SIP の正規化および透明性の概要
SIP の正規化と透明性は、Cisco Unified Communications Manager と、SIP を別の仕方で実装するエンドポイント、サービス プロバイダー、PBX、ゲートウェイとの間の SIP 相互運用性の問題を扱う、オプションの機能です。SIP の正規化と透明性を設定するには、SIP トランクまたは SIP 回線に対して、カスタマイズされた Lua スクリプトを適用します。Cisco Unified Communications Manager は、SIP トランクまたは SIP 回線を介して伝送される SIP メッセージにこのスクリプトを適用します。
インストール時に、Cisco Unified Communications Manager には、システムの SIP トランクと SIP プロファイルに割り当てられる、デフォルトの正規化と透明性スクリプトが含まれています。また、独自のカスタマイズされたスクリプトを作成し、インポートできます。
SIP の正規化
SIP の正規化スクリプトは、着信および発信 SIP メッセージを変更します。たとえば、Cisco TelePresence Video Communication Server で Cisco Unified Communications Manager を相互運用していたら、その 2 つを接続する vcs-interop スクリプトを適用します。このスクリプトは、2 つの製品が通信できるように SIP メッセージの違いを解決します。
正規化スクリプトは、どの SIP トランク接続にも適用できます。SIP トランクを結合するエンドポイントで使用されているプロトコルには関係ありません。
SIP の透明性
SIP 透明性スクリプトを使用すると、Cisco Unified Communications Manager は独自のヘッダーや 1 つのコール レッグから他への SIP 情報を透過的に渡します。透明性が有効になるには、両方のコール レッグが SIP である必要があります。
SIP の透明性のもう 1 つの特徴は REFER 透明性です。これは、REFER 要求に作用することなく、Cisco Unified Communications Manager が REFER要求を渡すことを可能にします。REFER 透明性をコール センター環境で使用できます。コール センターでは、中央集中型エージェントがコールに応答すると、その発信者と同じ地理的領域にいるエージェントにコールを転送します。REFER 透明性により、中央集中型の Cisco Unified Communications Manager はそのコールを除外し、コール制御を新しいエージェントに移します。
SIP の正規化と透明性のデフォルト スクリプト
インストール時に、Cisco Unified Communications Manager には、SIP の正規化と透明性に対応する次のデフォルト スクリプトが含まれます。これらのスクリプトは SIP トランクまたは SIP プロファイルに適用できますが、これらのスクリプトを編集することはできません。
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HCS-PCV-PAI passthrough:エンタープライズ IMS と Cisco HCS プラットフォームとの統合を提供します。
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cisco-telepresence-conductor-interop:TelePresence Conductor に登録されたエンドポイントの相互運用性を提供します。
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cisco-telepresence-mcu-ts-direct-interop:Cisco Unified Communications Manager と Cisco TelePresence MCU または Cisco TelePresence Server のいずれかとの間に相互運用性を提供します。
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cisco-meeting-server-interop:Cisco Unified Communications Manager と Cisco Meeting Server(CMS)との間に相互運用性を提供します。
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diversion-counter:転送カウンタを調整するための機能を提供します。
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refer-passthrough:SIP トランク間のブラインド転送に起因してコールから Cisco Unified Communications Manager を削除します。
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vcs-interop:Cisco TelePresence Video Communications Server に登録されているエンドポイントの相互運用性を提供します。