Cisco Unified SRST は、Cisco Unified CM に、ローカル ネットワーク上の Cisco ルータに接続された Cisco Unified IP Phone のフォールバック サポートを提供します。Cisco Unified
SRST を使用すると、リモートのプライマリ、セカンダリ、または複数の Cisco Unified CM のインストールへの接続が失われた場合、または WAN 接続がダウンした場合は、ルータが、 Cisco Unified IP Phone の発信処理サポートを提供します。
Cisco Unified CM は、WAN により Cisco マルチサービスルータに接続されたリモートサイトにある Cisco Unified IP Phone をサポートします。Cisco Unified SRST が導入される前は、ルータと
Cisco Unified CM の間の WAN 接続に障害が発生したり、何らかの理由で Cisco Unified CM との接続が失われたりすると、その障害の発生中はネットワーク上の Cisco Unified IP Phone が使用できなくなっていました。Cisco
Unified SRST は、Cisco Unified IP Phone のコール処理サポートを Cisco Unified SRST ルータから直接提供することで、この問題を克服し、Cisco Unified IP Phone の継続的なサービス提供(ただし最小限)を保証します。システムは、障害を自動的に検出し、Simple
Network Auto Provisioning(SNAP)技術を使用してブランチオフィスのルータを自動設定することによって、ルータに登録されている Cisco Unified IP Phone のコール処理を提供します。プライマリ Cisco
Unified CM との WAN リンクまたは接続が回復すると、コール処理はプライマリ Cisco Unified CM に戻ります。
Cisco Unified IP Phone は、プライマリ、セカンダリ、およびターシャリ Cisco Unified CM との接続を失うと、コールの発信および受信に必要なコール処理機能を維持するためにローカル Cisco Unified SRST
ルータへの接続を確立する必要があります。Cisco Unified IP Phone は、[設定(Settings)] メニューの [ネットワークの構成(Network Configuration)] エリアで、ローカル Cisco Unified
SRST ルータの IP アドレスをデフォルトルータとして保持します。[設定(Settings)] メニューは、最大 5 つのデフォルトルータエントリをサポートします。ただし、Cisco Unified CM は最大 3 つのエントリに対応します。セカンダリ
Cisco Unified CM がネットワーク上で使用できなくなると、ローカル Cisco Unified SRST ルータの IP アドレスが通常動作時の Cisco Unified CM のスタンバイ接続として保持されます。
(注)
Cisco Unified CM フォールバックモードの電話サービスは、Cisco Unified SRST ルータでサポートされている Cisco Unified IP Phone でのみ使用できます。ネットワーク上の他の Cisco Unified
IP Phone は、プライマリ、セカンダリ、またはターシャリ Cisco Unified CM との接続を再確立するまで、サービスを停止したままになります。
通常、電話機が Cisco Unified CM への接続が失敗したことを検出するには、キープアライブ期間の 3 倍かかります。デフォルトのキープアライブ期間は 30 秒です。電話機で Cisco Unified SRST ルータとのアクティブなスタンバイ接続が確立されている場合、フォールバックプロセスには、Cisco
Unified CM との接続が失われた時点から 10 ~ 20 秒かかります。Cisco Unified SRST ルータへのアクティブなスタンバイ接続が存在するのは、電話機の Unified Communications Manager リストに
1 つの Cisco Unified CM のロケーションが登録されている場合のみです。それ以外の場合、電話機はセカンダリ Cisco Unified CM へのスタンバイ接続をアクティブにします。
Cisco Unified IP Phone の Cisco Unified CM リストに複数の Cisco Unified CM が登録されている場合、電話機は、ローカル Cisco Unified SRST ルータとの接続を試行する前に、セカンダリおよびターシャリ
Cisco Unified CM のリストを処理します。したがって、Cisco Unified IP Phone が Cisco Unified SRST ルータとの接続を最終的に確立するまでの時間は、Cisco Unified CM への接続が試行されるたびに増加します。Cisco
Unified CM への接続の試行にそれぞれ約 1 分かかると想定すると、当該の Cisco Unified IP Phone は、WAN リンクに障害が発生した時点から 3 分以上にわたってオフラインの状態になる可能性があります。
(注)
WAN 接続の障害時に、Cisco Unified SRST が有効になっている場合、Cisco Unified IP Phone は、Cisco Unified CM フォールバックモードで動作していることを通知するメッセージを表示します。Cisco
Unified CM フォールバックモードで動作している場合、たとえば、Cisco Unified IP Phone 7960G および Cisco Unified IP Phone 7940G には「CM フォールバックサービス動作中(CM
Fallback Service Operating)」というメッセージが表示され、Cisco Unified IP Phone 7910 には「CM フォールバックサービス(CM Fallback Service)」というメッセージが表示されます。Cisco
Unified CM が復元されると、メッセージが消去され、Cisco Unified IP Phone の機能がすべて回復します。
Cisco Unified CM フォールバックモードになっている場合、Cisco Unified IP Phone は、セントラルオフィスにある Cisco Unified CM との再接続を定期的に試行します。一般に、Cisco Unified
IP Phone がリモート Cisco Unified CM への接続を再確立を試行する前に待機するデフォルトの時間は 120 秒です。時刻は Cisco Unified CM で変更できます。 『Cisco Unified CM アドミニストレーション
ガイド』の「デバイスプールの構成時の設定」章を参照してください。手動で再起動すると、Cisco Unified IP Phone を Cisco Unified CM にすぐに再接続できます。
Cisco Unified CM との接続が再確立されると、Cisco Unified IP Phone は、Cisco Unified SRST ルータに対する登録を自動的にキャンセルします。ただし、WAN リンクが不安定な場合、Cisco
Unified IP Phone は、Cisco Unified CM と Cisco Unified SRST の間で接続を切り替えることがあります。アクティブコールを現在受けている場合、Cisco Unified IP Phone では、セントラルオフィスにあるプライマリ
Cisco Unified CM との接続を再確立できません。
サポートされている Cisco Unified IP Phone での発信者 ID の表示:フォールバックモードの SIP 電話には、発信者の名前と番号が表示されます。フォールバック モードの SCCP 電話には回線に割り当てられた発信者 ID
番号のみが表示されます。SRST フォールバック中は SCCP 電話の発信者 ID 名構成は保持されません。
Unified SRST の IPv6 サポートにより、デュアルスタック(IPv4 および IPv6)環境でネットワークが透過的に動作し、ネットワークに接続された SIP IP 電話機に追加の IP アドレス空間を提供します。デュアルスタック構成がない場合は、デュアルスタックモードに変更する前に、voice service voip 構成モードで CLI コマンド call service stop を設定します。デュアルスタックモードへの切り替えの例については、SIP IP Phone の IPv6 プールの設定例 を参照してください。
id{ networkaddressmaskmask| ip address maskmask| macaddress}
例:
Router(config-register-pool)# id network
2001:420:54FF:13::901:0/117
Router(config-register-pool)# id network
10.64.88.0 mask 255.255.255.0
ある程度の認証をサポートするため、ローカルに使用可能な個々の SIP 電話機を明示的に識別します。
ステップ 24
end
例:
Router(config)# end
特権 EXEC モードに戻ります。
SIP IP Phone の IPv6 プールの設定例
次の例は、SIP IP Phone の IPv6 プールの構成を示しています。
ipv6 unicast-routing
voice service voip
sip
no anat
call service stop
exit
exit
sip-ua
protocol mode dual-stack
exit
voice service voip
sip
no call service stop
exit
voice register global
default mode
max-dn 50
max-pool 40
exit
voice register pool 1
id network 2001:420:54FF:13::901:0/117
end
「The Transport Layer Security (TLS) Protocol Version 1.0」
RFC 2543
『SIP: Session Initiation Protocol』
RFC 3261
『SIP: Session Initiation Protocol』
RFC 3711
Secure Real-Time Transport Protocol(SRTP)
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