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ネットワーク管理は、さまざまなツール、アプリケーション、および製品によって構成され、ネットワーク システム管理者による新規および既存ネットワーク配置のプロビジョニング、運営、モニタリング、および保守を支援します。ネットワーク管理者は、ネットワーク デバイスを配置および設定する場合、また、ネットワーク インフラストラクチャやルータ、サーバ、スイッチなどのコンポーネントの正常性を運用、モニタリング、および報告する場合に、さまざまな課題に直面します。ネットワーク管理は、システム管理者による各ネットワーク デバイスとネットワーク アクティビティのモニタを支援し、問題をタイムリーに特定および調査することで、性能と生産性を高めるのに役立ちます。
リッチ メディアとデータのコンバージェンスにより、統合管理の必要性は以前よりもさらに強まっています。Cisco Prime Collaboration(Prime Collaboration)は、Cisco Unified Communications と TelePresence システムの試験、展開、およびモニタリングを支援する統合ツール セットを提供します。Prime Collaboration は、さまざまな管理段階を実装して、音声、ビデオ、コンタクト センター、リッチ メディア アプリケーションなどの Cisco Unified Communications アプリケーションの性能と可用性を戦略的に管理します。ネットワーク管理は一般的に、計画(Plan)、設計(Design)、実装(Implement)、および運用(Operate)(PDIO)の各段階からなります。 表 27-1 に、PDIO 段階と各段階に含まれる主なタスクを示します。
この章では、Cisco Unified Communications Management の実装段階と運用段階に適用される次の管理ツールおよび製品の設計ガイドラインについて説明します。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/cloud-systems-management/prime-collaboration/index.html
https://www.cisco.com/c/en/us/products/conferencing/telepresence-management-suite-tms/index.html
Cisco Unified Communications Manager(Unified CM)でサポートされているソフトウェア バージョンについては、以下のリンク先から入手できる最新バージョンの『 Compatibility Matrix for Cisco Unified Communications Manager and the IM and Presence Service 』を参照してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/support/unified-communications/unified-communications-manager-callmanager/products-device-support-tables-list.html
表 27-2 に、この章に新しく追加されたトピック、またはこのマニュアルの以前のリリースから大幅に改訂されたトピックの一覧を示します。
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Cisco Prime License Manager がシスコ スマート ソフトウェア ライセンシングで置き換えられました。 |
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Cisco Prime collaboration は、基礎となるトランスポート インフラストラクチャを含めた Cisco Collaboration システムのための、音声およびビデオ ネットワークの包括的な監視と診断機能を提供します。Prime Collaboration は統合アプリケーションであり、ビデオの導入を音声と分けて管理する手間を省きます。Prime Collaboration Assurance と Prime Collaboration Provisioning の 2 つの個別のアプリケーションとして提供され、個別の仮想マシンにインストールされます。Prime Collaboration は Standard モードと Advanced モードの 2 つのモードで使用可能です。
Prime Collaboration Assurance アプリケーションでは次のことが可能です。
(注) Prime Collaboration Assurance Advanced には Prime Collaboration Analytics も含まれます。Prime Collaboration Analytics ライセンスを購入した場合、Prime Collaboration Analytics ダッシュボードにアクセスできます。Prime Collaboration Analytics では、ネットワーク内のトラフィックのトレンド、テクノロジー導入のトレンド、過剰に利用されているリソースまたは十分に利用されていないリソースを確認できます。また、断続的および繰り返し発生するネットワークの問題を追跡し、サービス品質の問題に対処できます。
Prime Collaboration Provisioning アプリケーションでは次のことが可能です。
Prime Collaboration の利点と主な機能、配置のガイドライン(ホワイト ペーパー)の詳細については、次の URL から入手可能な Cisco Prime Collaboration のマニュアルを参照してください。
https://www.cisco.com/go/primecollaboration
Prime Collaboration は現在フェールオーバーをサポートしていません。ただし、NIC チーミング対応のデュアル イーサネット ネットワーク インターフェイス カード(NIC)を搭載したサーバ プラットフォームに配置した場合は、ネットワーク耐障害性をサポート可能です。この機能は、サーバを 2 枚の NIC、つまり 2 本のケーブルでイーサネットに接続できるようにするものです。NIC チーミングは、障害の発生したポートから正常なポートに作業負荷を転送することによって、ネットワークのダウンタイムを防止します。NIC チーミングは、ロード バランシングやインターフェイス速度向上のためには使用できません。
Prime Collaboration Assurance は VMware vSphere レプリケーションによって地理的な冗長性を提供します。リモート サイトでのみ VMware アクティベーションが必要です。
Prime Collaboration は仮想環境でのみ動作し、コンポーネントごとに最低 1 台の仮想マシンが必要です。Assurance と Provisioning が必要な場合は、2 台の仮想マシン(それぞれに各 1 台)が必要です。特定のシステムの要件およびキャパシティ情報については、以下のリンク先から入手できる最新バージョンの『 Cisco Prime Collaboration Provisioning Install and Upgrade Guide 』を参照してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/support/cloud-systems-management/prime-collaboration/products-installation-guides-list.html
ネットワーク内のドメイン ネーム サービス(DNS)でデバイスの IP アドレスに対してリバース ルックアップを実行して、デバイスのホスト名を取得できるようにすることを強く推奨します。DNS を使用しない場合は、IP アドレスからホスト名への解決にホスト ファイルを使用することもできます。
ネットワーク タイム プロトコル(NTP)を実装して、ネットワーク デバイスのクロックをネットワーク タイム サーバまたはネットワーク対応クロックに同期できるようにする必要があります。NTP によって、ネットワーク中のデバイスのすべてのログ、トラップ、ポーリング、およびレポートのタイムスタンプが正確であることが保証されるため、NTP はネットワークの運用および管理に不可欠なネットワーク サービスです。
ネットワーク内の Cisco Discovery Protocol(CDP)で適切なモニタリングを確実にできるようにする必要があります。Prime Collaboration の自動デバイス検出は、CDP テーブルに基づきます。CDP の代わりに ping スイープを使用することもできますが、ping スイープを使用して検出された IP Phone は「管理対象外」として報告されます。また、簡易ネットワーク管理プロトコル(SNMP)もネットワーク デバイス上で有効にして、Prime Collaboration が設定済みのポーリング間隔でネットワーク デバイスの情報を取得したり、管理対象デバイスによって送信されたトラップ通知で警告および障害を受信できるようにする必要があります。
Cisco Unified Communications ネットワークの詳細については、ネットワーク インフラストラクチャの章を参照してください。
Cisco Prime Collaboration Assurance は、一貫性のある高画質ビデオと音声のコラボレーション体験を確実にユーザに提供するために役立つ、一連のモニタリング、トラブルシューティング、レポートの機能を備えた、包括的なビデオおよび音声サービス保証管理システムです。Prime Collaboration Assurance は Standard と Advanced の 2 つのモードで使用可能です。
Prime Collaboration Assurance は、アプリケーションと基盤となるトランスポート インフラストラクチャの統合保証管理を可能にするすべての機能を備えています。これには、Cisco TelePresence ソリューションと Unified Communications システム全体のリアルタイム モニタリングやトラブルシューティングが含まれます。
Prime Collaboration Standard は、Unified Communications と TelePresence コンポーネントの管理に役立つ基本的な保証機能を提供します。機能は次のとおりです。
Prime Collaboration Standard には、Unified Communications および TelePresence コンポーネントの管理に役立つ次の機能が含まれています。
Cisco Unified Communications Manager(電話機および TelePresence エンドポイント)、Cisco TelePresence VCS、Cisco TelePresence Management Suite(TMS)に登録されているエンドポイントを検出して管理できます。検出の一部として、デバイスの詳細も取得され、Prime Collaboration データベースに保存されます。検出が完了したら、次のデバイス管理タスクを実行できます。
サービス オペレータは、企業のすべての音声およびビデオ セッションについて、ネットワークにおけるサービス低下の原因を迅速に特定する必要があります。Prime Collaboration では、サービス インフラストラクチャとネットワーク関連の問題の詳細な分析を行えます。
Prime Collaboration は、設定されたポーリングパラメータに基づいて管理対象デバイスから定期的に情報をインポートします。
ホーム ページには、システム パフォーマンス、デバイス ステータス、デバイス検出、CTI アプリケーション、音声メッセージング ポートをモニタするのに役立つ複数の構成済みダッシュレットが含まれています。これらのダッシュレットにより、システムの健全性を監視するための事前定義済みの一連の管理オブジェクトを監視することができます。ダッシュレットから状況に応じたサービスアビリティ ページを起動できます。
Prime Collaboration は、ほぼリアルタイムで、迅速かつ正確な障害検出を実現します。Prime Collaboration では、ユーザにとって重要なイベントをモニタできます。アラームの通知を送信するように Prime Collaboration を設定できます。
Cisco TelePresence Management System や Unified Communications アプリケーションにおける障害以外にも、Cisco TMS で発生したカスタム チケットを表示します。
アラーム ブラウザを使用して、アラームやシステムのイベントを表示し、トラブルシューティングを開始できます。また、障害通知を送信するように Prime Collaboration を設定し、Call Events UI の Cisco TMS アプリケーションに関連するコールの接続または切断の詳細を表示できます。
Cisco Prime Collaboration Assurance は、Cisco Unified Communications インフラストラクチャ全体の統合ビューを提供し、Cisco Unified Communications ネットワークの各要素の現在の動作ステータスを示します。また、Prime Collaboration は、問題を迅速に切り分けて解決するための診断機能も備えています。Cisco ゲートウェイ、ルータ、スイッチに加えて、Prime Collaboration は、次のようなさまざまな Cisco Unified Communications 要素の運用ステータスも継続的にモニタリングします。
(注) Cisco Prime Collaboration のサービス レベル ビューは、複数の Cisco Unified Contact Center Enterprise(Unified CCE)の配置はサポートしていません。
(注) Cisco Prime Collaboration は仮想環境で動作する Unified Communications および TelePresence アプリケーションに対応していますが、VMware やハードウェアをモニタすることはできません。VMware ホストの管理には vCenter を使用してください。Unified Computing System(UCS)B シリーズ ブレード サーバの場合、UCS Manager には Cisco UCS 内のすべてのソフトウェアとハードウェア コンポーネントを統合管理する機能が組み込まれています。これにより、複数のシャーシを制御し、何千もの仮想マシンのリソースを管理します。UCS C シリーズ サーバの場合、Cisco Integrated Management Controller は管理サービスを備えています。
サポートされている製品(特に Cisco エンドポイント)および Prime Collaboration でサポートされているバージョンの詳細については、次の URL から入手可能な Cisco Prime Collaboration のデータ シートを参照してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/cloud-systems-management/prime-collaboration/index.html
Unified Communications の構成要素をモニタするプロトコルの 1 つとして、Prime Collaboration では簡易ネットワーク管理プロトコル(SNMP)が使用されます。SNMP は、トランスポート層プロトコルとして UDP を使用するアプリケーション層プロトコルです。SNMP で管理されるネットワークには、次の 3 つのキーとなる要素があります。
SNMP の実装では、SNMP v1、SNMP v2c、および SNMP v3 の 3 つのバージョンがサポートされています。SNMP v3 は、認証、暗号化、およびメッセージの完全性をサポートしています。管理トラフィックにセキュリティが必要な場合は、SNMP v3 を使用できます。Prime Collaboration は、SNNP の 3 種類のバージョンをすべてサポートしています。エージェントとマネージャが正常に通信するには、各デバイスに SNMP v1 および v2c のリード/ライト(read/write)コミュニティ ストリングまたは SNMP v3 のクレデンシャルを設定する必要があります。Prime Collaboration では、ネットワーク デバイス情報を収集するために SNMP 読み取りアクセスだけが必要です。
SNMP の詳細については、次の URL から入手可能な Cisco Prime Collaboration のマニュアルを参照してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/cloud-systems-management/prime-collaboration/index.html
Cisco Prime Collaboration は、次のような方法でネットワーク内の他のデバイスとインターフェイスを取ります。
図 27-1 は、パフォーマンス カウンタとアラームを収集するために Prime Collaboration が Unified CM との複数のインターフェイスを利用するしくみシステム レベルの概要を示しています。
図 27-1 Prime Collaboration と Unified CM のシステム レベルの統合
Cisco Prime Collaboration Assurance Advanced は Cisco Unified Communications ネットワークでのコールの音声品質をモニタします。また、Unified CM とネットワーク解析モジュール(NAM)を利用して、ネットワーク内の疑似コールではなく、実際のコールに関する音声品質統計情報をモニタリングして収集します。次に、収集した品質統計情報を事前定義されたしきい値と比較します。
また、Prime Collaboration Assurance Advanced は、Cisco Prime Analytics(Prime Collaboration Advanced でのみ利用可能)にも音声品質情報を送信して、Analytics がコール データ分析を実行してレポートを生成できるようにします。
(注) 一連のグローバルなコール品質しきい値は、サポートされているコーデック タイプごとに 1 つずつ定義できます。モニタ対象の Unified CM クラスタに基づいて、異なるしきい値をグループ化できます。
音声品質とは、IP Phone コールの音声および会話の品質を測る質的および量的な基準です。音声品質の測定は、音声会話の明確度および明瞭度を表して、評価します。Prime Collaboration は、ネットワーク解析モジュール(NAM)と Unified CM を使用して音声品質情報をモニタし、レポートします。
Unified CM は、コール終了時に音声およびビデオ情報とメトリックをコール詳細レコード(CDR)とコール管理レコード(CMR)に保存します。CMR と CDR は、セキュア ファイル転送プロトコル(SFTP)を介して、60 秒ごとに Prime Collaboration に転送されます。Unified CM と統合するには、Unified CM の Unified Serviceability の設定 Web ページで、Prime Collaboration を課金アプリケーション サーバとして設定する必要があります。Unified CM クラスタごとに最大 3 つの課金アプリケーション サーバを設定できます。次の設定を課金アプリケーション サーバに指定します。
(注) Cisco CE または TE ソフトウェアを実行している Cisco Jabber およびエンドポイントは、コール終了時の音声およびビデオ情報を生成しません。したがって、これらのエンドポイントの CMR はありません。
これまでは、音声品質をモニタする 1 つの方法として、Cisco Voice Transmission Quality(CVTQ)アルゴリズムを使用することに重点が置かれていました。CVTQ は Klirrfaktor(K ファクタ)方式に基づいて、音声コールの MOS 値を見積もります。Cisco CSR 12. x では、重要な統計情報はパケット カウント、隠蔽率、隠蔽秒数カウンタです。これらはネットワーク障害が耳に聞こえるレベルになる前や、MOS によって視覚化される前にネットワーク オペレータに警告を発します。 表 27-3 は、これらのカウンタとカウンタから計算されるメトリックを示しています。
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表 27-3 に示すように、SCSR は音声品質の測定基準であり、Prime Assurance によってコールの評価に使用されます。継続時間が 20 秒未満のコールの場合は、通話品質の評価に次の SCSR 値が使用されます。
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継続時間が 20 秒以上のコールの場合は、通話品質の評価に次の SCSR 値が使用されます。
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Cisco NAM は、リモート モニタリング(RMON)および一部の SNMP 管理情報ベース(MIB)を利用して、ネットワーク管理者が Unified Communications インフラストラクチャのすべてのレイヤを表示し、アプリケーションや、音声とビデオのアプリケーションの QoS などのネットワーク サービスをモニタ、分析、トラブルシューティングできるようにするトラフィック分析モジュールです。Cisco NAM 4.0 で追加された音声計測方法では、NAM を Prime Collaboration と統合し、NAM に組み込まれているデータ収集とパフォーマンス分析を介してコール メトリクスを利用できます。
Cisco NAM は、Prime Collaboration を補完して企業全体の音声管理ソリューションを提供します。NAM アプライアンスは、トラブルシューティングおよび分析のためのグラフィカル ユーザ インターフェイスを備えており、RTP を使用した音声品質分析、音声制御、およびシグナリング モニタリングのための豊富なフィーチャ セットを提供します。
Cisco Prime Collaboration は、音声品質メトリックのために 60 秒ごとに NAM をポーリングをします。次に、そのデータの MOS を計算します。これにより、Prime Collaboration は、CDR と NAM からのコール ストリーム レポートを相互に関連させてさらに高度な分析を行うことができます。
Unified CM の通話品質(CDR および CMR)と NAM は相互に補完して、音声品質測定のトータル ソリューションを実現します。Unified CM と Cisco NAM による音声品質モニタリングの主な違いは、次のとおりです。
Unified CM の通話品質メトリックが使用されていない場合でも、Prime Collaboration は Unified CM の CDR 情報を使用して NAM レポートと相互に関連させ、次のメトリクスを取得します。
Cisco Prime Collaboration はリアルタイムの Unified CM トランク使用率のパフォーマンス グラフを表示します。また、Cisco Prime Analytics と緊密に統合されており、長期間にわたるトレンド分析とレポート処理を行えるように、収集したコール情報を Analytics に提供します。コール情報は、Prime Collaboration が Unified CM から収集した CDR および CMR レコードから提供されます。
Unified CM パブリッシャ サーバは、SFTP 経由で CDR および CMR ファイルを Prime Collaboration に転送します。パブリッシャ サーバを使用できない場合はフェールオーバー メカニズムがないため、Prime Collaboration は Unified CM クラスタ内のコールの MOS 値を含む新しい CDR や CMR ファイルを取得できません。
Cisco Prime Collaboration は、次の音声品質モニタリング機能をサポートしています。
– 1 分あたり 5,000 本のセンサーベースの RTP ストリーム(NAM モジュール)
– 1 分あたり 1,600 本の Unified CM コール
– 1 分あたり 1,500 本の RTP ストリームと 666 本の Unified CM コール
(注) Prime Collaboration がフル キャパシティで動作している場合、予想されるデータベース増加(Syslog、CDR、および CMR のファイル)は 1 日あたり約 2.4 GB になると推定されます。
表 27-4 は、Cisco Prime Collaboration のさまざまなプロトコル インターフェイスで Assurance に対して使用されるポートを示しています。これらのポートを社内ファイアウォール(該当する場合)で許可して、Prime Collaboration とネットワーク内の他のデバイス間の通信を可能にすることを推奨します。
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(注) Cisco NAM は、デフォルト以外のポートを使用して、HTTPS でリモートにアクセスされます。Prime Collaboration は各 Cisco NAM と使用して認証を行い、HTTP/S セッションを維持します。
Prime Collaboration または管理対象デバイスから発信されるすべての管理トラフィック(SNMP)には、デフォルトのマーキングとして DSCP 0x00(PHB 0)が付けられます。ネットワーク管理システムの目標は、ネットワーク内のすべての問題または誤動作に対応することです。正確かつ信頼性の高いモニタリングを保証するために、ネットワーク管理データを優先順位付けする必要があります。QoS メカニズムを実装すると、パケット遅延、パケット損失、およびジッタが確実に減少します。ネットワーク管理トラフィックに IP Precedence 2、つまり DSCP 0x16(PHB CS2)を付けて、最小帯域幅保証を提供することを推奨します。Windows オペレーティング システムでは、DSCP 値を設定する必要があります。
管理対象デバイスがファイアウォールの背後にある場合、管理トラフィックを許可するようにファイアウォールを設定する必要があります。ネットワーク アドレス変換(NAT)を使用するネットワークでは、Prime Collaboration のサポートに制限があります。Prime Collaboration サーバから NAT の背後にあるデバイスの NAT IP アドレスへの IP 接続と SNMP 接続が必要です。Prime Collaboration ではスタティック NAT がサポートされます。
Prime Collaboration は、設定された間隔で管理対象デバイスをポーリングして運用ステータス情報を取得します。この情報には、重要な管理データが大量に含まれている可能性があります。特に低速 WAN 上に多数の管理対象デバイスがある場合は、帯域幅を管理データ用にプロビジョニングする必要があります。トラフィック量は、管理対象デバイスのタイプによってそれぞれ異なります。たとえば、Cisco 音声ゲートウェイのモニタリングと比較した場合、Unified CM のモニタリングのほうがより多くの管理メッセージを含んでいることがあります。また、管理トラフィックの量は、管理対象デバイスが完全モニタリング状態にあるのか部分モニタリング状態にあるのか、および統合テストが実行されているのかどうかによって変わります。
Cisco Prime Collaboration Analytics は、Prime Assurance にさらに多くの利点をもたらします。Analytics は、長期間にわたって低下を識別するトレンド分析機能を備えています。また、トレンド分析を利用して、キャパシティ プランニングと Quality of Service(QoS)情報を提供することもできます。キャパシティ プランニング機能により、管理者は拡張を計画したり、ネットワーク内の過剰に利用されているリソースや十分に利用されていないリソース(TelePresence エンドポイントなど)を特定したりできます。Analytics は、CIO プランナーや IT プランナーに実践的な情報を提供するレポートを自動生成できます。レポートは固有のビジネス ニーズに合わせてカスタマイズ可能です。
Analytics は次の事前定義されたダッシュボードをサポートしています。
必要に応じて、カスタムのダッシュボードとダッシュレットも作成できます。
[テクノロジー導入(Technology Adoption)] ダッシュボードを使用すると、配置されたデバイスと使用された時間(分)を表示して、音声およびビデオの配置の進捗状況を表示できます。この情報によって、現在の導入分析に基づいた、よりインテリジェントなテクノロジー投資の決定が可能になります。
[資産使用状況(Asset Usage)] ダッシュボードには、長期にわたるコラボレーション ネットワーク リソースの使用率分析が表示されます。また、使用頻度が最も低いリソースと最も高いリソース(エンドポイント)などの情報も示されます。
[トラフィック分析(Traffic Analysis)] ダッシュボードを使用すると、長期的なサービス品質の問題を分析したり、音声およびビデオ トラフィックのパターンを特定することができます。上位 N 件の発信者、上位 N 件のダイヤル番号、上位 N 件のオフネット トラフィックの場所、上位 N 件のコール トラフィックの場所を示すオプションもあります。
[キャパシティ分析(Capacity Analysis)] ダッシュボードには、会議デバイス、コール アドミッション制御の帯域幅、トランクなど、未使用または十分に利用されていない音声およびビデオ資産を追跡できるオプションがあります。提供される情報は、機器とネットワーク コストの最適化に役立ちます。
[サービス エクスペリエンス(Service Experience)] ダッシュボードを使用すると、コラボレーションの配置におけるコール品質の問題を特定できます。品質に問題がある上位 N 件のエンドポイントを表示したり、品質レベルに基づいてフィルタリングすることができます。また、通話障害の分析、ユーザ グループやエンドポイント グループによるサービス使用状況の識別、IT 費用を効率的な割り当てを行うことができます。
機能のサポートや機能の詳細については、 https://www.cisco.com から入手可能な Cisco Prime Collaboration Analytics 製品のマニュアルを参照してください。
(注) 現在、Analytics による冗長性およびフェールオーバーのサポートはありません。
Analytics は Prime Assurance の OVA 含まれており、同じ仮想マシン上で動作します。Analytics には別途ライセンスが必要なので注意してください。
Prime Collaboration Provisioning は、次の形式で使用可能です。
Prime Collaboration Provisioning Standard は、Cisco Prime Collaboration Provisioning の簡素化されたバージョンです。すべてのコラボレーション サービスで、簡素化されたプロビジョニングを提供します。電話、ボイスメール クライアント、ビデオ エンドポイントを含めたすべてのサービスをプロビジョニングできます。Provisioning のサポートは、制限された承認権限を持つ 1 台の Unified Communications クラスタで利用できます。
Provisioning Advanced は、個別ドメインへの委任、インフラストラクチャ インスタンスの設定用テンプレートのサポート、詳細バッチ プロビジョニングなど、より高度な機能を提供します。 表 27-5 は、Prime Collaboration Provisioning Standard と Prime Collaboration Provisioning Advanced で使用できる機能を示しています。
Cisco Prime Collaboration は、Cisco Unified Communications Manager(Unified CM)、Cisco Unified Communications Manager Express(Unified CME)、Cisco Unity Connection、および Cisco Unity Express の新規と既存の両方の配置について、簡素化された Web ベースのプロビジョニング インターフェイスを提供します。Prime Collaboration は、インフラストラクチャとサブスクライバの両方に対して、導入時(Day 1)および導入後(Day 2)のニーズに応じたプロビジョニングを提供します。1 日目に必要なものには、新規配置の設定およびサイトまたはロケーションの追加が含まれ、2 日目に必要なものには、Cisco Unified Communications ソリューションのさまざまなコンポーネントにおける継続的な移動、追加、および変更のためのサービスが含まれます。
また、Cisco Prime Collaboration では Northbound API を公開しているので、シスコ製品やサード パーティ製品を外部アプリケーション(HR システム、カスタムまたはブランド製のユーザ ポータル、他のプロビジョニング システム、ディレクトリ サーバなど)と統合できます。
Prime Collaboration のシステム要件とインストール手順、プロビジョニング ユーザとサポートされるコンポーネントのインフラストラクチャ、およびキャパシティ情報については、次の URL から入手可能な Cisco Prime Collaboration のマニュアルを参照してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/cloud-systems-management/prime-collaboration/index.html
Prime Collaboration をネットワーク管理ソリューションとして使用する方法をより深く理解して、さまざまな Cisco Unified Communications コンポーネントをプロビジョニングできるように、次の項では Prime Collaboration の基本概念について説明します。
Cisco Prime Collaboration は、Cisco Unified Communications システムの次のコンポーネントのプロビジョニング インターフェイスとして動作します。
– Cisco Unified Communications Manager(Unified CM)
– Cisco Unified Communications Manager Express(Unified CME)
– Cisco VG224、VG204、VG202 アナログ音声ゲートウェイ
(注) コンポーネントのバージョンの互換性については、https://www.cisco.com/c/en/us/products/cloud-systems-management/prime-collaboration/index.html で Prime Collaboration の情報を参照してください。
次の項では、これらのコンポーネントの設定に関連する Prime Collaboration の概念について説明します。
ドメインは、システム内に複数の論理グループを作成するという管理上の目的で使用されます。ドメインには次の特性があります。
サービス エリアはオフィスを示します。サービス エリアによって、ドメイン内のダイヤル プランおよび他の音声関連の設定が決まります。現実には、各オフィスに複数のサービス エリアが存在することがあります。サービス エリアによって、Unified CM 内で使用されるデバイス グループ、ルート パーティション、コーリング サーチ スペースなどの属性が決まります。サービス エリアには次の特性があります。
新規サイトを展開する場合、または既存のサイトに対して移動、追加、および変更を行う場合、ユーザは、オーダーの作成とそのオーダーの処理という 2 段階のプロセスで基盤となるシステムを変更します。これらの段階の両方にポリシーを設定できます。たとえば、1 つのユーザ グループはオーダーの作成と送信だけができ、別のユーザ グループは処理関連のアクティビティの表示および実行ができるようにシステムを設定できます。Prime Collaboration には、Prime Collaboration の設定方法に基づいて、サービス アクティベーションやビジネス フローなどのオーダー処理を実行するオートメーション エンジンが含まれています。
ワークフローは、オーダー プロセスのアクティビティ(承認、電話機割り当て、出荷、および受領)を連係させます。
Prime Collaboration では、設定テンプレートを使用することにより、一貫した方法で Unified CM、Unified CME、Cisco Unity Express、Cisco Unity Connection を設定できます。テンプレートを使用して、これらの製品を設定したり、既存の製品で増分ロールアウトを実施したり、既存の顧客全員に新しいサービスを展開したりできます。
ユーザの作成およびそのサービスのプロビジョニングは、新規支店のロール アウトまたはレガシー システムからの移行用のバッチ プロビジョニングで自動的に実行することもできます。
次のベスト プラクティスとガイドラインは、Prime Collaboration を使用して、新規または既存の配置用に Cisco Unified Communications コンポーネントをプロビジョニングする場合に該当します。
これらのベスト プラクティスは、次のような基本タスクによってサポートされています。
次の設計上の考慮事項は、Prime Collaboration を使用してプロビジョニングする場合に該当します。
– 複数のサイトに対して、複数のコール プロセッサと複数のメッセージ プロセッサを持つ単一のドメインを作成します。
– サイトごとに 1 つのコール プロセッサと 0 個以上のオプションのメッセージ プロセッサで構成されるドメインを作成します。
– サブスクライバのサブセットを管理するために個別の管理者が必要な場合は、複数のドメインを作成します。
– Prime Collaboration は IPv4 リンクを介して Unified CM と通信します。Unified CM には IPv4 の SOAP AXL インターフェイスしかないため、Prime Collaboration のユーザ設定インターフェイスでは IPv4 IP アドレスしか入力できません。したがって、Prime Collaboration は IPv4 アドレスを使用して Unified CM の AXL インターフェイスと通信する必要があります。
– Prime Collaboration は、SIP トランクの AXL 応答メッセージに含まれている IPv6 アドレスを処理します。
– IPv6 対応機能のサポートは、現在の Cisco Unified Communications Manager Express、Cisco Unity Express、および Cisco Unity Connection のデバイスのサポートには影響を与えません。
Prime Collaboration が設定プロセスの途中で失敗した場合は、Prime Collaboration GUI から設定済みデバイスに対して行われた変更が保存されていない可能性があり、復元できません。管理者は、Prime Collaboration が復旧されるまで、telnet などの他のツールを使用するか、管理対象デバイスにログイン(HTTP)して、手動手順により設定プロセスを続行する必要があります。コール プロセッサ(Unified CM または Unified CME)、メッセージ プロセッサ(Unity Connection、または Unity Express)、およびドメインに対して Prime Collaboration から同期化を実行しない場合、管理対象デバイスに手動で追加された設定変更は Prime Collaboration のダッシュボードやデータベースに自動的に表示されません。
表 27-6 は、Prime Collaboration のさまざまなプロトコル インターフェイスで使用されるポートを示しています。これらのポートを社内ファイアウォール(該当する場合)で許可して、Prime Collaboration とネットワーク内の他のデバイス間の通信を可能にすることを推奨します。
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HTTPS 2 |
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SSH3 |
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Telnet 3 |
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データベース4 |
Cisco TelePresence Management Suite(TMS)は、ビデオ エンドポイントのスケジューリングと会議デバイスをサポートします。スケジューリングによって、エンドポイントとポート リソースの可用性が確保され、TelePresence 会議への接続が簡便になります。大部分の企業は、カレンダー アプリケーションを使用して会議のスケジュール作成しています。そのような場合は、カレンダー統合を行うと、ユーザが既存のカレンダー クライアントを使用して会議をスケジュールできるようになります。
カレンダーを統合すると、会議が作成される場所に関係なく、リソースの可用性情報を検討しながら、カレンダー アプリケーションから直接ビデオ会議をスケジュールして参加者を招待できます。カレンダー オプションには次のものがあります。
会議の主催者は、Microsoft Outlook クライアントを使用して会議をスケジュールすることができます。
会議の主催者は、IBM Lotus Notes クライアントを使用して会議をスケジュールすることができます。
会議の主催者は、API の統合により、追加グループウェア カレンダー システムを使用して会議をスケジュールすることができます。
ユーザまたは管理者は、Web ベースのインターフェイスを使用して会議をスケジュールすることができます。これは Cisco TMS コア アプリケーションの一部なので、別途インストールしたり統合する必要はありません。
Cisco TMS の拡張機能と API の詳細については、次の URL から入手可能な製品マニュアルを参照してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/support/conferencing/telepresence-management-suite-extensions/tsd-products-support-series-home.html
Cisco TMS では、ユーザと管理者が Web ベースのインターフェイスを使用して会議をスケジュールすることもできます。これは Cisco TMS コア アプリケーションの一部なので、別途インストールしたり統合したりする必要はありません。
組織で選択したスケジュールおよび管理プラットフォームを社内のカレンダー アプリケーションに統合することを強く推奨します。ただし、TMS Web インターフェイスを使用して会議をスケジュールすることもできます。
Cisco TMS カレンダー統合を社内のカレンダー アプリケーションとして展開する場合は、環境に応じた適切な拡張機能を選択してください。たとえば、既存のカレンダー アプリケーションが Microsoft Exchange の場合は TMSXE を使用します。TMSXE はスタンドアロン サーバにインストールされ、TMSXN は Lotus Domino サーバにインストールされます。統合ソフトウェアは Cisco TMS とは別にインストールされ、HTTP または HTTPS を使用してカレンダー サーバと通信します。
シスコでは、ビデオ会議リソース(Cisco TelePresence Video Communication Server または Cisco MCU)をスケジュール済み会議または永続的/臨時会議専用に設定することを推奨します。永続的会議や臨時会議は計画されているリソースを消費する可能性があるからです。これによってサーバのリソースが不足し、予定のビデオ参加者が会議に参加できなかったり、音声のみでの参加となったりするなど、スケジュールされている会議に悪影響が及ぶことになります。
Cisco TMS は、以下のような各種のレポートおよび分析機能を備えています。
ただし、これらの機能の一部は特定の展開でのみ機能します。たとえば、Cisco TelePresence TX9000 や Cisco TelePresence System EX90 などのエンドポイントが Cisco Unified Communications Manager(Unified CM)に登録されている場合、Cisco TMS はそのエンドポイントに対してレポートを生成できません。Cisco TMS は、Cisco TelePresence Video Communication Server(VCS)に登録されているエンドポイントに対してのみコール詳細レコード(CDR)レポートを生成できます。Unified CM に登録されているエンドポイントの場合は、CDR を Unified CM からダウンロードできます。
さらにカスタマイズしたレポート、ビジネス知識、ビジネス インテリジェンス アプリケーションとの統合を必要とする組織では、Cisco TelePresence Management Suite Analytics Extension(TMSAE)を使用できます。これは、ビデオ ネットワークに高度なレポート機能を提供する Cisco TMS 用のオンライン分析処理システムです。Cisco TMSAE の詳細については、次の URL から入手可能な製品マニュアルを参照してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/support/conferencing/telepresence-management-suite-extensions/tsd-products-support-series-home.html
TelePresence 環境における管理の主な役割は、プロビジョニング、モニタリング、メンテナンス、リソース管理などです。Cisco TelePresence Management Suite(Cisco TMS)を使用すると、TelePresence 環境ともに TelePresence 環境でサポートされるスケジューリング インターフェイスを管理できます。
Cisco TMS は、Cisco VCS と Cisco Unified CM の両方に登録されているエンドポイントを管理できます。デバイスの管理方式には、直接管理とプロビジョニングの 2 種類があります。
直接管理対象のデバイスは、Cisco TMS システム ナビゲータに手動で追加します。Cisco TMS は 5,000 台の直接管理対象デバイスをサポートします。Cisco TMS は、HTTP または SNMP プロトコル経由でエンドポイントと直接通信します。直接管理対象のエンドポイントが Unified CM に登録されている場合は、Unified CM が、ソフトウェアのアップグレードなど、大部分の管理機能に対処します。直接管理対象のエンドポイントが Cisco VCS に登録されている場合は、Cisco TMS が、ソフトウェアのアップグレードなどの機能を含めて、エンドポイントの管理やプロビジョニングに対処します。
Cisco TMS も Cisco VCS、Cisco MCU などのインフラストラクチャ デバイスを直接管理できます。現在、Cisco TMS は、Cisco VCS に登録されている会議デバイスに対してのみスケジューリングと管理をサポートしています。
プロビジョニング対象のエンドポイントは TMS システム ナビゲータにはありませんが、Cisco TMS Provisioning Extension(TMSPE)を介して Cisco TMS でプロビジョニングされます。Cisco TMS は 100,000 台のプロビジョニング対象デバイスをサポートします。プロビジョニング方式を使用すると、Cisco TMS のサポート可能範囲が大幅に拡大します。また、システムを手動で追加する必要がないため、一括配置の手順もシンプル化されます。ただし、直接管理対象エンドポイントと比べて、プロビジョニング対象エンドポイントに対する Cisco TMS の制御性は低下します。さらに、プロビジョニング対象のエンドポイントではスケジューリングはサポートされません。
Cisco TMS は、プロビジョニング対象エンドポイントに加えて、Cisco VCS に登録されている直接管理対象エンドポイントの電話帳機能も備えています。電話帳を使用すると、ユーザの検索やダイヤル アウトの操作性が向上します。
Cisco TMS には、スケジュールされたビデオ会議と臨時ビデオ会議の両方をモニタするインターフェイスもあります。
詳細については、『 Cisco TelePresence Management Suite Administrator Guide 』の最新バージョンを参照してください。このマニュアルは次の URL から入手できます。
https://www.cisco.com/c/en/us/support/conferencing/telepresence-management-suite-tms/products-maintenance-guides-list.html
Cisco TMS Provisioning Extension(TMSPE)は、Cisco TMS および Cisco VCS 用のプロビジョニング アプリケーションです。Cisco TMSPE を使用することで、ビデオ会議ネットワーク管理者は、大規模展開が可能なビデオ会議ソリューションを作成して管理できます。Cisco TMSPE は、Cisco TMS サーバの TMS エージェントに代わるアドオンであり、次の主要機能を備えています。
詳細については、『 Cisco TelePresence Management Suite Provisioning Extension Deployment Guide 』の最新バージョンを参照してください。このマニュアルは次の URL から入手できます。
https://www.cisco.com/c/en/us/support/conferencing/telepresence-management-suite-tms/products-installation-and-configuration-guides-list.html
電話帳を使用すると、連絡先の保守性やダイヤルの操作性が向上します。Cisco TMS 電話帳は Microsoft Active Directory(AD)、Cisco Unified CM、H.350 サーバ、ゲートキーパーなど、さまざまなソースから作成して設定できます。
電話帳にはローカル電話帳とグローバル電話帳の 2 種類があります。ローカル電話帳(別称「 お気に入り 」)は、エンド ユーザ固有のエンドポイントに格納されるファイルです。連絡先は、必要に応じて、ユーザが追加、変更、削除できます。
グローバルまたは社内電話帳は Cisco TMS からエンドポイントに送信されます。これらの電話帳は AD、H.350 サーバ、またはローカル Cisco TMS データベースから自動的に入力されるため、エンドポイントからは変更できません。管理者は、特定のユーザの電話帳を選択して適切なエンドポイントに送信できます。
Cisco TMS には、エンドポイントやインフラストラクチャのデバイスのソフトウェア イメージを追加できるソフトウェア マネージャ リポジトリがあります。それらのイメージを使用して、Cisco VCS に登録済みの一致するエンドポイントやインフラストラクチャのデバイスをアップグレードすることができます。管理者は、複数のデバイスを選択して Cisco TMS から一度にアップグレードできます。Cisco TMS ではアップグレードの状態が示されます。Cisco TMS を使用してアップグレードするほうが、エンドポイントやインフラストラクチャのデバイスを手動でアップグレードよりも簡便です。
Cisco TMS は会議のモニタ機能も備えています。Cisco TMS ではすべてのスケジュールされた会議が一覧表示され、会議のステータス([アクティブ(Active)] など)とともに、アクティブな会議の参加者ごとのパケット損失の詳細が TMS の Conference Control Center に表示されます。エラーは TMS のチケット サービスに表示されます。たとえば、設定エラーがある場合、Cisco TMS はそれを検出して、該当するデバイスに関連付けられているチケットをオープンします。各チケットには ID と重大度が含まれています。
Cisco Collaboration System Release(CSR)12.0 以降には、シスコ スマート ソフトウェア ライセンシングと、組織のコラボレーション ライセンスを管理するための Cisco Smart Software Manager(SSM)が同梱されています。Cisco SSM は、Cisco Unified CM、Cisco Unity Connection、Cisco Emergency Responder ならびに他のシスコ製品のラインセンスの適用、追跡、管理を一元化する手段となります。Cisco Smart Software Manager では管理者を支援するために、ユーザにアプリケーション サーバに対するライセンスを適用するために必要なステップの多くを自動化しています。
シスコ スマート ソフトウェア ライセンシングを構成する、シスコでホストされた Cisco Smart Software Manager Web ポータルでは、組織のコラボレーション アプリケーションの権限付与とライセンスが追跡されてコラボレーション コンポーネントと同期されます。
お客様がライセンスを購入すると、それらのライセンスが自動的にお客様の Cisco スマート アカウントに適用されて、Cisco SSM を介してオンプレミス アプリケーションと同期されます。Cisco Smart Software Manager はオンプレミスのコラボレーション アプリケーション インスタンスをシスコ ライセンシング サービスに登録し、それらのアプリケーションに対して組織のラインセンスを同期させます。
次の Unified Communications アプリケーションでは、シスコ スマート ソフトウェア ライセンシングを使用します。
Cisco Smart Software Manager ポータルを使用してソフトウェアおよび権限付与を管理するには、最初に適切なライセンスを購入して Cisco スマート アカウントに適用する必要があります。その上で、組織の管理者が Cisco Smart Software Manager ポータル( https://software.cisco.com )で製品インスタンス登録トークンを生成します。その後、管理者は Cisco Smart Software Manager ポータルからコピーした登録トークンを使用して、コラボレーション アプリケーション製品インスタンスを登録します。登録後は、アプリケーションが Cisco Smart Software Manager と同期されて、ユーザおよび機能のライセンス資格情報を受信するようになります。
アプリケーションの非準拠状態は 90 日まで許容されます。この期間内はシステムが正常に機能し、ライセンスが不足している場合や、システムと Cisco SSM の間の通信が失われた場合は、管理者が変更を行うことができます。システムの非準拠状態が 90 日間続くと(つまり、不足しているライセンスが購入されない場合、または Cisco SSM との通信が復旧されない場合)、コラボレーション アプリケーションの機能は次のように制限されることになります。
システムの非準拠状態が 90 日間続いた場合、Unified CM は引き続きコールの処理を行いますが、ユーザまたはデバイスの移動、追加、変更、削除(MACD)は許可されなくなります。
システムが非準拠状態の場合、引き続きシステムを使用して管理上の変更を行うことはできますが、システムはボイス メッセージング サービスを提供しなくなります。つまり、システムがコールに応答しなくなるため、発信者がメッセージを残したり、ユーザがボイス メッセージを取得したりすることはできません。
システムが非準拠状態の場合、Cisco Phone Tracking Engine サービスは停止されて、システムは電話機を追跡してロケーションを更新することをしなくなります。
シスコ スマート ソフトウェア ライセンシングおよび Cisco Smart Software Manager を使用したライセンス管理の詳細については、以下のリンク先から入手できる情報を参照してください。
https://www.cisco.com/go/smartlicensing
サポートされているすべてのアプリケーションのパブリッシャ ノードでは、シスコ スマート ソフトウェア ライセンシングが自動的に有効にされます。各クラスタ内のパブリッシャ ノードでは、Cisco Smart Licensing Manager サービスが自動的にアクティベートされて起動され、このサービスによってライセンスが管理されるようになります。パブリッシャ ノードは、クラスター内の他のすべてのノードのライセンスを管理します。
コラボレーション アプリケーションを登録して Cisco Smart Software Manager(SSM)とライセンス情報を同期させるには、各クラスタのパブリッシャ ノード上で実行中の Cisco Smart Licensing Manager サービスがインターネットを介して Cisco SSM サービスと通信する必要があります。この通信は直接行われることも、仲介されることもあります。
コラボレーション アプリケーションはインターネットで HTTPS を使用して直接 Cisco SSM サービスと通信しようとします。組織でアウトバウンド HTTPS トラフィックが許可されている場合、アウトバウンド HTTPS トラフィックはオンラインの Cisco SSM サービスに問題なく渡されます。組織のデータ センター アプリケーションから直接インターネットにアウトバウンド HTTPS トラフィックを渡すことが許可されていない場合は、シスコ スマート ソフトウェア ライセンシングとの通信を HTTP プロキシによってインターネットにリダイレクトできます。HTTP プロキシを使うか使わないかに関わらず、いずれの場合もアプリケーションと Cisco SSM オンライン サービスとの通信はインターネットを介して直接行われます。
別の方法として、コラボレーション アプリケーション パブリッシャ ノード間の通信をオンプレミスの Cisco Smart Software Manager サテライト システムに転送することもできます。これは、スマート ライセンシングとの通信を仲介するという方法です。Cisco SSM サテライト システムは、オンプレミスのデータ センター内の仮想マシン(VM)に配備されます。SSM サテライト システムが仲介者として、オンプレミスのコラボレーション アプリケーションとインターネットでホストされたオンラインの Cisco SSM サービスとの間で通信を中継します。SSM サテライトでは、定期的に Cisco SSM オンライン サービスに接続して同期する必要があります。この定期的な同期は、Cisco SSM サテライト システムと Cisco SSM オンライン サービス間の直接 HTTPS 通信を使用して行います。これが、Cisco SSM サテライト接続モードです。前述のとおり、組織がインターネットへのアウトバウンド HTTPS トラフィックに対して制限を課している場合は、HTTP プロキシを使用するか、あるいは SSM サテライト システムからのレポート ファイルを定期的に手動でオンライン サービスにアップロードするかのどちらかで、登録と承認を保守することになります。
Cisco SSM の直接導入または仲介による導入のいずれかを選択する際に主な考慮事項となるのは、インターネットとオンライン サービスのアクセスに関する組織のネットワークおよびセキュリティ ポリシーです。組織がインターネットへのアウトバウンド アクセスを制限している場合は、Cisco SSM サテライトの仲介による導入を検討してください。その際、オンプレミスのデータセンター内の独立した Cisco Smart Software Manager サテライト VM に関する要件に留意する必要があります。
一般的に言えば、オンプレミスのコラボレーション アプリケーション(Unified CM、Unity Connection、Emergency Responder)クラスタのパブリッシャ ノードと Web でホストされた Cisco Smart Software Manager サービスとの間では、直接通信またはプロキシ通信が推奨されます。この場合、アプリケーション パブリッシャ ノードから Cisco Smart Software Manager サービスへのアウトバウンド HTTPS 通信は、組織のファイアウォールを通過しなければなりません。組織のポリシーで Web へのアウトバウンドの直接通信が許可されていなければ、クラスタのパブリッシャ ノードで組織内の新しいまたは既存の標準的な HTTP/HTTPS プロキシ サーバを使用することで、ファイアウォール トラバーサルおよび Web でホストされた Cisco Smart Software Manager サービスへのアクセスを可能にすることができます。
管理者が Cisco SSM 内で製品登録トークンを生成したりコラボレーション アプリケーション パブリッシャ インスタンスを登録したりする際は、ライセンスを管理しやすくするために、同じスマート アカウントの下で複数の仮想アカウントや登録トークンを使用して、特定の製品タイプや特定のロケーションにある製品をグループ化することができます。
複数の仮想アカウントを作成することをお勧めします。そうすれば、プールしたライセンスを組織全体の複数の製品や仮想ライセンスで共有できるため、ライセンスの管理が容易になります。さらに、仮想アカウントごとに製品インスタンスとトークンを区分すれば、組織は一層簡単にライセンスのコストを追跡して説明できるようになり、運用コストやその他の経費をさらに効果的に管理するために会計処理の項目を細分化することが可能になります。
(注) 複数の Cisco スマート アカウントのライセンスをプール、移動、管理することはできないため、組織が確立するスマート アカウントは 1 つに制限することを推奨します(そのスマート アカウントで必要な数だけ仮想アカウントを作成します)。ただし、この制限を緩めなければならない組織固有のポリシーや要件(法規制やその他の制約)がある場合は、その限りではありません。
オンラインの Cisco SSM サービスは可用性に極めて優れています。ただし、インターネット接続に問題が発生して、コラボレーション アプリケーション システムが非準拠状態になった場合、システムが正常な動作を続けるのは 90 日間となります。システムが完全に非準拠状態になると、ユーザとデバイスをプロビジョニングできなくなります。正常なシステム運用を維持するためには、オンラインの Cisco SSM に常に到達可能でなければなりません。
Cisco SSM サテライト システムを使用してシスコ スマート ソフトウェア ライセンシングを仲介モードで導入する場合、高可用性を確保するために、少なくとも 2 つの SSM サテライト VM をインストールして設定してください。Cisco SSM サテライト システムはアクティブ/スタンバイの冗長性方式に依存します。つまり、アクティブ(プライマリ)システムで障害が発生した場合やコラボレーション アプリケーションあるいは Cisco SSM オンライン サービスに接続できなくなった場合は、スタンバイ(バックアップ)システムが SSM 運用を引き継ぎます。
サービス データ センター内の計算リソースに柔軟性が備わっていれば、オンラインの Cisco SSM サービスはほぼ無限にスケーリングします。つまり、組織は Cisco SSM を使用してライセンス付与するコラボレーション アプリケーションは、事実上、無限の数になるということです。
一方、仲介モードで稼働する場合、Cisco SSM サテライト VM にはキャパシティの制限があります。Cisco SSM サテライト VM ごとに、最大 4,000 件の製品インスタンス登録を処理できます。Cisco SSM を仲介モードで導入する場合は必ず、導入にライセンスが必要となるすべての製品インスタンスを処理するのに十分な数の VM を導入してください。
上記のネットワーク管理ツール以外に、次のツールにも Cisco Unified Communications システムのトラブルシューティングおよびレポート機能が備えられています。
Cisco Unified Analysis Manager は Cisco Unified Communications Manager Real-Time Monitoring Tool(RTMT)に含まれています。RTMT はクライアント側アプリケーションとして動作し、HTTPS と TCP を使用して、システム パフォーマンス、デバイス ステータス、デバイス検出、Unified CM 用 CTI アプリケーションをモニタします。RTMT は、HTTPS を使用して直接デバイスに接続し、システムの問題をトラブルシューティングできます。
他の RTMT 機能とは異なり、Unified Analysis Manager は 1 つだけではなく複数の Unified Communications の構成要素をサポートするという点で独特です。Unified Analysis Manager は、起動されると Unified Communications システムからトラブルシューティング情報を収集して、その情報の分析を提供します。この情報を使用して独自のトラブルシューティング操作を実行したり、分析のために Cisco Technical Assistance Center(TAC)に情報を送信したりできます。
Unified Analysis Manager では、以下のユニファイド コミュニケーション要素をサポートしています。
Unified Analysis Manager は、次のような主要機能を提供します。
レポート オプションの詳細については、最新バージョンの『 Cisco Unified Real-Time Monitoring Tool Administration Guide 』に記載されている Cisco Unified Analysis Manager に関する情報を参照してください。このマニュアルは次の URL から入手できます。
https://www.cisco.com/c/en/us/support/unified-communications/unified-communications-manager-callmanager/products-maintenance-guides-list.html
Cisco Unified Reporting Web アプリケーションは、Cisco Unified Communications Manager クラスタ データをトラブルシューティングまたは調査するためのレポートを生成します。Unified Communications Manager コンソールからアクセスできる便利なツールです。このツールにより、既存のソースからのデータの収集、データの比較、および異常の報告が容易になります。たとえば、クラスタ内の全サーバのホスト ファイルを表示するレポートを参照できます。このアプリケーションは、パブリッシャ サーバおよび各サブスクライバ サーバから情報を収集します。各レポートは、レポートの生成時にアクセス可能なすべてのアクティブ クラスタ ノードのデータを提供します。
たとえば、Unified CM クラスタの一般的な管理には、次のレポートを使用できます。
Unified CM クラスタのデバッグには、次のレポートを使用できます。
Unified CM クラスタのメンテナンスには、次のレポートを使用できます。
レポート オプションの詳細については、次の URL で入手可能な『 Cisco Unified Reporting Administration Guide 』の最新バージョンを参照してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/support/unified-communications/unified-communications-manager-callmanager/products-maintenance-guides-list.html
この項では、さまざまな配置モデルに、シスコ コラボレーションおよびネットワーク管理アプリケーションを配置する方法について説明します。配置モデルの詳細については、コラボレーションの配置モデルの章を参照してください。
キャンパス モデルでは、シスコ ネットワーク管理アプリケーションは呼処理エージェントとともに単一サイト(またはキャンパス)に配置され、IP WAN 上で提供されるテレフォニー サービスを使用しません。企業は、一般的に、LAN またはメトロポリタン エリア ネットワーク(MAN)上に単一サイト モデルを配置します。図 27-2 に、シスコ ネットワーク管理アプリケーションの単一サイト モデルの配置図を示します。
集中型呼処理を使用するマルチサイト WAN モデルは、実際には単一サイト モデルの拡張であり、中央サイトとリモート サイト間で IP WAN を使用します。IP WAN は、サイト間の音声トラフィックと、中央サイトとリモート サイト間の呼制御シグナリングの転送に使用されます。図 27-3 に、シスコ ネットワーク管理アプリケーションの、集中型呼処理を使用するマルチサイト WAN モデルの配置図を示します。
図 27-3 集中型呼処理を使用するマルチサイト WAN 配置
集中型呼処理を使用するマルチ サイト モデルで Prime Collaboration を展開する場合には、次の設計特性と推奨事項が該当します。
分散型呼処理を使用するマルチサイト WAN モデルは、複数の独立したサイトで構成されており、各サイト専用の呼処理エージェントが、IP WAN に接続されています。図 27-4 に、シスコ ネットワーク管理アプリケーションの、分散型呼処理を使用するマルチサイト WAN モデルの配置図を示します。
図 27-4 分散型呼処理を使用したマルチサイト WAN 配置
分散型呼処理を使用するマルチ サイト WAN 展開には、Prime Collaboration の配置に関して、単一サイト展開や集中型呼処理を使用するマルチ サイト WAN 展開と同じ要件が多数あります。分散型呼処理モデルについては、ここでリストされているベスト プラクティスおよび推奨事項に加えて、このような他のモデルのベスト プラクティスおよび推奨事項にも従ってください。
WAN を介したクラスタリングとは、QoS 機能対応の IP WAN で相互接続された複数のサイトに、単一の Unified CM クラスタを配置することをいいます。この配置モデルは、IP WAN リンクで障害が発生した場合に呼処理復元性を提供することを目的としています。図 27-5 に、シスコ ネットワーク管理アプリケーションの、WAN を介したクラスタリングの配置図を示します。
(注) このモデルによる Prime Collaboration の展開では、ネイティブ ハイ アベイラビリティや冗長性のサポートはありません。
WAN を介したクラスタリングを使用する Prime Collaboration を展開する場合には、次の設計特性と推奨事項が該当します。