BGP をサポートする Management Information Base(MIB)は CISCO-BGP4-MIB です。BGP MIB サポート拡張機能によって、新しい SNMP 通知用に CISCO-BGP4-MIB のサポートが導入されています。ここでは、サポートされるオブジェクトと通知(トラップ)について説明します。
BGP FSM 遷移変更のサポート
cbgpRouteTable では、BGP 有限状態マシン(FSM)遷移状態の変更がサポートされます。
cbgpFsmStateChange オブジェクトを使用すると、すべての FSM 遷移状態の変更について SNMP 通知(トラップ)を設定できます。この通知には、次の MIB オブジェクトが含まれています。
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bgpPeerLastError
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bgpPeerState
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cbgpPeerLastErrorTxt
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cbgpPeerPrevState
cbgpBackwardTransition オブジェクトでは、BGP FSM 遷移状態の変更がすべてサポートされます。このオブジェクトは、FSM が大きい番号が付いた状態または小さい番号が付いた状態のいずれかに移行されるたびに送信されます。この通知には、次の
MIB オブジェクトが含まれています。
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bgpPeerLastError
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bgpPeerState
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cbgpPeerLastErrorTxt
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cbgpPeerPrevState
snmp-server enable bgp traps コマンドを使用すると、トラップを個別に有効にすることも、既存の FSM 後方遷移および確立状態トラップ(RFC 1657 で定義)と一緒に有効にすることもできます。
BGP ルートが受信したルートのサポート
cbgpRouteTable オブジェクトでは、BGP ネイバーが受信したルートの総数がサポートされます。個別の BGP ピアから取得したルートについて CISCO-BGP4-MIB を照会するために、次の MIB オブジェクトが使用されます。
ルートには、Address-Family Identifier(AFI)または Subaddress-Family Identifier(SAFI)によって索引が付けられます。このテーブルに表示されるプレフィックス情報は、show ip bgp コマンドの出力でも表示できます。
BGP プレフィックスしきい値の通知サポート
BGP ピアが受信したルートの総数をポーリングできるように、cbgpPrefixMaxThresholdExceed オブジェクトと cbgpPrfefixMaxThresholdClear オブジェクトが導入されました。
cbgpPrefixMaxThresholdExceed オブジェクトを使用すると、BGP セッションのプレフィックス数が設定値を超えた場合に送信される SNMP 通知を設定できます。この通知は、アドレス ファミリ単位で設定されます。プレフィックスしきい値は、neighbor maximum-prefix コマンドを使用して設定します。この通知には、次の MIB オブジェクトが含まれています。
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cbgpPeerPrefixAdminLimit
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cbgpPeerPrefixThreshold
cbgpPrfefixMaxThresholdClear オブジェクトを使用すると、プレフィックス数がトラップのクリア制限を下回った場合に送信される SNMP 通知を設定できます。この通知は、アドレス ファミリ単位で設定されます。この通知には、次のオブジェクトが含まれています。
通知は、プレフィックス数が、cbgpPrefixMaxThresholdExceed 通知の生成後に BGP セッション下でアドレス ファミリのトラップのクリア制限を下回った場合に送信されます。トラップのクリア制限は、neighbor maximum-prefix コマンドを使用して設定された最大のプレフィックス制限値から 5 % を減算することで計算します。この通知は、cbgpPrefixMaxThresholdExceed の生成後にその他の理由でセッションが停止した場合は生成されません。
VPNv4 ユニキャスト アドレス ファミリ ルートのサポート
cbgpRouteTable オブジェクトを使用すると、VPNv4 ユニキャスト アドレス ファミリ ルートの SNMP GET 操作を設定できます。
次の MIB オブジェクトを使用すると、複数の BGP 機能(たとえば、ルート リフレッシュ、マルチプロトコル BGP 拡張、およびグレースフル リスタート)を照会できます。
次の MIB オブジェクトを使用すると、IPv4 および VPNv4 アドレス ファミリ ルートを照会できます。
それぞれのルートには、ピア アドレス、プレフィックス、およびプレフィックス長によって索引が付けられます。このオブジェクトは、AFI、次に SAFI によって BGP ルートに索引を付けます。AFI テーブルがプライマリ索引であり、SAFI テーブルはセカンダリ索引です。それぞれの
BGP スピーカーは、サポートされる AFI と SAFI との組み合わせごとにローカル ルーティング情報ベース(RIB)を維持します。
cbgpPeerTable サポート
cbgpPeerTable は、このマニュアルで説明されている機能拡張をサポートするために変更されました。次の新しいテーブル オブジェクトが CISCO-BGP-MIB.my でサポートされます。
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cbgpPeerLastErrorTxt
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cbgpPeerPrevState
次のテーブル オブジェクトはサポートされません。これらのオブジェクトのステータスは廃止とリストされ、これらのオブジェクトは動作不可能です。
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cbgpPeerPrefixAccepted
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cbgpPeerPrefixDenied
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cbgpPeerPrefixLimit
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cbgpPeerPrefixAdvertised
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cbgpPeerPrefixSuppressed
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cbgpPeerPrefixWithdrawn