SAF フォワーダ(SAF 用に設定した Cisco IOS ルータ)は、リモート コール制御エンティティがホステッド DN パターンをアドバタイズしたときに、ローカル
Cisco Unified Communications Manager クラスタに通知します。 また、SAF フォワーダは、[CCDアドバタイジングサービス(CCD Advertising Service)] ウィンドウで設定された設定および登録済みトランクごとに、ローカル
Cisco Unified Communications Manager クラスタから発行要求を受信します。発行要求には、
Cisco Unified Communications Manager のホステッド DN パターン、PSTN フェールオーバー設定、トランクのリスニング ポート、および(SIP トランクの場合は)SIP ルート ヘッダー フィールドが含まれています。SIP ルート ヘッダー フィールドにはトランクの URI が含まれています。
以下の表で、
Cisco Unified Communications Manager がサポートするSAF 配置モデルについて説明します。
表 2 SAF 配置モデル
配置モデル |
説明 |
注 |
クラスタ全体のパラメータ |
クラスタ内のすべてのノードは、すべての SAF フォワーダに接続できます。 |
クラスタ全体の配置モデルは、プライマリおよびバックアップの SAF フォワーダをサポートできます。 |
ノード固有 |
クラスタ内の特定のノードが SAF フォワーダに割り当てられ、それらのノードはネットワーク内で設定されている他の SAF フォワーダよりもこれらの SAF フォワーダを優先します。つまり、特定のノードは、最初は設定されている他の SAF フォワーダではなく割り当てられた SAF フォワーダに常に接続します。 |
ノード固有の配置モデルは、プライマリおよびバックアップの SAF フォワーダをサポートできます。 この配置モデルは、クラスタ内の各ノードが地理的に離れており、ローカル トラフィックをローカル ノード経由でルーティングする WAN 経由のクラスタリング配置にお勧めします。COW 配置の場合、プライマリおよびバックアップの SAF フォワーダを複数セット設定して、異なる地理的ロケーションをサポートできます。 最大で 2 つの SAF フォワーダを特定のノードに割り当てることができます。 |
フェールオーバーをサポートしない単一の SAF フォワーダを設定できます。または、プライマリおよびバックアップの SAF フォワーダを設定してフェールオーバーをサポートします。 プライマリおよびバックアップの SAF フォワーダでは、
Cisco Unified Communications Manager は、プライマリ SAF フォワーダが使用できないときはバックアップ SAF フォワーダに対してアドバタイズおよび登録します。
SAF フォワーダには、
Cisco Unified Communications Manager が SAF ネットワークと通信するために使用する IPv4 アドレスおよびポートが含まれています。 SAF クライアント制御は
Cisco Unified Communications Manager の設定不能な固有コンポーネントですが、これは始動時に
Cisco Unified Communications Manager にプライマリ SAF フォワーダとして登録された最初の SAF フォワーダにマークを付けます。 プライマリ SAF フォワーダはホステッド DN サービスに登録します。バックアップはこのタスクを実行しません。 何らかの理由でプライマリ SAF フォワーダが使用不可になると、バックアップ SAF フォワーダはすぐにプライマリ SAF フォワーダに昇格されます。
Cisco Unified Communications Manager の SAF クライアント コントロール コンポーネントは、一定の間隔で SAF フォワーダにキープアライブ メッセージを送信することによって、SAF フォワーダへの接続を維持します。 SAF クライアント コントロール コンポーネントでは、ネットワーク エラー、TCP 接続の失敗、または SAF フォワーダの失敗によってキープアライブ応答タイムアウトが発生します。 プライマリ SAF フォワーダが到達不能になると、バックアップ SAF フォワーダが自動的にプライマリ SAF フォワーダになり、
Cisco Unified Communications Manager の SAF クライアント コンポーネントは失敗した SAF フォワーダとの接続を確立しようとします。 接続が確立されると、SAF フォワーダはバックアップ SAF フォワーダとして再度指定されます。 この状況では、SAF クライアント コントロール コンポーネントは新しい(現在の)昇格されたプライマリ SAF フォワーダを使用し、現在のプライマリ SAF フォワーダが使用されていることを CCD アドバタイジング サービスと CCD 要求サービスに通知します。 CCD サービスは、すべての発行要求および登録要求を現在のプライマリ SAF フォワーダに送信します。現在のプライマリ SAF フォワーダは、受信したすべてのホステッド DN サービス アドバタイズメントの通知を SAF クライアント コントロール コンポーネントに送信します。SAF クライアント コントロール コンポーネントは、アドバタイズメントを CCD 要求サービスに転送します。 CCD 要求サービスは、バックアップ SAF フォワーダから受信した通知をキャッシュされている情報と比較し、必要に応じて新しい情報を更新、削除、または追加します。 SAF クライアント コントロール コンポーネントは、失敗した SAF フォワーダに一定の間隔で再接続しようとします。 接続試行が成功すると、SAF クライアント コントロール コンポーネントは以前に失敗した SAF フォワーダに再登録し、他の SAF フォワーダをバックアップとして再指定します。
ヒント |
Cisco Unified Communications Manager は、データベースに 3 つ以上の SAF フォワーダが設定されている場合でも、常にプライマリ SAF フォワーダに対してアドバタイズおよび登録します。 プライマリ SAF フォワーダがデータベースから削除されると、バックアップ SAF フォワーダが自動的にプライマリ SAF フォワーダになり、
Cisco Unified Communications Manager は別の設定済み SAF フォワーダをバックアップ SAF フォワーダに昇格させます。
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ヒント |
クラスタ全体の配置の場合、プライマリおよびバックアップの SAF フォワーダを指定することはできません。
Cisco Unified Communications Manager データベースから
Cisco Unified Communications Manager に SAF フォワーダの順序リストが送信されます。
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ヒント |
SAF フォワーダのいずれかまたは両方が動作しない場合、3 番目の SAF フォワーダが設定されている場合でも、
Cisco Unified Communications Manager は 3 番目の SAF フォワーダに接続しようとはしません。 プライマリおよびバックアップの SAF フォワーダの接続が失われた場合、3 番目の SAF フォワーダが設定されている場合でも、
Cisco Unified Communications Manager は 3 番目の SAF フォワーダに接続しません。
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CCD アドバタイジング サービスまたは CCD 要求サービスが SAF ネットワークとの接続を失った場合、SAF フォワーダは他のすべてのコール制御ディスカバリ サービスにサービスの中断について通知します。 クライアントは引き続き SAF フォワーダに登録しようとします。 CCD サービスが SAF ネットワークと再接続した後、SAF フォワーダはすぐにすべての CCD サービスにサービスの復旧について通知します。
SAF フォワーダが別の SAF フォワーダか、
Cisco Unified Communications Manager や
Cisco Unified Communications Manager Express などのいずれかの外部クライアントとの TCP 接続の失敗を検出すると、
Cisco Unified Communications Manager は SAF フォワーダからネットワーク取り消し通知を受信した後、学習パターンに到達不能としてマークを付けます。 これらの学習パターンへの後続のすべてのコールは、到達不能学習パターンの PSTN フェールオーバー設定を使用して PSTN 経由でルーティングされます。 CCD PSTN Failover Duration 機能パラメータのタイマーは、ネットワーク取り消し通知の受信後すぐに起動されます。 タイマー作動中に
Cisco Unified Communications Manager が別のネットワーク取り消し通知を受信すると、
Cisco Unified Communications Manager はタイマーを再始動します。
ヒント |
Cisco Unified Communications Manager は、ダイジェスト認証(SHA1)を使用して SAF フォワーダと通信します。 管理者は、SAF フォワーダのセキュリティ プロファイルを設定します。これにより、
Cisco Unified Communications Manager が SAF フォワーダに送信する要求にユーザ名およびパスワードが含まれます。要求には、ユーザ名およびパスワードが格納される MESSAGE INTEGRITY 属性が含まれている必要があります。
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SAF フォワーダと
Cisco Unified Communications Manager の間で接続が失われた場合(サーバまたはルータのケーブルが外されるなど)、登録ステータスが正しくなくても正しいように表示される場合があります。 この場合、SAF キープアライブ タイマー(SAF フォワーダ上)または TCP タイマーの期限が切れるまで、パターンは到達可能と表示される場合があります。 TCP タイマーの期限が切れた後、パターンは到達不能としてマークされます。