VCCV 経由の MPLS 疑似回線用 IP SLA

このモジュールでは、疑似回線 ping 動作をスケジューリングし、SNMP トラップ経由でラウンド トリップ時間(RTT)、障害、および接続しきい値違反のモニタリングおよびアラートを提供するために、仮想回線接続検証(VCCV)によって MPLS 疑似回線(PWE3)用の IP サービス レベル契約(SLA)を設定する方法について説明します。

機能情報の確認

ご使用のソフトウェア リリースでは、このモジュールで説明されるすべての機能がサポートされているとは限りません。最新の機能情報および警告については、「Bug Search Tool」およびご使用のプラットフォームおよびソフトウェア リリースのリリース ノートを参照してください。このモジュールで説明される機能に関する情報、および各機能がサポートされるリリースの一覧については、機能情報の表を参照してください。

プラットフォームのサポートおよびシスコ ソフトウェア イメージのサポートに関する情報を検索するには、Cisco Feature Navigator を使用します。Cisco Feature Navigator にアクセスするには、www.cisco.com/go/cfn に移動します。Cisco.com のアカウントは必要ありません。

VCCV を介した MPLS 擬似回線用 IP SLA に関する制限事項

LSP ディスカバリは、IP SLA VCCV 動作ではサポートされていません。

VCCV を介した MPLS 擬似回線用 IP SLA に関する情報

IP SLA VCCV 動作

IP SLA VCCV 動作は、MPLS ネットワーク経由の Pseudo-Wire Emulation Edge-to-Edge(PWE3)サービスに対する仮想回線接続性検証(VCCV)をサポートします。IP SLA VCCV 動作タイプは、ping mpls pseudowire コマンドに基づきます。このコマンドは、指定された宛先 PE ルータに一連の疑似回線 ping 動作を送信することにより、Any Transport over MPLS(AToM)仮想回線(VC)経由の MPLS LSP 接続をチェックします。

MPLS LSP 接続チェックが IP SLA VCCV 動作によって実行される場合(pseudowire キーワードを指定した ping mpls コマンドではない)、IP SLA 予防的しきい値モニタリング機能と複数動作スケジューリング機能を使用できます。

LSP ディスカバリ オプションは、IP SLA VCCV 動作をサポートしません。

LSP ヘルス モニタの予防的しきい値モニタリング

LSP ヘルス モニタの予防的しきい値モニタリング サポート機能では、ユーザ定義の応答条件(接続損失やタイムアウトなど)が満たされたときに、SNMP トラップ通知と Syslog メッセージをトリガーできます。LSP ヘルス モニタのしきい値モニタリング動作の設定方法は、標準的な IP SLA 動作の設定方法と同様です。

イネーブルにされた LSP ディスカバリ オプション

LSP ヘルス モニタの LSP ディスカバリ オプション動作がイネーブルにされている場合、次のいずれかのイベントが発生したときに SNMP トラップ通知を生成できます。

  • 特定の BGP ネクスト ホップ ネイバーの LSP ディスカバリが失敗

  • LSP ディスカバリ グループの動作ステータスが変化

特定の BGP ネクスト ホップ ネイバーに対する LSP ディスカバリが失敗する理由として、次のものが考えられます。

  • BGP ネクスト ホップ ネイバーが LSP ディスカバリ要求に応答できる時間の期限切れ

  • BGP ネクスト ホップ ネイバーに通じるすべてのパスに対してリターン コードが「Broken」または「Unexplorable」

次の表では、LSP ディスカバリ グループの動作ステータスが変化する条件を説明しています。LSP ディスカバリ グループの個々の IP SLA LSP ping 動作が実行されるたびに、戻りコードが生成されます。リターン コードの値と LSP ディスカバリ グループの現在のステータスに応じて、グループ ステータスは変化します。

表 1. LSP ディスカバリ グループ ステータスが変化する条件

個々の IP SLA 動作のリターン コード

現在のグループ ステータス = UP

現在のグループ ステータス = PARTIAL

現在のグループ ステータス = DOWN

OK

グループ ステータスは変化しません。

グループ内のすべてのパスに対するリターン コードが OK の場合、グループ ステータスは UP に変化します。

グループ ステータスは PARTIAL に変化します。

Broken または Unexplorable

グループ ステータスは PARTIAL に変化します。

グループ内のすべてのパスに対するリターン コードが Broken または Unexplorable の場合、グループ ステータスは DOWN に変化します。

グループ ステータスは変化しません。

個々の IP SLA LSP ping 動作に対するリターン コードは、次のいずれかです。

  • OK:LSP が正常に機能していることを示します。カスタマー VPN トラフィックは、このパスを経由して送信されます。

  • Broken:LSP が壊れていることを示します。カスタマー VPN トラフィックは、このパスを経由して送信されず、場合によっては廃棄されます。

  • Unexplorable:この PE ネイバーへの一部のパスが検出されていないことを示します。これは、LSP 上に中断がある場合や、LSP 選択に使用される 127/8 IP アドレスの数が足りなくなった場合になることがあります。

LSP ディスカバリ グループのステータスは、次のいずれかです。

  • UNKNOWN:グループ ステータスがまだ決定されていないこと、およびグループに属しているパスが最初のテスト中であることを示します。この初期テストが完了すると、グループ ステータスは UP、PARTIAL、または DOWN に変化します。

  • UP:グループ内のすべてのパスがアクティブで、動作の失敗は検出されていないことを示します。

  • PARTIAL:グループ内のすべてではないが、1 つ以上のパスに対して動作の失敗が検出されていることを示します。

  • DOWN:グループ内のすべてのパスに対して動作の失敗が検出されていることを示します。

セカンダリ頻度オプション

LSP ヘルス モニタ機能の導入により、セカンダリ頻度を指定できる新しいしきい値モニタリング パラメータが追加されています。特定のパスでセカンダリ頻度オプションが設定され、障害(接続損失やタイムアウトなど)が検出された場合、パスが再測定される頻度がセカンダリ頻度値(高速でのテスト)に増やされます。設定された応答条件が満たされると(連続する N 回の接続損失、または連続する N 回のタイムアウトなど)、SNMP トラップおよび syslog メッセージが送信されて、測定頻度が元の頻度値に戻ります。

VCCM を介した MPLS 擬似回線用 IP SLA の設定方法

IP SLA VCCV 動作の手動設定とスケジューリング

手順の概要

  1. enable
  2. configure terminal
  3. ip sla operation-number
  4. mpls lsp ping pseudowire peer-ipaddr vc-id [source-ipaddr source-ipaddr ]
  5. exp exp-bits
  6. frequency seconds
  7. request-data-size bytes
  8. secondary-frequency {both | connection-loss | timeout } frequency
  9. tag text
  10. threshold milliseconds
  11. timeout milliseconds
  12. exit
  13. ip sla reaction-configuration operation-number [react monitored-element ] [threshold-type {never | immediate | consecutive [consecutive-occurrences ] | xofy [x-value y-value ] | average [number-of-probes ]}] [threshold-value upper-threshold lower-threshold ] [action-type {none | trapOnly | triggerOnly | trapAndTrigger }]
  14. ip sla logging traps
  15. ip sla schedule operation-number [life {forever | seconds }] [start-time {hh : mm [: ss ] [month day | day month ] | pending | now | after hh : mm : ss }] [ageout seconds ] [recurring ]
  16. exit

手順の詳細

  コマンドまたはアクション 目的
ステップ 1

enable

例:


Router> enable

特権 EXEC モードをイネーブルにします。

  • パスワードを入力します(要求された場合)。

ステップ 2

configure terminal

例:


Router# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

ip sla operation-number

例:


Router(config)# ip sla 777 

IP SLA 動作の設定を開始し、IP SLA コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 4

mpls lsp ping pseudowire peer-ipaddr vc-id [source-ipaddr source-ipaddr ]

例:


Router(config-ip-sla)# mpls lsp ping 
pseudowire 192.168.1.103 123 source-ipaddr 192.168.1.102

IP SLA 動作を LSP 疑似配線 ping として設定し、VCCV コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 5

exp exp-bits

例:


例:


Router(config-sla-vccv)# exp 5

(任意)IP SLA 動作のエコー要求パケットのヘッダーの試験的フィールド値を指定します。

ステップ 6

frequency seconds

例:


Router(config-sla-vccv)# frequency 120 

(任意)指定した IP SLA 動作を繰り返す間隔を指定します。

ステップ 7

request-data-size bytes

例:


Router(config-sla-vccv)# request-data-size 200

(任意)IP SLA 動作の要求パケットのプロトコル データ サイズを指定します。

ステップ 8

secondary-frequency {both | connection-loss | timeout } frequency

例:


Router(config-sla-vccv)# secondary-frequency connection-loss 10

(任意)より高い測定頻度(セカンダリ頻度)を設定します。応答条件時に IP SLA 動作の測定頻度がこの値に変化します。

ステップ 9

tag text

例:


Router(config-sla-vccv)# tag testgroup

(任意)IP SLA 動作のユーザ指定 ID を作成します。

ステップ 10

threshold milliseconds

例:


例:


Router(config-sla-vccv)# threshold 6000

(任意)IP SLA 動作によって作成されるネットワーク モニタリング統計情報を計算するための上限しきい値を設定します。

ステップ 11

timeout milliseconds

例:


Router(config-sla-vccv)# timeout 7000

(任意)IP SLA 動作がその要求パケットからの応答を待機する時間を指定します。

ステップ 12

exit

例:


Router(config-sla-vccv)# exit

VCCV コンフィギュレーション モードを終了し、グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。

ステップ 13

ip sla reaction-configuration operation-number [react monitored-element ] [threshold-type {never | immediate | consecutive [consecutive-occurrences ] | xofy [x-value y-value ] | average [number-of-probes ]}] [threshold-value upper-threshold lower-threshold ] [action-type {none | trapOnly | triggerOnly | trapAndTrigger }]

例:


Router(config)# ip sla reaction-configuration 777 react connectionLoss threshold-type consecutive 3 action-type traponly

(任意)Cisco IOS IP SLA の制御下のイベントに基づいて発生する特定のアクションを設定します。

ステップ 14

ip sla logging traps

例:


Router(config)# ip sla logging traps

(任意)IP SLA トラップ通知に固有の SNMP システム ロギング メッセージの生成をイネーブルにします。

ステップ 15

ip sla schedule operation-number [life {forever | seconds }] [start-time {hh : mm [: ss ] [month day | day month ] | pending | now | after hh : mm : ss }] [ageout seconds ] [recurring ]

例:


Router(config)# ip sla schedule 777 life forever start-time now

IP SLA 動作のスケジューリング パラメータを設定します。

ステップ 16

exit

例:


Router(config)# exit

グローバル コンフィギュレーション サブモードを終了し、特権 EXEC モードに戻ります。

トラブルシューティングのヒント

debug ip sla trace コマンドおよび debug ip sla error コマンドを使用すると、VCCV 動作を介した個々の IP SLA PWE3 サービスに関する問題のトラブルシューティングに役立ちます。

次の作業

個々の IP SLA 動作の結果を表示するには、show ip sla statistics コマンドと show ip sla statistics aggregated コマンドを使用します。サービス レベル契約の基準に対応するフィールドの出力を確認すると、サービス メトリックが許容範囲内であるかどうかを判断する役に立ちます。

VCCM を介した MPLS 擬似回線用 IP SLA の設定例

IP SLA VCCV 動作の手動設定の例

次に、LSP ヘルス モニタの予防的しきい値モニタリング機能および複数動作スケジューリング機能と組み合わせて IP SLA VCCV 動作を手動で設定する例を示します。

この例では、ID 123 の VC が、PE デバイスおよび IP アドレス 192.168.1.103 にあるそのピア間ですでに確立されています。

IP SLA VCCV 動作 777 は、動作パラメータと応答条件が設定された後、ただちに開始し、無期限に実行するようにスケジューリングされます。


ip sla 777
 mpls lsp ping pseudowire 192.168.1.103 123 
  exp 5
  frequency 120
  secondary-frequency timeout 30
  tag testgroup
  threshold 6000
  timeout 7000
  exit
!
 ip sla reaction-configuration 777 react rtt threshold-value 6000 3000 threshold-type immediate 3 action-type traponly 
 ip sla reaction-configuration 777 react connectionLoss threshold-type immediate action-type traponly
 ip sla reaction-configuration 777 react timeout threshold-type consecutive 3 action-type traponly
 ip sla logging traps
!
 ip sla schedule 777 life forever start-time now
 exit

RTT しきい値

threshold コマンドは、モニタされる疑似回線上で宣言される上昇しきい値の時間値として 6000 ミリ秒を設定しています。最初の ip sla reaction-configuration コマンドは、ラウンドトリップ時間が上限しきい値の 6000 ミリ秒または下限しきい値の 3000 ミリ秒に違反したら、ただちに SNMP ロギング トラップを送信するように指定しています。

接続の損失

2 番目の ip sla reaction-configuration コマンドは、モニタされる疑似回線に対して接続損失が発生したら、ただちに SNMP ロギング トラップを送信するように指定しています。

応答タイムアウト

timeout コマンドは、タイムアウトが宣言されるまでに VCCV 動作 777 が要求パケットの応答を待つ時間として 7000 秒を設定しています。secondary-frequency コマンドは、タイムアウトが発生したら、動作の繰り返しを 120 秒間隔(frequency コマンドを使用して指定された初期測定頻度)からより短い 30 秒間隔にして測定頻度を増やすように指定しています。3 番目の ip sla reaction-configuration コマンドは、3 回連続してタイムアウトが発生したら、SNMP ロギング トラップを送信するように指定しています。

その他の参考資料

関連資料

関連項目

マニュアル タイトル

MPLS LSP ディスカバリ管理ツール

Multiprotocol Label Switching Configuration Guide』の「MPLS EM-MPLS LSP Multipath Tree Trace」の章

標準 IP アクセス リストの設定

Security Configuration Guide: Securing the Data Plane guide』の「Access Control Lists」の章

IP SLA の複数動作スケジューリング

Cisco IOS P SLAs Configuration Guide』の「Configuring Multioperation Scheduling of IP SLAs Operations」の章

IP SLA の予防的しきい値モニタリング

Cisco IOS IP SLAs Configuration Guide』の「Configuring Proactive Threshold Monitoring of IP SLAs Operations」の章

Cisco IOS コマンド

『Cisco IOS Master Commands List, All Releases』

Cisco IOS IP SLA コマンド

『Cisco IOS IP SLAs Command Reference』

標準

標準

タイトル

draft-ietf-mpls-lsp-ping-09.txt

『Detecting MPLS Data Plane Failures』

draft-ietf-mpls-oam-frmwk-03.txt

『A Framework for MPLS Operations and Management (OAM)』

draft-ietf-mpls-oam-requirements-06.txt

『OAM Requirements for MPLS Networks』

MIB

MIB

MIB のリンク

CISCO-RTTMON-MIB

選択したプラットフォーム、Cisco IOS リリース、およびフィーチャ セットに関する MIB を探してダウンロードするには、次の URL にある Cisco MIB Locator を使用します。

http://www.cisco.com/go/mibs

RFC

RFC

タイトル

この機能によりサポートされた新規 RFC または改訂 RFC はありません。またこの機能による既存 RFC のサポートに変更はありません。

--

テクニカル サポート

説明

リンク

★枠で囲まれた Technical Assistance の場合★右の URL にアクセスして、シスコのテクニカル サポートを最大限に活用してください。これらのリソースは、ソフトウェアをインストールして設定したり、シスコの製品やテクノロジーに関する技術的問題を解決したりするために使用してください。この Web サイト上のツールにアクセスする際は、Cisco.com のログイン ID およびパスワードが必要です。

http://www.cisco.com/cisco/web/support/index.html

VCCM を介した MPLS PWE3 用 IP SLA の機能情報

次の表に、このモジュールで説明した機能に関するリリース情報を示します。この表は、ソフトウェア リリース トレインで各機能のサポートが導入されたときのソフトウェア リリースだけを示しています。その機能は、特に断りがない限り、それ以降の一連のソフトウェア リリースでもサポートされます。

プラットフォームのサポートおよびシスコ ソフトウェア イメージのサポートに関する情報を検索するには、Cisco Feature Navigator を使用します。Cisco Feature Navigator にアクセスするには、www.cisco.com/go/cfn に移動します。Cisco.com のアカウントは必要ありません。
表 2. VCCM を介した MPLS PWE3 用 IP SLA

機能名

リリース

機能情報

VCCM 経由の MPLS 疑似回線(PWE3)用 IP SLA

12(33)SB

12.2(33)SRC

15.0(1)S

Cisco IOS XE 3.1.0SG

MPLS ネットワーク経由の Pseudo-Wire Emulation Edge-to-Edge(PWE3)サービスに対する仮想回線接続性検証(VCCV)をサポートするために、IP SLA VCCV 動作が追加されました。