- Cisco Unified SCCP および SIP SRST システム管理者ガイド (全バージョン用)
- はじめに
- Cisco Unified Survivable Remote Site Telephony 機能のロードマップ
- Cisco Unified SRST 機能の概要
- Cisco Unified Enhanced Survivable Remote Site Telephony
- ネットワークの設定
- Cisco Unified SIP SRST 4.1
- SCCP を用いた Cisco Unified IP Phone の設定
- SIP を用いた Cisco Unified IP Phone の設定
- コール処理の設定
- SCCP および SIP のセキュア SRST の設定
- Unified SRST での SIP トランキングの設定
- ボイスメールと Cisco Unified SRST の統合
- ビデオ パラメータの設定
- Cisco Unified SRST のモニタリングとメンテ ナンス
- リダイレクト モードを使用する Cisco Unified SIP SRST 機能の設定
- Cisco Unified SRST をマルチキャスト MOH リ ソースとして使用するための Cisco Unified Communications Manager と Cisco Unified SRST の統合
コール処理の設定
この章では、SCCP 電話のコールを発着信するために Cisco Unified Survivable Remote Site Telephony(Cisco Unified SRST)を設定する方法について説明します。
この章では、SIP 電話の標準 RFC 3261 機能のサポートについても説明します。機能にはコール ブロッキングとコール転送が含まれます。

(注) SIP 電話のコール処理の設定は、バージョン 4.0 および 3.4 にのみ適用されます。
目次
バックツーバック ユーザ エージェント モードを使用する SIP SRST 機能を設定するための前提条件
- “Cisco Unified SRST 機能の概要” sectionの“Cisco Unified SIP SRST を設定するための前提条件” sectionに説明されている前提条件をすべて満たします。
- SIP レジストラを設定します。SIP レジストラによって、ユーザが登録の承認または拒否を制御できます。着信 SIP 登録メッセージの承認を設定するには、“SIP を用いた Cisco Unified IP Phone の設定” sectionを参照してください。
バックツーバック ユーザ エージェント モードを使用する SIP SRST 機能の設定における制約事項
- “Cisco Unified SRST 機能の概要” sectionの“Cisco Unified SIP SRST の設定に関する制約事項” sectionに説明されている制約事項を参照してください。
SCCP SRST コール処理の設定について
Cisco Unified SRST は、Cisco Unified CM より小さいコール処理機能セットを提供しており、これらの機能の設定の大部分は既存の Cisco Unified CM または Cisco Unified IP Phone の設定の有効化です。
WAN リンク障害用の H.323 VoIP コール プリザベーション拡張機能
WAN リンク障害に対する H.323 VoIP コール プリザベーションの機能拡張では、Cisco Unified Communications Manager などのエンティティによってシグナリングが処理される H.323 トポロジの接続が保持されるようになりました。このエンティティは、2 つの接続側の間でシグナリングを行う相手方エンドポイントおよびブローカとは異なります。
コール プリザベーションが役立つのは、ゲートウェイと他のエンドポイント(通常は Cisco Unified IP Phone)は同じサイトにあるものの、コール エージェントがリモート サイトにあり、接続障害が起こりやすいような場合です。
詳細については、『 Cisco IOS H.323 Configuration Guide, Release 12.4T』の「Configuring H.323 Gateways」の章を参照してください。
電話料金詐欺行為防止
シスコ ルータ プラットフォームに音声対応 Cisco IOS ソフトウェア イメージをインストールする場合、プラットフォーム上で適切な機能をイネーブルにして、電話ハッカーによる侵入の可能性を防止する必要があります。防止するための機能を、音声コールを処理するシスコ ルータの Unified Communications アプリケーションすべてに展開します。このアプリケーションには、Cisco Unified Communications Manager Express(CME)、Cisco Survivable Remote Site Telephony(SRST)、Cisco Unified Border Element(UBE)、Cisco IOS ベース ルータ、スタンドアロン アナログおよびデジタル PBX、公衆電話交換網(PSTN)ゲートウェイ、および Cisco コンタクトセンター VoiceXML ゲートウェイなどがあります。電話料金詐欺行為防止の詳細については、『Cisco Unified Communications Manager Express System Administration Guide』の「Toll Fraud Prevention」を参照してください。
バックツーバック ユーザ エージェント モードを使用する SIP SRST 機能の設定について
Cisco Unified SRST システムは、ローカルおよび SIP WAN ネットワーク全体にわたり、標準ベースの RFC 3261 機能をサポートする SIP 電話をサポートできます。Cisco Unified SIP SRST を備えた SIP 電話は、SCCP 電話の場合と同様の機能を使用して、SIP ネットワーク経由でコールを発信できます。たとえば、発信者 ID、スピード ダイヤル、リダイヤルなどの大半の SCCP 電話機能が、今では SIP ネットワーク上でもサポートされているため、ユーザは SCCP または SIP を選択することができます。
また、Cisco Unified SIP SRST は、コールの受け入れと転送のみを行うリダイレクト サーバを使用していた Cisco SIP SRST 3.0 より多くの機能を備えた個別のコール エージェントであるバックツーバック ユーザ エージェント(B2BUA)を使用します。B2BUA コール エージェントの主な利点はコール転送です。これは、電話に代わってコールを転送するからです。また、コール パスのコール仲介者としてプレゼンスを維持します。
Cisco SIP SRST 3.4 は次のコールの組み合わせをサポートします。
Cisco Unified SIP SRST および Cisco SIP Communications Manager Express の共通機能
voice regisiter dn、voice register global、voice register pool の各コンフィギュレーション モード コマンドには、Cisco Unified SIP CME および Cisco Unified SIP SRST のどちらの動作モードでもアクセスできます。ただし、これらのモード内のすべてのコマンドが SIP SRST モードでの使用を対象としているわけではありません。 表 7-1 は、どのコマンドが CME または SRST 動作モードに関連しているかを示すサマリー ガイドです。
詳細については、個々のコマンドのコマンド リファレンス ページを参照してください。

(注) 表 7-1 はすべてを網羅しているわけではなく、これら以外にもコマンドが存在する場合があります。
Cisco Unified SCCP SRST の設定方法
着信コールの設定
– 話中信号または無応答時のコール転送の設定(任意)
– コール再ルーティングの設定(任意)
– コール ピックアップの設定(任意)
– グローバル プレフィックスの設定(任意)
– 桁トランスレーション ルールの有効化(任意)
– トランスレーション プロファイルの有効化(任意)
– トランスレーション プロファイルの確認(任意)
– ダイヤルピア チャネル ハントの設定(任意)
– 話中タイムアウトの設定(任意)
– 呼び出しタイムアウトのデフォルトの設定(任意)
話中信号または無応答時のコール転送の設定
Cisco Unified CM のフォールバック中に話中信号を受け取ったか、または無応答の着信コールは、1 つ以上の E.164 番号へ転送するように設定できます。
手順の概要
2. call-forward busy directory-number
手順の詳細
例
次の例では、着信コールが話中の内線番号に到達するか、IP 電話の内線番号が非在席だった場合に、コールを内線番号 5005 に転送します。着信コールは 15 秒間呼び出した後に内線 5005 に転送されます。
次の例では、内線番号が話中または非在席の場合に、コール転送の内線番号を変換します。call-forward busy コマンドには、引数 50.. があり、呼び出された内線番号の最後の 2 桁の前に 50 が付加されます。その結果の内線番号が、元の内線番号が話中または非在席の場合に、着信コールの転送先となる番号です。たとえば、話中の内線番号 6002 への着信コールは、内線番号 5002 に転送され、話中の内線番号 3442 への着信コールは内線番号 5042 に転送されます。着信コールは 15 秒間呼び出した後に転送されます。
コール再ルーティングの設定

(注) default-destination コマンドは廃止されるため、default-destination コマンドの代わりに、alias コマンドを推奨します。
alias コマンドは、フォールバック中に使用できない電話番号へコールを再ルーティングするメカニズムを提供します。Cisco Unified Communications Manager のフォールバック中に使用できない電話番号へのコールに対して、最大 50 セットの再ルーティング エイリアス ルールを作成できます。エイリアス ルールのセットは、 alias コマンドを使用して作成されます。エイリアスは、設定した alternate-number エイリアスに一致する電話番号の電話が登録されたときに有効化されます。その状況で、着信コールが代替番号に再ルーティングされます。 alternate-number 引数は複数の alias コマンドで使用できるため、複数の異なる番号を同じ番号に再ルーティングできます。
設定された alternate-number は、特定の E.164 電話番号または Cisco Unified SRST ルータに登録済みの IP Phone に属する内線番号である必要があります。 alternate-number に一致する番号の IP Phone が登録されると、追加の POTS ダイヤル ピアが作成されます。接続先パターンは初期設定された number-pattern に設定され、POTS ダイヤル ピア音声ポートは alternate-number に関連付けられた音声ポートに一致するように設定されます。
初期 number-pattern 範囲内の特定の電話番号を持つ他の IP Phone が登録された場合は、コールは alternate-number ではなく、その IP Phone にルーティングされます(通常のダイヤルピア最長一致、プリファレンス、およびハントストップ ルールに従う)。
コール転送先
cfw キーワードで、話中または無応答のコールのコール転送先を設定できます。無応答時転送は、ユーザ設定可能な期間、電話を呼び出したが、コールが無応答で設定された接続先へ転送される場合として定義されています。話中転送および無応答時転送は、設定された文字列に設定でき、グローバルに設定されたコール転送設定をオーバーライドします。

(注) グローバルに設定された設定は、call-manager-fallback モードの場合に選択され、SRST サービスに登録しているすべての電話に適用されます。
また、特定の番号に固有のコール転送パスを作成することもできます。 cfw キーワードを使用するメリットは、SRST モードの間、そうでなければ到達不能な番号からのコールを使用可能な電話へ再ルーティングできる点です。1 番目の SRST 電話が話中の場合に、コールを 2 番目の SRST 電話に転送できるように、コール転送ルールを使用して基本ハント グループを確立できます。
また、 cfw キーワードで、電話番号をそれ自体にエイリアスできるため、電話番号ごとの転送を設定できます。電話番号をそれ自体にエイリアスする例を以下に示します。内線番号 1001 の電話が登録されると、1001 に対して、コールをその電話にルーティングするダイヤル ピアが自動的に作成されます。この初期ダイヤル ピアの call-manager-fallback モードでのダイヤルピア プリファレンス( max-dn コマンドで設定)が 2 に設定されると、ダイヤル ピアは、自身のプリファレンス設定として 2 を使用します。
その後、alias コマンドを使用して、電話番号をそれ自体にエイリアスします。
alias 1 1001 to 1001 preference 1 cfw 2001 timeout 20
この例では、1001 にコールをルーティングするが、プリファレンスが 1 で 2001 にコール転送する 1001 の 2 番目のダイヤル ピアを作成しました。alias コマンドによって作成されたダイヤル ピアのプリファレンスが、ダイヤル ピアが最初に作成したプリファレンスより小さい数値であるため、すべてのコールは最初に、alias コマンドによって作成されたダイヤル ピアに発信されます。そのように、グローバルに設定されている場合があるコール転送ではなく、alias コマンドによって設定されているとおりに転送されます。
個々のエイリアスのハントストップ
エイリアスの huntstop キーワードは、call-manager-fallback モードで no huntstop コマンドをグローバルに設定している場合のみ関係します。また、同じ number-pattern の複数の alias コマンドを使用し、エイリアス間での話中のハントを有効にする場合は、グローバルに no huntstop を設定する必要が生じることがあります。つまり、 number-pattern の 1 つのエイリアスが試され、その後、電話が話中の場合は、 number-pattern の 2 番目のエイリアスが試されます。
エイリアスの huntstop キーワードを指定すると、 no huntstop コマンドによってハントストップがグローバルにオフである場合に、個々のエイリアスのハントストップ動作をオンに戻すことができます。個々のエイリアスに huntstop キーワードを設定するとそのエイリアスでハントが停止し、そのエイリアスがハント シーケンスの最終メンバーになります。
手順の概要
2. alias tag number-pattern to alternate-number [ preference preference-value ] [ cfw number timeout timeout-value ] [ huntstop ]
3. max-dn max-directory-numbers [ dual-line ] [ preference preference-order]
手順の詳細
例
次の例では、 alias コマンドの preference キーワードを max-dn コマンドによって作成されたプリファレンス値より小さい数値のプリファレンスに設定します。小さい値を設定することで、 cfw キーワードを有効にすることができます。内線番号 1000 への着信コールは、プリファレンス値が小さいためエイリアスにハントされ、1000 への無応答/話中コールは 2000 に転送されます。SRST モードでの他の内線番号への着信コールはすべて、10 秒後に 3000 に転送されます。
コール ピックアップの設定
pickup コマンドを設定すると、すべての SRST 電話の PickUp ソフト キーが有効になります。その後、PickUp キーを押して、設定された telephone-number に一致する DID 着信者番号を持つ、現在呼び出し中の IP Phone に応答できます。このコマンドでは、Group PickUp(GPickUp)ソフト キーは有効になりません。
ユーザが PickUp ソフト キーを押すと、SRST はすべての SRST 電話を検索し、設定された telephone-number に一致する着信者番号を持つ呼び出し中のコールを見つけます。一致が見つかると、コールは、コール ピックアップを要求した電話の内線番号へ自動的に転送されます。
SRST pickup コマンドは、Cisco Unified Communications Manager と互換性のある方法で動作するように設計されています。

(注) Cisco 7905 および Cisco 7912 IP Phone に対応する Cisco Unified Communications Manager リリース 4.0(1) のデフォルトの電話ロードでは、フォールバック中に PickUp ソフト キーを有効にしません。Cisco 7905 および Cisco 7912 IP Phone の PickUp ソフト キーを有効にするには、デフォルトの電話ロードを Cisco Unified CM バージョン 4.0(1) Sr2 にアップグレードしてください。または、電話ロードをそれぞれ、cmterm-7905g-sccp.3-3-8.exe または cmterm-7912g-sccp.3-3-8.exe へアップグレードすることもできます。
手順の概要
手順の詳細
例
pickup コマンドは alias コマンドとともに使用するのが最適です。次の show running-config コマンドからの部分出力は、 pickup コマンドと alias コマンドがハント グループのパイロット番号にコール ルーティングを提供するように設定されていることを示しています。
800 555-0100 への DID 着信コールを受信した場合、 alias コマンドは、コールを 4 つの内線番号(5001 ~ 5004)のいずれかへランダムにルーティングします。 pickup コマンドが設定されているため、DID コールが内線番号 5002 を呼び出した場合、PickUp ソフト キーを押すことで、その他の内線番号(5001、5003、5004)のいずれかからコールに応答することができます。
pickup コマンドは、着信 DID コールの着信者番号に基づいて一致を見つけることで動作します。この例では、着信者番号(5001)が設定されたピックアップ番号(800 555-0100)に一致しないため、内線番号 5004 から内線番号 5001 へのコール(内部コール)では pickup コマンドは有効化されません。つまり、 pickup コマンドは、複数コールが同時に呼び出しを行っている場合に、内部コールと外部コールを区別します。
コンサルタティブ転送の設定
Cisco Unified SRST 4.3 より前のコンサルタティブ転送機能では、ダイヤル トーンが再生され、ダイヤルされた桁が収集されていました。桁は、コンサルタティブ転送、ブラインド転送、または PSTN 転送ブロッキングのパターンに一致するまで収集されました。コンサルタティブ転送の桁収集およびパターン マッチングの後に、時間外(after-hours)ブロッキング基準が適用されました。
新機能では、転送の桁収集プロセスが変更され、Cisco Unified Communications Manager と一貫した方法になりました。この機能は、call-manager-fallback コンフィギュレーション モードで transfer-system full-consult コマンドが指定されており(デフォルト)、アイドル回線またはチャネルが捕捉、桁収集、およびダイヤルに使用可能な場合にのみサポートされます。
コンサルタティブ転送には 2 本の回線が必要です。転送元がオクトライン電話番号の場合、Cisco Unified SRST はその電話番号で次に使用可能なアイドル チャネルを選択します。電話番号の最大数のチャネルが使用中である場合は、転送元の電話の別のアイドル回線が考慮されます。電話に auto-line コマンドが設定されている場合は、指定された自動回線(アイドルの場合)が他の非自動回線より優先されます。アイドル回線が転送元の電話で使用できない場合は、コンサルタティブ転送ではなく、ブラインド転送が開始されます。
コンサルタティブ転送の間、転送元から転送先への回線は、同じ電話番号を共有する他の電話によって取得されるのを防ぐため、転送元の電話でロックされます。ユーザがコンサルタティブ転送のために Transfer ソフト キーを押すと、この捕捉されたコンサルタティブ転送コール レッグで桁がダイヤルされ収集されている間、Transfer ソフト キーは表示されません。コンサルタティブ転送パターン マッチング、ブラインド転送、PSTN 転送ブロッキング、または時間外ブロッキング基準の方式は同じままですが、マッチング後の操作は異なります。ブラインド転送の基準が満たされると、Cisco Unified SMST はコンサルタティブ転送コール レッグを終了し、Cisco IOS ソフトウェアにコールを転送するように通知し、その後、元のコール バブルを終了します。PARK FAC コードは、Cisco IOS ソフトウェアによって 10 秒タイマーを適用する必要がある新しいコールと同じ方法で処理されます。

(注) デフォルトでは、拡張機能が新しいコール レッグから転送先番号の桁を収集します。必要に応じて、元のコール レッグから転送先番号の桁を収集するようにシステムを設定できます。“転送の桁収集方法の設定” sectionを参照してください。
転送のブロッキングまたは桁間タイマーの期限切れによる転送の失敗のエラー処理はそのままです。これには、プロンプト行でのエラー メッセージの表示、「debug ephone error」が有効な場合のログへの記録、ファスト ビジーまたは話中音の再生、およびコンサルタティブ転送コール レッグの終了が含まれます。
会議コール
会議コールの開始側が単一回線電話番号で、電話に複数の電話番号が設定されている場合、システムは会議を作成するために、別の電話番号のアイドル チャネルを選択します。電話に複数の電話番号(デュアルラインまたは単一回線の電話番号)があり、それぞれがコールを保留している場合は、システムがユーザに会議コール用の回線を選択するように求めます。
会議コールの開始側がデュアルライン電話番号の場合、システムはデュアルライン電話番号から別のアイドル チャネルを選択します。選択したチャネルがコールを保留している場合は、会議操作によって自動的に保留チャネルが選択され会議が作成されます。
会議コールの開始側がオクトライン電話番号の場合、システムは開始側の電話番号からアイドル チャネルを選択します。会議を完了するために、ユーザが新しいコールを確立する必要があります。同じ電話番号にアイドル チャネルがない場合は、同じ電話の他のアイドル電話番号またはチャネルは選択されません。同じ電話番号の他のチャネルまたは他の電話番号で既存のコールが保留中の場合、ユーザはそれらを選択して会議に参加させることはできません。同じ電話番号にアイドル チャネルがない場合は、会議は中止され、「利用できる回線がありません(No Line Available)」というメッセージが示されます。
転送の桁収集方法の設定
デフォルトでは、転送先番号の桁は新しいコール レッグから収集されます。転送先番号の桁収集方法を変更するには、次の手順を実行します。
Cisco Unified SRST 4.3 の前提条件
Cisco Unified SRST 4.3 の制約事項
手順の概要
4. transfer-digit-collect { new-call | orig-call }
手順の詳細
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transfer-digit-collect { new-call | orig-call } Router(config-cm-fallback)# transfer-digit-collect orig-call |
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例
次の例は、 transfer-digit-collect 方法がレガシー値の orig-call に設定されていることを示しています。
グローバル プレフィックスの設定
dialplan-pattern コマンドは、省略された内線番号を完全修飾 E.164 番号に拡張するためのグローバル プレフィックスを指定するダイヤルプラン パターンを作成します。
extension-pattern キーワードを使用すると、省略された内線番号のプレフィックスの桁を追加操作できます。このキーワードとその引数が使用される場合、内線番号パターンの先頭の桁が削除され、ダイヤルプラン パターンの対応する先頭の桁で置換されます。このコマンドは、結果として 0101 などの 4 桁の内線番号になる 408 555-0101 などのダイヤルイン方式(DID)番号を避けるために使用できます。
グローバル プレフィックスは dialplan-pattern コマンドを使って設定します。最大 5 つのダイヤルプラン パターンを作成できます。 no-reg キーワードはダイヤルの柔軟性を提供し、ダイヤル ピアの E.164 番号がゲートキーパーに登録されるのを防ぎます。番号をその他のテレフォニー サービスで使用できるように、それらの番号をゲートキーパーに登録しないように選択できます。
手順の概要
2. dialplan-pattern tag pattern extension-length length [ extension-pattern extension-pattern ] [ no-reg ]
手順の詳細
例
次の例では、4085550 から始まる電話プレフィックスが付いた内線番号 101 ~ 199 のための dial-plan pattern 1 を作成する方法を示します。次の例が設定されると、ルータは 4085550144 が dial-plan pattern 1 に一致することを認識します。これは extension-length キーワードを使用して、最後の 3 桁の番号 144 を抽出し、着信コールの発信者 ID として提示します。
次の例では、内線番号の範囲が 400 ~ 499 になるように、3 桁の内線番号の先頭のプレフィックス桁を 0 から 4 に変換します。
次の例では、 dialplan-pattern コマンドで、4085559 から始まる電話プレフィックスが付いた内線番号 801 ~ 899 のための dial-plan pattern 2 を作成します。内線番号パターンの各数字が number コマンドで宣言され、2 つの POTS ダイヤル ピアが作成されます。この例では、801(内線番号)と 4085559001(外線番号)です。
桁トランスレーション ルールの有効化
桁トランスレーション ルールは、Cisco Unified CM のフォールバック中に有効化できます。トランスレーション ルールは、電話のエリア コードとプレフィックス コードを着信番号へ自動的に追加するなどの操作を実行する番号操作メカニズムです。

(注) 桁トランスレーション ルールには多くの用途とバリエーションがあります。それらの詳細については、『Cisco IOS Voice Configuration Library』を参照してください。
Cisco SRST 3.2 以降および Cisco Unified SRST 4.0 以降を実行している場合は、次に説明するように translate コマンドを使用するのではなく、“トランスレーション プロファイルの有効化” sectionに説明されている構成を使用してください。トランスレーション プロファイルは、Cisco SRST 3.2 で新たに導入され、追加機能を提供します。
- 音声コールの Answer Number Indication(ANI)(発信者番号)または着信番号識別サービス(DNIS)(着信者番号)の番号を操作するため。
- コールが着信ダイヤル ピアに対応付けられる前、またはコールが発信ダイヤル ピアによって転送される前に、電話番号を別の番号に変換するため。
システムに設定されたトランスレーション ルールを表示するには、 show translation-rule コマンドを使用します。
手順の概要
手順の詳細
例
次の例では、内線番号 1111 に着信するコールにトランスレーション ルール 10 を適用します。Cisco Unified CM フォールバック中は、1111 への着信コールはすべて 2222 へ転送されます。
次は、桁トランスレーション ルール 20 の設定例です。トランスレーション ルールのプライオリティは 1(1 ~ 15 の範囲)で、完全な番号の省略表示(1234)が番号 2345 で置き換えられます。
トランスレーション プロファイルの有効化
Cisco SRST 3.2 以降および Cisco Unified SRST 4.0 以降は、トランスレーション プロファイルをサポートしています。トランスレーション プロファイルは、トランスレーション ルールをグループ化し、トランスレーション ルールを次に適用する方法の手順を示すために推奨される方法です。
次の設定では、 voice translation-rule コマンドと rule コマンドを使用して、番号の操作方法を設定し、定義できます。ボイス トランスレーション プロファイル モードの translate コマンドは、着信者番号、発信者番号、またはリダイレクト先番号など、操作予定の番号のタイプを定義します。トランスレーション プロファイルを定義すると、その後、そのトランスレーション プロファイルを、ダイヤル ピアや音声ポートなどのさまざまな場所に適用できます。SRST の場合は、call-manager fallback モードでプロファイルを適用します。
Cisco IP Phone は、SRST モードの場合に、1 つの着信トランスレーション プロファイルと 1 つの発信トランスレーション プロファイルをサポートします。

(注) Cisco SRST 3.2 以降のバージョンおよび Cisco Unified SRST 4.0 以降のバージョンの場合は、“桁トランスレーション ルールの有効化” sectionで説明されているトランスレーション ルール設定の代わりに、以下に示す voice translation-rule コマンドと translation-profile コマンドを使用してください。ボイス トランスレーション ルールはトランスレーション ルールとは別の機能です。詳細については、『Cisco IOS Voice Command Reference 』の voice translation-rule コマンドの説明を、トランスレーション ルールとプロファイルの全般的な情報については、『VoIP Gateway Trunk and Carrier Based Routing Enhancements』ドキュメントを参照してください。
手順の概要
1. voice translation-rule number
2. rule precedence / match-pattern / / replace-pattern /
4. voice translation-profile name
5. translate { called | calling | redirect-called } voice - translation-rule-tag
手順の詳細
例
次の例では、name1 と言う名前のトランスレーション プロファイルが 2 つのボイス トランスレーション ルールで作成される設定を示します。rule1 は関連付けられた発信者番号で構成され、rule2 はリダイレクトされた着信者番号で構成されます。SRST モードの Cisco Unified IP Phone は name1 で設定されます。
トランスレーション プロファイルの確認
手順の概要
1. show voice translation-rule number
2. test voice translation-rule number input-test-string [ type match-type [ plan match-type ]]
手順の詳細
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show voice translation-rule number Router# show voice translation-rule 6 |
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test voice translation-rule number input-test-string [ type match-type [ plan match-type ]] Router(config)# voice translation-rule 5 Router(cfg-translation-rule)# rule 1 /201/ /102/ Router(cfg-translation-rule)# end Router# test voice translation-rule 5 2015550101 Original number:2015550101 Translated number:1025550101 |
このコマンドを使用して、トランスレーション プロファイルをテストできます。詳細については、『 Cisco IOS Voice Command Reference 』の test voice translation-rule コマンドの説明を参照してください。 |
ダイヤルピア チャネル ハントの設定
ダイヤルピア ハント(ダイヤル ピアのグループを通じて使用可能な電話回線を検索)は、デフォルトでは、Cisco Unified CM フォールバック中は無効です。ダイヤルピア ハントを有効にするには、 no huntstop コマンドを使用します。ダイヤルピア ハントの詳細については、『 Cisco IOS Voice Configuration Library』を参照してください。
デュアルライン電話構成がある場合は、“二重回線の電話設定” sectionを参照してください。 huntstop コマンドで channel キーワードを使用すると、1 番目のチャネルが話中か、応答がない場合に、着信コールは 2 番目のチャネルをハントしなくなります。
チャネル ハントストップは、応答可能な人がいない回線の 1 番目のチャネルでコールが 30 秒間呼出音を鳴らし、その後、さらに 30 秒間 2 番目のチャネルで呼出音を鳴らしてから、別の回線にロールオーバーするような状況も防ぎます。
手順の概要
手順の詳細
例
次の例では、Cisco Unified CM のフォールバック中のダイヤルピア ハントと、デュアルライン電話構成での 2 番目のチャネルへのハントを無効にしています。
話中タイムアウトの設定
このタスクは話中の接続先へのコール転送にタイムアウト値を設定します。話中タイムアウト値は、転送されたコールが話中信号を受け取ってから、コールが切断されるまでに経過可能な時間の長さです。
手順の概要
手順の詳細
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コールが話中の接続先に転送された時点から切断されるまでの時間を設定します。 (注) このコマンドは話中の接続先へ転送されたコールに対してのみ話中タイムアウトを設定し、話中の接続先に直接ダイヤルしたコールのタイムアウトには影響しません。 |
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例
次の例では、話中の接続先へ転送されたコールのタイムアウトを 20 秒に設定しています。
呼び出しタイムアウトのデフォルトの設定
呼び出しタイムアウトのデフォルトは、切断コードを発信者に返す前に、応答なしで電話の呼出音を鳴らすことができる時間の長さです。このタイムアウトによって、転送切断が監視されない Foreign Exchange Office(FXO)のようなインターフェイス上で着信したコールの切断を防止します。このタイムアウトは、無応答時コール転送が有効になっていない内線番号に対してのみ使用されます。
手順の概要
手順の詳細
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呼び出しタイムアウトのデフォルトを秒単位で設定します。指定できる範囲は 5 ~ 60000 です。デフォルト値はありません。 |
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例
次の例では、呼び出しタイムアウトのデフォルトを 30 秒に設定しています。
発信コールの設定
– ローカルおよびリモート コール転送の設定(任意)
– Cisco SRST 3.0 で H.450.2 および H.450.3 を使用したコンサルタティブ コールの転送および自動転送の有効化(任意)
– Cisco SRST 3.0 以前でのフックフラッシュおよび H.450.2 標準を使用したアナログ転送の有効化(任意)
- トランク アクセスコードの設定(特定の条件下で必要)
- 桁間タイムアウト値の設定(任意)
- 制限クラスの設定(任意)
- 時刻、曜日、または日付に基づくコール ブロッキング(トール バー)(任意)
ローカルおよびリモート コール転送の設定
Cisco Unified IP Phone がローカル IP ネットワーク外部からの電話コールを別の Cisco Unified IP Phone へ転送できるように、Cisco Unified SRST を設定する必要があります。デフォルトでは、すべての Cisco Unified IP Phone の電話番号または仮想音声ポートが転送先として許容されます。最大 32 の転送パターンを入力できます。
手順の概要
手順の詳細
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transfer-pattern transfer-pattern |
指定された転送パターンを使用して、非 IP 電話番号からのコールを同じ IP ネットワーク上の別 Cisco Unified IP Phone へ転送できるようにします。 |
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例
次の例では、 transfer-pattern コマンドによって、非 IP 電話番号から、同じ IP ネットワーク上の番号が 5550100 ~ 5550199 の範囲内の任意の Cisco Unified IP Phone への転送を許可します。
Cisco SRST 3.0 で H.450.2 および H.450.3 を使用したコンサルタティブ コールの転送および自動転送の有効化
H.450.2 を使用したコンサルタティブ コールの転送により、ITU-T H.450.2 および H.450.3 標準を使用するコール レッグでコール転送とコール自動転送を開始するためのサポート機能が追加されます。H.450.2 と H.450.3 を使用したコール転送とコール自動転送は、ブラインド転送またはコンサルタティブ転送のいずれかとなります。ブラインド コール転送とブラインド コール自動転送は、呼出音を鳴らし始める前に、転送側の電話が発信者を宛先回線に接続する転送です。コンサルタティブ転送は、転送側が発信者を呼び出し中の電話(リングバックが鳴っている)に接続するか、または発信者を転送先に接続する前に転送側と転送先が通話する転送です。

(注) Cisco SRST 3.1 以降および Cisco Unified SRST 4.0 以降のバージョンでは、H.450.2 を使用したコール転送とコール自動転送はデフォルト セッション アプリケーションで自動的にサポートされます。
前提条件
- 打診を行うコール転送は、2 番目の回線またはコール インスタンスが IP Phone でサポートされている場合のみ使用できます。 max-dn コマンドの dual-line キーワードを確認してください。
- VoIP ネットワーク内のすべての音声ゲートウェイ ルータが H.450 標準をサポートしている必要があります。
- VoIP ネットワーク内のすべての音声ゲートウェイ ルータが次のソフトウェアを実行している必要があります。
制約事項
手順の概要
2. call-forward pattern pattern (コール転送のみ)
3. transfer-system { blind | full-blind | full-consult | local-consult }(コール転送のみ)
4. transfer-pattern transfer-pattern (コール転送のみ)
手順の詳細
例
次の例では、Cisco Unified SRST ルータによって処理されるすべての IP Phone を対象に、H.450.2 標準を使用して打診を行う転送を指定しています。
The following example enables call forwarding using the H.450.3 standard:
Cisco SRST 3.0 以前でのフックフラッシュおよび H.450.2 標準を使用したアナログ転送の有効化
フックフラッシュおよび H.450.2 標準を使用したアナログ コール転送によって、アナログ電話でも、フックフラッシュを使用して転送を開始することで、打診を行ってコールを転送できます。フックフラッシュとは、電話が PBX からのダイヤルトーンの再呼び出しを試行していることを示すために、通常、コール中に電話同様のデバイスによって生成される短いオンフック期間を指しています。フックフラッシュは、多くの場合、コール転送を実行するために使用されます。たとえば、フックフラッシュは、アナログ電話のハンドセットの受け台にあるボタンを発信者がすばやく 1 回タップすると発生します。
この機能には、Tool Command Language (TCL)スクリプトのインストールが必要です。スクリプト app-h450-transfer.tcl を Cisco Software Center( http://www.cisco.com/cgi-bin/tablebuild.pl/ip-iostsp )からダウンロードし、Cisco Unified SRST ルータが使用可能な TFTP サーバにコピーするか、Cisco Unified SRST ルータ上のフラッシュ メモリにコピーします。このスクリプトをすべてのダイヤル ピアにグローバルに適用するには、グローバル コンフィギュレーション モードで call application global コマンドを使用します。TCL スクリプトには、 call application voice コマンドの属性/値(AV)ペアを使用して値を渡すことができるパラメータがあります。この機能に適用されるパラメータは次のとおりです。
- delay-time :遅延タイマーを使用してアナログ電話からのコール転送中に、コンサルタティブ コールのセットアップを早めたり、遅らせたりします。すべての桁が収集された時点で、遅延タイマーが始動します。受信側へのコール セットアップは遅延タイマーが切れるまで開始されません。遅延タイマーが期限切れになる前に転送側がオンフックになると、転送はコンサルタティブ転送ではなくブラインド転送と見なされます。接続先の電話の呼び出し中または接続先側による応答後のいずれかに、遅延タイマーが切れ転送側がオンフックになると、転送はコンサルタティブ転送と見なされます。
TCL スクリプトに加えて、ReadMe ファイルにもスクリプトと設定可能な AV ペアが説明されています。このファイルには、設定パラメータやユーザ インターフェイスの説明など、追加のスクリプト固有の情報が含まれる場合があるため、新しいバージョンのスクリプトをダウンロードするたびにこのファイルを参照してください。

(注) Cisco SRST 3.1 以降のバージョンおよび Cisco Unified SRST 4.0 以降のバージョンでは、H.450.2 を使用したコール転送はデフォルト セッション アプリケーションで自動的にサポートされます。
前提条件
- app-h450-transfer.tcl という名前の H.450 TCL スクリプトを Cisco Software Center からダウンロードする必要があります。次のバージョンのスクリプトが入手可能です。
– app-h450-transfer.2.0.0.2.tcl(Cisco IOS リリース 12.2(11)YT1 以降のリリース用)
– app-h450-transfer.2.0.0.1.tcl(Cisco IOS リリース 12.2(11)YT 用)
– Cisco IOS リリース 12.2(11)YT 以降のリリース
– H.450 TCL スクリプト(app-h450-transfer.tcl)

(注) Cisco IOS リリース 12.2(11)YT1 以降をインストールしている場合は、継続して app-h450-transfer.2.0.0.1.tcl スクリプトを使用できますが、Cisco IOS リリース 12.2(11)YT1 より前のリリースの Cisco IOS ソフトウェアでは app-h450-transfer.2.0.0.2.tcl スクリプトは使用できません。
制約事項
- フックフラッシュを使用したアナログ FXS 電話によってコンサルタティブ転送が行われた場合、最初の転送操作が完了し、転送元と転送先が接続されるまで、コンサルタティブ コールそのものをさらに転送することはできません(つまり、再帰転送またはチェーン転送にすることはできません)。最初のコール転送操作が完了し、転送元と転送先のみがコールの参加者である場合は、転送先側がさらにコールを転送できます。
- 打診を行うコール転送は、Cisco ATA-186、Cisco ATA-188、および Cisco IP Conference Station 7935 ではサポートされていません。これらのデバイスからの転送試行はブラインド転送として実行されます。
手順の概要
1. call application voice application-name location
2. call application voice application-name language number language
3. call application voice application-name set-location language category location
4. call application voice application-name delay-time seconds
5. dial-peer voice number pots
6. application application-name
8. dial-peer voice number voip
手順の詳細
例
次の例では、フックフラッシュを使用したアナログ転送の H.450 TCL スクリプトを有効にし、遅延時間を 1 秒に設定しています。
トランク アクセスコードの設定

(注) 通常のネットワーク ダイヤルプラン構成で、フォールバック中に使用するトランク アクセスを提供するために、相手先固定の POTS 音声ダイヤル ピアが設定されないようにする場合にのみ、トランク アクセスコードを設定します。すでにローカル PSTN ポートに、ダイヤル ピアによって提供された適切なアクセスコードが設定されている場合は(たとえば、9 をダイヤルすると FXO PSTN 回線が選択される)、この設定は不要です。
トランク アクセスコードは、Cisco Unified CM フォールバック中のみアクティブになる POTS 音声ダイヤル ピアを作成することで、IP Phone に Cisco Unified CM フォールバック中の PSTN へのアクセスを提供します。音声ポート(BRI、E&M、FXO、および PRI)に適合できるこれらの一時ダイヤル ピアによって、Cisco Unified IP Phone は Cisco Unified CM モードの間、トランク回線にアクセスできます。Cisco Unified SRST がアクティブな場合、同じタイプのすべての PSTN インターフェイスが同等に処理され、発信 PSTN コールを発信するためにいずれのポートも選択できます。
手順の概要
2. access-code {{ fxo | e&m } dial-string | { bri | pri } dial-string [ direct-inward-dial ]}
手順の詳細
例
次の例では、BRI のアクセスコード番号 8 を作成し、POTS ダイヤル ピアの DID を有効にしています。
桁間タイムアウト値の設定
桁間タイムアウト値を設定するには、Cisco Unified SRST ルータに接続されているすべての Cisco Unified IP Phone が、最初の桁または後続の 1 桁がダイヤルされてから待機する長さを秒単位で指定します。 timeouts interdigit タイマーは、発信者が桁を入力すると有効になり、宛先アドレスが特定されるまで、発信者が後続の桁を入力するたびに再起動されます。宛先アドレスが特定される前に設定されたタイムアウト値を超えると、トーンが鳴り、コールは終了されます。
手順の概要
手順の詳細
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---|---|---|
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||
|
||
|
例
次の例では、すべての Cisco Unified IP Phone の桁間タイムアウト値を 5 秒に設定します。この例では、着信番号が不完全な状態で 5 秒が経過するとタイムアウトします。たとえば、必須の 10 桁(4085550100)の代わりに 9 桁(408555010)をダイヤルした発信者には、その秒数のタイムアウトが経過した後で話中音が聞こえます。
制限クラスの設定
制限クラス(COR)機能は、ダイヤル ピアでプロビジョニングされた着信および発信の制限クラスに基づいて、特定のコール試行を拒否する機能です。この機能は、ネットワーク設計に柔軟性を提供し、それによってユーザはコールをブロックしたり(たとえば、900 番へのコール)、異なる発信者からのコール試行に異なる制限を適用したりすることができます。 cor コマンドは、Cisco Unified CM のフォールバック中に作成された電話番号に関連付けられたダイヤル ピアのダイヤルピア COR パラメータを設定します。
着信コールおよび発信コールごとに最大 20 の COR リストを保持できます。デフォルトの COR は COR リスト番号または番号範囲が一致しない電話番号に割り当てます。割り当てられた COR はダイヤル ピア用に呼び出され、Communications Manager のフォールバック登録時に電話番号ごとに自動的に作成されます。
COR が着信ダイヤル ピア(着信コール)に適用され、それが発信ダイヤル ピア(発信コール)に適用された COR に等しいか、そのスーパーセットの場合は、コールは通過します。音声ポートは、コールが着信または発信のどちらと見なされるかを判別します。電話を Cisco Unified SRST ルータの FXS ポートに接続し、その電話から発信を試みると、コールはルータと音声ポートへの着信コールと見なされます。FXS 電話に発信した場合、コールは発信と見なされます。
デフォルトでは、着信コール レッグが最高の COR プライオリティとなり、発信コール レッグが最低のプライオリティとなります。ダイヤル ピアの着信コールに対する COR 設定がない場合は、ダイヤル ピアに接続された電話から発信できるため、コールはダイヤル ピアの COR 設定に関係なく、ダイヤル ピアから発信されます。 表 7-2 は、COR リストの設定方法に基づいて、コールの機能について説明しています。
手順の概要
2. cor { incoming | outgoing } cor-list-name { cor-list-number starting-number - ending-number | default }
手順の詳細
例
次の例では、フォールバック中に作成された Cisco Unified IP Phone ダイヤル ピアと電話番号に発信コール用のダイヤルピア COR パラメータを設定する方法を示しています。
次の例では、デフォルトの COR リスト内の Cisco IP Phone ダイヤル ピアと電話番号に着信コール用のダイヤルピア COR パラメータを設定する方法を示しています。
次の例では、COR のサブセットまたはスーパーセットを作成する方法を示しています。まず、カスタム ダイヤルピア COR が、その下で宣言される名前で作成されます。
次の設定例では、COR リストが作成され、ダイヤル ピアに適用されます。
次の例では、接続先番号 734…、1800……、1900……、316…、および 911 に 5 つのダイヤル ピアが設定されています。COR リストはダイヤル ピアごとに適用されます。
時刻、曜日、または日付に基づくコール ブロッキング(トール バー)
電話の不正使用を防止するためのコール ブロッキングは、指定の時刻、曜日、または日付に、指定の桁のパターンを一致させることで実装されます。最大 32 の桁のパターンを指定できます。コール ブロッキングは IP Phone でのみサポートされ、アナログ Foreign Exchange Station(FXS)電話ではサポートされていません。
コール ブロッキングに定義された期間に、コール ブロッキングに指定されたパターンと一致する桁にユーザが発信を試みると、ファスト ビジー信号が約 10 秒間再生されます。その後、コールは終了し、回線はオンフック ステータスに戻ります。
SRST(call-manager-fallback コンフィギュレーション)モードでは、時間外のコール ブロッキングに対する電話または PIN ベースの免除はありません。
手順の概要
2. after-hours block pattern tag pattern [ 7-24 ]
3. after-hours day day start-time stop-time
手順の詳細
例
次の例では、発信コールがブロックされる番号パターンをいくつか定義します。パターン 1 および 2 は、「1」および「011」で始まる外部番号へのコールをブロックします。このブロックは、月曜日から金曜日の午前 7 時以前と午後 7 時以後、土曜の午前 7 時以前と午後 1 時以後、日曜(終日)に行われます。パターン 3 は、900 番へのコールを週 7 日、1 日 24 時間にわたってブロックします。
Cisco Unified SIP SRST の設定方法
- SIP 電話の機能の設定(任意)
- SIP 間のコール転送の設定(必須)
- 時刻、曜日、または日付に基づくコール ブロッキングの設定(必須)
- SIP のコール保留と保留解除(設定は必要ありません)
- 例
SIP 電話の機能の設定
音声レジスタ プールを設定した後、この手順は機能性を高めるためにオプション機能を追加します。機能によっては、プールごとに設定される場合もあれば、グローバルに設定される場合もあります。
voice register pool 設定では、現在、プールごとに複数の新しいオプションを設定できます(プールは 1 台の電話または電話のグループ)。また、Cisco Unified SIP SRST の新しい voice register global コンフィギュレーション モードもあります。 voice register global モードでは、電話に特性をグローバルに割り当てることができます。
手順の概要
4. max-pool max-voice-register-pools
5. application application-name
6. external ring { bellcore-dr1 | bellcore-dr2 | bellcore-dr3 | bellcore-dr4 | bellcore-dr5 }
手順の詳細
SIP 間のコール転送の設定
SIP 間のコール転送(コール ルーティング)を使用できます。コール転送は、電話によって、または任意のダイヤル ピアでのコール転送を可能にするバックツーバック ユーザ エージェント(B2BUA)によって提供されます。SIP デバイスへのコールは、(Cisco Unity、サードパーティのボイスメール システム、または IPCC や IPCC Express などの自動応答や IVR システムを含めて)他の SIP デバイスまたは SCCP デバイスに転送できます。さらに、SCCP IP 電話を SIP 電話に転送できます。
Cisco Unity または SIP トランクか SIP ユーザ エージェントによって接続されている他のボイス メッセージング システムは、メッセージが残っている場合に、メッセージ待機インジケータ(MWI)を渡すことができます。その後、SIP 電話は、ボイス メッセージング システムから指示されると、MWI を表示します。

(注) SIP から H.323 へのコール転送はサポートされていません。
SIP 間のコール転送を設定するには、まず Cisco IP-IP ゲートウェイ内の特定のタイプのエンドポイント間での接続を許可する必要があります。 allow-connections コマンドがこの機能を許可します。SIP 間の接続が許可されると、個々の SIP 電話プールの下でコール転送を設定できます。必要に応じて、次のコマンドのいずれかを使用して、コール転送を設定できます。
– call-forward b2bua all directory-number
– call-forward b2bua busy directory-number
– call-forward b2bua mailbox directory-number
– call-forward b2bua noan directory-number [timeout seconds]
一般的な Cisco Unified SIP SRST 設定では、call-forward b2bua mailbox コマンドは使用されませんが、Cisco Unified SIP Communications Manager Express(CME)環境では使用されるようです。call-forward b2bua mailbox コマンドの設定方法の詳細については、Cisco.com で Cisco Unified Communications Manager(CallManager) のドキュメントを参照してください。
手順の概要
4. call-forward b2bua all directory - number
5. call-forward b2bua busy directory - number
6. call-forward b2bua mailbox directory - number
7. call-forward b2bua noan directory - number timeout seconds
手順の詳細
時刻、曜日、または日付に基づくコール ブロッキングの設定
このセクションの内容は、SCCP と SIP SRST の両方に適用されます。コール ブロッキングは、電話の不正使用を防止し、指定の時刻、曜日、または日付に、最大 32 桁のパターンを一致させることで実装されます。Cisco Unified SIP SRST は、現在 SCCP 電話で提供されているものと同じ時間ベースのコール ブロッキング メカニズムを SIP エンドポイントに提供します。コール ブロッキング機能は、着信 SIP コールとアナログ FXS コールを含む、すべての着信コールをサポートします。

(注) PIN ベースの免除および「ログイン」トールバー オーバーライドは、Cisco Unified SIP SRST ではサポートされていません。
SIP 電話のコール ブロッキングに使用されるコマンドは、Cisco Unified SRST システムの SCCP 電話で使用されるコマンドと同じです。Cisco SRST セッション アプリケーションは、call-manager-fallback モードで現在の時間外の設定にアクセスし、この設定を、Cisco SRST ルータに登録されている Cisco SIP Phone から発信されたコールに適用します。ブロックの基準(時刻/日付/ブロック パターン)を設定する call-manager-fallback モードで使用されるコマンドは次のとおりです。
- after-hours block pattern pattern-tag pattern [ 7-24 ]
- after-hours day day start-time stop-time
- after-hours date month date start-time stop-time
コール ブロッキングに定義された期間に、コール ブロッキングに指定されたパターンと一致する桁にユーザが発信を試みると、コールは即座に終了され、発信者にはファスト ビジー音が聞こえます。
SRST(call-manager-fallback コンフィギュレーション モード)では、時間外のコール ブロッキングに対する電話または PIN ベースの免除はありません。ただし、Cisco Unified SIP SRST(音声レジスタ プール モード)では、 after-hours exempt コマンドを使用して、個々の IP Phone をすべてのコール ブロッキングから免除することができます。
手順の概要
4. after-hours block pattern tag pattern [ 7-24 ]
5. after-hours day day start-time stop-time
手順の詳細
例
次の例では、発信コールがブロックされる番号パターンをいくつか定義します。パターン 1 および 2 は、1 および 011 で始まる外部番号へのコールをブロックします。このブロックは、月曜日から金曜日の午前 7 時以前と午後 7 時以後に行われます。パターン 3 は、週 7 日、1 日 24 時間、900 番へのコールをブロックします。
次の例では、Cisco SIP 電話プールが設定されたブロッキング基準から免除されます。
検証
機能の設定を確認するには、次のコマンドのいずれかを入力します。
- show voice register dial-peer:登録された電話によって動的に作成されたすべてのダイヤル ピアを表示します。このコマンドは、時間外のブロッキングおよびコール転送の設定も表示します。
- show voice register pool < tag >:特定のプールに関する情報を表示します。
- debug ccsip messages :基本的な B2BUA コールをデバッグします。
これらのコマンドの詳細については、『 Cisco Unified SRST and Cisco Unified SIP SRST Command Reference (All Versions)』を参照してください。
SIP のコール保留と保留解除
Cisco Unified SRST は、SIP 電話でコールを保留したり、コールの保留を解除したりする機能をサポートしています。これには、A が B にコールし、B が A を保留して、B が C にコールし、B が C から切断した後、A のコールを保留解除するコンサルタティブ保留のサポートも含まれます。コール保留のサポートは、「re-INVITE c=0.0.0.0」を使用して SIP 電話によって、さらに受信専用メカニズムによっても示されます。
例
Current configuration : 1462 bytes
configuration mode exclusive manual
version 12.4
service timestamps debug datetime msec
service timestamps log datetime msec
no service password-encryption
service internal
!
boot-start-marker
boot-end-marker
!
logging buffered 8000000 debugging
!
no aaa new-model
!
resource policy
!
clock timezone edt -5
clock summer-time edt recurring
ip subnet-zero
!
!
!
ip cef
!
!
!
voice-card 0
no dspfarm
!
!
voice service voip
allow-connections h323 to h323
allow-connections h323 to sip
allow-connections sip to h323
allow-connections sip to sip
sip
registrar server expires max 600 min 60
!
!
!
voice register global
max-dn 10
max-pool 10
!
! Define call forwarding under a voice register pool
voice register pool 1
id mac 0012.7F57.60AA
number 1 1000
call-forward b2bua busy 2413
call-forward b2bua noan 2414 timeout 30
codec g711ulaw
!
voice register pool 2
id mac 0012.7F3B.9025
number 1 2800
codec g711ulaw
!
voice register pool 3
id mac 0012.7F57.628F
number 1 2801
codec g711ulaw
!
!
!
interface GigabitEthernet0/0
ip address 10.0.2.99 255.255.255.0
duplex auto
speed auto
!
interface GigabitEthernet0/1
no ip address
shutdown
duplex auto
speed auto
!
ip classless
ip route 0.0.0.0 0.0.0.0 GigabitEthernet0/0
!
ip http server
!
!
!
control-plane
!
!
!
dial-peer voice 1000 voip
destination-pattern 24..
session protocol sipv2
session target ipv4:10.0.2.5
codec g711ulaw
!
! Define call blocking under call-manager-fallback mode
call-manager-fallback
after-hours block pattern 1 2417
after-hours date Dec 25 12:01 20:00
!
!
line con 0
exec-timeout 0 0
line aux 0
line vty 0 4
login
!
scheduler allocate 20000 1000
ntp server 10.0.2.10
!
end
オプション機能の設定方法
ここでは、次のオプションの追加コール機能について説明します。
- 3 者間 G.711 アドホック会議:Cisco Unified Survivable Remote Site Telephony(SRST)は、同時 3 者間会議をサポートしています。
- Extensible Markup Language(XML)アプリケーション プログラム インターフェイス(API):このインターフェイスは、Cisco Unified SRST から管理ソフトウェアにデータを供給します。
次のセクションでは、これらのオプション機能の設定方法について説明します。
3 者間 G.711 アドホック会議の有効化
3 者間 G.711 アドホック会議を有効にするには、Cisco Unified SRST ルータによってサポートされる同時 3 者間会議の最大数を設定する必要があります。会議を使用するには、IP Phone に 1 つ以上のボタンに接続された 2 本以上の回線が必要です。“2 次ダイヤル トーンの設定” sectionを参照してください。
手順の概要
手順の詳細
|
|
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---|---|---|
|
||
max-conferences max-conference-numbers |
||
|
例
次の例では、ルータに最大 8 件の同時 3 者間会議を設定しています。
XML API スキーマの定義
このセクションの Cisco IOS コマンドを使用して、XML API に関連付けられたパラメータを指定できます。詳細については、『 “Cisco SRST 3.0 で H.450.2 および H.450.3 を使用したコンサルタティブ コールの転送および自動転送の有効化” sectionを参照してください。
手順の概要
手順の詳細
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---|---|---|
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||
Router(config-cm-fallback)# xmlschema http://server2.example.com/ |
||
|
コール処理の設定例
例:キー拡張モジュールのステータスのモニタリング
show コマンドを使用して、キー拡張モジュール(KEM)のステータスおよびその他の詳細を監視します。
次の例は、 show voice register all コマンドを使用して、Cisco Unified CME のすべての設定と登録の情報とともに KEM の詳細を表示する方法を示しています。
次の例は、 show voice register pool type コマンドを使用して、アドオン KEM を設定したすべての電話機を Cisco Unified CME で表示する方法を示しています。
例:Cisco Unified SIP SRST での音声ハント グループの設定
次の例は、パイロット番号 4701、最後の番号 5000、およびリスト内の 6 個の番号を使用して、最長アイドル ハント グループ 20 を設定する方法を示しています。コールが 6 回リダイレクトされると(6 回ホップが行われると)、最後の番号 5000 にリダイレクトされます。
次の作業
セキュリティを設定する必要がある場合は、“SCCP および SIP のセキュア SRST の設定” sectionを参照してください。また、ボイスメールを設定する必要がある場合は、“ボイスメールと Cisco Unified SRST の統合” sectionを参照してください。ビデオ パラメータを設定する必要がある場合は、“ビデオ パラメータの設定” sectionを参照してください。それらの機能のいずれも必要ない場合は、“Cisco Unified SRST のモニタリングとメンテナンス” sectionに進んでください。
詳細については、“Cisco Unified SRST 機能の概要” sectionの章の“SCCP および SIP のセキュア SRST の設定” sectionを参照してください。