ボイスメールの統合について Cisco Unified SRST
Cisco Unified SRST は、Cisco Unified CM のフォールバック中に Cisco Unity および他のボイスメール システムからボイスメール メッセージの送受信を行うことができます。WAN がダウンしたとき、BRI または PRI によって Cisco Unified SRST システムにアクセスできるボイスメール システムは、ISDN シグナリングを使用します(図 10-1 を参照)。Foreign Exchange Office(FXO)または Foreign Exchange Station(FXS)によって PSTN にアクセスできるシステムは、インバンド デュアル トーン多重周波数(DTMF)シグナリングを使用します(図 10-2 を参照)。
Unified SRST リリース 12.0 以降、Unified SRST は SIP IP Phone 用の IPv6 プロトコルでボイスメールをサポートしています。
図 10-1 BRI または PRI での Cisco Unified Communications Manager のフォールバック
図 10-2 PSTN での Cisco Unified Communications Manager のフォールバック
どちらの設定でも、電話機のメッセージ ボタンはアクティブのままで、話中または無応答の番号へのコールは、ダイヤルした番号のメールボックスに転送されます。
話中信号を受けたコール、無応答コール、およびメッセージ ボタンを押して開始されたコールは、ボイスメール システムに転送されます。これを行うには、ダイヤル ピアからボイスメール システムへのアクセスを設定し、話中と無応答のコール用、およびメッセージ ボタン用にボイスメール システムへのルーティングを設定する必要があります。
ボイスメール システム が FXO または FXS 経由でアクセスされる場合、適切なボイスメール システムのメールボックスにアクセスできるように、ボイスメール システムに指示(DTMF パターン)を設定する必要があります。ボイスメール システム が BRI または PRI 経由でアクセスされる場合、ボイスメール システムは発信側の電話機のメールボックスに直接ログインできるため、指示を設定する必要はありません。
ボイスメールと Cisco Unified SCCP および SIP SRST との統合方法
ここでは、次の作業について説明します。
(注
) SIP SRST のサポートは、IOS リリース 15.1(4)M3 および 15.2(1)T2 から追加されています。
ボイスメールへのダイレクト アクセスの設定
BRI/PRI または FXO/FXS を使用して、ボイスメール システムへの直接アクセスを設定できます。BRI/PRI または FXO/FXS のアクセスでボイス メール メッセージにアクセスするには、ボイスメール システムの番号に一致する接続先パターンで設定されている POTS ダイヤル ピアが必要です。また、ボイスメール システムがアクセスできるポートとダイヤル ピアを関連付ける必要があります。
設定の両方のセットは、ダイヤルピア設定モードで行われます。以下に示す概要と詳細な手順には、この作業を実行するために必要な基本的なコマンドだけが記載されています。特定のダイヤルピア設定では、追加のコマンドが必要となる場合があります。
手順の概要
1.
dial-peer voice tag { pots | voatm | vofr | voip }
2.
destination-pattern [ + ] string [ T ]
3.
port { slot-number / subunit-number / port | slot / port : ds0-group-no }
4.
forward-digits { num-digit | all | extra }
5.
exit
手順の詳細
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手順 1 |
dial-peer voice tag { pots | voatm | vofr | voip }
Router(config)#
dial-peer voice 1002 pots
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(FXO または FXS、および BRI または PRI)特定のダイヤル ピアを定義し、音声カプセル化の方法を指定して、ダイヤルピア コンフィギュレーション モードを開始します。 dial-peer コマンドは、各ルータで異なる構文を示します。この例は、Cisco 3600 シリーズ ルータの構文を示します。
- tag :特定のダイヤル ピアを定義する番号。範囲は 1 ~ 2147483647 です。
- pots :IP バックボーンで VoIP カプセル化を使用する POTS ダイヤル ピアであることを示します。
- voatm :ATM バックボーン ネットワークでリアルタイム AAL5 音声カプセル化を使用する VoATM ダイヤル ピアであることを指定します。
- vofr :フレームリレー バックボーン ネットワークで FRF.11 カプセル化を使用する VoFR ダイヤル ピアであることを指定します。
- voip :POTS ネットワークで音声カプセル化を使用する VoIP ダイヤル ピアであることを示します。
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手順 2 |
destination-pattern [
+ ]
string
[
T ]
Router(config-dial-peer)# destination-pattern 1100T
|
(FXO または FXS、および BRI または PRI)(ダイヤル プランに応じて)ダイヤル ピアに使用するプレフィックスまたは完全な E.164 電話番号を指定します。
- + :(任意)E.164 の標準的な番号を示す文字。
- string : 表 10-1 を参照してください。
- T :(任意)接続先パターンの値が可変長のダイヤル文字列であることを示す制御文字。
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手順 3 |
port
{
slot-number
/
subunit-number
/
port |
slot
/
port
:
ds0-group-no }
Router(config-dial-peer)# port 1/1/1
|
(FXO または FXS、および BRI または PRI)Cisco ルータ上の特定の音声ポートとダイヤル ピアを関連付けます。
- slot-number :音声インターフェイス カード(VIC)がインストールされているルータのスロット番号。有効なエントリは、インストールされているスロットに応じて 0 ~ 3 です。
- subunit-number :音声ポートが配置されている VIC のサブユニット。有効なエントリは 0 または 1 です。
- port :音声ポート番号。有効なエントリは 0 および 1 です。
- ds0-group-no :DS0 グループ番号を指定します。定義済みの DS0 グループ番号はそれぞれの音声ポート上に表示されています。これによって、デジタル T1/E1 カード上で個々の DS0 を定義できます。
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手順 4 |
forward-digits { num-digit | all | extra }
Router(config-dial-peer)#
forward-digits all
|
(FXO または FXS では任意)音声コールに対して転送される桁を指定します。
- num-digit :転送する桁数。桁数が接続先電話番号の長さを超えている場合、接続先電話番号の長さが使用されます。範囲は 0 ~ 32 です。値を 0 に設定すると、 no forward-digits コマンドを入力した場合と同じ結果が得られます。
- all :すべての桁を転送します。 all を入力すると、接続先パターンの長さ全体が使用されます。
- extra :ダイヤルした数字列の長さがダイヤル ピアの接続先パターンよりも大きければ、右揃えした追加の桁が転送されます。ただし、ダイヤル ピアの接続先パターンが可変長で、文字「T」で終了している(例:T、123T、123...T)場合は、追加の桁は転送されません。
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手順 5 |
exit
Router(config-dial-peer)#
exit
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(FXO または FXS、および BRI または PRI)ダイヤルピア コンフィギュレーション モードを終了します。 |
表 10-1 destination-pattern コマンドの文字列引数で有効なエントリ
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数字の 0 ~ 9 |
— |
A ~ D の文字 |
— |
アスタリスク(*)とシャープ記号(#) |
これらは標準のプッシュトーン ダイヤル パッドで表示されます。 |
カンマ(,) |
数字の間に区切りを挿入します。 |
ピリオド(.) |
入力した任意の数字に一致します(この文字はワイルドカードとして使用されます)。 |
パーセント記号(%) |
先行する数字がゼロ回以上出現したことを示します。ワイルドカードでの使い方と同様です。 |
プラス記号(+) |
先行する数字が 1 回以上出現したことを示します。 (注) 数字列の一部として使用されるプラス記号は、文字列が標準の E.164 番号であることを示すために数字列の前に使用できるプラス記号とは異なります。 |
キャレット(^) |
文字列の先頭との一致を示します。 カッコ( () )、パターンを示し、正規表現の規則と同じです。 |
ドル記号($) |
入力文字列の末尾のヌル ストリングと一致します。 |
バックスラッシュ記号(\) |
単一の文字に続き、その文字と一致します。他の意味がない単一の文字とともに使用できます(その文字と一致します)。 |
疑問符(?) |
先行する数字がゼロ回または 1 回出現したことを示します。 |
角カッコ([ ]) |
範囲を示します。範囲は角カッコで囲まれた文字のシーケンスであり、この範囲では 0 ~ 9 の数字だけが許可されます。 |
例
次の FXO および FXS の例は、名前付き POTS ダイヤルピア 1102 を設定し、ダイヤルピア 1102 がボイスメールの内線番号 1101 に一致させ、ダイヤルピア 1102 をボイスメール システムが接続される音声ポート 1/1/1 に割り当てます。他のダイヤルピアはボイスメールに直接アクセスするように設定されます。
dial-peer voice 1102 pots
dial-peer voice 1103 pots
dial-peer voice 1104 pots
次の例では、POTS ダイヤル ピア 1102 がポート 2/0:23 を通って直接 1101 に移動するように設定します。
clock source line primary
pri-group timeslots 21-24
no logging event link-status
isdn switch-type primary-net5
isdn incoming-voice voice
dial-peer voice 1102 pots
destination-pattern 1101T
メッセージ ボタンの設定
Cisco Unified Communications Manager のフォールバック中に、Cisco Unified SCCP および SIP SRST ルータに接続された Cisco Unified IP Phone のメッセージ ボタンを有効にするには、ボイスメール システムにスピードダイヤル番号をプログラムする必要があります。スピードダイヤル番号は、Cisco Unified CM のフォールバック中に、Cisco Unified SCCP および SIP SRST ルータに接続されている電話機のメッセージ ボタンが押された時にダイヤルされます。また、話中および無応答の番号へのコールがボイスメール番号に送信されるように、コール転送を設定する必要があります。
この設定は FXO または FXS と、BRI または PRI で必要です。
手順の概要
1.
call-manager-fallback
2.
voicemail phone-number
3.
call-forward busy directory-number
4.
call-forward noan directory-number timeout seconds
5.
exit
6.
voice register pool tag
7.
call-forward b2bua busy directory-number
8.
call-forward b2bua noan directory-number timeout seconds
9.
exit
手順の詳細
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手順 1 |
call-manager-fallback
Router(config)# call-manager-fallback |
call-manager-fallback コンフィギュレーション モードを開始します。 |
手順 2 |
voicemail phone-number
Router(config-cm-fallback)#
voicemail 5550100
|
Cisco Unified IP SCCP Phone のメッセージ ボタンが押されたときにダイヤルされる電話番号を設定します。
- phone-number :メッセージを取得するためのスピードダイヤル番号として設定される電話番号。
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手順 3 |
call-forward busy
directory-number
Router(config-cm-fallback)# call-forward busy 2000
|
Cisco SCCP IP Phone が話中のときに行われる別の番号へのコール転送を設定します。
- directory-number :完全修飾 E.164 番号を表す選択された電話番号。この番号には、電話の内線番号内で右揃えした桁に対応するワイルドカード文字「.」を含めることができます。
|
手順 4 |
call-forward noan
directory-number
timeout
seconds
Router(config-cm-fallback)# call-forward noan 2000 timeout 10
|
Cisco SCCP IP Phone から応答を受信しなかった場合の別の番号へのコール転送を設定します。
- directory-number :完全修飾 E.164 番号を表す選択された電話番号。この番号には、電話の内線番号内で右揃えした桁に対応するワイルドカード文字「.」を含めることができます。
- timeout seconds :コールが別の電話に転送されるまでの待ち時間を秒単位で設定します。 seconds の範囲は 3 ~ 60000 です。
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手順 5 |
exit
Router(config-cm-fallback)# exit |
call-manager-fallback コンフィギュレーション モードを終了します。 |
手順 6 |
voice register pool tag
Router(config)# voice register pool 1 |
音声レジスタ プール コンフィギュレーション モードを開始します。 |
手順 7 |
call-forward b2bua busy directory-number
Router(config-register-pool)# call-forward b2bua busy 2000 |
Cisco SIP IP Phone が話中のときに行われる別の番号へのコール転送を設定します。
- directory-number :完全修飾 E.164 番号を表す選択された電話番号。この番号には、電話の内線番号内で右揃えした桁に対応するワイルドカード文字「.」を含めることができます。
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手順 8 |
call-forward b2bua noan directory-number timeout seconds
Router(config-register-pool)# call-forward noan 2000 timeout 10 |
Cisco SIP IP Phone から応答を受信しなかった場合の別の番号へのコール転送を設定します。
- directory-number :完全修飾 E.164 番号を表す選択された電話番号。この番号には、電話の内線番号内で右揃えした桁に対応するワイルドカード文字「.」を含めることができます。
- timeout seconds :コールが別の電話に転送されるまでの待ち時間を秒単位で設定します。 seconds の範囲は 3 ~ 60000 です。
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手順 9 |
exit
Router(config-register-pool)# exit |
音声レジスタ プール コンフィギュレーション モードを終了します。 |
例
次の例では、Cisco Unified SRST ルータに接続されている Cisco Unified IP Phone のメッセージ ボタンが押された時に発行されるスピードダイヤル番号として、1101 を指定します。話中および無応答のコールはすべて、ボイスメール番号(1101)に転送されるように設定されます。
call-forward noan 1101 timeout 3
call-forward b2bua busy 1101
call-forward b2bua noan 1101 timeout 3
Cisco Unified Communications Manager ゲートウェイへのリダイレクト
(注
) BRI または PRI 経由でアクセスするボイスメール システムでは、以下のタスクが必要です。
Cisco Unified SRST は、個人メッセージを取得するメッセージ ボタンのサポートに加えて、話中および無応答の番号へのコールをボイスメール システムに自動転送する機能をサポートします。BRI または PRI 経由でアクセスされるボイスメール システムは、発信側の電話機のメールボックスに直接ログインすることができます。そのためには、Cisco Unified CM の一部の設定が推奨されます。お使いのボイスメール システムがリダイレクトされた着信番号識別サービス(RDNIS)をサポートする場合、Cisco Unified CM へ発信するセットアップ メッセージに RDNIS を含め、設定されたデバイスとアプリケーション間でやり取りされた、最後にリダイレクトされた番号と最初にダイヤルした番号を宣言する必要があります。
手順 1 Cisco Unified CM の任意のページから、[デバイス(Device)] および [ゲートウェイ(Gateway)] をクリックします。
手順 2 [ゲートウェイの検索と一覧表示(Find and List Gateways)] ページで、[検索(Find)] をクリックします。
手順 3 [ゲートウェイの検索と一覧表示(Find and List Gateways)] ページでデバイス名を選択します。
手順 4 [ゲートウェイ設定(Gateway Configuration)] ページで、[番号 IE 配信のリダイレクト - 発信(Redirecting Number IE Delivery - Outgoing)] をチェックします。
ボイスメールへのコール転送の設定
(注
) FXO または FXS 経由でアクセスするボイスメール システムでは、以下のタスクが必要です。
Cisco Unified SRST は、個人メッセージを取得するメッセージ ボタンのサポートに加えて、話中または無応答の番号へのコールをボイスメール システムに自動転送する機能をサポートします。転送されたコールは、ボイスメール システムのほぼすべての場所にルーティングできます。通常、コールは発信者がメッセージを残すことができる着信者番号のメールボックスに転送されます。
DTMF ディジット パターンを使用したコールのルーティング方法
転送されたコールを正しいボイスメール ボックスに送信できるようにするには、Cisco Unified SRST コールルーティング指示が必要です。これらの指示は、ボイスメール システムが特定のボイスメールの場所にアクセスするために必要とするダイヤル シーケンスに一致するパターンで設定される DTMF ディジットで構成されます。たとえば、ボイスメール システムは、発信者がメッセージを残すには次の操作が必要となるように設計することができます。
1.
中央ボイスメール番号(1101)をダイヤルして # を押す。
2.
内線番号(6000)をダイヤルして # を押す。
3.
2 をダイヤルして、内線番号のメールボックスにメッセージを残すメニュー オプションを選択する。
Cisco Unified SRST が話中または無応答の番号へのコールを内線 6000 のメールボックスに転送するには、1101#6000#2 のシーケンスを発行するようにプログラムする必要があります。図 10-3 に示すように、これは voicemail コマンドと pattern コマンドにより実行します。
図 10-3 Cisco Unified SRST でボイスメールのダイヤル シーケンス 1101#6000#2 を設定する方法
図 10-3 で示す pattern コマンドの # cgn #2、# cdn #2、および # fdn #2 の各部分は、DTMF ディジット パターンです。これらのパターンは、タグとトークンで構成されます。タグは DTMF トーンを表す文字のセットです。トークンはボイスメールに転送された着信コールの状態を宣言する 3 つのコマンド キーワード( cgn 、 cdn 、および fdn )で構成されます。
タグは、DTMF トーン セットから 3 文字まで設定できます(A から D、0 から 9、# および *)。ボイスメール システムが使用できる DTMF トーンのセットは限定されています。たとえば、Cisco Unity は A から D を除くすべての DTMF トーンを使用します。トーンは複数の方法で定義できます。たとえば、トークンのみの表示の前に星印(*)を配置した場合、「次のトークン番号をダイヤルする」ことを意味します。トークンの最後に配置されている場合、トークン番号の終わりを示すことができます。アスタリスクが他のタグ文字の間に配置されている場合、* をダイヤルすることを意味します。タグの使用は、DTMF トーンがボイスメール システムによってどのように定義されているかによって異なります。
トークンは、コール転送チェーンのどの電話番号をパターンで使用するかを Cisco Unified SRST に示します。図 10-4 に示すように、ボイスメールの転送中に起こりうる 3 つのコール状態に対応して、3 つのタイプのトークンがあります。
図 10-4 番号をトークンから導出する方法
タグとトークンのセットまたはパターンは、次のいずれかが発生したときに、ボイスメール システムをアクティブ化します。
- ユーザが電話機のメッセージ ボタンを押す( pattern direct コマンド)。
- 内線番号から話中の内線に接続しようと試み、コールがボイスメールに転送される( pattern ext-to-ext busy コマンド)。
- 内線番号から内線への接続に失敗し、コールがボイスメールに転送される( pattern ext-to-ext no-answer コマンド)。
- 外部トランク コールが話中の内線に到達し、コールがボイスメールに転送される( pattern trunk-to-ext busy コマンド)。
- 外部トランク コールが無応答の内線に到達し、コールがボイスメールに転送される( pattern trunk-to-ext no-answer コマンド)。
手順の概要
1.
vm-integration
2.
pattern direct tag1 { CGN | CDN | FDN } [ tag2 { CGN | CDN | FDN }]
[ tag3 { CGN | CDN | FDN }] [ last-tag ]
3.
pattern ext-to-ext busy tag1 { CGN | CDN | FDN } [ tag2 { CGN | CDN | FDN }]
[ tag3 { CGN | CDN | FDN }] [ last-tag ]
4.
pattern ext-to-ext no-answer tag1 { CGN | CDN | FDN } [ tag2 { CGN | CDN | FDN }]
[ tag3 { CGN | CDN | FDN }] [ last-tag ]
5.
pattern trunk-to-ext busy tag1 { CGN | CDN | FDN } [ tag2 { CGN | CDN | FDN }]
[ tag3 { CGN | CDN | FDN }] [ last-tag ]
6.
pattern trunk-to-ext no-answer tag1 { CGN | CDN | FDN } [ tag2 { CGN | CDN | FDN }]
[ tag3 { CGN | CDN | FDN }] [ last-tag ]
手順の詳細
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手順 1 |
vm-integration
Router(config)# vm-integration
|
ボイスメール統合モードに入り、DTMF およびアナログ ボイスメール システムとのボイスメール統合を実行できるようにします。 |
手順 2 |
pattern direct tag1 { CGN | CDN | FDN } [ tag2 { CGN | CDN | FDN }] [ tag3 { CGN | CDN | FDN }] [ last-tag ]
Router(config-vm-int)# pattern direct 2 CGN * |
ユーザが電話機のメッセージ ボタンを押したときに、ボイスメール システムをアクティブにするために必要な DTMF ディジット パターンの転送を設定します。
- tag1 :英数字の文字列で、長さが 4 桁未満の DTMF ディジット。この英数字文字列は、4 つの文字(A、B、C、D)、2 つの記号(*、#)、10 の数字(0 ~ 9)で構成されます。タグの数字は、ボイスメール システムの統合ファイルで、発信者番号、着信者番号、または転送番号のいずれかの直前で定義されている数字と照合されます。
- tag2 と tag3 :(任意) tag1 を参照してください。
- last-tag : tag1 を参照してください。このタグは、パターンの終わりを示します。
- CGN :発信者番号(CGN)情報がボイスメール システムに送信されます。
- CDN :着信者番号(CDN)情報がボイスメール システムに送信されます。
- FDN :転送番号(FDN)情報がボイスメール システムに送信されます。
|
手順 3 |
pattern ext-to-ext busy tag1 { CGN | CDN | FDN } [ tag2 { CGN | CDN | FDN }] [ tag3 { CGN | CDN | FDN }] [ last-tag ]
Router(config-vm-int)# pattern ext-to-ext busy 7 FDN * CGN * |
内線から話中の内線に接続が試行され、コールがボイスメールに転送されるときに、ボイスメール システムをアクティブにするために必要な DTMF ディジット パターンの転送を設定します。引数およびキーワードの詳細については、 を参照してください。 |
手順 4 |
pattern ext-to-ext no-answer tag1 { CGN | CDN | FDN } [ tag2 { CGN | CDN | FDN }] [ tag3 { CGN | CDN | FDN }] [ last-tag ]
Router(config-vm-int)# pattern ext-to-ext no-answer 5 FDN * CGN * |
内線から内線への接続に失敗し、コールがボイスメールに転送されるときに、ボイスメール システムをアクティブにするために必要な DTMF ディジット パターンの転送を設定します。 引数およびキーワードの詳細については、 を参照してください。 |
手順 5 |
pattern trunk-to-ext busy tag1 { CGN | CDN | FDN } [ tag2 { CGN | CDN | FDN }] [ tag3 { CGN | CDN | FDN }] [ last-tag ]
Router(config-vm-int)# pattern trunk-to-ext busy 6 FDN * CGN * |
外部のトランク コールが話中の内線に到達し、コールがボイスメールに転送されるときに、ボイスメール システムをアクティブにするために必要な DTMF ディジット パターンの転送を設定します。引数およびキーワードの詳細については、 を参照してください。 |
手順 6 |
pattern trunk-to-ext no-answer tag1 { CGN | CDN | FDN } [ tag2 { CGN | CDN | FDN }] [ tag3 { CGN | CDN | FDN }] [ last-tag ]
Router(config-vm-int)# pattern trunk-to-ext no-answer 4 FDN * CGN * |
外部のトランク コールが無応答状態の内線に到達し、コールがボイスメールに転送されるときに、ボイスメール システムをアクティブにするために必要な DTMF ディジット パターンの転送を設定します。引数およびキーワードの詳細については、 を参照してください。 |
例
次の設定では、ボイスメール番号が 1101 であり、3001 がメッセージ ボタンを備えた電話機である場合、3001 メッセージ ボタンが押されると 1101*3001 が自動的にダイヤルされます。このような状況では、3001 は発信者番号または着信コール番号と見なされます。
次の設定では、3001 が 3006 に発信し、3006 が応答しなかった場合、Unified SRST ルータは 3001 をボイスメール システム(1101)に転送し、ボイスメール システムに DTMF パターン #3006#2 を送信します。このパターンは、ボイスメール ボックス番号 3006(3006 のボイスメール ボックス)宛てのものです。このパターンが送信されるには、3001 が転送番号である必要があります。
pattern ext-to-ext no-answer # FDN #2
次の設定では、3006 が話中のときに 3001 が 3006 に発信した場合、Unified SRST ルータは 3001 をボイスメール システム(1101)に転送し、ボイスメール システムに DTMF パターン #3006#2 を送信します。このパターンは、ボイス メールボックス番号 3006(3006 のボイス メールボックス)宛てのものです。このパターンが送信されるには、3001 が転送番号である必要があります。
pattern ext-to-ext busy # FDN #2
メッセージ待機インジケータの設定(Cisco Unified SRST ルータ)
メッセージ待機インジケータ(MWI)リレー メカニズムは、誰かがボイスメール メッセージをリモート ボイスメール メッセージ システムに残すと開始されます。MWI リレーは、1 つの Cisco Unity ボイスメール システムが複数の Cisco Unified SRST ルータで共有されているときに必要です。Unified SRST ルータは、SIP のサブスクライブと MWI の Notify 方式を使用します。SIP MWI およびサブスクライブと Notify 方式については、『 Configuring Cisco IOS SIP Configuration Guide 』を参照してください。SIP MWI リレー サーバである Unified SRST ルータは、SIP ノーティファイヤとして動作します。他のリモート ルータは、SIP のサブスクライバとして機能します。
制約事項
- MWI は、Unified SRST へのフォールバック中はサポートされません。MWI(電話機の LED インジケータ)は、新しいメッセージの着信時やすべてのメッセージがリッスン済みのときに、そのことを正しく反映しません。WAN リンクが使用可能になり、Unified Communications Manager との接続が再確立されたら、MWI との再同期を推奨します。MWI の動作は、Unified SRST 上の IPv4 と IPv6 のボイスメール サポートでは一貫しています。
手順の概要
1.
call-manager-fallback
2.
mwi relay
3.
mwi reg-e164
4.
exit
5.
sip-ua
6.
mwi-server { ipv4: destination-address | dns: host-name } [ expires seconds ] [port port ]
[ transport { tcp | udp }] [ unsolicited ]
7.
exit
手順の詳細
|
|
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手順 1 |
call-manager-fallback
Router(config)# call-manager-fallback |
call-manager-fallback コンフィギュレーション モードを開始します。 |
手順 2 |
mwi relay
Router(config-cm-fallback)# mwi relay |
Unified SRST ルータがリモート Cisco IP Phone に MWI 情報をリレーできるようにします。 |
手順 3 |
mwi reg-e164
Router(config-cm-fallback)# mwi reg-e164 |
SIP プロキシまたはレジストラにより、内線番号ではなく E.164 番号を登録します。 |
手順 4 |
exit
Router(config-cm-fallback)# exit |
call-manager-fallback コンフィギュレーション モードを終了します。 |
手順 5 |
sip-ua
Router(config)# sip-ua |
SIP ユーザ エージェント コンフィギュレーション モードを開始します。 |
手順 6 |
mwi-server { ipv4: destination - address | dns : host - name } [ expires seconds ] [ port port ] [ transport { tcp | udp }] [ unsolicited ]
Router(config-sip-ua)# mwi-server ipv4:10.0.2.254 |
音声ゲートウェイまたはユーザ エージェント上でボイスメール サーバ設定を指定します。SIP ベースの MWI サーバの IP アドレスおよびポートは、ボイスメール サーバと同一の LAN 上に存在する必要があります。MWI サーバは Cisco Unified SRST ルータです。キーワードと引数は次のとおりです。
- ipv4: destination-address :ボイスメール サーバの IP アドレス。
- dns: host-name :ターゲット アドレスに関連付けられた完全なホスト名(たとえば、 dns:test.cisco.com )を含める必要があります。
- expires seconds :加入の有効期間(秒単位)。範囲は 1 ~ 999999 です。デフォルトは 3600 です。
- port port :ボイスメール サーバ上のポート番号。デフォルトは 5060 です。
- transport :ボイスメール サーバへのトランスポート プロトコル。有効な値は tcp および udp です。デフォルトは UDP です。
- unsolicited :メールボックス ステータスが変更された場合に、SIP 通知メッセージを音声ゲートウェイまたは UA に送信するようにボイスメール サーバに要求します。MWI サービスに加入するという音声ゲートウェイの要件を削除します。
|
手順 7 |
exit
Router(config-sip-ua)# exit |
SIP ユーザ エージェント コンフィギュレーション モードを終了します。 |
メッセージ待機インジケータの設定(SRST モードの SIP 電話)
SIP SRST モードで動作している SIP 電話では、 mwi unsolicited コマンドを使用して、メッセージが Cisco Unity Express(CUE)によって送信されるときのメッセージ待機通知を設定することができます。SIP 電話はその後、ボイス メッセージング システムから指示されると通知を表示します。メッセージ待機通知を設定するには、次の手順に従います。
手順の概要
1.
enable
2.
configure terminal
3.
sip-ua
4.
mwi-server { ipv4: destination-address | dns: host-name } [ unsolicited ]
5.
exit
6.
voice register global
7.
mwi unsolicited
8.
end
手順の詳細
|
|
|
手順 1 |
enable
Router> enable |
特権 EXEC モードをイネーブルにします。 プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。 |
手順 2 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
手順 3 |
sip-ua
Router(config)# sip-ua |
ユーザ エージェントを設定するために、Session Initiation Protocol(SIP)ユーザ エージェント(ua)コンフィギュレーション モードを開始します。 |
手順 4 |
mwi-server { ipv4: destination - address | dns : host - name } [ unsolicited ]
Router(config-sip-ua)# mwi-server ipv4:10.0.2.254 unsolicited または Router(config-sip-ua)# mwi-server dns:server.yourcompany.com unsolicited |
音声ゲートウェイまたはユーザ エージェント上でボイスメール サーバ設定を指定します。キーワードと引数は次のとおりです。
- ipv4: destination-address :ボイスメール サーバの IP アドレス。
- dns: host-name :ターゲット アドレスに関連付けられた完全なホスト名(たとえば、 dns:test.cisco.com )を含める必要があります。
- unsolicited :メールボックス ステータスが変更された場合に、SIP 通知メッセージを音声ゲートウェイまたは UA に送信するようにボイスメール サーバに要求します。MWI サービスに加入するという音声ゲートウェイの要件を削除します。
|
手順 5 |
exit
Router(config-sip-ua)# exit |
SIP ユーザ エージェント コンフィギュレーション モードを終了します。 |
手順 6 |
voice register global
Router(config)# voice register global |
音声レジスタ グローバル コンフィギュレーション モードを開始して、SIP SRST モードでサポートされるすべての SIP 電話に対してパラメータを設定します。 |
手順 7 |
mwi unsolicited
Router(config-register-global)# mwi unsolicited |
MWI 通知を受信するすべての SIP 電話をイネーブルにします。 |
手順 8 |
end
Router(config-register-global)# end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
SIP アプリケーションとボイスメールに DTMF リレーを設定する方法
SIP アプリケーション用の DTMF リレーは、2 種類のボイスメールの状況で使用できます。
SIP SRST がコールをボイス メールへ転送する設定については、“コール処理の設定” sectionを参照してください。
(注
) SIP 電話のメッセージ ボタンに関連する SRST のボイスメール番号は、Cisco Unified Communications Manager(CUCM)によって設定され、SIP SRST では設定できません。SIP SRST のボイスメール システムに適切なダイヤル ピアを設定するには、管理者が CUCM によって設定されたボイスメール番号のセットを把握している必要があります。
SIP RFC 2833 を使用した DTMF リレー
Cisco Unified SRST システムで使用されているような Cisco Unified Skinny Client Control Protocol(SCCP)電話は、アウトオブバンド DTMF ディジット表示のみサポートしています。SCCP 電話がディジット情報をリモート SIP ベースの IVR およびボイスメール アプリケーションに送信できるようにするため、Cisco Unified SRST 3.2 以降のバージョンは、アウトオブバンド SCCP ディジット表示を DTMF リレー向けの SIP 規格である RFC 2833 に変換することができます。この方法は、dtmf-relay rtp-nte コマンドを使用して SIP VoIP ダイヤル ピアで選択します。
SIP DTMF リレー方式は、次の場合に必要です。
- SIP を使用して、リモートの SIP ベースの IVR または Cisco Unity などのボイスメール アプリケーションに Cisco Unified SRST システムが接続されている。
- SIP を使用して、PSTN を経由してボイスメールまたは IVR アプリケーションに接続するリモートの SIP-PSTN 音声ゲートウェイに Cisco Unified SRST システムが接続されている。
(注
) アウトオブバンド DTMF リレー変換を使用する必要があるのは、SCCP 電話だけです。SIP 電話は、RFC 2833 で指定されているように、ネイティブにインバンド DTMF リレーをサポートしています。
RFC 2833 を使用して SIP DTMF リレーを有効にするには、このセクションのコマンドを発信および着信ゲートウェイの両方で使用する必要があります。
手順の概要
1.
dial-peer voice tag voip
2.
dtmf-relay rtp-nte
3.
exit
4.
sip-ua
5.
notify telephone-event max-duration time
6.
exit
手順の詳細
|
|
|
手順 1 |
dial-peer voice tag voip
Router(config)# dial-peer voice 2 voip |
ダイヤルピア コンフィギュレーション モードを開始します。 |
手順 2 |
dtmf-relay rtp-nte
Router(config-dial-peer)# dtmf-relay rtp-nte |
Real-Time Transport Protocol(RTP)と Named Telephony Event(NTE)ペイロード タイプを使用して DTMF トーンを転送します。 |
手順 3 |
exit
Router(config-dial-peer)# exit |
ダイヤルピア コンフィギュレーション モードを終了します。 |
手順 4 |
sip-ua
Router(config)# sip-ua |
SIP ユーザ エージェント コンフィギュレーション モードをイネーブルにします。 |
手順 5 |
notify telephone-event max-duration time
Router(config-sip-ua)# notify telephone-event max-duration 2000 |
単一の DTMF イベントに対する 2 つの連続した NOTIFY メッセージ間で許容される最大時間間隔を設定します。
- max-duration time :単一の DTMF イベントに対する連続した NOTIFY メッセージ間の時間間隔(ミリ秒単位)。範囲は 500 ~ 3000 です。デフォルトは 2000 です。
|
手順 6 |
exit
Router(config-sip-ua)# exit |
SIP ユーザ エージェント コンフィギュレーション モードを終了します。 |
トラブルシューティングのヒント
show running-config コマンド出力のダイヤルピア セクションは、ここで引用するように、設定されている場合は DTMF リレー ステータスを表示します。
destination-pattern [12]...
session target ipv4:10.8.17.42
SIP NOTIFY を使用した DTMF リレー(非標準)
Cisco Unity Express システムに接続する SIP ネットワークでボイスメールを使用するには、非標準の SIP Notify 形式を使用します。Notify 形式を設定するには、dtmf-relay コマンドで sip-notify キーワードを使用します。 sip-notify キーワードの使用は、Cisco Unified SRST バージョン 3.0 および 3.1 との後方互換性のために必要になることがあります。
手順の概要
1.
dial-peer voice tag voip
2.
dtmf-relay sip-notify
3.
exit
4.
sip-ua
5.
notify telephone-event max-duration time
6.
exit
手順の詳細
|
|
|
手順 1 |
dial-peer voice tag voip
Router(config)# dial-peer voice 2 voip |
ダイヤルピア コンフィギュレーション モードを開始します。 |
手順 2 |
dtmf-relay sip-notify
Router(config-dial-peer)# dtmf-relay sip-notify |
SIP NOTIFY メッセージを使用して DTMF トーンを転送します。 |
手順 3 |
exit
Router(config-dial-peer)# exit |
ダイヤルピア コンフィギュレーション モードを終了します。 |
手順 4 |
sip-ua
Router(config)# sip-ua |
SIP ユーザ エージェント コンフィギュレーション モードをイネーブルにします。 |
手順 5 |
notify telephone-event max-duration time
Router(config-sip-ua)# notify telephone-event max-duration 2000 |
単一の DTMF イベントに対する 2 つの連続した NOTIFY メッセージ間で許容される最大時間間隔を設定します。
- max-duration time :単一の DTMF イベントに対する連続した NOTIFY メッセージ間の時間間隔(ミリ秒単位)。範囲は 500 ~ 3000 です。デフォルトは 2000 です。
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手順 6 |
exit
Router(config-sip-ua)# exit |
SIP ユーザ エージェント コンフィギュレーション モードを終了します。 |
トラブルシューティングのヒント
show sip-ua status コマンド出力は、電話イベントに対する連続した NOTIFY メッセージ間の時間間隔を表示します。次の例では、時間間隔が 2000 ms です。
Router# show sip-ua status
SIP User Agent for UDP :ENABLED
SIP User Agent for TCP :ENABLED
SIP User Agent bind status(signaling):DISABLED
SIP User Agent bind status(media):DISABLED
SIP early-media for 180 responses with SDP:ENABLED
SIP DNS SRV version:2 (rfc 2782)
NAT Settings for the SIP-UA
Check media source packets:DISABLED
Maximum duration for a telephone-event in NOTIFYs:2000 ms
SIP support for ISDN SUSPEND/RESUME:ENABLED
Redirection (3xx) message handling:ENABLED
SDP application configuration:
Version line (v=) required
Timespec line (t=) required
Media supported:audio image
Network types supported:IN
Address types supported:IP4
Transport types supported:RTP/AVP udptl