トラブルシューティングの概要

ここでは、Unified Communications Managerのトラブルシューティングに必要なバックグラウンド情報と使用できるリソースについて説明します。

Cisco Unified Serviceability

Cisco Unified ServiceabilityUnified Communications Manager 用の Web ベースのトラブルシューティング ツールです。このツールには、管理者がシステム問題をトラブルシューティングできるように次の機能が備えられています。

  • トラブルシューティング用に Unified Communications Manager サービスのアラームとイベントを保存し、アラーム メッセージの定義を提供します。

  • トラブルシューティング用に Unified Communications Manager サービスのトレース情報をさまざまなログ ファイルに保存します。 管理者はトレース情報の設定、収集、および表示を行うことができます。

  • Real-Time Monitoring Tool(RTMT)を使用して、Unified Communications Manager クラスタのコンポーネントの動作をリアルタイムで監視します。

  • Unified Communications Manager CDR Analysis and Reporting(CAR)を使用して、Quality of Service、トラフィック、課金情報についてのレポートを生成します。

  • [サービスの開始(Service Activation)] ウィンドウによりアクティブ化、非アクティブ化、および表示を行うことができる機能サービスを提供します。

  • 機能とネットワーク サービスを開始および停止するためのインターフェイスを提供します。

  • Cisco Unified Serviceability ツールに関連するレポートをアーカイブします。

  • Unified Communications Manager が、SNMP リモート管理およびトラブルシューティングの管理対象デバイスとして動作できるようにします。

  • 1 つのサーバ(またはクラスタ内のすべてのサーバ)のログ パーティションのディスク使用を監視します。

[ナビゲーション] ドロップダウン リスト ボックスからCisco Unified Serviceabilityを選択して、Cisco Unified Communications Manager AdministrationウィンドウからCisco Unified Serviceabilityにアクセスします。 Unified Communications ManagerソフトウェアをインストールするとCisco Unified Serviceabilityが自動的にインストールされ、使用可能になります。

サービスアビリティ ツールの詳細と手順については、『Cisco Unified Serviceability Administration Guide』を参照してください。

Cisco Unified Communications Operating System Administration

Cisco Unified Communications Operating System Administration を使用すると、次のタスクを実行して Cisco Unified Communications Operating System を設定および管理できます。

  • ソフトウェアとハードウェアのステータスを確認する。

  • IP アドレスの確認と更新を行う。

  • 他のネットワーク デバイスに ping を送信する。

  • Network Time Protocol サーバを管理する。

  • システム ソフトウェアおよびオプションをアップグレードする。

  • システムを再起動する。

サービスアビリティ ツールの詳細と設定手順については、Cisco Unified Communications Manager アドミニストレーション ガイドを参照してください。

一般的な問題解決モデル

テレフォニーまたは IP ネットワーク環境のトラブルシューティングを行う場合は、症状を定義し、その症状の原因と考えられるすべての問題を特定し、考えられる各問題を、症状がなくなるまで可能性の高い順に体系的に取り除いていきます。

次の手順は、問題解決プロセスで使用するガイドラインを示しています。

手順

  1. ネットワークの問題を分析し、問題を明確に記述します。 症状と潜在的な原因を定義します。

  2. 潜在的な原因を特定するための事実を収集します。

  3. 収集した事実を元に、潜在的な原因を検証します。

  4. それらの原因に基づいて処置プランを作成します。 最も可能性の高い問題から始め、単一の変数だけを操作するプランを考案します。

  5. 処置プランを実施し、テストして症状が消えるかどうかを確認しながら、各手順を慎重に実行します。

  6. 結果を分析し、問題が解決したかどうかを確認します。 問題が解決している場合は、プロセスは完了です。

  7. 問題が解決していない場合は、リストで次に可能性の高い原因に基づいて処置プランを作成します。 4 に戻り、問題が解決するまでプロセスを繰り返します。

処置プランの実施中に行った変更は、必ず元に戻してください。 変数は一度に 1 つだけ変更します。


(注)  


一般的な原因と処置(このマニュアルで概要を説明しているもの、または環境に応じて特定したもの)をすべて実施しても問題が解決しない場合は、Cisco TAC にお問い合わせください。


ネットワーク障害への事前準備

ネットワーク障害からの回復は、事前準備をしておくと容易に行うことができます。 次の質問に答え、ネットワーク障害への事前準備ができているかどうかを確認します。

  • ネットワーク上のすべてのデバイスの物理的な場所とそれらの接続方法の概要を示した、相互接続されたネットワークの正確な物理および論理マップがありますか。また、ネットワーク アドレス、ネットワーク番号、サブネットワークを記述した論理マップがありますか。

  • ネットワークに実装されているすべてのネットワーク プロトコルのリスト、各プロトコルに関連付けられているネットワーク番号、サブネットワーク、ゾーン、およびエリアの正確なリストがありますか。

  • どのプロトコルがルーティングされているか、および各プロトコルについての正確かつ最新の設定情報を把握していますか。

  • どのプロトコルがブリッジングされているかを把握していますか。 それらのブリッジに設定されているフィルタがありますか。また、その設定のコピーはありますか。 そのコピーは Unified Communications Manager に適用できますか。

  • インターネットへの接続も含め、外部ネットワークへのすべての接点を知っていますか。 各外部ネットワーク接続について、使用されているルーティング プロトコルを知っていますか。

  • 現在の問題とベースラインを比較できるように、通常のネットワーク動作とパフォーマンスについて組織で文書化していますか。

これらの質問に「はい」と答えることができれば、障害から迅速に回復できます。

詳細情報の入手先

さまざまな IP テレフォニー トピックに関する情報については、次のリンクを使用してください。

  • 関連する Cisco IP テレフォニー アプリケーションおよび製品に関する詳細については、『Cisco Unified Communications Manager のドキュメンテーション ガイド』を参照してください。 次の URL は、マニュアルへのパスの例です。

    https://www.cisco.com/en/US/products/sw/voicesw/ps556/products_documentation_roadmaps_list.html

  • Cisco Unity に関連するマニュアルについては、次の URL を参照してください。https://www.cisco.com/en/US/products/sw/voicesw/ps2237/tsd_products_support_series_home.html

  • Cisco Emergency Responderに関連するマニュアルについては、次の URL を参照してください。https://www.cisco.com/en/US/products/sw/voicesw/ps842/tsd_products_support_series_home.html

  • Cisco Unified IP 電話に関連するマニュアルについては、次の URL を参照してください。https://www.cisco.com/en/US/products/hw/phones/ps379/tsd_products_support_series_home.html

  • IP テレフォニー ネットワークの設計とトラブルシューティングについては、https://www.cisco.com/go/srndにある『Cisco IP テレフォニー リファレンス ネットワーク設計ガイド』を参照してください。