC モードに戻ります。

         

        マルチキャスト DSID 転送ディセーブル モードの設定

        ケーブル モデムの MDF を無効にするには、グローバル コンフィギュレーション モードで cablemulticastmdf-disable コマンドを使用します。


        （注）  

        IGMP SSM マッピングが使用されている場合、BPI+ に基づくマルチキャスト暗号化は、非 MDF ケーブル モデムではサポートされません。

        手順
           コマンドまたはアクション目的
          ステップ 1enable


          例： 
          Router> enable
           

          特権 EXEC モードをイネーブルにします。

          • パスワードを入力します（要求された場合）。
           
          ステップ 2configure terminal


          例： 
          Router# configure terminal
           

          グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

           
          ステップ 3cablemulticastmdf-disable[wb-incapable-cm]


          例： 
          Router(config)# cable multicast mdf-disable
           

          ケーブル モデムの MDF 機能をディセーブルにします。

           
          ステップ 4exit

          例： 
          Router(config)# exit
Router#
           

          グローバル コンフィギュレーション モードを終了します。

           

          マルチキャスト レプリケーション セッションのグローバル設定

          次のコマンドを使用してマルチキャスト レプリケーション セッションの最大数をグローバルに設定し、L2 転送インターフェイスごとに値を設定します。

          オペレータが最大数の値を設定しない場合、すべての L2 転送インターフェイスに対してデフォルトで値 0 が設定され、キャッシュ機能が無効になります。Cisco cBR はマルチキャスト レプリケーション セッションをキャッシュしません。

          たとえば、値が 10 から 0 に変更されると、現行のキャッシュがすべてクリアされます。値の範囲は、0 ～ 500 です。

          次に、キャッシュの最大数を 0 に設定する例を示します。
          enable
configure terminal
cable multicast ses-cache 0
          次に、現在の値を変更する例を示します。
          enable
configure terminal
 [no|default] cable multicast ses-cache <0-500>

          転送インターフェイスのマルチキャスト レプリケーション セッションの設定

          L2 転送インターフェイスごとにマルチキャスト レプリケーション セッションを有効にするには、次の手順に従います。

          最大数の値の範囲は 0 ～ 500 です。たとえば、値が 10 から 0 に変更されると、現行のキャッシュがすべてクリアされます。

          インターフェイスに設定されている値がシステムの値よりも優先されます。次に、転送インターフェイスでセッション キャッシュを設定し、Cisco cBR にシステムの値を使用させる例を示します。
          enable
configure terminal
interface wideband-Cable {slot /subslot /controller :wideband-channel}
[no|default] cable multicast ses-cache

          次に、インターフェイスのキャッシュの最大数を設定する例を示します。

          enable
configure terminal
interface integrated-Cable {slot/subslot/port:rf-channel}
cable multicast ses-cache 500
          次に、インターフェイスに対して値 0 を設定する例を示します。 
          enable
configure terminal
interface integrated-Cable {slot/subslot/port:rf-channel}
no cable multicast ses-cache

          マルチキャスト レプリケーションのキャッシュのクリア

          すべて、または特定の L2 転送インターフェイスのマルチキャスト レプリケーション セッションをクリアするには、次のコマンドを使用します。システムにより、すべての L2 転送インターフェイスまたは特定の L2 インターフェイスに関する現行のキャッシュ エントリがすべて削除されます。

          enable
clear cable multicast ses-cache [interface xxx | all | counter]

          DOCSIS 3.0 マルチキャスト サポートのモニタリング方法

          DOCSIS 3.0 マルチキャスト サポート機能をモニタリングするには、次の手順を使用します。

          基本的なマルチキャスト転送の確認

          基本的なマルチキャスト転送の設定パラメータを確認するには、次の例のように showipmroute コマンドを使用します。

          Router# show ip mroute

IP Multicast Routing Table
Flags: D - Dense, S - Sparse, B - Bidir Group, s - SSM Group, C - Connected,
L - Local, P - Pruned, R - RP-bit set, F - Register flag,
       T - SPT-bit set, J - Join SPT, M - MSDP created entry, E - Extranet,
       X - Proxy Join Timer Running, A - Candidate for MSDP Advertisement,
       U - URD, I - Received Source Specific Host Report, 
       Z - Multicast Tunnel, z - MDT-data group sender, 
       Y - Joined MDT-data group, y - Sending to MDT-data group, 
       V - RD & Vector, v - Vector
Outgoing interface flags: H - Hardware switched, A - Assert winner
 Timers: Uptime/Expires
 Interface state: Interface, Next-Hop or VCD, State/Mode
 
(*, 230.1.1.1), 00:00:03/00:02:55, RP 30.1.1.1, flags: S
  Incoming interface: Null, RPF nbr 0.0.0.0
  Outgoing interface list:
    Bundle1, Forward/Sparse, 00:00:03/00:02:55, H
(*, 224.0.1.40), 00:12:02/00:02:19, RP 30.1.1.1, flags: SJCL
  Incoming interface: Null, RPF nbr 0.0.0.0
  Outgoing interface list:
    Bundle1, Forward/Sparse, 00:12:02/00:02:19

          IGMPv3 に基づいて指定した仮想インターフェイス バンドルのマルチキャスト情報を確認するには、次の例のように showcablebundlemulticast コマンドを使用します。

          Router# show cable bundle 1 multicast

CableBundle Interface Source IP 	Multicast IP 			MAC Address
1 			Bundle1.1 * 						230.1.1.1 			0100.5e00.0001

          IGMPv3 に基づいて指定した仮想インターフェイス バンドルの MAC 転送テーブルを確認するには、次の例のように showcablebundleforwarding コマンドを使用します。

          Router# show cable bundle 1 forwarding

MAC address Interface Flags Location link sublink
00c0.5e01.0203 Cable8/0/0 3 64E5BF60 0 64E5BE00
00c0.5e01.0203 Cable7/0/0 3 64E5BE00 0 0
00c0.5e01.0101 Cable8/0/0 3 64E5BEE0 0 64E5BE40

          マルチキャスト DSID 転送の確認

          DSID データベースの内容をすべて確認するには、次の例に示すように showcablemulticastdsid コマンドを使用します。

          Router# show cable multicast dsid
Multicast Group    : 230.1.2.3
         Source    : *
         IDB       : Bu2         Interface: Mo1/1/0:0   Dsid: 0x1F078     
         StatIndex : 2           SAID: DEFAULT
Multicast Group    : 230.1.2.3
         Source    : *
         IDB       : Bu2         Interface: Mo1/1/0:0   Dsid: 0x1F078     
         StatIndex : 3           SAID: 8196      
Multicast Group    : 230.1.2.3
         Source    : *
         IDB       : Bu2         Interface: Mo1/1/0:0   Dsid: 0x1F078

          StatIndex:4SAID:8197

          データベースの内容をすべて確認するには、次の例に示すように showcablemulticastdb コマンドを使用します。

          Router# showcablemulticastdb

          interface : Bundle1
Session (S,G) : (*,230.1.1.1)
Fwd Intfc Sub Intfc Host Intfc CM Mac Hosts
Wi1/1/0:0 Bundle1 Ca5/0/0 0018.6852.8056 1

          登録済み CM および未登録 CM の情報を確認するには、次の例に示すように show cable modem verbose コマンドを使用します。

          Router# showcablemodem0010.7bb3.fcd1verbose

          MAC Address : 00C0.7bb3.fcd1
IP Address : 10.20.113.2
Prim Sid : 1
QoS Profile Index : 6
Interface : C5/0/U5
sysDescr : Vendor ABC DOCSIS 2.0 Cable Modem
Upstream Power : 0 dBmV (SNR = 33.25 dBmV)
Downstream Power : 0 dBmV (SNR = ----- dBmV)
Timing Offset : 1624
Initial Timing Offset : 2812
Received Power : 0.25
MAC Version : DOC1.0
Qos Provisioned Mode : DOC1.0
Enable DOCSIS2.0 Mode : Y
Phy Operating Mode : atdma
Capabilities : {Frag=N, Concat=N, PHS=N, Priv=BPI}
Sid/Said Limit : {Max Us Sids=0, Max Ds Saids=0}
Optional Filtering Support : {802.1P=N, 802.1Q=N}
Transmit Equalizer Support : {Taps/Symbol= 0, Num of Taps= 0}
Number of CPE IPs : 0(Max CPEs = 1)
CFG Max-CPE : 1
Flaps : 373(Jun 1 13:11:01)
Errors : 0 CRCs, 0 HCSes
Stn Mtn Failures : 0 aborts, 3 exhausted
Total US Flows : 1(1 active)
Total DS Flows : 1(1 active)
Total US Data : 1452082 packets, 171344434 bytes
Total US Throughput : 0 bits/sec, 0 packets/sec
Total DS Data : 1452073 packets, 171343858 bytes
Total DS Throughput : 0 bits/sec, 0 packets/sec
Active Classifiers : 0 (Max = NO LIMIT)
DSA/DSX messages : reject all
Dynamic Secret : A3D1028F36EBD54FDCC2F74719664D3F
Spoof attempt : Dynamic secret check failed
Total Time Online : 16:16

          明示的なトラッキング機能の確認

          明示的なトラッキング情報を確認するには、次の例に示すように showcablemulticastdb コマンドを使用します。

          Router# showcablemulticastdb

          Interface : Bundle1
Session (S,G) : (*,230.1.1.1)
Fwd Intfc  Sub Intfc  Host Intfc   CM Mac           Hosts
Mo1/1/0:0  Bundle1    Ca5/0/0      0018.6852.8056       1

          マルチキャスト QoS 機能の確認

          ケーブル MQoS の詳細を確認するには、次の例に示すように showcablemulticastqos コマンドを使用します。

          Router# show cable multicast qos ?
group-config Display Multicast Group Config information
group-encryption Display Multicast Group Encryption information
group-qos Display Multicast Group QOS information
Router# show cable multicast qos group-config
Multicast Group Config 1 : Priority 1
Group QOS - 1
Group Encryption - 1
Session Range - Group Prefix 230.0.0.0 Mask 255.0.0.0 Source Prefix 0.0.0.0 Mask 0.0.0.0
Router# show cable multicast qos group-encryption
Multicast Group Encryption 1 : Algorithm 56bit-des
Router# show cable multicast qos group-qos
Group QOS Index Service Class Control Igmp Limit Override
DEFAULT MQOS_DEFAULT Aggregate NO-LIMIT 1 MQOS Aggregate NO-LIMIT

          特定のケーブル インターフェイスの DOCSIS サービス フローを確認するには、次の例に示すように showinterfaceservice-flow コマンドを使用します。

          Router# show interface cable 6/0 service-flow

Sfid  Sid   Mac Address     QoS Param Index Type    Dir    Curr   Active 
BG/CH
                             Prov  Adm  Act                 State  Time
4     8193  ffff.ffff.ffff   3     3    3   sec(S)  DS     act    21h57m
5     8196  ffff.ffff.ffff   4     4    4   sec(S)  DS     act    00:17

          サービス フロー属性の確認

          サービス クラス設定でサービス フロー属性の設定を確認するには、次の例のように show cable service-class verbose コマンドを使用します。

          Router# show cable service-class 10 verbose 
Index:                                  10
Name:                                   mcast10
Direction:                              Downstream
Traffic Priority:                       0
Maximum Sustained Rate:                 1000000 bits/sec
Max Burst:                              3044 bytes
Minimum Reserved Rate:                  1000000 bits/sec
Minimum Packet Size                     0 bytes
Admitted QoS Timeout                    200 seconds
Active QoS Timeout                      0 seconds
Required Attribute Mask                 8000000F 
Forbidden Attribute Mask                7FFFFFF0 
Scheduling Type:                        Undefined
Max Latency:                            0 usecs
Parameter Presence Bitfield:            {0x3148, 0x0}

          ワイドバンド インターフェイス設定の SF 属性の設定を確認するには、次の例に示すように show running-config interfaceコマンドを使用します。 

          Router# show running-config interface Wideband-Cable 1/0/0:2
interface Wideband-Cable1/0/0:2
 cable bundle 1
 cable bonding-group-id 3
 cable rf-channel 3
 cable downstream attribute-mask 8000000F
end

          マルチキャスト グループ分類子の確認

          グループ分類子ルールの詳細を確認するには、次の例に示すように showinterfacewideband-cablemulticast-gcr コマンドを使用します。

          Router# show interface wideband-cable 1/1/0:0 multicast-gcr
Group Classifier Rules on Wideband-Cable1/1/0:0:
Classifier_id  Group_id  Group_Qos_id  Sid   SFID   ref_count
7              1         1             8196  10     1         
8              2         1             8197  11     1

          トラブルシューティングのヒント

          マルチキャスト トラフィックの転送用に選択されたワイドバンド インターフェイスで指定されている RF 周波数を、CM がリスニングできることを確認します。

          現行のキャッシュの表示

          L2 転送インターフェイスを基準に現在のマルチキャスト レプリケーション セッションを表示するには、このコマンドを使用します。

          • インターフェイスを指定しない場合、このコマンドは現行の L2 転送インターフェイスの要約を表示します。要約にはキャッシュ番号が含まれます。

          • インターフェイスを指定すると、このコマンドはそのインターフェイスの要約を表示します。キャッシュに関するより詳細な情報を表示するには、verbose オプションを追加します。

          Router#show cable multicast ses-cache global summary 

Global Cache Config: 20
-----------------------------------------------------------------
Fwd             Cache      Cache     Cache      Cache
Intfc           Config     Used      Missed     Hitted
Wi7/0/0:1        10         4          4           12
-----------------------------------------------------------------
Total                            4             4              12


          Router# show cable multicast ses-cache global

Fwd Intfc          Sub Intfc               Session (S,G)
Wi7/0/0:0          Bundle1                (30.30.30.30,227.0.0.20)
                   Bundle1                (30.30.30.30,227.0.0.22)

Wi7/0/0:1          Bundle1                (30.30.30.30,226.0.0.20)
                   Bundle1                (30.30.30.30,226.0.0.22)
                   Bundle1                (30.30.30.30,226.0.0.23)
                   Bundle1                (30.30.30.30,226.0.0.21)



          Router#show cable multicast ses-cache interface wi7/0/0:1

Fwd Intfc          Sub Intfc              Session (S,G)
Wi7/0/0:1          Bundle1                (30.30.30.30,226.0.0.20)
                   Bundle1                (30.30.30.30,226.0.0.22)
                   Bundle1                (30.30.30.30,226.0.0.23)
                   Bundle1                (30.30.30.30,226.0.0.21)


          Router# show cable multicast ses-cache interface wi7/0/0:1 summary 

Global Cache Config: 20
--------------------------------------------------
Fwd             Cache       Cache    Cache      Cache
Intfc             Config      Used     Missed    Hitted
Wi7/0/0:1    10              4           4              12



          Router# show cable multicast ses-cache wi8/0/0:0 verbose

Multicast Group    : 232.10.0.8

         Source    : 100.0.0.2

         Act GCRs  : 1

         Interface : Bu255 State: A GI: Bu255  RC: 0 

         GCR       : GC   SAID    SFID    Key   GQC    GEn

                     10   8858    24      0     1      0   



Multicast Group    : 232.10.0.16

         Source    : 100.0.0.2

         Act GCRs  : 1

         Interface : Bu255  State: A  GI: Bu255  RC: 0 

         GCR       : GC   SAID    SFID    Key   GQC    GEn

                     10   8859    25      0     1      0   
           
Total session cache num: 2

          Cache Missed の値は、キャッシュされたエントリを再利用できないときに新しい参加要求を受け取るたびに増加します。

          DOCSIS 3.0 マルチキャスト サポートの設定例

          ここでは、次の設定例について説明します。

          例：基本的なマルチキャスト転送の設定


          （注）  
          次に、Cisco CMTS がマルチキャスト パケットを転送するのに必要なコマンドを示します。ただし、マルチキャスト QoS および認証機能は、マルチキャスト パケットを適切に転送するためのオプションです。

          次の例では、基本的なマルチキャスト転送プロファイルが設定されています。

          ip multicast-routing
interface TenGigabitEthernet4/1/0
  ip pim sparse-dense-mode
interface Bundle 1
  ip pim sparse-mode
  ip igmp version 3

          例：マルチキャスト QoS の設定


          （注）  
          デフォルトのサービス クラスおよび GQC は、マルチキャスト QoS の設定前に定義する必要があります。

          次の例では、マルチキャスト QoS を設定しています。3 つのオブジェクトとテンプレートを定義し、特定のバンドルまたは転送インターフェイスと関連付ける必要があります。オブジェクトには、サービス クラス、グループ QoS 設定（GQC）、グループ設定があります。

          cable service class 1 name MQOS_DEFAULT
cable service class 1 downstream
cable service class 1 max-rate 10000000
cable service class 1 min-rate 1000000
cable multicast group-qos default scn MQOS_DEFAULT aggregate
cable multicast group-qos 10 scn MQOS single
cable multicast qos group 20 priority 1
application-id 10
session-range 230.0.0.0 255.0.0.0
tos 1 6 15
vrf name1
cable multicast qos group 20 priority 63 global

          例：サービス フロー属性ベースの転送インターフェイス選択の設定

          次の例では、サービス フローの属性ベースの転送インターフェイス選択を設定します。グループ 230.1.1.1 のマルチキャスト トラフィックを送信するには、インターフェイス W6/0/0:0 を選択します。マルチキャスト QoS パラメータはグループ qos 1（サービス クラス「mcast10」から効果的に）から取得します。 

          cable service class 10 name mcast10
cable service class 10 downstream
cable service class 10 max-rate 1000000
cable service class 10 min-rate 1000000
cable service class 10 req-attr-mask 8000000F
cable service class 10 forb-attr-mask 7FFFFFF0
cable multicast group-qos 1 scn mcast10 aggregate
cable multicast qos group 1 priority 1  
session-range 230.1.1.1 255.255.255.255
 group-qos 1
interface Bundle1
 ip address 40.1.1.1 255.255.255.0
 ip pim sparse-mode
 ip helper-address 2.39.16.1
 cable multicast-qos group 1
end
interface Wideband-Cable6/0/0:0
cable bundle 10
cable rf-channels channel-list 0-7 bandwidth-percent 20
cable downstream attribute-mask 8000000F
end

          例：マルチキャスト レプリケーション セッションの設定

          次の例は、L2 転送インターフェイスごとにマルチキャスト レプリケーション セッションを有効にする方法を示しています。

          enable
conf t
interface xxx

[no|default] cable multicast ses-cache
 cable multicast ses-cache 3

          その他の参考資料

          次に、CMTS ルータでの DOCSIS 3.0 マルチキャスト サポートに関連する資料を説明します。

          関連資料

          関連項目

          マニュアル タイトル

          CMTS ケーブル コマンド

          http:/​/​www.cisco.com/​en/​US/​docs/​ios/​cable/​command/​reference/​cbl_​book.html『Cisco IOS CMTS Cable Command Reference』

          マルチキャスト VPN と DOCSIS 3.0 マルチキャストの QoS

          『Multicast VPN and DOCSIS 3.0 Multicast QoS Support』

          DOCSIS 3.0 QoS サポート

          『DOCSIS WFQ Scheduler on the Cisco CMTS Routers』

          標準

          規格

          タイトル

          CM-SP-CMCIv3-I01-080320

          『Cable Modem to Customer Premise Equipment Interface Specification』

          CM-SP-MULPIv3.0-I08-080522

          『MAC and Upper Layer Protocols Interface Specification』

          CM-SP-OSSIv3.0-I07-080522

          『Operations Support System Interface Specification』

          CM-SP-PHYv3.0-I07-080522

          『Physical Layer Specification』

          CM-SP-SECv3.0-I08-080522

          『Security Specification』

          MIB

          MIB1

          MIB のリンク
          • DOCS-MCAST-AUTH-MIB
          • DOCS-MCAST-MIB

          選択したプラットフォーム、Cisco ソフトウェア リリース、およびフィーチャ セットの MIB を検索してダウンロードする場合は、次の URL にある Cisco MIB Locator を使用します。

          http:/​/​www.cisco.com/​go/​mibs
          1 サポートされている MIB がすべて記載されているわけではありません。

          RFC

          RFC

          タイトル

          この機能によりサポートされた新規 RFC または改訂 RFC はありません。またこの機能による既存 RFC のサポートに変更はありません。

          —

          シスコのテクニカル サポート

          説明

          リンク

          右の URL にアクセスして、シスコのテクニカル サポートを最大限に活用してください。これらのリソースは、ソフトウェアをインストールして設定したり、シスコの製品やテクノロジーに関する技術的問題を解決したりするために使用してください。この Web サイト上のツールにアクセスする際は、Cisco.com のログイン ID およびパスワードが必要です。

          http:/​/​www.cisco.com/​cisco/​web/​support/​index.html

          DOCSIS 3.0 マルチキャスト サポートに関する機能情報

          Cisco Feature Navigator を使用すると、プラットフォームおよびソフトウェア イメージのサポート情報を検索できます。Cisco Feature Navigator を使用すると、ソフトウェア イメージがサポートする特定のソフトウェア リリース、フィーチャ セット、またはプラットフォームを確認できます。Cisco Feature Navigator には、http:/​/​www.cisco.com/​go/​cfn からアクセスします。Cisco.com のアカウントは必要ありません。


          （注）  

          次の表は、特定のソフトウェア リリース トレインで各機能のサポートが導入されたときのソフトウェア リリースのみを示しています。その機能は、特に断りがない限り、それ以降の一連のソフトウェア リリースでもサポートされます。

          表 2 DOCSIS 3.0 マルチキャスト サポートに関する機能情報

          機能名

          リリース

          機能情報

          DOCSIS 3.0 マルチキャスト サポート

          Cisco IOS XE Fuji 16.7.1

          この機能が Cisco cBR シリーズ コンバージド ブロードバンド ルータに統合されました。

          動的マルチキャスト レプリケーション セッション

          Cisco IOS XE Fuji 16.7.1

          この機能が Cisco cBR シリーズ コンバージド ブロードバンド ルータに統合されました。

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