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この章では、Cisco Unified Communications システムで使用可能な Cisco Unified Contact Center ソリューションについて説明します。Cisco Unified Contact Center Express、Cisco Unified Contact Center Enterprise、Cisco Unified Customer Voice Portal などのシスコ製品に関する情報を示します。また、Cisco Unified Communications Manager やその他の Unified Communications コンポーネントを使用してこれらの Cisco Unified Contact Center 製品を配置する際の設計上の考慮事項についても取り上げます。
この章では最初に、メインの Cisco Unified Contact Center ポートフォリオの概要を示します。続いて、コンタクト センターのさまざまな Unified Communications 配置モデルについて取り上げます。最後に、帯域幅、遅延、Cisco Unified Communications Manager との統合、サイジングなどのトピックに関する設計上の考慮事項について説明します。
この章の目的は、各コンタクト センター製品とその各種コンポーネントの詳細を説明することではなく、各製品を Cisco Unified Communications システムと統合する際の設計上の考慮事項について説明することです。Unified Contact Center の各製品の詳細な設計ガイドラインは、Cisco Unified Contact Center Express、Cisco Unified Contact Center Enterprise、および Cisco Unified Customer Voice Portal 製品向けの設計ガイドを参照してください。製品別の設計ガイドへのリンクは、次の Web サイトを参照してください。
表 22-1 に、この章に新しく追加されたトピック、またはこのマニュアルの以前のリリースから大幅に改訂されたトピックの一覧を示します。
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これらの製品については、 https://www.cisco.com/go/srnd から入手できる SRND の以前のバージョンを参照してください。 |
この章では、次の主要な Cisco Contact Center 製品および関連機能について説明します。
Cisco Unified CM コール キューイング機能は、ハント パイロット番号に発信者をキューイングする機能を提供します。このオプションをイネーブルにすると、ハント パイロットへの発信者はコールに応答するハント メンバーして設定された利用可能なエージェント待ちのキューに置くことができます。発信者が最初にキューに入ると最初のグリーティング アナウンスを受信し、キューにある間は定期アナウンスが再生されます。エージェントが使用可能になると、キューからコールが取得され、エージェントによって応答されます。非常に限定された機能だけの基本的なコンタクト センターを必要とするお客様に対して、Cisco Unified CM コール キューイングは任意で設定できます。ただし、フル機能の Cisco Contact Center 製品とは異なり、Unified CM コール キューイング オプションには、エージェント デスクトップ、スーパーバイザ、およびレポート機能などのコンタクト センターの機能の多くがありません。フル機能のコンタクト センターが必要な場合、Cisco Unified Contact Center Enterprise または Cisco Unified Contact Center Express を使用する必要があります。
ハント パイロット行のメンバーはフォン画面からこれらの関連のハント パイロットに関するキューの状態を表示します。キューの状態には、次の情報が含まれます。
また、Unified CM コール キューイングはハント パイロット番号に基づくサービスアビリティ カウンタを介して、他の統計情報とともに、現在キューで待機しているコール数およびコールの最長待機時間に関する統計情報を提供します。これにより、スーパーバイザは、Real Time Monitoring Tool(RTMT)を使用してキューの状態をモニタすることができます。
次のいずれかの状況が発生した場合、各ハント パイロットに対して、発信者はボイスメールまたは別のハント パイロットなどの設定可能な代替の宛先にルーティングできます。
(注) SIP トランクを使用してキューに対応したハント パイロット番号にルーティングされる発信者は、その SIP トランクに関連付けられた SIP プロファイルの [1xx に SDP が含まれている場合に PRACK を送信(Send PRACK if 1XX contains SDP)] に [SIP Rel1XX オプション(SIP Rel1XX Options)] を設定する必要があります。
Unified CM コール キューイング オプションの詳細については、次の Web サイトで入手可能な『 System Configuration Guide for Cisco Unified Communications Manager 』の最新バージョンを参照してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/support/unified-communications/unified-communications-manager-callmanager/products-installation-and-configuration-guides-list.html
Cisco Unified Contact Center Enterprise(Unified CCE)は、コンタクト センター ソリューションを提供します。これにより、インバウンドおよびアウトバウンドの音声アプリケーションを、リアルタイム チャット、Web コラボレーション、電子メールなどのインターネット アプリケーションと統合できます。この統合により、顧客がどの通信チャネルを選択したかに関係なく、各エージェントが同時に複数のインタラクションに対応することを支援する統合的な機能が提供されます。各インタラクションは一意であり、個別的なサービスを必要とすることがあるため、シスコは、ほぼすべてのコンタクト属性に基づいて各インタラクションを管理するためのコンタクト センター ソリューションを提供しています。Unified CCE 配置は通常、大規模なコンタクト センターに対して使用され、何千ものエージェントをサポートできます。
また、事前設計され、バインドされている Unified CCE である Cisco Packaged Contact Center Enterprise(Packaged CCE)の配置モデルもあります。コンタクト センターの要件がソリューションの境界に該当するカスタマーは、簡素化された管理インターフェイス、より小規模なハードウェア フットプリント、およびより高速なインストールの利点を活用できます。また、Cisco Unified Contact Center Enterprise および Cisco Unified Customer Voice Portal の包括的な機能セットも利用できます。ソリューションには、包括的なレポーティングを提供するための Cisco Unified Intelligence Center および強化された次世代デスクトップ エクスペリエンスを提供するための Cisco Finesse デスクトップ ソフトウェアが同梱されています。Packaged CCE の詳細については、次の Web サイトで入手可能なマニュアルを参照してください。
Unified CCE は、次の主要なソフトウェア コンポーネントを採用しています。
Call Router は、コールまたはカスタマー コンタクトのルーティング方法に関するすべての決定を行います。
Logger は、コンタクト センターの設定情報とデータサーバへ配信する履歴レポートデータを一時的に格納するデータベースを保持します。Call Router および Logger の組み合わせは、 Central Controller と呼ばれます。
Peripheral Gateway(PG)は、各種の「周辺」機器(Cisco Unified CM、Cisco Unified IP Interactive Voice Response(Unified IP IVR)、Cisco Unified CVP、または Cisco Unified Web Interaction Manager(Unified WIM)や Cisco Unified E-Mail Interaction Manager(Unified EIM)などのマルチチャネル製品)を接続します。Unified CM と連携するペリフェラル ゲートウェイは、 Agent PG とも呼ばれます。
CTI サーバおよび CTI Object Server は、エージェント デスクトップと連携します。エージェント デスクトップは、Cisco Finesse エージェントとスーパーバイザのデスクトップ、Finesse IP Phone Agent、またはサードパーティ製 CRM アプリケーション向けのカスタマー リレーションシップ マネージメント(CRM)コネクタに基づいて設定できます。
Administration & Data Server は、設定インターフェイスと、リアルタイム データ ストレージと履歴データ ストレージを提供します。
Cisco Unified CCE ソリューションは、エージェントの電話機を制御する Cisco Unified Communications Manager(Unified CM)との統合に基づいています。Unified CM を使用せず従来の ACD を使用する配置では、Unified CCE ではなく Cisco Unified Intelligent Contact Management Enterprise(Unified ICME)を使用します。
キューイングおよびセルフサービスの機能は、Cisco Unified IP Interactive Voice Response(Unified IP IVR)または Cisco Unified Customer Voice Portal(Unified CVP)によって提供され、Unified CCE Call Router によって制御されます。
ほとんどの Unified CCE コンポーネントは冗長構成にする必要があります。冗長インスタンスは、サイド A インスタンスおよびサイド B インスタンスと呼ばれます。たとえば、Call Router A および Call Router B は、2 つの異なる仮想マシン上で稼働する Call Router コンポーネントの冗長インスタンスです。
エージェントは、いくつかのビデオ エンドポイント、および Cisco DX70 や DX80 などの Cisco TelePresence エンドポイントを含めて、多種多様のエンドポイントを使用できます。サポートされるエンドポイントの一覧については、以下のリンク先から入手できる『 Unified CCE Solution Compatibility Matrix 』の最新版を参照してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/support/customer-collaboration/unified-contact-center-enterprise/products-device-support-tables-list.html
Cisco Unified Customer Voice Portal(Unified CVP)は、Voice over IP(VoIP)ネットワークでの通信事業者クラスの音声およびビデオ IVR サービスを提供します。CRM データベース統合と、自動音声認識(ASR)とテキストツースピーチ(TTS)の統合により、Unified CVP は、基本的な入力要求と情報収集のアプリケーションや高度なセルフサービス アプリケーションを実行できます。また、Unified CVP は、音声ゲートウェイと IP エンドポイント間でコールをルーティングおよび転送することにより、IP ベースのコール スイッチング サービスを提供します。
Unified CVP は、Voice Extension Markup Language(VXML)をベースにしています。これは HTML に似た業界標準のマークアップ言語であり、Web 開発とコンテンツ配信の力を利用する IVR サービスを開発する目的で使用されます。
Unified CVP ソリューションは、次の主要なコンポーネントを採用しています。
Unified CVP コール サーバは、SIP サービスに呼制御機能を提供します。また、Unified CVP コール サーバは、Intelligent Contact Management(ICM)サービスを介して Unified CCE Call Router と統合できます。IVR サービスは、VXML Micro アプリケーションを実行したり、VoiceXML ページを作成するためのプラットフォームを提供します。
このコンポーネントは、VoiceXML ゲートウェイに組み込まれた音声ブラウザと VoiceXML ページをやりとりすることによって、複雑な IVR アプリケーションを実行します。Unified CVP VXML アプリケーションは、Cisco Unified Call Studio を使用して記述され、実行のために Unified CVP VXML Server に配置されます。Unified CVP コール サーバまたは Unified CVP VXML Server を経由する RTP トラフィックはないことに注意してください。
Cisco Voice Gateway は、コールが Unified CVP システムに出入りするポイントです。Cisco Voice Gateway には、PSTN への TDM インターフェイスを含めることができます。あるいは、PSTN へのインターフェイスが IP 音声トランクである場合は、Cisco Unified Border Element を使用することもできます。
VoiceXML Gateway は、Cisco IOS Voice Browser をホストします。このコンポーネントは、Unified CVP Server IVR Service または Unified CVP VXML Server からの VoiceXML ページを解釈します。VoiceXML Gateway では、.wav ファイルをベースにしたプロンプトを発信者に再生できます。また、DTMF 入力または音声を介して発信者からの入力を受け入れることができます(自動音声認識と統合されている場合)。続いて VoiceXML Gateway は、制御側アプリケーションに結果を返し、次の指示を待機します。
Cisco VoiceXML Gateway は、Cisco 音声ゲートウェイと同じルータ上に配置できます。このモデルは、小規模な拠点オフィスに配置する場合に適していますが、しかし、VoiceXML Gateway を個別のルータ プラットフォーム上で実行することもできます。このモデルは、複数の音声ゲートウェイが含まれる大規模な集中型配置での使用に適しています。
Unified CVP の包括展開のビデオ メディア サーバは、Video in Queue 機能のビデオ ストリーミングを有効にします。Cisco TelePresence Content Server は、ビデオ メディア サーバとして使用できます。
Unified CVP は、スタンドアロンで配置することも、音声およびビデオ セルフサービスおよびキューイングの機能を利用するために Unified CCE と統合することもできます。Unified CVP ソリューションは現在、G.711 a-law コーデックのエンドツーエンドをサポートします。
Unified CVP の Basic Video Service は、Unified CVP が包括展開モデルの Cisco Contact Center Enterprise(Unified CCE)とともに配置されている場合に使用できます。このサービスでは、ビデオ発信者が音声専用 IVR と対話し、その後、ビデオ エージェントに接続することができます。カスタマーとエージェント エンドポイントとして Cisco DX70 や DX80 などの Cisco TelePresence エンドポイントをサポートします。また、ビデオ エージェントは、電話機から直接内線をダイヤルして、2 番目の音声専用エージェントで会議を行うこともできます。
Video in Queue(VIQ)Basic Video は、Unified CVP のオプション機能であり、ビデオ対応のエージェントまたはエキスパートを待機しているときに発信者に対してビデオ再生を有効にできます。Cisco TelePresence Content Server は、ビデオ ストリーミングを有効にします。発信者はその後、ビデオ エージェントに接続できます。
Unified CVP システム設計と詳細なコール フローの詳細については、次の Web サイトで入手可能な『 Cisco Unified Customer Voice Portal Design Guide 』を参照してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/support/customer-collaboration/unified-customer-voice-portal/products-implementation-design-guides-list.html
Cisco Unified Contact Center Express(Unified CCX)は、400 までのエージェントに対して、使いやすく可用性の高い高度なカスタマー インタラクションを提供する必要のある、部門、企業の支店、または中小規模の会社のニーズに対応するものです。Unified CCX は、複数のサイトにわたる統合セルフサービス アプリケーションを使用して可用性の高い仮想コンタクト センターをサポートすることにより、カスタマー コンタクト インタラクションの効率、可用性、およびセキュリティを高めるような設計になっています。導入をシンプルにするため、Unified CCX は Cisco Business Edition 6000 または 7000 システムに事前ロードすることができます。
Unified CCX は、呼制御のために JTAPI を使用して Unified CM と統合します。Unified CCX のすべてのコンポーネント(Unified CCX エンジン、Unified CCX データベース、Finesse Server、Unified CCX Outbound Dialer、Cisco Unified Intelligence Center、および Express E-mail Manager を含む)が、単一の仮想マシン上にインストールされます。システムの冗長性のために、2 番目に同一の Unified CCX インスタンスを展開に追加できます。
Unified CCX には着信音声/ビデオ通話、サイレント モニタリング、および Cisco Unified Intelligence Center レポート機能が組み込まれています。追加ライセンスとコンポーネントを利用すると、発信ダイヤリング、通話録音、電子メール、チャット、ソーシャル ネットワーク モニタリング、およびワークフォース最適化をサポートするソリューションを強化できます。
Unified CCX は、自動音声認識(ASR)と音声合成(TTS)、HTTP、VXML などの高度な機能をサポートします。また、コンタクト センターのパフォーマンスと品質を最適化するために、Cisco Unified Workforce Optimization などの製品もサポートしています。エージェントは、カメラを搭載した Cisco Unified IP Phone 9900 シリーズなどの多様なビデオ エンドポイントを使用できます。サポートされるエンドポイントの一覧については、次の Web サイトで入手可能な『 Unified CCX Software Compatibility Matrix 』の最新版を参照してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/support/customer-collaboration/unified-contact-center-express/products-device-support-tables-list.html
Cisco Unified CCX には、顧客の着信コールのプロンプト、コレクト、キューイングの IP IVR 機能が含まれています。
Cisco SocialMiner は、Twitter、Facebook、またはパブリック フォーラムやブログのサイトなどを通して通信することによって、顧客および見込み客に対するプロアクティブな応答を支援できる、ソーシャル メディア カスタマー ケア ソリューションです。ソーシャル メディア モニタリング、キューイング、およびワークフローを提供してソーシャル メディア ネットワークでの顧客の投稿を整理し、顧客にソーシャル メディア カスタマー ケア チームを提供することにより、企業は、顧客が使用しているソーシャル ネットワークと同じソーシャル ネットワークを使用して、リアルタイムで顧客に応答できます。詳細については、次の Web サイトで入手可能なマニュアルを参照してください。
ユニバーサル キューは、さまざまなメディア チャネルからコンタクト センターのエージェントに要求をルーティングするシステムの機能です。
音声通話、電子メール、チャットなどの組み合わせを処理するようにエージェントを設定できます。たとえば、エージェントが音声、電子メール、およびチャットを処理する場合、3 種類のメディア ルーティング ドメイン(MRD)でスキル グループまたはプレシジョン キューのメンバーとしてエージェントを設定できます。メディアを問わず、ビジネス ルールに基づいてこれらのエージェントに要求を送信するようにルーティング スクリプトを設計できます。複数の MRD にサインインしたエージェントは、タスク単位でメディアを切り替えることができます。
ユニバーサル キューイング API は、Unified CCE でサードパーティのマルチチャネル タスクを要求、キューイング、ルーティング、および処理する標準的な方法を提供します(図 22-1 を参照)。
コンタクト センターの顧客またはパートナーは、ユニバーサル キューを使用するために、Cisco SocialMiner および Cisco Finesse API を使用したアプリケーションを開発できます。SocialMiner Task API は、アプリケーションが音声以外のタスク要求を Unified CCE に送信できるようにします。Finesse API は、エージェントがさまざまなタイプのメディアにサインインし、タスクを処理できるようにします。エージェントは各メディアにサインインし、独立してそれぞれの状態を管理できます。
シスコ パートナーは、Cisco DevNet( https://developer.cisco.com/site/devnet/home/index.gsp )で入手できるサンプル コードをこれらのアプリケーションを構築するためのガイドとして使用できます。
図 22-1 サードパーティのマルチチャネル アプリケーション ソリューション コンポーネント用のユニバーサル キュー
サードパーティのマルチチャネル アプリケーションは、SocialMiner の Task API を使用して、音声以外のタスクを Unified CCE に送信します。この API は、SocialMiner タスク フィード、キャンペーン、および通知と連携し、コンタクト センターにタスクの要求を渡してルーティングさせます。
Task API は、タスクの要求にコール変数と拡張コール コンテキスト(ECC)変数の使用をサポートします。これらの変数は、チャット ルームの URL や電子メールの処理といったメディアの属性など、顧客固有の情報を要求で送信するために使用されます。
Cisco Finesse は、Media API および Dialog API 経由でユニバーサル キュー機能を提供します。Media API の場合、サードパーティのマルチチャネル アプリケーションを使用するエージェントは、以下の処理が可能です。
Dialog API の場合、サードパーティのマルチチャネル アプリケーションを使用するエージェントは、複数の MRD からのタスクを処理できます。
Cisco Contact Center 製品には、管理の機能が組み込まれています。たとえば、Unified CCE は、Unified CCE とともにインストールされる Configuration Manager ツール、または Contact Center Enterprise 環境の主な管理タスクを簡単に実行できる Web ベースの管理ツールを使用して管理できます。また、REST API では、サードパーティの開発者が管理およびサポート タスクの多くを管理できるアプリケーションを作成できます。
Unified CVP は、Operations, Administration, Maintenance, and Provisioning(OAMP)と呼ばれる Unified CVP Operations Console を使用して管理できます。
さらに、エージェントや機器の管理などの基本的な管理機能を実行するための操作および手順を簡素化するために、Cisco Unified Contact Center Management Portal(Unified CCMP)を配置できます。Unified CCMP は、コンタクト センターのシステム管理者、ビジネス ユーザ、およびスーパーバイザ向けに設計されたブラウザベースの管理アプリケーションです。Cisco Unified Contact Center Enterprise(Unified CCE)、Unified Communications Manager(Unified CM)、および Unified Customer Voice Portal(Unified CVP)機器を重ね合わせた緻密なマルチテナントのプロビジョニング プラットフォームです。
Cisco Unified Intelligence Center は、Cisco Contact Center ソリューション用の主要なレポーティング ツールです。Unified CCE、Unified CCX、および Unified CVP でサポートされています。このプラットフォームは Web ベースのアプリケーションであり、多数の Web 2.0 機能、高いスケーラビリティ、優れたパフォーマンス、および高度な各機能(他の Cisco Unified Communications 製品やサードパーティ製データ ソースからのデータを統合する機能など)を提供します。
Cisco Unified Intelligence Center は、データベース(Unified CCE Administration & Data Server データベースや Unified CVP Reporting Informix データベースなど)からソース データを取得します。次にレポートが生成されて、レポーティング クライアントに提供されます。
Cisco Unified Enterprise ソリューションでは、マルチチャネル サポートのための Web インタラクションおよび電子メール インタラクションをサポートしています。Cisco Unified Web Interaction Manager(Unified WIM)テクノロジーにより、ほとんどすべての Web ブラウザから通信を確立できます。Cisco Unified E-Mail Interaction Manager(Unified EIM)は、着信電子メール ルーティング、自動電子メール応答またはエージェント介入による電子メール応答、リアルタイム レポーティングと履歴レポーティングを提供し、エージェント、スーパーバイザ、管理者、ナレッジ ベース管理者向けのロールベースの階層権限を提供します。
これらの製品の設計情報については、次の URL で入手可能な『 Cisco Unified E-Mail and Web Interaction Manager Solution Reference Network Design Guide 』を参照してください。
https://www.cisco.com/en/US/products/ps7236/products_implementation_design_guides_list.html
Cisco Unified Contact Center ソリューションでは、次の各メカニズムに基づいて、録音とサイレント モニタリングの機能が提供されます。
この機能により、ネットワーク トラフィックは、Cisco コンタクト センター サーバが接続されている宛先ポートに複製されます。
このオプションを使用した場合は、録音フローのセットアップ中に Unified CM が呼び出され、それらのフローに対するコール アドミッション制御を実行できるようになります。
録音中およびモニタ中のコールの詳細については、コール録音とモニタリングの章を参照してください。
Contact Sharing を使用すると、大規模なコンタクトセンターの規模をさらに拡大できます。一元化されたセルフサービス(IVR ICM 配置モデル)は、Contact Sharing ルーティング ノードを使用してコールを 2 つの Unified CCE インスタンスに分散し、水平拡大を実現します。ライブ データは、Contact Sharing の条件であり、Contact Sharing を使用する前にインストールおよび設定する必要があります。また、Contact Sharing は、IVR Cisco Intelligent Contact Management(ICM)配置モデルを導入で有効にする必要があります。Contact Sharing の詳細については、次の Web サイトで入手可能な『 Cisco Unified Contact Center Enterprise Features Guide 』の最新バージョンを参照してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/support/customer-collaboration/unified-contact-center-enterprise/products-feature-guides-list.html
コンテキスト サービスは、カスタマー ジャーニー データのリポジトリを提供するクラウドベースのストレージ サービスです。Cisco Contact Center の顧客は、その他の Cisco Customer Collaboration 製品との統合や、サードパーティ統合用の API を利用して、シームレスなオムニチャネル エクスペリエンスを実現できます(図 22-2 を参照)。
コンテキスト サービスにより、アプリケーションは、カスタマー ジャーニー アクティビティを読み書きできます。Cisco Contact Center の顧客(このセクションでは「 ビジネス 」と呼びます)は、Cisco Contact Center プラットフォーム内からコンテキスト サービスにアクセスできます。Cisco Contact Center プラットフォームでは、コンタクト センターのインタラクションに関するコンテキスト データのポストに対応しており、オプションでそのように設定できます。
コンテキスト サービスは、このデータを Piece of Data(POD)と呼ばれる要素に保存します。POD は、メディア(音声録音など)を除き、コンシューマ インタラクションに関するあらゆるメタデータを保存できます。ビジネスは、POD に保存するフィールド(メタデータ)および各フィールドのデータ プライバシー レベルを選択します。POD は、顧客が編成でき、要求と呼ばれるインタラクションのコレクションの一部としてグループ化することができます(図 22-3 を参照)。コンテキスト サービスは、関連付け、傾向分析、分析を実施するために POD をグループ化するタギング機能もあります。
コンテキスト サービスは、Cisco Intercloud にホストされます。Cisco Intercloud は、シスコとパートナーのデータセンターのエコシステムであり、シスコ データ センター チームがグローバルに管理および運用しています。コンテキスト サービスが従うデータ プライバシー モデルは、各ビジネスによるデータへのアクセスを制御する Cisco Spark に非常に近いものになっています。データは、クライアントでオンプレミスに暗号化/復号化され、シスコ データセンターに暗号化された BLOB として保存されます。ビジネスは、暗号キー(キーストア)を自身の宅内にホストすることもできます。これは貴重品を銀行の貸金庫(ロッカー)に預けることに似ています。貴重品が銀行内にあっても、顧客が貸金庫の鍵を持ち、貸金庫へのアクセスを管理します。これはデータ プライバシーに対する新しいアプローチであり、プライベート クラウドをホスティングする際のオーバーヘッドなしで管理できます。コンテキスト サービスは、データ プライバシーの分類レベルを提供するため、ビジネスは顧客の個人識別情報(PII)をその他の暗号化されたデータとは分離して保存できます。それによって、ビジネスはサードパーティの分析ベンダーに対して顧客の PII データへのアクセスを提供しなくても、自身の暗号化されたデータへの管理されたアクセスを提供できます。
コンテキスト サービスは、ユニバーサル キュー タスクの連絡先データを保存できます。コンテキスト サービスが有効な場合、SocialMiner は受信したタスクの要求からデータを選択してクラウドの POD に保存します。POD のメディア タイプはタスクの要求で指定できます。メディア タイプを指定しない場合は、メディア タイプ event が POD に設定されます。
コンテキスト サービスは、Cisco Collaboration Management(Atlas)によって管理されます。Atlas は、Cisco Spark を含むすべてのシスコ クラウド コラボレーション製品のための管理ポータルです。シスコ パートナーおよびビジネスは、Collaboration Management を使用してオンプレミス クライアントに接続したり、POD データ モデル(フィールド)を管理したり、POD の使用状況をモニタしたりします。
コンテキスト サービスは、オープンな API と Java/JS SDK を提供して、技術パートナーが自分のアプリケーションとコンテキスト サービスを統合しやすくします。
シスコのコンテキスト サービスの詳細については、 https://www.cisco.com/go/srnd から入手できるシスコ ユニファイド コンタクト センターの設計ガイドを参照してください。
Cisco Virtualized Voice Browser(Cisco VVB)は、VoiceXML ドキュメントを解釈するためのプラットフォームを提供します。新しいコールがコンタクト センターに到着すると、VVB は VoIP エンドポイントを表す VXML ポートを割り当てます。Cisco VVB は Cisco Unified Customer Voice Portal(Unified CVP)VXML サーバに HTTP 要求を送信します。Unified CVP VXML サーバは HTTP 要求に対応して要求を実行し、動的に生成された VXML ドキュメントを送信します。Cisco VVB の詳細については、次の Web サイトにある『 Installing and Configuring Guide for Cisco HCS 』の最新版で、Cisco Virtualized Voice Browser の設計上の考慮事項と設定オプションについて参照してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/support/unified-communications/hosted-collaboration-solution-contact-center/products-installation-guides-list.html
この項では、Cisco Unified Contact Center ソリューションの配置に使用されるさまざまな設計モデルについて説明します。これらの配置モデルの詳細については、 https://www.cisco.com/go/srnd から入手できるシスコ ユニファイド コンタクト センターの設計ガイドを参照してください。
この配置では、呼処理エージェント、音声ゲートウェイ、コンタクト センター アプリケーションなどのすべてのコンポーネントが同じサイトに存在します。エージェントとスーパーバイザも、そのサイトに配置されます。単一サイト配置モデルの主要なメリットは、WAN 接続が不要なので、低帯域幅のコーデック(G.729、トランスコーダ、RTP ヘッダー圧縮(cRTP)、コール アドミッション制御など)を使用する必要がないことです。
集中型呼処理を使用するマルチサイト配置は、単一の呼処理クラスタで構成されます。このクラスタは、多数のリモート サイトにサービスを提供し、IP WAN を使用します。また、Cisco Contact Center アプリケーション(Unified CCE、Unified CCX、Unified CVP)は通常、管理の全体的なコストを削減するために集中化されます。図 22-4 はこのタイプの展開を示しています。
図 22-4 集中型呼処理を使用するマルチサイト コンタクト センター
このタイプの配置では、エージェントまたは音声ゲートウェイがリモート サイトに存在しているため、サイト間の帯域幅の要件を考慮することが重要です。また、コール アドミッション制御や Quality of Service(QoS)などを慎重に設定することも重要です。Unified Communications ソリューションの全般的な設計上の考慮事項の詳細については、コラボレーションの配置モデルの章を参照してください。
Unified Communications システムでのコンタクト センター配置には、通常、さらに次のような帯域幅の要件があります。
リモート エージェント(たとえば、自宅勤務のエージェントなど)も、Cisco Unified Contact Center でサポートされます。主に 2 つのソリューションがあります。1 つめのソリューションでは、エージェントは、ブロードバンド インターネット接続により中央サイトに接続された IP Phone を使用する必要があります。このソリューションでは、電話機は Cisco Unified Contact Center アプリケーションにより CTI 制御されます。2 つめのソリューションは、Cisco Unified Mobile Agent に基づいています。これにより、エージェントは、携帯電話などの任意の PSTN 電話機を使用してコール センターに参加できます。
分散型呼処理を使用するマルチサイト配置は、複数のサイトで構成されます。それぞれのサイトに、IP WAN に接続された独自の呼処理クラスタがあります。この項では、各 Unified CM クラスタにエージェントが登録されていることを前提としています。
1 つの Unified CCX 配置を複数の Unified CM クラスタ間で共有することはできません。図 22-5 に示すように、各 Unified CM クラスタにそれぞれの Unified CCX 配置が必要です。
図 22-5 分散型呼処理を使用するマルチサイト Unified CCX 配置
Unified CCE の要件は、Unified CCX の要件とは異なります。1 つの Unified CCE システムは、複数の地理的なロケーションに分散された複数の Unified CM クラスタにまたがることができます。Unified CCE Agent PG は、それぞれの Unified CM クラスタ ロケーションにインストールする必要があります。Unified CCE Central Controller(Call Router + Logger)から物理的にリモートにすることもできます。図 22-6 に、このタイプの配置を示し、Agent PG の位置を示します。
図 22-6 分散型呼処理を使用するマルチサイト Unified CCE 配置
複数のコンタクト センター配置が必要な場合は、Unified ICM を介してこれらの配置を接続します。このためには、親子配置モデルを使用して、単一の仮想コンタクト センターを構成します。親子モデルを使用すると、すべてのコンタクト センター配置にわたってエンタープライズ キューイングとエンタープライズ レポーティングを実行できるなど、複数のメリットがあります。また、サイトが完全な冗長構成となるため、スケーラビリティが向上します。親子モデルの詳細については、次の各マニュアルを参照してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/support/customer-collaboration/unified-contact-center-enterprise/products-implementation-design-guides-list.html
https://www.cisco.com/c/en/us/support/customer-collaboration/unified-contact-center-enterprise/products-installation-guides-list.html
分散型呼処理を使用するマルチサイト配置でも、集中型呼処理を使用するマルチサイト モデルの場合と同様に、QoS、コール アドミッション制御、コーデックなどを慎重に設定する必要があります。
この配置モデルでは、単一の Unified CM クラスタが、QoS 機能が有効になっている IP WAN により接続された複数のサイトにわたって配置されます。このモデルを使用すると、Cisco Unified Contact Center ソリューションを配置できます。実際には、Cisco Unified Contact Center コンポーネント自体を WAN 経由でクラスタ化することもできます。
たとえば、Unified CCE を使用すると、サイト A コンポーネントを Unified CCE のサイド B コンポーネントからリモートにし、IP WAN 接続によってサイド B コンポーネントから分離できます(Unified CCE のハイ アベイラビリティの詳細については、コンタクト センターのハイ アベイラビリティを参照してください)。このタイプの配置には、次の設計上の考慮事項が適用されます。
図 22-7 は、WAN 経由のクラスタリングを使用する Unified CCE の配置を示しています。詳細については、次の Web サイトで入手可能な『 Cisco Unified Contact Center Enterprise Design Guide 』を参照してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/support/customer-collaboration/unified-contact-center-enterprise/products-implementation-design-guides-list.html
図 22-7 WAN 経由のクラスタリングを使用する Unified CCE 配置
Unified CCX ソリューションおよび Unified IP IVR ソリューションを使用すると、Unified CCX プライマリ ノードまたは Unified IP IVR プライマリ ノードをバックアップ ノードからリモートにすることもできます。Unified CCX 配置の要件は、Unified CCE 配置の要件とは異なります。たとえば、Unified CCX では冗長な WAN リンクは必要ありません。また、Unified CCX のプライマリ ノードとバックアップ ノードの間の最大遅延は、80 ms RTT です。図 22-8 はこのタイプの展開を示しています。詳細については、次の Web サイトで入手可能な『 Cisco Unified Contact Center Express Design Guide 』を参照してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/support/customer-collaboration/unified-contact-center-express/products-implementation-design-guides-list.html
図 22-8 WAN 経由のクラスタリングを使用する Unified CCX 配置
この項では、コンタクト センターを配置する際の次の主要な設計上の考慮事項について簡単に説明します。
すべての Cisco Unified Contact Center 製品は、ハイ アベイラビリティを提供します。たとえば、Unified CCX または Unified IP IVR の場合、2 番目に同一の Unified CCX または Unified IP IVR ノードを追加することで、ハイ アベイラビリティが実現されます。第 2 ノードはプライマリ ノードと同じデータセンターに配置でき、地理的冗長性が必要な場合は、プライマリ ノードから WAN を介してプライマリ ノードとは異なるデータセンターに第 2 ノードを配置できます(IP WAN を介したクラスタリングを参照)。1 つのノードがアクティブ ノードとなり、すべての呼処理を取り扱います。他のノードはスタンバイ モードとなり、プライマリ ノードに障害が発生したときだけアクティブになります。また、Unified CVP は、複数の Unified CVP ノード、音声ゲートウェイ、VXML ゲートウェイ、SIP プロキシなどを使用するハイ アベイラビリティ配置をサポートしています。
Unified CCE では、ほとんどのコンポーネントは冗長構成にする必要があります。冗長インスタンスは、サイド A インスタンスおよびサイド B インスタンスと呼ばれます。たとえば、Call Router A および Call Router B は、2 つの異なる仮想マシン上で稼働する Call Router モジュール(プロセス)の冗長インスタンスです。この冗長構成は、 デュプレックス モード とも呼ばれます。Call Router は 2 つのインスタンスで同期して実行されます。つまり、すべてのコールは、デュプレックス インスタンスの両サイドで処理されています。他のコンポーネント(ペリフェラル ゲートウェイなど)は、ホットスタンバイ モードで稼働します。つまり、常にペリフェラル ゲートウェイのうち 1 つだけがアクティブな状態となります。
Unified Contact Center コンポーネントそのものを冗長構成にするだけでなく、Unified Contact Center コンポーネントと Unified CM との統合を冗長構成にすることもできます。たとえば、Unified CCX ノードまたは Unified IP IVR ノードそれぞれをプライマリ CTI Manager に接続し、さらにプライマリ CTI Manager の障害発生時に備えてバックアップ CTI Manager にも接続できます。Unified CCE を使用して、PG サイド A をプライマリ CTI Manager に接続し、冗長な PG サイド B をセカンダリ CTI Manager に接続することで、1 つの CTI Manager に障害が発生した場合のハイ アベイラビリティが実現されます。
詳細については、 https://www.cisco.com/go/srnd から入手できるシスコ ユニファイド コンタクト センターの設計ガイドを参照してください。
この項では、マルチサイト コンタクト センター配置における WAN 帯域幅のプロビジョニング方法を、さまざまなタイプの呼制御トラフィックおよびリアルタイム音声トラフィックを考慮に入れて説明します。適切に帯域幅プロビジョニングおよび QoS を実装することは、コンタクト センター配置の成否を決める重要な要素であるため、遅延および QoS パラメータについて理解しておくことが重要です。
コンタクト センター ソリューションは、次の主要なタイプのトラフィックに対応できる十分な WAN 帯域幅を必要とします。
帯域幅の計算とガイドラインについては、 https://www.cisco.com/go/srnd から入手できるシスコ ユニファイド コンタクト センターの設計ガイドを参照してください。
エージェントおよびスーパーバイザは、呼処理コンポーネントおよびコンタクト センターからリモートな場所に配置できます。技術的には、Finesse サーバと Finesse デスクトップの間の遅延は、タイムアウト値が高くなるため、非常に大きくなる可能性があります。遅延時間が長いと、ユーザ エクスペリエンスに影響し、混乱が発生したり、ユーザに許容されない状態となることがあります。たとえば、電話が鳴り出していても、デスクトップが更新されるのはあとになってからということがあります。
コンタクト センターのコンポーネントと呼処理コンポーネントの間、およびコンタクト センターのコンポーネント間の遅延の要件は、コンタクト センターのソリューションによって異なります。たとえば、Unified CCX 冗長ノードは互いにリモートの場所に配置でき、最大遅延は 80 ms RTT です。Unified CCE を使用する場合、Unified CCE コンポーネントと Unified CM の間、または Unified CCE 各コンポーネント間の最大遅延は、80 ms RTT より大きくなります。
詳細については、 https://www.cisco.com/go/srnd から入手できるシスコ ユニファイド コンタクト センターの設計ガイドを参照してください。
他の Unified Communications コンポーネントを使用する配置と同様に、コンタクト センター配置でも、時間に依存するトラフィックや重要なトラフィックを優先させるために、Quality of Service(QoS)の設定が必要となります。コンタクト センター環境における音声および音声シグナリング用の QoS マーキングは、他の Unified Communications 配置の場合と同じです。コンタクト センターに固有のトラフィックは、特定の QoS マーキングを使用してマークする必要があります。たとえば、Unified CCE プライベート ネットワークのトラフィックには、AF31 としてマークする必要のあるものや、AF11 としてマークする必要のあるものがあります。ユニファイド コンタクト センター ソリューションごとの QoS マーキングの推奨値および QoS 設計ガイドラインについては、 https://www.cisco.com/go/srnd から入手できる、該当するシスコ ユニファイド コンタクト センター設計ガイドを参照してください。
他の Unified Communications コンポーネントを使用する配置と同様に、コンタクト センター配置でも、コール アドミッション制御を慎重にプロビジョニングする必要があります。帯域幅管理の章に記載されているメカニズムが、コンタクト センター環境にも適用されます。
コール アドミッション制御の計算では、サイレント モニタリングと録音に関連する音声トラフィックが考慮されないことがあります。たとえば、Unified CM によるサイレント モニタリングと録音で発生する音声トラフィック(電話機で分岐(転送)される音声トラフィック)は、コール アドミッション制御の計算で適切に考慮されますが、デスクトップベース(エージェント IP Phone の背面に接続されているデスクトップ)のサイレント モニタリングで発生する音声トラフィックは考慮されません。
Mobile Agent および Unified CVP のコール アドミッション制御には、特別の考慮事項が適用されます。詳細については、 https://www.cisco.com/go/srnd から入手できるシスコ ユニファイド コンタクト センターの設計ガイドを参照してください。
Cisco Unified Contact Center コンポーネントを Unified CM と統合する際は、次の設計上の考慮事項が適用されます。
Unified CM 統合の詳細については、 https://www.cisco.com/go/srnd から入手できるシスコ ユニファイド コンタクト センターの設計ガイドを参照してください。
図 22-9 1 つの Agent PG と 4 つの Unified CM サブスクライバ ペアを使用する配置
下記で示す状況においては、それぞれ設計上の考慮事項が追加で適用されます。
設計上の考慮事項の詳細については、 https://www.cisco.com/go/srnd から入手できるシスコ ユニファイド コンタクト センターの設計ガイドを参照してください。
すべての導入は、Cisco Collaboration Sizing Tool を使用してサイジングする必要があります。このツールは、コンタクト センター製品(Unified CCE、Unified IP IVR、Unified CVP、Unified CCX など)のサイジングを実行します。このツールによって、配置に必要なコンタクト センター リソース(エージェント数、IVR ポート数、ゲートウェイ ポート数など)が決定されます。コンタクト センター コンポーネントそのもののサイジングだけでなく、Unified CM や音声ゲートウェイを含む Unified Communications の残りの要素のサイズも決定されます。このツールは、シスコの従業員およびパートナーだけが(適切なログイン認証を使用して)、 https://cucst.cloudapps.cisco.com/landing から入手できます。
一般に、コンタクト センターのサイジングには、コンタクト センターへの着信コールの最繁時呼数(BHCA)が大きく影響します。また、[Service Level Goal] や [Target Answer Time] などの他のパラメータも影響を与えます。たとえば、コールの 90 % を 30 秒以内に応答処理する必要のある配置では、コールの 80 % を 2 分以内に応答処理する必要のある配置よりも多くのコンタクト センター リソースが必要となります。サイジングに影響を与えるもう 1 つのパラメータは、Finesse または Finesse IP Phone Agent が使用されているかどうかです。サイジングには Unified CST を使用して、 https://www.cisco.com/go/srnd から入手できる、該当するシスコ ユニファイド コンタクト センター設計ガイドで詳細情報を参照してください。
また、コンタクト センターの設計も、Unified CM サイジングに影響を与えます。コンタクト センター ソリューション内に配置される Unified CM のサイジングには、次の考慮事項が適用されます。
詳細については、 https://www.cisco.com/go/srnd から入手できるシスコ ユニファイド コンタクト センターの設計ガイドを参照してください。
人と人のふれ合いを大切にしたカスタマー エンゲージメントのため、ビデオ対応のカスタマー エクスペリエンスを含めるようにカスタマー ケアを拡大することにより、顧客とエージェントの両者にとってインタラクションを大幅に向上させることができます。
Cisco Remote Expert ソリューションにより、顧客と社内従業員は複数のチャネルを通じてエキスパートに接続できます。また、収益の最適化、エキスパートの生産性向上、顧客ロイヤルティの構築に役立つ一貫したインタラクティブ エクスペリエンスを提供します。Cisco Remote Expert は、スペシャリストの仮想プールを作成し、スペシャリストの可用性を管理し、複数のチャネルやデバイスを通じて高品質の音声とビデオを使用して顧客をエキスパートに迅速に接続します。
複数のタッチ ポイントやデバイスを通じて一貫した顧客および従業員のエクスペリエンスを提供するよう設計されている Cisco Remote Expert ソリューションは、カスタマー ケア用の新しい業界ベンチマークを確立し、次の利点を提供するエンドツーエンドのマルチチャネル コラボレーション プラットフォームです。
顧客は、パーソナル デバイスやキオスクから、または店舗、支店、クリニックなどにある顧客のワークステーションから、ボタン 1 つでビデオを介してエキスパートにアクセスできます。
Cisco Remote Expert は、製品とサービスに関する問い合わせに十分答えるために必要となる適切なリソースへインテリジェントに顧客をルーティングできます。
顧客は、顧客のニーズに対処して関連する製品やサービスを提案できる熟練したエキスパートと連携できます。
各分野の専門家は、デバイスや場所に関係なく顧客にアクセスできる単一のプラットフォームを使用できます。
Cisco Remote Expert ソリューションは、Cisco Validated Design リファレンス アーキテクチャとパートナー エコシステムでサポートされる業界トップクラスの高品質コラボレーション製品およびサービスを採用します。
Remote Expert の詳細については、次の URL にある『 Cisco Remote Expert Solution Design Guide 』を参照してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/solutions/enterprise/design-zone/remote_expert.html
Unified CCE は、簡易ネットワーク管理プロトコル(SNMP)を使用して管理します。Unified CCE デバイスは、SNMP v1、v2c、および v3 をサポートする組み込み型の SNMP エージェント インフラストラクチャを持ち、CISCO-CONTACT-CENTER-APPS-MIB により定義された計測手段を公開します。この MIB により、標準の SNMP 管理ステーションでモニタ可能な構成、検出、および状態の計測手段が提供されます。さらに、Unified CCE は、管理者にシステムの障害があれば警告する豊富な SNMP 通知セットを提供します。また、Unified CCE は、より詳細なイベント セットを必要とする管理者に対して、(RFC 3164 に準拠する)標準的な syslog イベント フィードも提供します。
Unified CCE SNMP エージェント インフラストラクチャおよび syslog フィードの設定の詳細については、次のサイトで入手可能な『 SNMP Guide for Cisco Unified ICM/Contact Center Enterprise & Hosted 』を参照してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/support/customer-collaboration/unified-contact-center-enterprise/products-installation-and-configuration-guides-list.html
Unified CVP の状態モニタリングは、任意の SNMP 標準モニタリング ツールを使用して実行できます。これにより、ソリューション ネットワークの状態の詳細が表形式で視覚的に示されます。すべての Unified CVP 製品コンポーネントおよびほとんどの Unified CVP ソリューション コンポーネントは、標準的な SNMP 管理ステーションまたはモニタリング ツールに配信できる SNMP トラップおよび統計も発行します。
Unified CCX は、SNMP および syslog インターフェイスを使用して管理することもできます。
Cisco Prime Collaboration は、コンタクト センター配置の管理にも役立ちます。たとえば、Cisco Prime Collaboration Assurance を使用して、アクティブ コール数、着信コール数/秒、またはログインしているエージェント数をモニタできます。
また、Prime Collaboration Assurance Advanced がすでに実装されている場合は、Prime Contact Center Assurance モジュールを追加できます。Prime Contact Center Assurance モジュールは、カスタマー ケア環境のトポロジ、およびコンポーネント間の関係を図示します。また、エラーの根本原因の分析を迅速化するイベント相関、パフォーマンスの問題の検出と解決に役立つパフォーマンス ダッシュボード、コール フローを中断するデバイスの特定に役立つコール トレース分析を提供します。