コンフィギュレーション ファイルの管理

この章は、次の項で構成されています。

構成ファイルの概要

コンフィギュレーション ファイルには、現在のシスコ製ルーティングデバイス(ルータ、アクセスサーバー、スイッチなど)の機能をカスタマイズするために使用される、Cisco IOS XE ソフトウェアコマンドが含まれています。コマンドは、システムを起動したとき(startup-config ファイルから)、またはコンフィギュレーション モードで CLI にコマンドを入力したときに、Cisco IOS XE ソフトウェアによって解析(変換および実行)されます。

コンフィギュレーション ファイルのタイプ

スタートアップ コンフィギュレーション ファイル(startup-config)は、ソフトウェアを設定するためにシステムの起動時に使用されます。実行コンフィギュレーション ファイル(running-config)には、ソフトウェアの現在の設定が含まれています。2 つのコンフィギュレーション ファイルは別々の設定にできます。たとえば、コンフィギュレーションを永続的ではなく短期間だけ変更する場合があります。このような場合、configure terminal EXEC コマンドを使用して実行コンフィギュレーションを変更しますが、copy running-config startup-config EXEC コマンドを使用して設定を保存することはありません。

実行コンフィギュレーションを変更するには、configure terminal コマンドを使用します。Cisco IOS XE コンフィギュレーション モードの使用時には、通常コマンドはすぐに実行され、入力直後またはコンフィギュレーション モードを終了した時点で実行コンフィギュレーション ファイルに保存されます。

スタートアップ コンフィギュレーション ファイルを変更するには、copy running-config startup-config EXEC コマンドを使用してスタートアップ コンフィギュレーションに実行コンフィギュレーション ファイルを保存するか、ファイルサーバーからスタートアップ コンフィギュレーションへコンフィギュレーション ファイルをコピーします。

コンフィギュレーション ファイルの場所

コンフィギュレーション ファイルは、次の場所に保存することができます。

  • 実行コンフィギュレーションは RAM に格納されます。

  • スタートアップ コンフィギュレーションは CONFIG_FILE 環境変数で指定された場所に格納されます。

    CONFIG_FILE 変数は、デフォルトでは NVRAM になりますが、次のファイル システムのファイルも指定できます。

    • nvram:(NVRAM)

    • bootflash:(内部フラッシュメモリ)

    • usbflash0:(外部 USB メディア)

ソフトウェア バージョンの確認

Cisco IOS XE ソフトウェアのパッケージファイルは、システムボードのフラッシュデバイスのフラッシュ(flash:)または前述の外部デバイスのいずれかにあります。

show version 特権 EXEC コマンドを使用すると、デバイスで稼働しているソフトウェアバージョンを参照できます。


(注)  


show version の出力にはデバイスで稼働しているソフトウェアイメージが常に表示されますが、最後に表示されるモデル名は工場出荷時の設定であり、ソフトウェアライセンスをアップグレードしても変更されません。

また、dir filesystem: 特権 EXEC コマンドを使用して、フラッシュメモリに保存している可能性のある他のソフトウェアイメージのディレクトリ名を表示できます。

copy および boot コマンドを使用した統合パッケージの管理と設定

統合パッケージをアップグレードするには、ルータの bootflash: ディレクトリに統合パッケージをコピーします。こうして統合パッケージのコピーを作成した後、統合パッケージ ファイルを使ってブートするようルータを設定します。

次の例は、bootflash: ファイルシステムに統合パッケージファイルをコピーする方法を示しています。さらに、boot system コマンドを使用して起動するようにコンフィギュレーション レジスタを設定し、このコマンドにより、bootflash: ファイルシステムに保存されている統合パッケージを使用して起動するようルータに指示します。その後、新しい設定は copy running-config startup-config コマンドにより保存され、システムがリロードされてプロセスが終了します。

bootflash ディレクトリの内容を表示します。

Router# dir bootflash:
Directory of bootflash:/
13      drwx           278528  May 19 2022 05:20:04 +00:00  tracelogs
11      drwx             4096  May 17 2022 14:24:54 +00:00  .installer
84      drwx            20480  May 17 2022 14:22:00 +00:00  license_evlog
83      -rw-               30  May 17 2022 14:21:41 +00:00  throughput_monitor_params
12      drwx             4096  May 17 2022 14:21:39 +00:00  .prst_sync
22      -rw-              335  May 17 2022 14:20:50 +00:00  boothelper.log
14      -rwx            41040  May 17 2022 14:20:39 +00:00  mode_event_log
259     -rw-        682679541  May 17 2022 12:54:32 +00:00  ir1800-universalk9.17.07.01.SPA.bin

新しいイメージを bootflash: ディレクトリにコピーします。


(注)  


セキュアコピー(scp)を使用するには、最初に SSH の設定をセットアップする必要があります。「Configuring Secure Shell」を参照してください。
Router# copy scp: bootflash:
Address or name of remote host []? 192.168.1.2
Source username [xxxxx]?Enter
Source filename []? /auto/users/IR1800-universalk9.17.08.01.SPA.bin
Destination filename [IR1800-universalk9.17.08.01.SPA.bin]?

This is a Cisco managed device to be used only for authorized purposes.
Your use is monitored for security, asset protection, and policy compliance.
 
Password: <your-password>
Sending file modes: C0644 208904396 IR1800-universalk9.17.08.01.SPA.bin
...........
[OK - 208904396 bytes]
208904396 bytes copied in 330.453 secs (632176 bytes/sec)

bootflash: ディレクトリの内容を表示します。

Router# dir bootflash:
Directory of bootflash:/
13      drwx           278528  May 19 2022 05:20:04 +00:00  tracelogs
11      drwx             4096  May 17 2022 14:24:54 +00:00  .installer
84      drwx            20480  May 17 2022 14:22:00 +00:00  license_evlog
83      -rw-               30  May 17 2022 14:21:41 +00:00  throughput_monitor_params
12      drwx             4096  May 17 2022 14:21:39 +00:00  .prst_sync
22      -rw-              335  May 17 2022 14:20:50 +00:00  boothelper.log
14      -rwx            41040  May 17 2022 14:20:39 +00:00  mode_event_log
259     -rw-        682679541  May 17 2022 12:54:32 +00:00  ir1800-universalk9.17.07.01.SPA.bin
12      -rw-        208904396  May 17 2022 16:17:34 -07:00  ir1800-universalk9.17.08.01.SPA.bin

統合パッケージファイルを使用してブートするようにルータを設定します。

Router# configure terminal
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
Router(config)# boot system bootflash:ir1800-universalk9.17.08.01.SPA.bin
Router(config)# exit

設定の変更を確認します。

Router# show run | include boot
boot-start-marker
boot system bootflash:IR1800-universalk9.17.08.01.SPA.bin
boot-end-marker

実行コンフィギュレーションをコピーして保存します。その後、ルータをリロードすると、保存した設定で再起動します。

Router# copy running-config startup-config
Destination filename [startup-config]? <enter>
Building configuration...
[OK]

Router# reload
Proceed with reload? [confirm] <enter>
Dec 04 17:42:54.445 R0/0: %PMAN-5-EXITACTION: Process manager is exiting: process exit with reload

Initializing Hardware ...

WebUI によるルータイメージのアップグレード

ルータは、Web ユーザーインターフェイス(WebUI)を使用してアップグレードすることもできます。WebUI の使用方法の詳細については、「Web ユーザーインターフェイス(WebUI)」の章を参照してください。

WebUI を起動したら、[Administration] タブに移動します。

[Administration] > [Reload] を選択して、ルータをリロードします。

選択肢からオプションを選択し、[Apply] をクリックします。

[Administration] タブの [Software Management] を選択します。PC 上の新しい IOS XE イメージファイルの場所を参照します。

[Administration] > [Management] > [Backup & Restore] を選択します。ラップトップからルータにイメージファイルをコピーします。この例では、HTTP を転送に使用します。

WebUI の上部にあるフロッピードライブアイコンをクリックして、設定を保存します。