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目次
この章では、トランク タイプについて説明します。 分散型コール処理環境では、 Cisco Unified Communications Manager は、トランク シグナリング プロトコルおよび音声ゲートウェイを使用して、他の Cisco Unified Communications Manager クラスタ、公衆電話交換網(PSTN)、および構内交換機(PBX)などの他の IP 非対応の通信デバイスと通信を行います。
SIP トランクの場合は、次の手順に従ってください。
Cisco Unified Communications Manager の管理ページのトランク設定は、ネットワーク設計および IP WAN で使用されるコール制御プロトコルに応じて異なります。 どのプロトコルを使用する場合も、コールを受信および発信するためには、シグナリング インターフェイス(トランク)またはゲートウェイのいずれかを作成する必要があります。 MGCP などの一部の IP プロトコルには、ゲートウェイにトランク シグナリングを設定します。 Cisco Unified Communications Manager にゲートウェイを設定するときに、シグナリング インターフェイスのタイプを指定します。 たとえば、 Cisco Unified Communications Manager に QSIG 接続を設定するには、QSIG プロトコルをサポートする MGCP ボイス ゲートウェイをネットワークに追加する必要があります。 次に、QSIG プロトコル タイプを使用するように T1 PRI または E1 PRI トランク インターフェイスを設定します。 ゲートウェイの設定に関する詳細については、Cisco Unified Communications Manager 音声ゲートウェイの概要を参照してください。
コールのルーティングにゲートウェイを使用するだけでなく、 Cisco Unified Communications Manager の管理ページでトランクを設定して、次のいずれかの方法で機能させることができます。
分散型コール処理環境で使用されるゲートキーパーは、 Cisco Unified Communications Manager クラスタに対してコール ルーティングおよびコール アドミッション制御を提供します。 ゲートキーパーによって制御されるクラスタ間トランクは、すべてのリモート クラスタと通信できます。 同様に、H.225 トランクは、 Cisco Unified Communications Manager クラスタを含む、ゲートキーパーによって制御される任意の H.323 エンドポイントと通信できます。 ルート パターンまたはルート グループは、ゲートキーパーとの間で相互にコールをルーティングできます。 分散型コール処理環境では、ゲートキーパーが E.164 アドレス(電話番号)を使用して各コールの宛先の適切な IP アドレスを判別し、ローカル Cisco Unified Communications Manager がその IP アドレスを使用してコールを確立します。
多数の Cisco Unified Communications Manager クラスタが存在する大規模な分散型ネットワークの場合、ゲートキーパーを使用すると、各クラスタ間に個々のクラスタ間トランクを設定する手間が省けます。
ゲートキーパーによって制御されるトランクを設定すると、 Cisco Unified Communications Manager によって仮想トランク デバイスが作成されます。 ゲートキーパーは、リモート デバイスの IP アドレスに対応してこのデバイスの IP アドレスを動的に変更します。 これらのトランクは、ゲートキーパーとの間で相互にコールをルーティングするルート パターンまたはルート グループに指定します。
ゲートキーパーの設定、ゲートキーパーを使用する場合のダイヤル プランの考慮事項、およびゲートキーパーと Cisco Unified Communications Manager の相互対話の詳細については、『Cisco Unified Communications Solution Reference Network Design (SRND)』を参照してください。
分散型コール処理環境でゲートキーパーが使用されていない場合、IP WAN 経由でローカル Cisco Unified Communications Manager からのコールが可能なリモート クラスタのそれぞれのリモート デバイス プールに対して、別個のクラスタ間トランクを設定する必要があります。 また、各種のクラスタ間トランクとの間でコールをルーティングするために必要な、ルート パターンとルート グループを設定します。 クラスタ間トランクは、リモート デバイスの IP アドレスを静的に指定します。
Cisco Unified Communications Manager のトランク設定は、IP WAN がゲートキーパーを使用してコール ルーティングを処理するかどうかによって選択が異なります。 また、コール処理環境で使用されるコール制御プロトコルのタイプによって、トランク設定オプションが決定されます。
ここで一覧するトランク タイプを Cisco Unified Communications Manager の管理ページで設定できます。
ゲートキーパーを使用する H.323 ネットワークでは、ゲートキーパー制御の H.225 トランクを使用して、他の Cisco Unified Communications Manager クラスタおよび H.323 デバイスにアクセスするためのゲートキーパーへの接続を設定します。 H.225 トランクは、ゲートキーパーによって制御される任意の H.323 エンドポイントと通信できます。 Cisco Unified Communications Manager の管理ページでゲートキーパー制御の H.323 ゲートウェイを設定する場合は、H.225 トランクを使用します。 この方法を選択するには、 を使用し、[H.225 Trunk (Gatekeeper Controlled)] を選択します。
ゲートキーパーとの間でコールをルーティングするためのルート パターンおよびルート グループも設定します。 詳細については、ゲートキーパーおよびトランクの設定を参照してください。
ゲートキーパーを使用する分散型コール処理ネットワークでは、ゲートキーパー制御のクラスタ間トランクを使用して、 Cisco Unified Communications Manager システムのクラスタ間の接続を設定します。 ゲートキーパーは、クラスタ間コールに対してコール アドミッション制御とアドレス解決を提供します。 1 つのクラスタ間トランクで、すべてのリモート クラスタと通信できます。 この方法を選択するには、 Cisco Unified Communications Manager の管理ページで を使用し、[Inter-Cluster Trunk (Gatekeeper Controlled)] を選択します。
ゲートキーパーとの間でコールをルーティングするためのルート パターンおよびルート グループも設定します。 この構成では、各コールの宛先に該当する IP アドレスはゲートキーパーにより動的に判別され、ローカル Cisco Unified Communications Manager はその IP アドレスを使用してコールを確立します。
ゲートキーパーの詳細については、ゲートキーパーおよびトランクの設定を参照してください。
クラスタ間トランクは、特別に指定した Phantom ロケーションを使用することによって、ロケーション ベースのコール アドミッション制御(CAC)をサポートします。 詳細については、クラスタ間トランク経由のロケーション ベースのコール アドミッション制御を参照してください。
ゲートキーパー非制御の分散型ネットワークでは、IP WAN 経由でローカル Cisco Unified Communications Manager からのコールが可能なリモート クラスタ内のデバイス プールごとに個別のクラスタ間トランクを設定する必要があります。 クラスタ間トランクは、リモート デバイスの IP アドレスまたはホスト名を静的に指定します。 この方法を選択するには、 Cisco Unified Communications Manager の管理ページで を使用し、[Inter-Cluster Trunk (Non-Gatekeeper Controlled)] を選択します。
(注) |
ゲートキーパーによって制御されないリモート クラスタ間トランクのデバイス プールに属するすべてのリモート Cisco Unified Communications Manager ノードの IP アドレスを指定する必要があります。 |
また、クラスタ間トランクとの間でコールをルーティングするために必要なルート パターンおよびルート グループも設定します。
クラスタ間トランクは、特別に指定した Phantom ロケーションを使用することによって、ロケーション ベースのコール アドミッション制御(CAC)をサポートします。 詳細については、クラスタ間トランク経由のロケーション ベースのコール アドミッション制御を参照してください。
Session Initiation Protocol(SIP)を使用するコール処理環境では、SIP トランクを使用して、SIP コール用の Cisco Unified Communications Manager にシグナリング インターフェイスを設定します。 SIP トランク(またはシグナリング インターフェイス)は、 Cisco Unified Communications Manager クラスタを SIP プロキシ サーバに接続します。 SIP シグナリング インターフェイスは、要求と応答を使用して、2 つ以上のエンドポイント間のコール(またはセッション)を確立、維持、および終端します。
Cisco Unified Communications Manager の管理ページで SIP トランクを設定するには、 を選択してから [SIPトランク(SIP Trunk)] を選択します。
ヒント |
SIP トランクを使用して SIP コールをルーティングするルート グループおよびルート パターンも設定する必要があります。 |
クラスタ間 SIP トランクまたは SIP ゲートウェイ経由で、QSIG 基本コールを受信し、MWI、コール転送、自動転送、Call Completion、パス置換、ID サービスなどの機能を受け入れるには、トンネル化プロトコルとして QSIG を使用する SIP トランクを設定します。
(注) |
SIP ゲートウェイから着信した Remote Party ID(RPID)ヘッダーによって QSIG コンテンツが干渉を受け、それにより折り返し機能で予期しない動作が発生する場合があります。 QSIG コンテンツへの干渉を防ぐには、SIP ゲートウェイで RPID ヘッダーを無効にします。 |
SIP ゲートウェイで RPID ヘッダーを無効にするには、次の例に示すように、SIP プロファイルをゲートウェイの VoIP ダイヤル ピアに適用します。
voice class sip-profiles 1000 request ANY sip-header Remote-Party_ID remove response ANY sip-header Remote-Party-ID remove dial-peer voice 124 voip destination-pattern 3... signaling forward unconditional session protocol sipv2 session target ipv4:<ip address> voice-class sip profiles 1000
SIP トランクは、特別に指定した Phantom ロケーションを使用することによって、ロケーション ベースのコール アドミッション制御(CAC)をサポートします。
(注) |
トランク サービス タイプとして Cisco Intercompany Media Engine(IME)を選択して SIP トランクを作成する場合、[トンネル化プロトコル(Tunneled Protocol)] フィールドのデフォルトは [QSIG] になります。 Cisco IME トランクで QSIG 機能を動作させるには、トンネル化プロトコルを QSIG にする必要があります。 Cisco IME の詳細については、『 Cisco IME インストレーション/コンフィグレーション ガイド』を参照してください。 |
E.164 標準に従い、発呼側を正規化すると、一部の電話機のダイヤル機能が拡張され、コールが地理的に異なる複数の場所にルーティングされる場合の折り返し機能が向上します。つまり、この機能により、着信側は、電話機のコール ログ ディレクトリ内の電話番号を修正する必要なく、確実にコールを返すことができます。 さらに、発呼側の正規化によって電話番号のグローバル化やローカライズが可能になるため、適切な発呼番号が電話機に表示されます。
発呼側の正規化を設定すると、コールが IP WAN を経由して複数の場所にルーティングされる場合のトール バイパスに関する問題が軽減されます。 さらに、 Cisco Unified Communications Manager では、コールの起点を識別して、電話ユーザのために発呼側番号をグローバル化またはローカライズします。
SIP トランクおよび MGCP ゲートウェイは、コールごとに国際エスケープ文字 + の送信をサポートできます。 H.323 プロトコルでは国際エスケープ文字 + がサポートされていないため、H.323 ゲートウェイまたはトランクでは + はサポートされません。 QSIG トランクは、+ の送信を試みません。 + をサポートするゲートウェイを経由した発信コールの場合、 Cisco Unified Communications Manager は、+ およびダイヤルされた番号をゲートウェイまたはトランクに送信できます。 + をサポートしないゲートウェイまたはトランク経由の発信コールの場合、 Cisco Unified Communications Manager がゲートウェイまたはトランクにコール情報を送信すると、国際エスケープ文字 + が除去されます。
SIP は、番号タイプをサポートしていないため、SIP トランク経由のコールは、着信発呼者の不明番号(プレフィックスと桁除去)の設定値だけをサポートします。
国際エスケープ文字 + を設定することで、発呼側番号をグローバル化できます。 国際エスケープ文字 + については、国際エスケープ文字の使用を参照してください。
H.323 プロトコルでは、国際エスケープ文字 + はサポートされていません。 国際エスケープ文字 + を含めた正しいプレフィックスが、H.323 ゲートウェイまたはトランク経由での着信コールに適用されるようにするには、サービス パラメータ、デバイス プール、H.323 ゲートウェイ、または H.323 トランクのウィンドウで着信の着呼側設定を設定する必要があります。つまり、着信の着呼側設定を設定することにより、着信コールが H.323 ゲートウェイまたはトランクから着信したときに、 Cisco Unified Communications Manager によって着信側番号がトランクまたはゲートウェイにもともと送信された値に変換されるようになります。
たとえば、H.323 ゲートウェイまたはトランクを介した着信コールに対する SAF またはコール制御ディスカバリにおいて、正しい DN パターンが使用されるようにするには、サービス パラメータ、デバイス プール、または H.323(ゲートキーパー制御でない)トランクのウィンドウで着信の着呼側設定を設定する必要があります。 詳細については、次の例を参照してください。
発信者が +19721230000( Cisco Unified Communications Manager A)にコールを発信します。
Cisco Unified Communications Manager A は +19721230000 を受信し、コールを H.323 トランクに送信する前にその番号を 55519721230000 に変換します。 この場合、設定は国際タイプのコールについて、国際エスケープ文字 + を除去して 555 を前に付加することを指定しています。
トランクからのこの着信コールの場合、 Cisco Unified Communications Manager B は 55519721230000 を受信し、発信者が送信した値を番号分析で使用できるように、番号を +19721230000 に戻します。 この場合、着信の着呼側設定項目の設定は、国際タイプの着信側番号に対して、555 を除去して +1 を前に付加することを指定しています。
サービス パラメータ、デバイス プール、H.323 ゲートウェイ、または H.323(ゲートキーパー制御)のウィンドウで着信の着呼側設定を設定できます。
サービス パラメータでは、Cisco CallManager サービスがサポートされています。 サービス パラメータを設定するには、Cisco CallManager サービスの [サービスパラメータ設定(Service Parameter Configuration)] ウィンドウで [詳細設定(Advanced)] をクリックして、[H.323] ペインで次のパラメータを検索します。
[着信の着呼側国内番号プレフィックス(Incoming Called Party National Number Prefix)](H.323)
[着信の着呼側国際番号プレフィックス(Incoming Called Party International Number Prefix)](H.323)
[着信の着呼側の加入者番号プレフィックス(Incoming Called Party Subscriber Number Prefix)](H.323)
[着信の着呼側不明番号プレフィックス(Incoming Called Party Unknown Number Prefix)](H.323)
これらのサービス パラメータを使用すると、着信コールに対して、番号タイプ フィールドに基づいて着信側番号にプレフィックス番号を付加できます。 また、プレフィックスを適用する前に、先頭の一定数の桁を削除することもできます。 これらのパラメータ フィールドを設定することによって、プレフィックスの付加および特定の桁数の削除を行うには、x:y という式を使用します。x は、着信側番号に追加するプレフィックスを、y は削除する桁数を表します。プレフィックスと削除桁数はコロンで区切ります。 たとえば、このフィールドに 91010:6 と入力すると、6 桁が削除された後、着信側番号の先頭に 901010 が追加されます。 この例では、国内コール 2145551234 は 910101234 となります。 削除できる桁数は最大 24 桁で、追加できるプレフィックスの桁数は最大 16 桁です。
Cisco Unified Communications Manager の管理ページを使用すると、[トランクの設定(Trunk Configuration)] を使用するか、またはクラスタ全体のサービス パラメータを設定することによって、トランクを OnNet(内部)トランクまたは OffNet(外部)トランクとして設定できます。 この設定では、クラスタ全体のサービス パラメータである Block OffNet to OffNet Transfer を併用して、トランク経由のコール転送が可能かどうかを判別します。
同じトランクを使用して OnNet コールと OffNet コールの両方をルーティングするには、トランクを 2 つの異なるルート パターンに関連付けます。 1 つのトランクを OnNet に、もう一方を OffNet にし、その両方の [デバイスの上書きを許可(Allow Device Override)] チェックボックスをオフにします。
Cisco Unified Communications Manager の管理ページの [トランクの設定(Trunk Configuration)] を使用すると、トランクを [オフネット(OffNet)] または [オンネット(OnNet)] として設定できます。 システムは、そのトランクを経由してネットワークに転送されたコールを、それぞれ OffNet または OnNet と見なします。 [トランクの設定(Trunk Configuration)] ウィンドウの [コールの分類(Call Classification)] フィールドを使用して、トランクを [オフネット(OffNet)]、[オンネット(OnNet)]、または [システムデフォルトの使用(Use System Default)] として設定します。 これらの設定については、次の表を参照してください。
[ルート パターンの設定(Route Pattern Configuration)] ウィンドウには、ルート パターンを [オフネット(OffNet)] または [オンネット(OnNet)] として設定できる、[コールの分類(Call Classification)] というドロップダウン リスト ボックスが用意されています。 [コールの分類(Call Classification)] が [オフネット(OffNet)] に設定され、[デバイスの上書きを許可(Allow Device Override)] チェックボックスがオフになっている場合、システムは、このルート パターンを使用する発信コールを OffNet と見なします([オンネット(OnNet)] として設定され、チェックボックスがオフになっている場合、発信コールは OnNet と見なされます)。
トランクを 2 つの異なるルート パターンに関連付けることによって、同じトランクを使用して OnNet コールと OffNet コールの両方をルーティングできます。1 つを [オンネット(OnNet)] に、もう一方を [オフネット(OffNet)] にし、その両方の [デバイスの上書きを許可(Allow Device Override)] チェックボックスをオフにします。 発信コールの場合、発信デバイスの設定により [デバイスの上書きを許可(Allow Device Override)] チェックボックスがオンになっているかが判別され、コールが OnNet または OffNet として分類されます。
ルート パターンの設定で、[コールの分類(Call Classification)] が [オンネット(OnNet)] として設定され、[デバイスの上書きを許可(Allow Device Override)] チェックボックスがオンになっており、さらにルート パターンが OffNet トランクに関連付けられている場合、システムは発信コールを OffNet と見なします。
設定名 |
説明 |
---|---|
[オフネット(OffNet)] |
この設定は、トランクを外部トランクとして識別します。 OffNet として設定されているトランクからコールが転送されると、外部呼び出し音が宛先デバイスに送信されます。 |
[オンネット(OnNet)] |
この設定は、トランクを内部トランクとして識別します。 OnNet として設定されているトランクからコールが転送されると、内部呼び出し音が宛先デバイスに送信されます。 |
[システムデフォルトの使用(Use System Default)] |
この設定は、 Cisco Unified Communications Manager のクラスタ全体のサービス パラメータ Call Classification を使用します。 |
ステップ 1 | Cisco Unified Communications Manager のクラスタ全体のサービス パラメータ Call Classification を使用します。 |
ステップ 2 | [トランクの設定(Trunk Configuration)] ウィンドウにある [コールの分類(Call Classification)] フィールドで、個々のトランクを [システムデフォルトの使用(Use System Default)] に設定します。 |
ブロック転送を使用すると、外部デバイス間の転送が制限されるため、不正なアクティビティが防止されます。 次のデバイスをオンネット(内部)またはオフネット(外部)として Cisco Unified Communications Manager に設定できます。
オフネット コールが外部デバイス(オフネットとして設定されているデバイス)に転送されないようにする場合は、 Cisco Unified Communications Manager クラスタ全体のサービス パラメータである Block OffNet to OffNet Transfer を [True] に設定します。
ブロック済みとして設定されているオフネット トランクにユーザがコールを転送しようとすると、コール転送できないことを示すメッセージがユーザの電話機に表示されます。
どのルート グループが特定のトランクを使用するかを検索するには、 Cisco Unified Communications Manager の管理ページの [トランクの設定(Trunk Configuration)] ウィンドウにある [関連リンク(Related Links)] ドロップダウン リスト ボックスで [依存関係レコード(Dependency Records)] を選択します。 [依存関係レコード要約(Dependency Records Summary)] ウィンドウに、トランクを使用しているルート グループに関する情報が表示されます。 ルート グループについて詳細な情報を検索するには、ルート グループをクリックして [依存関係レコード詳細(Dependency Records Detail)] ウィンドウを表示します。 依存関係レコードがシステムで使用できない場合は、[依存関係レコード要約(Dependency Records Summary)] ウィンドウにメッセージが表示されます。
この機能により、 Cisco Unified Communications Manager トランクは 2 つの H.235 エンドポイント間で共有秘密キー(Diffie-Hellman キー)やその他の H.235 データを透過的にパススルーできるようになるため、これらの 2 つのエンドポイントは安全なメディア チャンネルを確立できます。
目次
- Cisco Unified Communications Manager のトランク タイプ
- SIP トランクのセットアップ
- Cisco Unified Communications Manager のトランクの設定
- Cisco Unified Communications Manager におけるトランクとゲートキーパー
- ゲートキーパーによって制御されるトランク
- ゲートキーパーによって制御されないトランク
- Cisco Unified Communications Manager の管理ページにおけるトランク タイプ
- H.225 トランク(ゲートキーパー制御)
- クラスタ間トランク(ゲートキーパー制御)
- クラスタ間トランク(ゲートキーパー非制御)
- SIP トランク
- トランクと発呼側正規化機能
- H.323 トランクを経由した着信コールへの国際エスケープ文字の適用
- トランク間でのコールの転送
- トランクの設定を使用した転送機能
- Call Classification サービス パラメータを使用した転送機能の設定
- サービス パラメータを使用した転送機能のブロック
- トランクおよび関連するルート グループに対する依存関係レコード
- トランクの H.235 のサポート
この章では、トランク タイプについて説明します。 分散型コール処理環境では、 Cisco Unified Communications Manager は、トランク シグナリング プロトコルおよび音声ゲートウェイを使用して、他の Cisco Unified Communications Manager クラスタ、公衆電話交換網(PSTN)、および構内交換機(PBX)などの他の IP 非対応の通信デバイスと通信を行います。
- SIP トランクのセットアップ
- Cisco Unified Communications Manager のトランクの設定
- トランクと発呼側正規化機能
- H.323 トランクを経由した着信コールへの国際エスケープ文字の適用
- トランク間でのコールの転送
- トランクおよび関連するルート グループに対する依存関係レコード
- トランクの H.235 のサポート
SIP トランクのセットアップ
手順
ステップ 1 トランク インターフェイスを設定するために必要な IP アドレスまたはホスト名などのエンドポイント情報を収集します。 『Cisco Unified Communications Solution Reference Network Design (SRND)』
ステップ 2 SIP プロキシを設定します。 ステップ 3 SIP プロファイルを作成します。 ステップ 4 SIP トランク セキュリティ プロファイルを作成します。 ステップ 5 SIP トランクを作成します。 トランクのセキュリティについては、[SRTPを許可(SRTP Allowed)] チェックボックスをオンにしてから、[このトランクのトラフィックがセキュアであると見なす(Consider Traffic on This Trunk Secure)] 設定(オプション)を選択します。 ステップ 6 宛先アドレスを設定します。 ステップ 7 宛先ポートを設定します。 ステップ 8 SIP トランクをルート パターンまたはルート グループに関連付けます。 ステップ 9 SIP トランクをリセットします。 ステップ 10 必要に応じて、SIP タイマー、カウンタ、およびサービス パラメータを設定します。 PUBLISH を使用して Cisco Unified Presence と通信する場合は、[サービスパラメータ設定(Service Parameters Configuration)] ウィンドウの [CUP PUBLISH Trunk] フィールドで設定済みトランクを選択します。
ヒント Cisco CallManager サービスをサポートする SIP Interoperability Enabled サービス パラメータが [True] に設定されていることを確認します。このパラメータを [False] に設定すると、 Cisco Unified Communications Manager は SIP メッセージを無視し、SIP デバイスは機能しません。つまり、SIP を実行する電話機が Cisco Unified Communications Manager に登録できず、SIP トランクが Cisco Unified Communications Manager とやり取りできません。 デフォルト値は [True] です。 このパラメータの値を変更した場合は、Cisco CallManager サービスを再起動する必要があります。 ステップ 11 PBX、ゲートウェイ、サービス プロバイダーなどのさまざまなエンドポイント間の相互運用性を実現するには、SIP の正規化および透過を有効にすることが必要になる場合があります。 正規化を使用すると、既知または不明な SIP ヘッダーやコンテンツ本体の内容を保持、削除、または変更できます。 正規化を有効にするには、『Developer Guide for SIP Transparency and Normalization』の説明に従ってスクリプトを作成し、 Cisco Unified Communications Manager の管理ページでインポートします。SIP の透過を使用すると、あるコール レッグから他のコール レッグに情報を渡すことができます。 『Developer Guide for SIP Transparency and Normalization』の説明に従って、スクリプトを使用して SIP の透過を有効にします。 また、 Cisco Unified Communications Manager が REFER 要求に応じるのではなく、別のエンドポイントに渡すように REFER の透過を有効にすることもできます。 そのようにするには、[トランクの設定(Trunk Configuration)] ウィンドウ( )の [正規化スクリプト(Normalization Script)] フィールドを設定することで、事前に用意した REFER 透過スクリプト(refer-passthrough.lua)、または [SIP正規化スクリプト設定(SIP Normalization Script Configuration)] ウィンドウ( )からインポートしたカスタム スクリプトを SIP トランクに適用します。 ステップ 12 早期オファー対応の SIP トランクを設定するには、SIP プロファイルを編集して、[音声コールとビデオコールに対する早期オファーのサポート(必要な場合はMTPを挿入)(Early Offer support for voice and video calls (insert MTP if needed))] チェックボックスをオンにします。
(注) MTP で IOS バージョン 15.1(2)T 以降が使用されていることを確認します。
ステップ 13 SCCP バージョン 20 のサポート(getPort 機能を使用してメディア ポート情報を提供)を利用して SCCP 電話機を使用する場合、SIP トランクで早期オファーを有効にしているときには、次の CallManager サービス パラメータを設定します( )。 ステップ 14 補足サービス実行中のコール保留時またはメディア中断時に Cisco Unified Communications Manager から INVITE a=inactive SDP メッセージが送信されないようにするには、適切な SIP プロファイルを編集して、[通話中INVITEで送受信SDPを送信(Send send-receive SDP in mid-call INVITE)] チェックボックスをオンにします。 タンデム モードの早期オファー SIP トランクに対して [通話中INVITEで送受信SDPを送信(Send send-receive SDP in mid-call INVITE)] を有効にすると、SIP デバイスがオーディオ メディア回線で a=inactive または sendonly または recvonly のオファー SDP を送信するときに、 Cisco Unified Communications Manager は MTP を挿入して送受信 SDP を提供します。 Cisco Unified Communications Manager は SIP デバイスに応じて、送受信 SDP とともに遅延オファー INVITE または通話中 INVITE のいずれかを送信することによって、メディア パスの再確立を開始します。 同じ SIP プロファイルで [通話中INVITEで送受信SDPを送信(Send send-receive SDP in mid-call INVITE)] と [通話中のメディア変更にはSDP Inactive Exchangeが必要(Require SDP Inactive Exchange for Mid-Call Media Change)] の両方を有効にすると、[通話中INVITEで送受信SDPを送信(Send send-receive SDP in mid-call INVITE)] の設定によって、[通話中のメディア変更にはSDP Inactive Exchangeが必要(Require SDP Inactive Exchange for Mid-Call Media Change)] の設定が上書きされるため、 Cisco Unified Communications Manager は通話中のコーデック更新で a=inactive SDP を含む INVITE を送信しません。 SIP 回線側のコールでは、[通話中のメディア変更にはSDP Inactive Exchangeが必要(Require SDP Inactive Exchange for Mid-Call Media Change)] が有効になっている場合には、このチェックボックスが適用されます。
(注) このチェックボックスは、早期オファー対応 SIP トランクだけに適用され、SIP 回線コールには影響しません。
(注) 複数保留シナリオで SDP モードが非アクティブに設定されないようにするには、クラスタ全体のサービス パラメータ Duplex Streaming Enabled([True] に設定します。
)をステップ 15 リモート接続先のステータスを追跡するには、SIP OPTIONS を設定します。 SIP OPTIONS を有効にするには、[SIPプロファイルの設定(SIP Profile Configuration)] を使用します。 [サービスタイプ "なし(デフォルト)" のトランクの接続先ステータスをモニタするためにOPTIONS Pingを有効にする(Enable OPTIONS Ping to monitor destination status for trunks with service type "None (Default)")] チェックボックスをオンにします。
Cisco Unified Communications Manager のトランクの設定
Cisco Unified Communications Manager の管理ページのトランク設定は、ネットワーク設計および IP WAN で使用されるコール制御プロトコルに応じて異なります。 どのプロトコルを使用する場合も、コールを受信および発信するためには、シグナリング インターフェイス(トランク)またはゲートウェイのいずれかを作成する必要があります。 MGCP などの一部の IP プロトコルには、ゲートウェイにトランク シグナリングを設定します。 Cisco Unified Communications Manager にゲートウェイを設定するときに、シグナリング インターフェイスのタイプを指定します。 たとえば、 Cisco Unified Communications Manager に QSIG 接続を設定するには、QSIG プロトコルをサポートする MGCP ボイス ゲートウェイをネットワークに追加する必要があります。 次に、QSIG プロトコル タイプを使用するように T1 PRI または E1 PRI トランク インターフェイスを設定します。 ゲートウェイの設定に関する詳細については、Cisco Unified Communications Manager 音声ゲートウェイの概要を参照してください。
- Cisco Unified Communications Manager におけるトランクとゲートキーパー
- Cisco Unified Communications Manager の管理ページにおけるトランク タイプ
関連情報
Cisco Unified Communications Manager におけるトランクとゲートキーパー
コールのルーティングにゲートウェイを使用するだけでなく、 Cisco Unified Communications Manager の管理ページでトランクを設定して、次のいずれかの方法で機能させることができます。
ゲートキーパーによって制御されるトランク
分散型コール処理環境で使用されるゲートキーパーは、 Cisco Unified Communications Manager クラスタに対してコール ルーティングおよびコール アドミッション制御を提供します。 ゲートキーパーによって制御されるクラスタ間トランクは、すべてのリモート クラスタと通信できます。 同様に、H.225 トランクは、 Cisco Unified Communications Manager クラスタを含む、ゲートキーパーによって制御される任意の H.323 エンドポイントと通信できます。 ルート パターンまたはルート グループは、ゲートキーパーとの間で相互にコールをルーティングできます。 分散型コール処理環境では、ゲートキーパーが E.164 アドレス(電話番号)を使用して各コールの宛先の適切な IP アドレスを判別し、ローカル Cisco Unified Communications Manager がその IP アドレスを使用してコールを確立します。
多数の Cisco Unified Communications Manager クラスタが存在する大規模な分散型ネットワークの場合、ゲートキーパーを使用すると、各クラスタ間に個々のクラスタ間トランクを設定する手間が省けます。
ゲートキーパーによって制御されるトランクを設定すると、 Cisco Unified Communications Manager によって仮想トランク デバイスが作成されます。 ゲートキーパーは、リモート デバイスの IP アドレスに対応してこのデバイスの IP アドレスを動的に変更します。 これらのトランクは、ゲートキーパーとの間で相互にコールをルーティングするルート パターンまたはルート グループに指定します。
ゲートキーパーの設定、ゲートキーパーを使用する場合のダイヤル プランの考慮事項、およびゲートキーパーと Cisco Unified Communications Manager の相互対話の詳細については、『Cisco Unified Communications Solution Reference Network Design (SRND)』を参照してください。
Cisco Unified Communications Manager の管理ページにおけるトランク タイプ
Cisco Unified Communications Manager のトランク設定は、IP WAN がゲートキーパーを使用してコール ルーティングを処理するかどうかによって選択が異なります。 また、コール処理環境で使用されるコール制御プロトコルのタイプによって、トランク設定オプションが決定されます。
ここで一覧するトランク タイプを Cisco Unified Communications Manager の管理ページで設定できます。
H.225 トランク(ゲートキーパー制御)
ゲートキーパーを使用する H.323 ネットワークでは、ゲートキーパー制御の H.225 トランクを使用して、他の Cisco Unified Communications Manager クラスタおよび H.323 デバイスにアクセスするためのゲートキーパーへの接続を設定します。 H.225 トランクは、ゲートキーパーによって制御される任意の H.323 エンドポイントと通信できます。 Cisco Unified Communications Manager の管理ページでゲートキーパー制御の H.323 ゲートウェイを設定する場合は、H.225 トランクを使用します。 この方法を選択するには、 を使用し、[H.225 Trunk (Gatekeeper Controlled)] を選択します。
ゲートキーパーとの間でコールをルーティングするためのルート パターンおよびルート グループも設定します。 詳細については、ゲートキーパーおよびトランクの設定を参照してください。
クラスタ間トランク(ゲートキーパー制御)
ゲートキーパーを使用する分散型コール処理ネットワークでは、ゲートキーパー制御のクラスタ間トランクを使用して、 Cisco Unified Communications Manager システムのクラスタ間の接続を設定します。 ゲートキーパーは、クラスタ間コールに対してコール アドミッション制御とアドレス解決を提供します。 1 つのクラスタ間トランクで、すべてのリモート クラスタと通信できます。 この方法を選択するには、 Cisco Unified Communications Manager の管理ページで を使用し、[Inter-Cluster Trunk (Gatekeeper Controlled)] を選択します。
ゲートキーパーとの間でコールをルーティングするためのルート パターンおよびルート グループも設定します。 この構成では、各コールの宛先に該当する IP アドレスはゲートキーパーにより動的に判別され、ローカル Cisco Unified Communications Manager はその IP アドレスを使用してコールを確立します。
ゲートキーパーの詳細については、ゲートキーパーおよびトランクの設定を参照してください。
クラスタ間トランクは、特別に指定した Phantom ロケーションを使用することによって、ロケーション ベースのコール アドミッション制御(CAC)をサポートします。 詳細については、クラスタ間トランク経由のロケーション ベースのコール アドミッション制御を参照してください。
クラスタ間トランク(ゲートキーパー非制御)
ゲートキーパー非制御の分散型ネットワークでは、IP WAN 経由でローカル Cisco Unified Communications Manager からのコールが可能なリモート クラスタ内のデバイス プールごとに個別のクラスタ間トランクを設定する必要があります。 クラスタ間トランクは、リモート デバイスの IP アドレスまたはホスト名を静的に指定します。 この方法を選択するには、 Cisco Unified Communications Manager の管理ページで を使用し、[Inter-Cluster Trunk (Non-Gatekeeper Controlled)] を選択します。
(注)
ゲートキーパーによって制御されないリモート クラスタ間トランクのデバイス プールに属するすべてのリモート Cisco Unified Communications Manager ノードの IP アドレスを指定する必要があります。
また、クラスタ間トランクとの間でコールをルーティングするために必要なルート パターンおよびルート グループも設定します。
クラスタ間トランクは、特別に指定した Phantom ロケーションを使用することによって、ロケーション ベースのコール アドミッション制御(CAC)をサポートします。 詳細については、クラスタ間トランク経由のロケーション ベースのコール アドミッション制御を参照してください。
SIP トランク
Session Initiation Protocol(SIP)を使用するコール処理環境では、SIP トランクを使用して、SIP コール用の Cisco Unified Communications Manager にシグナリング インターフェイスを設定します。 SIP トランク(またはシグナリング インターフェイス)は、 Cisco Unified Communications Manager クラスタを SIP プロキシ サーバに接続します。 SIP シグナリング インターフェイスは、要求と応答を使用して、2 つ以上のエンドポイント間のコール(またはセッション)を確立、維持、および終端します。
Cisco Unified Communications Manager の管理ページで SIP トランクを設定するには、 を選択してから [SIPトランク(SIP Trunk)] を選択します。
ヒント
SIP トランクを使用して SIP コールをルーティングするルート グループおよびルート パターンも設定する必要があります。
クラスタ間 SIP トランクまたは SIP ゲートウェイ経由で、QSIG 基本コールを受信し、MWI、コール転送、自動転送、Call Completion、パス置換、ID サービスなどの機能を受け入れるには、トンネル化プロトコルとして QSIG を使用する SIP トランクを設定します。
(注)
SIP ゲートウェイから着信した Remote Party ID(RPID)ヘッダーによって QSIG コンテンツが干渉を受け、それにより折り返し機能で予期しない動作が発生する場合があります。 QSIG コンテンツへの干渉を防ぐには、SIP ゲートウェイで RPID ヘッダーを無効にします。
SIP ゲートウェイで RPID ヘッダーを無効にするには、次の例に示すように、SIP プロファイルをゲートウェイの VoIP ダイヤル ピアに適用します。
voice class sip-profiles 1000 request ANY sip-header Remote-Party_ID remove response ANY sip-header Remote-Party-ID remove dial-peer voice 124 voip destination-pattern 3... signaling forward unconditional session protocol sipv2 session target ipv4:<ip address> voice-class sip profiles 1000SIP トランクは、特別に指定した Phantom ロケーションを使用することによって、ロケーション ベースのコール アドミッション制御(CAC)をサポートします。
(注)
トランク サービス タイプとして Cisco Intercompany Media Engine(IME)を選択して SIP トランクを作成する場合、[トンネル化プロトコル(Tunneled Protocol)] フィールドのデフォルトは [QSIG] になります。 Cisco IME トランクで QSIG 機能を動作させるには、トンネル化プロトコルを QSIG にする必要があります。 Cisco IME の詳細については、『 Cisco IME インストレーション/コンフィグレーション ガイド』を参照してください。
関連資料
トランクと発呼側正規化機能
E.164 標準に従い、発呼側を正規化すると、一部の電話機のダイヤル機能が拡張され、コールが地理的に異なる複数の場所にルーティングされる場合の折り返し機能が向上します。つまり、この機能により、着信側は、電話機のコール ログ ディレクトリ内の電話番号を修正する必要なく、確実にコールを返すことができます。 さらに、発呼側の正規化によって電話番号のグローバル化やローカライズが可能になるため、適切な発呼番号が電話機に表示されます。
発呼側の正規化を設定すると、コールが IP WAN を経由して複数の場所にルーティングされる場合のトール バイパスに関する問題が軽減されます。 さらに、 Cisco Unified Communications Manager では、コールの起点を識別して、電話ユーザのために発呼側番号をグローバル化またはローカライズします。
SIP トランクおよび MGCP ゲートウェイは、コールごとに国際エスケープ文字 + の送信をサポートできます。 H.323 プロトコルでは国際エスケープ文字 + がサポートされていないため、H.323 ゲートウェイまたはトランクでは + はサポートされません。 QSIG トランクは、+ の送信を試みません。 + をサポートするゲートウェイを経由した発信コールの場合、 Cisco Unified Communications Manager は、+ およびダイヤルされた番号をゲートウェイまたはトランクに送信できます。 + をサポートしないゲートウェイまたはトランク経由の発信コールの場合、 Cisco Unified Communications Manager がゲートウェイまたはトランクにコール情報を送信すると、国際エスケープ文字 + が除去されます。
SIP は、番号タイプをサポートしていないため、SIP トランク経由のコールは、着信発呼者の不明番号(プレフィックスと桁除去)の設定値だけをサポートします。
国際エスケープ文字 + を設定することで、発呼側番号をグローバル化できます。 国際エスケープ文字 + については、国際エスケープ文字の使用を参照してください。
H.323 トランクを経由した着信コールへの国際エスケープ文字の適用
H.323 プロトコルでは、国際エスケープ文字 + はサポートされていません。 国際エスケープ文字 + を含めた正しいプレフィックスが、H.323 ゲートウェイまたはトランク経由での着信コールに適用されるようにするには、サービス パラメータ、デバイス プール、H.323 ゲートウェイ、または H.323 トランクのウィンドウで着信の着呼側設定を設定する必要があります。つまり、着信の着呼側設定を設定することにより、着信コールが H.323 ゲートウェイまたはトランクから着信したときに、 Cisco Unified Communications Manager によって着信側番号がトランクまたはゲートウェイにもともと送信された値に変換されるようになります。
たとえば、H.323 ゲートウェイまたはトランクを介した着信コールに対する SAF またはコール制御ディスカバリにおいて、正しい DN パターンが使用されるようにするには、サービス パラメータ、デバイス プール、または H.323(ゲートキーパー制御でない)トランクのウィンドウで着信の着呼側設定を設定する必要があります。 詳細については、次の例を参照してください。
発信者が +19721230000( Cisco Unified Communications Manager A)にコールを発信します。
Cisco Unified Communications Manager A は +19721230000 を受信し、コールを H.323 トランクに送信する前にその番号を 55519721230000 に変換します。 この場合、設定は国際タイプのコールについて、国際エスケープ文字 + を除去して 555 を前に付加することを指定しています。
トランクからのこの着信コールの場合、 Cisco Unified Communications Manager B は 55519721230000 を受信し、発信者が送信した値を番号分析で使用できるように、番号を +19721230000 に戻します。 この場合、着信の着呼側設定項目の設定は、国際タイプの着信側番号に対して、555 を除去して +1 を前に付加することを指定しています。
サービス パラメータ、デバイス プール、H.323 ゲートウェイ、または H.323(ゲートキーパー制御)のウィンドウで着信の着呼側設定を設定できます。
サービス パラメータでは、Cisco CallManager サービスがサポートされています。 サービス パラメータを設定するには、Cisco CallManager サービスの [サービスパラメータ設定(Service Parameter Configuration)] ウィンドウで [詳細設定(Advanced)] をクリックして、[H.323] ペインで次のパラメータを検索します。
[着信の着呼側国内番号プレフィックス(Incoming Called Party National Number Prefix)](H.323)
[着信の着呼側国際番号プレフィックス(Incoming Called Party International Number Prefix)](H.323)
[着信の着呼側の加入者番号プレフィックス(Incoming Called Party Subscriber Number Prefix)](H.323)
[着信の着呼側不明番号プレフィックス(Incoming Called Party Unknown Number Prefix)](H.323)
これらのサービス パラメータを使用すると、着信コールに対して、番号タイプ フィールドに基づいて着信側番号にプレフィックス番号を付加できます。 また、プレフィックスを適用する前に、先頭の一定数の桁を削除することもできます。 これらのパラメータ フィールドを設定することによって、プレフィックスの付加および特定の桁数の削除を行うには、x:y という式を使用します。x は、着信側番号に追加するプレフィックスを、y は削除する桁数を表します。プレフィックスと削除桁数はコロンで区切ります。 たとえば、このフィールドに 91010:6 と入力すると、6 桁が削除された後、着信側番号の先頭に 901010 が追加されます。 この例では、国内コール 2145551234 は 910101234 となります。 削除できる桁数は最大 24 桁で、追加できるプレフィックスの桁数は最大 16 桁です。
トランク間でのコールの転送
Cisco Unified Communications Manager の管理ページを使用すると、[トランクの設定(Trunk Configuration)] を使用するか、またはクラスタ全体のサービス パラメータを設定することによって、トランクを OnNet(内部)トランクまたは OffNet(外部)トランクとして設定できます。 この設定では、クラスタ全体のサービス パラメータである Block OffNet to OffNet Transfer を併用して、トランク経由のコール転送が可能かどうかを判別します。
同じトランクを使用して OnNet コールと OffNet コールの両方をルーティングするには、トランクを 2 つの異なるルート パターンに関連付けます。 1 つのトランクを OnNet に、もう一方を OffNet にし、その両方の [デバイスの上書きを許可(Allow Device Override)] チェックボックスをオフにします。
トランクの設定を使用した転送機能
Cisco Unified Communications Manager の管理ページの [トランクの設定(Trunk Configuration)] を使用すると、トランクを [オフネット(OffNet)] または [オンネット(OnNet)] として設定できます。 システムは、そのトランクを経由してネットワークに転送されたコールを、それぞれ OffNet または OnNet と見なします。 [トランクの設定(Trunk Configuration)] ウィンドウの [コールの分類(Call Classification)] フィールドを使用して、トランクを [オフネット(OffNet)]、[オンネット(OnNet)]、または [システムデフォルトの使用(Use System Default)] として設定します。 これらの設定については、次の表を参照してください。
[ルート パターンの設定(Route Pattern Configuration)] ウィンドウには、ルート パターンを [オフネット(OffNet)] または [オンネット(OnNet)] として設定できる、[コールの分類(Call Classification)] というドロップダウン リスト ボックスが用意されています。 [コールの分類(Call Classification)] が [オフネット(OffNet)] に設定され、[デバイスの上書きを許可(Allow Device Override)] チェックボックスがオフになっている場合、システムは、このルート パターンを使用する発信コールを OffNet と見なします([オンネット(OnNet)] として設定され、チェックボックスがオフになっている場合、発信コールは OnNet と見なされます)。
トランクを 2 つの異なるルート パターンに関連付けることによって、同じトランクを使用して OnNet コールと OffNet コールの両方をルーティングできます。1 つを [オンネット(OnNet)] に、もう一方を [オフネット(OffNet)] にし、その両方の [デバイスの上書きを許可(Allow Device Override)] チェックボックスをオフにします。 発信コールの場合、発信デバイスの設定により [デバイスの上書きを許可(Allow Device Override)] チェックボックスがオンになっているかが判別され、コールが OnNet または OffNet として分類されます。
ルート パターンの設定で、[コールの分類(Call Classification)] が [オンネット(OnNet)] として設定され、[デバイスの上書きを許可(Allow Device Override)] チェックボックスがオンになっており、さらにルート パターンが OffNet トランクに関連付けられている場合、システムは発信コールを OffNet と見なします。
表 1 [トランクの設定(Trunk Configuration)] の [コールの分類(Call Classification)] 設定 設定名
説明
[オフネット(OffNet)]
この設定は、トランクを外部トランクとして識別します。 OffNet として設定されているトランクからコールが転送されると、外部呼び出し音が宛先デバイスに送信されます。
[オンネット(OnNet)]
この設定は、トランクを内部トランクとして識別します。 OnNet として設定されているトランクからコールが転送されると、内部呼び出し音が宛先デバイスに送信されます。
[システムデフォルトの使用(Use System Default)]
この設定は、 Cisco Unified Communications Manager のクラスタ全体のサービス パラメータ Call Classification を使用します。
サービス パラメータを使用した転送機能のブロック
ブロック転送を使用すると、外部デバイス間の転送が制限されるため、不正なアクティビティが防止されます。 次のデバイスをオンネット(内部)またはオフネット(外部)として Cisco Unified Communications Manager に設定できます。
オフネット コールが外部デバイス(オフネットとして設定されているデバイス)に転送されないようにする場合は、 Cisco Unified Communications Manager クラスタ全体のサービス パラメータである Block OffNet to OffNet Transfer を [True] に設定します。
ブロック済みとして設定されているオフネット トランクにユーザがコールを転送しようとすると、コール転送できないことを示すメッセージがユーザの電話機に表示されます。
トランクおよび関連するルート グループに対する依存関係レコード
どのルート グループが特定のトランクを使用するかを検索するには、 Cisco Unified Communications Manager の管理ページの [トランクの設定(Trunk Configuration)] ウィンドウにある [関連リンク(Related Links)] ドロップダウン リスト ボックスで [依存関係レコード(Dependency Records)] を選択します。 [依存関係レコード要約(Dependency Records Summary)] ウィンドウに、トランクを使用しているルート グループに関する情報が表示されます。 ルート グループについて詳細な情報を検索するには、ルート グループをクリックして [依存関係レコード詳細(Dependency Records Detail)] ウィンドウを表示します。 依存関係レコードがシステムで使用できない場合は、[依存関係レコード要約(Dependency Records Summary)] ウィンドウにメッセージが表示されます。