エージェント状態
エージェントの状態は、スキルグループまたはプレシジョンキュー内でのエージェントのアクティビティから決定されます。エージェントの状態は多数のデータベーステーブルに記録され、レポートに数値([待受停止(Not Ready)])と割合([%待受停止(% Not Ready)])の両方で示されます。
現在のエージェントのアクティビティを表示するために、エージェント状態をリアルタイムでモニタすることができます。また、エージェント状態の傾向を特定するために過去のパフォーマンス データを検討することもできます。たとえば、履歴レポートを使用すれば、エージェントがスケジュールを守っているかどうかを示す、エージェントが待受停止状態であった時間を表示することができます。
(注) |
Webex CCE では、エージェントの状態データは周辺機器から転送されます。ACD によって報告されるエージェントの状態は、Webex CCE によって報告されるエージェントの状態とは一致しない場合があります。一部の ACD については、特定のエージェント状態がまったく適用できない場合があります。たとえば、ACD では、[後処理後待受(Work Ready)] 状態がサポートされていても、[後処理後待受停止(Work Not Ready)] 状態はサポートされていないことがあります。ACD エージェントの状態の定義と、 エージェントの状態との対応付けの詳細については、適切な ACD 補足ガイドWebex CCEを参照してください。 |
エージェントがメディアルーティングドメイン(MRD)で複数の同時タスクを処理するように構成されている場合は、いくつかの状態の情報が異なります。次の表は、これらの違いについて説明したものです。
スキルグループまたはプレシジョンキューでの状態 |
単一セッションの MRD の説明 |
マルチセッションの MRD の説明 |
---|---|---|
アクティブ(Active)または通話中(Talking) |
エージェントは、このスキルグループまたはプレシジョンキューのタスクまたはコールを処理しています。 非音声タスクを処理するエージェントの場合、この状態は [アクティブ(Active)] として報告されます。 音声タスクを処理するエージェントの場合、この状態は [通話中(Talking)] として報告されます。 |
エージェントは、このスキルグループまたはプレシジョンキューに関連付けられた 1 つ以上のタスクを処理しています。これらのエージェントの状態は [アクティブ(Active)] として報告されます。 |
後処理後待受 |
エージェントは、このスキルグループまたはプレシジョンキューのコールまたはタスクのラップアップ作業を実行しています。 エージェントが音声コールを処理している場合は、ラップアップの完了時に [待受(Ready)] 状態に移行します。 エージェントが非音声タスクを処理している場合は、ラップアップの完了時に [非アクティブ(Not Active)] または [待受停止(Not Ready)] 状態になることがあります。 |
エージェントは、このスキルグループまたはプレシジョンキューに関連付けられたタスクのラップアップ作業を実行しています。エージェントは、このスキルグループに関連付けられたタスクに対してアクティブ状態ではありません。 |
後処理後待受停止 |
エージェントは、このスキルグループまたはプレシジョンキューのコールのラップアップ作業を実行しています。後処理が完了すると、エージェントは [待受停止(Not Ready)] 状態になります。 この状態は、ビジネス チャットおよび E メール のスキルグループまたはプレシジョンキューにサインインしているエージェントには使用されません。 この状態は、タスク ルーティング API を使用するサードパーティ製マルチチャネルアプリケーションのスキルグループまたはプレシジョンキューにサインインしているエージェントで、フェールオーバー中に使用されます。 |
この状態は、タスク ルーティング API を使用するサードパーティ製マルチチャネルアプリケーションのスキルグループまたはプレシジョンキューにサインインしているエージェントで、フェールオーバー中に使用されます。 |
一時停止(Paused)または保留(Hold) |
非音声タスクを処理するエージェントの場合、この状態は [一時停止(Paused)] として報告されます。 音声タスクを処理するエージェントの場合、この状態は [保留(Hold)] として報告されます。 アウトバウンドオプションコールを処理するエージェントの場合、[保留]状態はエージェントがコールに対して確保されていることを示します。これは、アウトバウンドダイヤラがコールの接続中にエージェントを保留にするためです。 |
エージェントは、このスキルグループまたはプレシジョンキューに関連付けられたタスクに対して [一時停止(Paused)] になっています。 |
予約済み |
エージェントに、このスキルグループまたはプレシジョンキューに関連付けられたコールまたはタスクがオファーされています。 音声コールの場合は、エージェントの電話機が呼び出されているときに予約済み状態になります。 アウトバウンド オプション コールを処理するエージェントがリザーブ状態になることはありません。アウトバウンド オプション ダイヤラでは、コールに対してエージェントを確保する際にエージェントを保留にします。 |
エージェントは、このスキルグループまたはプレシジョンキューに対してアクティブ、後処理後待受、一時停止状態ではありません。エージェントに、このスキルグループまたはプレシジョンキューに関連付けられた 1 つ以上のタスクがオファーされています。 |
他スキルビジー 他スキル ビジー状態とは、間隔の間に、他のスキル グループに割り当てられているコールをエージェントが処理している状態を指します。 たとえば、エージェントは、1 つのスキルグループにおいてインバウンドコールで通話しながら、同時に別のスキルグループにログオンし、そのスキルグループからのコールを待ち受けていることがあります。 エージェントがアクティブ状態になれるのは(通話したり、コールを処理したりできるのは)、一度に1つのスキルグループのみです。したがって、このエージェントが1つのスキルグループでアクティブ状態になっている間は、別のスキルグループではビジー/その他状態になります。 |
エージェントは、同じ MRD 内の別のスキルグループまたはプレシジョンキューで、アクティブ、後処理後待受、予約済み、または保留/一時停止状態になっています。 |
エージェントは、このスキルグループまたはプレシジョンキューに関連付けられたタスクに対してアクティブ、後処理後待受、予約済み、一時停止状態ではありません。エージェントは、同じ MRD 内の別のスキルグループまたはプレシジョンキューで、アクティブ、後処理後待受、予約済み、または一時停止状態になっています。 |
非アクティブ(Not Active)または待受(Ready) |
エージェントは、このスキルグループまたはプレシジョンキューに関連付けられたタスクまたはコールを処理していません。 |
単一セッションの MRD と同じです。 |
中断(Interrupted) |
エージェントは、別の MRD からのタスクによって中断されています。エージェントが 1 つのスキルグループまたはプレシジョンキューで中断された場合、そのエージェントは同じ MRD 内のすべてのスキルグループまたはプレシジョンキューで中断状態になります。 音声コールは中断できません。 この状態は、ビジネス チャットおよび E メール のスキルグループまたはプレシジョンキューにサインインしているエージェントには使用されません。 この状態は、タスク ルーティング API を使用するサードパーティ製マルチチャネルアプリケーションのスキルグループまたはプレシジョンキューにサインインしているエージェントで、そのエージェントが中断を受け入れるように構成されている場合に使用されます。 |
単一セッションの MRD と同じです。 |
準備中 |
この状態のエージェントにコールまたはタスクを割り当てることはできません。エージェントが 1 つのスキルグループまたはプレシジョンキューで待受停止中の場合、そのエージェントは同じ MRD 内のすべてのスキルグループまたはプレシジョンキューで待受停止状態になります。 |
単一セッションの MRD と同じです。 |
レポートでのエージェント状態の計算方法
エージェントの状態は、多くのレポートでパーセンテージとして表されます。
テーブル.フィールド |
計算式 |
---|---|
%対応中 |
Agent_Skill_Group_ Interval.TalkInTime + Agent_Skill_Group_ Interval.TalkOutTime + Agent_Skill_Group_ Interval.TalkOtherTime + Agent_Skill_Group_ Interval.TalkAutoOutTime + Agent_Skill_Group_ Interval.TalkPreviewTime + Agent_Skill_Group_ Interval.TalkReserveTime / Agent_Skill_Group__ Interval.LoggedOnTime |
% ビジーその他(%BusyOther) |
Agent_Skill_Group _Interval.BusyOtherTime / Agent_Skill_Group_ Interval.LoggedOnTime |
%保留中 |
Agent_Skill_Group_ Interval. HoldTime / Agent_Interval.LoggedOnTime |
% 対応タスクなし(%NotActive) |
履歴:Agent_Skill_Group_ Interval.AvailTime / Agent_Interval.LoggedOnTime リアルタイム:Agent_Skill_Group_Real_Time.Avail / Skill_Group_Real_Time.LoggedOn |
%予約済 |
Agent_Skill_Group _ Interval.ReservedStateTime / Agent_Skill_Group _Interval.LoggedOnTime |
% 後処理(%WrapUp) |
(Agent_Skill_Group _Interval.WorkReadyTime + Agent_Skill_Group_ Interval.WorkNotReadyTime) / Agent_Skill_Group_Interval.LoggedOnTime) |
%待受停止 |
Agent_Skill_Group _Interval.NotReadyTime / Agent_Skill_Group_Interval.LoggedOnTime |
エージェント状態、スキル グループ、およびプレシジョン キュー
エージェントは、メディアルーティングドメイン(MRD)内の複数のスキルグループまたはプレシジョンキューに属することができます。エージェントは、スキルグループまたはプレシジョンキューにルーティングされたタスクを処理している間、そのスキルグループまたはプレシジョンキューでアクティブになります。
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ダイヤル番号を使用するコールが Webex CCE でルーティングされた場合、または Webex CCE でルーティングされてから転送された場合、アクティブなスキルグループまたはプレシジョンキューは、タスクがキューイングされた先のスキルグループまたはプレシジョンキューです。
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直接着信コールまたは ACD 上でルーティングされたコールが転送された場合、アクティブなスキル グループは、エージェントの最初に定義されているスキル グループまたは ACD によって割り当てられたスキル グループです。
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直接着信コールの場合、またはルーティングされたコールがダイヤル番号を使用せずに転送された場合、アクティブなスキル グループはそのエージェントのデフォルト スキル グループまたは最初に定義されているスキル グループです。
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新しいアウトバウンドコール(AgentOutCalls または InternalCalls)または転送されたアウトバウンドコールの場合、アクティブなスキルグループは、ACD 選択スキルグループか、エージェントに定義されている最初のスキルグループです。
エージェントは、複数のチャットセッションなど、一度に複数のタスクを処理するように構成できます。これらのエージェントについてレポートする場合は、MRD の [対応可能(Available)] と、[エージェントの状態(Agent State)] 列の両方から状態情報を収集します。
アクティブなスキルグループまたはプレシジョンキュー内のエージェントの状態によって、次のように、MRD 内の他のスキルグループまたはプレシジョンキューの状態が決まります。
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エージェントが MRD 内の 1 つのスキルグループまたはプレシジョンキューで待受停止中の場合、そのエージェントは同じ MRD 内のすべてのスキルグループまたはプレシジョンキューで待受停止状態になります。
-
エージェントが 1 つのスキルグループまたはプレシジョンキューで対応可能、後処理後待受、予約済み、保留/一時停止の場合、そのエージェントは同じ MRD 内の他のすべてのスキルグループまたはプレシジョンキューで他スキルビジー状態になります。
エージェント状態とタスク状態の関係
エージェントの状態時間は、コールやタスクが終了したかどうかに関係なく、インターバル境界でレポートされます。コールおよびタスクの状態時間は、タスクが終了した時点でだけレポートされます。ラップアップが完了すると、コールまたはタスクは終了します。
次の図は音声コールの場合のエージェント状態とコール状態の相関関係を示しています。エージェントの予約時間には、ネットワーク時間とオファー/呼び出し時間が含まれます。ネットワーク時間とは、コールがエージェントの電話機またはデスクトップに到達するまでに要した時間です。オファー/呼び出し時間とは、コールがエージェントの電話機を呼び出した時間、またはエージェントのデスクトップ上で待機した時間です。
- コールが着信し、SG1 に対してキューイングされます(A)。その 33 秒後、コールは SG2 のエージェントに対してもキューイングされます(B)。
- コールは、さらに 12 秒間 SG1 と SG2 のキューに残り、その後 SG2 で対応可能となるエージェントにルーティングされます(C)。
- コールがエージェントの電話機を呼び出し(C)、エージェントによって応答されます(D)。エージェントは、10 秒間通話してからコールを保留にします(E)。
- 12 秒後にエージェントがコールを取り(F)、20 秒間通話します。
-
(G)でコールがドロップされ、結果としてエージェントがラップアップ状態になり、コール後の作業を 20 秒間実行します。これが完了した時点で、エージェントは対応可能になります(H)。
-
コールがエージェントの電話を呼び出しているときに間隔の境界が終了した場合、エージェントのリザーブ時間には、エージェントのリザーブ時間にはネットワーク時間と呼び出し時間の一部が含まれます。残りの呼び出し時間は、次の間隔で、そのエージェントのリザーブ時間にレポートされます。ただし、コールの時間は、そのコールのラップアップが完了するまでレポートに表示されません。
マルチセッション MRD のエージェント状態の階層
タスクでのエージェントの状態によって、スキルグループまたはプレシジョンキューでのエージェントの状態が決まります。スキルグループまたはプレシジョンキューでのエージェントの状態によって、MRD でのエージェントの状態が決まります。たとえば、スキルグループ A のタスクでエージェントがアクティブな場合、スキルグループ A でのエージェントの状態はアクティブになります。スキルグループ A が属している MRD でのエージェントの状態もアクティブになります。
チャットなどの非音声タスクに対応するエージェントは、同じ MRD で複数の同時タスクを処理するように構成できます。これらのエージェントには、1 つのスキルグループまたはプレシジョンキュー、あるいは同じ MRD 内の複数のスキルグループまたはプレシジョンキューから、複数のタスクがルーティングされる可能性があります。このような場合は、状態の階層によって、スキルグループまたはプレシジョンキューと MRD におけるエージェントの全体的な状態が決まります。
エージェント状態の階層は次のようになっています。
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中断(Interrupted)
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アクティブ
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後処理後待受
-
一時停止(Paused)
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予約済み
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他スキル ビジー(Busy Other)(同じ MRD の別のスキル グループに関して)
-
非アクティブ
次の図を検討してみます。
前の図では、エージェントはチャット MRD 内の 2 つのスキルグループに属しています。エージェントは、各 MRD で最大 5 個の同時チャットタスクに対応するように構成されています。
最初のスキル グループでは、エージェントは 3 個のタスクの作業を行っていて、これらのタスクに対するエージェントの状態は、後処理後待受、リザーブ、および一時停止になっています。このとき、スキルグループでのエージェントの全体的な状態は後処理後待受になります。これは、状態の階層において後処理後待受が予約済みや一時停止よりも上位にあるためです。
2 番目のスキル グループでは、エージェントが 2 個のタスクの作業をしていて、これらのタスクに対するエージェントの状態はアクティブおよびリザーブになっています。スキルグループでのエージェントの全体的な状態はアクティブになります。これは、状態の階層においてアクティブが予約済みよりも上位にあるためです。
MRD でのエージェントの全体的な状態はアクティブになります。これは、状態の階層においてアクティブが後処理後待受よりも上位にあるためです。
エージェントの状態を表示するレポート
エージェントの状態に関する情報は、次のレポートで表示されます。
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Unified IC エージェント チーム状態数 - リアルタイム
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Unified IC エージェント - リアルタイム全フィールド
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Unified IC エージェント チーム - リアルタイム全フィールド