IP SLA DNS 動作の設定

このモジュールでは、DNS 要求を送信するのに要する時間と応答を受信するのに要する時間の差異を測定するために、IP サービス レベル契約(SLA)ドメイン ネーム システム(DNS)動作を設定する方法について説明します。また、このモジュールでは、DNS 動作の結果を表示および分析して DNS サーバまたは Web サーバのパフォーマンスを決定する重要な要因となる DNS ルックアップ時間を調べる方法についても説明します。

機能情報の確認

ご使用のソフトウェア リリースでは、このモジュールで説明されるすべての機能がサポートされているとは限りません。最新の機能情報および警告については、「Bug Search Tool」およびご使用のプラットフォームおよびソフトウェア リリースのリリース ノートを参照してください。このモジュールで説明される機能に関する情報、および各機能がサポートされるリリースの一覧については、機能情報の表を参照してください。

プラットフォームのサポートおよびシスコ ソフトウェア イメージのサポートに関する情報を検索するには、Cisco Feature Navigator を使用します。Cisco Feature Navigator にアクセスするには、www.cisco.com/go/cfn に移動します。Cisco.com のアカウントは必要ありません。

IP SLA DNS 動作に関する情報

DNS の動作

DNS 動作では、DNS 要求を送信するのに要する時間と、応答を受信するのに要する時間の差異を測定します。DNS は、ネットワーク ノードの名前をアドレスに変換するためにインターネットで使用されます。IP SLA DNS 動作は、ホスト名を指定した場合は IP アドレスを問い合わせ、IP アドレスを指定した場合はホスト名を問い合わせます。

以下の図では、デバイス B が送信元 IP SLA デバイスとして設定され、宛先デバイスを DNS サーバとする DNS 動作が設定されています。

図 1. DNS の動作

要求を DNS サーバに送信するのに要する時間とデバイス B が応答を受信するのに要する時間の差異を測定することにより、接続応答時間が算出されます。得られた DNS ルックアップ時間は、DNS のパフォーマンスの分析に役立ちます。DNS ルックアップ時間が短いと、Web サーバ アクセスが高速になります。

IP SLA DNS 動作の設定方法

送信元デバイスでの IP SLA DNS 動作の設定


(注)  

宛先デバイスで IP SLA Responder を設定する必要はありません。


次のいずれかの作業を実行します。

送信元デバイスでの基本 DNS 動作の設定

手順の概要

  1. enable
  2. configure terminal
  3. ip sla operation-number
  4. dns {destination-ip-address | destination-hostname } name-server ip-address [source-ip {ip-address | hostname } source-port port-number ]
  5. frequency seconds
  6. end

手順の詳細

  コマンドまたはアクション 目的
ステップ 1

enable

例:

Device> enable

特権 EXEC モードをイネーブルにします。

  • パスワードを入力します(要求された場合)。

ステップ 2

configure terminal

例:

Device# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

ip sla operation-number

例:

Device(config)# ip sla 10

IP SLA 動作の設定を開始し、IP SLA コンフィギュレーション モードに移行します。

ステップ 4

dns {destination-ip-address | destination-hostname } name-server ip-address [source-ip {ip-address | hostname } source-port port-number ]

例:

Device(config-ip-sla)# dns host1 name-server 172.20.2.132

DNS 動作を定義し、IP SLA DNS コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 5

frequency seconds

例:

Device(config-ip-sla-dns)# frequency 60

(任意)指定した IP SLA 動作を繰り返す間隔を設定します。

ステップ 6

end

例:

Device(config-ip-sla-dns)# end

特権 EXEC モードに戻ります。

送信元デバイスでのオプション パラメータを使用した DNS 動作の設定

手順の概要

  1. enable
  2. configure terminal
  3. ip sla operation-number
  4. dns {destination-ip-address | destination-hostname } name-server ip-address [source-ip {ip-address | hostname } source-port port-number ]
  5. history buckets-kept size
  6. history distributions-of-statistics-kept size
  7. history enhanced [interval seconds ] [buckets number-of-buckets ]
  8. history filter {none | all | overThreshold | failures }
  9. frequency seconds
  10. history hours-of-statistics-kept hours
  11. history lives-kept lives
  12. owner owner-id
  13. history statistics-distribution-interval milliseconds
  14. tag text
  15. threshold milliseconds
  16. timeout milliseconds
  17. end

手順の詳細

  コマンドまたはアクション 目的
ステップ 1

enable

例:

Device> enable

特権 EXEC モードをイネーブルにします。

  • パスワードを入力します(要求された場合)。

ステップ 2

configure terminal

例:

Device# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

ip sla operation-number

例:

Device(config)# ip sla 10

IP SLA 動作の設定を開始し、IP SLA コンフィギュレーション モードに移行します。

ステップ 4

dns {destination-ip-address | destination-hostname } name-server ip-address [source-ip {ip-address | hostname } source-port port-number ]

例:

Device(config-ip-sla)# dns host1 name-server 172.20.2.132

DNS 動作を定義し、IP SLA DNS コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 5

history buckets-kept size

例:

Device(config-ip-sla-dns)# history buckets-kept 25

(任意)IP SLA 動作のライフタイム中に保持する履歴バケット数を設定します。

ステップ 6

history distributions-of-statistics-kept size

例:

Device(config-ip-sla-dns)# history distributions-of-statistics-kept 5

(任意)IP SLA 動作中にホップ単位で保持する統計情報の配信数を設定します。

ステップ 7

history enhanced [interval seconds ] [buckets number-of-buckets ]

例:

Device(config-ip-sla-dns)# history enhanced interval 900 buckets 100

(任意)IP SLA 動作に対する拡張履歴収集をイネーブルにします。

ステップ 8

history filter {none | all | overThreshold | failures }

例:

Device(config-ip-sla-dns)# history filter failures

(任意)IP SLA 動作の履歴テーブルに格納する情報のタイプを定義します。

ステップ 9

frequency seconds

例:

Device(config-ip-sla-dns)# frequency 30

(任意)指定した IP SLA 動作を繰り返す間隔を設定します。

ステップ 10

history hours-of-statistics-kept hours

例:

Device(config-ip-sla-dns)# history hours-of-statistics-kept 4

(任意)IP SLA 動作の統計情報を保持する時間数を設定します。

ステップ 11

history lives-kept lives

例:

Device(config-ip-sla-dns)# history lives-kept 5

(任意)IP SLA 動作の履歴テーブルに格納するライフ数を設定します。

ステップ 12

owner owner-id

例:

Device(config-ip-sla-dns)# owner admin

(任意)IP SLA 動作の簡易ネットワーク管理プロトコル(SNMP)所有者を設定します。

ステップ 13

history statistics-distribution-interval milliseconds

例:

Device(config-ip-sla-dns)# history statistics-distribution-interval 10

(任意)IP SLA 動作で維持する各統計情報の配信間隔を設定します。

ステップ 14

tag text

例:

Device(config-ip-sla-dns)# tag TelnetPollServer1 

(任意)IP SLA 動作のユーザ指定 ID を作成します。

ステップ 15

threshold milliseconds

例:

Device(config-ip-sla-dns)# threshold 10000

(任意)IP SLA 動作によって作成されるネットワーク モニタリング統計情報を計算するための上限しきい値を設定します。

ステップ 16

timeout milliseconds

例:

Device(config-ip-sla-dns)# timeout 10000 

(任意)IP SLA 動作がその要求パケットからの応答を待機する時間を設定します。

ステップ 17

end

例:

Device(config-ip-sla-dns)# end

特権 EXEC モードに戻ります。

IP SLA 動作のスケジューリング

始める前に

  • スケジュールされるすべての IP サービス レベル契約(SLA)動作がすでに設定されている必要があります。
  • 複数動作グループでスケジュールされたすべての動作の頻度が同じでなければなりません。
  • 複数動作グループに追加する 1 つ以上の動作 ID 番号のリストは、カンマ(,)を含めて最大 125 文字に制限する必要があります。

手順の概要

  1. enable
  2. configure terminal
  3. 次のいずれかのコマンドを入力します。
    • ip sla schedule operation-number [life {forever | seconds }] [start-time {[hh: mm: ss ] [month day | day month ] | pending | now | after hh: mm: ss }] [ageout seconds ] [recurring ]
    • ip sla group schedule group-operation-number operation-id-numbers { schedule-period schedule-period-range | schedule-together } [ageout seconds ] frequency group-operation-frequency [life {forever | seconds }] [start-time {hh: mm [: ss ] [month day | day month ] | pending | now | after hh: mm [: ss] }]
  4. end
  5. show ip sla group schedule
  6. show ip sla configuration

手順の詳細

  コマンドまたはアクション 目的
ステップ 1

enable

例:


Device> enable

特権 EXEC モードをイネーブルにします。

  • パスワードを入力します(要求された場合)。

ステップ 2

configure terminal

例:


Device# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

次のいずれかのコマンドを入力します。

  • ip sla schedule operation-number [life {forever | seconds }] [start-time {[hh: mm: ss ] [month day | day month ] | pending | now | after hh: mm: ss }] [ageout seconds ] [recurring ]
  • ip sla group schedule group-operation-number operation-id-numbers { schedule-period schedule-period-range | schedule-together } [ageout seconds ] frequency group-operation-frequency [life {forever | seconds }] [start-time {hh: mm [: ss ] [month day | day month ] | pending | now | after hh: mm [: ss] }]

例:


Device(config)# ip sla schedule 10 life forever start-time now

Device(config)# ip sla group schedule 10 schedule-period frequency

Device(config)# ip sla group schedule 1 3,4,6-9 life forever start-time now 

Device(config)# ip sla schedule 1 3,4,6-9 schedule-period 50 frequency range 80-100
  • 個々の IP SLA 動作のスケジューリング パラメータを設定します。

  • 複数動作スケジューラ用に IP SLA 動作グループ番号と動作番号の範囲を指定します。

ステップ 4

end

例:


Device(config)# end

グローバル コンフィギュレーション モードを終了し、特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 5

show ip sla group schedule

例:


Device# show ip sla group schedule

(任意)IP SLA グループ スケジュールの詳細を表示します。

ステップ 6

show ip sla configuration

例:


Device# show ip sla configuration

(任意)IP SLA 設定の詳細を表示します。

トラブルシューティングのヒント

  • IP サービス レベル契約(SLA)動作が実行中でなく、統計情報が生成されていない場合は、設定に verify-data コマンドを追加して(IP SLA コンフィギュレーション モードで設定)、データ検証をイネーブルにします。データ検証をイネーブルにすると、各動作の応答で破損の有無がチェックされます。通常の動作時に verify-data コマンドを使用すると、不要なオーバーヘッドがかかるので注意してください。

  • IP SLA 動作に関する問題をトラブルシューティングするには、debug ip sla trace コマンドと debug ip sla error コマンドを使用します。

次の作業

トラップを生成する目的(または別の動作を開始する目的)で、IP サービス レベル契約(SLA)動作に予防的しきい値条件と反応トリガーを追加するには、「予防的しきい値モニタリングの設定」の項を参照してください。

IP SLA DNS 動作の設定例

DNS 動作の設定例

以下に、「DNS 動作」の項の図「DNS 動作」に示されているように、デバイス B から DNS サーバ(IP アドレス 172.20.2.132)への DNS 動作を設定する例を示します。動作は、ただちに開始されるようにスケジューリングされます。この例では、ターゲット アドレスはホスト名であり、DNS 動作はホスト名 host1 に関連付けられた IP アドレスを DNS サーバに問い合わせます。DNS サーバでの設定は必要ありません。

デバイス B の設定


ip sla 11
 dns host1 name-server 172.20.2.132
 frequency 50
 timeout 8000
 tag DNS-Test
ip sla schedule 11 start-time now

その他の参考資料

関連資料

関連項目

マニュアル タイトル

Cisco IOS コマンド

『Cisco IOS Master Commands List, All Releases』

Cisco IOS IP SLA コマンド

『Cisco IOS IP SLAs Command Reference, All Releases』

Cisco IOS IP SLA:一般情報

Cisco IOS IP SLAs Configuration Guide』の「Cisco IOS IP SLAs Overview」モジュール

IP SLA の複数動作スケジューリング

Cisco IOS P SLAs Configuration Guide』の「Configuring Multioperation Scheduling of IP SLAs Operations」モジュール

IP SLA の予防的しきい値モニタリング

Cisco IOS IP SLAs Configuration Guide』の「Configuring Proactive Threshold Monitoring of IP SLAs Operations」モジュール

MIB

MIB

MIB のリンク

CISCO-RTTMON-MIB

選択したプラットフォーム、Cisco IOS リリース、およびフィーチャ セットに関する MIB を探してダウンロードするには、次の URL にある Cisco MIB Locator を使用します。

http://www.cisco.com/go/mibs

シスコのテクニカル サポート

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http://www.cisco.com/cisco/web/support/index.html

IP SLA DNS 動作の設定に関する機能情報

次の表に、このモジュールで説明した機能に関するリリース情報を示します。この表は、ソフトウェア リリース トレインで各機能のサポートが導入されたときのソフトウェア リリースだけを示しています。その機能は、特に断りがない限り、それ以降の一連のソフトウェア リリースでもサポートされます。

プラットフォームのサポートおよびシスコ ソフトウェア イメージのサポートに関する情報を検索するには、Cisco Feature Navigator を使用します。Cisco Feature Navigator にアクセスするには、www.cisco.com/go/cfn に移動します。Cisco.com のアカウントは必要ありません。
表 1. IP SLA - DNS 動作の機能情報

機能名

リリース

機能情報

IP SLA - DNS 動作

12.2(31)SB2

12.2(33)SRB1

12.2(33)SXH

12.3(14)T

Cisco IOS XE Release 2.1

15.0(1)S

Cisco IOS XE 3.1.0SG

IP SLA ドメイン ネーム システム(DNS)動作機能を使用すると、DNS 要求の送信に要する時間と応答の受信に要する時間の差異を測定できます。

IPSLA 4.0 - IP v6 phase2

15.2(3)T

Cisco IOS XE Release 3.7S

15.1(2)SG

Cisco IOS XE Release 3.4SG

IPv6 ネットワークでの動作を可能にするためにサポートが追加されました。次のコマンドが導入または変更されました。dns (IP SLA) show ip sla configuration show ip sla summary

IP SLAs VRF Aware 2.0

12.4(2)T

15.1(1)S

15.1(1)SY

Cisco IOS XE Release 3.8S

TCP 接続、FTP、HTTP および DNS クライアント動作タイプに対する IP SLA VRF 対応機能のサポートが追加されました。