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このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
コール モニタリングおよび録音ソリューションは、Cisco IP Phone、Cisco Unified Border Element デバイス、Cisco スイッチなどの Unified Communications および Collaboration ソリューションのさまざまなコンポーネントにわたって適用される音声コールおよびビデオ コールを自動的にモニタし、録音する方法を提供します。こうした録音は、コンプライアンス、音声テキスト変換、音声分析、ポッドキャスティング、ブログなどのさまざまな目的に、コール センターと他のエンタープライズ機能で使用できます。この章では、音声コールとビデオ コールの両方に Cisco Unified Communications および Collaboration ソリューションで利用できるさまざまなコール録音ソリューションの概要を示します。また、Cisco Unified Communications および Collaboration ソリューションに組み込まれたコール録音ソリューションに関する基本的な設計の考慮事項の概要についても示します。
表 23-1 に、この章に新しく追加されたトピック、またはこのマニュアルの以前のリリースから大幅に改訂されたトピックの一覧を示します。
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Cisco MediaSense については、 https://www.cisco.com/go/srnd で入手可能な SRND の過去のバージョンを参照してください。 |
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Cisco TelePresence Content Server(TCS)は販売終了(EoS)となり、この章から削除されました。 |
Cisco TCS については、 https://www.cisco.com/go/srnd で入手可能な SRND の過去のバージョンを参照してください。 |
ここでは、次の種類のコール録音ソリューションおよびモニタリング ソリューションについて説明します。
– ビルトイン ブリッジを使用した Unified CM のネットワークベースの録音
– ゲートウェイを使用した Cisco Unified CM のネットワークベースの録音
スイッチド ポート アナライザ(SPAN)に基づく録音ソリューションは、コールの録音にパケット スニッフィング テクノロジーを使用します。SPAN は、ネットワーク トラフィックのモニタリングの方法です。SPAN がスイッチ ポートまたは VLAN で有効になっている場合、スイッチは、そのポートまたは VLAN を通過するすべてのネットワーク パケットのコピーを、録音サーバまたはモニタリング サーバ(Cisco Unified Workforce Optimization Quality Managementまたはサードパーティ製録音サーバなど)がそれらのパケットを分析する別のポートに送信します。ネットワーク トラフィックに組み込まれている VoIP RTP パケットを検出して解読し、オーディオとしてストレージに格納します。SPAN は、必要に応じて Cisco 音声ゲートウェイまたは Cisco IP Phone に接続されたポートで有効にできます。たとえば、IP Phone 間の内部コールを録音する場合、SPAN は、IP Phone に接続するスイッチ ポートで有効になっている必要があります。
図 23-1 に、内部コールの録音用の SPAN ベースの録音ソリューションの展開を示しています。送信元ポートとしてマークされた IP Phone に接続するポートは、録音サーバに接続した宛先ポートにミラーリングされます。
図 23-1 内部コール用の SPAN ベースのコール録音フロー
一部のシスコ パートナーは、Cisco Unified Communications および Collaboration ソリューションに SPAN ベースの録音サーバとアプリケーションを提供します。技術的な詳細については、次の Web サイトで入手可能な『 Cisco Developer Network Marketplace Solutions Catalog 』の特定のパートナー製品の情報を参照してください。
https://marketplace.cisco.com/catalog/search?utf8=%E2%9C%93&x=48&y=6&search%5Btechnology_category_ids%5D=1900
さらに、ポートのミラーリングが有効な場合、ネットワーク トラフィック フローは、適切な帯域幅のプロビジョニングについて考慮する必要があります。
ここでは、仮想化が有効になっている一般的な SPAN ベースの導入の一部と、制限事項の一部について確認します。VMware は、vSphere 5.0 を開始する VMware vSphere 分散スイッチ(VDS)で SPAN 機能をサポートします。
仮想化されたセットアップでは、Unified Communications アプリケーション、コンタクト センター アプリケーション、およびポート アナライザ アプリケーションの一部が同じホストまたは異なるホストの仮想マシン上に導入される場合があります。仮想化されたセットアップでは、SPAN ベースの録音ソリューションにいくつかの制限があります。たとえば、次の機能は仮想化による Cisco Unified Contact Center Enterprise(Unified CCE)の導入ではサポートされていません。
(注) SPAN ベースのサイレント モニタリングおよび録音は UCS B シリーズ シャーシではサポートされません。
Unified CM のサイレント コール モニタリング機能では、エージェントと顧客の両者がスーパーバイザのコールへの参加を認識せずに、スーパーバイザは両者の会話を聞くことができます。コール モニタリング中、エージェントの電話機は、電話機の 2 つの音声 RTP ストリームを組み合わせ(エージェント用と顧客用)、スーパーバイザの電話機に生成されるストリームを送信します。さらに、ウィスパー コーチングでは、コール モニタリング セッショ中でもスーパーバイザはエージェントと話ができます。コール モニタリングおよびウィスパー コーチングは Unified CM の JTAPI インターフェイスまたは TAPI インターフェイスを介したコール センター アプリケーションによって呼び出すことができます。
図 23-2 に、Cisco Unified CM のサイレント モニタリングの基本的な設定を示します。
図 23-2 Unified CM のサイレント モニタリングのアーキテクチャ
Unified CM のネットワークベースの録音機能では、システム管理者が発信側と着信側との間の会話を録音することができます。ネットワークベースの録音を使用して、サポート対象の IP フォン モデルのビルトイン ブリッジ(BIB)かサポート対象のバージョンおよび設定の SIP ゲートウェイのいずれかを使用してメディアをフォーキングできます。管理者はどちらか一方のフォーキング デバイス タイプに設定できます。ただし、優先するフォーキング デバイスが使用できない場合は、Unified CM がもう一方の方法に自動的にフェールオーバーします。たとえば、IP フォンに [電話を優先(Phone Preferred)] で有効にされた録音があっても利用可能な録音リソースがない(電話機にビルトイン ブリッジがない)場合、ゲートウェイがコールの録音に使用されます。
コール録音用に Unified CM で使用されるメディア フォーキング デバイスに関係なく、Unified CM は録音サーバに対して、録音されたコールの近端および遠端側に関するメタデータを常に提供します。メタデータは、SIP Invite の FROM ヘッダーと Unified CM と録音サーバの間で送信される他の SIP メッセージにあります。
Unified CM サイレント コール モニタリングおよびコール録音機能の詳細については、次の Web サイトで入手可能な『 Feature Configuration Guide for Cisco Unified Communications Manager 』の最新バージョンを参照してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/support/unified-communications/unified-communications-manager-callmanager/products-installation-and-configuration-guides-list.html
Cisco Unified CM のネットワークベースの録音は、個々の回線インスタンスごとに自動録音と選択的録音をサポートします。これは、録音が必要な回線の各インスタンスに録音プロファイルを割り当てることによって実行されます。複数回線デバイスの単一回線または共有回線の単インスタンスの録音が可能です。自動録音では、Unified CM はエンドポイントに接続されるすべてのコールを自動的に録音します。選択的録音では、エンドポイントのコールの録音を開始するようにユーザまたは JTAPI/CTI を介して外部アプリケーションが明示的に Unified CM に要求する必要があります。ユーザは、エンドポイントの [録音開始(Start Recording)] ボタンを押すか、JTAPI または TAPI アプリケーションから録音要求を送信することによって、録音を要求できます。録音を開始するために、Unified CM は要求をフォーキング デバイスに送信します。フォーキング デバイスは、メディアが録音される録音サーバに会話のメディアを分岐します。
(注) 通話録音と Multilevel Precedence and Preemption(MLPP)の両方を有効にした場合は、両方の機能を使用する回線が 2 つの追加のコール レッグを生成します。そのため、このような回線のビジー トリガーを 3 に設定する必要があります。
BIB を使用した Cisco Unified CM のネットワークベースの録音では IP フォンのビルトイン ブリッジを使用してコール録音を有効にします(図 23-3 を参照)。コールの録音中にエージェントの電話機が 2 つのストリームを録音サーバに分岐します。2 つのストリームのうち 1 つは着信側の音声用、もう 1 つは発信側の音声用で、別々に録音されます。1 つのストリームが必要な場合、顧客は録音されたストリームを混合して、サードパーティ製のアプリケーションから会話を生成することができます。
図 23-3 電話機のビルトイン ブリッジを使用した Unified CM のネットワークベースの録音
Unified CM でのコール モニタリングおよびコール録音をサポートする Cisco Unified IP Phone の一覧は、次の Web サイトで入手可能な『 Unified CM Silent Monitoring/Recording Supported Device Matrix 』を参照してください。
https://developer.cisco.com/site/uc-manager-sip/documents/supported/
コールが録音ゲートウェイを通過すると、Cisco Unified CM のネットワークベースの録音ではゲートウェイのメディア フォーキング機能を使用してコールを録音します。外部コールを電話機のエンド ユーザに接続すると、Unified CM はゲートウェイで実行している UC ゲートウェイ サービス API を介して録音サーバに会話のメディアを分岐するようにゲートウェイに要求します。分岐されたメディアは、2 つの RTP ストリーム(エンドユーザの音声用と発信者の音声用)で構成され、録音サーバはストリームを別々にキャプチャします。録音対応ゲートウェイがコールに含まれている場合は、Cisco Unified IP Phone のエンド ユーザに接続された外部コール、PC で実行中の Cisco Softphone(Cisco Jabber など)、リモート接続先としてのモバイル フォン、CTI ポート、Extend and Connect の接続先など、複数の録音シナリオが考えられます。基本的に、Unified CM が登録された音声ゲートウェイで外線コールが終了すると、発信者側からのコールの会話はすべて、コールが企業内のどこに着信する場合でも録音できます。
Cisco Unified CM のネットワークベースの録音は、上記以外のコール タイプもサポートします。詳細については、次の Web サイトで入手可能な『 Feature Configuration Guide for Cisco Unified Communications Manager 』の最新バージョンを参照してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/support/unified-communications/unified-communications-manager-callmanager/products-installation-and-configuration-guides-list.html
(注) 音声ゲートウェイからメディア フォーキングを呼び出すと 2 つの RTP ストリームが生成されて、サイレント モニタリングが必要な場合は、アプリケーションはストリームの混合を管理します。
図 23-4 ゲートウェイを使用した Cisco Unified CM のネットワークベースの録音の基本的な設定を示します。Cisco Unified CM および音声ゲートウェイは録音対応の SIP トランクを介して接続されます。Unified CM は HTTP インターフェイスを介してゲートウェイで UC ゲートウェイ サービス API に登録されます。これによって、Unified CM はゲートウェイを通過するすべてのコールのコール イベントの通知を受信し、録音の開始または停止を決定できるようにします。ゲートウェイ コールが電話機のエンド ユーザに接続されると、設定された録音オプションに従って、Unified CM はメディアを分岐するようゲートウェイにすぐに通知するか、ゲートウェイに通知する前に録音開始のユーザ指示を待機する場合があります。Unified CM はゲートウェイに、録音停止のユーザ指示により分岐を停止するよう通知するか、ゲートウェイはコール終了時に自動的に録音を停止します。録音を開始または停止する要求は、Extended Media Forking(XMF)API を使用して HTTP インターフェイスを介して送信されます。
図 23-4 ゲートウェイを使用したネットワークベースの録音
ゲートウェイを使用した Unified CM のネットワークベースの録音で、エンド ユーザの電話機とメディア フォーキング デバイス(音声ゲートウェイ)が分離されます。これらは同じ Unified CM クラスタ(図 23-4 を参照)または別の Unified CM クラスタに登録できます。したがって、このソリューションは、Cisco Unified CM Session Management Edition(SME)などの複数のクラスタ環境に導入できます。図 23-5 に、SME を使用して Unified CM のネットワークベースの録音を導入する例を示します。ここでは、音声ゲートウェイは SME クラスタに登録され、エンド ユーザの電話機はリーフ クラスタに登録されます。SME クラスタとリーフ クラスタは、ゲートウェイの録音オプションが両側でイネーブルにされた状態で、SIP クラスタ間トランク(ICT)で接続されます。したがって、録音呼び出し要求および応答は SME とリーフ クラスタの間で送信できます。また、顧客は、録音サーバを音声ゲートウェイのある SME クラスタの中央に導入するか、またはすべてのリーフ クラスタに録音サーバを分布するオプションがあります。
図 23-5 SME を使用した Cisco Unified CM のネットワークベースの録音の導入
Unified CM のネットワークベースの録音を導入する場合は、次のガイドラインに従ってください。
https://www.cisco.com/c/en/us/support/unified-communications/unified-communications-manager-callmanager/products-installation-and-configuration-guides-list.html
エージェント デスクトップのモニタリング ソリューションと録音ソリューションは、スーパーバイザがサイレント モニタリングを実行し、必要に応じてコール録音を開始できるコンタクト センター導入固有の機能です。次のエージェント デスクトップのモニタリング ソリューションと録音ソリューションが使用できます。
これらのソリューションについては、次のドキュメントの最新版に詳しく記載されています。
https://www.cisco.com/c/en/us/support/customer-collaboration/unified-contact-center-enterprise/products-implementation-design-guides-list.html
https://www.cisco.com/c/en/us/support/customer-collaboration/unified-contact-center-express/products-implementation-design-guides-list.html
すべてのタイプのモニタリングおよびコール録音、またはこのいずれかを有効にすると、Unified Communications システム全体の容量に影響を及ぼします。Unified CM からのリソースを消費するサイレント モニタリングと録音ソリューションもあれば(Unified CM をベースにしたサイレント モニタリングや録音機能など)、消費しないソリューションもあります(SPAN またはデスクトップ サイレント モニタリングと録音など)。コール録音を有効にした Unified Communications システムのキャパシティ プランニングを実行する場合は、次の事項を考慮してください。
サイジングは複雑であるため、次の Web サイトからシスコの従業員とパートナーだけが(適切なログイン認証を使用して)入手できる Cisco Collaboration Sizing Tool を使用してサイジングする必要があります。