設置環境の要件
システムを正常に運用するには、スイッチを適切な場所に設置し、装置ラックや配線クローゼットを適切に配置する必要があります。ここでは、スイッチの設置を準備するうえで認識しておく必要がある、以下を含む基本的な設置環境の条件について説明します。
-
環境要因がシステムのパフォーマンスおよび耐久年数に悪影響を及ぼす可能性があります。
-
スイッチは囲いのある保護された場所に設置し、資格のある担当者だけがスイッチにアクセスし、環境を管理するようにします。
-
複数の装置を近づけて設置したり、換気が不十分であったりすると、システムが過熱状態になり、コンポーネントに障害が発生する場合があります。
-
装置を不適切に配置すると、シャーシ パネルに手が届きにくくなり、システムのメンテナンス作業が困難になります。
-
スイッチは、乾燥して清潔で、換気が良く、空調が管理された環境に設置する必要があります。
-
正常な動作を確実に行うには、換気を行います。エアーフローが遮断または制限されている場合、吸気が熱くなりすぎて過熱状態になることがあります。その場合は、スイッチ環境モニタ機能がシステムをシャットダウンして、システム コンポーネントを保護します。
-
シャーシの上下にほとんど隙間をあけることなく、複数のスイッチをラックに搭載できます。ただし、スイッチを別の装置のラックに取り付ける場合、またはスイッチを別の装置近くの床に設置する場合、装置からの排気がスイッチ シャーシの吸気口に流れ込まないようにしてください。
-
スイッチが 90 W PoE をサポートしている場合、建物内の既存のケーブル配線がスイッチの設置に適さない可能性があります。資格のある技術者による、ケーブル計画の再評価を行います。
詳細については、本書の「ケーブル配線の要件」の項を参照してください。
温度
温度がその定格温度の上限または下限に達すると、システムの動作効率が低下したり、チップの早期老朽化および障害、機械装置の障害などのさまざまな問題が発生する場合があります。また、極端な温度変化によって、チップがソケットから外れることがあります。次のガイドラインに従ってください。
-
次のような環境でシステムが動作していることを確認します。
-
-5 ~ +45 °C(27 ~ 109 °F)、最高 1,800 m(6,000 フィート)
-
-5 ~ +40 °C(27 ~ 104 °F)、最高 3,000 m(10,000 フィート)
-
-
また、シャーシに適切な換気があるかどうかを確認します。
-
閉鎖型の壁面ユニット内や布の上にシャーシを設置しないでください。熱がこもる原因となります。
-
直射日光があたる場所にシャーシを置くことは避けてください(特に午後)。
-
暖房の吹き出し口などの熱源のそばにシャーシを置かないようにしてください。
-
ファン アセンブリが取り外された場合、または正しく機能していない場合、システムを動作させないでください。過熱状態は、重大な機器の損傷や予定外のシステム シャットダウンの原因になる可能性があります。
-
高地では、特に適切な換気が重要となります。システムのすべてのスロットおよび開口部、特にシャーシ上のファンのエアーフロー孔はふさがないようにします。
-
設置場所のクリーニングを定期的に実施して、ほこりやごみがたまらないようにしてください。ほこりやごみがたまるとシステムが過熱するおそれがあります。
-
システムが異常な低温にさらされた場合、電源を入れる前に、0 °C(32 °F)以上の周囲温度で、2 時間のウォーム アップ期間をおきます。
これらのガイドラインに従わないと、シャーシ内部のコンポーネントに損傷を与えるおそれがあります。
エア フロー
スイッチは、スーパーバイザ エンジン、モジュール、および電源装置を冷却するために十分な空気が得られる環境に設置されることを前提に設計されています。シャーシ内の空気の自由な流れに関して制約がある場合、または周辺温度が上昇している場合、システム コンポーネントを保護するためにスイッチ環境モニタがシステムをシャットダウンする可能性があります。
スイッチ シャーシ内の適切な空気の循環を維持するため、壁とシャーシと電源装置の吸気口の間、または壁とシャーシと電源装置の排気口の間に、最小 15 cm(6 インチ)の間隔を確保することをお勧めします。スイッチ シャーシどうしを隣接したラックに設置する場合、シャーシの吸気口ともう 1 台のシャーシの排気口との間に 30.5 cm(12 インチ)以上の隙間を設ける必要があります。シャーシ間に適切な間隔が確保されていない場合、スイッチ シャーシ内に他のスイッチ シャーシからの排気が取り込まれて過熱し、障害が発生する可能性があります。
図は、Catalyst 9407R スイッチにおけるシャーシと電源のエアー フローの方向を示しています。同じエアー フローの方向がすべての Cisco Catalyst 9400 シリーズ スイッチに適用されます。

1 |
シャーシの吸気口 |
3 |
電源の吸気口 |
2 |
シャーシの排気口 |
4 |
電源の排気口 |
スイッチを密閉型ラック、または部分的に密閉されたラックに設置する場合、設置場所が次のガイドラインを満たしているかを確認することを強く推奨します。
-
エンクロージャの側面、前面、および背面と、シャーシの吸気口グリルとシャーシの排気口グリルの両方との間、および電源装置の吸気口と排気口との間に、少なくとも 15 cm(6 インチ)の隙間があることを確認してください。
完全閉鎖型キャビネット、または固定のサイド パネル付きオープン ラックは、シャーシの吸気口と排気口に関する 6 インチの隙間要件を満たしていない場合、または側面に十分な通気穴を備えていない場合は、使用しないでください。
リレー ラックの直立列では、シャーシ内の適切なエアー フローを確保するために十分なカットアウト、穴、または通気口がある場合、推奨される側面の空間より狭くてもかまいません。固定の垂直材を持つ 2 支柱ラックでは、無制限エアー フローの列深さの最大推奨値は、23 インチ ラックの場合は 5 インチ(13 cm)、19 インチ ラックの場合は 4 インチ(10 cm)です。
-
格納ラックまたは部分的に密閉されたラック内の温度がシャーシの動作温度範囲内であることを確認してください。シャーシをラックに取り付けたら、シャーシに電源を投入して、シャーシの温度が安定するまで(およそ 2 時間)待機します。
シャーシの左側面の、水平方向と垂直方向の両方でシャーシの中心にあたる箇所から 2.5 cm(1 インチ)離したところに外部温度プローブを配置して、シャーシの吸気グリルの周辺温度を測定します。
シャーシの前面の、カード スロットの上にある電源装置セクションを中心にして 2.5 cm(1 インチ)離したところに外部温度プローブを配置して、電源装置の吸気グリルの周辺温度を測定します。
-
標高 1,800 m(6,000 フィート)以下で吸気口の周辺温度が 45 °C(109 °F)未満である場合は、そのラックは吸気温の基準を満たしています。そのしきい値から 3,000 m(10,000 フィート)までの標高では、吸気口は 40 °C(104 °F)を超えてはなりません。
-
吸気口の周辺温度がこの推奨値を超える場合、システムにマイナー温度アラームが発生し、それに応じてファン速度が上がる可能性があります。
-
吸気口の周辺温度が 55 °C(131 °F)以上である場合、システムにメジャー温度アラームが発生し、それに応じてファン速度が最大になる可能性があります。周辺温度がさらに上がり続けると、システムは保護的シャットダウンで対応します。
-
-
拡張する場合は、あらかじめ計画を立ててください。密閉型ラック、または部分的に密閉されたラックに現在取り付けられているスイッチは、現時点では周辺温度およびエアーフローの要件を満たしている可能性があります。ただし、ラックにシャーシを追加したり、ラック内のシャーシにモジュールを追加したりすると、生成される追加の熱により、シャーシまたは電源装置の吸気口の周辺温度が推奨される条件を超え、熱アラームを誘発する可能性があります。
吸気口温度およびエアー フローの取り付け条件が限界、または十分には満たされていない場合は、ファン トレイの NEBS モードをアクティブにします。これにより、制限された空間および周辺温度の上昇に対処するために、よりアグレッシブはプログラミングが適用されます。この結果、温度アラームが少なくなり、上昇したファン速度に関連して音響ノイズが大きくなり、電力消費量も大きくなります。
湿度
湿度が高いと、湿気がシステム内まで浸透する可能性があります。この湿気が原因で、内部コンポーネントの腐食と、電気抵抗、熱伝導性、物理的強度、サイズなどの特性の劣化が起こることがあります。システム内に湿気が充満してくると、ショートを起こすおそれがあります。ショートが起きると、システムに重大な損傷を起こしてしまう場合があります。各システムの保管時および動作時の定格湿度は、相対湿度 10 ~ 95%(結露なし)、1 時間あたりの湿度変化 10% です。温暖期の空調と寒冷期の暖房により室温が四季を通して管理されている建物内では、システム装置にとって、通常許容できるレベルの湿度が維持されています。ただし、システムを極端に湿度の高い場所に設置する場合は、除湿装置を使用して、湿度を許容範囲内に維持してください。
高度
標高の高い(気圧の低い)場所でシステムを稼働させると、対流型の強制冷却機能の効率が低下し、アーク放電やコロナ放電などの電気障害の原因になる場合があります。また、このような状況では、電解コンデンサなどの、内部圧力がかかっている密閉コンポーネントが動作しなかったり、その効率が低下したりする場合もあります。
埃とごみ
シャーシ内のさまざまな開口部を通じて室温の空気を吸気し、加熱された空気を排気することによって、ファンは電源装置およびシステム コンポーネントを冷却します。しかし、ファンはほこりやごみを吸い込み、システムに混入物質を蓄積させ、内部シャーシの温度が上昇する原因にもなります。清潔な作業環境を保つことで、ほこりやごみによる悪影響を大幅に減らすことができます。これらの異物は絶縁体となり、システムの機械的なコンポーネントの正常な動作を妨げます。
次に示す規格では、許容される動作環境および浮遊する粒子状物質の許容レベルについて規定されています。
-
National Electrical Manufacturers Association(NEMA)タイプ 1
-
国際電気標準会議(IEC)IP-20
電波品質
埃はあらゆる場所に存在し、多くの場合、肉眼では見えません。埃には、風などで舞い上がる土埃、火山活動、大気汚染など、さまざまな発生源に由来する空気中の微細な粒子が含まれています。機器の設置場所の埃には、少量の繊維、紙繊維、屋外の土壌からの鉱物などが含まれている場合があります。さらに、海洋環境からの塩素などの自然汚染物や、硫黄などの工業汚染物も含まれるでしょう。イオン化した埃やデブリは危険であり、電子機器に引き付けられます。
電子機器に埃やデブリが積もると、以下のような悪影響を及ぼします。
-
機器の動作温度が上昇します。アレニウス効果により、動作温度が上昇すると、機器の信頼性と寿命が低下します。
-
埃に含まれる水分と腐食性の要素は、電子部品または機械部品を腐食させ基板の故障を早める原因になります。
このような負の効果は、データネットワーキング機器内部のファンによって加速する場合があります。ファンによって埃などの粒子が機器内に取り込まれるからです。通常、空冷ファンによって発生する気流の量が多いほど、機器内部に堆積する埃や微粒子の量も多くなります。ANSI 71-04-2013 規制に記載されているガイドラインに従って、設置場所にある埃や微粒子を除去または最小限にしてください。
![]() (注) |
ANSI 71-04-2013 規制に記載されているガイドラインに加えて、他の汚染物質を除去または最小限に抑えるために、設置場所の条件により該当するすべてのガイドラインに従ってください。 |
腐食
腐食は、電子部品とガスの間で発生する金属の劣化を引き起こす化学反応です。腐食は、エッジコネクタ、ピンコネクタ、IC プラグインソケット、ワイヤラップ、およびその他すべての金属コンポーネントを攻撃します。腐食性気体の種類や濃度レベルに応じて、機器部品の性能劣化が短期間、またはある期間に渡って進行する場合があります。腐食は、電流の遮断、脆弱な接続ポイント、電気系統の過熱などの原因にもなります。副作用として絶縁層が回路上に形成され、電子的な故障、回路のショート、腐食孔、金属損失を引き起こします。
主に PCBA(プリント基板アセンブリ)に影響する間隙腐食と呼ばれるタイプの腐食は、硫黄を多く含む(硫化水素)過酷なエンドユーザー環境に PCBA が長時間置かれると発生します。腐食は、銅や銀などの特定の露出した金属で始まり、残りの金属表面に沿ってクリープし、電気的ショートを引き起こすか、穴を開けます。間隙腐食は、抵抗器やプリント基板などの電子部品でも発生します。
腐食を防止するために、ANSI 71-04-2013 規制に記載されているガイドラインに従って、設置場所にある埃や微粒子を除去または最小限にしてください。

EMI および無線周波数干渉
システムからの電磁波干渉(EMI)および無線周波数干渉(RFI)は、システムの周辺で稼働している装置(ラジオやテレビ受信機など)に悪影響を及ぼす可能性があります。システムが発する無線周波数は、コードレスおよび低出力の電話にも干渉することがあります。逆に、高出力の電話からの RFI によって、システムのモニタに意味不明の文字が表示されることがあります。RFI とは、10 kHz を超える周波数を発生する EMI のことです。このタイプの干渉は、電源コードおよび電源または送信される電波の形で空気中を通じてシステムから他の装置に伝わる場合があります。米国連邦通信委員会(FCC)は、コンピュータ装置が放出する有害な干渉量を制限する固有の規制を公表しています。各システムは、FCC の規格を満たしています。EMI および RFI の発生を抑えるために、次の注意事項に従ってください。
-
常にシャーシカバーを取り付けた状態でシステムを運用します。
-
シャーシのすべてのスロットが金属製フィルタ ブラケットによって覆われており、未使用の電源ベイに金属製カバー プレートが装着されていることを確認します。
-
すべての周辺ケーブル コネクタのネジが、シャーシ背面の対応するコネクタに確実に締め付けられていることを確認します。
-
システムと周辺装置との接続には、必ず、金属製コネクタ シェル付きのシールド ケーブルを使用します。
電磁界内で長距離にわたって配線を行う場合、磁界と配線上の信号の間で干渉が発生することがあります。このため、プラント配線を行う場合は、次の 2 点に注意する必要があります。
-
配線を適切に行わないと、プラント配線から無線干渉が発生することがあります。
-
特に雷または無線電信機によって起こされる強力な EMI は、シャーシ内の信号ドライバやレシーバを破損したり、電圧サージが回線を介して装置内に伝導するなど、電気的に危険な状況をもたらす原因になります。
![]() (注) |
強力な EMI を予測し、解決策を提供するには、RFI の専門家に問い合わせてください。 |
アース導体を適切に配置してツイストペアケーブルを使用すれば、配線から EMI が発生することはほとんどありません。推奨距離を超える場合は、データ信号ごとにアース導体を施した高品質のツイストペア ケーブルを使用してください。
配線が推奨距離を超える場合、または配線が建物間にまたがる場合は、近辺で発生する落雷の影響に十分に注意してください。雷などの高エネルギー現象で発生する電磁波パルスにより、電子装置を破壊するほどのエネルギーが非シールド導体に発生することがあります。過去にこのような問題が発生した場合は、電力サージ抑止やシールドの専門家に相談してください。
![]() 注意 |
機器またはサブアセンブリの屋内ポート(銅線ベースのイーサネットポート)は、建物内配線や非露出配線、またはケーブル配線のみの接続に適しています。機器またはサブアセンブリの屋内ポートが、局外設備(OSP)あるいはその配線に接続されるインターフェイスに金属的に接続される場合、その接続を 6 メートル(約 20 フィート)以上にしないでください。これらのインターフェイスは屋内インターフェイス専用(GR-1089-CORE に記載されたタイプ 2、タイプ 4、またはタイプ 4a ポート)に設計されており、屋外用の OSP ケーブルと区別する必要があります。一次保護装置を追加しても、これらのインターフェイスを OSP 配線系統に金属的に接続するには保護が不十分です。 |
衝撃および振動
機器は、GR-63-CORE の「Earthquake, Office, and Transportation Vibration, and Equipment Handling Criteria(地震、事務所、および輸送の振動、および機器の取扱基準)」に準拠しています。
電源の中断
システムは、AC 電源によって供給される電圧の変動の影響を特に受けやすくなっています。過電圧、低電圧、および過渡電圧(またはスパイク)によって、データがメモリから消去されたり、コンポーネントの障害が発生するおそれがあります。このような問題から保護するには、電源ワイヤリングのアース導体が常に適切にアースされる必要があります。また、システムは、専用電力回路に設置してください(電力を大量に消費する他の機器と回路を共用しないでください)。一般に、システムの回路は次の機器とは共用できません。
-
コピー機
-
エアコン
-
電気掃除機
-
ストーブ
-
電動工具
-
テレタイプ
-
レーザー プリンタ
-
Fax
-
その他の電動装置
これらの電気製品に加えて、システムの電源装置にとって最大の脅威となるのは、雷によるサージ電圧、または停電です。雷が発生しているときは、できるだけシステムおよび周辺機器の電源をオフにし、プラグを電源から抜いてください。システムに電源が入っている状態で停電が発生した場合は、一時的なものであっても、ただちにシステムの電源をオフにし、コンセントから外します。システムの電源を入れておくと、電源が復旧した場合に問題が発生するおそれがあります。同じ場所で電源をオフにしていなかった他のすべての電気製品が、大きな電圧スパイクを起こし、システムに損傷を与える場合があります。
システムのアース接続
![]() 警告 |
ステートメント 1046 - 装置の設置または交換 感電のリスクを軽減するため、装置を設置または交換するときには、必ずアースを最初に接続し、最後に取り外します。 装置にモジュールがある場合は、提供されたネジで固定してください |
シャーシ設置プロセスの一部として、システム アースを取り付ける必要があります。シャーシを設置する際にシステムに十分なアース接続を行う場合、3P AC プラグ(アース付き)を使用するだけでは不十分です。
適切にアースすることで、建物とその中に設置された装置を低インピーダンスで接続し、シャーシ間の電圧差を低くすることができます。システム アースを取り付けると、感電の危険性を低減あるいは防止でき、過渡電流によって装置が損傷する可能性を大幅に低減できます。またデータが破損する可能性もはるかに小さくなります。
適切かつ完全なシステム アースを使用しない場合、静電気放電(ESD)によってコンポーネントが損傷する危険性が高くなります。さらに、システム アースを使用しない場合、大いにデータが破損したり、システムがロックアップする可能性も高くなり、システムが頻繁にリブートするといった状況が増えたりします。
![]() 注意 |
3P AC プラグ(アース付き)だけを使用してシャーシを設置すると、装置に問題が発生したり、データが破損したりする危険性が、3P AC プラグ(アース付き)とシステム アースの両方を使用して適切に設置された場合よりもはるかに高くなります。 |
以下の表は、一般的なアースのガイドラインを示しています。
環境 |
電磁ノイズの重大度レベル |
推奨されるアース方法 |
---|---|---|
商業用ビルが、落雷の危険性にさらされている。 たとえば、フロリダなどの米国内の一部の地域は、他の地域に比べ落雷の危険性が高い。 |
高 |
製造業者の推奨事項に厳密に従い、すべての避雷装置を取り付ける必要があります。雷電流を流す導体は、適用可能な推奨事項と建築基準法に従い、電力線およびデータ回線から離しておく必要があります。最善のアース接続を行う必要があります。 |
商業用ビルが、頻繁に雷雨は発生するが、落雷の危険性の低いエリアにある。 |
高 |
最善のアース接続を行う必要があります。 |
商業用ビルに、情報テクノロジー機器と溶接などの工業設備が混在している。 |
中ないし高 |
最善のアース接続を行う必要があります。 |
既存の商業用ビルは、自然環境によるノイズにも、人工の工業ノイズにもさらされていない。このビル内は、標準的なオフィス環境である。過去に電磁ノイズが原因で設備が故障したことがある。 |
中 |
最善のアース接続を行う必要があります。可能であればノイズの発生源および原因を特定し、発生源でノイズの発生をできるかぎり低減するか、またはノイズの発生源と被影響機器の間のカップリングを減らします。 |
新しい商業用ビルは、自然環境によるノイズにも、人工の工業ノイズにもさらされていない。このビル内は、標準的なオフィス環境である。 |
低 |
最善のアース接続を行うことを推奨します。電磁気ノイズによる問題の発生は予想されませんが、新しいビルでは最善のアース接続を行うことが往々にして最も低コストであり、かつ将来のために有益です。 |
既存の商業用ビルは、自然環境によるノイズにも、人工の工業ノイズにもさらされていない。このビル内は、標準的なオフィス環境である。 |
低 |
最善のアース接続を行うことを推奨します。電磁気ノイズによる問題の発生は予想されませんが、最善のアース接続をすることを強く推奨します。 |
![]() (注) |
すべてのケースにおいて、アース接続の方法は、National Electric Code(NEC)の第 250 条に定める要件またはその地域の法令に準拠する必要があります。シャーシからラック アースまたは共通ボンディング網(CBN)に直接アース接続する場合、6 AWG アース線を使用することを推奨します。装置ラックも 6 AWG アース線を使用して、CBN に接続する必要があります。 |
![]() (注) |
アースラグは、シャーシにマークされている場所にのみ取り付ける必要があります。 |
![]() (注) |
すべてのモジュールが完全に取り付けられ、非脱落型ネジが完全に締められていることを必ず確認してください。さらに、すべての I/O ケーブルと電源コードが適切に接続されていることを確認してください。これらの方法は、すべての設置時に従う必要がある標準的な設置方法です。 |
電気製品を扱う場合の注意
電気機器を取り扱う際には、次の注意事項に従ってください。
-
危険を伴う作業は、一人では行わないでください。
-
回路の電源が切断されていると思い込まず、作業前に必ず回路の電源が切断されていることを確認してください。
-
電源を切ったときは、だれかが誤って電源を入れないように、回路にロックボックスを置いてください。
-
床が濡れていないか、アースされていない電源延長コード、摩耗または損傷した電源コードや保護アースの不備などがないか、作業場所の安全を十分に確認してください。
-
電気事故が発生した場合は、次の手順に従ってください。
-
負傷しないように十分注意してください。
-
システムの電源を切断してください。
-
必要に応じて、医学的な配慮を行ってください。
-
-
製品を使用する場合は、指定された電力定格内で使用し、製品の使用説明書に従ってください。
-
製品は、各地域および国の電気関連法規に従って設置してください。
-
次の状態のいずれかが発生した場合は、Cisco Technical Assistance Center(TAC)に連絡してください。
-
電源コードまたはプラグが破損している。
-
何かの物体が製品に入り込んだ。
-
製品に水またはその他の液体がかかってしまった。
-
製品が落下した、あるいは製品に損傷を受けた形跡がある。
-
操作指示に従っているのに、製品が正しく動作しない。
-
-
正しい外部電源を使用してください。製品は、電力定格ラベルに記載されている種類の電源だけを使用して稼働させてください。必要な電源の種類が不明な場合は、最寄りの電気技師にご相談ください。
-
AC 入力電源モジュールの場合は、購入されたシャーシ電源に、購入国での使用を目的とした電源コードが 1 本以上付属しています。追加の電源コードを購入する必要がある場合には、電源コードが製品に適したものであり、製品の電力定格ラベルに記載されている定格電圧および定格電流に適合していることを確認してください。電源コードの定格電圧および定格電流は、電力定格ラベルに記載されている定格より大きくなければなりません。
DC 入力電源モジュールの場合は、必要なケーブルが電源モジュールに付属しておらず、入手する必要があります。ケーブル長、ワイヤ ゲージ、およびラグのサイズが、シャーシの要件、設置場所に固有の設置要件、および地域の電気工事規定を満たしていることを確認してください。詳細なガイダンスについては、「Required Tools and Equipment」の項を参照してください。
-
感電を防止するために、すべての電源コードを適切にアースされているコンセントに接続してください。これらの電源コードには、適切なアースを確保するのに役立つ、アース線付き 3P プラグが付いています。アダプタを使用したり、電源コードからアース線を取り外さないでください。
-
電源ストリップの定格を遵守してください。電源ストリップに接続されている全製品の定格電流の合計が電源ストリップの定格の 80% を超えないことを確認してください。
-
電源コードやプラグを自分で改造しないでください。設置場所に変更を加える場合には、相応の資格を持つ電気技術者または電力会社に相談してください。必ず電気配線に関する地方自治体の条例および国の法令に従ってください。
ESD による損傷の防止
静電破壊は、モジュールや他の FRU の不適切な扱いにより発生し、モジュールまたは FRU の断続的または完全な故障を引き起こす場合があります。モジュールには、金属製フレームに固定されたプリント基板があります。EMI シールドおよびコネクタは、フレームを構成する部品です。金属製フレームは、ESD からプリント基板を保護しますが、モジュールを扱うときには必ず、静電気防止用アース ストラップを着用してください。静電破壊を防ぐために、次の注意事項に従ってください。
-
常に静電気防止用リストまたはアンクル ストラップを肌に密着させて着用してください。
-
ストラップの装置側を塗装されていないシャーシの面に接続します。
-
コンポーネントを取り付けるときは、イジェクトレバーまたは非脱落型ネジを使用して、バックプレーンまたはミッドプレーンのバスコネクタに適切に固定します。これらの器具は、プロセッサの脱落を防ぐだけでなく、システムに適切なアースを接続し、バス コネクタを確実に固定させるためにも必要です。
-
コンポーネントを取り外すときは、イジェクトレバーまたは非脱落型ネジを使用して、バックプレーンまたはミッドプレーンからバスコネクタを外します。
-
フレームを取り扱うときは、ハンドルまたは端の部分だけを持ち、プリント基板またはコネクタには手を触れないでください。
-
取り外したコンポーネントは、基板側を上向きにして、静電気防止用シートに置くか、静電気防止用容器に入れます。コンポーネントを工場に返却する場合は、ただちに静電気防止用容器に入れてください。
-
プリント基板と衣服が接触しないように注意してください。リスト ストラップは体内の静電気からコンポーネントを保護するだけです。衣服の静電気によってコンポーネントが損傷することがあります。
-
金属製フレームからプリント基板を取り外さないでください。