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目次
この章では、Trivial File Transfer Protocol(TFTP)と整合性のあるファイルを作成し、そのサービスを提供する Cisco TFTP サービスについて説明します。 Cisco TFTP は設定ファイルを作成し、組み込みコンポーネントの実行可能ファイル、呼び出し音ファイル、およびデバイス設定ファイルを処理します。
設定ファイルには、SCCP を実行する電話機、SIP を実行する電話機、ゲートウェイなどのデバイスが接続する Cisco Unified Communications Manager を優先順に並べたリストと、デバイスがリスト上の Cisco Unified Communications Manager への接続に使用する TCP ポート、および実行可能ファイルのロード ID が保存されています。 一部のデバイス用の設定ファイルには、電話機のボタン(メッセージ、ディレクトリ、サービス、および情報)用のロケール情報および URL が保存されています。 ゲートウェイ用の設定ファイルには、ゲートウェイの設定情報がすべて保存されています。
設定ファイルは、デバイス タイプと TFTP サービス パラメータの設定に応じて、.cnf 形式、.cnf.xml 形式、または .xml 形式で作成されます。 Build CNF Files サービス パラメータを [Build All] に設定すると、TFTP サーバによって .cnf.xml と .cnf の両形式ですべてのデバイス用の設定ファイルが作成されます。 このサービス パラメータを [Build None] に設定すると、.cnf.xml ファイルだけが TFTP サーバによってすべてのデバイス用に作成されます。 このパラメータが [Build Selective](デフォルト値)に設定されている場合、TFTP サーバによってすべてのデバイス用の .cnf.xml ファイルが作成され、さらに表 9 に示すデバイス タイプの選択リストだけに .cnf ファイルが作成されます。
デバイスタイプ |
デバイス名 |
---|---|
MODEL_30SPP |
Cisco 30 SP+ |
MODEL_12SPP |
Cisco 12 SP+ |
MODEL_12SP |
Cisco 12 SP |
MODEL_12S |
Cisco 12 S |
MODEL_30VIP |
Cisco 30 VIP または DPA |
MODEL_IP_CONFERENCE_PHONE |
Cisco 7935 |
MODEL_SCCP_PHONE |
SCCP Phone |
MODEL_VEGA |
Analog Access |
MODEL_UONE |
Voice Mail Port |
この章では、 Cisco Unified Communications Manager、TFTP、およびダイナミック ホスト設定プロトコル(DHCP)の関係、またデバイスと TFTP サーバの関係について説明します。
Cisco TFTP サービスは、Trivial File Transfer Protocol(TFTP)と整合性のあるファイルを作成し、そのサービスを提供します。 Cisco TFTP は設定ファイルを作成し、組み込みコンポーネントの実行可能ファイル、呼び出し音ファイル、およびデバイス設定ファイルを処理します。
設定ファイルには、SCCP を実行する電話機、SIP を実行する電話機、ゲートウェイなどのデバイスが接続する Cisco Unified Communications Manager を優先順に並べたリストと、デバイスがリスト上の Cisco Unified Communications Manager への接続に使用する TCP ポート、および実行可能ファイルのロード ID が保存されています。 一部のデバイス用の設定ファイルには、電話機のボタン(メッセージ、ディレクトリ、サービス、および情報)用のロケール情報および URL が保存されています。 ゲートウェイ用の設定ファイルには、ゲートウェイの設定情報がすべて保存されています。
TFTP サーバは、設定ファイルに対する要求を同時に処理します。 ここでは、要求プロセスについて説明します。
デバイスは、ブート時に DHCP サーバにネットワーク設定情報を照会します。 DHCP サーバは応答として、そのデバイスの IP アドレス、サブネット マスク、デフォルト ゲートウェイ、ドメイン ネーム システム(DNS)サーバのアドレス、および TFTP サーバの名前またはアドレスを返します ( Cisco Unified IP Phone 7960 などの一部のデバイスは最大 2 つの TFTP サーバをサポートしています)。 このようなデバイスは、プライマリ TFTP サーバに到達しない場合、フォールバック TFTP サーバに到達しようとします)。
(注) |
デバイス上で DHCP が使用可能になっていない場合は、デバイスに IP アドレスを割り当てて、デバイス上でローカルに TFTP サーバを設定する必要があります。 |
デバイスは、TFTP サーバに設定ファイルを要求します。 TFTP サーバは、3 つの内部キャッシュ、ディスクを検索し、次に設定ファイルの代替シスコ ファイル サーバ(指定されている場合)を検索します。 TFTP サーバが設定ファイルを検出した場合は、デバイスにそのファイルを送信します。 設定ファイルで Cisco Unified Communications Manager の名前が提供されている場合、デバイスは DNS を使用して名前を解決し、 Cisco Unified Communications Manager との接続を確立します。 IP アドレスまたは名前を受け取らなかった場合、デバイスはその登録接続をセットアップするために TFTP サーバの名前または IP アドレスを使用します。
TFTP サーバが設定ファイルを検出できない場合、"file not found" というメッセージをデバイスに送信します。
(注) |
TFTP サーバがデバイスに "file not found" メッセージを返した場合は、"request not found" TFTP カウンタが増えます。 非セキュア モードでは CTL ファイルが Cisco Unified Communications Manager 上に存在しないため、非セキュアなクラスタの場合、この動作はエラーではありません。 |
TFTP サーバが設定ファイルを再作成しているとき、あるいは最大数の要求を処理しているときに、設定ファイルを要求したデバイスは、TFTP サーバからメッセージを受け取ります。このため、そのデバイスは後で設定ファイルを要求します。 Maximum Serving Count サービス パラメータ(設定可能)は、200 を最大要求数として指定します。
デバイスのブート方法の詳細については、DHCP および Cisco TFTP を使用するデバイスを参照してください。
SCCP を実行している電話機と異なり、SIP を実行している電話機は設定のすべてを TFTP サーバから取得します。 SIP を実行している電話機は最初の起動時に、設定済みの TFTP サーバ(手動で設定されるか DHCP サーバを通じて設定されたもの)に連絡し、設定ファイルを取得します。その後、設定済みの Cisco Unified Communications Manager に自分自身を登録します。
SIP を実行している電話機の設定が変更された場合、 Cisco Unified Communications Manager データベースは TFTP サーバに、すべての設定ファイルを再作成するか選択的に再作成するよう通知します。 TFTP サーバは、 Cisco Unified Communications Manager データベースから情報を取得し、デバイス タイプに応じて適正な出力形式に変換し、TFTP キャッシュに出力を保存します。 TFTP サーバは、要求を取得すると、キャッシュまたは代替ファイル サーバ ロケーション ディスクを検索し、要求された設定ファイルまたはデフォルト ファイルを提供します。
SIP を実行している電話機用の TFTP サポートは、次に示す Cisco Unified IP Phone 用にさまざまな形式の SIP 設定ファイルを、 Cisco Unified Communications Manager データベースから作成して提供します。
Cisco Unified IP Phone 7970/71、7961、7941、7911(これらの電話機は同じ SIP 設定ファイル形式を共有します)。
Cisco Unified IP Phone 7960、7940(これらの電話機は同じ SIP 設定ファイル形式を共有します)。
上記の電話機上の SIP ダイヤル プラン。
上記の電話機上のソフトキー テンプレート。
TFTP サーバは SIP を実行している電話機の設定用に、 Cisco Unified Communications Manager データベースから次のファイルを生成します。
システム全体のデフォルト設定ファイル、およびデバイスごとの設定ファイル。
Cisco Unified IP Phone 7970/71、7960/61、7940/41、および 7911 用のシステム全体のダイヤル プラン リスト。
システム全体のソフトキー テンプレート ファイルのリスト。
次の表に、生成される設定ファイルを SIP を実行する電話機のタイプごとに示します。
モデル |
SIP IP Phone |
ダイヤル プラン |
ソフトキー テンプレート |
---|---|---|---|
9971、9951、8961、8945、8941、7975、7971、7970、7961、7941、7911、Cisco Cius |
SEP<mac>.cnf.xml |
DR<dialplan>.xml |
SK<softkey_template>.xml |
Cisco TP 1000、Cisco TP 1100、Cisco TP 1300-47、Cisco TP 1300-65、Cisco TP 1310-65 |
|||
7960、7940 |
SIP<mac>.cnf |
<dialplan>.xml |
設定不能 |
7905 |
Id<mac> |
Id<mac> 内のパラメータ |
設定不能 |
7912 |
gk<mac> |
gk<mac> 内のパラメータ |
設定不能 |
Cisco IP Communicator |
<Device Name>.cnf.xml |
<Device Name>.cnf.xml 内のパラメータ |
<Device Name>.cnf.xml 内のパラメータ |
Cisco Jabber for Tablet |
TAB<Userid in Upper Case>.cnf.xml |
設定不能 |
SK<softkey_template>.xml |
ファイル名は、 Cisco Unified Communications Manager の管理ページの [電話の設定(Phone Configuration)] ウィンドウにある [MACアドレス(MAC Address)] フィールドと [説明(Description)] フィールド、および Cisco Unified Communications Manager データベースのデバイス名フィールドから生成されます。 MAC アドレスによって、電話機が一意に識別されます。
ステップ 1 | 管理者は(たとえば、 Cisco Unified Communications Manager の管理ページの [電話の設定(Phone Configuration)]、[SIPプロファイルの設定(SIP Profile Configuration)]、または [SIP電話セキュリティプロファイルの設定(SIP Phone Security Profile Configuration)] を使用して)SIP を実行する電話機に変更を加え、[保存(Save)] をクリックします。 |
ステップ 2 | Cisco Unified Communications Manager データベースは、TFTP サーバと Cisco Unified Communications Manager に変更通知を送信します。 その後、TFTP サーバは選択された電話機用のすべての設定ファイルを再作成します。 設定ファイルの名前と形式は、デバイス タイプとプロトコルによって異なります(上の表を参照)。 |
ステップ 3 | 管理者がリセットまたは再起動のボタンを押して、変更の対象となる電話機をリセットまたは再起動します。 |
ステップ 4 | 通知を(自動的に、または管理者かユーザが)受け取ると同時に、 Cisco Unified Communications Manager は設定ファイルを再度取得するよう電話機に通知します。 |
ステップ 5 | SIP を実行している電話機が TFTP サーバに設定ファイルを要求し、サーバは要求されたファイルを電話機に送信します。 |
ステップ 6 | 必要な設定ファイルを取得すると、電話機は設定された回線を Cisco Unified Communications Manager に登録します。 |
ステップ 1 | 管理者は SIP ダイヤル プランを設定し、そのダイヤル プランを SIP を実行する電話機へ関連付けます。 |
ステップ 2 | Cisco Unified Communications Manager データベースは TFTP サーバへ変更通知を送信し、それによって TFTP サーバは、SIP を実行する電話機用に新しいファイル セットの作成を開始します。 |
ステップ 3 | TFTP サーバは、ダイヤル プラン設定ファイルか SIP を実行する電話機用の設定ファイル、またはその両方を再作成します。 |
ステップ 4 | 管理者は、 Cisco Unified Communications Manager データベース内のダイヤル ルールにすべての更新を加えた後、[リセット(Reset)] ボタンか [リスタート(Restart)] ボタンをクリックし、電話機に変更を適用します。 |
ステップ 1 | 管理者は SIP ソフトキー テンプレートを設定し、そのソフトキー テンプレートを SIP を実行する電話機へ関連付けます。 |
ステップ 2 | Cisco Unified Communications Manager データベースは TFTP サーバへ変更通知を送信し、それによって TFTP サーバは、SIP を実行する電話機用に新しいファイル セットの作成を開始します。 |
ステップ 3 | TFTP サーバは、ソフトキー テンプレート設定ファイルか SIP を実行する電話機用の設定ファイル、またはその両方を再作成します。 |
ステップ 4 | 管理者は、 Cisco Unified Communications Manager データベース内のソフトキーにすべての更新を加えた後、[リセット(Reset)] ボタンか [リスタート(Restart)] ボタンをクリックし、電話機に変更を適用します。 |
ユーザが Cisco Extension Mobility を使用してデバイスにログインすると、 Cisco Unified Communications Manager データベースは TFTP サーバに通知を出し、デバイス プロファイルにある回線について新規に定義されたダイヤル プラン ファイル名を SEP<mac>.cnf.xml ファイルに組み込むよう指示します。
TFTP サーバの Cisco Unified Serviceability にはトラブルシューティングを目的としたカウンタがあります。
ヒント |
TFTP サーバがデバイスに "file not found" メッセージを返した場合は、"request not found" TFTP カウンタが増えます。 非セキュア モードでは CTL ファイルが Cisco Unified Communications Manager 上に存在しないため、非セキュアなクラスタの場合、この動作はエラーではありません。 |
シスコのテレフォニー デバイスには、手動または DHCP により IP アドレスを割り当てる必要があります。 また、デバイスは、デバイス ロードとデバイス設定ファイルを保存している TFTP サーバにアクセスする必要があります。
デバイス上で DHCP が使用可能になっている場合は、ネットワークにデバイスを接続するときに、DHCP により IP アドレスがデバイスに自動的に割り当てられます。 DHCP サーバは、デバイスを TFTP サーバ(またはデバイスで使用可能な場合は、2 番目の TFTP サーバ)に誘導します。 たとえば、IP ネットワーク上にある複数の Cisco Unified IP Phone を接続すると、DHCP により IP Phone に IP アドレスが自動的に割り当てられ、適切な TFTP サーバへのパスが提供されます。
デバイス上で DHCP が使用可能になっていない場合は、デバイスに IP アドレスを割り当てて、デバイス上でローカルに TFTP サーバを設定する必要があります。
デフォルトの DHCP 設定は、デバイスによって異なります。
Cisco Unified IP Phone では、デフォルトで DHCP が有効になっています。 DHCP を使用しない場合は、電話機の DHCP を無効にして、手動で電話機に IP アドレスを割り当てる必要があります。
Cisco Access Analog Gateway および Cisco Access Digital Gateway の場合、DHCP は常に有効です。
Cisco Catalyst 6000 8 Port Voice T1/E1 and Services Module の場合、Cisco Catalyst 6000 上のネットワーク管理プロセッサ(NMP)の DHCP は、有効な場合もあれば無効の場合もあります。 DHCP が無効な場合は、Cisco Catalyst 6000 上で Cisco CATOS コマンドライン インターフェイスを使用して、IP アドレスを設定する必要があります。
IP アドレスを取得したデバイスは、TFTP サーバに設定ファイルを要求します。
Cisco Unified Communications Manager データベースに手動で追加したデバイスの場合、デバイスはデバイス名に対応する設定ファイルにアクセスします。 電話機が手動で設定されておらず、自動登録が使用可能にされている場合、電話機は TFTP サーバからのデフォルト設定ファイルを要求し、 Cisco Unified Communications Manager で自動登録手順を開始します。
(注) |
自動登録が可能なデバイスで、デフォルト設定ファイルを持つデバイス タイプは、電話機に限られます。 その他のデバイスはすべて、手動で Cisco Unified Communications Manager データベースに追加する必要があります。 |
電話機に XML 互換のロードがある場合、その電話機は .cnf.xml 形式の設定ファイルを要求します。それ以外の場合では、.cnf ファイルを要求します。
(注) |
Build CNF File サービス パラメータを [Build All] に設定すると、TFTP サーバによって .cnf.xml と .cnf の両形式ですべてのデバイス用の設定ファイルが作成されます。 このサービス パラメータを [Build None] に設定すると、.cnf.xml ファイルだけが TFTP サーバによってすべてのデバイス用に作成されます。 このパラメータが [Build Selective](デフォルト値)に設定されている場合、TFTP サーバによってすべてのデバイス用の .cnf.xml ファイルが作成され、さらに .cnf.xml をサポートしないデバイスの選択リストだけに .cnf ファイルが作成されます。 表 9 にこれらのデバイスのリストを示します。 |
TFTP サーバから設定ファイルを取得したデバイスは、設定ファイルに指定されているリスト中で最も優先順位が高い Cisco Unified Communications Manager への TCP 接続を試みます。 デバイスがデータベースに手動で追加された場合、 Cisco Unified Communications Manager はそのデバイスを識別します。 Cisco Unified Communications Manager 内で自動登録が有効になっている場合、データベースに手動で追加されなかった電話機は、 Cisco Unified Communications Manager データベースへの自動登録を試行します。
Cisco Unified Communications Manager は、.cnf 形式の設定ファイルを使用して、デバイスにロード ID を通知します。 .xml 形式の設定ファイルを使用するデバイスは、設定ファイルの中でロード ID を受け取ります。 デバイスのロード ID が現在デバイス上で実行されているロード ID と異なる場合、デバイスは新しいロード ID に関連したロードを TFTP サーバに要求し、自身のリセットを行います。 デバイス ロードの詳細については、デバイスのサポートを参照してください。
ユーザがデフォルトの電話呼び出し音設定を変更した場合や、新しい呼び出し音をロードした場合、電話機はブート プロセスの終了後に呼び出し音リストを取得します。
デバイスのタイプに応じて、次のいずれかの方法で IP Phone とゲートウェイによる TFTP サーバ IP アドレスの取得を可能にします。
ゲートウェイおよび電話機の DHCP カスタム オプション 150 を使用する。
シスコはこの方式をお勧めします。 この方式では、TFTP サーバの IP アドレスをオプション値として設定しています。
ゲートウェイおよび電話機の DHCP オプション 066 を使用する。
TFTP サーバのホスト名または IP アドレスをオプション値として設定できます。
ゲートウェイおよび電話機による CiscoCM1 の照会を行う。
DNS によって、この名前を TFTP サーバの IP アドレスに変換する必要があります。 このオプションは拡張性がないため、お勧めしません。
電話機に対して TFTP サーバの IP アドレスを設定する。 電話機の DHCP が使用可能になっている場合でも、DHCP によって取得した TFTP アドレスを上書きする TFTP サーバの代替 IP アドレスを、電話機に対してローカルに設定できます。
ゲートウェイと電話機に DHCP オプション サーバ名(sname)パラメータを指定する。
電話機またはゲートウェイのブート プロセス(siaddr)の Next-Server の値を使用する。
デバイスは、TFTP サーバのアドレスを不揮発性メモリに保存します。 前述の方式を少なくとも 1 回使用した場合は、その方式が使用できない場合でも、そのデバイスのメモリに保存されているアドレスが使用されます。
TFTP サービスは、最初のノードにも後続のノードにも設定できますが、通常は最初のノードに設定してください。 小規模のシステムの場合は、同じサーバ上で TFTP サーバと Cisco Unified Communications Manager の共存が可能です。
ヒント |
ここでは、電話機が IPv6 を使用することを前提としています。 ネットワークで IPv4 を使用する電話機と IPv6 を使用する電話機がある場合は、IPv4 には DHCP カスタム オプション 150 を、IPv6 にはシスコのベンダー固有情報オプションである TFTP サーバ アドレスのサブオプションタイプ 1 を使用することをお勧めします。 IPv6 ネットワークで、DHCPv6 サーバは、シスコ ベンダー固有の DHCPv6 情報オプションを DHCPv6 応答メッセージで使用して、TFTP IPv6 アドレスをデバイスに渡します。 TFTP サーバが IPv4 を使用して要求を処理しているときに、デバイスが IPv6 アドレスを取得して要求を TFTP サーバに送信した場合、TFTP サーバは IPv6 スタックで要求を受信していないため、その要求を受信しません。 この場合、デバイスを Cisco Unified Communications Manager に登録できません。 |
デバイスのタイプに応じて、次のいずれかの方法で IP Phone による TFTP サーバ IP アドレスの取得を可能にします。
シスコのベンダー固有情報オプションである TFTP サーバ アドレス サブオプション タイプ 1 を使用する。 オプション 150 に対応するこのオプションを使用してみてください。
シスコはこの方式をお勧めします。 この方式では、TFTP サーバの IP アドレスをオプション値として設定しています。
シスコのもう 1 つのベンダー固有情報オプションである TFTP サービスのサブオプション タイプ 2 を使用する。 このオプションは、オプション 66 と同じです。
電話機に対して TFTP サーバの IP アドレスを設定する。 電話機の DHCP が有効になっている場合でも、DHCP によって取得した TFTP アドレスを上書きする TFTP サーバの代替 IP アドレスを、電話機に対して設定できます。
デバイスは、TFTP サーバのアドレスを不揮発性メモリに保存します。 前述の方式を少なくとも 1 回使用した場合は、その方式が使用できない場合でも、そのデバイスのメモリに保存されているアドレスが使用されます。
TFTP サービスは、最初のノードにも後続のノードにも設定できますが、通常は最初のノードに設定してください。 小規模のシステムの場合は、同じサーバ上で TFTP サーバと Cisco Unified Communications Manager の共存が可能です。
(注) |
Cisco Unified Communications Manager サーバが IPv6 をサポートしている場合、デュアルスタック デバイスは、IPv4 または IPv6 アドレスを使用して TFTP サーバにアクセスできます。 |
(注) |
SBD のロードが設定された電話機が、SBD をサポートしているプロキシ TFTP を介して、SBD をサポートしていない Cisco Unified Communications Manager に登録しようとすると、電話機はループ状態になり、登録は行われません。 |
ヒント |
IPv6 と TFTP の詳細については、デバイスのサポートを参照してください。 |
次の項では、ゲートウェイと Cisco Unified IP Phone が TFTP サーバを識別する方法を説明します。
ゲートウェイは、DHCP サーバから競合する情報や輻輳する情報を受信した場合、優先順位を使用して TFTP サーバのアドレスを選択します。 優先順位は、TFTP サーバの指定に使用した方式に基づいて決まります(次のリストでは、方式 1 の優先順位が最高順位)。
Catalyst 6000 ゲートウェイが、ローカルに設定された TFTP サーバ アドレスを使用している。 このアドレスは、DHCP サーバから送信された TFTP アドレスを上書きします。
ゲートウェイが DNS 名 CiscoCM1 を照会し、DNS 名が解決されている。 ゲートウェイは、常に DNS 名 CiscoCM1 の解決を試みます。 この名前が解決された場合、DHCP サーバから送信された情報はすべてこの名前によって上書きされます。
TFTP サーバに CiscoCM1 という名前を付ける必要はありませんが、DNS CName レコードを入力して、CiscoCM1 を TFTP サーバのアドレスまたは名前と関連付ける必要があります。
ゲートウェイがブート プロセスの Next-Server の値を使用している。 従来、TFTP サーバのアドレスには、この DHCP 設定パラメータが使用されています。 BOOTP サーバの設定時に、このフィールドは一般に TFTP サーバのアドレスとなります。
この情報は、DHCP ヘッダーの siaddr(サーバ IP アドレス)フィールドに戻されます。 IP アドレスが設定されていないときに、一部の DHCP サーバの IP アドレスがこのフィールドに入る場合があるので、使用できる場合はこのオプションを使用します。
IPv4 を使用するゲートウェイが、サイト固有のオプション 150 を使用している。 このオプションは、一部のサーバが Next-Server 設定パラメータを許可しない問題を解決します。 サーバによっては、IP アドレスがスタティックに割り当てられている場合にだけ Next-Server パラメータへのアクセスを許可する場合があります。
ゲートウェイが DHCP オプション サーバ名パラメータを使用している。 この DHCP 設定パラメータは、TFTP サーバのホスト名を指定します。 現在、このパラメータにはホスト名だけを設定できます。ドット付き 10 進 IP アドレスは使用しないでください。
IPv4 を使用するゲートウェイが 066 オプション(ブート サーバの名前)を使用している。 オプション 066 は通常、オプションが過負荷状態を起こした場合に、sname(サーバ名)フィールドを置き換えます。 この名前フィールドには、ホスト名またはドット付き 10 進 IP アドレスを指定できます。 066 オプションと 150 オプションを一緒に使用しないでください。 これらのオプションを一緒に送信すると、デバイスは 066 オプションに指定されている名前より IP アドレスを優先します。 ドット付き 10 進 IP アドレスと 150 オプションを両方送信した場合、これらの優先順位はオプション リスト内での指定順序によって決まります。 オプション 066 とオプション 150 は一緒に使用できないため、デバイスはオプション リストの最後にある項目を選択します。
ゲートウェイと同様に、 Cisco Unified IP Phone 7971、7970、7961、7941、7931、7911、7906、7960、および 7940(リリース 8.0(4) ファームウェアまたはそれ以降を使用しているもの)は、DHCP サーバから競合する情報や輻輳する情報を受信した場合、優先順位を使用して TFTP サーバのアドレスを選択します。 優先順位は、TFTP サーバの指定に使用した方式に基づいて決まります(次のリストでは、方式 1 の優先順位が最高順位)。
Cisco Unified IP Phone が手動設定の代替 TFTP オプションを使用している。このオプションは、電話機の [設定] メニューにあります。 IP Phone の [代替TFTP] オプションがローカルで [はい] に設定されている場合、[TFTPサーバ1] および [TFTPサーバ2] のアドレス値によって、DHCP サーバの送信した TFTP アドレスはすべて上書きされます。
[代替TFTP] オプションが [いいえ] に設定されている場合、 Cisco Unified IP Phone は、オプション 150 の値を TFTP サーバの IP アドレスとして使用している。 オプション 150 の値として割り当てることができるのは、IP アドレスだけです。 IP アドレスは最大で 2 つまで使用され、DHCP サーバの提供する最初の 2 つの IP アドレスだけが受け入れられます。
Cisco Unified IP Phone が 066 オプションを使用している。このオプションは、TFTP サーバの名前(オプション 66 = DNS 名)またはドット付き 10 進 IP アドレス(オプション 66 = ドット付き 10 進 IP アドレス)です。 名前が複数のアドレスに解決される場合があるので注意してください。 オプション 066 は通常、オプションが過負荷状態を起こした場合に、sname(サーバ名)フィールドを置き換えます。 この名前フィールドには、DNS 名またはドット付き 10 進 IP アドレスを指定できます。 このオプションの値に複数のエントリを記述することはできません。
Cisco Unified IP Phone が、ブート プロセスの Next-Server IP Address の値を TFTP サーバの IP アドレスとして使用している。 従来、TFTP サーバのアドレスには、この DHCP 設定パラメータが使用されています。 名前が複数のアドレスに解決される場合があるので注意してください。 BOOTP サーバを設定するとき、通常このフィールドは TFTP サーバのアドレスとして参照されます。 この情報は、DHCP ヘッダーの siaddr(サーバ IP アドレス)フィールドに戻されます。
Cisco Unified IP Phone が TFTP サーバ名としてオプション サーバ名パラメータ名を使用している。 この DHCP 設定パラメータは、TFTP サーバの DNS 名を表します。 現在、このパラメータには DNS 名だけを設定できます。ドット付き 10 進 IP アドレスは使用しないでください。
IPv4 を使用するゲートウェイと電話機には DHCP のカスタム オプション 150 を使用することをお勧めします。 この方式では、TFTP サーバの IP アドレスがオプション 150 の値として設定されます。 電話機がオプション 150 の値で [TFTPサーバ1] および [TFTPサーバ2] のエントリとして使用するのは、2 つの IP アドレスだけです。 デバイス
(注) |
オプション 66 は文字列型として定義し、オプション 150 は 32 ビットの IP アドレスの配列として定義することに注意してください。[TFTPサーバ1] および [TFTPサーバ2] は、どちらも 32 ビットの IP アドレスです。 |
クラスタには TFTP サーバを 1 台設定する必要がありますが、冗長 TFTP サーバを設定することが必要な場合もあります。 デバイス(電話機またはゲートウェイ)が第 1 TFTP サーバから応答を取得しない場合、第 2 TFTP サーバへの接続を試みます。 第 2 TFTP サーバは、DHCP スコープで IPv4 にはオプション 150 で、IPv6 には TFTP サーバ アドレス サブオプション タイプ 1 で設定します。
TFTP サーバが設定ファイルのすべてを再作成中で、要求を出したデバイスに遅延メッセージを返した場合、デバイスは第 2 TFTP サーバの使用を試みずに待機し、メッセージの送信元である最初の TFTP サーバに再試行します。
クラスタが複数存在する場合や、複数の DHCP スコープに対して 1 台だけサーバを設定する場合、あるいは DHCP スコープが 1 つ必要な場合、代替シスコ ファイル サーバを指定できます。 代替サーバは、[リモートクラスタサービスの設定(Remote Cluster Service Configuration)] ウィンドウ([詳細設定(Advanced Settings)] > [クラスタビュー(Cluster view)])で設定できます。 単一のクラスタに最大 3 つの代替サーバを設定できます。
注意 |
代替サーバの IP アドレスは、代替サーバを設定する同一のクラスタに属している必要があります。 |
代替 TFTP サーバを設定する方法の詳細については、を参照してください。
(注) |
Cisco Unified Communications Manager は代替 TFTP サーバとして、IPv4 と IPv6 両方のアドレスと、IPv4 および IPv6 アドレスに解決されるホスト名をサポートします。 Enable IPv6 エンタープライズ パラメータは、 クラスタ外の TFTP サーバへのファイルの保存に影響しません。 TFTP サーバが、デュアル IPv4/IPv6 スタックをサポートしている場合、代替サーバに IPv4 と IPv6 両方のエントリを設定できます。システムは設定された順序でサーバにアクセスします。 |
[リモートクラスタサービスの設定(Remote Cluster Service Configuration)] ウィンドウ([拡張機能(Advanced Features)] > [クラスタビュー(Cluster View)])でプライマリ TFTP サーバのリモート クラスタ情報を設定できます。 各クラスタの配下で TFTP サーバの IP アドレスを設定できます。
リモート クラスタの設定の詳細については、を参照してください。
プライマリ TFTP サーバは、これらの代替サーバから、外部クラスタ内の電話機とデバイスに設定ファイルを提供しています。 ループを作成しないようにするには、外部クラスタ上の TFTP サーバが互いを指していないことを確認します。
集中型 TFTP は、1 つの地域やサイト固有の環境(大規模キャンパスなど)で複数の Cisco Unified Communications Manager クラスタをサポートします。 集中型 TFTP では、デバイス(電話機とゲートウェイ)をある建物から別の建物へ移動でき、管理者がそのデバイスの IP 設定値(DHCP や VLAN/DHCP など)を再設定する必要もありません。
別の例を示します。複数の T1 が同じ境界ポイントで終端するが、T1 を複数のクラスタに分散する場合、管理者は該当するクラスタ内の T1 だけを設定すればよく、DHCP スコープがマスター TFTP サーバへの TFTP 要求を指すように設定するだけで済みます。 集中型 TFTP ソリューションは、該当するクラスタ固有の情報を個々の T1 に提供します。
また集中型 TFTP は、異なるオペレーティング システムを実行している複数のクラスタもサポートしています。 任意のクラスタに登録および設定されているデバイスは、単一の TFTP サーバ(マスター TFTP サーバ)を使用するように指定でき、このサーバはクラスタ固有のファイルをこれらのデバイスに提供します。
各クラスタには、少なくとも 1 台の TFTP サーバが存在する必要があります。 TFTP サーバの主な機能は、エンドポイント設定ファイルの作成と、すべてのファイル(設定、セキュリティ、ファームウェアなど)をエンドポイントに提供することです。
集中型 TFTP 環境では、マスター TFTP サーバとは、単一の TFTP サーバに適用される名前を表します。このサーバは、すべての Cisco Unified Communications Manager クラスタのセキュリティ、ファームウェア、および設定ファイルを含むすべてのファイルを提供するように指定されます。 このような指定は、ハード コーディングまたはエンドポイントでの DHCP 設定によって、単純にすべての要求をマスター TFTP サーバに送信するようにして行います。
マスター TFTP サーバは、最も多くのデバイスが設定されているクラスタに所属させることを強くお勧めします。 一般に、このような構成にすることで、TFTP サーバのキャッシュ内でファイルが見つかる可能性が高くなり、クラスタ外での検索回数を減らせることになります。
プロキシ TFTP は、電話機がオフクラスタでプロビジョニングされる大規模な配置においてデバイスを登録します。 これまで、プロキシ TFTP はオフクラスタの電話機に到達できないとき、「ディスクがいっぱいになっているか、割り当てが超過しています(Disk full or allocation exceeded)」(HTTP 503)というメッセージで応答していたため、電話機が同じファイルを繰り返し要求する原因になっていました。
この機能強化により、プロキシ TFTP は応答を電話機に送り返さなくなったので、電話機は以前の設定を使用して登録できるようになります。
プロキシ TFTP は、各オフクラスタに最大 3 台の TFTP サーバがあるオフクラスタを 100 個までサポートするので、これらのすべてのオフクラスタで電話をプロビジョニングできます。
オフクラスタは、ネットワークの問題が原因で到達不能になる可能性があります。 これまで、プロキシはオフクラスタでプロビジョニングされた電話機がファイルを要求したとき、「ディスクがいっぱいになっているか、割り当てが超過しています(Disk full or allocation exceeded)」というメッセージで応答していたため、電話機が同じファイルを繰り返し要求していました。 その後、電話機はこの状態でフリーズしました。
リリース 10.0(1) から、プロキシ TFTP ではリーフ クラスタ ノード(オフクラスタ)でのネットワーク停止処理が向上し、登録しようとして電話がフリーズすることはなくなっています。 オフクラスタの電話機に到達できない場合、プロキシ TFTP は応答を電話機に送り返しません。 応答を送信しないことにより、TFTP が使用できない場合に電話機は動作しようとしていた独自のロジックを実行できるため、キャッシュした設定で登録することができます。
電話機は、TFTP が利用できないとき、プロキシ TFTP がない単一のクラスタ設定と同様に、キャッシュした設定を使用できます。 これは、プロキシに送信された HTTP および TFTP 両方の要求に適用されます。
クラスタ外の TFTP サーバは、マスター TFTP サーバから要求を受信すると、要求されたファイルを検索し、見つかった場合は、HTTP を使用してマスター TFTP サーバにそのファイルを送信します。 次にマスター TFTP サーバは、TFTP を使用して、最初にファイルを要求したデバイスに要求されたファイルを送信します。 クラスタ外の TFTP サーバは、要求されたファイルを見つけられなかった場合、マスター TFTP サーバに「File Not Found」(HTTP エラー 404)を返します。 マスター TFTP サーバは、要求されたファイルが見つかるまで、または対象のサーバがなくなるまで、次のクラスタ外の TFTP サーバに対してこの処理を続行します。
クラスタ外のサーバがビジーの場合、HTTP エラー 503 がマスター TFTP サーバに送信されるため、マスター TFTP サーバは後で要求を再試行する必要があります。 このメッセージは、最初に要求したエンドポイント デバイスにも送信されます。
電話機が集中型 TFTP サーバまたはプロキシ TFTP サーバから共通ファイルを要求し、そのファイルが ringlist.xml.sgn のような共通名である、またはローカル ファイルである場合、TFTP サーバは電話機のホーム クラスタにあるファイルの代わりにそのファイルのローカル コピーを送信します。 このファイルの署名はTFTP サーバのローカル クラスタのものであり、電話機の初期信頼リスト(ITL)と一致しないため、電話機は署名確認障害として該当のファイルを拒否します。 この問題を解決するには、電話機のデフォルトのセキュリティ(SBD)を無効にするか、証明書の一括エクスポートを実行して、電話機が別のクラスタからの署名を検証するときに信頼検証システム(TVS)から成功が返されるようにします。 クラスタ間で IP Phone を移行する際に証明書の一括エクスポートを実行する方法については、『Cisco Unified Communications Manager セキュリティ ガイド』の「デフォルトのセキュリティ設定」の項の手順を参照してください。 デフォルトのセキュリティを無効にするには、『Cisco Unified Communications Manager セキュリティ ガイド』に掲載されている、IP Phone の ITL ファイルの更新手順を参照してください。
混合モードで動作しているクラスタ外のサーバはすべて、マスター TFTP サーバまたはマスター TFTP サーバの IP アドレスをクラスタ外の CTL ファイルに追加する必要があります (CTL ファイルをこのように更新しないと、セキュリティが有効になっているクラスタに登録されている電話機が、設定ファイルをダウンロードしようとしても、失敗します)。CTL ファイルを更新したら、サーバを再起動します。これで、セキュアなマルチクラスタ集中型 TFTP ネットワークに参加できるようになります。
TFTP サーバの CTL ファイルを更新するには、 Cisco Unified Communications Manager の管理ページで、 を使用して CTL クライアントのプラグインをダウンロードします。
集中型 TFTP 環境を設定する場合に役に立つヒントを次に示します。
クラスタ外の TFTP サーバがバージョン 8.5 以前の Unified CM に属する場合は、すべてのクラスタ外 TFTP サーバに代替のシスコ ファイル サーバ値を設定しないでください。 TFTP サービスの設定方法の詳細については、『Cisco Unified Communications Manager アドミニストレーション ガイド』の「サービス パラメータの設定」を参照してください。
マスター TFTP サーバをリモート クラスタ内で検索できるようにしない場合は、[リモートクラスタの設定(Remote Cluster Configuration)] ウィンドウ([拡張機能(Advanced Features)] > [クラスタビュー(Cluster View)])で TFTP サービスの [有効(Enable)] チェックボックスをオフにします。
一般に、集中型 TFTP サーバの自動登録を有効にすることは推奨されません。 自動登録が有効で、いずれかの代替ファイル サーバがダウンした場合、この代替ファイル サーバでプロビジョニングされた電話機が集中型 TFTP サーバに自動登録されます。 したがって、自動登録が無効になっていない場合は無効にします。または、誤って登録された電話機が所属するクラスタが稼働していることを確認した後で、その電話機を削除します。
電話機が集中型 TFTP サーバまたはプロキシ TFTP サーバから共通ファイルを要求し、そのファイルが ringlist.xml.sgn のような共通名である、またはローカル ファイルである場合、TFTP サーバは電話機のホーム クラスタにあるファイルの代わりにそのファイルのローカル コピーを送信します。 このファイルの署名はTFTP サーバのローカル クラスタのものであり、電話機の初期信頼リスト(ITL)と一致しないため、電話機は署名確認障害として該当のファイルを拒否します。 この問題を解決するには、電話機のデフォルトのセキュリティ(SBD)を無効にするか、証明書の一括エクスポートを実行して、電話機が別のクラスタからの署名を検証するときに信頼検証システム(TVS)から成功が返されるようにします。 クラスタ間で IP Phone を移行する際に証明書の一括エクスポートを実行する方法については、『Cisco Unified Communications Manager セキュリティ ガイド』の「デフォルトのセキュリティ設定」の項の手順を参照してください。 デフォルトのセキュリティを無効にするには、『Cisco Unified Communications Manager セキュリティ ガイド』に掲載されている、IP Phone の ITL ファイルの更新手順を参照してください。
カスタマイズしたファイル(呼び出し音、折り返し音、電話機の画面の背景など)を追加できます。 クラスタ内に 2 台の TFTP サーバが存在する場合は、カスタマイズされたファイルが両方の TFTP サーバにあることを確認します。
目次
- Cisco TFTP
- TFTP の設定
- SCCP を実行するデバイスの TFTP プロセスの概要
- SIP を実行する Cisco Unified IP Phone の TFTP の設定
- SIP を実行する電話機の設定シーケンス
- SIP を実行する電話機のダイヤル プランの設定シーケンス
- SIP を実行する電話機のソフトキー テンプレートの設定シーケンス
- Cisco Extension Mobility との対話
- Serviceability カウンタ
- DHCP および Cisco TFTP を使用するデバイス
- IPv4 を使用するデバイスの TFTP サーバ アクセス
- IPv6 を使用するデバイスの TFTP サーバ アクセス
- デバイス対応の TFTP サーバの識別
- 冗長 TFTP サーバの設定
- 代替シスコ ファイル サーバ
- マルチクラスタ環境における集中型 TFTP
- マスター TFTP サーバ
- マスター TFTP サーバへのファイルの送信
- セキュアなクラスタでの集中型 TFTP
- 集中型 TFTP の設定
- 設定ファイルのカスタマイズと変更
この章では、Trivial File Transfer Protocol(TFTP)と整合性のあるファイルを作成し、そのサービスを提供する Cisco TFTP サービスについて説明します。 Cisco TFTP は設定ファイルを作成し、組み込みコンポーネントの実行可能ファイル、呼び出し音ファイル、およびデバイス設定ファイルを処理します。
設定ファイルには、SCCP を実行する電話機、SIP を実行する電話機、ゲートウェイなどのデバイスが接続する Cisco Unified Communications Manager を優先順に並べたリストと、デバイスがリスト上の Cisco Unified Communications Manager への接続に使用する TCP ポート、および実行可能ファイルのロード ID が保存されています。 一部のデバイス用の設定ファイルには、電話機のボタン(メッセージ、ディレクトリ、サービス、および情報)用のロケール情報および URL が保存されています。 ゲートウェイ用の設定ファイルには、ゲートウェイの設定情報がすべて保存されています。
設定ファイルは、デバイス タイプと TFTP サービス パラメータの設定に応じて、.cnf 形式、.cnf.xml 形式、または .xml 形式で作成されます。 Build CNF Files サービス パラメータを [Build All] に設定すると、TFTP サーバによって .cnf.xml と .cnf の両形式ですべてのデバイス用の設定ファイルが作成されます。 このサービス パラメータを [Build None] に設定すると、.cnf.xml ファイルだけが TFTP サーバによってすべてのデバイス用に作成されます。 このパラメータが [Build Selective](デフォルト値)に設定されている場合、TFTP サーバによってすべてのデバイス用の .cnf.xml ファイルが作成され、さらに表 9 に示すデバイス タイプの選択リストだけに .cnf ファイルが作成されます。
表 1 Build Selective BuildCNFType のデバイス デバイスタイプ
デバイス名
MODEL_30SPP
Cisco 30 SP+
MODEL_12SPP
Cisco 12 SP+
MODEL_12SP
Cisco 12 SP
MODEL_12S
Cisco 12 S
MODEL_30VIP
Cisco 30 VIP または DPA
MODEL_IP_CONFERENCE_PHONE
Cisco 7935
MODEL_SCCP_PHONE
SCCP Phone
MODEL_VEGA
Analog Access
MODEL_UONE
Voice Mail Port
この章では、 Cisco Unified Communications Manager、TFTP、およびダイナミック ホスト設定プロトコル(DHCP)の関係、またデバイスと TFTP サーバの関係について説明します。
- TFTP の設定
- SCCP を実行するデバイスの TFTP プロセスの概要
- SIP を実行する Cisco Unified IP Phone の TFTP の設定
- DHCP および Cisco TFTP を使用するデバイス
- IPv4 を使用するデバイスの TFTP サーバ アクセス
- IPv6 を使用するデバイスの TFTP サーバ アクセス
- デバイス対応の TFTP サーバの識別
- 冗長 TFTP サーバの設定
- 代替シスコ ファイル サーバ
- マルチクラスタ環境における集中型 TFTP
- 設定ファイルのカスタマイズと変更
TFTP の設定
手順Cisco TFTP サービスは、Trivial File Transfer Protocol(TFTP)と整合性のあるファイルを作成し、そのサービスを提供します。 Cisco TFTP は設定ファイルを作成し、組み込みコンポーネントの実行可能ファイル、呼び出し音ファイル、およびデバイス設定ファイルを処理します。
設定ファイルには、SCCP を実行する電話機、SIP を実行する電話機、ゲートウェイなどのデバイスが接続する Cisco Unified Communications Manager を優先順に並べたリストと、デバイスがリスト上の Cisco Unified Communications Manager への接続に使用する TCP ポート、および実行可能ファイルのロード ID が保存されています。 一部のデバイス用の設定ファイルには、電話機のボタン(メッセージ、ディレクトリ、サービス、および情報)用のロケール情報および URL が保存されています。 ゲートウェイ用の設定ファイルには、ゲートウェイの設定情報がすべて保存されています。
ステップ 1 適切なサーバで Cisco TFTP サービスを有効にして開始します。 ステップ 2 必要に応じて、Alternate Cisco File Server パラメータなどのサービス パラメータを適切に設定します。 ステップ 3 ロード ファイルまたは RingList.xml のような未設定ファイルを変更する場合は、Cisco TFTP サービスを開始した後で停止します。
(注) Cisco Unified Communications オペレーティングシステムの管理ページから TFTP ディレクトリへファイルをアップロードする必要があります。
SCCP を実行するデバイスの TFTP プロセスの概要
TFTP サーバは、設定ファイルに対する要求を同時に処理します。 ここでは、要求プロセスについて説明します。
デバイスは、ブート時に DHCP サーバにネットワーク設定情報を照会します。 DHCP サーバは応答として、そのデバイスの IP アドレス、サブネット マスク、デフォルト ゲートウェイ、ドメイン ネーム システム(DNS)サーバのアドレス、および TFTP サーバの名前またはアドレスを返します ( Cisco Unified IP Phone 7960 などの一部のデバイスは最大 2 つの TFTP サーバをサポートしています)。 このようなデバイスは、プライマリ TFTP サーバに到達しない場合、フォールバック TFTP サーバに到達しようとします)。
(注)
デバイス上で DHCP が使用可能になっていない場合は、デバイスに IP アドレスを割り当てて、デバイス上でローカルに TFTP サーバを設定する必要があります。
デバイスは、TFTP サーバに設定ファイルを要求します。 TFTP サーバは、3 つの内部キャッシュ、ディスクを検索し、次に設定ファイルの代替シスコ ファイル サーバ(指定されている場合)を検索します。 TFTP サーバが設定ファイルを検出した場合は、デバイスにそのファイルを送信します。 設定ファイルで Cisco Unified Communications Manager の名前が提供されている場合、デバイスは DNS を使用して名前を解決し、 Cisco Unified Communications Manager との接続を確立します。 IP アドレスまたは名前を受け取らなかった場合、デバイスはその登録接続をセットアップするために TFTP サーバの名前または IP アドレスを使用します。
TFTP サーバが設定ファイルを検出できない場合、"file not found" というメッセージをデバイスに送信します。
(注)
TFTP サーバがデバイスに "file not found" メッセージを返した場合は、"request not found" TFTP カウンタが増えます。 非セキュア モードでは CTL ファイルが Cisco Unified Communications Manager 上に存在しないため、非セキュアなクラスタの場合、この動作はエラーではありません。
TFTP サーバが設定ファイルを再作成しているとき、あるいは最大数の要求を処理しているときに、設定ファイルを要求したデバイスは、TFTP サーバからメッセージを受け取ります。このため、そのデバイスは後で設定ファイルを要求します。 Maximum Serving Count サービス パラメータ(設定可能)は、200 を最大要求数として指定します。
デバイスのブート方法の詳細については、DHCP および Cisco TFTP を使用するデバイスを参照してください。
SIP を実行する Cisco Unified IP Phone の TFTP の設定
SCCP を実行している電話機と異なり、SIP を実行している電話機は設定のすべてを TFTP サーバから取得します。 SIP を実行している電話機は最初の起動時に、設定済みの TFTP サーバ(手動で設定されるか DHCP サーバを通じて設定されたもの)に連絡し、設定ファイルを取得します。その後、設定済みの Cisco Unified Communications Manager に自分自身を登録します。
SIP を実行している電話機の設定が変更された場合、 Cisco Unified Communications Manager データベースは TFTP サーバに、すべての設定ファイルを再作成するか選択的に再作成するよう通知します。 TFTP サーバは、 Cisco Unified Communications Manager データベースから情報を取得し、デバイス タイプに応じて適正な出力形式に変換し、TFTP キャッシュに出力を保存します。 TFTP サーバは、要求を取得すると、キャッシュまたは代替ファイル サーバ ロケーション ディスクを検索し、要求された設定ファイルまたはデフォルト ファイルを提供します。
SIP を実行している電話機用の TFTP サポートは、次に示す Cisco Unified IP Phone 用にさまざまな形式の SIP 設定ファイルを、 Cisco Unified Communications Manager データベースから作成して提供します。
Cisco Unified IP Phone 7970/71、7961、7941、7911(これらの電話機は同じ SIP 設定ファイル形式を共有します)。
Cisco Unified IP Phone 7960、7940(これらの電話機は同じ SIP 設定ファイル形式を共有します)。
上記の電話機上の SIP ダイヤル プラン。
上記の電話機上のソフトキー テンプレート。
TFTP サーバは SIP を実行している電話機の設定用に、 Cisco Unified Communications Manager データベースから次のファイルを生成します。
システム全体のデフォルト設定ファイル、およびデバイスごとの設定ファイル。
Cisco Unified IP Phone 7970/71、7960/61、7940/41、および 7911 用のシステム全体のダイヤル プラン リスト。
システム全体のソフトキー テンプレート ファイルのリスト。
次の表に、生成される設定ファイルを SIP を実行する電話機のタイプごとに示します。
モデル
SIP IP Phone
ダイヤル プラン
ソフトキー テンプレート
9971、9951、8961、8945、8941、7975、7971、7970、7961、7941、7911、Cisco Cius
SEP<mac>.cnf.xml
DR<dialplan>.xml
SK<softkey_template>.xml
Cisco TP 1000、Cisco TP 1100、Cisco TP 1300-47、Cisco TP 1300-65、Cisco TP 1310-65
7960、7940
SIP<mac>.cnf
<dialplan>.xml
設定不能
7905
Id<mac>
Id<mac> 内のパラメータ
設定不能
7912
gk<mac>
gk<mac> 内のパラメータ
設定不能
Cisco IP Communicator
<Device Name>.cnf.xml
<Device Name>.cnf.xml 内のパラメータ
<Device Name>.cnf.xml 内のパラメータ
Cisco Jabber for Tablet
TAB<Userid in Upper Case>.cnf.xml
設定不能
SK<softkey_template>.xml
ファイル名は、 Cisco Unified Communications Manager の管理ページの [電話の設定(Phone Configuration)] ウィンドウにある [MACアドレス(MAC Address)] フィールドと [説明(Description)] フィールド、および Cisco Unified Communications Manager データベースのデバイス名フィールドから生成されます。 MAC アドレスによって、電話機が一意に識別されます。
- SIP を実行する電話機の設定シーケンス
- SIP を実行する電話機のダイヤル プランの設定シーケンス
- SIP を実行する電話機のソフトキー テンプレートの設定シーケンス
- Cisco Extension Mobility との対話
- Serviceability カウンタ
SIP を実行する電話機の設定シーケンス
手順
ステップ 1 管理者は(たとえば、 Cisco Unified Communications Manager の管理ページの [電話の設定(Phone Configuration)]、[SIPプロファイルの設定(SIP Profile Configuration)]、または [SIP電話セキュリティプロファイルの設定(SIP Phone Security Profile Configuration)] を使用して)SIP を実行する電話機に変更を加え、[保存(Save)] をクリックします。 ステップ 2 Cisco Unified Communications Manager データベースは、TFTP サーバと Cisco Unified Communications Manager に変更通知を送信します。 その後、TFTP サーバは選択された電話機用のすべての設定ファイルを再作成します。 設定ファイルの名前と形式は、デバイス タイプとプロトコルによって異なります(上の表を参照)。 ステップ 3 管理者がリセットまたは再起動のボタンを押して、変更の対象となる電話機をリセットまたは再起動します。 ステップ 4 通知を(自動的に、または管理者かユーザが)受け取ると同時に、 Cisco Unified Communications Manager は設定ファイルを再度取得するよう電話機に通知します。 ステップ 5 SIP を実行している電話機が TFTP サーバに設定ファイルを要求し、サーバは要求されたファイルを電話機に送信します。 ステップ 6 必要な設定ファイルを取得すると、電話機は設定された回線を Cisco Unified Communications Manager に登録します。
SIP を実行する電話機のダイヤル プランの設定シーケンス
手順
ステップ 1 管理者は SIP ダイヤル プランを設定し、そのダイヤル プランを SIP を実行する電話機へ関連付けます。 ステップ 2 Cisco Unified Communications Manager データベースは TFTP サーバへ変更通知を送信し、それによって TFTP サーバは、SIP を実行する電話機用に新しいファイル セットの作成を開始します。 ステップ 3 TFTP サーバは、ダイヤル プラン設定ファイルか SIP を実行する電話機用の設定ファイル、またはその両方を再作成します。 ステップ 4 管理者は、 Cisco Unified Communications Manager データベース内のダイヤル ルールにすべての更新を加えた後、[リセット(Reset)] ボタンか [リスタート(Restart)] ボタンをクリックし、電話機に変更を適用します。
SIP を実行する電話機のソフトキー テンプレートの設定シーケンス
手順
ステップ 1 管理者は SIP ソフトキー テンプレートを設定し、そのソフトキー テンプレートを SIP を実行する電話機へ関連付けます。 ステップ 2 Cisco Unified Communications Manager データベースは TFTP サーバへ変更通知を送信し、それによって TFTP サーバは、SIP を実行する電話機用に新しいファイル セットの作成を開始します。 ステップ 3 TFTP サーバは、ソフトキー テンプレート設定ファイルか SIP を実行する電話機用の設定ファイル、またはその両方を再作成します。 ステップ 4 管理者は、 Cisco Unified Communications Manager データベース内のソフトキーにすべての更新を加えた後、[リセット(Reset)] ボタンか [リスタート(Restart)] ボタンをクリックし、電話機に変更を適用します。
DHCP および Cisco TFTP を使用するデバイス
シスコのテレフォニー デバイスには、手動または DHCP により IP アドレスを割り当てる必要があります。 また、デバイスは、デバイス ロードとデバイス設定ファイルを保存している TFTP サーバにアクセスする必要があります。
IP アドレスの取得
デバイス上で DHCP が使用可能になっている場合は、ネットワークにデバイスを接続するときに、DHCP により IP アドレスがデバイスに自動的に割り当てられます。 DHCP サーバは、デバイスを TFTP サーバ(またはデバイスで使用可能な場合は、2 番目の TFTP サーバ)に誘導します。 たとえば、IP ネットワーク上にある複数の Cisco Unified IP Phone を接続すると、DHCP により IP Phone に IP アドレスが自動的に割り当てられ、適切な TFTP サーバへのパスが提供されます。
デバイス上で DHCP が使用可能になっていない場合は、デバイスに IP アドレスを割り当てて、デバイス上でローカルに TFTP サーバを設定する必要があります。
デフォルトの DHCP 設定は、デバイスによって異なります。
Cisco Unified IP Phone では、デフォルトで DHCP が有効になっています。 DHCP を使用しない場合は、電話機の DHCP を無効にして、手動で電話機に IP アドレスを割り当てる必要があります。
Cisco Access Analog Gateway および Cisco Access Digital Gateway の場合、DHCP は常に有効です。
Cisco Catalyst 6000 8 Port Voice T1/E1 and Services Module の場合、Cisco Catalyst 6000 上のネットワーク管理プロセッサ(NMP)の DHCP は、有効な場合もあれば無効の場合もあります。 DHCP が無効な場合は、Cisco Catalyst 6000 上で Cisco CATOS コマンドライン インターフェイスを使用して、IP アドレスを設定する必要があります。
設定ファイルの要求
IP アドレスを取得したデバイスは、TFTP サーバに設定ファイルを要求します。
Cisco Unified Communications Manager データベースに手動で追加したデバイスの場合、デバイスはデバイス名に対応する設定ファイルにアクセスします。 電話機が手動で設定されておらず、自動登録が使用可能にされている場合、電話機は TFTP サーバからのデフォルト設定ファイルを要求し、 Cisco Unified Communications Manager で自動登録手順を開始します。
(注)
自動登録が可能なデバイスで、デフォルト設定ファイルを持つデバイス タイプは、電話機に限られます。 その他のデバイスはすべて、手動で Cisco Unified Communications Manager データベースに追加する必要があります。
電話機に XML 互換のロードがある場合、その電話機は .cnf.xml 形式の設定ファイルを要求します。それ以外の場合では、.cnf ファイルを要求します。
(注)
Build CNF File サービス パラメータを [Build All] に設定すると、TFTP サーバによって .cnf.xml と .cnf の両形式ですべてのデバイス用の設定ファイルが作成されます。 このサービス パラメータを [Build None] に設定すると、.cnf.xml ファイルだけが TFTP サーバによってすべてのデバイス用に作成されます。 このパラメータが [Build Selective](デフォルト値)に設定されている場合、TFTP サーバによってすべてのデバイス用の .cnf.xml ファイルが作成され、さらに .cnf.xml をサポートしないデバイスの選択リストだけに .cnf ファイルが作成されます。 表 9 にこれらのデバイスのリストを示します。
Cisco Unified Communications Manager へのアクセス
TFTP サーバから設定ファイルを取得したデバイスは、設定ファイルに指定されているリスト中で最も優先順位が高い Cisco Unified Communications Manager への TCP 接続を試みます。 デバイスがデータベースに手動で追加された場合、 Cisco Unified Communications Manager はそのデバイスを識別します。 Cisco Unified Communications Manager 内で自動登録が有効になっている場合、データベースに手動で追加されなかった電話機は、 Cisco Unified Communications Manager データベースへの自動登録を試行します。
Cisco Unified Communications Manager は、.cnf 形式の設定ファイルを使用して、デバイスにロード ID を通知します。 .xml 形式の設定ファイルを使用するデバイスは、設定ファイルの中でロード ID を受け取ります。 デバイスのロード ID が現在デバイス上で実行されているロード ID と異なる場合、デバイスは新しいロード ID に関連したロードを TFTP サーバに要求し、自身のリセットを行います。 デバイス ロードの詳細については、デバイスのサポートを参照してください。
ユーザがデフォルトの電話呼び出し音設定を変更した場合や、新しい呼び出し音をロードした場合、電話機はブート プロセスの終了後に呼び出し音リストを取得します。
IPv4 を使用するデバイスの TFTP サーバ アクセス
デバイスのタイプに応じて、次のいずれかの方法で IP Phone とゲートウェイによる TFTP サーバ IP アドレスの取得を可能にします。
ゲートウェイおよび電話機の DHCP カスタム オプション 150 を使用する。
シスコはこの方式をお勧めします。 この方式では、TFTP サーバの IP アドレスをオプション値として設定しています。
ゲートウェイおよび電話機の DHCP オプション 066 を使用する。
TFTP サーバのホスト名または IP アドレスをオプション値として設定できます。
ゲートウェイおよび電話機による CiscoCM1 の照会を行う。
DNS によって、この名前を TFTP サーバの IP アドレスに変換する必要があります。 このオプションは拡張性がないため、お勧めしません。
電話機に対して TFTP サーバの IP アドレスを設定する。 電話機の DHCP が使用可能になっている場合でも、DHCP によって取得した TFTP アドレスを上書きする TFTP サーバの代替 IP アドレスを、電話機に対してローカルに設定できます。
ゲートウェイと電話機に DHCP オプション サーバ名(sname)パラメータを指定する。
電話機またはゲートウェイのブート プロセス(siaddr)の Next-Server の値を使用する。
デバイスは、TFTP サーバのアドレスを不揮発性メモリに保存します。 前述の方式を少なくとも 1 回使用した場合は、その方式が使用できない場合でも、そのデバイスのメモリに保存されているアドレスが使用されます。
TFTP サービスは、最初のノードにも後続のノードにも設定できますが、通常は最初のノードに設定してください。 小規模のシステムの場合は、同じサーバ上で TFTP サーバと Cisco Unified Communications Manager の共存が可能です。
IPv6 を使用するデバイスの TFTP サーバ アクセス
ヒント
ここでは、電話機が IPv6 を使用することを前提としています。 ネットワークで IPv4 を使用する電話機と IPv6 を使用する電話機がある場合は、IPv4 には DHCP カスタム オプション 150 を、IPv6 にはシスコのベンダー固有情報オプションである TFTP サーバ アドレスのサブオプションタイプ 1 を使用することをお勧めします。
IPv6 ネットワークで、DHCPv6 サーバは、シスコ ベンダー固有の DHCPv6 情報オプションを DHCPv6 応答メッセージで使用して、TFTP IPv6 アドレスをデバイスに渡します。 TFTP サーバが IPv4 を使用して要求を処理しているときに、デバイスが IPv6 アドレスを取得して要求を TFTP サーバに送信した場合、TFTP サーバは IPv6 スタックで要求を受信していないため、その要求を受信しません。 この場合、デバイスを Cisco Unified Communications Manager に登録できません。
デバイスのタイプに応じて、次のいずれかの方法で IP Phone による TFTP サーバ IP アドレスの取得を可能にします。
シスコのベンダー固有情報オプションである TFTP サーバ アドレス サブオプション タイプ 1 を使用する。 オプション 150 に対応するこのオプションを使用してみてください。
シスコはこの方式をお勧めします。 この方式では、TFTP サーバの IP アドレスをオプション値として設定しています。
シスコのもう 1 つのベンダー固有情報オプションである TFTP サービスのサブオプション タイプ 2 を使用する。 このオプションは、オプション 66 と同じです。
電話機に対して TFTP サーバの IP アドレスを設定する。 電話機の DHCP が有効になっている場合でも、DHCP によって取得した TFTP アドレスを上書きする TFTP サーバの代替 IP アドレスを、電話機に対して設定できます。
デバイスは、TFTP サーバのアドレスを不揮発性メモリに保存します。 前述の方式を少なくとも 1 回使用した場合は、その方式が使用できない場合でも、そのデバイスのメモリに保存されているアドレスが使用されます。
TFTP サービスは、最初のノードにも後続のノードにも設定できますが、通常は最初のノードに設定してください。 小規模のシステムの場合は、同じサーバ上で TFTP サーバと Cisco Unified Communications Manager の共存が可能です。
(注)
Cisco Unified Communications Manager サーバが IPv6 をサポートしている場合、デュアルスタック デバイスは、IPv4 または IPv6 アドレスを使用して TFTP サーバにアクセスできます。
(注)
SBD のロードが設定された電話機が、SBD をサポートしているプロキシ TFTP を介して、SBD をサポートしていない Cisco Unified Communications Manager に登録しようとすると、電話機はループ状態になり、登録は行われません。
ヒント
IPv6 と TFTP の詳細については、デバイスのサポートを参照してください。
デバイス対応の TFTP サーバの識別
ゲートウェイ
ゲートウェイは、DHCP サーバから競合する情報や輻輳する情報を受信した場合、優先順位を使用して TFTP サーバのアドレスを選択します。 優先順位は、TFTP サーバの指定に使用した方式に基づいて決まります(次のリストでは、方式 1 の優先順位が最高順位)。
Catalyst 6000 ゲートウェイが、ローカルに設定された TFTP サーバ アドレスを使用している。 このアドレスは、DHCP サーバから送信された TFTP アドレスを上書きします。
ゲートウェイが DNS 名 CiscoCM1 を照会し、DNS 名が解決されている。 ゲートウェイは、常に DNS 名 CiscoCM1 の解決を試みます。 この名前が解決された場合、DHCP サーバから送信された情報はすべてこの名前によって上書きされます。
TFTP サーバに CiscoCM1 という名前を付ける必要はありませんが、DNS CName レコードを入力して、CiscoCM1 を TFTP サーバのアドレスまたは名前と関連付ける必要があります。
ゲートウェイがブート プロセスの Next-Server の値を使用している。 従来、TFTP サーバのアドレスには、この DHCP 設定パラメータが使用されています。 BOOTP サーバの設定時に、このフィールドは一般に TFTP サーバのアドレスとなります。
この情報は、DHCP ヘッダーの siaddr(サーバ IP アドレス)フィールドに戻されます。 IP アドレスが設定されていないときに、一部の DHCP サーバの IP アドレスがこのフィールドに入る場合があるので、使用できる場合はこのオプションを使用します。
IPv4 を使用するゲートウェイが、サイト固有のオプション 150 を使用している。 このオプションは、一部のサーバが Next-Server 設定パラメータを許可しない問題を解決します。 サーバによっては、IP アドレスがスタティックに割り当てられている場合にだけ Next-Server パラメータへのアクセスを許可する場合があります。
ゲートウェイが DHCP オプション サーバ名パラメータを使用している。 この DHCP 設定パラメータは、TFTP サーバのホスト名を指定します。 現在、このパラメータにはホスト名だけを設定できます。ドット付き 10 進 IP アドレスは使用しないでください。
IPv4 を使用するゲートウェイが 066 オプション(ブート サーバの名前)を使用している。 オプション 066 は通常、オプションが過負荷状態を起こした場合に、sname(サーバ名)フィールドを置き換えます。 この名前フィールドには、ホスト名またはドット付き 10 進 IP アドレスを指定できます。 066 オプションと 150 オプションを一緒に使用しないでください。 これらのオプションを一緒に送信すると、デバイスは 066 オプションに指定されている名前より IP アドレスを優先します。 ドット付き 10 進 IP アドレスと 150 オプションを両方送信した場合、これらの優先順位はオプション リスト内での指定順序によって決まります。 オプション 066 とオプション 150 は一緒に使用できないため、デバイスはオプション リストの最後にある項目を選択します。
Cisco Unified IP Phone
ゲートウェイと同様に、 Cisco Unified IP Phone 7971、7970、7961、7941、7931、7911、7906、7960、および 7940(リリース 8.0(4) ファームウェアまたはそれ以降を使用しているもの)は、DHCP サーバから競合する情報や輻輳する情報を受信した場合、優先順位を使用して TFTP サーバのアドレスを選択します。 優先順位は、TFTP サーバの指定に使用した方式に基づいて決まります(次のリストでは、方式 1 の優先順位が最高順位)。
Cisco Unified IP Phone が手動設定の代替 TFTP オプションを使用している。このオプションは、電話機の [設定] メニューにあります。 IP Phone の [代替TFTP] オプションがローカルで [はい] に設定されている場合、[TFTPサーバ1] および [TFTPサーバ2] のアドレス値によって、DHCP サーバの送信した TFTP アドレスはすべて上書きされます。
[代替TFTP] オプションが [いいえ] に設定されている場合、 Cisco Unified IP Phone は、オプション 150 の値を TFTP サーバの IP アドレスとして使用している。 オプション 150 の値として割り当てることができるのは、IP アドレスだけです。 IP アドレスは最大で 2 つまで使用され、DHCP サーバの提供する最初の 2 つの IP アドレスだけが受け入れられます。
Cisco Unified IP Phone が 066 オプションを使用している。このオプションは、TFTP サーバの名前(オプション 66 = DNS 名)またはドット付き 10 進 IP アドレス(オプション 66 = ドット付き 10 進 IP アドレス)です。 名前が複数のアドレスに解決される場合があるので注意してください。 オプション 066 は通常、オプションが過負荷状態を起こした場合に、sname(サーバ名)フィールドを置き換えます。 この名前フィールドには、DNS 名またはドット付き 10 進 IP アドレスを指定できます。 このオプションの値に複数のエントリを記述することはできません。
Cisco Unified IP Phone が、ブート プロセスの Next-Server IP Address の値を TFTP サーバの IP アドレスとして使用している。 従来、TFTP サーバのアドレスには、この DHCP 設定パラメータが使用されています。 名前が複数のアドレスに解決される場合があるので注意してください。 BOOTP サーバを設定するとき、通常このフィールドは TFTP サーバのアドレスとして参照されます。 この情報は、DHCP ヘッダーの siaddr(サーバ IP アドレス)フィールドに戻されます。
Cisco Unified IP Phone が TFTP サーバ名としてオプション サーバ名パラメータ名を使用している。 この DHCP 設定パラメータは、TFTP サーバの DNS 名を表します。 現在、このパラメータには DNS 名だけを設定できます。ドット付き 10 進 IP アドレスは使用しないでください。
IPv4 を使用するゲートウェイと電話機には DHCP のカスタム オプション 150 を使用することをお勧めします。 この方式では、TFTP サーバの IP アドレスがオプション 150 の値として設定されます。 電話機がオプション 150 の値で [TFTPサーバ1] および [TFTPサーバ2] のエントリとして使用するのは、2 つの IP アドレスだけです。 デバイス
(注)
オプション 66 は文字列型として定義し、オプション 150 は 32 ビットの IP アドレスの配列として定義することに注意してください。[TFTPサーバ1] および [TFTPサーバ2] は、どちらも 32 ビットの IP アドレスです。
冗長 TFTP サーバの設定
クラスタには TFTP サーバを 1 台設定する必要がありますが、冗長 TFTP サーバを設定することが必要な場合もあります。 デバイス(電話機またはゲートウェイ)が第 1 TFTP サーバから応答を取得しない場合、第 2 TFTP サーバへの接続を試みます。 第 2 TFTP サーバは、DHCP スコープで IPv4 にはオプション 150 で、IPv6 には TFTP サーバ アドレス サブオプション タイプ 1 で設定します。
TFTP サーバが設定ファイルのすべてを再作成中で、要求を出したデバイスに遅延メッセージを返した場合、デバイスは第 2 TFTP サーバの使用を試みずに待機し、メッセージの送信元である最初の TFTP サーバに再試行します。
代替シスコ ファイル サーバ
クラスタが複数存在する場合や、複数の DHCP スコープに対して 1 台だけサーバを設定する場合、あるいは DHCP スコープが 1 つ必要な場合、代替シスコ ファイル サーバを指定できます。 代替サーバは、[リモートクラスタサービスの設定(Remote Cluster Service Configuration)] ウィンドウ([詳細設定(Advanced Settings)] > [クラスタビュー(Cluster view)])で設定できます。 単一のクラスタに最大 3 つの代替サーバを設定できます。
注意
代替サーバの IP アドレスは、代替サーバを設定する同一のクラスタに属している必要があります。
代替 TFTP サーバを設定する方法の詳細については、を参照してください。
(注)
Cisco Unified Communications Manager は代替 TFTP サーバとして、IPv4 と IPv6 両方のアドレスと、IPv4 および IPv6 アドレスに解決されるホスト名をサポートします。 Enable IPv6 エンタープライズ パラメータは、 クラスタ外の TFTP サーバへのファイルの保存に影響しません。 TFTP サーバが、デュアル IPv4/IPv6 スタックをサポートしている場合、代替サーバに IPv4 と IPv6 両方のエントリを設定できます。システムは設定された順序でサーバにアクセスします。
[リモートクラスタサービスの設定(Remote Cluster Service Configuration)] ウィンドウ([拡張機能(Advanced Features)] > [クラスタビュー(Cluster View)])でプライマリ TFTP サーバのリモート クラスタ情報を設定できます。 各クラスタの配下で TFTP サーバの IP アドレスを設定できます。
リモート クラスタの設定の詳細については、を参照してください。
プライマリ TFTP サーバは、これらの代替サーバから、外部クラスタ内の電話機とデバイスに設定ファイルを提供しています。 ループを作成しないようにするには、外部クラスタ上の TFTP サーバが互いを指していないことを確認します。
マルチクラスタ環境における集中型 TFTP
集中型 TFTP は、1 つの地域やサイト固有の環境(大規模キャンパスなど)で複数の Cisco Unified Communications Manager クラスタをサポートします。 集中型 TFTP では、デバイス(電話機とゲートウェイ)をある建物から別の建物へ移動でき、管理者がそのデバイスの IP 設定値(DHCP や VLAN/DHCP など)を再設定する必要もありません。
別の例を示します。複数の T1 が同じ境界ポイントで終端するが、T1 を複数のクラスタに分散する場合、管理者は該当するクラスタ内の T1 だけを設定すればよく、DHCP スコープがマスター TFTP サーバへの TFTP 要求を指すように設定するだけで済みます。 集中型 TFTP ソリューションは、該当するクラスタ固有の情報を個々の T1 に提供します。
また集中型 TFTP は、異なるオペレーティング システムを実行している複数のクラスタもサポートしています。 任意のクラスタに登録および設定されているデバイスは、単一の TFTP サーバ(マスター TFTP サーバ)を使用するように指定でき、このサーバはクラスタ固有のファイルをこれらのデバイスに提供します。
マスター TFTP サーバ
各クラスタには、少なくとも 1 台の TFTP サーバが存在する必要があります。 TFTP サーバの主な機能は、エンドポイント設定ファイルの作成と、すべてのファイル(設定、セキュリティ、ファームウェアなど)をエンドポイントに提供することです。
集中型 TFTP 環境では、マスター TFTP サーバとは、単一の TFTP サーバに適用される名前を表します。このサーバは、すべての Cisco Unified Communications Manager クラスタのセキュリティ、ファームウェア、および設定ファイルを含むすべてのファイルを提供するように指定されます。 このような指定は、ハード コーディングまたはエンドポイントでの DHCP 設定によって、単純にすべての要求をマスター TFTP サーバに送信するようにして行います。
マスター TFTP サーバは、最も多くのデバイスが設定されているクラスタに所属させることを強くお勧めします。 一般に、このような構成にすることで、TFTP サーバのキャッシュ内でファイルが見つかる可能性が高くなり、クラスタ外での検索回数を減らせることになります。
マスター TFTP サーバへのファイルの送信
プロキシ TFTP は、電話機がオフクラスタでプロビジョニングされる大規模な配置においてデバイスを登録します。 これまで、プロキシ TFTP はオフクラスタの電話機に到達できないとき、「ディスクがいっぱいになっているか、割り当てが超過しています(Disk full or allocation exceeded)」(HTTP 503)というメッセージで応答していたため、電話機が同じファイルを繰り返し要求する原因になっていました。
この機能強化により、プロキシ TFTP は応答を電話機に送り返さなくなったので、電話機は以前の設定を使用して登録できるようになります。
プロキシ TFTP は、各オフクラスタに最大 3 台の TFTP サーバがあるオフクラスタを 100 個までサポートするので、これらのすべてのオフクラスタで電話をプロビジョニングできます。
オフクラスタは、ネットワークの問題が原因で到達不能になる可能性があります。 これまで、プロキシはオフクラスタでプロビジョニングされた電話機がファイルを要求したとき、「ディスクがいっぱいになっているか、割り当てが超過しています(Disk full or allocation exceeded)」というメッセージで応答していたため、電話機が同じファイルを繰り返し要求していました。 その後、電話機はこの状態でフリーズしました。
リリース 10.0(1) から、プロキシ TFTP ではリーフ クラスタ ノード(オフクラスタ)でのネットワーク停止処理が向上し、登録しようとして電話がフリーズすることはなくなっています。 オフクラスタの電話機に到達できない場合、プロキシ TFTP は応答を電話機に送り返しません。 応答を送信しないことにより、TFTP が使用できない場合に電話機は動作しようとしていた独自のロジックを実行できるため、キャッシュした設定で登録することができます。
電話機は、TFTP が利用できないとき、プロキシ TFTP がない単一のクラスタ設定と同様に、キャッシュした設定を使用できます。 これは、プロキシに送信された HTTP および TFTP 両方の要求に適用されます。
クラスタ外の TFTP サーバは、マスター TFTP サーバから要求を受信すると、要求されたファイルを検索し、見つかった場合は、HTTP を使用してマスター TFTP サーバにそのファイルを送信します。 次にマスター TFTP サーバは、TFTP を使用して、最初にファイルを要求したデバイスに要求されたファイルを送信します。 クラスタ外の TFTP サーバは、要求されたファイルを見つけられなかった場合、マスター TFTP サーバに「File Not Found」(HTTP エラー 404)を返します。 マスター TFTP サーバは、要求されたファイルが見つかるまで、または対象のサーバがなくなるまで、次のクラスタ外の TFTP サーバに対してこの処理を続行します。
クラスタ外のサーバがビジーの場合、HTTP エラー 503 がマスター TFTP サーバに送信されるため、マスター TFTP サーバは後で要求を再試行する必要があります。 このメッセージは、最初に要求したエンドポイント デバイスにも送信されます。
電話機が集中型 TFTP サーバまたはプロキシ TFTP サーバから共通ファイルを要求し、そのファイルが ringlist.xml.sgn のような共通名である、またはローカル ファイルである場合、TFTP サーバは電話機のホーム クラスタにあるファイルの代わりにそのファイルのローカル コピーを送信します。 このファイルの署名はTFTP サーバのローカル クラスタのものであり、電話機の初期信頼リスト(ITL)と一致しないため、電話機は署名確認障害として該当のファイルを拒否します。 この問題を解決するには、電話機のデフォルトのセキュリティ(SBD)を無効にするか、証明書の一括エクスポートを実行して、電話機が別のクラスタからの署名を検証するときに信頼検証システム(TVS)から成功が返されるようにします。 クラスタ間で IP Phone を移行する際に証明書の一括エクスポートを実行する方法については、『Cisco Unified Communications Manager セキュリティ ガイド』の「デフォルトのセキュリティ設定」の項の手順を参照してください。 デフォルトのセキュリティを無効にするには、『Cisco Unified Communications Manager セキュリティ ガイド』に掲載されている、IP Phone の ITL ファイルの更新手順を参照してください。
セキュアなクラスタでの集中型 TFTP
混合モードで動作しているクラスタ外のサーバはすべて、マスター TFTP サーバまたはマスター TFTP サーバの IP アドレスをクラスタ外の CTL ファイルに追加する必要があります (CTL ファイルをこのように更新しないと、セキュリティが有効になっているクラスタに登録されている電話機が、設定ファイルをダウンロードしようとしても、失敗します)。CTL ファイルを更新したら、サーバを再起動します。これで、セキュアなマルチクラスタ集中型 TFTP ネットワークに参加できるようになります。
TFTP サーバの CTL ファイルを更新するには、 Cisco Unified Communications Manager の管理ページで、 を使用して CTL クライアントのプラグインをダウンロードします。
集中型 TFTP の設定
集中型 TFTP 環境を設定する場合に役に立つヒントを次に示します。
- マスター TFTP サーバのみにリモート クラスタを設定します。
クラスタ外の TFTP サーバがバージョン 8.5 以前の Unified CM に属する場合は、すべてのクラスタ外 TFTP サーバに代替のシスコ ファイル サーバ値を設定しないでください。 TFTP サービスの設定方法の詳細については、『Cisco Unified Communications Manager アドミニストレーション ガイド』の「サービス パラメータの設定」を参照してください。
マスター TFTP サーバをリモート クラスタ内で検索できるようにしない場合は、[リモートクラスタの設定(Remote Cluster Configuration)] ウィンドウ([拡張機能(Advanced Features)] > [クラスタビュー(Cluster View)])で TFTP サービスの [有効(Enable)] チェックボックスをオフにします。
一般に、集中型 TFTP サーバの自動登録を有効にすることは推奨されません。 自動登録が有効で、いずれかの代替ファイル サーバがダウンした場合、この代替ファイル サーバでプロビジョニングされた電話機が集中型 TFTP サーバに自動登録されます。 したがって、自動登録が無効になっていない場合は無効にします。または、誤って登録された電話機が所属するクラスタが稼働していることを確認した後で、その電話機を削除します。
- 集中型 TFTP 設定の場合、マスター TFTP サーバが Cisco Unified Communications Manager の最上位バージョンを実行するクラスタに存在することを確認します。たとえば、互換 Cisco Unified CallManager 8.x クラスタと Cisco Unified Communications Manager 6.x クラスタ間で集中型 TFTP サーバを使用している場合は、マスター TFTP サーバが Cisco Unified Communications Manager 8.x クラスタにあることを確認してください。 マスター TFTP サーバが Cisco Unified Communications Manager の下位バージョンを実行するクラスタに存在する場合、電話機は下位バージョンの Cisco Unified Communications Manager からのロケール ファイルを使用するため、[サイレント(Do Not Disturb)] 機能に対して DND がアクティブであることを示す代わりに、電話機に「Undefined」や「??? 」が表示されるなどの問題が発生することがあります。 これらのエラーは、マスター クラスタから電話機にサービスを提供するロケール ファイルにローカライズされたフレーズが含まれていないために発生します。
電話機が集中型 TFTP サーバまたはプロキシ TFTP サーバから共通ファイルを要求し、そのファイルが ringlist.xml.sgn のような共通名である、またはローカル ファイルである場合、TFTP サーバは電話機のホーム クラスタにあるファイルの代わりにそのファイルのローカル コピーを送信します。 このファイルの署名はTFTP サーバのローカル クラスタのものであり、電話機の初期信頼リスト(ITL)と一致しないため、電話機は署名確認障害として該当のファイルを拒否します。 この問題を解決するには、電話機のデフォルトのセキュリティ(SBD)を無効にするか、証明書の一括エクスポートを実行して、電話機が別のクラスタからの署名を検証するときに信頼検証システム(TVS)から成功が返されるようにします。 クラスタ間で IP Phone を移行する際に証明書の一括エクスポートを実行する方法については、『Cisco Unified Communications Manager セキュリティ ガイド』の「デフォルトのセキュリティ設定」の項の手順を参照してください。 デフォルトのセキュリティを無効にするには、『Cisco Unified Communications Manager セキュリティ ガイド』に掲載されている、IP Phone の ITL ファイルの更新手順を参照してください。