トラブルシューティング

このセクションについて

この章では、Cisco Catalyst 9400 シリーズ スイッチ上で基本的なトラブルシューティングを行う方法について説明します。初回起動時の問題の多くは、通常、ラインカードがバックプレーンに固定されていないか、または電源コードが電源装置から外れていることが原因となっています。

初回起動時にスイッチの温度が最大許容レベルを超えることはほとんどありませんが、スイッチの一部の環境モニタ機能では電源装置の出力電圧についてもモニタされるため、この章では環境モニタ機能についても説明します。


(注)  


この章で取り上げるのは、シャーシ コンポーネントのハードウェアに関するトラブルシューティングだけです。ソフトウェア設定の問題については、ソフトウェア コンフィギュレーション ガイドを参照してください


システムの起動の確認

初期システム ブートが完了したら、次のことを確認します。

  • システム ソフトウェアが正常に起動している

    端末を接続して起動バナーを表示します。ターミナル エミュレーション ソフトウェアが 9600 ボー、8 データ ビット、パリティなし、1 ストップ ビットに設定された PC にコンソール ポートを接続するには、RJ-45/RJ-45 ロールオーバー ケーブルを使用します。起動後のシステム メッセージに注意してください。

  • 電源装置がシステムに電力を供給している

    電源装置の LED が緑に点灯するはずです。電源装置の動作を表示するには、Cisco IOS コマンド show environment を使用します。

  • システム ファン アセンブリが作動している

    ファンの作動音を聞きます。作動中はファン トレイ LED が緑に点灯するはずです。ファン トレイ動作を表示するには、Cisco IOS コマンド show environment を使用します。

  • スーパーバイザおよびすべてのラインカードが各スロットに正しく搭載され、問題なく初期化されている

これらの条件がすべて満たされ、ハードウェアの設置が完了していることを確認したら、各スイッチのソフトウェア コンフィギュレーション ガイドおよびコマンド リファレンスを参照して、ソフトウェアのトラブルシューティングを行ってください。

これらの条件のいずれかに問題がある場合は、この章に記載されている手順に従って原因を特定し、可能な場合は解決してください。

LED による起動問題の特定

システムのトラブルシューティングで重要なのは、問題を特定のシステム コンポーネントに絞り込むことです。まず、システムの「現在の状態」と「本来の正常な状態」を比較します。起動シーケンスでのシステムの状態がすべて LED に表示されます。LED を確認すれば、起動シーケンスのどの時点で、どこに障害が発生したかを判断できます。スイッチの電源を入れたあとで問題が起きた場合は、次のサブシステム トラブルシューティング情報、および各スイッチのソフトウェア コンフィギュレーション ガイドに記載されているコンフィギュレーション手順を参照してください。

スイッチに電源コードを接続してから、次の手順でシステムが正常に動作しているかどうかを確認します。

手順


ステップ 1

電源装置の LED を確認します。

電源装置に電力が供給されると、INPUT LED が緑に点灯するはずです。この LED は、システムが正常に稼働している間、点灯し続けます。

INPUT LED が点灯しない場合、または FAIL LED が点灯している場合は、「電源ユニットのトラブルシューティング」セクションを参照してください。

(注)  

 

電源装置が搭載されていても、電源に接続されていなければ、電源装置の LED は点灯しません。

ステップ 2

システム ファン アセンブリの作動音を聞きます。システム ファン アセンブリは、システムの電源が入っている間、常に作動していなければなりません。スイッチの電源が入っているときに作動音が聞こえない場合は、「ファン アセンブリのトラブルシューティング」セクションを参照してください。

ステップ 3

スーパーバイザ モジュールの LED が次のように点灯するのを確認します。

  • STATUS LED がオレンジで 1 回点滅し、診断ブート テスト中はオレンジで点灯し続けます。

    • モジュールが動作するようになった(オンライン)時点で緑色になります。

    • システム ソフトウェアが起動しなかった場合、この LED は赤に変わります。

      LED が赤の場合、コンソールを管理ポートに接続し、show environment コマンドを使用して、発生する可能性のある問題をチェックします。

  • モジュールが動作状態(オンライン)になり別のネットワーク デバイスとリンクを確立すると、MANAGEMENT LED が緑に点灯します。信号が検出されない場合、LED は消灯します。

  • スーパーバイザ モジュールに問題がある場合は、シャーシにスーパーバイザ モジュールを装着し直して、スイッチを再起動してください。トラブルシューティングの詳細については、「スーパーバイザ モジュールのトラブルシューティング」セクションを参照してください。

  • スーパーバイザモジュールの初期化が完了したら、各ラインカードの STATUS LED が緑に点灯していることを確認します。

    この LED は、スーパーバイザモジュールおよびラインカードに電力が投入されていること、両モジュールがスーパーバイザモジュールに認識されていること、有効なバージョンのフラッシュコードが搭載されていることを示します。ただし、この LED では、ラインカード上の各インターフェイスのステータスの確認はできません。STATUS LED が赤またはオレンジに点灯した場合は、ラインカードまたはスーパーバイザモジュールを装着し直して、スイッチを再起動してください。詳細については、「ラインカードのトラブルシューティング」セクションを参照してください。ラインカードが動作していないと判断した場合は、「問題と解決策」セクションに従って Cisco TAC にお問い合わせください。
  • 起動情報およびシステム バナーが表示されない場合には、端末が 9600 ボー、8 データ ビット、パリティなし、1 ストップ ビットに設定され、コンソール ポートに正しく接続されているかどうかを確認してください。


システムメッセージ

システム メッセージは、コンソール ロギングを有効にした場合はコンソールに、syslog を有効にした場合は syslog に表示されます。メッセージの多くは、情報を伝えるだけの目的で表示されており、エラー状態を示しているわけではありません。ログ メッセージを表示するに は、show logging コマンドを入力します。特定のシステム メッセージについて調べるには、ご使用のソフトウェア リリースに対応したシステム メッセージ ガイドを参照してください。

ソフトウェアによるトラブルシューティング

CLI コマンドで特定できる多くの問題については、後述の該当セクションで説明します。

ハードウェアのサポートに必要な正しいソフトウェアを使用していないことが原因で、問題が発生する場合があります。特定のシステム コンポーネントの推奨バージョンを入手するための最新のソフトウェア リリースについては、次の URL にあるリリース ノートを参照してください。 https://www.cisco.com/c/en/us/support/switches/catalyst-9400-series-switches/products-release-notes-list.html

電源モジュールのトラブルシューティング

便利な Cisco IOS コマンド:電源装置

特権 EXEC モードで次の Cisco IOS コマンドを使用すると、電源装置モジュールの動作、状態、負荷を監視できます。

  • Switch# show power detail

    FAIL LED が赤の場合、show power コマンドの出力で、電源モジュールに障害があると報告されます。

  • Switch# show idprom power-supply slot-number
  • Switch# show module

    show module コマンド出力に「モジュールの電力不足(not enough power for module)」というメッセージが表示された場合は、電源仕様で、対応する電源装置の仕様を確認してください。電源自体に問題がある可能性があります。

AC 入力電源装置のトラブルシューティング

電源サブシステムの問題を切り分ける手順は、次のとおりです。

手順


ステップ 1

正常に動作している場合は INPUT は緑に点灯します。INPUT LED が消灯している場合は、以下の手順を実行します。

  1. 電源を奥に当たるまでゆっくり挿入し、シャーシの背面とぴったり重なるようにします。右側の固定用金属製ラッチがカチッとはまるのを確認します。このラッチをユニットの方向に押し下げないと、ユニットは取り出せません。

    (注)  

     

    電源コードが完全に挿入され、コード保持具が取り付けられているときは、システムから電源を取り外すことはできません。

  2. コード保持具を緩めて電源コードを取り外し、物理的に電源を再度取り付け、電源ケーブルを差し込み、その周りでコード保持具を締めます。

  3. INPUT LED が点灯しない場合は、AC 電源または電源コードの接続に問題がある可能性があります。また AC 電源の回路ブレーカーを確認します。電源コードを別の電源に接続してみてください(可能な場合)。ソース電源が、電源装置の許容される仕様の範囲であることを確認します。

  4. 別の電源に接続しても LED が点灯しない場合には、電源コードを交換します。

  5. 新しい電源コードを使用してスイッチを別の電源に接続しても、LED が点灯しない場合は、電源装置に障害があると考えられます。電源装置の交換が必要な場合があります。

ステップ 2

正常に動作している場合は OUTPUT LED は緑に点灯します。緑で点滅している場合は、ユニットがスタンバイ モードで休止中であることを示します。

ステップ 3

FAIL LED が赤の場合は、以下の手順を実行します。

  1. ベイから電源装置を取り外し、電源モジュール コネクタの背面を目視で確認します。損傷がなければ、別の空の電源装置ベイに電源装置を取り付けてみます(可能な場合)。この検査中は電源モジュールの背面に触れないでください。OUTPUT LED が緑に変わった場合、問題は電源モジュールではなく、最初の電源装置ベイにあります。詳細な手順については、Cisco Technical Assistance Center(シスコサポート)にお問い合わせください。

  2. 電源装置をもう 1 台使用する場合には、これを 2 つ目の電源装置ベイに取り付けてください。

  3. 2 台目の電源装置の INPUT LED が点灯するかどうかを確認します。FAIL LED が消灯していることを確認します。

  4. LED が点灯しない場合は、2 台目の電源装置をトラブルシュートするために、上記の手順を繰り返してください

ステップ 4

Cisco Technical Assistance Center に連絡します。

問題を解決できない場合、または、電源装置とバックプレーンコネクタのいずれかに障害があると判断した場合は、Cisco Technical Assistance Center(シスコサポート)にお問い合わせください。


DC 入力電源装置のトラブルシューティング

電源サブシステムの問題を切り分ける手順は、次のとおりです。

手順


ステップ 1

正常に動作している場合は INPUT LED は緑に点灯します。INPUT LED が消灯している場合は、次の手順を実行します。

  1. DC 電源を確認します。

    1. DC 電源の回路ブレーカーがオンになっていることを確認します。

    2. ケーブルを別の電源に接続します(使用可能な場合)。ソース電源が、電源装置の許容される仕様の範囲であることを確認します。

    3. 両方の DC 入力が適切な DC 電源に接続されていることを確認します。電源モジュールは、1 つの DC 入力だけで機能するようには設計されていません。

    4. 単一の電源を使用している場合は、3500 W の DC 入力電力を供給できることを確認します。2 つの異なる電源の場合は、各電源が 1750 W の DC 入力電力を供給できることを確認します。

    5. DC 電源から、少なくとも -40 V を DC 電源モジュールの入力端子に供給できることを確認します。.

  2. DC 入力ケーブルの接続を確認します。

    1. ラグが 2.0 ~ 2.8 Nm のトルクで適切に締め付けられていることを確認します。

    2. DC 入力ケーブルの極性が逆になっていないことを確認します。詳細については、DC 電源システムの電源接続時の注意事項を参照してください。

    3. DC 入力ごとに別々の電源を使用している場合は、ケーブルどうしが交差していない(プラスとマイナスの入力が逆になっていない)ことを確認します。

(注)  

 

以上を確認しても INPUT LED が点灯しない場合は、電源モジュールが故障している可能性があります。交換する必要がある場合があります。

ステップ 2

正常に動作している場合は OUTPUT LED は緑に点灯します。緑で点滅している場合は、ユニットがスタンバイ モードで休止中であることを示します。OUTPUT LED が消灯している場合は、次の手順を実行します。

  1. 電源ボタンを 2 秒間押してモジュールをオンにしたことを確認します。

  2. INPUT LED が点灯しているかどうかを確認します。点灯していない場合は、先に INPUT LED のトラブルシューティングの手順(手順 1)を実行します。

  3. リリースラッチが押し込まれてロックされているかどうかを確認します。

ステップ 3

正常に動作している場合は FAIL LED は消灯しています。FAIL LED が赤の場合は、次の手順を実行します。

  1. 電源ボタンを確認します。

    DC 入力を適用した後にモジュールの前面パネルの電源ボタンがオフになった場合は、電源ボタンを 2 秒間押して再度オンにするまで、FAIL LED が赤色に点灯します。

  2. モジュールを調べます。

    ベイから電源モジュールを取り外し、電源モジュール コネクタの背面を目視で確認します。損傷がなければ、別の空の電源装置ベイに電源装置を取り付けてみます(可能な場合)。この検査中は電源モジュールの背面に触れないでください。OUTPUT LED が緑に変わった場合、問題は電源モジュールではなく、最初の電源装置ベイにあります。詳細な手順については、Cisco Technical Assistance Center(シスコサポート)にお問い合わせください。

  3. 別のスペアでテストします。

    2 台目の電源モジュールが使用できる場合は、それを 2 つ目の電源装置ベイに取り付けます。

    1. 2 台目の電源装置の INPUT LED が点灯し、FAIL LED が消灯していることを確認します。

    2. この 2 台目の電源装置の INPUT LEDが点灯しない場合は、2 台目の電源装置について INPUT LED のトラブルシューティング手順(手順 1)を繰り返します。

    3. この 2 台目の電源装置の FAIL LED が点灯している場合は、FAIL LED のトラブルシューティング手順(手順 3)を繰り返します。

ステップ 4

Cisco Technical Assistance Center に連絡します。

問題を解決できない場合、または、電源装置とバックプレーンコネクタのいずれかに障害があると判断した場合は、Cisco Technical Assistance Center(シスコサポート)にお問い合わせください。


DC 電源モジュール用電源ボタンのデフォルト モードの復元

DC 入力電源モジュールの電源ボタンが自動オンモードになっているか保護モードになっているかわからない場合は、デフォルトモード(自動オン)に戻すことができます。まず、次のことを確認します。

  1. 現在設定されている電源モジュールの数

  2. 3.3 VDC スタンバイ出力がアクティブ(適用されている)かどうか

次の表のように、該当する状態に応じて、電源ボタンのデフォルトモードを復元するために必要な操作を実行します。

状態

電源ボタンのデフォルト モードの復元に必要な操作

電源モジュールが 1 台だけ設定されていて、DC 入力電源モジュールである。

  1. DC 回路ブレーカーを少なくとも 3 秒間オフにします。

  2. DC 回路ブレーカーのスイッチをオンにします。

    FAIL LED が 2 ~ 3 秒間点灯します。

結果:電源モジュールの出力電力が自動的に有効になり、電源ボタンが自動オンモードになります。

複数の電源モジュールを設定している(AC および DC 入力)。

および

電源モジュールの 3.3 VDC スタンバイ出力(AC および DC 入力)が非アクティブである。

  1. 影響を受ける電源モジュールの DC 回路ブレーカーを少なくとも 3 秒間オフにします。

  2. 影響を受ける DC 入力電源モジュールの DC 回路ブレーカーをオンにします。

    FAIL LED が 2 ~ 3 秒間点灯します。

結果:電源ボタンが自動オンモードになります。

複数の電源モジュールを設定している(AC および DC 入力)。

および

いずれか 1 個の電源モジュールの 3.3 VDC スタンバイ出力がアクティブである。1.

  1. 影響を受ける DC 入力電源モジュールの電源ボタンを 2 秒間押してオフにします。

  2. 影響を受ける DC 入力電源モジュールの回路ブレーカーをオフにします。

  3. DC 入力電源モジュールを取り外し、少なくとも 3 秒間、DC 入力を物理的に取り外すか無効にしてから、再度取り付けます。

  4. 影響を受ける DC 入力電源モジュールの DC 回路ブレーカーをオンにします。

結果:電源ボタンが自動オンモードになります。

1 システムの AC 入力または DC 入力電源モジュールが 1 個以上オフかオンかに関係なく、AC 入力または DC 入力電力が適用された場合は、3.3 VDC スタンバイがアクティブになり、シャーシ内のすべての電源モジュールに分配されます。

ファン トレイ アセンブリのトラブルシューティング


(注)  


すべてのファン アセンブリが正常に作動していなければなりません。そうでない場合は、機器に異常が生じます。


環境問題は最初にファン トレイの問題として現れます。ファン アセンブリの問題を特定する手順は、次のとおりです。

手順


ステップ 1

ファン トレイの STATUS LED を確認します。

  • LED が消灯し、システムの他の部分が機能している場合、ファン トレイに電力が供給されていないかバックプレーンに正しく装着されていません。

  • LED が緑に点灯している場合、ファンは正常に作動しています。ファンのパフォーマンスを低下させる状態にありますが、影響は最小限です。

  • LED がオレンジの場合、1 つのファンに障害があります。

  • LED が赤の場合、2 つ以上のファンに障害があります。LED が赤で 1 分以上点灯する場合は、ファンはフルスピードで動作するようになり、ノイズ レベルが高くなります。

  • LED がオフでファンがまったく動作していない場合は、ファン トレイが奥まで挿入されていることと、ネジが締まっていることを確認します。

    前面からファンの保守を行った場合は、背面の非脱落型ネジがしっかりと締まっていることも確認します。背面からファンの保守を行った場合は、前面の非脱落型ネジがしっかりと締まっていることも確認します。

    ファンは、速度を上げ始めるのに数秒かかる場合があります。

ステップ 2

端末を接続して、show environment status 特権 EXEC コマンドで表示されるファントレイステータスを確認します。

ステータスとセンサー列の表示が good(良好) - STATUS が緑

ステータスとセンサー列の表示が marginal(限界) - STATUS がオレンジ。1 つのファンに障害があります。

ステータスとセンサー列の表示が bad(不良) - STATUS が赤。2 つ以上のファンに障害があります。

ステップ 3

空気の流れが制限されているかどうかを判断します。ラックの最小スペース要件が満たされていることを確認します。エア フローを参照してください。

ステップ 4

電源装置が正常に機能しているかどうかを確認します。

ステップ 5

非脱落型ネジを緩め、ファン アセンブリを取り外し、取り付け直します。ファン トレイ アセンブリが正しく固定されているか確認します。

(注)  

 

電源が入ったシステムでファン トレイを取り外したり交換したりする場合は、時間の制約があります。システムは、2 分間だけファン トレイなしでも安全に実行できます。電源が入っていないシステムでは時間の制約はありません。

ステップ 6

システムを再起動します。

ステップ 7

すべてのファンが作動しているかどうか確認します。システム起動時のファン作動音を聞きます。


次のタスク

それでもファン障害が検出される場合は、Cisco IOS コマンドを使用して詳細を確認し、ログを保存して Cisco TAC にお問い合わせください。

便利な Cisco IOS コマンド:ファン トレイ アセンブリ

特権 EXEC モードで次の Cisco IOS コマンドを使用して、ファン トレイの問題を診断できます。

  • 青色ビーコンをオンにするには

    Switch# hw-module beacon fan-tray on
    

    青色ビーコンをオフにするには

    Switch# hw-module beacon fan-tray off
    
  • ファントレイの速度を表示するには

    Switch# configure terminal
    Switch(config)# service internal
    Switch(config)# end
    Switch# test platform hardware chassis fantray {nebs-mode | service-mode | write }
  • ファントレイのステータスを表示するには

    Switch# show environment status
  • 手動で NEBS モードを開始するには

    Switch# configure terminal
    Switch(config)# service internal
    Switch(config)# end
    Switch# test platform hardware chassis fantray nebs-mode on
    

    NEBS モードをオフにするには

    Switch# configure terminal
    Switch(config)# service internal
    Switch(config)# end
    Switch# test platform hardware chassis fantray nebs-mode off
    

高温アラームのトラブルシューティング

詰まったエアー フィルタを使用すると、スイッチが過熱する原因となります。詰まったエアー フィルタが原因で過熱が起きると、複数のボード温度センサーがアラームを発します。

過熱アラームが消えたらエアー フィルタを点検してください。

エアー フィルターの洗浄と交換

エアー フィルタは、冷却ファンによってスイッチに吸入された室内空気から塵を除去します。エアー フィルタは 1 ヶ月に 1 度の(多くの環境ではそれより高頻度の)検査が必要です。フィルタが汚れているように見える場合は、吸引または交換してください。フィルタが磨耗または破れている場合は、責任を持って廃棄し、交換用のエアー フィルタを取り付けてください。


(注)  


エアー フィルタは 3 ヶ月ごとに交換することをお勧めします。ただし、1 ヶ月に 1 度(粉塵の多い環境ではより高頻度で)エアー フィルタを検査し、汚れがひどい場合や損傷している場合は交換してください。NEBS 規格を満たし、Telecordia GR-63-Core 標準エアーフィルタ要件に準拠するには、エアー フィルタを(洗浄ではなく)交換する必要があります


ラインカードのトラブルシューティング

各ラインカードには、モジュール情報を提供する STATUS LED が 1 つと、モジュールのポートごとに番号の付いた PORT LINK LED が 1 つあります。LED の色の意味を確認するには、Cisco Catalyst 9400 シリーズ ラインカードの LEDを参照してください。

便利な Cisco IOS コマンド:ラインカード

show module コマンドは、個々のモジュールのポートの問題を解決する上で役に立つ情報を提供します。

問題のいくつかは、ラインカードをリセットすることで解決できます。シャーシの電源の再投入:これはラインカードのリセット、再起動、および電源の再投入を行います。

スーパーバイザ モジュールのトラブルシューティング

ここでは、ハードウェアの問題についてのみ取り扱います。機能または設定の問題については、ここでは取り扱いません。機能設定または既知の問題の識別に関する情報については、対応するソフトウェア コンフィギュレーション ガイドおよびリリース ノートを参照してください。

スーパーバイザ モジュールの LED

  • ご使用のスーパーバイザ エンジンの LED をチェックして、この表の LED 動作と比較してください。「Cisco Catalyst 9400 シリーズ スーパーバイザ モジュールの LED」を参照してください。

  • スーパーバイザ モジュールの STATUS LED は、次の条件の下ではオレンジまたは赤になります。

    • 電源装置の障害(電源装置の取り外しとは異なります)

    • 電源装置ファンの障害

    • ファン トレイの取り外しまたは障害

    • シャーシの電源装置の不一致

スタンバイ スーパーバイザ エンジンの問題

  • Switch# show module

    スタンバイ スーパーバイザ モジュールがオンラインでない場合、または、show module コマンドまたはオレンジのステータス LED の出力で「その他(other)」または「障害(faulty)」が示されている場合は、スタンバイ スーパーバイザへのコンソール接続を実行し、それが ROMmon モードまたは連続再起動状態になっていることを確認します。スタンバイ スーパーバイザがこれらの 2 つの状態のいずれかにある場合、『Software Configuration Guide』の「システム管理(System Management)> ソフトウェア構成のトラブルシューティング(Troubleshooting the Software Configuration)」セクションを参照してください

  • スーパーバイザ モジュールがバックプレーン コネクタに正しく取り付けられており、スーパーバイザ モジュールの非脱落型ネジが完全に締め付けられていることを確認してください。

  • Switch# redundancy reload peer

    スタンバイ スーパーバイザ モジュールに障害があるかどうかを確認するために、アクティブ スーパーバイザから、および、スタンバイ スーパーバイザへのコンソールから、redundancy reload peer コマンドを入力します。ハードウェア障害を識別するには、ブートアップ シーケンスを確認します。現時点で、アクティブ スーパーバイザ モジュールは、スタンバイ スーパーバイザ モジュールのパワーオン診断結果にアクセスできません。

  • アクティブ スーパーバイザ モジュールと冗長スーパーバイザ モジュールの間で、次のコンフィギュレーションが同期していることを確認してください。

    • スタートアップ コンフィギュレーション

    • ブート変数

    • コンフィギュレーション レジスタ

    • カレンダー

    • VLAN データベース

アクティブ スーパーバイザ モジュールとスタンバイ スーパーバイザ モジュールの両方でソフトウェア アップグレードを実行した場合は、両方のスーパーバイザ モジュールが同一の新しいソフトウェア イメージを実行していることを確認します。ソフトウェア イメージが同じではない場合、ソフトウェア イメージをアップグレードします。ご使用のリリースのソフトウェア コンフィギュレーション ガイドに記載された手順に従ってください。

それでもスタンバイ スーパーバイザがオンラインにならない場合は、シスコ テクニカル サポートへのサービス リクエストを作成します。過去のトラブルシューティング手順で収集したスイッチ出力のログを使用してください。

スイッチの自己リセット

スイッチが自動的にリセットまたは再起動した場合は、スイッチの電源で障害が発生していないか確認してください。無停電電源装置(UPS)を使用している場合は、UPS で問題が発生していないか確認してください。

スイッチでソフトウェアがクラッシュした可能性があります。 more crashinfo:data コマンドを入力して、最後にスイッチがクラッシュした日時などのクラッシュ情報を表示します。スタンバイ スーパーバイザ エンジンのクラッシュ データを表示するには、more slavecrashinfo:data コマンドを入力します。スイッチが 1 度もクラッシュしていない場合は、クラッシュ データが存在しません。

スイッチの再起動が疑われ、出力がソフトウェア クラッシュを示している場合は、ハードウェア障害以外の問題の可能性があります。次のコマンドの出力を TAC に知らせてください。

  • show tech-support

  • show logging

  • more crashinfo:data

コンソール ポート経由でスイッチに接続不可

正しいタイプのケーブルを使用していること、およびケーブルのピン配置がスーパーバイザ モジュールに対して正しいことを確認します。

端末の設定がスイッチのコンソール ポートの設定と一致していることを確認してください。デフォルトのコンソール ポートの設定値は 9600 ボー、8 データ ビット、パリティなし、1 ストップ ビットです。

コンソール ポートを通じてスイッチにアクセスするには、次の点が一致している必要があります。

  • ROMmon での BAUD 環境変数

  • コンソール ポートの速度

  • 起動設定


(注)  


工場出荷時の BAUD 環境変数は明示的な設定で、BAUD 変数 =9600 です。変数が明示的に設定されていない場合でも、この変数は 9600 にデフォルト設定されます(暗黙の設定)。


スイッチの初期設定中に、次の手順を実行します。

  1. 端末の設定がスイッチのコンソール ポートの設定と一致していることを確認します。次の例は、コンソールとして Cisco スイッチを使用し、コンソール ポート番号は 8 です。コンソール ポートの速度を設定する場合は、適切なコンソール ポート番号を入力します。

    Switch# configure terminal
    Enter configuration commands, one per line.  End with CNTL/Z.
    Switch(config)#line 8
    Switch(config-line)# speed 9600
    
  2. ROMmon プロンプトにアクセスして、スイッチの BAUD 設定値を確認します。システムにコンソールを接続し、システムが起動して、プロンプトが表示されたら、Ctrl+C キーを押して起動を停止し、ROMmon プロンプトにアクセスします。この例では、工場出荷時のデフォルト設定は保持されます。

    rommon 1> set 
    BAUD=9600
    <output truncated>
    

    この設定を変更する場合は、ここで行ってください。

    rommon 2> set BAUD <enter new speed>

    新しい速度を入力する場合、新しい速度を設定するとすぐに ROMmon アクセスが失われるので手順 1 をやり直す必要があります。

  3. イメージを起動します。

    rommon 4> boot

    起動中に、アクティブなスーパーバイザの BAUD ROMmon 設定は、自動的にスタンバイに同期されます。

  4. 実行コンフィギュレーションを保存します。

    Switch# copy system:running-config nvram:startup-config

    BAUD rommon 変数を ROMmon モードで設定すると、システムの再読み込み時に、この値が実行中の設定のコンソール回線用に抽出されます。しかし、システムが起動設定を解析するときに、起動設定の速度は BAUD から取得した値より優先されます。この手順は、BAUD と、一致する起動設定のコンソールの回線速度を取得します。不一致の場合、コンソール ポートへアクセスできません。


(注)  


手動で ROMmon の BAUD 速度を変更(明示的に新しい速度を設定)するたびに、再読み込み後、またはスイッチの起動時に、BAUD 速度および起動設定のコンソール ポートの速度により、コンソール ポートへのアクセスを失う可能性があります。コンソール ポートの速度は、新しい速度の設定に合わせて変更する必要があります。コンソールへのアクセスが復元された後は、BAUD ROMmon 速度、起動設定、およびコンソールの回線速度を同期するように設定を保存します。show bootvar コマンドを入力して、新しい BAUD variable の設定を確認します。


考えられる BAUD の不一致:シナリオ 1

説明:起動時に、BAUD 変数、起動設定およびコンソール ポート速度はすべて 115200 に設定されていました。この後、いくつかの点で BAUD パラメータの設定を解除した場合…

  1. これは BAUD 変数の 9600 への暗黙の変更であり、ROMmon での明示的な設定ではありません。さらに、現在のコンソール ポート セッション速度は 115200 に設定されたままなので、まだアクセスできます。

  2. イメージを起動:Cisco IOS はイメージを正常に起動します。コンソールの回線速度は最初に BAUD(9600)から取得されますが、Cisco IOS は起動設定を解析し、速度を 115200 に変更します。これは、現在のコンソール ポートの速度と一致します。

  3. 再読み込みまたはスイッチの電源の再投入:起動は ROMmon モードに戻り、デフォルトの BAUD 速度 9600 は有効で、コンソール ポートの速度と一致しないので、コンソールへのアクセスは失われます。アクセスを復元するには、コンソール ポートの速度を 9600 に設定します。

  4. イメージの起動:コンソールの回線速度は最初に BAUD(9600)から取得されるため、コンソール ポートへのアクセスは失われます。Cisco IOS は起動設定を解析しますが、そこでは速度が 115200 に設定され、コンソール ポートの速度 9600 と同期していないので、コンソール ポートへのアクセスが失われます。コンソール ポートの速度を 115200 に設定すると、アクセスは復元されます。

  5. 再読み込みまたはスイッチの電源の再投入:起動は ROMmon モードに戻りますが、コンソールへのアクセスは 9600 の BAUD の不一致により、再度失われます。

上記のシナリオで、手順 1 の BAUD の設定解除(暗黙の速度は 9600)と、set BAUD=9600 コマンド(速度は、ROMmon で「set」コマンドを使用して明示的に設定)との違いに注意してください。BAUD の設定解除で暗黙的な速度は 9600 ですが、実際に速度は 115200 から変更されなかったため、手順 4 まではコンソールにアクセスできます。手順 5 で再読み込みまたは電源を入れ直すと、速度は 9600 に設定されます。

解決策 1:手順 2 で実行中の設定を起動設定に保存(copy system:running-config nvram:startup-config )してから、BAUD と起動設定を速度 115200 で同期することで、その後の再読み込みではアクセスは中断されません。

解決策 2:(上記の手順を実行する代わりに)コンソールの回線速度を 9600 に設定して、コンソール ポートの速度を 9600 に変更し、実行中の設定を起動設定に保存してから ROMmon で BAUD と起動設定を速度 9600 で同期します。

考えられる BAUD の不一致:シナリオ 2

説明:起動時の、BAUD 環境変数、起動設定の速度およびコンソール ポート速度はすべて 9600 でした(BAUD と起動設定の速度は明示的に設定されていません)。この後、いくつかの点で明示的に BAUD 変数を 115200 に設定します...

  1. すぐに、コンソールにアクセスできなくなります。アクセスを復元するには、コンソール ポートの速度を 115200 に設定します。

  2. イメージの起動:コンソールの回線速度は最初は BAUD から取得されます(115200)。起動中に、システムは起動設定を解析しますが、設定された速度は 9600 であるにもかかわらず、これはシステムのデフォルト値であり、実際には「速度 9600」の回線は起動設定に存在しません。速度の設定が存在しないため、明示的に解析および適用されず、以前に BAUD から取得した速度(115200)が使用されます。

    この状態で、起動設定のコンソールの回線速度はデフォルト(9600)ですが、コンソールの回線速度は 115200 に設定され、BAUD と一致します。システムは、速度が 9600 に変更されていないので、BAUD と起動設定の不一致があっても使用可能です。実行中の設定を起動設定に保存すると、BAUD と起動設定は、速度が明示的に 115200 に設定されて同期します。

起動の問題

ROMmon モードでブート変数 MANUAL_BOOT を設定していない場合、スーパーバイザ モジュールはデフォルトで連続的なループで動作します。手動で起動するには、MANUAL_BOOT=yes を設定し、自動起動するには、MANUAL_BOOT=no を設定します。

システム イメージが破損しているか、存在しない場合は、スーパーバイザ モジュールが ROMmon モードになります。

スーパーバイザ モジュールにはオンボード システム フラッシュ メモリ(ブートフラッシュ)が搭載されており、複数のシステム イメージを容易に格納できます。そのため、バックアップ イメージを保持してください。ブートフラッシュに加えて、スーパーバイザ モジュールは、usbflash0: device でコンパクト フラッシュをサポートします。また、スーパーバイザは ROMmon モードからイメージの TFTP 経由での転送にも備えており、それが、存在しないイメージや破損したイメージの高速復旧を可能にします。

前述のストレージ デバイスに加えて、disk0: として表示されるハード ディスクをインストールすることができます。これを、システム イメージを保存するためではなく、usbflash0: のように汎用ファイル ストレージとして使用することをお勧めします。

シリアル番号の確認

Cisco Technical Assistance Center(Cisco TAC)に連絡する際は、問題が発生している部品のシリアル番号を確認しておく必要があります。以下の図に、シャーシ、スーパーバイザモジュール、ラインカード、電源モジュール、およびファントレイのシリアル番号を確認できる場所を示します。

特権 EXEC モードで show version コマンドを使用してシリアル番号を確認することもできます。

図 1. シャーシのシリアル番号の場所
図 2. スーパーバイザモジュールおよびラインカードのシリアル番号の場所
図 3. ファントレイのシリアル番号の場所
図 4. 電源モジュールのシリアル番号の場所

TAC への問い合わせ

ここに記載されているトラブルシューティングを行っても起動時の問題を解決できない場合は、TAC にお問い合わせください。

連絡する前に、問題を迅速に解決できるように、あらかじめ次の情報を用意しておいてください。

  • スイッチの受領日

  • シャーシのシリアル番号

  • ソフトウェアの種類とリリース番号

  • メンテナンス契約書または保証情報

  • 問題の概要

  • 問題に関連するコンソールのキャプチャ

  • 問題を特定し、解決するためにすでに実施した手順の簡単な説明