ワイヤレス冗長性の設定

ワイヤレス コントローラの冗長性について

冗長アーキテクチャでは、1 台のワイヤレス コントローラがアクティブ状態となり、もう 1 台のコントローラがスタンバイ状態となります。スタンバイ コントローラは常時、冗長ポートを介してアクティブ コントローラのヘルスをモニターします。両方のコントローラは管理インターフェイスの IP アドレスを含め、同じ設定を共有します。

コントローラがスタンバイ状態になるか、アクティブ状態になるかは、製造時に発注される固有デバイス識別情報(UDI)である、冗長在庫管理単位(SKU)に基づきます。冗長 SKU UDI を持つコントローラは、起動されて永続カウント ライセンスを実行するコントローラとペアになる場合、最初はスタンバイ状態です。永続カウント ライセンスを持つコントローラの場合、コントローラがアクティブ状態であるか、スタンバイ状態であるかを手動で設定できます。

このリリースでは、アクセス ポイントのステートフル スイッチオーバー(AP SSO)がサポートされます。AP SSO により、AP セッションがスイッチオーバー後もそのままであることが保証されます。

クライアントのステートフル スイッチオーバーはサポートされていません。これは、ほぼすべてのクライアントが認証解除され、アクティブ状態の新しいコントローラに再び関連付けられることを意味します。この規則の唯一の例外は、FlexConnect モードのアクセス ポイントでローカルに切り替えられる WLAN 上のクライアントです。

冗長性の前提条件と制限事項

ワイヤレス コントローラの冗長性を設定する前に、以下の前提条件および制限事項を考慮する必要があります。

  • ワイヤレス コントローラの冗長性は、5500、7500、8500、および Wism2 のコントローラでサポートされます。
  • プライマリおよびセカンダリ コントローラは、同じハードウェア モデルである必要があります。
  • プライマリおよびセカンダリ コントローラは、同じコントローラ ソフトウェア リリースを実行している必要があります。
  • 管理、冗長管理、およびピア冗長管理インターフェイスの IP アドレスは、同じサブネット内にある必要があります。
  • サービス ポートの IP アドレスおよびルート情報はデバイスごとに維持されます。
  • 冗長性がコントローラ上で有効な場合、Prime Infrastructure やその他のデバイスでもスタンバイ コントローラを管理できません。
  • コントローラがサービス ポートを経由して Prime Infrastructure に追加された場合、コントローラの冗長性を有効にすることはできません。コントローラの冗長性を有効にするには、コントローラを削除し、管理インターフェイスを通じてそのコントローラを追加する必要があります。
  • コントローラと Prime Infrastructure 間に監査の不一致がある場合、コントローラでは Prime Infrastructure から冗長パラメータを復元しないでください。ただし、Prime Infrastructure の冗長パラメータを更新することはできます。
  • 冗長性を有効にする前に、各デバイスの証明書をダウンロードする必要があります。
  • 設定がネットワークからアクティブ コントローラにダウンロードされ、続いて、詳細が冗長インターフェイス経由でスタンバイ コントローラに転送されます。
  • 古いアクティブ コントローラが新しいアクティブ コントローラとペアになると、古いアクティブ コントローラには制御が移らず、新しいアクティブ コントローラのスタンバイ コントローラになります。

冗長インターフェイスの設定

冗長インターフェイスには、冗長管理インターフェイスと冗長ポート インターフェイスの 2 つがあります。冗長管理インターフェイスは、管理インターフェイスのサブネット マスク、ゲートウェイ、および VLAN ID を共有するローカル物理管理インターフェイスです。プライマリおよびセカンダリ コントローラの冗長性を有効にするには、冗長管理インターフェイスの IP アドレスだけを設定する必要があります。冗長ポート インターフェイスの IP アドレスは自動生成され、内部的に使用されます。

Procedure


Step 1

[設定(Configuration)] > [ネットワーク(Network)] > [ネットワーク デバイス(Network Devices)] を選択します。

Step 2

[デバイス グループ(Device Groups)] 領域で、[デバイス タイプ(Device Type)] を展開し、次に [ワイヤレス コントローラ(Wireless Controller)] を展開します。

Step 3

プライマリ コントローラとして選択したデバイスと一致するワイヤレス コントローラのグループを選択します(たとえば、Cisco 5500 シリーズ ワイヤレス LAN コントローラなど)。このデバイス グループのメンバーが右側に表示されます。

Step 4

プライマリ コントローラの [Device Name] をクリックします。

Step 5

[Configuration] タブをクリックします。

Step 6

左側のサイドバーのメニューから、[Redundancy] > [Global Configuration] の順に選択します。[グローバル コンフィギュレーション(Global Configuration)] ページが表示されます。

Step 7

[冗長性 - 管理 IP(Redundancy-Management IP)] テキスト ボックスに、管理インターフェイスのサブネットに属している IP アドレスを入力します。

Step 8

[Save] をクリックします。


プライマリ コントローラの冗長性の設定

Procedure


Step 1

[設定(Configuration)] > [ネットワーク(Network)] > [ネットワーク デバイス(Network Devices)] の順に選択します。

Step 2

[デバイス グループ(Device Groups)] 領域で、[デバイス タイプ(Device Type)] を展開し、次に [ワイヤレス コントローラ(Wireless Controller)] を展開します。

Step 3

冗長性管理インターフェイス IP アドレスを設定したデバイスと一致するワイヤレス コントローラのグループを選択します(たとえば、Cisco 5500 シリーズ ワイヤレス LAN コントローラなど)。このデバイス グループのメンバーが右側に表示されます。

Step 4

冗長管理インターフェイスの IP アドレスを設定したコントローラの [デバイス名(Device Name)] をクリックします。

Step 5

[Configuration] タブをクリックします。

Step 6

左側のサイドバーのメニューから、[Redundancy] > [Global Configuration] の順に選択します。[グローバル コンフィギュレーション(Global Configuration)] ページが表示されます。

Step 7

プライマリ コントローラの冗長モードを有効にする前に、次のパラメータを設定する必要があります。

  1. [Redundancy-Management IP]:冗長管理インターフェイスの詳細ページで設定した、ローカル物理管理インターフェイスの IP アドレスが表示されます。また、IP アドレスを変更することもできます。

  2. [Peer Redundancy-Management IP]:ピアの冗長管理インターフェイスの IP アドレスを入力します。

  3. [Redundant Unit]:[Primary] を選択します。

  4. [Mobility MAC Address]:冗長ペアの仮想 MAC アドレスを入力します。入力するモビリティ MAC アドレスがプライマリおよびセカンダリの両方のコントローラで同じであることを確認します。

Step 8

[Save] をクリックします。冗長モードの [Enabled] チェック ボックスが有効になります。

Step 9

プライマリ コントローラの冗長性を有効にするには、冗長モードの [Enabled] チェック ボックスをオンにします。

冗長性を有効にした後で、[Redundancy-Management IP]、[Peer Redundancy-Management IP]、[Redundant Unit]、および [Mobility MAC Address] のパラメータを変更することはできません。

冗長ペアの処理中にこのコントローラを設定できません。

Step 10

[Save] をクリックします。設定が保存され、システムがリブートされます。


セカンダリ コントローラの冗長性の設定

Procedure


Step 1

[設定(Configuration)] > [ネットワーク(Network)] > [ネットワーク デバイス(Network Devices)] の順に選択します。

Step 2

[デバイス グループ(Device Groups)] 領域で、[デバイス タイプ(Device Type)] を展開し、次に [ワイヤレス コントローラ(Wireless Controller)] を展開します。

Step 3

セカンダリ コントローラとして動作するように選択したデバイスと一致するワイヤレス コントローラのグループを選択します(たとえば、Cisco 5500 シリーズ ワイヤレス LAN コントローラなど)。このデバイス グループのメンバーが右側に表示されます。

Step 4

セカンダリ コントローラの [Device Name] をクリックします。

Step 5

[Configuration] タブをクリックします。

Step 6

左側のサイドバーのメニューから、[Redundancy] > [Global Configuration] の順に選択します。[グローバル コンフィギュレーション(Global Configuration)] ページが表示されます。

Step 7

セカンダリ コントローラの冗長モードを有効にする前に、次のパラメータを設定する必要があります。

  1. [Redundancy-Management IP]:ローカル物理管理インターフェイスの IP アドレスを入力します。この IP アドレスは、プライマリ コントローラのピアの冗長管理インターフェイスの IP アドレスと同じである必要があります。

  2. [Peer Redundancy-Management IP]:ピアの物理管理インターフェイスの IP アドレスを入力します。この IP アドレスは、プライマリ コントローラのローカル物理冗長管理インターフェイスの IP アドレスと同じである必要があります。

  3. [Redundant Unit]:[Secondary] を選択します。

  4. [Mobility MAC Address]:冗長ペアの仮想 MAC アドレスを入力します。入力するモビリティ MAC アドレスがプライマリおよびセカンダリの両方のコントローラで同じであることを確認します。

Step 8

[Save] をクリックします。冗長モードの [Enabled] チェック ボックスが有効になります。

Step 9

セカンダリ コントローラの冗長性を有効にするには、冗長モードの [Enabled] チェック ボックスをオンにします。

冗長性を有効にした後で、[Redundancy-Management IP]、[Peer Redundancy-Management IP]、[Redundant Unit]、および [Mobility MAC Address] のパラメータを変更することはできません。

冗長ペアの処理中にプライマリ コントローラを設定できません。

Step 10

[Save] をクリックします。設定が保存され、システムがリブートされます。


冗長性状態のモニタリング

冗長モードがプライマリおよびセカンダリ コントローラで有効になると、システムがリブートされます。両方のコントローラの冗長ステートが、[Wireless Controller Members] リスト ページで [Enabled] になります。以下のトラップがトリガーされます。

  • RF_SWITCHOVER_ACTIVITY:このトラップは、スタンバイ コントローラが新しいアクティブ コントローラになるとトリガーされます。
  • RF_PROGRESSION_NOTIFY:このトラップは、プライマリまたはアクティブ コントローラのステートが [Disabled] から [StandbyCold] に変更された後、[StandbyHot] に変更されると、そのピア コントローラによってトリガーされます。
  • RF_HA_SUP_FAILURE_EVENT:このトラップは、アクティブとスタンバイ コントローラ間の不一致のために冗長性が失敗したときにトリガーされます。

これらのトラップについて詳しくは、『Cisco Prime Infrastructure Alarms and Events』を参照してください。

ローカルおよびピアのステート、装置、冗長管理の IP アドレス、ピアの冗長管理、冗長ポート、ピアの冗長ポート、ペア コントローラのピア サービス ポートなど、冗長ステートの詳細を表示できます。

これらの詳細を表示するには、[モニター(Monitor)] > [管理対象要素(Managed Elements)] > [ネットワーク デバイス(Network Devices)] > [デバイス タイプ(Device Type)] > [ワイヤレス コントローラ(Wireless Controller)] > [コントローラ グループ(Controller Group)] > [コントローラ(Controller)] > [デバイスの詳細(Device Details)] > [冗長性(Redundancy)] > [冗長性状態(Redundancy States)] を選択します。

ピア サービス ポートの IP およびサブネット マスクの設定

ピア コントローラのステートが [StandbyHot] の場合にだけ、ピア サービス ポートの IP アドレスおよびサブネット マスクを設定できます。ピア サービス ポートの IP アドレスを設定する前に、DHCP がローカル サービス ポートで無効になっていることを確認します。

Procedure


Step 1

[設定(Configuration)] > [ネットワーク(Network)] > [ネットワーク デバイス(Network Devices)] の順に選択します。

Step 2

[デバイス グループ(Device Groups)] 領域で、[デバイス タイプ(Device Type)] を展開し、次に [ワイヤレス コントローラ(Wireless Controller)] を展開します。

Step 3

プライマリ コントローラまたはアクティブ コントローラが含まれるワイヤレス コントローラのグループを選択します。このデバイス グループのメンバーが右側に表示されます。

Step 4

プライマリまたはアクティブ コントローラのデバイス名をクリックします。

Step 5

[設定(Configuration)] タブをクリックします。

Step 6

左側のサイドバー メニューで、[冗長性(Redundancy)] > [グローバル設定(Global Configuration)] を選択します。[グローバル コンフィギュレーション(Global Configuration)] ページが表示されます。

Step 7

次のフィールドに入力します。

  1. [Peer Service Port IP]:ピア サービス ポートの IP アドレスを入力します。

  2. [Peer Service Netmask IP]:ピア サービス サブネット マスクの IP アドレスを入力します。

Step 8

[Save] をクリックします。


ピア ネットワーク ルートの追加

ピア コントローラのステートが [StandbyHot] の場合にだけ、アクティブ コントローラでピア ネットワーク ルートを追加できます。新しいネットワーク ルート テーブルが維持されます。スタンバイ コントローラがアクティブになると、ネットワーク ルート テーブルのエントリは、ピア ネットワーク ルート テーブルのエントリとスワップされます。

Procedure


Step 1

[設定(Configuration)] > [ネットワーク(Network)] > [ネットワーク デバイス(Network Devices)] の順に選択します。

Step 2

[デバイス グループ(Device Groups)] 領域で、[デバイス タイプ(Device Type)] を展開し、次に [ワイヤレス コントローラ(Wireless Controller)] を展開します。

Step 3

冗長管理インターフェイスの IP アドレスを設定したコントローラが含まれるワイヤレス コントローラのグループを選択します。このデバイス グループのメンバーが右側に表示されます。

Step 4

冗長管理インターフェイスの IP アドレスを設定したコントローラの [デバイス名(Device Name)] をクリックします。

Step 5

[設定(Configuration)] タブをクリックします。

Step 6

左側のサイドバーのメニューから、[冗長性(Redundancy)] > [ピア ネットワーク ルート(Peer Network Route)] の順に選択します。

Step 7

[コマンドの選択(Select a command)] > [ピア ネットワーク ルートの追加(Add Peer Network Route)] > [実行(Go)] を選択します。[ピア ネットワーク ルートの詳細(Peer Network Route Details)] ページが表示されます。

Step 8

次のフィールドに入力します。

  1. [IP アドレス(IP Address)]:ピア ネットワーク ルートの IP アドレスを入力します。

  2. [IP ネットマスク(IP Netmask)]:ピア ネットワーク ルートのサブネット マスクを入力します。

  3. [ゲートウェイ IP アドレス(Gateway IP Address)]:ピア ネットワーク ルート ゲートウェイの IP アドレスを入力します

Step 9

[保存(Save)] をクリックします。ピア ネットワーク ルートが追加されます。


セカンダリ サーバーのリセットおよびセカンダリ サーバーからのファイルのアップロード

セカンダリ サーバーが [StandbyHot] 状態であり、ハイアベイラビリティ ペアリング プロセスが完了している場合、セカンダリ サーバーをリセットできます。また、セカンダリ サーバーからプライマリ サーバーにファイルをアップロードすることもできます。

Procedure


Step 1

[設定(Configuration)] > [ネットワーク(Network)] > [ネットワーク デバイス(Network Devices)] の順に選択します。

Step 2

[デバイス グループ(Device Groups)] 領域で、[デバイス タイプ(Device Type)] を展開し、次に [ワイヤレス コントローラ(Wireless Controller)] を展開します。

Step 3

冗長管理インターフェイスの IP アドレスを設定したコントローラが含まれるワイヤレス コントローラのグループを選択します。このデバイス グループのメンバーが右側に表示されます。

Step 4

冗長管理インターフェイスの IP アドレスを設定したコントローラの [デバイス名(Device Name)] をクリックします。

Step 5

[設定(Configuration)] タブをクリックします。

Step 6

左側のサイドバーのメニューから、[冗長性(Redundancy)] > [冗長コマンド(Redundancy Commands)] の順に選択します。

Step 7

[管理コマンド(Administrative Commands)] で、[コマンドの選択(Select a command)] > [スタンバイのリセット(Reset Standby)] > [実行(Go)] を順に選択して、セカンダリ サーバーをリセットします。

Step 8

[アップロード/ダウンロード コマンド(Upload/Download Commands)] で、次のように操作します。

  1. セカンダリ サーバーからプライマリ サーバーにファイルをアップロードするときに使用するトランスポート プロトコルを選択します([TFTP] がデフォルトです)。

  2. [コマンドの選択(Select a command)] > [スタンバイ コントローラのファイルのアップロード(Upload File from Standby Controller)] > [実行(Go)] を選択して、セカンダリ サーバーからプライマリ サーバーにファイルをアップロードします。


コントローラの冗長性の無効化

コントローラの冗長性を無効にすると、アクティブおよびスタンバイの両方のコントローラがリブートされます。冗長パラメータの監査の不一致を解消するには、デバイスから設定を更新する必要があります。アクティブ コントローラはスタンドアロン コントローラになり、スタンバイ コントローラはポートがすべて無効に設定されてリブートします。

Procedure


Step 1

[設定(Configuration)] > [ネットワーク(Network)] > [ネットワーク デバイス(Network Devices)] の順に選択します。

Step 2

[デバイス グループ(Device Groups)] 領域で、[デバイス タイプ(Device Type)] を展開し、次に [ワイヤレス コントローラ(Wireless Controller)] を展開します。

Step 3

冗長性を無効にするコントローラが含まれるワイヤレス コントローラのグループを選択します。このデバイス グループのメンバーが右側に表示されます。

Step 4

冗長性を無効にするコントローラの [Device Name] をクリックします。

Step 5

[Configuration] タブをクリックします。

Step 6

左側のサイドバーのメニューから、[Redundancy] > [Global Configuration] の順に選択します。[グローバル コンフィギュレーションの詳細(Global Configuration details)] ページが表示されます。

Step 7

選択したコントローラの [Redundancy Mode] の [Enabled] チェックボックスをオフにします。

Step 8

[Save] をクリックします。設定が保存され、システムがリブートされます。